JP2015139389A - 糖リン酸化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドナー基質の種類に関係なく、活性が高い糖リン酸化剤の提供。【解決手段】以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを含むことを特徴とする糖リン酸化剤。(a)特定のアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質(a2)(b)前記タンパク質(a1)又は前記タンパク質(a2)をコードする核酸(c)上記(b)の核酸を含む組換えベクター(d)上記(c)の組換えベクターで形質転換された形質転換体。糖がN−アセチルグルコサミンであり、糖リン酸化剤がN−アセチルヘキソサミンキナーゼ活性である糖リン酸化剤。前記タンパク質(a1)及び(a2)並びに(b)の核酸がビフィドバクテリウム・ビフィダム由来である、糖リン酸化剤。【選択図】なし
Description
本発明は、糖リン酸化剤に関する。
キナーゼはアデノシン三リン酸(ATP)等のリン酸基を有する化合物のリン酸を他の分子に転移する反応を触媒する酵素の総称である。
従来、糖にリン酸基を転移し、糖のリン酸エステルを合成するキナーゼ(糖リン酸化剤)としてガラクトキナーゼが一般的に知られている(特許文献1)。ガラクトキナーゼはガラクトース及びATPを基質とし、α−ガラクトース−1−リン酸及びADPを生成するものである。
従来、糖にリン酸基を転移し、糖のリン酸エステルを合成するキナーゼ(糖リン酸化剤)としてガラクトキナーゼが一般的に知られている(特許文献1)。ガラクトキナーゼはガラクトース及びATPを基質とし、α−ガラクトース−1−リン酸及びADPを生成するものである。
また、最近、N−アセチルグルコサミンから直接N−アセチルグルコサミン−1−リン酸への変換を触媒する新規な糖リン酸化剤(N−アセチルヘキソサミンキナーゼ)が発見されている(特許文献2)。しかしながら、この酵素はATP以外のドナー基質(糖にリン酸基を与えるもの)で反応すると、生成物(N−アセチルグルコサミン−1−リン酸)の量が50%以下に減少する問題がある。
本発明の目的は、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高い糖リン酸化剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを含むことを特徴とする糖リン酸化剤である。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質(a2)
(b)前記タンパク質(a1)又は前記タンパク質(a2)をコードする核酸
(c)上記(b)の核酸を含む組換えベクター
(d)上記(c)の組換えベクターで形質転換された形質転換体
すなわち、本発明は、以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを含むことを特徴とする糖リン酸化剤である。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質(a2)
(b)前記タンパク質(a1)又は前記タンパク質(a2)をコードする核酸
(c)上記(b)の核酸を含む組換えベクター
(d)上記(c)の組換えベクターで形質転換された形質転換体
本発明の糖リン酸化剤は、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高い。
本発明の糖リン酸化剤は、以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを含むことを特徴とする糖リン酸化剤である。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質(a2)
(b)前記タンパク質(a1)又は前記タンパク質(a2)をコードする核酸
(c)上記(b)の核酸を含む組換えベクター
(d)上記(c)の組換えベクターで形質転換された形質転換体
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質(a2)
(b)前記タンパク質(a1)又は前記タンパク質(a2)をコードする核酸
(c)上記(b)の核酸を含む組換えベクター
(d)上記(c)の組換えベクターで形質転換された形質転換体
本発明において、糖リン酸化剤とは、N−アセチルヘキソサミンキナーゼ活性を有し、糖であるN−アセチルヘキソサミンとドナー基質であるリン酸基を有する化合物{例えば、アデノシン三リン酸(以下、ATPと記載)等}とを用いてN−アセチルヘキソサミンをリン酸化し、糖リン酸(N−アセチルヘキソサミン−1−リン酸)を生成する反応を触媒するものである。
N−アセチルヘキソサミンとしては、ヘキソースが有するヒドロキシル基のうち1つがアミノ基に置換されたヘキソサミンのアミノ基がアセチル化されたものが含まれ、具体的には、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン及びN−アセチルマンノサミン等が挙げられる。
リン酸基を有する化合物としては、ヌクレオシド三リン酸{ATP、グアノシン三リン酸(以下、GTPと記載)、ウリジン三リン酸(以下、UTPと記載)及びシチジン三リン酸(以下、CTPと記載)等}等が挙げられる。
ATPは、アデニンとリボースからなるアデノシンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
GTPは、グアニンとリボースからなるグアノシンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
UTPは、ウラシルとリボースからなるウリジンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
CTPは、シトシンとリボースからなるシチジンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
ATPは、アデニンとリボースからなるアデノシンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
GTPは、グアニンとリボースからなるグアノシンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
UTPは、ウラシルとリボースからなるウリジンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
CTPは、シトシンとリボースからなるシチジンにおいて、5位の炭素に結合したヒドロキシル基が三リン酸エステル化されたものである。
リン酸基を有する化合物としては、活性の観点から、ヌクレオシド三リン酸が好ましい。
リン酸基を有する化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リン酸基を有する化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、タンパク質(a)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、N−アセチルヘキソサミンキナーゼ活性を有するタンパク質(a2)である。
配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を少なくとも1つ含んでいればよいが、活性の観点から、1〜5個が好ましい。
タンパク質(a1)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むことにより、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高い。
タンパク質(a1)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むことにより、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高い。
また、タンパク質(a1)を構成するアミノ酸配列中の配列番号1のアミノ酸配列以外のアミノ酸の数は、活性の観点から、1〜100個が好ましく、さらに好ましくは1〜50個である。
タンパク質(a2)は、配列番号1のアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質である。
欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸の個数は、活性の観点から、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜5個である。
タンパク質(a2)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列と同等であるので、タンパク質(a1)と同様にドナー基質の種類に関係なく、活性が高い。
欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸の個数は、活性の観点から、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜5個である。
タンパク質(a2)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列と同等であるので、タンパク質(a1)と同様にドナー基質の種類に関係なく、活性が高い。
タンパク質(a1)又は(a2)であるかは、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によってアミノ酸配列を決定することにより確認することができる。
また、天然物から抽出したタンパク質が、タンパク質(a1)又は(a2)に該当するかどうかは、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によって、抽出したタンパク質のアミノ酸配列を決定し、DNAデータバンクジャパンの提供する配列比較プログラム「ClustalW」(http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/top−j.html)を用いてタンパク質(a1)又は(a2)の配列と相同部分を検索することにより決定できる。
また、天然物から抽出したタンパク質が、タンパク質(a1)又は(a2)に該当するかどうかは、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によって、抽出したタンパク質のアミノ酸配列を決定し、DNAデータバンクジャパンの提供する配列比較プログラム「ClustalW」(http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/top−j.html)を用いてタンパク質(a1)又は(a2)の配列と相同部分を検索することにより決定できる。
本発明の糖リン酸化剤である上記タンパク質(a1)及びタンパク質(a2)は、タンパク質(a1)をコードする核酸又はタンパク質(a2)をコードする核酸を微生物等の宿主に導入し、宿主を培養液中で培養し、培養液中から(a1)又は(a2)を採取及び精製することによって生産することができる。なお、タンパク質(a1)又はタンパク質(a2)をコードする核酸は、自然界等から得ることも可能ではあるが、更に部位特異的突然変異誘発法等の公知の手法を利用して調製することもできる。
宿主としては、動物細胞、昆虫細胞、微生物及び植物細胞等が挙げられる。
動物細胞としては、特に限定されないが、サル細胞COS−7、Vero、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞及びCHO細胞等が挙げられる。
昆虫細胞としては、特に限定されないが、Sf9細胞及びSf21細胞等が挙げられる。
微生物としては、特に限定されないが、細菌及び酵母等が挙げられる。
細菌としては、真正細菌及び古細菌が含まれる。
真正細菌には、グラム陰性菌及びグラム陽性菌が含まれる。グラム陰性細菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus属)、ストレプトマイセス属(Streptmyces属)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium属)、ラクトコッカス属 (Lactococcus属)、エンテロコッカス属 (Enterococcus属)、ペディオコッカス属(Pediococcus属)、リューコノストック属 (Leuconostoc属)、ストレプトマイセス属(Streptomyces属)等が挙げられる。
植物細胞としては、特に限定されないが、BY−2細胞等が挙げられる。
動物細胞としては、特に限定されないが、サル細胞COS−7、Vero、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞及びCHO細胞等が挙げられる。
昆虫細胞としては、特に限定されないが、Sf9細胞及びSf21細胞等が挙げられる。
微生物としては、特に限定されないが、細菌及び酵母等が挙げられる。
細菌としては、真正細菌及び古細菌が含まれる。
真正細菌には、グラム陰性菌及びグラム陽性菌が含まれる。グラム陰性細菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus属)、ストレプトマイセス属(Streptmyces属)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium属)、ラクトコッカス属 (Lactococcus属)、エンテロコッカス属 (Enterococcus属)、ペディオコッカス属(Pediococcus属)、リューコノストック属 (Leuconostoc属)、ストレプトマイセス属(Streptomyces属)等が挙げられる。
植物細胞としては、特に限定されないが、BY−2細胞等が挙げられる。
宿主としては、クローニングの容易さの観点から、微生物が好ましく、さらに好ましくはエシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)であり、特に好ましくはエシェリチア属菌(Escherichia)、シュワネラ属菌(Shewanella)、バチルス属(Bacillus属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)である。
培養は微生物の資化可能な炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地に接種し、常法に従って行えばよい。
本発明において、培養液からタンパク質(a1)又は(a2)を採取及び精製する方法としては、常法に準じて行うことができる。例えば、培養物から遠心分離又は濾過することで菌体を除き、得られた培養上清液から常法手段により目的酵素を濃縮することができる。このようにして得られた酵素液又は乾燥粉末はそのまま用いることもできるが、さらに公知の方法により結晶化や造粒化することができる。
本発明において、(b)の核酸は、上記タンパク質(a1)又は上記タンパク質(a2)をコードする核酸である。
本発明の(b)の核酸をクローニングする方法は、例えばMolecular cloning−a Laboratory manual 2nd edition(Sambrookら、1989)に記載の方法等が挙げられる。
本発明において、(a)のタンパク質(a1)、(a)のタンパク質(a2)又は(b)の核酸は、活性が高い観点から、ビフィドバクテリウム・ビフィダム由来であることが好ましい。
本発明において、ベクター(c)は、上記(b)の核酸を含む組換えベクターである。
組換えベクターは、適当なベクターに上記(b)の核酸を挿入することによって得ることができる。
ベクターは種々のものが公知であり、市販品も多く存在する。当業者であれば、宿主の種類に応じて適切なベクターを容易に選択することができる。ベクターの具体例としては、pETシリーズ、pUCシリーズなどが挙げられる。
組換えベクターの調製方法自体は周知の常法である。適当なベクターに変異遺伝子を挿入し、宿主を形質転換する具体的な方法としては、エレクトロポレーション法及びカルシウム法等が挙げられる。
組換えベクターは、適当なベクターに上記(b)の核酸を挿入することによって得ることができる。
ベクターは種々のものが公知であり、市販品も多く存在する。当業者であれば、宿主の種類に応じて適切なベクターを容易に選択することができる。ベクターの具体例としては、pETシリーズ、pUCシリーズなどが挙げられる。
組換えベクターの調製方法自体は周知の常法である。適当なベクターに変異遺伝子を挿入し、宿主を形質転換する具体的な方法としては、エレクトロポレーション法及びカルシウム法等が挙げられる。
本発明において、(d)の形質転換体は、上記(c)の組換えベクターを用いて宿主を形質転換した組換えベクター(c)を含む形質転換体である。形質転換体(d)を培養することで、培養液からタンパク質(a1)又は(a2)を採取できる。
以下の実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号2)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素XhoI認識配列を付加し、ライフテクノロジーズジャパン株式会社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、XhoIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社製)のNcoI制限酵素サイトとXhoI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)を作成した。その後、AG1(DE3)大腸菌株へ形質転換を行い、配列番号1のタンパク質(a1)を発現する大腸菌(α)を作成した。
大腸菌(α)をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)5mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い前培養液を作成した。前培養液を50mLの培養液(酵母エキス(日本製薬(株)製)1.2g、ポリペプトン(日本製薬(株)製)0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤(信越化学工業(株)製、「KM−70」)0.3g、1mM 硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg)、100mg/Lアンピシリン)に植菌し微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BioJr.8」)を用いてpH6.8、30℃を維持したまま培養を行った。培養開始後1M IPTGを0.15mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤(信越化学工業(株)製、「KM−70」)、100mg/L アンピシリン)の滴下を開始した。培養開始後、48時間目に培養液(R−1)を回収した。
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号2)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素XhoI認識配列を付加し、ライフテクノロジーズジャパン株式会社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、XhoIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社製)のNcoI制限酵素サイトとXhoI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)を作成した。その後、AG1(DE3)大腸菌株へ形質転換を行い、配列番号1のタンパク質(a1)を発現する大腸菌(α)を作成した。
大腸菌(α)をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)5mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い前培養液を作成した。前培養液を50mLの培養液(酵母エキス(日本製薬(株)製)1.2g、ポリペプトン(日本製薬(株)製)0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤(信越化学工業(株)製、「KM−70」)0.3g、1mM 硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg)、100mg/Lアンピシリン)に植菌し微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BioJr.8」)を用いてpH6.8、30℃を維持したまま培養を行った。培養開始後1M IPTGを0.15mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤(信越化学工業(株)製、「KM−70」)、100mg/L アンピシリン)の滴下を開始した。培養開始後、48時間目に培養液(R−1)を回収した。
得られた培養液(R−1)から遠心分離機(KUBTA社製「5922」、4℃、6000×g、10分)を用いて菌体を分離し上清のみを回収し、タンパク質(a1)を得た。
<製造例1>
<UDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼの製造>
実施例1において、「配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号2)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素XhoI認識配列を付加)」に代えて、「配列番号3のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号4)(5‘末端側に制限酵素MscI,3’末端側に制限酵素XhoI認識配列を付加)」を用いる以外は同様にして、1g/LのUDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼ溶液を得た。
<UDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼの製造>
実施例1において、「配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号2)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素XhoI認識配列を付加)」に代えて、「配列番号3のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号4)(5‘末端側に制限酵素MscI,3’末端側に制限酵素XhoI認識配列を付加)」を用いる以外は同様にして、1g/LのUDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼ溶液を得た。
<タンパク質(a1)のGTPに対する活性>
1.5mLのチューブ中でタンパク質(a1)の1g/L溶液を5μL、製造例1で得た1g/LのUDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼ溶液5μL、バッファー1[5mM 塩化マグネシウム、100mM Tris−HCl(pH8.0、25℃)水溶液]160.5μL、バッファー1で溶かした100mM N−アセチルグルコサミン(シグマ社製)溶液10μL、100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL、バッファー1で溶かした100mM UTP(ナカライテスク(株)製)溶液10μL、超純水で溶かした2M 塩化マグネシウム水溶液1.5μLを混合した。混合液を恒温槽で、30℃、30分間反応させた。
反応後、15wt%トリクロロ酢酸水溶液を110μL加え、反応を停止した。遠心分離器(KUBOTA社製「5922」、4℃、13,000×g、5分)を用いて遠心し、不溶物を沈殿させ、上清を回収し、750mM 水酸化ナトリウム水溶液56μLを加え、さらに超純水を200μL加えた。この溶液を液体クロマトグラフィー((株)島津製作所製 Acquity BEH300 C18カラム、ACQUITY UPLCシステム及びACQUITY UPLC TUV検出器)に供し、ウリジン二リン酸−アセチルグルコサミンのピーク面積から、反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.44mMであった。
本方法においては、タンパク質(a1)とGTPとが反応することにより、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸が生成する。しかしながら、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸を直接HPLCにより検出することができないため、生成したN−アセチルグルコサミン−1−リン酸とUTPとを、極めて活性の高いUDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼを触媒として反応させ、生成したN−アセチルグルコサミン−1−リン酸の全てをウリジン二リン酸−アセチルグルコサミンに変換し、ウリジン二リン酸−アセチルグルコサミンの量をHPLCにより検出することにより、生成したN−アセチルグルコサミン−1−リン酸の量を算出した。
1.5mLのチューブ中でタンパク質(a1)の1g/L溶液を5μL、製造例1で得た1g/LのUDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼ溶液5μL、バッファー1[5mM 塩化マグネシウム、100mM Tris−HCl(pH8.0、25℃)水溶液]160.5μL、バッファー1で溶かした100mM N−アセチルグルコサミン(シグマ社製)溶液10μL、100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL、バッファー1で溶かした100mM UTP(ナカライテスク(株)製)溶液10μL、超純水で溶かした2M 塩化マグネシウム水溶液1.5μLを混合した。混合液を恒温槽で、30℃、30分間反応させた。
反応後、15wt%トリクロロ酢酸水溶液を110μL加え、反応を停止した。遠心分離器(KUBOTA社製「5922」、4℃、13,000×g、5分)を用いて遠心し、不溶物を沈殿させ、上清を回収し、750mM 水酸化ナトリウム水溶液56μLを加え、さらに超純水を200μL加えた。この溶液を液体クロマトグラフィー((株)島津製作所製 Acquity BEH300 C18カラム、ACQUITY UPLCシステム及びACQUITY UPLC TUV検出器)に供し、ウリジン二リン酸−アセチルグルコサミンのピーク面積から、反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.44mMであった。
本方法においては、タンパク質(a1)とGTPとが反応することにより、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸が生成する。しかしながら、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸を直接HPLCにより検出することができないため、生成したN−アセチルグルコサミン−1−リン酸とUTPとを、極めて活性の高いUDP−アセチルグルコサミンウリジルトランスフェラーゼを触媒として反応させ、生成したN−アセチルグルコサミン−1−リン酸の全てをウリジン二リン酸−アセチルグルコサミンに変換し、ウリジン二リン酸−アセチルグルコサミンの量をHPLCにより検出することにより、生成したN−アセチルグルコサミン−1−リン酸の量を算出した。
<タンパク質(a1)のCTPに対する活性>
「タンパク質(a1)のGTPに対する活性」において、「100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」に変えて「100mM CTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」とする以外は同様にして酵素反応させた。反応後の反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.27mMであった。
「タンパク質(a1)のGTPに対する活性」において、「100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」に変えて「100mM CTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」とする以外は同様にして酵素反応させた。反応後の反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.27mMであった。
<タンパク質(a1)のUTPに対する活性>
「N−アセチルヘキソサミンキナーゼのGTPに対する活性」において、「100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」に変えて「100mM UTP(ナカライテスク(株)製)溶液10μL」とする以外は同様にして酵素反応させた。反応後の反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.33mMであった。
「N−アセチルヘキソサミンキナーゼのGTPに対する活性」において、「100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」に変えて「100mM UTP(ナカライテスク(株)製)溶液10μL」とする以外は同様にして酵素反応させた。反応後の反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.33mMであった。
<タンパク質(a1)のATPに対する活性>
「N−アセチルヘキソサミンキナーゼのGTPに対する活性」において、「100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」に変えて「100mM ATP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」とする以外は同様にして酵素反応させた。反応後の反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.28mMであった。
「N−アセチルヘキソサミンキナーゼのGTPに対する活性」において、「100mM GTP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」に変えて「100mM ATP(和光純薬工業(株)製)溶液10μL」とする以外は同様にして酵素反応させた。反応後の反応液中のN−アセチルグルコサミン−1−リン酸を算出したところ、0.28mMであった。
本発明の糖リン酸化剤を用いた場合、ATP以外のドナー基質(GTP、CTP及びUTP)に対しても高い活性を示すことがわかる。
また、ドナー基質としてGTPを用いた場合、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸の生成量が一番多く、0.44mMであった。ATPを用いた場合、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸の生成量が一番少なく0.28mMであった。したがって、ドナー基質を変更しても、GTPを用いた場合の生成量を基準として、最少でも64%であり、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高いことが分かる。
また、ドナー基質としてGTPを用いた場合、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸の生成量が一番多く、0.44mMであった。ATPを用いた場合、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸の生成量が一番少なく0.28mMであった。したがって、ドナー基質を変更しても、GTPを用いた場合の生成量を基準として、最少でも64%であり、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高いことが分かる。
本発明の糖リン酸化剤は、ドナー基質の種類に関係なく、活性が高い。また、本発明の糖リン酸化剤を用いて得られる糖1リン酸は、糖ヌクレオチドのドナー基質であり、糖ヌクレオチドは多様な生物機能を持つ糖鎖の合成に必要である。したがって、本発明の糖リン酸化剤は、糖鎖関連分野、研究用試薬などの化学品などとして有用である。
Claims (4)
- 以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを含むことを特徴とする糖リン酸化剤。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質(a1)又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸からなり、糖リン酸化活性を有するタンパク質(a2)
(b)前記タンパク質(a1)又は前記タンパク質(a2)をコードする核酸
(c)上記(b)の核酸を含む組換えベクター
(d)上記(c)の組換えベクターで形質転換された形質転換体 - 糖がN−アセチルグルコサミンである請求項1に記載の糖リン酸化剤。
- 糖リン酸化活性がN−アセチルヘキソサミンキナーゼ活性である請求項1又は2に記載の糖リン酸化剤。
- (a)のタンパク質(a1)、(a)のタンパク質(a2)又は(b)の核酸がビフィドバクテリウム・ビフィダム由来である請求項1〜3のいずれかに記載の糖リン酸化剤。
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