JP2015138729A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質層の端部での金属の溶出が起こりにくいリチウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極シート220と負極シート240とが捲回された捲回電極体200を備える。負極シート240の最外周部240aは、正極シート220の最外周部220aよりも外周側に配置されている。捲回電極体200は、外周側正極活物質層223bの単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量をB、内周側負極活物質層243aの単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量をC、外周側負極活物質層243bの単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量をDとした場合に、D<C<Bの関係が成立する特定領域R1を有する。特定領域R1は、捲回電極体200の捲回周方向において、負極シート240の捲き終わり端部240eから、外周側負極活物質層243bが内周側正極活物質層223aと対向する部位R2の少なくとも一部に至るまでの領域として規定される。【選択図】図4

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、詳しくは正極シートと負極シートとがセパレータを介して捲回された捲回電極体を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池は、車両搭載用電源、あるいはパソコンおよび携帯端末の電源として好ましく用いられている。特に、リチウムイオン二次電池(例えば特許文献1)は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、車両搭載用の高出力電源あるいは電力貯蔵システムの電源等としての重要性が高まっている。
この種の電池の一つとして、長尺の正極シートと負極シートとをセパレータを介して積層させて渦巻き状に捲回した捲回電極体を備える電池構造が知られている。電極体を渦巻き状とすることにより正負極の反応面積を増大させることができ、これによってエネルギー密度を高め、高出力を可能としている。かかる捲回電極体の一つの典型的な構成では、図8に示すように、正極シート1は、正極集電体2の両面に正極活物質を含む正極活物質層3が保持された構成を有している。また、負極シート4は、負極集電体5の両面に負極活物質を含む負極活物質層6が保持された構成を有している。負極シート4の最外周部4aは、正極シート1の最外周部1aよりも外周側に配置されている。
特開平10−326629号公報
図8に示す構成では、捲回電極体の最外周部において、内周側の負極活物質層6aは正極活物質層3bに対向しているが、外周側の負極活物質層6bは正極活物質層に対向していない。この場合、外周側正極活物質層3bから放出されたリチウムイオンは、内周側負極活物質層6aには拡散するが、外周側負極活物質層6bには拡散しない。しかしながら、外周側負極活物質層6bの近傍には、外周側正極活物質層3bの端部3b1(正極シート1の捲き終わり端部)が位置するため、該端部3b1から放出されたリチウムイオンは、内周側負極活物質層6aだけでなく、外周側負極活物質層6bにも拡散する。この際、外周側正極活物質層3bの端部3b1では、充電時に、リチウムイオンの放出量が他の部位に比べて多くなる傾向が生じ得る。このため、当該外周側正極活物質層3bの端部3b1では、電位が局所的に上昇する可能性があると考えられる。
このように、正極活物質層の端部の電位が局所的に著しく上昇した状態で、さらに高温環境に長時間(例えば80℃で3日間)保存すると、正極活物質層に含まれる金属(典型的には遷移金属)の局所的な溶出を招き、該金属が負極上に析出することで微小短絡が発生する(ひいては自己放電量が増大する)要因になり得る。本発明はかかる課題を解決するものである。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極シートと負極シートとがセパレータを介して捲回された捲回電極体を備える。前記正極シートは、シート状の正極集電体のうち前記捲回電極体において外周側を向く面に保持された外周側正極活物質層と、内周側を向く面に保持された内周側正極活物質層とを有する。また、前記負極シートは、シート状の負極集電体のうち前記捲回電極体において外周側を向く面に保持された外周側負極活物質層と、内周側を向く面に保持された内周側負極活物質層とを有する。そして、前記負極シートの最外周部は、前記正極シートの最外周部よりも外周側に配置されている。ここで、前記捲回電極体は、前記内周側正極活物質層の単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量をA、前記外周側正極活物質層の単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量をB、前記内周側負極活物質層の単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量をC、前記外周側負極活物質層の単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量をDとした場合に、D<C<Bの関係が成立する特定領域を有する。そして、前記特定領域は、前記捲回電極体の捲回周方向において、前記負極シートの捲き終わり端部から、前記外周側負極活物質層が前記内周側正極活物質層と対向する部位の少なくとも一部に至るまでの領域として規定される。
かかる構成によると、捲回電極体の最外周部において、正極活物質層に対向していない外周側負極活物質層に拡散するリチウムイオンの量が従来に比して低減される。そのため、当該外周側負極活物質層に近い、外周側正極活物質層の端部では、過度にリチウムイオンが放出される事態が生じ難い。そして、外周側正極活物質層の端部から過度にリチウムイオンが放出されることに起因して、かかる外周側正極活物質層の端部で電位が局所的に上昇する事象が緩和される。その結果、高温保存された場合に起こり得る、外周側正極活物質層の端部での金属の溶出(ひいては微小短絡の発生)を抑制することができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の好ましい一態様では、前記特定領域は、前記負極シートの捲き終わり端部から捲き始め端部に至るまでの全域として規定される。この場合、上記D<C<Bの関係を満足する捲回電極体を簡易に作製できる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の好ましい一態様では、前記特定領域において、0.57≦(C/B)、かつ、0.57≦(D/A)の関係が成立する。かかる構成によると、低温サイクル耐久性を良好にすることができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の好ましい一態様では、前記特定領域において、(D/B)≦0.51の関係が成立する。この場合、外周側正極活物質層の端部での金属溶出をより良く抑制することができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の好ましい一態様では、前記特定領域において、0.3≦(D/B)の関係が成立する。この場合、正極シートおよび負極シートの変形(典型的には反り)を抑制することができる。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造の一例を示す図である。 一実施形態に係る捲回電極体を示す図である。 図2中のIII−III断面を示す断面図である。 捲回電極体の最外周部の近傍を模式的に示す図である。 正極シートと負極シートとを幅方向で切断した断面を模式的に示す図である。 目付量比(D/B)とSOC低下速度との関係を示すグラフである。 容量比とSOC低下速度との関係を示すグラフである。 従来の捲回電極体の最外周部の近傍を模式的に示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池を図面に基づいて説明する。ここでは、リチウムイオン二次電池を例に挙げて二次電池を説明する。なお、同じ作用を奏する部材、部位には適宜に同じ符号を付している。また、各図面は、模式的に描いており、必ずしも実物を反映しない。また、各図面は、一例を示すのみであり、各図面は、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)、ニッケル水素電池などのいわゆる蓄電池を包含する。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1は、リチウムイオン二次電池100を示している。このリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体200と電池ケース300とを備えている。また、図2は、捲回電極体200を示す図である。図3は、図2中のIII−III断面を示している。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、図1に示すような扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)300に構成されている。リチウムイオン二次電池100は、図2に示すように、扁平形状の捲回電極体200が、図示しない液状電解質(電解液)とともに、電池ケース300に収容されている。
≪電池ケース300≫
電池ケース300は、一端(電池100の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体320と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ矩形状プレート部材からなる封口板(蓋体)340とから構成される。
電池ケース300の材質は、従来の密閉型電池で使用されるものと同じであればよく、特に制限はない。軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成された電池ケース300が好ましく、このような金属製材料としてアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等が例示される。本実施形態に係る電池ケース300(ケース本体320および封口板340)はアルミニウム若しくはアルミニウムを主体とする合金によって構成されている。
図1に示すように、封口板340には外部接続用の正極端子420および負極端子440が形成されている。封口板340の両端子420、440の間には、電池ケース300の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成された薄肉の安全弁360と、注液口350が形成されている。なお、図1では、当該注液口350が注液後に封止材352によって封止されている。
≪捲回電極体200(電極体)≫
捲回電極体200は、図2に示すように、長尺なシート状正極(正極シート220)と、該正極シート220と同様の長尺シート状負極(負極シート240)とを計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータ262,264)とを備えている。
≪正極シート220≫
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、例えば、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、正極集電体221として、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極シート220は、正極集電体221の長手方向に直交する幅方向の一方の端部には、正極活物質層223が形成されずに正極集電体221が露出している未塗工部222を設けている。また、他方の端部には実質的に未塗工部222が設けられないように正極活物質層223が形成されている。図示例では、正極活物質層223は、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質や導電材やバインダが含まれている。
正極活物質には、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いられる物質を使用することができる。正極活物質の例を挙げると、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。
例えば、正極活物質に、導電材としてアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の粉末状カーボン材料を混合することができる。また、正極活物質と導電材の他に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)等のバインダを添加することができる。これらを適当な分散媒体に分散させて混練することによって、正極合剤(ペースト)を調製することができる。正極活物質層223は、この正極合剤を正極集電体221に塗布し、乾燥させ、予め定められた厚さにプレスすることによって形成されている。
≪負極シート240≫
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、例えば、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、負極集電体241には、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極シート240は、負極集電体241の長手方向に直交する幅方向の一方の端部には、負極活物質層243が形成されずに負極集電体241が露出している未塗工部242を設けている。また、他方の端部には実質的に未塗工部242が設けられないように負極活物質層243が形成されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に保持されている。負極活物質層243には、負極活物質や増粘剤やバインダなどが含まれている。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボンなどの炭素系材料、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物などが挙げられる。
また、かかる負極活物質の他に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)等のバインダを添加することができる。さらに、負極活物質やバインダの他に、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の増粘剤を添加することができる。負極活物質層243に含まれる増粘剤については後で詳細に述べる。そして、正極と同様、これらの負極活物質層構成成分を適当な分散媒体に分散させて混練することによって、負極合剤(ペースト)を調製することができる。負極活物質層243は、この負極合剤を負極集電体241に塗布し、乾燥させ、予め定められた厚さにプレスすることによって形成されている。
≪セパレータ262、264≫
セパレータ262、264は、図2および図3に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。樹脂で構成された多孔質シート材の表面に絶縁性を有する粒子の多孔質層を形成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物(例えばアルミナ)、金属水酸化物などのフィラー)で構成してもよい。この例では、図2および図3に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
≪捲回電極体200≫
捲回電極体200は、正極活物質層223と負極活物質層243との間にセパレータ262、264を介在させつつ、正極シート220と負極シート240とを重ね、かつ、捲回した電極体である。この実施形態では、図2および図3に示すように、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264は、長さ方向を揃えて、正極シート220、セパレータ262、負極シート240、セパレータ264の順で重ねられている。この実施形態では、セパレータ262、264が介在した状態ではあるが、負極活物質層243は正極活物質層223を覆うように重ねられている。さらに、負極集電体241と正極集電体221とは、集電性を高める目的で、互いの未塗工部242、222が捲回電極体200の幅方向で反対側に突出するように、重ねられている。重ねられたシート材(例えば、正極シート220)は、幅方向に設定された捲回軸周りに捲回されている。
捲回電極体200は、電池ケース300(この例では、蓋体340)に取り付けられた電極端子420、440に取り付けられている。捲回電極体200は、捲回軸に直交する一の方向において扁平に押し曲げられた状態で電池ケース300に収納されている。また、捲回電極体200は、セパレータ262、264の幅方向において、正極シート220の未塗工部222と負極シート240の未塗工部242とが互いに反対側にはみ出ている。このうち、一方の電極端子420は、正極集電体221の未塗工部222に固定されており、他方の電極端子440は、負極集電体241の未塗工部242に固定されている。
かかる捲回電極体200は、ケース本体320の扁平な内部空間に収容される。ケース本体320は、捲回電極体200が収容された後、蓋体340によって塞がれる。
≪電解液(非水電解液)≫
電解液(非水電解液)としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等からなる群から選択された一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiCSO,LiN(CFSO,LiC(CFSO等のリチウム塩を用いることができる。一例として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)にLiPFを約1mol/Lの濃度で含有させた非水電解液が挙げられる。
以下、このリチウムイオン二次電池100の捲回電極体200をより詳細に説明する。図4は、捲回電極体200を捲回軸WLに直交する面で切断した断面を模式的に示している。なお、図4では、セパレータは省略している。上述したリチウムイオン二次電池100では、図4に示すように、正極シート220は、シート状の正極集電体221のうち捲回電極体200において内周側を向く面に保持された内周側正極活物質層223aと、外周側を向く面に保持された外周側正極活物質層223bとを有している。また、負極シート240は、シート状の負極集電体241のうち捲回電極体200において内周側を向く面に保持された内周側負極活物質層243aと、外周側を向く面に保持された外周側負極活物質層243bとを有している。負極シート240の最外周部240aは、正極シート220の最外周部220aよりも外周側に配置されている。つまり、負極シート240は、正極シート220よりも外周側を捲回するように配置されている。
本発明者は、かかる形態のリチウムイオン二次電池100について、正極シート220の最外周部220aにおいて、外周側正極活物質層223bの端部223eで正極活物質層に含まれる金属(例えば遷移金属)が局所的に溶出する事象を見出した。外周側正極活物質層223bの端部223eで金属が局所的に溶出する事象は、高い電圧(例えば4.3V)にて充電後、高温環境で長期間(例えば80℃で3日間)保存された時などに生じやすい傾向があった。
本発明者の知見によれば、負極シート240の最外周部240aが正極シート220の最外周部220aよりも外側に配置されている構成では、捲回電極体200の最外周部200aにおいては、内周側負極活物質層243aは外周側正極活物質層223bに対向しているが、外周側負極活物質層243bは正極活物質層に対向していない。この場合、外周側正極活物質層223bから放出されたリチウムイオンは、内周側負極活物質層243aには拡散するが、外周側負極活物質層243bには拡散しない。しかしながら、外周側負極活物質層243bの近傍には、外周側正極活物質層223bの端部223e(正極シート220の捲き終わり端部)が位置するため、該端部223eから放出されたリチウムイオンは、内周側負極活物質層243aだけでなく、外周側負極活物質層243bにも拡散する。この際、外周側正極活物質層223bの端部223eでは、充電時に、リチウムイオンの放出量が他の部位に比べて多くなる傾向が生じ得る。このため、当該外周側正極活物質層223bの端部223eでは、電位が局所的に上昇する可能性があると考えられる。このように、外周側正極活物質層223bの端部223eの電位が局所的に著しく上昇した状態で、さらに高温環境に長時間(例えば80℃で3日間、100日間)保存すると、外周側正極活物質層223bに含まれる金属(典型的には遷移金属)の局所的な溶出を招き、該金属が負極上に析出することで微小短絡が発生する(ひいては自己放電量が増大する)要因になり得る。
本発明者は、このように満充電に近い状態で高温環境に長時間保存された場合に、外周側正極活物質層223bの端部223eに含まれる金属が溶出する原因の一つをこのように考えている。本発明者は、このような金属の溶出を来る限り少なくするべきと考えている。このため、リチウムイオン二次電池100について、外周側正極活物質層223bの端部223eでの金属の溶出が解消される新規な構造を提案する。
即ち、ここで提案されるリチウムイオン二次電池100は、内周側正極活物質層223aの単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量(以下、内周側正極活物質層223aの目付量という。)をAとし、外周側正極活物質層223bの単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量(以下、外周側正極活物質層223bの目付量という。)をBとし、内周側負極活物質層243aの単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量(以下、内周側負極活物質層243aの目付量という。)をCとし、外周側負極活物質層243bの単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量(以下、外周側負極活物質層243bの目付量という。)をDとした場合に、D<C<Bの関係が成立する特定領域R1を有する。
ここで特定領域R1は、捲回電極体200の捲回周方向において、負極シート240の捲き終わり端部240eから、外周側負極活物質層243bが内周側正極活物質層223aと対向する部位R2の少なくとも一部に至るまでの領域として規定されるとよい。この実施形態では、特定領域R1は、捲回電極体200の捲回周方向において、負極シート240の捲き終わり端部240eから捲き始め端部(図示せず)に至るまでの全域として規定されている。つまり、捲回電極体200は、該捲回電極体200の全域(全周)に亘って、各活物質層223a、223b、243a、243bの厚みが一定であり、かつ、上記D<C<Bの関係を満足するように構成されている。
かかる構成によると、外周側負極活物質層243bの目付量Dを、外周側正極活物質層223bの目付量Bおよび内周側負極活物質層243aの目付量Cに対して少なくしているので(D<C<B)、最外周部200aにおいて、正極活物質層に対向していない外周側負極活物質層243bに拡散するリチウムイオンの量が従来に比して低減される。そのため、当該外周側負極活物質層243bに近い、外周側正極活物質層223bの端部223eでは、過度にリチウムイオンが放出される事態が生じ難い。そして、外周側正極活物質層223bの端部223eから過度にリチウムイオンが放出されることに起因して、かかる外周側正極活物質層223bの端部223eで電位が局所的に上昇する事象が緩和される。その結果、高温保存された場合に起こり得る、外周側正極活物質層223bの端部223eでの金属の溶出(ひいては微小短絡の発生)を抑制することができる。
ここで開示される捲回電極体200としては、外周側正極活物質層223bの目付量Bに対する外周側負極活物質層243bの目付量Dの目付量比(D/B)が、(D/B)≦0.51を満足するものが好ましく、(D/B)≦0.45を満足するものがさらに好ましく、(D/B)≦0.4を満足するものが特に好ましい。このような目付量比(D/B)の数値であると、外周側正極活物質層223bの端部223eでの金属の溶出をより良く抑制することができる。その一方、上記目付量比(D/B)が0.3を上回る捲回電極体200は、正極シート220および負極シート240の表裏の目付量の差が大きすぎることに起因して正極シート220および負極シート240に変形(典型的には反り)が生じる原因となり得る。正極シート220および負極シート240の変形を抑制する観点からは、0.3≦(D/B)(特には0.32≦(D/B))を満足するものが好ましい。例えば、上記目付量比(D/B)が0.35以上0.5以下(特に0.38以上0.48以下)の捲回電極体200が、金属溶出抑制と電極変形防止を両立するという観点から好適である。
また、ここで開示される捲回電極体200としては、外周側正極活物質層223bの目付量Bに対する内周側負極活物質層243aの目付量Cの目付量比(C/B)が、0.57≦(C/B)を満足することが好ましく、0.6≦(C/B)を満足することがより好ましい。このような目付量比(C/B)の範囲内であると、相互に対向する外周側正極活物質層223bと内周側負極活物質層243aとの目付量の比率(C/B)が適切なバランスにあるので、外周側正極活物質層223bから放出されたリチウムイオンが内周側負極活物質層243aに入りやすくなる。そのため、外周側正極活物質層223bから放出されたリチウムイオンが内周側負極活物質層243aに入りきらず金属リチウムとして析出するような事象が回避される。その結果、サイクル特性(特に低温環境下でのサイクル特性)を良好に保つことができる。その一方で、上記付量比(C/B)が0.8を上回る捲回電極体200は、極板が薄くなりすぎるので、エネルギー密度が低下傾向になるため好ましくない。エネルギー密度向上の観点からは、(C/B)≦0.8(特には(C/B)≦0.75)を満足するものが好ましい。例えば、上記目付量比(C/B)が0.57以上0.8以下(特に0.6以上0.75以下)の捲回電極体200が、低温サイクル特性向上と高エネルギー密度を両立するという観点から好適である。
さらに、ここで開示される捲回電極体200としては、内周側正極活物質層223aの目付量Aに対する外周側負極活物質層243bの目付量Dの目付量比(D/A)が0.57≦(D/A)を満足することが好ましく、0.6≦(D/A)を満足することがより好ましい。このような目付量比(D/A)の範囲内であると、捲回電極体200の最外周部200a以外の部分において、相互に対向する内周側正極活物質層223aと外周側負極活物質層243bとの目付量の比率(D/A)が適切なバランスにあるので、内周側正極活物質層223aから放出されたリチウムイオンが外周側負極活物質層243bに入りやすくなる。そのため、内周側正極活物質層223aから放出されたリチウムイオンが外周側負極活物質層243bに入りきらず金属リチウムとして析出するような事象が回避される。その結果、サイクル特性(特に0℃以下のような低温環境下でのサイクル特性)を良好に保つことができる。その一方で、上記付量比(D/A)が0.8を上回る捲回電極体200は、極板が薄くなりすぎるので、エネルギー密度が低下傾向になるため好ましくない。エネルギー密度向上の観点からは、(D/A)≦0.8(特には(D/A)≦0.75)を満足するものが好ましい。例えば、上記目付量比(D/A)が0.57以上0.8以下(特に0.6以上0.75以下)の捲回電極体200が、低温サイクル特性向上と高エネルギー密度を両立するという観点から好適である。
内周側正極活物質層223aの目付量Aとしては、概ね3mg/cm〜20mg/cmの範囲内にすることが適当であり、好ましくは5mg/cm〜10mg/cmである。外周側正極活物質層223bの目付量Bとしては、概ね10mg/cm〜25mg/cmの範囲内にすることが適当であり、好ましくは12mg/cm〜16mg/cmである。内周側負極活物質層243aの目付量Cとしては、概ね5mg/cm〜15mg/cmの範囲内にすることが適当であり、好ましくは6mg/cm〜10mg/cmである。外周側負極活物質層243bの目付量Dとしては、概ね2mg/cm〜10mg/cmの範囲内にすることが適当であり、好ましくは2.5mg/cm〜8mg/cmである。
図5は、捲回電極体200の最外周部200aの近傍において、捲回電極体200中で重ね合わされた正極シート220と負極シート240とを、幅方向(例えば正極集電体221の長手方向に直交する幅方向)で切断した断面の要部を模式的に示している。上述したリチウムイオン二次電池100では、図5に示すように、内周側正極活物質層223aおよび外周側正極活物質層223bは、正極集電体221の長手方向に直交する幅方向の一方の縁部に未塗工部222を設け、かつ、他方の縁部には実質的に未塗工部222が設けられないように形成されている。また、内周側負極活物質層243aおよび外周側負極活物質層243bは、負極集電体241の長手方向に直交する幅方向の一方の縁部に未塗工部242を設け、かつ、他方の縁部には実質的に未塗工部242が設けられないように形成されている。そして、正極集電体221と負極集電体241とは、互いの未塗工部222,242が幅方向の反対側に突出するように、配置されて捲回されている。
図5に示した構成においては、未塗工部242が形成されていない側の負極シートの端部243eには、負極集電体241が存在せず、外周側負極活物質層243bが外周側正極活物質層223bに対して露出している。この場合、外周側正極活物質層223bから放出されたリチウムイオンは、内周側負極活物質層243aだけでなく(矢印90参照)、正極活物質層に対向していない外周側負極活物質層243bにも拡散しやすい(矢印92参照)。そのため、図5に示した構成においては、外周側正極活物質層223bの端部では、金属の局所的な溶出を招きやすい。しかし、本構成によれば、捲回電極体200が前記D<C<Bの関係を満足するため、最外周部200aにおいて、正極活物質層に対向していない外周側負極活物質層243bにリチウムイオンが拡散しにくい。そのため、外周側正極活物質層223bの端部での金属溶出を効果的に抑制することができる。換言すれば、ここで開示される技術は、図5に示すような互いの未塗工部222、242が幅方向の反対側に突出するように配置されて捲回されている捲回電極体200において、特に有効に発揮され得る。
上記負極シート240は、負極活物質層243a、243bを負極集電体241の両面に形成する際に、捲回電極体200において負極集電体241の内周側を向く面と、外周側を向く面とで、負極活物質の目付量を変えることによって形成するとよい。また、上記正極シート220は、正極活物質層223a、223bを正極集電体221の両面に形成する際に、捲回電極体200において正極集電体221の内周側を向く面と、外周側を向く面とで、正極活物質の目付量を変えることによって形成するとよい。この場合、捲回電極体200において負極集電体241の外周側を向く面に塗工される負極活物質の目付量Dを、負極集電体241の内周側を向く面に塗工される負極活物質の目付量Cよりも少なくするとよい。また、捲回電極体200において負極集電体241の外周側を向く面に塗工される負極活物質の目付量Dを、捲回電極体200において正極集電体221の外周側を向く面に塗工される正極活物質の目付量Bよりも少なくするとよい。
ここで捲回電極体200の最外周部200aにおいて、正極活物質層と対向していない外周側負極活物質層243bへのリチウムイオンの拡散を抑制する構成としては、負極シート240の最外周部240aのみ、外周側負極活物質層243bの目付量を減らすことが考えられる。しかし、この場合、外周側負極活物質層243bの厚みを最外周部240aのみ変える必要があるため、製造プロセスが煩雑になりがちである。また、塗工終端位置の検出に正確な精度を要するため、精度を保証するための機構を別途設ける必要がある。これに対し、本構成によれば、捲回電極体200の全域にわたって各活物質層223a、223b、243a、243bの目付量を一定とし、かつ、D<C<Bの関係を満足するように形成するため、厚みを変化させる特別な工程が不要であり、かつ正確な精度も必要としない。したがって、上記D<C<Bの関係を満足する捲回電極体を簡易に構築することができる。
≪試験例≫
本発明者は、かかる捲回電極体200の作用効果を評価するべく試験をした。かかる試験で用いられたリチウムイオン二次電池では、図4に示すように、正極シート220と負極シート240とがセパレータを介して捲回された捲回電極体200を備えている。正極シート220は、シート状の正極集電体221のうち捲回電極体200において外周側を向く面に保持された外周側正極活物質層223bと、内周側を向く面に保持された内周側正極活物質層223aとを有しており、負極シート240は、シート状の負極集電体241のうち捲回電極体200において外周側を向く面に保持された外周側負極活物質層243bと、内周側を向く面に保持された内周側負極活物質層243aとを有している。そして、負極シート240の最外周部240aは、正極シート220の最外周部220aよりも外周側に配置されている。
≪正極シート≫
正極シート220は次のようにして作製した。内周側正極活物質層223aおよび外周側正極活物質層223bを形成する際の合剤は、正極活物質としてリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、導電材としてアセチレンブラック(AB)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用いた。正極活物質とABとPVdFの質量割合は、正極活物質:AB:PVdf=90:8:2にした。この合剤を正極集電体221としてのアルミニウム箔の両面に塗布して乾燥することにより、正極集電体221の両面に内周側正極活物質層223aおよび外周側正極活物質層223bが形成された正極シート220を得た。
≪負極シート≫
負極シート240は次のようにして作製した。内周側負極活物質層243aおよび外周側負極活物質層243bを形成する際の合剤は、負極活物質として炭素被覆球径化天然黒鉛、増粘剤としてCMC、バインダとしてSBR、溶媒として水を用いた。負極活物質とCMCとSBRの質量割合は、負極活物質:CMC:SBR=98:1:1にした。この合剤を負極集電体241としての銅箔の両面に塗布して乾燥することにより、負極集電体241の両面に内周側負極活物質層243aおよび外周側負極活物質層243bが形成された負極シート240を得た。
≪リチウムイオン二次電池≫
上記正極シート220および負極シート240を2枚のセパレータ262、264を介して捲回することによって捲回体を作製し、この捲回体を横方向からプレスして押し潰すことによって扁平状の捲回電極体200を作製した。このようにして得られた捲回電極体200を非水電解質(非水電解液)とともに電池ケース(ここでは角型を使用した。)300に収容し、電池ケース300の開口部を気密に封口した。ここでは、セパレータ262、264には、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の3層構造からなる多孔質樹脂シート(厚さ16μm)の表面にアルミナ粒子からなる多孔質層(厚み5μm)を形成したものを使用した。また、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比率において、3:4:3で配合し、LiPFを1mol溶解させた電解液を使用した。かかるリチウムイオン二次電池の定格容量は30Ahである。
≪サンプル1〜36≫
サンプル1〜36では、内周側正極活物質層223aの単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量Aと、外周側正極活物質層223bの単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量Bと、内周側負極活物質層243aの単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量Cと、外周側負極活物質層243bの単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量Dと、が異なる。サンプル1〜36は、かかる目付量A、B、C、Dを除き、同じ構成にした。
サンプル1〜6では、内周側正極活物質層223aの目付量Aと、外周側負極活物質層243bの目付量Dとが異なる(表1参照)。また、外周側正極活物質層223bの目付量Bは15.3mg/cmで一定とし、内周側負極活物質層243aの目付量Cは8.2mg/cmで一定とした。
サンプル7〜12では、内周側正極活物質層223aの目付量Aと、外周側負極活物質層243bの目付量Dとが異なる(表1参照)。また、外周側正極活物質層223bの目付量Bは14.3mg/cmで一定とし、内周側負極活物質層243aの目付量Cは8.2mg/cmで一定とした。
サンプル13〜18では、内周側正極活物質層223aの目付量Aと、外周側負極活物質層243bの目付量Dとが異なる(表1参照)。また、外周側正極活物質層223bの目付量Bは13.5mg/cmで一定とし、内周側負極活物質層243aの目付量Cは8.2mg/cmで一定とした。
サンプル19〜24では、内周側正極活物質層223aの目付量Aと、外周側負極活物質層243bの目付量Dとが異なる(表2参照)。また、外周側正極活物質層223bの目付量Bは12.0mg/cmで一定とし、内周側負極活物質層243aの目付量Cは8.2mg/cmで一定とした。
サンプル25〜30では、内周側正極活物質層223aの目付量Aと、外周側負極活物質層243bの目付量Dとが異なる(表2参照)。また、外周側正極活物質層223bの目付量Bは11.0mg/cmで一定とし、内周側負極活物質層243aの目付量Cは8.2mg/cmで一定とした。
サンプル31〜36では、内周側正極活物質層223aの目付量Aと、外周側負極活物質層243bの目付量Dとが異なる(表2参照)。また、外周側正極活物質層223bの目付量Bは10.0mg/cmで一定とし、内周側負極活物質層243aの目付量Cは8.2mg/cmで一定とした。
サンプル1〜18の構成を表1の該当欄、サンプル19〜36の構成を表2の該当欄に纏めて示す。なお、目付量比(D/A)、(C/B)、(D/B)の欄の括弧内には、該目付量比を容量比に換算した数値を示してある。
≪反り観察≫
各サンプルの正極シート220について、該正極シート220の反り量を測定した。具体的には、成形後の正極シート220を湾曲している凸部を上にして平坦面上に静置し、平坦面からの凸部の高さを反り量とした。結果を表1および表2に示す。ここでは反り量が4mm以下のものを「○」、4mmを超えるものを「×」で示している。
≪初期容量の測定≫
各サンプルの試験用リチウムイオン二次電池のそれぞれを、25℃の温度条件にて、電流値21A(0.7C)で電圧4.1Vまで充電した後、定電圧方式で2時間充電した。かかる充電後の電池を、25℃において、電流値15A(0.5C)で電圧3.0Vまで放電した。このときの放電容量を初期容量とした。
≪0℃サイクル試験≫
各サンプルの試験用リチウムイオン二次電池のそれぞれに対し、0℃の温度条件下において、電流値30A(1C)で電圧4.1Vまで充電し、定電圧方式で1.5時間充電した後、電流値30A(1C)で電圧2.5Vまで定電流(CV)方式で放電を行う充放電サイクルを500回連続して繰り返した。そして、0℃サイクル後の電池容量を、初期容量と同じ条件で測定し、[(0℃サイクル後の電池容量)/(初期容量)]×100(%)から、0℃サイクル後容量維持率を求めた。結果を表1および表2に示す。
≪高温保存試験≫
各サンプルの試験用リチウムイオン二次電池のそれぞれに対し、電流値21A(0.7C)で電圧4.3Vまで充電した後、定電圧方式で3時間充電した。かかる充電後の電池を80℃の環境下で3日間保存した。そして、上記80℃保存後の電池容量を、上記初期容量と同じ条件で測定した。その後、25℃の温度条件にて、満充電状態(SOC100%)に調整した後(具体的には電流値21A(0.7C)で電圧4.1Vまで充電した後、定電圧方式で2時間充電した後)、100日間放置し、上記初期容量と同じ条件で残存容量を測定した。そして、SOC低下速度={[(80℃保存後の電池容量)−(残存容量)]/(初期容量)}×100から、SOC低下速度(%/100日)を求めた。結果を表1、表2、図6および図7に示す。図6は、目付量比(D/B)とSOC低下速度との関係を示すグラフであり、図7は目付量比(D/B)を容量比に換算した場合の、容量比とSOC低下速度との関係を示すグラフである。
Figure 2015138729
Figure 2015138729
表1、表2、図6および図7に示すように、内周側正極活物質層223aの目付量をAとし、外周側正極活物質層223bの目付量をBとし、内周側負極活物質層243aの目付量をCとし、外周側負極活物質層243bの目付量をDとした場合に、サンプル1〜5、7〜11、13〜17、19〜23、25〜29、31〜35に係る電池は、D<C<Bの関係が成立する。かかる電池は、サンプル6、12、18、24、30、36(D=C<B)に比べて、高温保存後のSOC低下速度が低く、高温保存特性に優れていた。この結果から、D<C<Bを満足する捲回電極体を用いることにより、リチウムイオン二次電池の高温保存特性が向上することが確認された。ここで供試した電池の場合、目付量比(D/B)を0.51以下にすることによって、3.4以下という低い高温保存後SOC低下速度を実現できた。また、上記目付量比(D/B)を0.46以下にすることによって、3.2以下という極めて低い高温保存後SOC低下速度を実現できた。この結果から、上記目付量比(D/B)は0.51以下にすることが好ましく、0.46以下が特に好ましい(容量比に換算すれば、1.13以下にすることが好ましく、1以下が特に好ましい)。
また、サンプル1、2、7、8、13、14、19、20、25、26、31、32に係る電池は、上記目付量比(D/B)が0.3未満である。これらのサンプルについては、正極シートの反り量が4mmを超えており、反り変形が生じていた。これに対し、上記目付量比(D/B)を0.3以上としたサンプルに係る電池は、反り変形がほとんど認められなかった。反り変形防止の観点からは、上記目付量比(D/B)は0.3以上にすることが適当であり、好ましくは0.32以上である(容量比に換算すれば、0.56以上にすることが適当であり、好ましくは0.62以上である)。
サンプル1〜6に係る電池は、目付量比(D/A)および目付量比(C/B)が0.54以下である。これらのサンプルについては、正極活物質層に対して負極活物質層のリチウム受け入れ容量が少なすぎたため、負極においてリチウムの析出が発生し、0℃サイクル後における容量維持率が低下傾向となった。これに対し、上記目付量比(D/A)および目付量比(C/B)を0.57以上としたサンプル7〜30に係る電池は、0℃サイクル後における容量維持率が98%以上となり、低温サイクル耐久性に優れるものであった。低温サイクル耐久性向上の観点からは、上記目付量比(D/A)および目付量比(C/B)を0.57以上にすることが適当であり、好ましくは0.61以上である(容量比に換算すれば、1.31以上にすることが適当であり、好ましくは1.61以上である)。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施形態では、D<C<Bの関係を満足する特定領域R1が捲回電極体200の全域(全周)に亘って形成されている場合を例示したが、これに限定されない。特定領域R1は、捲回電極体200の捲回周方向において、負極シート240の捲き終わり端部240eから、外周側負極活物質層243bが内周側正極活物質層223aと対向する部位の少なくとも一部に至るまでの領域に形成されていればよい。例えば、特定領域R1を、負極シート240の捲き終わり端部240eから負極シート240の全長の凡そ1/2以下までの領域に形成してもよい。この場合でも、上述した作用効果を得ることができる。ただし、上述した実施形態の如く、特定領域R1が捲回電極体200の全域(全周)に亘って形成されている方が、製造容易性の点からは好適である。
ここに開示される技術により提供されるリチウムイオン二次電池は、上述したように正極活物質層の端部での金属の溶出が起こりにくく、高温保存耐久性が向上するので、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って本発明は、かかるリチウムイオン二次電池100(典型的には複数直列接続してなる組電池)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。
100 リチウムイオン二次電池
200 捲回電極体
200a 捲回電極体の最外周部
220 正極シート
221 正極集電体
223a 内周側正極活物質層
223b 外周側正極活物質層
240 負極シート
241 負極集電体
243a 内周側負極活物質層
243b 外周側負極活物質層
262、264 セパレータ
R1 特定領域


また、サンプル1、2、7、8、13、14、19、20、25、26、31に係る電池は、上記目付量比(D/B)が0.3未満である。これらのサンプルについては、正極シートの反り量が4mmを超えており、反り変形が生じていた。これに対し、上記目付量比(D/B)を0.3以上としたサンプルに係る電池は、反り変形がほとんど認められなかった。反り変形防止の観点からは、上記目付量比(D/B)は0.3以上にすることが適当である(容量比に換算すれば、0.62以上にすることが適当である)。

Claims (5)

  1. 正極シートと負極シートとがセパレータを介して捲回された捲回電極体を備えたリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極シートは、シート状の正極集電体のうち前記捲回電極体において外周側を向く面に保持された外周側正極活物質層と、内周側を向く面に保持された内周側正極活物質層とを有しており、
    前記負極シートは、シート状の負極集電体のうち前記捲回電極体において外周側を向く面に保持された外周側負極活物質層と、内周側を向く面に保持された内周側負極活物質層とを有しており、
    前記負極シートの最外周部は、前記正極シートの最外周部よりも外周側に配置されており、
    ここで、前記捲回電極体は、
    前記内周側正極活物質層の単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量をA、
    前記外周側正極活物質層の単位面積当たりに含まれる正極活物質の質量をB、
    前記内周側負極活物質層の単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量をC、
    前記外周側負極活物質層の単位面積当たりに含まれる負極活物質の質量をDとした場合に、D<C<Bの関係が成立する特定領域を有しており、
    前記特定領域は、前記捲回電極体の捲回周方向において、前記負極シートの捲き終わり端部から、前記外周側負極活物質層が前記内周側正極活物質層と対向する部位の少なくとも一部に至るまでの領域として規定される、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記特定領域は、前記捲回電極体の捲回周方向において、前記負極シートの捲き終わり端部から捲き始め端部に至るまでの全域として規定される、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記特定領域において、0.57≦(C/B)、かつ、0.57≦(D/A)の関係が成立する、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記特定領域において、(D/B)≦0.51の関係が成立する、請求項1〜3の何れか一つに記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記特定領域において、0.3≦(D/B)の関係が成立する、請求項1〜4の何れか一つに記載のリチウムイオン二次電池。






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