JP2015138144A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写ベルトの走行が安定するまでの時間を短縮し、画像劣化を抑えた高品質画像の出力が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置25は、傾動手段(14)を動作させて中間転写ベルト(7)の幅方向の位置の制御である寄り制御を行う制御手段(41)を備える。制御手段は、画像形成時に記憶手段(43)の情報に基づき、ステアリングローラ(13)を第1の傾斜位置に傾動させてから寄り制御を開始し、第1及び第2の転写手段(N1,N2)の双方に転写バイアスを印加する際、ステアリングローラ(13)を第2の傾斜位置に傾動させて寄り制御を継続させる。更に、寄り制御を継続中に中間転写ベルトが一定以上の距離を回転した場合にステアリングローラの傾斜位置の平均をステアリングローラの第3の傾斜位置とし、所定のタイミングで第2の傾斜位置を第3の傾斜位置に変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ、これらの複合機などの電子写真方式を用いて記録材上に画像を形成する画像形成装置に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、無端状の中間転写ベルトを用いて画像を形成するタンデム式の画像形成装置がある。この画像形成装置では、感光ドラムを含む複数の画像形成部で形成したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等のトナー像を中間転写ベルト上に重ね合わせて一次転写し、このトナー像を記録材(シート)に二次転写させた後、加圧及び加熱により定着している。
一般に、中間転写ベルトは、駆動を入力する駆動ローラと、画像形成部から中間転写ベルト上にトナー像を転写する転写面を一定の張力で形成するテンションローラと、二次転写内ローラ等の張架ローラとによって張架されている。この二次転写内ローラは、中間転写ベルト上のトナー像を記録材上に二次転写するように転写バイアスが印加される。
ところで、中間転写ベルトが回転駆動される際、駆動ローラによる中間転写ベルト送り出し方向に対して張架ローラの送り出し方向が夫々異なると、中間転写ベルトが徐々にその回転方向に直交する方向(主走査方向)に移動する所謂寄りが発生する。中間転写ベルトの寄りが発生すると、複数の画像形成部で形成されたトナー像が主走査方向にずれてしまい、各色の色ずれが発生することになる。
このような中間転写ベルトの寄りを防止するため、例えば、中間転写ベルトを支持するステアリングローラを傾斜させて中間転写ベルトの寄りを修正する寄り制御方式が知られている(特許文献1参照)。また、中間転写ベルト周囲に接触配置される回転体の着脱で中間転写ベルトの走行が安定するステアリングローラの傾斜位置が変化するという課題に対し、回転体の着脱に応じてステアリングローラの傾斜位置を移動させる寄り制御方式がある(特許文献2参照)。
特開2000−34031号公報 特開2013−3381号公報
しかし、寄り制御により中間転写ベルトの走行が安定するまでの時間とステアリングローラの傾斜位置は、中間転写ベルト内面とステアリングローラ表面との摩擦係数の変動によって変わっていく。これはステアリングローラの傾斜量に対する中間転写ベルトの移動速度が変化するためで、中間転写ベルトの走行が安定するまでの時間も変化していく。例えば、中間転写ベルトの走行が安定するまでの時間が長くなると、画像形成が開始されるまでに中間転写ベルトの走行が安定しない状況が発生する。この状況では、中間転写ベルトが主走査方向に斜め走行しているため色ずれが発生し、高品位な画像を出力することが困難になってしまう。
さらに、中間転写ベルトの走行が安定するステアリングローラの傾斜位置の移動は、中間転写ベルト上にトナー像を転写させるための転写高圧(一次転写バイアス、二次転写バイアス)の印加によっても発生する。これは、接触配置される各色の感光ドラムの回転軸方向と中間転写ベルトの搬送方向(回転方向)とが直角でないために発生し、転写高圧の印加によって発生する吸着力が作用することにより顕在化する。
上述の状況に鑑み、中間転写ベルトの走行を素早く安定させるには、装置の状況に応じてステアリングローラの傾斜位置を移動させる必要がある。そのためには、稼働状態に応じた傾斜位置を検出すると共に、その傾斜位置を随時更新していかなければならない。
本発明は、中間転写ベルトの走行が安定するまでの時間を短縮すると共に、画像形成の繰り返し(耐久)による中間転写ベルトの経時変化にも対応が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置において、像担持体と、前記像担持体からトナー像が転写される回転可能な無端状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体に対向した状態で前記中間転写ベルトにトナー像を転写する第1の転写手段と、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録材に転写する第2の転写手段と、前記中間転写ベルトを回転可能に支持する張架ローラ及びステアリングローラと、前記ステアリングローラを傾動動作させる傾動手段と、前記ステアリングローラの傾斜位置を検出する傾斜位置検出手段と、前記中間転写ベルトの回転方向に直交する幅方向の位置を検出するベルト位置検出手段と、予め、前記第1及び第2の転写手段の少なくとも一方に転写バイアスを印加しない状態で前記中間転写ベルトを回転させたときの前記ベルト位置検出手段の検出結果が所定範囲内に収まっている前記中間転写ベルトの安定位置での前記ステアリングローラの傾斜位置を第1の傾斜位置、前記第1及び第2の転写手段の双方に転写バイアスを印加した状態で前記中間転写ベルトを回転させたときの前記安定位置での前記ステアリングローラの傾斜位置を第2の傾斜位置として記憶する記憶手段と、前記傾動手段を動作させて前記中間転写ベルトの前記幅方向の位置の制御である寄り制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、画像形成時に前記記憶手段の情報に基づき、前記ステアリングローラを前記第1の傾斜位置に傾動させてから前記寄り制御を開始し、前記第1及び第2の転写手段の双方に転写バイアスを印加する際、前記ステアリングローラを前記第2の傾斜位置に傾動させて前記寄り制御を継続させ、前記寄り制御を継続中に前記中間転写ベルトが一定以上の距離を回転した場合に前記ステアリングローラの傾斜位置の平均を前記ステアリングローラの第3の傾斜位置とし、所定のタイミングで前記第2の傾斜位置を前記第3の傾斜位置に変更することを特徴とする。
本発明によれば、中間転写ベルトの走行が安定するまでの時間を短縮すると共に、画像形成の繰り返し(耐久)による中間転写ベルトの経時変化にも対応することが可能になる。
本発明に係る実施形態における画像形成装置を示す概略断面図。 本発明の実施形態における中間転写ベルトのステアリング位置制御機構を説明するための斜視図。 本実施形態における中間転写ベルトの寄り制御を行う制御系について説明するためのブロック図。 本実施形態における中間転写ベルトの走行が安定するステアリングカム位置を探索する処理を示すフローチャート。 本実施形態における中間転写ベルトのエッジ形状を示したグラフ図。 本実施形態におけるカラー画像を形成する場合の動作手順を示すフローチャート。 変形例における画像調整シーケンスを示すフローチャート。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、画像形成装置25について図1を参照して説明する。なお、図1は、画像形成装置25を示す概略断面図である。この画像形成装置25は、無端状の中間転写ベルト7の移動方向に沿って画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdが配置されたタンデム型フルカラーレーザプリンタである。
[画像形成装置]
図1に示すように、画像形成装置25は装置本体25aを有し、この装置本体25a内に、画像形成部Pa〜Pdを併設して備え、各々異なった色のトナー像を潜像、現像、転写のプロセスを経て形成する。中間転写ベルト7の搬送方向上流からイエロー(Y)に対応する画像形成部Paと、マゼンタ(M)に対応する画像形成部Pbと、シアン(C)に対応する画像形成部Pcと、ブラック(Bk)に対応する画像形成部Pdとがこの順に配置される。これら画像形成部Pa〜Pdは、それぞれ専用の、像担持体としての電子写真感光体(本例では感光ドラム1)を具備し、各感光ドラム1上に各色に対応するトナー像が形成される。
各感光ドラム1に接するように中間転写ベルト7が設置され、画像形成部Pa〜Pdで感光ドラム1上に形成された各色のトナー像が、一次転写部(N1)で中間転写ベルト7上に一次転写され、二次転写部(N2)で記録材(シート)S上に転写される。さらに、トナー像が転写された記録材Sは、定着装置23で加熱及び加圧によりトナー像が定着された後、記録画像として装置外に排出される。
中間転写ベルト7は、感光ドラム(像担持体)1からトナー像が転写される回転可能な無端状に構成されている。また、一次転写ニップ部(一次転写部)N1は、中間転写ベルト7を挟んで感光ドラム1に対向した状態で中間転写ベルト7にトナー像を転写する第1の転写手段を構成する。二次転写ニップ部(二次転写部)N2は、中間転写ベルト上のトナー像を記録材Sに転写する第2の転写手段を構成する。
感光ドラム1の各外周にはそれぞれ、帯電器2、現像器4、一次転写ローラ9、及びクリーニングブレード6が配置されている。また、各感光ドラム1の上方部には、レーザスキャナ3がそれぞれ設置されている。
各レーザスキャナ3内には、不図示の光源装置とポリゴンミラーが配設されている。各レーザスキャナ3は、光源装置から発せられたレーザ光を、ポリゴンミラーを回転させて走査し、その走査光の光束を反射ミラーで偏向させる。そして、fθレンズ(不図示)によって各感光ドラム1の母線上に集光して露光することにより、各感光ドラム1上に画像信号に応じた潜像が形成される。
各現像器4には、現像剤としてそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)のトナーが、不図示の供給装置により所定量充填されている。現像器4は、それぞれ感光ドラム1上の潜像を現像して、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像及びブラックトナー像として可視化する。
中間転写ベルト7は、図1中の矢印Aで示す方向に、各感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動される。画像形成部Pa〜Pdで感光ドラム上に夫々形成されたトナー像は、各一次転写部(N1)を通過する過程で、一次転写ローラ9を介して中間転写ベルト7に印加される一次転写バイアスにより形成される電界と圧力で、ベルト外周面に中間転写されていく。
中間転写ベルト7は、駆動ローラ8、ステアリングローラ13、二次転写内ローラ10、及び従動ローラ(張架ローラ)12により回転可能に張架されている。駆動ローラ8は、不図示の駆動部に連結されている。また、二次転写内ローラ10の対向位置には、二次転写外ローラ11が配置されている。二次転写内ローラ10、従動ローラ12、駆動ローラ8及び二次転写外ローラ11は、中間転写ベルト7に対応して平行に軸受された状態で中間転写ベルト7に接触している。
ステアリングローラ13は、中間転写ベルト7の寄り制御のためのステアリング位置制御機構14に連結された状態で配置されている。このステアリング位置制御機構14は、ステアリングローラ13を傾動動作させる傾動手段を構成している。ステアリングローラ13は、テンションバネ15により付勢されることで、中間転写ベルト7に所定の張力を発生させている。ステアリングローラ13の一端は固定軸受(不図示)に支持され、他端は揺動可能に軸受(不図示)に支持されている。
二次転写内ローラ10に対向配置された二次転写外ローラ11は、二次転写内ローラ10との間に中間転写ベルト7を挟持して圧接することで、中間転写ベルト7との間に二次転写ニップ部(二次転写部)N2を形成している。各一次転写ローラ9には、一次転写バイアス源(不図示)によって所望の一次転写バイアスが印加され、二次転写外ローラ11には、二次転写バイアス源(不図示)によって所望の二次転写バイアスが印加される。
ここで、画像形成部Pa〜Pdで感光ドラム1上に形成された各色のトナー像が、一次転写部(N1)で中間転写ベルト7上に一次転写された後、この中間転写ベルト上に重畳転写された合成カラートナー画像は、以下のように記録材Sに二次転写される。なお、一次転写が終了した感光ドラム1は、それぞれのクリーニングブレード6により転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像の形成以下に備えられる。
即ち、装置本体25a内の下部に配置された給紙カセット20から給紙ローラ26、分離搬送ローラ27、搬送ローラ28,29,30を介して記録材Sが送り出されると、この記録材Sは、レジストローラ21で一旦停止される。そして記録材Sは、中間転写ベルト7上の合成カラートナー画像に合わせた所定のタイミングで、転写前ガイド(不図示)を介して二次転写ニップ部N2に送り出される。同時にバイアス電源から二次転写バイアスが二次転写外ローラ11を介して二次転写ニップ部N2に印加され、この二次転写バイアスにより、中間転写ベルト7から記録材Sに合成カラートナー画像が二次転写される。なお、二次転写後、中間転写ベルト7上に残留したトナー及びその他の異物は、中間転写ベルト7の表面にクリーニングブレードを当接させるクリーニング装置17により除去される。
そして、トナー像を二次転写された記録材Sは、定着前ガイド22を介して定着装置23に導入され、加熱及び加圧されてトナー像を定着された後、搬送路36を介して排紙トレイ24上に排出される。
[中間転写ベルトの寄り制御の制御系]
本実施形態における中間転写ベルト7の寄り制御は、図2及び図3に示すステアリング位置制御機構14を用いて行われ、制御ユニット40が、エッジセンサ19の出力を監視しながら実行する。なお、図2は、本実施形態における中間転写ベルトのステアリング位置制御機構を説明するための斜視図であり、図3は、中間転写ベルトの寄り制御を行う制御系について説明するためのブロック図である。
すなわち、図3に示すように、画像形成装置25の装置本体25a内に設けられた制御ユニット40は、制御手段としてのCPU41と、ROM42と、記憶手段としてのRAM43とを有している。また、中間転写ベルト7の内周面に対向してホームポジションセンサ18が配置され、外周面に対向してエッジセンサ19が配置されている。エッジセンサ19は、中間転写ベルト7の回転方向に直交する幅方向の位置を検出するベルト位置検出手段を構成する。
制御手段としてのCPU41は、画像形成装置全体を制御する制御回路である。ROM42は、寄り制御を実行するための制御プログラムを格納している。記憶手段としてのRAM43は、CPU41が動作するためのシステムワークメモリである。ホームポジションセンサ18とエッジセンサ19からの各検出信号は、CPU41に伝送されてデジタル信号に変換されて演算処理される。
CPU41は、ホームポジションセンサ18とエッジセンサ19からの各検出信号に基づき、ホームポジション検出センサ32がホームポジションフラグ31を検出した位置を基準に、ステアリングモータ30のパルス位置を制御する。さらにCPU41は、ステアリングカム33を回転させてステアリングローラ13の傾斜角度を制御する。ホームポジション検出センサ32は、ステアリングローラ13の傾斜位置を検出する傾斜位置検出手段を構成すると共に、ステアリングカム33の回動位置を検出するカム位置検出手段を構成している。
ホームポジションセンサ18は、図1の画像形成部Paと画像形成部Pbとの間で中間転写ベルト7裏面に設けられた基準マーク(不図示)を検出してベルト走行方向の基準位置に係る信号を出力する。エッジセンサ19は、中間転写ベルト7の端部に接触配置されているエッジフラグ(不図示)の位置を検出し、連続的に中間転写ベルト7の端部位置をエッジプロファイルとして出力する。
上記エッジフラグは、常に中間転写ベルト端部に接触するように回動可能にバネ付勢され、他端に設けられた光反射面を使って変位センサ(不図示)により中間転写ベルト端部位置を出力する。なお、本実施形態では、エッジセンサ19に変位センサを用いたが、直接中間転写ベルト7のエッジ位置を測定する光学エリアセンサを用いてもよく、特にセンシング方式を限定するものではない。
CPU41は、エッジセンサ19により検出した中間転写ベルト7のエッジプロファイルをRAM43に格納(記憶)すると共に、エッジプロファイル通りにエッジセンサ19が信号を出力するようにステアリングモータ30のパルス信号を生成する。CPU41は、エッジセンサ19からの出力が所定の範囲(例えばセンサ特性1.4V/mmのエッジセンサにおいてΔ28mV)内に収まるようにステアリングモータ30を制御し、所定の範囲内に収まった時点で中間転写ベルト7の走行が安定したと判断する。CPU41は、このときの平均ステアリングカム位置から補正値を算出し、その補正値を、記憶手段としてのRAM43に記憶する。そしてCPU41は、RAM43に記録した補正値を適宜呼び出して制御量を算出し、ステアリングモータ30のパルス位置を制御する。制御のタイミングは、画像形成装置25全体の制御信号に基づいて行われている。
RAM43は、中間転写ベルト7の安定位置でのステアリングローラ13の傾斜位置を第1の傾斜位置として記憶する。この第1の傾斜位置は、予め、一次及び二次転写部(N1,N2)の少なくとも一方に転写バイアスを印加しない状態で中間転写ベルト7を回転させた時のエッジセンサ19の検出結果が所定範囲内に収まっている安定位置での傾斜位置である。更にRAM43は、予め、一次及び二次転写部(N1,N2)の双方に転写バイアスを印加した状態で中間転写ベルト7を回転させた時の検出結果が所定範囲内に収まっている安定位置でのステアリングローラ13の傾斜位置を第2の傾斜位置として記憶する。
CPU41は、エッジセンサ19の出力を監視しながらステアリングローラ13の一端を傾斜させ、中間転写ベルト7の周期でエッジセンサ19の出力が傾かない位置に調整する。この調整は、図2及び図3に示すステアリング位置制御機構14を用いて行われる。傾動手段としてのステアリング位置制御機構14は、ステアリングモータ30、ホームポジションフラグ31、ホームポジション検出センサ32、ステアリングカム33、ステアリングアーム34とを備える。
ステアリングアーム34は、ステアリングローラ13の軸13aに連結されて揺動可能に配置された揺動部材を構成している。また、ステアリングカム33は、ステアリングアーム(揺動部材)34を揺動させるカム部材を構成している。ステアリングモータ30は、ステアリングカム(カム部材)33を回動させるカム駆動手段を構成している。本実施形態では、これらの構成を備えることで、CPU(制御手段)41が、ステアリングカム33の回動位置を変更して寄り制御を的確に行うことができる。
CPU41は、ステアリング位置制御機構(傾動手段)14を動作させて中間転写ベルト7の幅方向の位置の制御である寄り制御を行う。そのため、CPU41は、ステアリング位置制御機構14を制御してエッジセンサ(ベルト位置検出手段)19の検出結果が所定範囲内に収まるように制御する。CPU41は、画像形成時にRAM43の情報に基づき、ステアリングローラ13をB位置(第1の傾斜位置)に傾動させて寄り制御を開始する。そしてCPU41は、一次及び二次転写部(N1,N2)の双方に転写バイアスを印加する際、ステアリングローラ13をC位置(第2の傾斜位置)に傾動させて寄り制御を継続させる。更にCPU41は、寄り制御を継続中に中間転写ベルト7が一定以上の距離を回転した場合にステアリングローラ13の傾斜位置の平均をステアリングローラ13のD位置(第3の傾斜位置)とし、所定のタイミングでC位置をD位置に変更する。
ステアリングモータ30は、その回転駆動によりステアリングローラ13を傾斜させる。ホームポジションフラグ31は、ステアリングモータ軸30aに取り付けられた状態でステアリングローラ13のホームポジションを示す。ホームポジション検出センサ32は、ホームポジションフラグ31を検出してステアリングローラ13のホームポジションを検出する。ステアリングカム33は、ステアリングモータ軸30aの先端部に固定されている。ステアリングアーム34は、ステアリングカム33の回転に応じて揺動するように支軸34aによって軸支されている。
ステアリングアーム34は、常にステアリングカム33と接触するように、引っ張りバネから成るステアリングバネ35で支軸34aを支点として図2及び図3の時計回り方向に付勢されている。ステアリングモータ30には、ステアリングカム33の位置制御を正確に行うために、ステッピングモータが用いられている。これらの構成により、CPU41がステアリング位置制御機構14を介してステアリングカム33の位置を制御することで、ステアリングローラ13の軸方向での傾きを制御(傾斜制御)して寄り制御することができる。また、カム駆動手段としてのステアリングモータ30にステッピングモータが用いられているので、パルス数に応じた的確な寄り制御を実行することができる。
傾斜制御では、エッジセンサ19の出力が、RAM43に予め記憶されているエッジプロファイルと同じになるようにフィードフォワード制御される。フィードフォワード制御用のエッジプロファイル計測は、図4及び図5に示すように実行される。
[エッジプロファイル計測]
以下、エッジプロファイルの計測について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は、本実施形態における中間転写ベルトの走行が安定するステアリングカム位置を探索する処理を示すフローチャート、図5は、本実施形態における中間転写ベルトのエッジ形状を示したグラフ図である。
すなわち、図5では、縦軸にエッジセンサ19の出力をとり、横軸に中間転写ベルト7の位置をとっている。まず、CPU41は、ステアリングカム33の位置を、ホームポジションフラグ31を基準として初期設定の回転位置(A位置)に移動させる(ステップS300)。このときのステアリングローラ13の傾斜角は0°である。
そしてCPU41は、中間転写ベルト7の回転駆動を開始させ(S301)、エッジセンサ19を監視し、その出力が平均的に傾かない、安定なステアリングカム33の安定ステアリングカム位置の探索を開始する(S302)。CPU41は、エッジセンサ19の出力が安定したと判断すると、ステッピングモータから成るステアリングモータ30を固定励磁し、一度ステアリングカム33の位置を固定する(S303)。
そしてCPU41は、ステアリングローラ13の傾斜位置を固定した状態で中間転写ベルト7を数周回転させ、ホームポジション基準でエッジ形状を測定する(S304)。さらにCPU41は、数周回分測定されたエッジ形状を平均化し、エッジプロファイル(図5)として、記憶手段としてのRAM43に記憶する。
その後、CPU41は、RAM43に記憶したエッジプロファイルに基づいて寄り制御を実行すると共に、エッジセンサ19の出力が安定するステアリングカム33の位置を再び探索する(S305)。ここで探索したステアリングカム33の回転位置を、B位置としてRAM43に記憶する。
CPU41は、B位置を、A位置で決められたステアリングモータ30のパルス数との差分から算出する。CPU41は、B位置の算出後、中間転写ベルト7の回転を停止させる(S306)。このエッジプロファイルは中間転写ベルト個体の特性であるため、エッジプロファイルの取得は、装置本体25aを設置したときや、中間転写ベルト7を交換したときにだけに行えばよい。
[ステアリングローラの傾斜位置]
引き続き、CPU41は、稼働状態に応じたステアリングローラ13の傾斜位置を、以下のように検出してRAM43に記憶する。
すなわち、CPU41は、RAM43に記憶したエッジプロファイルに基づき、再びステアリングモータ30の駆動でステアリングカム33を稼働させ(S307)、中間転写ベルト7の回転駆動を再び開始させて寄り制御を実行する(S308)。CPU41は、寄り制御を開始するときのステアリングカム33の位置を、B位置から開始させる。
その後、CPU41は、稼働状況に応じたステアリングカム33の位置を探索するために、離間していた二次転写外ローラ11を二次転写内ローラ10に加圧して当接させる(S309)。そしてCPU41は、一次転写部(N1)及び二次転写部(N2)にそれぞれ転写高圧(一次転写バイアス、二次転写バイアス)を印加する(S310)。
この状態で、CPU41は、エッジセンサ19の出力が安定するステアリングカム33の位置を再び探索し、探索したステアリングカム33の回転位置をC位置としてRAM43に記憶する(S311)。CPU41は、C位置を、B位置で決められたステアリングモータ30のパルス数との差分から算出する。CPU41は、C位置の算出後、中間転写ベルト7を停止させる(S312)。
以上の本実施形態では、エッジプロファイル及びステアリングカム33のB位置とC位置を検出するエッジ検出モードを専用に具備しており、このエッジ検出モードは、装置本体25aが設置された際や中間転写ベルト7が交換された際に実行される。
本実施形態では、ベルト位置検出手段としてのエッジセンサ19が、中間転写ベルト7の幅方向の端部の位置を検出する。そして、制御手段としてのCPU41が、B位置及びC位置(第1及び第2の傾斜位置)をそれぞれ計測する計測モードとしての上記エッジ検出モードを実行可能である。CPU41は、上記エッジ検出モードの実行中において、ステアリングローラ13がB位置(第1の傾斜位置)にある時に中間転写ベルト7の幅方向の端部の位置を、中間転写ベルト7の一周に亘って計測し、計測した結果(エッジ形状)を用いて寄り制御を行う。これにより、エッジ形状を用いた正確な寄り制御を実行することができる。
[カラー画像を形成する場合の動作手順]
次に、上述の構成を有する画像形成装置25によりカラー画像を形成する際の動作手順について、図6を参照して説明する。なお、図6は、本実施形態におけるカラー画像を形成する場合の動作手順を示すフローチャートである。
すなわち、画像形成装置25がスタンバイ状態にある際に、二次転写外ローラ11は中間転写ベルト7から離間している。この状態で、まず画像形成の動作がスタートされると、CPU41は、ステアリングモータ30を駆動して、ステアリングカム33をB位置に移動させる(ステップS600)。これと共に、感光ドラム1及び中間転写ベルト7の回転駆動をそれぞれ開始させる(S601)。
CPU41は、ホームポジション検出センサ32を介して中間転写ベルト7のホームポジションを検出すると、中間転写ベルト7の寄り制御を開始させる(S602)。このとき、ステアリングカム33の位置は、上記のB位置から開始される。
CPU41は、寄り制御の開始後、二次転写外ローラ11を二次転写内ローラ10に加圧して当接させる(S603)。そして、一次転写部(N1)と二次転写部(N2)に転写高圧(一次転写バイアス、二次転写バイアス)を印加して(S604)、画像形成部Pa〜Pdの画像形成の準備を完了させる。CPU41はさらに、このタイミングでステアリングカム33の位置をC位置に移動させる(S605)。
引き続き、CPU41は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の順に画像形成を実行し(S606)、一次転写部(N1)を介して順次に中間転写ベルト7上に転写していく。その後、CPU41は、中間転写ベルト7上のトナー像を二次転写部(N2)に搬送して、記録材S上に二次転写する。
そしてCPU41は、この記録材Sを定着装置23に搬送し、排紙トレイ24上に排出する。このとき、CPU41は、画像形成中のステアリングカム33の位置も随時計測し、エッジ検出モード実行時と同様に平均ステアリングカム(安定ステアリングカム)位置の算出を行っている(位置探索開始)(S607)。
画像形成終了までの平均ステアリングカム(安定ステアリングカム)位置をD位置とすると、C位置とD位置との差分を監視することで、次の動作開始時に移動するステアリングカム33の位置をC位置からD位置に変更することができるようになる。
そしてCPU41は、画像形成を終了させ(S608)、上記転写高圧(一次転写バイアス、二次転写バイアス)の印加を停止させ(S609)、各感光ドラム1の駆動を停止させると共に中間転写ベルト7の駆動を停止させる(S610)。さらに、二次転写外ローラ11を二次転写内ローラ10から離間させて中間転写ベルト7への当接を解除し(S611)、画像形成装置25の動作を停止させる。
ここで、CPU41は、RAM43に記憶されている平均ステアリングカム位置を、C位置からD位置に変更する(書き換える)(S612)。このように、C位置(第2の傾斜位置)の情報をD位置(第3の傾斜位置)に変更する、前述した所定のタイミングは、一連の画像形成の終了から次回の一連の画像形成を開始するまでの期間毎、に設定されている。これにより、一連の画像形成が終了する都度にC位置をD位置に更新できるので、最適なステアリングカム33の位置から寄り制御を開始することができる。
ここで、平均ステアリングカム(安定ステアリングカム)位置を画像形成終了までと記したが、画像形成終了間際の中間転写ベルト数周回分の平均でよい。なお、C位置からD位置への書き換えのタイミングは、必ずしも画像形成終了までの間でなくても良く、装置本体25aの主電源を一旦オフした後、画像形成開始のために再び主電源をオンする始動時に書き換えるように構成することも可能である。
以上のように、D位置は、装置本体25aが稼働する度に随時更新されていくため、設置環境が変化(湿度や温度)したり、画像形成の繰り返しにより状態が変化したりしても、適宜最適なステアリングカム33の位置から寄り制御を開始できる。このため、中間転写ベルト7の走行が安定するまでの時間を延ばすことがない。
本実施形態では、前述した一定以上の距離を、中間転写ベルト7の一周以上としているため、平均ステアリング位置の算出精度を損なうことを回避することができる。つまり、転写高圧(一次転写バイアス、二次転写バイアス)が印加されている時間が、中間転写ベルト走行距離一周以下の場合には平均ステアリング位置の算出精度を損なう可能性があるため、その場合、C位置からD位置への変更は実施しない。このようにCPU41は、一次及び二次転写部(N1,N2)に転写バイアスを印加している時間が、中間転写ベルト7が一周以上回転する時間未満であるときにはC位置(第2の傾斜位置)の情報を変更しない。これにより、平均ステアリング位置の算出精度を損なうことが防止される。
上述の制御により、画像形成を開始させる前に中間転写ベルト7の走行を迅速に安定させることが可能となり、色ずれの少ない高画質な画像を出力することができるようになる。即ち、本実施形態によれば、画像形成装置25の稼働状態に応じたステアリングローラ13の傾斜位置を検出して記憶すると共に、記憶したステアリングローラ13の傾斜位置を随時更新することができる。そして、この更新結果に基づいて傾斜位置を移動させることで、中間転写ベルト7の走行が安定するまでの時間を短縮することができる。
また、画像形成の繰り返し(耐久)による中間転写ベルト7の経時変化にも対応できるため、中間転写ベルト7の走行が安定するまでの時間を永続的に安定させることが可能となる。これにより、中間転写ベルト7を用いてカラー画像を形成する画像形成装置25おいて、色ずれを抑えた高品位な画像を安定して出力することができる。
<変形例>
次に、図7を参照して、上述した実施形態の変形例について説明する。なお、本変形例では、本発明に係る主たる概略構成については上述の実施形態と同様であるため、それらの説明は省略する。なお、図7は、本変形例における画像調整シーケンスを示すフローチャートである。
本変形例においては、上述の実施形態とは異なる平均ステアリングカム(安定ステアリングカム)位置(D位置)を検出する処理を適用した例について説明する。すなわち、上述の実施形態におけるD位置の算出は、画像形成中の平均ステアリングカム位置に基づいて算出したが、例えば、画像形成時間が短いときは中間転写ベルト7の走行時間も短く、従って、平均ステアリングカム位置の算出精度を損なってしまう。その場合は、寄り制御をD位置から開始するよりも、C位置から開始した方が良い場合も出てくる。出力枚数が少なく画像形成時間が短い状態が続くと、最適な位置から寄り制御を開始できなくなってしまう可能性もある。
このような状況を回避するために、本変形例では、D位置の算出を画像形成中に行うのではなく、例えば、電源投入時に実行される、色ずれ補正等の画像調整シーケンス中に平均ステアリングカム位置を監視し、この位置をD位置としている。
すなわち、画像形成装置25がスタンバイ状態にある際に、二次転写外ローラ11は中間転写ベルト7から離間している。この状態で、まず画像調整のシーケンスがスタートされると、CPU41は、ステアリングモータ30を駆動して、ステアリングカム33をB位置に移動させる(ステップS700)。これと共に、感光ドラム1及び中間転写ベルト7の回転駆動をそれぞれ開始させる(S701)。
CPU41は、ホームポジション検出センサ32を介して中間転写ベルト7のホームポジションを検出すると、中間転写ベルト7の寄り制御を開始させる(S702)。このとき、ステアリングカム33の位置は、上記のB位置から開始される。
CPU41は、寄り制御の開始後、二次転写外ローラ11を二次転写内ローラ10に加圧して当接させる(S703)。そして、一次転写部(N1)と二次転写部(N2)に転写高圧を印加して(S704)、画像形成部Pa〜Pdの画像形成の準備を完了させる。CPU41はさらに、このタイミングでステアリングカム33の位置をC位置に移動させる(S705)。
そしてCPU41は、ステップS706において、予め設定されている所定の処理を実行する。この所定の処理として、例えば、ホームポジションセンサ18を用いて中間転写ベルト7のホームポジションを検出する処理を行うことができる。つまり、ここからホームポジションの差分の計測を開始する。
引き続き、CPU41は、色ずれ補正等の画像調整処理を実行する(S707)。この画像調整では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の順に補正パッチを形成し、一次転写部(N1)を介して順次に中間転写ベルト7上に転写していく。そして、この補正パッチを検出するセンサ(不図示)によって検出された信号をCPU41が判定することにより、色ずれ補正等の処理を実行する。そしてCPU41は、画像調整中のステアリングカム33の位置をホームポジションから随時計測し、エッジ検出モード実行時と同様に平均ステアリングカム位置の算出を行う(探索開始)(S708)。
画像形成終了までの平均ステアリングカム位置をD位置とすると、C位置とD位置との差分を監視することで、次の動作開始時に移動するステアリングカム33の位置をC位置からD位置に変更することができるようになる。
そしてCPU41は、画像調整を終了させ(S709)、上記転写高圧(一次転写バイアス、二次転写バイアス)の印加を停止させ(S710)、各感光ドラム1の駆動を停止させると共に中間転写ベルト7の駆動を停止させる(S711)。さらに、二次転写外ローラ11を二次転写内ローラ10から離間させて中間転写ベルト7への当接を解除し(S712)、画像形成装置25の動作を停止させる。
ここで、CPU41は、RAM43に記憶されている平均ステアリングカム位置を、C位置からD位置に変更する(書き換える)(S713)。
画像調整シーケンスは、常に安定した時間で実行しているので、中間転写ベルト7の走行距離も予め決めることができる。従って、同じタイミングで平均ステアリングカム位置を算出することが可能となる。例えば、画像調整シーケンス中に連続して転写高圧を印加している時間が、中間転写ベルト7の三周分以上あれば三周分の平均ステアリングカム位置を算出できるようになる。
また、中間転写ベルト7のホームポジション基準で画像調整シーケンスを実行すれば、常に同じ位置からステアリングカム33の位置を監視することができ、D位置を測定することが理由で画像調整シーケンスの時間を延ばすことはなくなる。なお、ここでは、画像調整シーケンスを例に記したが、転写高圧を印加している時間が中間転写ベルト7が一周以上あるシーケンスであればよい。
以上のように本変形例においては、前述した画像形成時は、画像形成装置25の調整を行うために調整用のトナー像を中間転写ベルト7に転写する調整モード時が含まれる。このため、画像形成時間が短くて中間転写ベルト7の走行時間が短い場合でも、D位置の算出を画像形成中に行うのではなく、電源投入時に実行される色ずれ補正等の画像調整処理中に平均ステアリングカム位置を監視してこの位置をD位置とすることができる。このため、画像形成時間が短い場合でも、最適な位置からの寄り制御を実行することができる。従って、本変形例において、画像形成を開始させる前に中間転写ベルト7の走行を迅速に安定させることが可能となり、色ずれが極めて少ない高画質な画像を出力することができるようになる。
1…像担持体(感光ドラム)/7…中間転写ベルト/12…張架ローラ(従動ローラ)/13…ステアリングローラ/13a…ステアリングローラの軸/14…傾動手段(ステアリング位置制御機構)/19…ベルト位置検出手段(エッジセンサ)/25…画像形成装置/30…カム駆動手段,ステッピングモータ(ステアリングモータ)/32…傾斜位置検出手段,カム位置検出手段(ホームポジション検出センサ)/33…カム部材(ステアリングカム)/34…揺動部材(ステアリングアーム)/41…制御手段(CPU)/43…記憶手段(RAM)/N1…第1の転写手段(一次転写ニップ部(一次転写部))/N2…第2の転写手段(二次転写ニップ部(二次転写部))

Claims (8)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体からトナー像が転写される回転可能な無端状の中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体に対向した状態で前記中間転写ベルトにトナー像を転写する第1の転写手段と、
    前記中間転写ベルト上のトナー像を記録材に転写する第2の転写手段と、
    前記中間転写ベルトを回転可能に支持する張架ローラ及びステアリングローラと、
    前記ステアリングローラを傾動動作させる傾動手段と、
    前記ステアリングローラの傾斜位置を検出する傾斜位置検出手段と、
    前記中間転写ベルトの回転方向に直交する幅方向の位置を検出するベルト位置検出手段と、
    予め、前記第1及び第2の転写手段の少なくとも一方に転写バイアスを印加しない状態で前記中間転写ベルトを回転させたときの前記ベルト位置検出手段の検出結果が所定範囲内に収まっている前記中間転写ベルトの安定位置での前記ステアリングローラの傾斜位置を第1の傾斜位置、前記第1及び第2の転写手段の双方に転写バイアスを印加した状態で前記中間転写ベルトを回転させたときの前記安定位置での前記ステアリングローラの傾斜位置を第2の傾斜位置として記憶する記憶手段と、
    前記傾動手段を動作させて前記中間転写ベルトの前記幅方向の位置の制御である寄り制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    画像形成時に前記記憶手段の情報に基づき、前記ステアリングローラを前記第1の傾斜位置に傾動させてから前記寄り制御を開始し、前記第1及び第2の転写手段の双方に転写バイアスを印加する際、前記ステアリングローラを前記第2の傾斜位置に傾動させて前記寄り制御を継続させ、前記寄り制御を継続中に前記中間転写ベルトが一定以上の距離を回転した場合に前記ステアリングローラの傾斜位置の平均を前記ステアリングローラの第3の傾斜位置とし、所定のタイミングで前記第2の傾斜位置を前記第3の傾斜位置に変更する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記所定のタイミングは、一連の画像形成の終了から次回の一連の画像形成を開始するまでの期間毎である、
    ことを特徴する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記一定以上の距離は、前記中間転写ベルトの一周以上である、
    ことを特徴する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記第1及び第2の転写手段に転写バイアスを印加している時間が、前記中間転写ベルトが一周以上回転する時間未満であるときには前記第2の傾斜位置の情報を変更しない、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記傾動手段は、
    前記ステアリングローラの軸に連結されて揺動可能に配置された揺動部材と、
    前記揺動部材を揺動させるカム部材と、
    前記カム部材を回動させるカム駆動手段と、
    前記カム部材の回動位置を検出する、前記傾斜位置検出手段としてのカム位置検出手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記カム部材の回動位置を変更して前記寄り制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記カム駆動手段は、ステッピングモータである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記ベルト位置検出手段は、前記中間転写ベルトの前記幅方向の端部の位置を検出し、
    前記制御手段は、
    前記第1及び第2の傾斜位置をそれぞれ計測する計測モードを実行可能であり、前記計測モードの実行中において、前記ステアリングローラが前記第1の傾斜位置にあるときに前記中間転写ベルトの前記幅方向の端部の位置を前記中間転写ベルトの一周に亘って計測し、前記計測した結果を用いて前記寄り制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成時は、画像形成装置の調整を行うために、調整用のトナー像を前記中間転写ベルトに転写する調整モード時を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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