JP2015136924A - 加飾繊維強化シート、加飾繊維強化シートの製造方法及び加飾成形品 - Google Patents

加飾繊維強化シート、加飾繊維強化シートの製造方法及び加飾成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、薄肉かつ強度・剛性の高い加飾成形品を提供可能な美麗な意匠を有する加飾シートおよびそれを使用した加飾構造物を提供することである。【解決手段】上記の目的を達成するために、第1の発明は、樹脂繊維、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1つで形成された繊維体と、樹脂体とが一体化された繊維強化シートと、繊維強化シートの少なくともいずれか一方面の上に形成された加飾層とを備えた加飾繊維強化シートである。【選択図】図1

Description

この発明は、優れた強度を有しかつ美麗な加飾が施された薄物シート状物およびそれを用いた構造物に関する。
従来、樹脂成形品の表面を装飾する方法として、加飾シートを利用した成形同時加飾法がある(例えば、特許文献1参照)。成形同時加飾法には、加飾シートとして転写材を用いた成形同時転写法や、加飾シートとしてインサート材を用いたインサート法がある。
成形同時加飾法とは、加飾シートを成形金型内に挟み込み、金型を閉じた後、金型内に溶融樹脂を射出成形で注入し、冷却した後、金型を開いて樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に加飾を行う方法である。
家電製品、携帯電話、ノートブックパソコンの蓋等にも上記成形同時加飾した成形品が使用されているが、射出成形に適した厚みである1.5mm以上のものが多い。これら家電製品、携帯電話、ノートブックパソコンの薄型化・軽量化に伴い、それに使われる成形同時加飾した成形品も厚みの薄いものが必要になってきた。
厚みの薄い成形品が必要になってくると、薄肉成形技術が必要となる。従来用いられていたような樹脂のみからなる樹脂材料では成形品の強度・剛性が不足するため、薄肉成形では樹脂にガラス繊維の短繊維を入れた成形樹脂材料を使う。
特開昭63−126712
このガラス短繊維を入れた成形樹脂材料は、流動性が悪いため、薄肉成形用に幅が薄くなったキャビティ内では金型内で流れにくい。よって、金型温度を上げたり、射出圧を上げる必要があり、成形条件としては幅が狭く、加飾シートにとっても厳しい条件となる。
そのため、ガラス繊維を入れた樹脂材料ではガラス繊維の入らない樹脂ではおこらない現象が発生する。たとえば流動性が悪いため加飾シートのシワが発生しやすい、高い射出圧と金型温度が高いため加飾層が溶融、流動し加飾パターンが崩れる、シリンダ内で170〜280℃に加熱された高温の溶融樹脂が、幅の狭いキャビティ内に流入することになり、加飾シートの接着層が溶融樹脂の熱量で溶かされて流されてしまって加飾シートが成形樹脂と接着しなくなったり、溶融樹脂の熱量で加飾シート自体が溶けるなどの損傷を受けたりすることがあった。
本発明の目的は、薄肉かつ強度・剛性の高い加飾成形品を提供可能な美麗な意匠を有する加飾シートおよびそれを使用した加飾構造物を提供することである。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、樹脂繊維、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1つで形成された繊維体と、樹脂体とが一体化された繊維強化シートと、繊維強化シートの少なくともいずれか一方面の上に形成された加飾層とを備えた加飾繊維強化シートである。
このように構成すると、加飾繊維強化シートに耐性・剛性が生じる。また、加飾繊維強化シート自体が加飾される。よって、この加飾繊維強化シートを立体成形するだけで、耐性・剛性があり厚みが薄い、加飾成形品を得ることができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、繊維体が、繊維強化シートの表面に露出していない、加飾繊維強化シートである。
このように構成すると、繊維強化シートの表面が平滑になるため、繊維体が加飾層の表面から露出して、加飾層の表面に凹凸が形成されるのを確実に防止できる。よって、より意匠性が高い加飾繊維強化シートが得られる。
第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、加飾層の上に基体シートを更に備えた、加飾繊維強化シートである。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の構成において、繊維体はガラス繊維であり、樹脂体とガラス繊維の絶対屈折率の差が0.2以内である、加飾繊維強化シートである。
このように構成すると、ガラス繊維が目立たなくなり、優れた外観の加飾繊維強化シートが得られる。
第5の発明は、1対の加圧ロールを用いて製造する加飾繊維強化シートの製造方法であって、1対の加圧ロールの間に、繊維体と、樹脂シートと、基体シートの上に加飾層を有する加飾シートとを、その順に積層されるように供給する供給工程と、繊維体、樹脂シート及び加飾シートが積層されると同時に、それらを1対の加圧ロールで挟むことにより、繊維体、樹脂シート及び加飾シートとが一体化するように加圧・加熱する加圧工程とを備えた、加飾繊維強化シートの製造方法である。
第6の発明は、1対の加圧ロールを用いて製造する加飾繊維強化シートの製造方法であって、1対の加圧ロールの間に、繊維体と、流動樹脂と、基体シートの上に加飾層を有する加飾シートとを、その順に積層されるように供給する供給工程と、繊維体、流動樹脂及び加飾シートが積層されると同時に、繊維体、流動樹脂、加飾シートを1対の加圧ロールで挟むことにより、繊維体、流動樹脂、加飾シートが一体化するように加圧・冷却する冷却工程とを備えた、加飾繊維強化シートの製造方法である。
このように構成すると、繊維体と、樹脂シート又は流動樹脂と、加飾シートとを加圧ロールで同時に一体化させることがきる。よって、生産性が向上する。
第7の発明は、第5又は第6の発明の構成において、供給工程は、1対の加圧ロールの間に、樹脂シート又は流動樹脂と、加飾シートとを、その順に繊維体の両面に積層されるように供給する加飾繊維強化シートの製造方法である。
このように構成すると、繊維強化シートと加飾シートとを繊維体の両面に形成することができる。よって、より耐性・剛性が高く、両面が加飾された加飾繊維強化シートを作ることができる。
第8の発明は、第5から第7のいずれかの発明の構成において、繊維体と一体化した加飾シートから基体シートを剥離する工程を更に備えた、加飾繊維強化シートの製造方法である。
このように構成すると、加飾繊維強化シートに加飾層のみが転写される。よって、より厚みを薄くすることができる。
第9の発明は、第1から第4のいずれかの発明の構成において、加飾繊維強化シートが三次元形状に成形された、加飾成形品である。
このように構成すると、加飾繊維強化シート自体が成形品となる。よって、厚みが薄く、耐性・剛性がある加飾成形品を得ることができる。
本発明によれば、薄肉かつ強度・剛性の高い加飾成形品を提供可能な加飾シートを提供することができる。
(1)は第1実施形態に係る加飾繊維強化シートの概略構成を示した断面図、(2)は他の加飾繊維強化シートの概略構成を示した断面図 第2実施形態に係る加飾繊維強化シートの概略構成を示した断面図。 加飾シートの概略構成を示した断面図。 加飾成形品の概略構成を示した断面図。 第1実施形態に係る加飾繊維強化シートの製造工程を示した図。 第2実施形態に係る加飾繊維強化シートの製造工程を示した図。 糸状繊維を用いた加飾繊維強化シートの製造工程を示した図。
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
1. 加飾繊維強化シート
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る加飾繊維強化シート100について説明する。図1(1)を参照して、加飾繊維強化シート100は、繊維強化シート10とその両面に形成された加飾層20を備える。
繊維強化シート10は、繊維体14と樹脂体15とが一体化されたものである。繊維強化シート10は、繊維体14を糸状繊維16のまま樹脂体15と一体化させるか、又は繊維を織った織物状繊維11とし樹脂体15と一体化させて形成される。
繊維体14としては、樹脂繊維・ガラス繊維、・カーボン繊維、又は金属繊維等の繊維を用いることができる。樹脂繊維の例としては、ナイロン繊維・ビニロン繊維・ポリエステル繊維・アラミド繊維等が使用できる。また、金属繊維の例としては、ステンレス、鉄等が使用できる。
繊維体14としてガラス繊維を用いる場合、樹脂体15と繊維体14との絶対屈折率の差が0.2以内とすることが好ましい。例えば、繊維体14として、絶対屈折率が1.5〜1.6のガラス繊維を用い、樹脂体15として繊維体14との絶対屈折率の差が±0.1以内である透明な樹脂(透過率が80〜95%)を使用すると、ガラス繊維が見えなくなり優れた外観の加飾繊維強化シート100を得ることができる。
樹脂体15の材料としては、下記の材料を用いることができる。後述する樹脂シート12を用いて樹脂体15を形成する場合は、例えばABS・ポリカーボネート(PC)・ポリカーボネートABS(ポリカABS)・PET・PBT・PP・PE・ポリアミド等の樹脂シートを用いることができる。また、後述する流動樹脂13を用いて押出成形により樹脂体15を形成する場合は、ABS・ポリカーボネート(PC)・ポリカーボネートABS(ポリカABS)・PET・PBT・PP・PE・ポリアミド等を用いることができる。
加飾層20は、繊維強化シート10を加飾する層である。加飾層20は、例えば、加飾シート200を用いて、転写法により形成することができる。図3を参照して、加飾シート200は、基体シート21と剥離層22と意匠層23と接着層24とがその順に積層されて形成される。転写法の場合、繊維強化シート10の上に積層された加飾シート200から、基体シート21が剥離され、剥離層22、意匠層23、接着層24のみが、繊維強化シート10の上に加飾層20として転写される。
基体シート21の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなど、通常の加飾シートの基体シートとして用いるものを使用することができる。また、基体シートの表面が微細な凹凸を有する場合は、デザイン的に優れた加飾成形品が得られる。たとえば艶消しやへアライン、万線を使ったミラーボール調などの表面形状を表現することができる。なお、基体シート21の剥離性を向上させるために、基体シート21の表面に離型層を設けても良い。加飾シートが転写箔の場合は基体シートは不透明でも良いが、基体シートを加飾シートの一部として残す場合は加飾層の意匠が見えるような透明または半透明なものを基体シートとする。
剥離層22は、基体シート21を剥離した際に、加飾成形品400の最外面となる層である。剥離層22は、基体シート21の上に全面的または部分的に形成される。剥離層22の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層22に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層22は、着色したものでも、未着色のものでもよい。剥離層22の形成方法としては、グラビアコード法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。なお、剥離層22は必ずしも形成されなくても良い。
意匠層23は、剥離層22または基体シート21の上に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。
また、意匠層23は金属薄膜層からなるもの、印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、図柄層として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。金属薄膜層は部分的に形成してもよい。また、金属薄膜層を設ける際に、他の転写層と金属薄膜層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。
接着層24は、繊維強化シート10と加飾層20との接着性を向上させるものである。接着層24としては、繊維強化シート10の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、樹脂体15の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いるとよい。また、樹脂体15の材質がポリアミド樹脂の場合は、ポリアミド樹脂を、樹脂体15の材質がポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、樹脂体15の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレンー酢酸ビニル共重合体樹脂、深化ゴム、が使用可能である。
接着層24の形成方法としては、グラビアコード法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。また上記材質よりなる接着性を持つシートをラミネート法などにより貼り合せて接着層24を設けることも可能である。なお、接着層24は必ずしも形成されなくても良い。
上記のようにすることにより、加飾繊維強化シート100に耐性・剛性が生じる。また、加飾繊維強化シート100自体が加飾される。よって、この加飾繊維強化シートを立体成形するだけで、耐性・剛性があり厚みが薄い、加飾成形品を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る加飾繊維強化シート100について説明する。前記第1実施形態と重複する部分については説明を省略する。
図2を参照して、繊維体14は、繊維強化シート10の表面から飛び出て露出しないように一体化されている。樹脂体15の厚みが薄く、繊維強化シート10全体として厚みが薄くなれば、繊維体14は樹脂体15と一体化した時に繊維強化シート10の表面に露出しやすくなる。逆に、樹脂体15の厚みが厚く、繊維強化シート10全体として厚みが厚くなれば、繊維体14は繊維強化シート10の表面に露出しにくくなる。
繊維体14を、繊維強化シート10の表面から飛び出て露出しないように一体化させることにより、繊維強化シート10の表面が平滑になるため、繊維体14が加飾層20の表面から露出して、加飾層20の表面に凹凸が形成されるのを確実に防止できる。よって、より意匠性が高い加飾繊維強化シート100が得られる。
なお、図1(2)を参照して、上記第1実施形態及び第2実施形態では、加飾層20は繊維強化シート10の両面に形成されていたが、繊維強化シート10のどちらか片面にのみ形成されていても良い。また、加飾層20の形成方法は転写法に限られるものではない。例えば、ドライラミネート法を用いて、繊維強化シート10に加飾シート200を貼り合わせるだけでもよい。その場合、加飾シート200から基体シート21を剥離しないため、剥離層22は不要である。
2.加飾成形品
加飾成形品400について説明する。図4を参照して、加飾成形品400は、加飾繊維強化シート100が三次元形状に成形されて形成される。三次元形状に成形する方法としては、例えば、真空成形・真空圧空成形・プラグアシスト成形・プレス成形等が挙げられる。樹脂体15が熱可塑性樹脂で形成されている場合、熱をかけながら三次元形状に成形する。樹脂体15が熱硬化性樹脂で形成されている場合、未硬化状態の繊維強化シート10を三次元形状に成形し、後で熱硬化させる。
加飾成形品400は、加飾繊維強化シート100自体が成形品となるため、厚みが薄く、耐性・剛性を備える。このような加飾成形品400は、例えば、パソコンの筐体、バイクや車のボディー、スキー板等に適用することができる。加飾成形品400の下に更に射出成形等で樹脂部材を形成することも可能である。
3. 加飾繊維強化シートの製造方法
<第1実施形態>
次に、本発明の第1実施形態に係る加飾繊維強化シート100の製造方法について、図5を用いて説明する。
図5を参照して、まず、ロール状の織物状繊維11(繊維体の一例)と、織物状繊維11の両面に配置されたロール状の樹脂シート12と、織物状繊維11に対して樹脂シート12より外側の両面に配置され、ロール状の加飾シート200とを、それらの送り方向下流側に設置された一対の加圧ロール32の間で積層されるように、巻出しロール30、31から供給する。加飾シート200は、基体シート21上に加飾層20を備える。
次に、織物状繊維11と樹脂シート12と加飾シート200とが積層されると同時に、それらを一対の加圧ロール32で挟んで一体化するように加熱しながら加圧する。加圧ロール32は、樹脂シート12が溶融する温度に加熱されている。加圧ロール32で加熱と同時に加圧することにより、溶融した樹脂シート12が織物状繊維11の隙間に含浸し、織物状繊維11と樹脂シート12と加飾シート200とが一体化される。
次に、一体化された織物状繊維11と樹脂シート12と加飾シート200とを一対の加熱ロール33に送る。樹脂シート12が織物状繊維11の隙間に十分含浸するよう、再度加熱と加圧を行う。加圧ロール32による加熱・加圧で樹脂シート12が十分溶融している場合には、加熱に代えて冷却しても良い。
次に、織物状繊維11と樹脂シート12と加飾シート200とを乾燥冷却機34に送る。一体となった織物状繊維11と樹脂シート12と加飾シート200とを乾燥・冷却し固化させる。
次に、一対の巻取りロール36によって加飾シート200の基体シート21を巻き取って剥離し、その他部分である加飾繊維強化シート100を巻取りロール35によって巻き取る。上記のようにして、繊維強化シート10の両面に加飾層20が形成された加飾繊維強化シート100が得られる。このようにすると、織物状繊維11と、樹脂シート12と、加飾シート200とを加圧ロール32で同時に一体化させ、繊維強化シート10と加飾層20とを同時に形成することができるため、生産性が向上する。
なお、織物状繊維11とは、樹脂繊維・ガラス繊維、・カーボン繊維、又は金属繊維等の繊維を縦糸、横糸として平織等の織物状にしたものである。織物状繊維11の材質、太さ、織を変えることで繊維強化シート10の密度等を変更することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る加飾繊維強化シート100の製造方法について、図6を用いて説明する。前記第1実施形態と重複する部分については説明を省略する。
図6を参照して、前記第1実施形態の樹脂シート12に代えて、流動樹脂13を用いる。流動樹脂13は可塑化された樹脂であり、織物状繊維11の両面に配置されたノズルから一対の加圧ロール37の間に向けて押し出される。巻出しロール30から巻き出された織物状繊維11、ノズルから押し出された流動樹脂13、巻出しロール31から巻き出された加飾シート200とが積層されると同時に、それらの送り方向下流側に設置された一対の加圧ロール37に挟まれて一体化されるように、冷却しながら加圧する。
次に、一体化された織物状繊維11と流動樹脂13と加飾シート200とを一対の冷却ロール38に送る。織物状繊維11と流動樹脂13と加飾シート200とが一体化した状態で固化するよう、冷却と加圧を行う。ノズルから供給された流動樹脂13の可塑化が不十分であった場合には、冷却に代えて加熱しても良い。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、織物状繊維11の両面に、樹脂シート12又は流動樹脂13と、加飾シート200とを配置したが、必ずしも両面に配置する必要はない。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、織物状繊維11と、樹脂シート12又は流動樹脂13と、加飾シート200とが同時に一体化され、繊維強化シート10と加飾層20とが同時に形成されていたが、そのような方法に限られるものではない。例えば、織物状繊維11と、樹脂シート12又は流動樹脂13とを予め一体化して繊維強化シート10を製造した後で、アップダウン式熱転写法や真空プレス転写法等を用いて後から加飾層20を形成することも可能である。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、繊維体14として織物状繊維11を用いたが、繊維体14はそれに限られるものではない。図7を参照して、繊維を織らない糸状繊維16を用いることもできる。その場合、巻出しロール30ではなく、複数備えられたボビン39から糸状繊維16を巻き出して供給する。糸状繊維16の材質、太さ、本数(密度)、間隔、を変えることで出来上がりの繊維強化樹脂シート10の強度を変えることができる。
10 繊維強化シート
11 織物状繊維
12 樹脂シート
13 流動樹脂
14 繊維体
15 樹脂体
16 糸状繊維
20 加飾層
21 基体シート
22 剥離層
23 意匠層
24 接着層
30 巻出しロール
31 巻出しロール
32 加圧ロール
33 加熱ロール
34 乾燥冷却機
35 巻取りロール
36 巻取りロール
37 加圧ロール
38 冷却ロール
100 加飾繊維強化シート
200 加飾シート
400 加飾成形品

Claims (9)

  1. 樹脂繊維、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属繊維のうちの少なくとも1つで形成された繊維体と、樹脂体とが一体化された繊維強化シートと、
    前記繊維強化シートの少なくともいずれか一方面の上に形成された加飾層とを備えた、加飾繊維強化シート。
  2. 前記繊維体が、前記繊維強化シートの表面に露出していない、請求項1に記載の加飾繊維強化シート。
  3. 前記加飾層の上に基体シートを更に備えた、請求項1又は2に記載の加飾繊維強化シート。
  4. 前記繊維体はガラス繊維であり、前記樹脂体と前記ガラス繊維の絶対屈折率の差が0.2以内である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の加飾繊維強化シート。
  5. 1対の加圧ロールを用いて製造する加飾繊維強化シートの製造方法であって、
    前記1対の加圧ロールの間に、繊維体と、樹脂シートと、基体シートの上に加飾層を有する加飾シートとを、その順に積層されるように供給する供給工程と、
    前記繊維体、前記樹脂シート及び前記加飾シートが積層されると同時に、それらを前記1対の加圧ロールで挟むことにより、前記繊維体、前記樹脂シート及び前記加飾シートとが一体化するように加圧・加熱する加圧工程とを備えた、加飾繊維強化シートの製造方法。
  6. 1対の加圧ロールを用いて製造する加飾繊維強化シートの製造方法であって、
    前記1対の加圧ロールの間に、繊維体と、流動樹脂と、基体シートの上に加飾層を有する加飾シートとを、その順に積層されるように供給する供給工程と、
    前記繊維体、前記流動樹脂及び前記加飾シートが積層されると同時に、前記繊維体、前記流動樹脂、前記加飾シートを前記1対の加圧ロールで挟むことにより、前記繊維体、前記流動樹脂、前記加飾シートが一体化するように加圧・冷却する冷却工程とを備えた、加飾繊維強化シートの製造方法。
  7. 前記供給工程は、前記1対の加圧ロールの間に、前記樹脂シート又は前記流動樹脂と、前記加飾シートとを、その順に前記繊維体の両面に積層されるように供給する、請求項5又は請求項6に記載の加飾繊維強化シートの製造方法。
  8. 前記繊維体と一体化した前記加飾シートから前記基体シートを剥離する工程を更に備えた、請求項5から請求項7のいずれかに記載の加飾繊維強化シートの製造方法。
  9. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の加飾繊維強化シートが三次元形状に成形された、加飾成形品。
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