JP3319738B2 - 成形同時加飾成形品の製造方法 - Google Patents
成形同時加飾成形品の製造方法Info
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Description
樹脂が十分に充填され、加飾シートにしわや損傷が生じ
ない優れた外観を有する成形同時加飾成形品を製造する
方法に関する。
として、加飾シートを利用した成形同時加飾法がある。
成形同時加飾法には、加飾シートとして転写材を用いた
成形同時転写法や、加飾シートとしてインサート材を用
いたインサート法がある。
離層、図柄層、接着層などからなる転写層を形成した転
写材を成形金型内に挟み込み、金型内に溶融樹脂を注入
し、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に
転写材を接着した後、基体シートを剥離して、被転写物
面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
などが形成されたインサート材を成形金型内に挟み込
み、金型内に溶融樹脂を注入し、冷却して樹脂成形品を
得るのと同時に成形品表面にインサート材を接着して装
飾を行う方法である。
によって直接図柄を形成することが困難な形状の成形品
であっても図柄を形成することができるという特長を有
する。
形同時加飾法においては、溶融樹脂を注入する際に、加
飾シートにしわが生じたり部分的に損傷したりするとい
う問題点を有していた。
ポイントゲートがある。ピンポイントゲートを有する成
形用金型を用いると、成形品のゲート跡が小さくて目立
たず、金型を開く時、自動的にランナーを成形品から容
易にもぎ取ることができるなどの利点を有する。しか
し、シリンダ内でおよそ190〜260℃に加熱された
高温の溶融樹脂が、ピンポイントゲートのように径の小
さいゲート部分を流動することによりゲート部分におい
て摩擦熱が発生してさらに高温となり、この高温の溶融
樹脂が、成形用金型内に装着した加飾シートに高圧で急
激に衝突することにより、加飾シートにしわが生じた
り、加飾シートを構成する接着層、図柄層、基体シート
などが部分的に溶融して飛散するのである。しかも、ゲ
ート径が小さいと樹脂の流量が阻害されて成形品の末端
まで樹脂が流れず、より高い圧力をかけて樹脂を注入す
る必要があるため、いっそう加飾シートにしわが生じた
り損傷したりしやすいという問題があった。
ート処理の必要性はあるが大量に溶融樹脂を注入できる
サイドゲート、フィルムゲートなどがある。このような
比較的大きなゲート径を有する成形用金型を用いると、
シリンダ内で190〜260℃に加熱された高温の溶融
樹脂が、大量に一度にキャビティ内に流入することにな
り、加飾シートにしわが生じたり、加飾シートの接着層
が溶融樹脂の熱量で溶かされて流されてしまって加飾シ
ートが成形樹脂と接着しなくなったり、溶融樹脂の熱量
で加飾シート自体が溶けるなどの損傷を受けたりすると
いう問題があった。
い場合は、高温高圧の溶融樹脂による衝撃の影響をより
大きく受けやすい。
層、基体シートなどが、射出時の溶融樹脂の熱と圧力で
損傷を受け、接着不良、図柄の流れ、加飾シートのし
わ、溶融などを起こし、成形同時加飾成形品の外観に不
具合が生じるという問題があった。
点を解消し、キャビティ内に樹脂が十分に充填され、加
飾シートにしわや損傷が生じない優れた外観を有する成
形同時加飾成形品を容易に製造する方法を提供すること
を目的とする。
成形品の製造方法は、以上の目的を達成するために、つ
ぎのように構成した。
の製造方法は、キャビティを有する金型内に加飾シート
を設置し、金型内にAS樹脂またはABS樹脂を主成分
とする溶融樹脂を射出し、加飾シートと樹脂とが一体化
した成形品を得る成形同時加飾成形品の製造方法におい
て、金型のゲート径をa(mm)、日本工業規格(JI
S)K7210に規定されたメルトフローレート試験法
での試験温度220℃、公称荷重10kgにおけるAS
樹脂またはABS樹脂を主成分とした樹脂のメルトフロ
ーレートをb(g/10min)としたとき、0.1≦
b/a≦150の関係が成立するように構成した。
主成分とする樹脂が、ABS樹脂単体、ABS樹脂とポ
リカーボネート(PC)樹脂のポリマーアロイ、ABS
樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のポ
リマーアロイ、ABS樹脂とポリアミド(PA)樹脂の
ポリマーアロイのうちの少なくとも1つであるように構
成してもよい。
ポイントゲートであるように構成してもよい。
はABS樹脂を主成分とする溶融樹脂の温度が、190
〜260℃であるように構成してもよい。
転写材またはインサート材であるように構成してもよ
い。
接着層を有するものであり、接着層を構成する樹脂が、
AS樹脂またはABS樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂
からなり、ASTM D648に規定された軟化点が5
0〜140℃であるように構成してもよい。
しく説明する。
は、キャビティを有する金型内に加飾シートを設置し、
金型内にAS樹脂またはABS樹脂を主成分とする溶融
樹脂を射出し、加飾シートと樹脂とが一体化した成形品
を得る成形同時加飾成形品の製造方法において、金型の
ゲート径をa(mm)、JIS K7210に規定され
たメルトフローレート試験法での試験温度220℃、公
称荷重10kgにおけるAS樹脂またはABS樹脂を主
成分とした樹脂のメルトフローレートをb(g/10m
in)としたとき、0.1≦b/a≦150の関係が成
立する方法である。
置で加飾シートが供給される場合、または、キャビティ
面積より加飾シートが大きい場合は、金型をスリープレ
ート方式の成形金型構造とするのが好ましい。また、キ
ャビティ面積より加飾シートが小さい場合または同程度
の場合は、ツープレート方式の成形金型構造でも適用可
能である。
キャビティに成形機のシリンダー内で溶融された樹脂が
ノズルより射出され直接または金型内のランナー、スプ
ルーなどを経てキャビティに流入される口となる部分を
いう。ゲートの種類としては、その形状や配置される位
置によって、ピンポイントゲート、サイドゲート、フィ
ルムゲートなどに分類される。ピンポイントゲートは、
通常、円形であり、この場合ゲート径とはゲートの直径
を指す。また、ピンポイントゲートであっても何らかの
理由により楕円、その他の変形形状である場合、あるい
は、サイドゲート、フィルムゲートなどのゲートの形状
が円形でない場合は、ゲートの最小内径と最大外径の平
均をもって径とする。また、ゲートの形状が長方形であ
る場合は、対角線と短辺の平均をもって径とする。ゲー
トが多点の場合は、ゲート径の平均をもってゲート径と
する。ピンポイントゲートの場合、ゲート径aは、0.
8〜2.5mmの範囲であるのが好ましい。ゲート径が
0.8mmに満たないと、溶融樹脂の流れが悪くなり、
高い圧力をかけると加飾シートを損傷しやすくなる。ま
た、ゲート径aが2.5mmを越えると、溶融樹脂の熱
量で加飾シートが溶かされやすくなる。
のが好ましい。ピンポイントゲートを採用すると、成形
同時加飾成形品のゲート跡が小さくて目立たず、金型を
開く時、自動的にランナーを成形同時加飾成形品からも
ぎ取ることも可能となる。
樹脂を主成分とする樹脂を使用する。
樹脂は、成形品となった後に剛性などの物理的強度が高
く、また、加飾シートが接着層を有する場合、接着層と
して利用することができる密着性に優れた樹脂の種類が
多い。なお、この発明において、主成分にするとは、樹
脂の構成要素として51重量%以上含有することをい
う。
成分とした共重合体樹脂、ABS樹脂はアクリロニトリ
ル・スチレン・ブタジエンを成分とした共重合体樹脂を
一般に指すが、AS樹脂にゴム成分のブタジエンなどを
熱分散により含有したものでもよい。またこれらの成分
の配合比は特に規定されるものではない。これらはAS
樹脂単体またはABS樹脂単体で使用される場合が一般
的であるが、下記のような他の樹脂との混合物、共重合
体、ポリマーアロイとしても使用可能である。
は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)などのエ
ンジニアリングプラスチックス、ポリアミド(PA)樹
脂、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂などがある。
ポリカーボネート(PC)樹脂のポリマーアロイ、AB
S樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂の
ポリマーアロイ、ABS樹脂とポリアミド(PA)樹脂
のポリマーアロイである。これらはABS樹脂との混合
または分散が容易であり均一に混合または分散させるこ
とが可能である。また、ポリマーアロイとすることで、
成形品となったときの物理的強度をさらに向上させるこ
とができる。
の総重量が49%以下となる範囲で含有させることが可
能である。
機粉末充填剤や、ガラス繊維、カーボン繊維、ステンレ
スなどの金属繊維など繊維状充填剤などを用いることが
できる。しかし、これらの充填剤は、成形品となったと
きの物理的強度を増すため使用されるが、メルトフロー
を悪くする(小さくする)方向に働くため、成形同時加
飾成形法においてはしわを発生させるため、できるだけ
少ない量にとどめるのが好ましい。
は、0.1〜100であるのが好ましい。メルトフロー
レート(MFR)はメルトインデックス(MI)ともい
われ、樹脂の流れやすさの指標であり、金型内で溶融状
態にあるとき、値の大きいものほど流れやすいと判断で
きる。
0によって規定されたメルトフローレート試験法で測定
できるものであり、押出し型プラストメーターを用い
て、一定の温度および圧力でオリフィスから押出された
樹脂量を10分間当たりのグラム数に換算して表し、g
/10minを単位として示される数値である。
樹脂は、流動性が悪く、成形同時加飾成形法に使用する
と、高温のために加飾シートが延びやすい状態となるこ
ととあいまって、キャビティ内で摩擦により加飾シート
を伸ばし、金型の端面で加飾シートが余ってしわになる
という問題が起きやすい。
S樹脂またはABS樹脂を主成分とする樹脂のメルトフ
ローレートをb(g/10min)としたとき、0.1
≦b/a≦150の関係が成立することが重要である。
すなわち、高温の溶融樹脂がキャビティに注入充填され
る際に、成形用金型内に装着した加飾シートにしわや損
傷が生じる問題は、溶融樹脂が注入される際の流量とキ
ャビティ内の流れやすさに依存することを見出した。特
に、AS樹脂またはABS樹脂を主成分とする樹脂がシ
リンダ内で溶融され190〜260℃の温度で射出され
る場合、溶融樹脂が射出される流量はゲート径に依存
し、かつ、キャビティ内の流量はキャビティ内を流れる
樹脂の流れやすさに依存することが判明した。
m)、JIS K7210に規定されたメルトフローレ
ート試験法での220℃、公称荷重10kgにおけるA
S樹脂またはABS樹脂を主成分とした樹脂のメルトフ
ローレートb(g/10min)が上記の関係を満たす
ことによって、加飾シートが溶融樹脂の圧力や熱によっ
てしわが生じたり損傷したりしないものとなる。b/a
が0.1に満たないと、溶融樹脂の流れが悪くなり、高
い圧力をかけると加飾シートにしわや損傷が生じるとい
う不都合がある。また、b/aが150を越えると、溶
融樹脂の熱量で加飾シートにしわが生じたり溶けたりす
るという不都合がある。
は、0.1≦b/a≦125であるのが好ましい。なぜ
なら、b/aが0.1に満たないと、溶融樹脂の流れが
悪くなり、高い圧力をかけると加飾シートを損傷すると
いう不都合がある。また、b/aが125を越えると、
溶融樹脂の熱量で加飾シートが溶かされるという不都合
がある。
般に、加飾シートに近接しない方が好ましい。
とする溶融樹脂の温度としては、190〜260℃であ
るのが好ましい。溶融樹脂温度が190℃に満たない
と、溶融樹脂の流動が悪くなり成形品にショートが生じ
たり加飾シートの密着不良が生じたりする恐れがある。
また、溶融樹脂温度が260℃を越えると、樹脂ヤケが
起こって成形品に着色が生じたり、炭化が生じてシリン
ダ内に樹脂かすが残ったりする恐れがある。また、加飾
シートが溶融する恐れもある。なお、溶融樹脂はシリン
ダー内で溶融され、一般的には射出成形機のノズル指示
温度より10〜40℃程度高い状態にある。そして、溶
融樹脂はノズルを経て金型内に注入される際に10〜4
0℃程度の温度降下があると考えられる。したがって、
射出成形機のノズル指示温度は、注入直前の溶融樹脂温
度を示しているとみなしてよい。
材を用いることができる。
層、接着層などからなる転写層が設けられたものであ
る。
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂などの樹脂シートなど、通常の転写材の基体シート
として用いるものを使用することができる。また、基体
シートの表面が微細な凹凸を有する場合は、転写層に凹
凸が写し取られ、艶消しやへアラインなどの表面形状を
表現することができる。
合には、基体シート上に転写層を直接設ければよい。基
体シートからの転写層の剥離性を改善するためには、基
体シート上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形
成してもよい。
面的に形成する。剥離層は、成形同時転写後に基体シー
トを剥離した際に、基体シートまたは離型層から剥離し
て被転写物の最外面となる層である。剥離層の材質とし
ては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。
剥離層に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂など
の光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性
樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離
層は、着色したものでも、未着色のものでもよい。剥離
層の形成方法としては、グラビアコード法、ロールコー
ト法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
して形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステ
ル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、
適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色
インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オ
フセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法な
どの通常の印刷法などを用いるとよい。印刷層は、表現
したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設
ける場合もある。
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層として金属光沢
を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッター
リング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成
する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、
ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウ
ム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合
金または化合物を使用する。金属薄膜層は部分的に形成
してもよい。また、金属薄膜層を設ける際に、他の転写
層と金属薄膜層との密着性を向上させるために、前アン
カー層や後アンカー層を設けてもよい。
するものである。接着層としては、AS樹脂またはAB
S樹脂を主成分とする樹脂に適した感熱性あるいは感圧
性の樹脂を適宜使用する。たとえば、アクリル系樹脂、
ABS樹脂、AS樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ系樹脂などを用いるとよい。接着層の形成
方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コ
ンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法などの印刷法がある。また、上記材質よりな
る接着性を持つシートをラミネート法などにより貼り合
せて接着層とすることも可能である。
AS樹脂またはABS樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂
からなり、ASTM D648で規定される軟化点が5
0〜140℃であるのが好ましい。このような樹脂を用
いると、成形樹脂であるAS樹脂またはABS樹脂を主
成分とする樹脂との密着力が高いものとなる。
るものではなく、たとえば、図柄層の材質として被転写
物との接着性に優れたものを使用する場合には、接着層
を省略することができる。また、図柄層に隠蔽が必要な
場合は、隠蔽層を設けてもよい。隠蔽層は、図柄層と同
様にして形成するとよい。
よる成形同時転写法を利用して被転写物である樹脂成形
品の表面に装飾を行う方法について説明する。
型内に転写材を送り込む。その際、枚葉の転写材を1枚
づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材の必要部分を間
欠的に送り込んでもよい。長尺の転写材を使用する場
合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写材
の図柄層と成形用金型との見当が一致するようにすると
よい。また、転写材を間欠的に送り込む際に、転写材の
位置をセンサーで検出した後に転写材を可動型と固定型
とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材を固
定することができ、図柄層の位置ずれが生じないので便
利である。
ートより溶融樹脂を金型内に射出充満させ、被転写物を
形成するのと同時にその表面に転写材を接着させる。
成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に、転
写材の基体シートを剥離する。このようにして、転写層
のみを成形品表面に転移することで、成形同時加飾成形
品を得ることができる。
な方法で行うとよい。
も図柄層を有するものである。基体シートとしては、転
写材の場合と同様のものを用いるとよい。また、図柄層
は、転写材の場合と同様のものを用いるとよい。また、
接着層は、転写材の場合と同様のものを用いるとよい。
したがって、インサート材は、転写材と比較すると、剥
離層を有しない点で相違するものである。
ができる。次に、インサート材の使用方法について説明
する。
どを使用して、ゲートを有するコア型と、凹部を有する
キャビティ型との間に配置し、クランプなどの手段でキ
ャビティ型内または周囲に固定する。成形形状が深絞り
である場合、熱源によりインサート材を加熱軟化させる
とともにキャビティ型側から真空吸引してキャビティ型
の表面に密着させてもよい。キャビティ型とコア型を型
締めし、インサート材とコア型との間に密閉空間を形成
する。この空間に溶融樹脂を射出する。溶融樹脂として
は、転写材を用いた場合と同様のものを用いるとよい。
キャビティ型とコア型を型開きすれば、インサート材と
成形樹脂とが一体化した成形品を得ることができる。
ることができる。まず、インサート材を、深絞りのため
の凹部を有する予備成形型にクランプなどの手段で固定
し、次に、熱源によりインサート材を加熱軟化させると
ともに予備成形型側から真空吸引して予備成形型の表面
に密着させる。次いで真空吸引を解除し、予備成形型か
らインサート材を取り出す。このようにして、深絞り加
工したインサート材を得ることができる。次いで、予備
成形したインサート材を、ゲートを有するコア型と、深
絞りのための凹部を有するキャビティ型との間に配置
し、クランプなどの手段でキャビティ型内または周囲に
固定する。次に、キャビティ型とコア型を型締めし、イ
ンサート材とコア型との間に密閉空間を形成する。この
空間に溶融樹脂を射出し、キャビティ型とコア型を型開
きすれば、インサート材と成形樹脂とを一体化すること
ができる。
ンテレフタレートフィルムを基体シートとし、その上
に、接着強固なインキを用いて、中央に透明な窓部を有
し、その周囲に隠蔽色のパターンおよび文字からなる図
柄を有するように8色で図柄層をグラビア印刷法によっ
て形成し、さらに接着層としてABS樹脂に接着する接
着剤をグラビア印刷法によって形成し、厚さ0.1mm
のインサート材を得て加飾シートとした。
プレート方式の金型内に挟み込み、インサート成形を行
った。ゲートとしては、パネル裏面に直径0.8mmの
円形のピンポイントゲートを有するものを使用した(a
=0.8)。
溶融した透明なABS樹脂(東レ株式会社製トヨラック
920)をゲートを通じて金型内に射出して成形同時加
飾成形品を得た。ここで用いたABS樹脂のJIS K
7210に規定されたメルトフローレート試験法での試
験温度220℃、公称荷重10kgにおけるメルトフロ
ーレートbは、25g/10minであった(b=2
5)。
このようにして得た成形同時加飾成形品は、加飾シート
にしわが生じず、また、接着層、図柄層に損傷なく図柄
の崩れも生じなかった。
与する目的でガラス繊維を加えたものを用いたほかは実
施例1と同様にして成形同時加飾成形品を得た。ガラス
繊維入りABS樹脂のメルトフローレートbは、0.0
6g/10minであった(b=0.06)。
このようにして得た成形同時加飾成形品は、樹脂が十分
に充填されにくく、射出圧を上げることにより樹脂が製
品形状にまで充填できたが、加飾シートにしわが生じ、
また、加飾シートの接着層、図柄層に損傷が起こって図
柄の崩れも生じた。
ルフィルム(三菱レイヨン株式会社製HBXN47)を
基体シートとし、その上に、アルミペーストを分散させ
たインキを用いてメタリック柄の図柄層をグラビア印刷
法によって形成し、次いで、ベタ柄の図柄層をグラビア
印刷法で形成し、接着層として厚さ0.1mmの黒色の
ABSフィルムを貼り合わせて、メタリック柄を有する
インサート材を得て加飾シートとした。
をトリミングして除去した後、スリープレート方式の金
型内に挟み込み、溶融したABS樹脂を射出してインサ
ート成形を行った。ゲートとしては、直径0.5mmの
ピンポイントゲートを2箇所設けた(a=0.5)。使
用したABS樹脂(新日鐵化学株式会社製エスチレン3
20H)のメルトフローレートbは、70g/minで
あった(b=70)。
ようにして得た成形同時加飾成形品は、加飾シートにし
わが生じず、また、接着層、図柄層に損傷なく図柄の崩
れも生じなかった。
したほかは実施例2と同様にして成形同時加飾成形品を
得た(a=0.45)。
このようにして得た成形同時加飾成形品は、樹脂が十分
に充填されにくく、射出圧を上げることにより樹脂が製
品形状にまで充填できたが、加飾シートの接着層と図柄
層に損傷が起こって図柄の崩れが生じた。
クノポリマー株式会社製サンレックスS90)を用いた
ほかは実施例1と同様にして成形同時加飾成形品を得
た。AS樹脂のメルトフローレートbは、6.0g/1
0minであった(b=6.0)。
ようにして得た成形同時加飾成形品は、加飾シートにし
わが生じず、また、接着層、図柄層に損傷なく図柄の崩
れも生じなかった。
mmの長方形形状のサイドゲートとしたほかは実施例3
と同様にして成形同時加飾成形品を得た(a≒70.0
16)。
た。このようにして得た成形同時加飾成形品は、加飾シ
ートにしわが生じたものであった。
で、次のような効果を有する。
は、キャビティを有する金型内に加飾シートを設置し、
金型内にAS樹脂またはABS樹脂を主成分とする溶融
樹脂を射出し、加飾シートと樹脂とが一体化した成形品
を得る成形同時加飾成形品の製造方法において、金型の
ゲート径をa(mm)、JIS K7210に規定され
たメルトフローレート試験法での試験温度220℃、公
称荷重10kgにおけるAS樹脂またはABS樹脂を主
成分とした樹脂のメルトフローレートをb(g/10m
in)としたとき、0.1≦b/a≦150の関係が成
立するので、キャビティ内に樹脂が十分に充填され、加
飾シートにしわや損傷が生じない優れた外観を有する成
形同時加飾成形品を容易に得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 キャビティを有する金型内に加飾シート
を設置し、金型内にAS樹脂またはABS樹脂を主成分
とする溶融樹脂を射出し、加飾シートと樹脂とが一体化
した成形品を得る成形同時加飾成形品の製造方法におい
て、金型のゲート径をa(mm)、日本工業規格(JI
S)K7210に規定されたメルトフローレート試験法
での試験温度220℃、公称荷重10kgにおけるAS
樹脂またはABS樹脂を主成分とした樹脂のメルトフロ
ーレートをb(g/10min)としたとき、0.1≦
b/a≦150の関係が成立することを特徴とする成形
同時加飾成形品の製造方法。 - 【請求項2】 ABS樹脂を主成分とする樹脂が、AB
S樹脂単体、ABS樹脂とポリカーボネート(PC)樹
脂のポリマーアロイ、ABS樹脂とポリブチレンテレフ
タレート(PBT)樹脂のポリマーアロイ、ABS樹脂
とポリアミド(PA)樹脂のポリマーアロイのうちの少
なくとも1つである請求項1記載の成形同時加飾成形品
の製造方法。 - 【請求項3】 ゲートが、ピンポイントゲートである請
求項1〜2のいずれかに記載の成形同時加飾成形品の製
造方法。 - 【請求項4】 AS樹脂またはABS樹脂を主成分とす
る溶融樹脂の温度が、190〜260℃である請求項1
〜3のいずれかに記載の成形同時加飾成形品の製造方
法。 - 【請求項5】 加飾シートが、転写材またはインサート
材である請求項1〜4のいずれかに記載の成形同時加飾
成形品の製造方法。 - 【請求項6】 加飾シートが接着層を有するものであ
り、接着層を構成する樹脂が、AS樹脂またはABS樹
脂を主成分とする熱可塑性樹脂からなり、ASTM D
648に規定された軟化点が50〜140℃である請求
項1〜5のいずれかに記載の成形同時加飾成形品の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055197A JP3319738B2 (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 成形同時加飾成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055197A JP3319738B2 (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 成形同時加飾成形品の製造方法 |
Publications (2)
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