JP2015135276A - 表面形状測定装置およびそれを備えた工作機械 - Google Patents

表面形状測定装置およびそれを備えた工作機械 Download PDF

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Abstract

【課題】光ビームを用いた三角測量によって表面形状を測定する際に観測される誤差を低減する。
【解決手段】表面形状測定装置140において、変位計100は、測定対象物130に向けて光ビーム116を出射する発光部110、測定対象物130からの光ビームの散乱光を集光する光学系118、および光学系118による集光位置を検出する受光部120を含む。移動機構146は、変位計100と測定対象物130とを相対的に移動させることによって、光ビーム116を走査する。測定制御部156は、発光部110に対して受光部120が光ビーム116の走査方向の前方または後方に位置するように、移動機構146に光ビーム116を走査させ、光ビーム116の走査中に、変位計100によって測定対象物130の表面の変位を表面形状データとして連続的に測定するように構成される。
【選択図】図4

Description

この発明は、光ビームを用いた非接触方式の変位センサによって表面形状を測定する表面形状測定装置、および表面形状測定装置を備えた工作機械に関する。
工作機械での機上測定技術の需要は益々高まってきている。従来、機上測定の用途は、ワークピース(「加工物」とも称する)の位置決め及び幾何形状の寸法測定などに限定されてきた。近年では、機上測定結果をCADデータと比較することによって、仕上げ加工精度の向上のための補正にも機上測定が使われるようになりつつある。さらに、機上測定結果を利用して、工作機械自身の空間誤差補正を自動で行うなどの研究も進んでいる。
一般的には、タッチプローブが機上測定に使用されている。タッチプローブは、ATC(自動工具交換装置:Automatic Tool Changer)を利用して工作機械本体に取付け可能になっている。さらに、タッチプローブは、データ処理用のコンピュータとの間で無線通信によるデータ転送も可能であり、測定ツールとしての充実度も増してきている。
しかしながら、タッチプローブにはその構造上の制約が存在する。すなわち、接触式であるため、仕上げ加工後のワークピースに傷をつける可能性を排除できない。さらには、接触時の逃げストロークも少ないため、予め測定対象形状が既知でなくてはならない。加工前のワークピース位置検出の場合には、少ない逃げストローク範囲内の精度であらかじめワークピースが位置決めされていることが必要である。
一方、非接触測定は、ワークピースを傷つけることも無く、変位センサとワークピースとの距離も数十mmと比較的大きく取れる。このため、鋳物、鍛造品等を加工する前の加工オフセットを求めるための測定、さらには、仕上げ加工後のワークピースの形状を高速でスキャンするなどの用途に向いている。
非接触測定の代表的な方式として、レーザ三角測量方式がある(たとえば、特開平10−332335号公報(特許文献1)参照)。従来、金属材料の表面形状の測定では、金属光沢面での拡散反射光の光量不足のせいでレーザ変位計を用いた測定が困難であった。そのため、表面にパウダーを塗布する等の前処理の必要が生じ、機上測定でのレーザ変位計の実用化が進まない状況があった。近年、受光素子であるイメージセンサの感度向上および半導体レーザ素子の発達によって金属光沢面の測定も可能となった。これにより、機上測定で拡散反射方式三角測量レーザ変位計の利用が可能となってきている。
特開平10−332335号公報
新井泰彦 他3名、「2枚のスペックルパターンのみを用いた高分解能電子スペックル干渉測定法」、会誌「光学」、第41巻2号、p96−104、2012年2月
三角測量方式のレーザ変位計の精度は、通常、繰り返し精度で表示され、サブミクロンの精度が保証されているのが通常である。しかしながら、レーザ光を使用していること、スポットが理想的な点形状ではなく大きさを持つことから、特有の測定誤差が観測される。この測定誤差は、実際の表面粗さに比べてはるかに大きいスパイク状のノイズを含み、時間平均化処理では除去できない点に特徴がある。また、上記の測定誤差は、コヒーレントなレーザビームに限らず、非コヒーレントな光ビームを用いた三角測量方式の変位計においても観測される。
この発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、その主な目的は、光ビームを用いた三角測量によって表面形状を測定する際に観測される誤差を低減することが可能な表面形状測定装置を提供することである。
この発明は一局面において表面形状測定装置であって、変位計と、移動機構と、測定制御部とを備える。変位計は、測定対象物に向けて光ビームを出射する発光部、測定対象物からの光ビームの散乱光を集光する光学系、および光学系による集光位置を検出する受光部を含む。変位計は、受光部での集光位置に基づいて測定対象物の表面の変位を測定する。移動機構は、変位計と測定対象物とを相対的に移動させることによって、光ビームを走査する。測定制御部は、移動機構および変位計を制御する。測定制御部は、発光部に対して受光部が光ビームの走査方向の前方または後方に位置するように、移動機構に光ビームを走査させ、光ビームの走査中に、変位計によって測定対象物の表面の変位を表面形状データとして連続的に測定するように構成される。
上記の測定制御部の構成によれば、上述のスパイク状の誤差を特徴的な形状の誤差パターンとして抽出することが可能になる。したがって、抽出した誤差パターンを除去することによって、表面形状データに含まれるノイズを効率的に低減することが可能になる。
好ましくは、表面形状測定装置は、光ビームのスポットサイズ以下の大きさの区間であって予め定める条件を満たす特徴区間を、表面形状表面形状データの測定範囲から抽出する特徴区間抽出部をさらに備える。この場合、予め定める条件は、特徴区間の前半の一部で表面形状データが表面形状データの平均値に対して予め定める範囲を超えて一方向に変化し、特徴区間の後半の一部で前半と反対方向に表面形状データが平均値に対して予め定める範囲を超えて変化するという条件を含む。
もしくは、表面形状測定装置は、光ビームのスポットサイズに等しい大きさの区間であって予め定める条件を満たす特徴区間を表面形状データの測定範囲から抽出する特徴区間抽出部をさらに備えるのが望ましい。この場合、予め定める条件は、特徴区間の前半における表面形状データの波形と、特徴区間の後半における表面形状データの波形を特徴区間の中央でのデータ点を中心に180度回転することによって得られる波形との相関係数が、予め定める基準値を超えるという条件を含む。
上記のいずれの構成の特徴区間抽出部によっても、レーザ変位計の測定データに含まれる特徴的なパターン形状の誤差を抽出することができる。したがって、抽出した誤差パターンを除去することによって、表面形状データに含まれるノイズを効率的に低減することが可能になる。
好ましい一実施の形態において、表面形状測定装置は、抽出された1または複数の特徴区間の各々において、表面形状データの平均値に対する表面形状データの変化量が小さくなるように表面形状データを補正するデータ補正部をさらに備える。
好ましくは、データ補正部は、各特徴区間の任意の第1の測定点における測定値を、区間の中点を挟んで対称な位置にある第2の測定点における測定値と平均し、求めた平均値で前記第1および第2の測定点における各測定値を置換することによって表面形状データを補正する。
もしくは、データ補正部は、各特徴区間におけるデータを表面形状データの平均値で置き換えることによって、表面形状データを補正するのが好ましい。
上記のいずれの構成のデータ補正部によっても、上記の特徴的な誤差パターンを除去することができる。
上記の一実施の形態においてさらに好ましくは、表面形状測定装置は、データ補正部によって補正された表面形状データに対して、光ビームのスポットサイズよりも長い周期の変動のみを残すローパスフィルタ処理を行うフィルタ処理部をさらに備える。これによって、表面形状データに含まれるノイズをさらに低減させることができる。
好ましい他の実施の形態において、表面形状測定装置は、表面形状データに対して、可変の移動平均区間で移動平均を行う移動平均処理部をさらに備える。ここで、移動平均区間の大きさは光ビームのスポットサイズよりも大きい。特徴区間を含んで移動平均を行う際の移動平均区間の大きさは、特徴区間を含まずに移動平均を行う際の移動平均区間の大きさよりも大きい。
好ましいさらに他の実施の形態において、表面形状測定装置は表面形状データに対して、重み付き移動平均を行う移動平均処理部をさらに備える。ここで、重み付き移動平均の移動平均区間の大きさは光ビームのスポットサイズよりも大きい。特徴区間内の測定点に対する重みは、特徴区間外の測定点に対する重みよりも小さい。
上記のいずれの構成の移動平均処理部によっても、レーザ変位計の測定データに含まれる特徴的なパターン形状の誤差を抑制することができる。
この発明は他の局面において、上記の表面形状測定装置を備えた工作機械である。
したがって、この発明によれば、光ビームを用いた三角測量によって表面形状を測定する際に観測される誤差を低減することができる。
レーザ変位計の構成を模式的に示す図である。 図1のリニアイメージセンサの構成を模式的に示す斜視図である。 図1のリニアイメージセンサによって検出されるデータの一例を示す図である。 実施の形態1による表面形状測定装置の構成例を概略的に示すブロック図である。 レーザ変位計による金属表面の測定結果の一例を示す図である。 測定対象物の反射率が不均一な場合において、リニアイメージセンサ上の結像スポットの変化について説明するための図である。 図6の測定対象物の表面を模式的に示す平面図である。 図6および図7の場合において、リニアイメージセンサによって検出される輝度分布の一例を示す図である。 測定対象物の反射率の不均一性に起因した測定誤差の大きさについて説明するための図である。 レーザ変位計を用いてゲージブロック上の微小区間での高さ方向の変位を繰り返し測定した結果を示す図である。 レーザ変位計を用いてゲージブロック上の0.4mmの範囲での高さ方向の変位を測定した結果を示す図である。 図11の各測定点においてイメージセンサの受光量の最大値を示す図である。 図11および図12の領域RCにおいて、高さ方向の変位と最大受光量との関係を示す図である。 直径50μmのスポットサイズのレーザビームで、1辺0.5mmの正方形状の領域の表面形状の測定した結果を示す図である。 レーザスポットサイズを直径400μmに変更して図14と同じ領域の表面形状を測定した結果を示す図である。 表面形状の測定および測定したデータの処理手順を示すフローチャートである。 図16のステップS105において特徴区間を抽出する方法を説明するための図である。 図16のステップS105において特徴区間を抽出する他の方法を説明するための図である。 図16のステップS110において表面形状データを補正する方法を説明するための図である。 図11の測定データに対して、図16のステップS110に示すデータ補正を行った結果を示す図である。 図20のデータに対して、図16のステップS115に示すローパスフィルタ処理を行った結果を示す図である。 図11の測定データに対して図16のステップS110に示すデータ補正を行わずに、ステップS115に示すローパスフィルタ処理を行った結果を示す図である。 実施の形態2による表面形状測定装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態2による表面形状測定装置において、表面形状の測定および測定したデータの処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2による表面形状測定装置において、表面形状の測定および測定したデータの処理手順の他の例を示すフローチャートである。 実施の形態3による工作機械の構成を模式的に示す斜視図である。 図26の工作機械のうち表面形状測定装置に関する部分の機能的構成を示すブロック図である。
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。以下の各実施の形態では、レーザ変位計を用いた表面形状測定装置を例に挙げて説明するが、レーザ光に代えて非コヒーレントな光ビームを用いた非接触式の変位計の場合にもこの発明を適用することができる。なお、以下の説明において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない場合がある。
<実施の形態1>
[レーザ変位計の概要]
図1は、レーザ変位計の構成を模式的に示す図である。図1を参照して、レーザ変位計100は、発光部110と、光学系としての集光レンズ118と、受光部としてのリニアイメージセンサ(Linear Image Sensor)120とを含む。発光部110は、レーザダイオード112と、レンズ114とを含む。
レーザダイオード112から発せられたレーザビーム116はレンズ114によって略平行光に整形され、測定対象物130へ照射される。測定対象物上でのレーザビーム116のスポットサイズw(スポット径とも称する)は、たとえば、直径50μmである。測定対象物130上で拡散反射された光は、レーザビーム116とγの角度方向に配置されたリニアイメージセンサ120上に、集光レンズ118によって集光される。
図1において、レーザビーム116の方向をZ軸方向とする。レーザビーム116の中心軸と集光レンズ118の光軸とを含む面を光路面と称する。この光路面に平行でありかつZ軸方向に垂直な方向をX軸方向とする。X軸方向およびZ軸方向の両方に垂直な方向をY軸方向とする。図1の場合、Y軸方向は紙面に垂直な方向であり、XZ平面は紙面(光路面)と平行である。
ここで、レーザ光のビームサイズ(測定対象物上でのスポットサイズ)について説明する。レーザ光のビームサイズには種々の定義がある。たとえば、TEM00モードのように対称なビームプロファイルのレーザ光の場合には、光軸に直交する面において、ピーク値に対してeの2乗分の1(ただし、eは自然対数の底)(13.5%)の強度分布の幅でビームサイズが定義される。ビームプロファイルが崩れている場合には、たとえば、ビームの全パワーのうち、ピークパワーを基準として86.5%が含まれる円を算出し、この円の直径がビームサイズとして定義される。この明細書では、種々の定義を含めるために、全パワーの50%が含まれる円の直径以上、全パワーの95%が含まれる円の直径以下の範囲を実質的にビームサイズ(測定対象物上でのスポットサイズ)に等しいとする。
図2は、図1のリニアイメージセンサの構成を模式的に示す斜視図である。図2を参照して、リニアイメージセンサ120は、直線状に配列された1024個の画素(ピクセル)122を含む。各画素122は、受光量に応じて0から最大255までの輝度レベルの信号を出力する。
図3は、図1のリニアイメージセンサによって検出されるデータの一例を示す図である。図3の横軸がピクセル位置を示し、縦軸が輝度レベルを示す。図2および図3を参照して、測定対象物130上で拡散反射された光が集光レンズ118によってリニアイメージセンサ120上のスポット124に集光されることによって、図3に示すようなガウス分布状のデータが得られる。図3のデータの重心位置から三角測量により対象物までの距離が計算される。
再び図1を参照して、リニアイメージセンサ120はシャインプルーフ条件(Scheimpflug Condition)に基付いた角度で配置される。すなわち、リニアイメージセンサ120の検出面と集光レンズ118の主面とは1直線で交わり、これらの面のなす角度をβとする。レーザビーム116を含む面が被写体面となる。この場合、測定対象物130とレーザ変位計100との間の距離の変化に対する、リニアイメージセンサ120上での結像スポット124の移動倍率Mは、次式(1)で与えられる。ただし、集光レンズ118の焦点距離をf0とし、測定対象物130上でのレーザビーム116の照射位置(レーザスポット132)から集光レンズ118までの距離をlとしている。
M=(f0・sinγ)/(l・cosβ) …(1)
本実施の形態の場合には、上式(1)において、f0=55mm、l=80mm、γ=π/6、β=5π/18であるので、移動倍率Mは以下のように計算される。
M={55×sin(π/6)}/{80×cos(5π/18)}=0.53 …(1A)
[表面形状測定装置の構成]
図4は、実施の形態1による表面形状測定装置の構成例を概略的に示すブロック図である。図4を参照して、表面形状測定装置140は、測定対象物130が載置されるテーブル144と、サドル142と、レーザ変位計100と、X軸駆動機構146Xと、Y軸駆動機構146Yと、Z軸駆動機構146Zと、コンピュータ150とを含む。
テーブル144はサドル142上に配置され、X軸方向に移動可能である。サドル142はY軸方向に移動可能である。X軸駆動機構146Xは、テーブル144をX軸方向に移動させる。Y軸駆動機構146Yは、サドル142をY軸方向に移動させる。Z軸駆動機構146Zは、レーザ変位計100をZ軸方向に移動させる。X軸駆動機構146X、Y軸駆動機構146Y、およびZ軸駆動機構146Zは、レーザ変位計100と測定対象物130とを相対的に移動させるための移動機構146として機能する。したがって、移動機構146によってレーザビーム116は、測定対象物130の表面上を走査する。
なお、移動機構146の構成は図4の例には限られない。たとえば、測定対象物130が固定され、レーザ変位計100がX、Y、Zの3方向に移動可能な構成であってもよい。
コンピュータ150は、プロセッサ152、メモリ154、ならびに図示しない表示装置および入出力装置等を含む。プロセッサ152は、メモリ154に格納されたプログラムを実行することによって、測定制御部156およびデータ処理部158として機能する。
測定制御部156は、レーザ変位計100および移動機構146を制御することによって、レーザビーム116を走査させる。このレーザビーム116の走査中に、測定制御部156は、レーザ変位計100を用いて測定対象物130の表面形状データ166を連続的に測定する。測定された表面形状データ166はメモリ154に格納される。表面形状データ166は、測定対象物130上の走査位置(レーザビームが照射される位置)と、当該走査位置における測定対象物130の表面のZ方向の変位とが対応付けられたデータ系列である。
データ処理部158は、レーザ変位計100の測定データ(表面形状データ166)に含まれる特徴的なノイズを除去するために、測定データのデータ処理を行う。データ処理内容の詳細は、図16〜図22を参照して後述する。
本実施の形態による表面形状測定装置140は、レーザビーム116の走査方向とレーザ変位計100の向きとの関係に特徴がある。具体的には、図1に示すように、発光部110に対して受光部(リニアイメージセンサ120)がレーザビーム116の走査方向(図1の場合、+X方向または−X方向)の前方または後方に位置するように、レーザビーム116が走査される。言い換えると、レーザビーム116の中心軸と集光レンズ118の光軸を含む光路面(図1の場合、XZ平面に平行)に、レーザビーム116の走査方向が合わせられる。
上記のようにレーザビーム116の走査方向とレーザ変位計100の向きとを合わせることによって、図11の領域RA,RB,RCに示されるような特徴的な誤差パターンが測定データ中に出現するようになる。したがって、表面形状データ166からこの特徴的な誤差パターンを抽出して除去すれば、表面形状データ166に含まれる比較的大きなノイズを効率的に低減することが可能になる。
なお、測定対象物130の表面上でレーザスポットが曲線状の軌跡を辿るようにレーザビーム116を走査してもよい。この場合、発光部110に対して受光部が走査方向の前方または後方に位置するようにするために、測定対象物130またはレーザ変位計100の一方をZ軸回り(C軸方向)に回転させる駆動機構が必要になる。
[レーザ変位計の測定誤差の原因について]
図5は、レーザ変位計による金属表面の測定結果の一例を示す図である。具体的に、図5には、表面が滑らかな金属ゲージブロックの表面の変位を、レーザ変位計100を用いて0.1mm間隔で測定した結果が示されている。レーザビームの走査方向は、ゲージブロックの表面と平行な方向である。図5に示すように、ゲージブロックの面粗度が0.06μm程度であるのに対して、測定データには3σ値で(σは標準偏差を表す)36μmもの大きなノイズが観測された。詳しくは後述するように、このノイズは、時間平均化処理(同一測定を繰り返し行って平均化する処理)では除去できない点に特徴がある。
レーザ変位計の誤差の原因として、電気的なノイズ、温度変化による影響、移動機構146(X軸駆動機構146X、Y軸駆動機構146Y、およびZ軸駆動機構146Z)の運動誤差、測定対象物130の表面の反射率の不均一に基づく誤差、およびレーザスペックル等が考えられる。
電気的なノイズは、測定値の時間平均化処理により改善することが可能である。市販されているレーザ変位計の繰り返し精度は、時間平均化処理がなされた後の数字で表記されることが多く、サブミクロンの精度となる。したがって、図5に示される比較的大きなノイズの原因ではない。
温度変化による誤差は、外気温によるものも存在するが、レーザ変位計内部の電気回路が熱源になり、測定光学系の熱変位により生じる誤差が主である。今回用いたレーザ変位計では、電源投入後に10μmの測定値のシフトが観察されている。ただし、温度変化による測定値のシフトは、通常電源を投入してから30〜60分程度で安定化するので、図5に示されるノイズの原因にはなり得ない。
移動機構146の運動誤差は、熱変位による誤差と機械的な誤差とが存在する。熱変位による誤差は上記のレーザ変位計内部の温度の影響と同じく、時間的にゆっくりした変動として観測される。機械的な誤差は、表面形状の測定のためにレーザビームを走査したときにおける移動機構146の位置精度の誤差が原因である。しかしながら、機械的な誤差は、上記スパイク状のノイズに比較して、大きなうねりとして現れるので、図5に示されるノイズの原因としては考え難い。
移動機構146の運動誤差としてその他に、サーボ軸の振動による誤差も考えられる。しかしながら、サーボ軸の振動によるノイズは、電気的なノイズと同じように時間平均化処理によって除去できるので、図5に示されるノイズの原因ではない。
以上の考察によって、図5に示されるノイズの原因の1つは、測定対象物130の表面の微視的な反射率の不均一であると考えられる。反射率の不均一は、材質の不均一、金属表面の傷、および凹凸などによって生じる。測定用のレーザビームがスポットサイズを有しているために、レーザスポットサイズ内の微視的な反射率の不均一によって輝度むらが生じ、これによって測定誤差が生じ得る。
図6は、測定対象物の反射率が不均一な場合において、リニアイメージセンサ上の結像スポットの変化について説明するための図である。図7は、図6の測定対象物の表面を模式的に示す平面図である。図8は、図6および図7の場合において、リニアイメージセンサによって検出される輝度分布の一例を示す図である。
図6〜図8を参照して、三角測量方式で高さ方向の変位を正確に求めるためには、リニアイメージセンサ120上での結像スポット124内の輝度分布がガウス分布を示し、結像スポット124の中心が検出できることが重要である。測定対象物130の表面の微視的な反射率が一様でなく輝度むらが生じている場合には、この輝度むらによって輝度分布がガウス分布からずれるために測定誤差が生じることがある。
図6および図7に示すように、測定対象物130の表面130Aには、レーザスポット132のスポットサイズよりも小さくかつ周囲よりも反射率が高い領域があるとする。この高反射率領域のレーザビーム116に対する相対位置は、レーザビーム116が+X方向(走査方向)に走査されるつれて(すなわち、測定対象物が−X方向に移動するにつれて)、P1、P2、P3の順に変化するものとする。
高反射率領域がレーザビーム116に対してP1に位置する場合は、図8(A)に示すように、イメージセンサ120の結像スポットの中心134に対してデータの重心136がずれる。このため、測定対象物130は、実際よりも発光部110から離れた位置(低い位置)にあるように測定される。
高反射率領域がレーザビーム116に対してP2に位置する場合は、図8(B)に示すように、イメージセンサ120の結像スポットの中心134とデータの重心136が一致する。このため、測定対象物130は、実際と同じ位置にあるように測定される。
高反射率領域がレーザビーム116に対してP3に位置する場合は、図8(C)に示すように、イメージセンサ120の結像スポットの中心134に対して、データの重心136が図8(A)の場合とは反対方向にずれる。このため、測定対象物130は、実際よりも発光部110の近い位置(高い位置)にあるように測定される。
図9は、測定対象物の反射率の不均一性に起因した測定誤差の大きさについて説明するための図である。図9(A)および(B)では、図解を容易にするためにレーザスポット132のサイズを大きく記載している。図9(A)では、図8(A)の場合と同様に、測定対象物の表面が実際よりもε−だけ遠方に位置するように測定される場合を示している。図9(B)では、図8(C)の場合と同様に、測定対象物の表面が実際よりもε+だけ近くに位置するように測定される場合を示している。
反射率の不均一性に起因した測定誤差の大きさは、レーザスポット132のスポットサイズwと受光角度γとによって決まる。具体的に測定誤差の最大値(レーザスポット132の周辺部を中心として誤認識したときときの誤差)εmaxは、次式(2)で与えられる。
εmax=w/(2・tan(γ)) …(2)
図5の測定に用いたレーザ変位計では、スポットサイズw=50μm、受光角度γ=π/6である。この場合、測定誤差の最大値εmaxは次式(2A)で与えられ、図5の測定誤差と同程度の値になる。
εmax=25/tan(π/6)=43[μm] …(2A)
三角測量方式の光源としてレーザダイオードを使用した場合には、反射率の不均一の他に、反射光の干渉によって生じるスペックルも図5に示されるノイズの原因になっていると考えられる。
スペックルはレーザ光の干渉現象であるため、スペックルが原因の測定ノイズは表面の粗さと密接な関係がある。具体的に、レーザ光の波長をλとして光路長がλ/2ずれると干渉によりイメージセンサ120上で光は暗くなり、λのずれでイメージセンサ120上での光は明るくなる。測定対象物の表面の凹凸で換算するとλ/4の整数倍でイメージセンサ120上において輝度の変動が生じることになる。
図5の場合の測定対象であるゲージブロックでは、表面の凹凸は数十nm以下であり、レーザ光の波長λの10分の1程度である。その場合スペックルは、明確な明暗状態とはならずコントラストの低いむらが生じる。
レーザスペックルに関してこれまで種々の研究がされている。結像面における平均スペックル径は下式(3)で与えられることが知られている(たとえば、新井泰彦 他3名、「光学」第41巻2号、p96−104、2012年2月(非特許文献1)を参照)。
σ=1.22×(1+M)・λ・f/d …(3)
上式(3)において、σは結像面における平均スペックル径、Mは結像光学系の倍率、λはレーザ光の波長、fはレンズの焦点距離、dはレンズの開口径である。図5の測定で使用したレーザ変位計ではM=0.53、λ=655nm、d=10mm、f=33mmであるのでσ=4.0μmとなる。
リニアイメージセンサ120の各ピクセルの幅は12μmのため、上記で計算される平均的な大きさのスペックルの影響はリニアイメージセンサ120の各ピクセルで平均化されていると考えられる。しかしながら、特定の場所の不均一に起因して現れる平均値よりも大きな径のスペックルは、リニアイメージセンサ120の各ピクセル内では平均化されない。したがって、図6〜図9で説明した反射率が不均一の場合と同様のメカニズムによって、スペックルノイズが図5に示すノイズの原因となり得る。通常、スペックルノイズは予測不可能なため統計量として扱われる。しかしながら、微視的な範囲では、スペックルノイズは再現性良く確定的に現れるので、時間フィルタによる平均化では除去することができない。
[スパイク状のノイズについて]
以下、図5に示されているスパイク状のノイズについてさらに詳しく観察した結果について説明する。
図10は、レーザ変位計を用いてゲージブロック上の微小区間での高さ方向の変位を繰り返し測定した結果を示す図である。図10では、図5と同一のゲージブロックについて、0.1mmの測定範囲を1μmのサンプリング間隔で20回測定したときの、各測定点における測定データ(平均値と±3σの範囲、ただしσは標準偏差)が示されている。レーザビームのスポットサイズは50μmであるので、測定間隔(1μm)はスポットサイズよりも十分に小さい。
図10に示すように、図5でスパイク状のランダムなノイズに見えたものは、測定再現性が非常に良く、あたかも表面に微小な凹凸が存在するかのような測定結果が得られた。ゲージブロックの表面粗さは数十nmであり、実際の粗さの100倍近い凹凸が検出されていることになる。各測定点でのデータばらつきは3σ値で2.3μmである。この各測定点での誤差は、電気的なノイズ、空気の揺らぎ、サーボモータの振動等を要因とするノイズであり、時間平均化処理でキャンセルできる。
図11は、レーザ変位計を用いてゲージブロック上の0.4mmの範囲での高さ方向の変位を測定した結果を示す図である。図11の場合には、図5と同一のゲージブロックについて、0.4mmの測定範囲を1μmのサンプリング間隔で1回のみ測定したときの測定データ(表面形状データ)が示されている。
ここで、図11の測定では、図1の発光部110に対して受光部(リニアイメージセンサ120)が走査方向の前方に位置するように、レーザビーム116が走査されている点に特徴がある。すなわち、レーザビームの中心軸と集光レンズ118の光軸とを含む光路面(図1のXZ平面)に、レーザビームの走査方向を合わせている。
図11に示すように、細かな再現性の良いノイズとともに、領域RA,RB,RCに見られるような比較的大きな誤差が生じている。これらの領域RA,RB,RCに見られる誤差は特徴的な形状を有している。具体的に、測定点(レーザビームの走査位置)が左から右に移動するにつれて、レーザ変位計によって測定される高さ方向の変位は、最初のうちデータの平均レベルよりも低くなり、次に平均レベルよりも高くなって最後に元の平均レベルに戻るという変化を示す。
図11の領域RA,RB,RCに見られる測定データの変化の様子は、図6〜図8で説明したものと同じである。すなわち、レーザスポット内を高反射率の領域が右から左に移動するにつれて(レーザビームの走査方向とは逆方向になる点に注意)、レーザ変位計によって測定される高さ方向の変位は、前半では実際よりも低くなり、後半では実際よりも高くなる。
なお、上記の誤差変化の方向は、図1において発光部110に対して受光部(リニアイメージセンサ120)が走査方向の前方に位置する場合である点に注意する必要がある。発光部110に対して受光部(リニアイメージセンサ120)が走査方向の後方に位置する場合は、誤差変化の方向が逆になる。
図12は、図11の各測定点においてイメージセンサの受光量の最大値を示す図である。図12の縦軸は、受光量が最大のピクセルにおける輝度レベルを示している。図11において特徴的な形状の比較的大きな測定誤差が観測される領域RA,RB,RCでは、受光量が激しく変動していることが読み取れる。
図13は、図11および図12の領域RCにおいて、高さ方向の変位と最大受光量との関係を示す図である。
図13を参照して、測定点(レーザビームの走査位置)が移動するにつれて、イメージセンサ120で検出される最大受光量が徐々に大きくなるとともに、イメージセンサ120上での輝度分布の重心位置がずれる。この結果、レーザ変位計の検出値(高さ方向の変位)が大きくマイナス側に変動する(矢印A1の区間)。
イメージセンサ120の受光量が最大レベルに達すると、測定点(レーザビームの走査位置)の移動に伴って、イメージセンサ120上での輝度分布の重心位置が移動する。この結果、レーザ変位計の検出値(高さ方向の変位)がマイナスからプラスに変化する(矢印A2の区間)。
最終的に、イメージセンサ120の受光量が減少し、これに伴って、レーザ変位計の検出値(高さ方向の変位)が正しい値(平均値)に戻る(矢印A3の区間)。
上記の特徴的な現象は、既に説明したように、測定対象物の表面の微小領域(レーザスポットサイズよりも小さい領域)における反射むらで説明することができる。あるいは、この特徴的な現象は、スペックル径がレーザ光のスポットサイズに対して無視できないほど大きな場合として説明することができる。
平均的なスペックル径は、式(3)を用いて説明したように4.0μmと計算され、リニアイメージセンサ120のピクセル幅である12μmよりも小さく、スポットサイズの50μmの1/12程度の大きさである。したがって、ピクセル内で平均化されるため、平均的なスペックル径の影響による測定値の変動は小さく、空間フィルタによる平均化処理で取り除くことが可能である。
しかしながら、局所的に出現する大きな径のスペックルによって生じる誤差は非常に大きく、狭いエリアの平均化処理では容易に除去することができず、結果として、レーザ変位計の測定値に大きく影響する。ただし、そのような大きな径のスペックルが測定データに影響する範囲は図10からも分かるように、レーザスポットサイズの範囲以内に限定される。
図14は、直径50μmのスポットサイズのレーザビームで、1辺0.5mmの正方形状の領域の表面形状の測定した結果を示す図である。図15は、レーザスポットサイズを直径400μmに変更して図14と同じ領域の表面形状を測定した結果を示す図である。図14および図15において、Φは直径を表す。
図14および図15に示すように、レーザ光のスポットサイズを直径50μmから直径400μmに変更すると、レーザ変位計によって測定される表面の凹凸の最大値は、67μmから80μmに増加した。
レーザスポットサイズが大きくなると、平均的なサイズのスペックルによる誤差は平均化されるために、その影響は小さくなる。しかしながら、局所的に現れる大きなスペックルが影響を及ぼす範囲は、前述の式(2)によって示されるように、レーザスポットサイズが増大するにつれて増大する。したがって、スポットサイズが大きいほどレーザ変位計の測定誤差が増大すると考えられる。
[ノイズ除去方法について]
上述のとおり、レーザ変位計の測定誤差は、測定対象物の局所的な反射率の不均一および時折現れる大きな径のスペックルの影響によるものと考えられる。これらの要因による誤差には、次の特徴がある。
(a)レーザスポットサイズの大きさに応じて、反射率の不均一および大きな径のスペックルが影響する範囲が決まる。
(b)レーザビームに対して受光部(イメージセンサ)が走査方向の前方または後方に位置するようにレーザ変位計の向きを合わせることによって、図11の領域RA,RB,RCに見られるような特徴的な誤差パターンが出現する。具体的には、この特徴的な誤差パターンが現れる区間(特徴区間と称する)の前半において誤差がプラスまたはマイナスの一方に変化し、後半において前半と誤差は反対方向に変化する。さらに、特徴区間の中央値から等距離にある点では誤差の絶対値はほぼ等しい(すなわち、誤差パターンは中央値に対してほぼ点対称である)。
このような特徴的な誤差パターンが見られる区間(特徴区間)はレーザスポットサイズ以下である。したがって、サンプリング定理によれば、この誤差パターン(測定値の上下動)を捉えるためには、レーザ変位計のサンプリング間隔を、レーザスポットサイズの1/2以下にする必要がある。測定値の上下動の形状を正確に捉えるためには、レーザ変位計のサンプリング間隔はスポットサイズの1/10以下が望ましい。さらに望ましくは、レーザ変位計のサンプリング間隔をスポットサイズの1/20以下とする。
上記の特徴的な誤差パターンがレーザ変位計の測定誤差に対して支配的であるので、ソフトウェア処理によってこの誤差パターンを抽出して除去することができれば、レーザ変位計の測定誤差を効率的に低減することができる。以下、ノイズ除去の手順についてさらに具体的に説明する。
図16は、表面形状の測定および測定したデータの処理手順を示すフローチャートである。以下、図4および図16を主として参照して、図4の測定制御部156およびデータ処理部158の動作について説明する。
まず、測定制御部156は、図1の発光部110に対して受光部(リニアイメージセンサ120)がレーザビーム116の走査方向(+X方向または−X方向)の前方または後方に位置するようにレーザ変位計100の向きを合わせて、移動機構146によってレーザビーム116を走査する。さらに、測定制御部156は、レーザビーム116の走査中に、レーザ変位計100によって測定対象物130の表面の変位を連続的に測定する(ステップS100)。測定データは、メモリ154に表面形状データ166として格納される。表面形状データ166のサンプリング間隔は、レーザビームのスポットサイズの1/2以下にする必要があり、望ましくはスポットサイズの1/10以下、さらに望ましくは1/20以下にする。
データ処理部158は、測定制御部156による測定後に表面形状データ166に対してデータ処理を行う。図4に示すように、データ処理部158は、特徴区間抽出部160と、データ補正部162と、フィルタ処理部164とを含む。
まず、特徴区間抽出部160は、表面形状データの測定範囲から上記の特徴的な誤差パターンが観測される特徴区間を抽出する(ステップS105)。以下、図17、図18を参照して、特徴区間の抽出方法について説明する。
図17は、図16のステップS105において特徴区間を抽出する方法を説明するための図である。図17を参照して、図4の特徴区間抽出部160は、表面形状データの測定範囲からレーザビームのスポットサイズwに等しい区間I1の測定データMDを順次切り出す。そして、特徴区間抽出部160は、切り出した区間I1の前半I2における測定データMDの波形と、区間I1の後半I3における測定データMDの波形を区間I1の中央でのデータ点MPを中心に180度回転することによって得られる波形との相関係数を求める。特徴区間抽出部160は、求めた相関係数が予め定める基準値を超えている場合に、切り出した区間I1を特徴区間として特定する。
図18は、図16のステップS105において特徴区間を抽出する他の方法を説明するための図である。図18を参照して、図4の特徴区間抽出部160は、レーザビームのスポットサイズw以下の区間I4内で、測定データMDが平均値AVに対して予め定める範囲THを超えてプラスおよびマイナスの両方向に変化している部分を抽出する。そして、特徴区間抽出部160は、区間I4の前半I5の一部で測定データMDが測定データMDの平均値AVに対して予め定める範囲THを超えて一方向(プラス方向またはマイナス方向)に変化し、区間I4の後半I6の一部で前半I5と反対方向に測定データMDが平均値AVに対して予め定める範囲THを超えて変化している場合に、当該区間I4を特徴区間として特定する。
再び、図4および図16を参照して、データ補正部162は、抽出された1または複数の特徴区間の各々において、表面形状データ166の平均値に対する変化量が小さくなるように表面形状データ166を補正する(ステップS110)。たとえば、各特徴区間における誤差パターンの対称性を利用して表面形状データ166を補正する方法が考えられる。
図19は、図16のステップS110において表面形状データ166を補正する方法を説明するための図である。図19を参照して、実線のグラフは、特徴区間I7で測定されたデータMD(表面形状データ166)を表すものとする。一点鎖線のグラフは、特徴区間I7の前半I8と後半I9との境界線BRで後半の測定データMDを前半側に折り返し、前半のデータMDを後半側に折り返することによって得られた折り返しデータRDを表す。境界線BRに関して測定データMDと折り返しデータRDとは略対称であるので、各測定点ごとに測定データMDと折り返しデータRDとを平均することよって、特徴的なノイズが除去された補正データAD(図19の破線)を得ることができる。
具体的には、データ補正部162は、各特徴区間内の任意の第1の測定点おける測定値を、区間の中点を挟んで対称な位置にある第2の測定点における測定値と平均し、求めた平均値で第1および第2の測定点における測定値を置換することによって表面形状データを補正する。
その他の方法として、データ補正部162は、各特徴区間におけるデータを表面形状データ166の平均値で置き換えることによって、表面形状データ166を補正してもよい。
再び、図4および図16を参照して、フィルタ処理部164は、データ補正部162による補正後の表面形状データに対して、空間的なローパスフィルタ処理を行う(ステップS115)。この場合、特徴的な誤差パターンが現れる範囲はレーザスポットサイズ以下であるので、ノイズ除去のための空間ローパスフィルタのカットオフ波長は、測定時のレーザスポットサイズに合わせればよい。これによって、レーザビームのスポットサイズよりも長い周期の変動のみが残る。空間的なローパスフィルタ処理として、たとえば、移動平均区間の大きさをスポットサイズに等しく設定した移動平均処理を用いることができる。
以下、図11の測定データに対して図16のステップS105,S110,S115のデータ処理を施した結果について説明する。
図20は、図11の測定データに対して、図16のステップS110に示すデータ補正を行った結果を示す図である。ステップS110に示すデータ補正を行うことによって、データの変動幅(ノイズ成分)が3σ=0.026mmから3σ=0.012mmまで低減した。
図21は、図20のデータに対して、図16のステップS115に示すローパスフィルタ処理を行った結果を示す図である。具体的には、移動平均区間の大きさをスポットサイズに等しい50μmに設定して移動平均処理を行っている。移動平均処理を行うことによって、データの変動幅が3σ=0.012mmから3σ=0.004mmまで低減した。
図22は、図11の測定データに対して図16のステップS110に示すデータ補正を行わずに、ステップS115に示すローパスフィルタ処理を行った結果を示す図である。具体的には、移動平均区間の大きさをスポットサイズに等しい50μmに設定して移動平均処理を行っている。この場合は、データの変動幅は3σ=0.026mmから3σ=0.009mmまでしか低減しない。
図22の場合において、移動平均区間の大きさをレーザビームのスポットサイズよりも大きくすれば、さらに測定ノイズを低減することができるが、特徴的な誤差パターンに起因するノイズを完全に除去することはできない。さらには、移動平均区間の大きさを大きくし過ぎると、本来検出可能なレベルの凹凸の検出ができなくなるというディメリットも生じる。
[実施の形態1のまとめ]
上記のとおり、レーザビームを走査しながらレーザ変位計によって測定対象物の表面形状を測定する際には、スパイク状の大きな誤差が出現する。その誤差の特徴は下記のとおりである。
(a)レーザ変位計の誤差は、その繰り返し再現性が非常に良い。そのため、複数回の測定の平均(時間平均化処理)ではノイズ除去ができない。
(b)レーザビームに対して受光部(イメージセンサ)が走査方向の前方または後方に位置するようにレーザ変位計の向きを合わせることによって、点対称の形状を有する特徴的な誤差パターンが出現する。
(c)上記の特徴的な誤差パターンが現れる範囲は、レーザスポットサイズに応じて決まる。
上記の誤差は、レーザ光のスポットサイズに対して無視できないほど大きな径を有するスペックルノイズ、もしくは、測定対象物の表面の局所的な反射率の不均一で説明することができる。そして、上記の誤差の特徴的な誤差パターンを抽出して除去することによって、レーザ変位計の測定誤差を効率的に低減することができる。さらに、誤差が増大している部分ではイメージセンサの受光量変化が激しいので、イメージセンサの受光量の変動率を、測定信頼性の指標として用いることができ、特徴的な誤差パターンと測定対象物上の本来の凹凸との識別に利用することもできる。
<実施の形態2>
図23は、実施の形態2による表面形状測定装置の構成を概略的に示すブロック図である。図23のデータ処理部158Aは、データ補正部162およびフィルタ処理部164に代えて移動平均処理部163を含む点で図4のデータ処理部158と異なる。データ処理部158以外の点は、図23の表面形状測定装置140Aは図4の表面形状測定装置140と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図24は、実施の形態2による表面形状測定装置において、表面形状の測定および測定データの処理手順の一例を示すフローチャートである。図24のデータ処理手順では、図16のステップS110およびS115に代えてステップS120が実行される。ステップS100およびS105については図16の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
図24の例では、図23の移動平均処理部163は、表面形状データ166に対して、可変の移動平均区間で移動平均を行う(ステップS120)。移動平均区間の大きさは、光ビームのスポットサイズよりも大きい。移動平均処理部163は、図11の領域RA,RB,RCに見られるような特徴的な誤差パターンが観測される区間(特徴区間と称する)を含んで移動平均を行う際には、特徴区間を含まずに移動平均を行う場合よりも移動平均区間の大きさを大きく設定する。たとえば、特徴区間を含んで移動平均を行う際の移動平均区間の大きさは、スポットサイズの5倍以上に設定される。
図25は、実施の形態2による表面形状測定装置において、表面形状の測定および測定データの処理手順の他の例を示すフローチャートである。図24のデータ処理手順では、図16のステップS110およびS115に代えてステップS125が実行される。ステップS100およびS105については図16の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
図25の例では、図23の移動平均処理部163は、表面形状データ166に対して重み付き移動平均を行う(ステップS125)。重み付移動平均の移動平均区間の大きさは、光ビームのスポットサイズよりも大きく、たとえば、スポットサイズの5倍以上に設定される。移動平均処理部163は、図11の領域RA,RB,RCに見られるような特徴的な誤差パターンが観測される特徴区間内の測定点に対する重みを、特徴区間外の測定点に対する重みよりも小さく設定する。
以上のように、特徴区間内のデータの変動を特徴区間外のデータの変動よりも抑制することによって、レーザ変位計に含まれる誤差を効率的に除去することができる。
<実施の形態3>
実施の形態3は、実施の形態1または2の表面形状測定装置を備えた工作機械を開示する。以下では、工作機械が立形マシンニングセンタである場合について説明しているが、工作機械は、横形マシニングセンタまたは旋盤など、他の種類のものであっても構わない。
図26は、実施の形態3による工作機械の構成を模式的に示す斜視図である。図26を参照して、工作機械200は、加工装置10と、NC(Numerical Control)装置24と、ATC(自動工具交換装置:Automatic Tool Changer)28と、コンピュータ150とを含む。
加工装置10は、ベッド12と、ベッド12上に設置されたコラム14と、主軸22を有する主軸頭20と、テーブル18を有するサドル16とを含む。
主軸頭20は、コラム14の前面に支持されて、上下方向(Z軸方向)に移動可能である。主軸22の先端には、工具(図示せず)または測定ヘッド42が着脱可能に装着される。主軸22は、その中心軸線(図2のCL)がZ軸と平行で且つその中心軸線まわりに回転可能に、主軸頭20に支持されている。測定ヘッド42には、図4および図23に示すレーザ変位計100と、このレーザ変位計の制御回路および駆動用バッテリと、無線通信を行うための通信装置とが内蔵される。
サドル16は、ベッド12上に配置されて前後の水平方向(Y軸方向)に移動可能である。サドル16上にはテーブル18が配置されている。テーブル18は、左右の水平方向(X軸方向)に移動可能である。テーブル18上には工作物2が載置されている。サドル16は図4および図23のサドル142に対応し、テーブル18は図4および図23のテーブル144に対応する。工作物2は図4および図23の測定対象物130に対応する。
加工装置10は、測定ヘッド42と工作物2とを相対的にX軸、Y軸、Z軸の直交3軸方向に直線移動させる3軸制御を行うマシニングセンタである。なお、図1の構成と異なり、加工装置10は、測定ヘッド42を支持する主軸頭20を、工作物2に対してX軸、Y軸方向にそれぞれ移動させる構成であってもよい。
NC装置24は、上記の3軸制御を含めて加工装置10全体の動作を制御する。ATC(自動工具交換装置)28は、主軸22に対して工具と測定ヘッド42をそれぞれ自動的に交換する。ATC28は、NC装置24によって制御される。
図27は、図26の工作機械のうち表面形状測定装置に関する部分の機能的構成を示すブロック図である。図27には、加工装置10に備えられているZ軸送り機構34、Y軸送り機構32およびX軸送り機構30が示されている。
図26、図27を参照して、Z軸送り機構34は、コラム14に支持されている主軸頭20を駆動してZ軸方向に移動させる。Y軸送り機構32は、ベッド12上に配置されているサドル16を駆動してY軸方向に移動させる。X軸送り機構30は、サドル16上に載置されて工作物2を支持するテーブル18を駆動してX軸方向に移動させる。NC装置24は、Z軸送り機構34、Y軸送り機構32およびX軸送り機構30をそれぞれ制御する。X軸送り機構30、Y軸送り機構32、および、Z軸送り機構34は、図4および図23のX軸駆動機構146X、Y軸駆動機構146Y、およびZ軸駆動機構146Zにそれぞれ対応する。
コンピュータ150は、プロセッサ152、メモリ154、および測定ヘッド42との間で無線通信を行う通信装置168等を含む。プロセッサ152は、メモリ154に格納されたプログラムを実行することによって、図4および図23で説明した測定制御部156およびデータ処理部158,158Aとして機能する。
測定制御部156は、NC装置24と連携することによって、測定ヘッド42と工作物2との相対的位置関係を連続的に変化させ、これによってレーザビーム116が工作物2の表面に沿って走査する。測定制御部156は、レーザビーム116の走査中に、レーザビーム116の走査方向の複数の測定点における高さ方向(Z軸方向)の変位データを工作物2の表面形状データとして測定ヘッド42から取得する。具体的な手順は以下のとおりである。
まず、測定制御部156からの制御に基づいて、NC装置24は、X軸送り機構30およびY軸送り機構32のいずれか一方、もしくはX軸送り機構30、Y軸送り機構32、およびZ軸送り機構34のうちの少なくとも2軸を駆動することによって、測定ヘッド42と工作物2との相対的位置関係を連続的に変化させる。ここで、レーザ変位計の発光部に対して、レーザビーム116の走査方向の前方または後方にレーザ変位計の受光部が位置するように、レーザ変位計の向きが合わせられている。
NC装置24に内蔵されたPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ:Programmable Logic Controller)26は、上記の送り機構の駆動に同期して、所定周期でトリガ信号を通信装置168に出力する。通信装置168はトリガ信号を受信すると測定指令fを測定ヘッド42に送信し、測定ヘッド42は測定指令fに従って測定ヘッド42から工作物2までの距離D(すなわち、工作物2の表面の変位)を測定する。測定された距離DのデータFは、測定ヘッド42から通信装置168を介して測定制御部156に送信される。
PLC26は、さらに、上記の測定ヘッド42による距離測定のタイミングに合わせて、X軸送り機構30、Y軸送り機構32、およびZ軸送り機構34の位置情報を取得することによって、測定ヘッド42の位置のデータを検出する。PLC26は、検出した測定ヘッド42の位置のデータを測定制御部156に送信する。
測定制御部156は、PLC26から取得した測定ヘッド42の位置データと、測定ヘッド42から取得した距離DのデータFとに基づいて、レーザビーム116の走査方向に沿った各測定点における高さ方向(Z軸方向)の変位データを表面形状データ166として、メモリ154に格納する。
プロセッサ152は、さらに、上記の表面形状データ166に含まれるノイズを除去するためのデータ処理を行うデータ処理部158,158Aとして機能する。データ処理部158,158Aの動作は、実施の形態1および2で説明したとおりである。データ処理部158,158Aによって表面形状データ166に含まれる誤差を効率的に低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 工作物、10 加工装置、16,142 サドル、18,144 テーブル、24 NC装置、30 X軸送り機構、32 Y軸送り機構、34 Z軸送り機構、42 測定ヘッド、100 レーザ変位計、110 発光部、112 レーザダイオード、114 レンズ、116 レーザビーム、118 集光レンズ(光学系)、120 リニアイメージセンサ(受光部)、130 測定対象物、132 レーザスポット、140,140A 表面形状測定装置、146 移動機構、146X X軸駆動機構、146Y Y軸駆動機構、146Z Z軸駆動機構、150 コンピュータ、152 プロセッサ、154 メモリ、156 測定制御部、158,158A データ処理部、160 特徴区間抽出部、162 データ補正部、163 移動平均処理部、164 フィルタ処理部、166 表面形状データ、168 通信装置、200 工作機械。
好ましくは、表面形状測定装置は、光ビームのスポットサイズ以下の大きさの区間であって予め定める条件を満たす特徴区間を、表面形状表面形状データの測定範囲から抽出する特徴区間抽出部をさらに備える。この場合、予め定める条件は、特徴区間の前半の一部で表面形状データが表面形状データの測定範囲全体での平均値に対して予め定める範囲を超えて一方向に変化し、特徴区間の後半の一部で前半と反対方向に表面形状データが測定範囲全体での平均値に対して予め定める範囲を超えて変化するという条件を含む。
好ましい一実施の形態において、表面形状測定装置は、抽出された1または複数の特徴区間の各々において、表面形状データの測定範囲全体での平均値に対する表面形状データの変化量が小さくなるように表面形状データを補正するデータ補正部をさらに備える。
もしくは、データ補正部は、各特徴区間におけるデータを表面形状データの測定範囲全体での平均値で置き換えることによって、表面形状データを補正するのが好ましい。

Claims (10)

  1. 測定対象物に向けて光ビームを出射する発光部、前記測定対象物からの前記光ビームの散乱光を集光する光学系、および前記光学系による集光位置を検出する受光部を含み、前記受光部での集光位置に基づいて前記測定対象物の表面の変位を測定する変位計と、
    前記変位計と前記測定対象物とを相対的に移動させることによって、前記光ビームを走査する移動機構と、
    前記移動機構および前記変位計を制御する測定制御部とを備え、
    前記測定制御部は、
    前記発光部に対して前記受光部が前記光ビームの走査方向の前方または後方に位置するように、前記移動機構に前記光ビームを走査させ、
    前記光ビームの走査中に、前記変位計によって前記測定対象物の表面の変位を表面形状データとして連続的に測定するように構成される、表面形状測定装置。
  2. 前記光ビームのスポットサイズ以下の大きさの区間であって予め定める条件を満たす特徴区間を、前記表面形状データの測定範囲から抽出する特徴区間抽出部をさらに備え、
    前記予め定める条件は、前記特徴区間の前半の一部で前記表面形状データが前記表面形状データの平均値に対して予め定める範囲を超えて一方向に変化し、前記特徴区間の後半の一部で前記前半と反対方向に前記表面形状データが前記平均値に対して前記予め定める範囲を超えて変化するという条件を含む、請求項1に記載の表面形状測定装置。
  3. 前記光ビームのスポットサイズに等しい大きさの区間であって予め定める条件を満たす特徴区間を、前記表面形状データの測定範囲から抽出する特徴区間抽出部をさらに備え、
    前記予め定める条件は、前記特徴区間の前半における前記表面形状データの波形と、前記特徴区間の後半における前記表面形状データの波形を前記特徴区間の中央でのデータ点を中心に180度回転することによって得られる波形との相関係数が、予め定める基準値を超えるという条件を含む、請求項1に記載の表面形状測定装置。
  4. 抽出された1または複数の前記特徴区間の各々において、前記表面形状データの平均値に対する前記表面形状データの変化量が小さくなるように前記表面形状データを補正するデータ補正部をさらに備える、請求項2または3に記載の表面形状測定装置。
  5. 前記データ補正部は、各前記特徴区間の任意の第1の測定点における測定値を、区間の中点を挟んで対称な位置にある第2の測定点における測定値と平均し、求めた平均値で前記第1および第2の測定点における各測定値を置換することによって前記表面形状データを補正する、請求項4に記載の表面形状測定装置。
  6. 前記データ補正部は、各前記特徴区間におけるデータを前記表面形状データの平均値で置き換えることによって、前記表面形状データを補正する、請求項4に記載の表面形状測定装置。
  7. 前記データ補正部によって補正された前記表面形状データに対して、前記光ビームのスポットサイズよりも長い周期の変動のみを残すローパスフィルタ処理を行うフィルタ処理部をさらに備える、請求項4〜6のいずれか1項に記載の表面形状測定装置。
  8. 前記表面形状データに対して、可変の移動平均区間で移動平均を行う移動平均処理部をさらに備え、
    前記移動平均区間の大きさは前記光ビームのスポットサイズよりも大きく、
    前記特徴区間を含んで移動平均を行う際の移動平均区間の大きさは、前記特徴区間を含まずに移動平均を行う際の移動平均区間の大きさよりも大きい、請求項2または3に記載の表面形状測定装置。
  9. 前記表面形状データに対して、重み付き移動平均を行う移動平均処理部をさらに備え、
    前記重み付き移動平均の移動平均区間の大きさは前記光ビームのスポットサイズよりも大きく、
    前記特徴区間内の測定点に対する重みは、前記特徴区間外の測定点に対する重みよりも小さい、請求項2または3に記載の表面形状測定装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面形状測定装置を備える、工作機械。
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