JP2015134710A - 環状ハロシラン中性錯体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式[Y]l[SimZ2m-aHa]で表される環状ハロシラン中性錯体。[Yは(1)XRn:XがP、P=O又はNのときはn=3であり、Rは同一或いは異なって置換/無置換のアルキル基或いはアリール基;XがS、S=O又はOのときはn=2;Rは前記と同じ基;又は(2)環中に非共有電子対を有するN、O、S或いはPを含む置換/無置換の複素環化合物から選択される少なくとも1種の複素環化合物、から選択される少なくとも1種の配位化合物;Zは同一または異なって、Cl、Br、I又はF;lは1又は2;mは3〜8;aは0〜m]
【選択図】なし
Description
[Y]l[SimZ2m-aHa]
(上記式中、Yは、(1)XRn(XがP、P=O、Nのときはn=3であり、Rは同一または異なって置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表し、XがS,S=O,Oのときはn=2であり、Rは同一又は異なって前記と同じ基を意味する。但し、XRn中のアミノ基の数は0または1である。)として表される化合物、および(2)環中に非共有電子対を有するN、O、SまたはPを含む置換または無置換の複素環化合物からなる群より選択される少なくとも1種の複素環化合物(但し、複素環化合物が有する置換基としての第3級アミノ基の数は0または1である。)、からなる群より選択される少なくとも1種の配位化合物であり、Zは、同一または異なって、Cl、Br、I、Fのいずれかのハロゲン原子を表し、lは1または2、mは3〜8、aは0〜2m−1、好ましくは0〜mである。)。
Yは、(1)XRn(XがP、P=O、Nのときはn=3であり、Rは同一または異なって置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表し、XがS,S=O,Oのときはn=2であり、Rは同一又は異なって置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表す。但し、XRn中のアミノ基の数は0または1である。)として表される化合物、および(2)環中に非共有電子対を有するN、O、SまたはPを含む置換または無置換の複素環化合物からなる群より選択される少なくとも1種の複素環化合物(但し、複素環化合物が有する置換基としての第3級アミノ基の数は0または1である。)からなる群より選択される少なくとも1種の配位化合物である。Yは環状ハロシランにl(エル)個配位しており、lは1または2である。
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた300mL四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、配位化合物としてトリフェニルホスフィン5.81g(0.022mol)と、第3級アミンとしてジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)17.2g(0.133mol)と、溶媒として1,2−ジクロロエタン100mLとを入れた。続いて、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、25℃条件下において、滴下ロートから、ハロシラン化合物としてトリクロロシラン18.0g(0.133mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2時間攪拌し、続いて60℃で8時間加熱攪拌することにより反応を行い、均一な反応液を得た。得られた反応液を濃縮・洗浄して、中性のトリフェニルホスフィンが配位したドデカクロロシクロヘキサシラン([PPh3]2[Si6Cl12])を含有する反応生成物を白色固体として得た。収率は36%であった。
環化反応で得られた錯体は、溶媒に対して高い溶解度を示すことが明らかとなった。
29Si−NMR(600MHz、DMF−d7)の測定結果;
Si6Cl12:−22.73ppm
Si6HCl11:δ−18.89,−22.94,−24.05,−38.56ppm
滴下ロートおよび攪拌装置を備えた100mL二口フラスコに、実施例1で得られた白色固体2.44g(ドデカクロロシクロヘキサシラン含有反応生成物、2.18mmol)を入れ減圧乾燥させた。次いでフラスコ内をアルゴンガスで置換した後、溶媒としてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)30mLを加えた。続いて、フラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、−20℃条件下において滴下ロートから、還元剤として、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)のジエチルエーテル溶液(濃度:約1.0mol/L)10mLを徐々に滴下し、次いで−20℃で5時間攪拌することにより反応させた。
1H−NMR(400MHz;C6D6)δ3.35ppm、29Si−NMR(400MHz;C6D6)δ−106.9ppm
実施例1で得られた環状ハロシラン中性錯体の精製品を用いて、還元工程を行った。まず、窒素雰囲気下でフラスコに、LiAlH4を204mgとシクロペンチルメチルエーテル(CPME)10gを入れ、室温で1時間撹拌してLiAlH4のスラリーを調製した。アルゴン雰囲気下、別の100mLのフラスコに、実施例1で得られた精製品2.0gとCPME70gを入れ、−60℃で撹拌した。この中に、LiAlH4のスラリーを滴下ロートから10分かけて滴下した。滴下終了後、−60℃で6時間撹拌を行った。
1H−NMR(400MHz;C6D6)δ3.35ppm、29Si−NMR(400MHz;C6D6)δ−106.9ppm
配位化合物を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、環状ハロシラン中性錯体の合成を行った。トリフェニルホスフィンオキシド(Ph3P=O)では収率が20%、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン(P(MeOPh)3)では収率が42%、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)では収率が29%であった。
滴下ロートおよび攪拌装置を備えた500mLセパラブルフラスコに、実施例1で得られた白色固体32.9g(ドデカクロロシクロヘキサシラン含有反応生成物、29.8mmol)を入れ減圧乾燥させた。次いでフラスコ内をアルゴンガスで置換した後、溶媒としてジエチルエーテル235mLを加えた。続いて、フラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、−60℃条件下において滴下ロートから、還元剤として、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)のジエチルエーテル溶液(濃度:約1.0mol/L)90mLを徐々に滴下し、次いで−60℃で3時間攪拌することにより反応させた。反応中に副生したモノシランガスを、ドレーゲルセイフティー社製のシランガスセンサーイグザム7000でモニタリングした。反応中のモノシランの総排出量は、0.09mmolであった。反応後、反応液を窒素雰囲気下で加圧濾過し、生成した塩を取り除いた。濾液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、粗シクロヘキサシランの収率は70%であった。本反応では、錯体中のSi−Cl(29.8mmol×12=357.6mmol)に対するヒドリド(90mmol×4=360mmol)は、1.0当量であった。
Claims (4)
- 一般式[Y]l[SimZ2m-aHa]で表されることを特徴とする環状ハロシラン中性錯体。
(上記式中、Yは、(1)XRn(XがP、P=O、Nのときはn=3であり、Rは同一または異なって置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表し、XがS、S=O、Oのときはn=2であり、Rは同一又は異なって前記と同じ基を意味する。但し、XRn中のアミノ基の数は0または1である。)として表される化合物、および(2)環中に非共有電子対を有するN、O、SまたはPを含む置換または無置換の複素環化合物からなる群より選択される少なくとも1種の複素環化合物(但し、複素環化合物が有する第3級アミノ基の数は0または1である。)、からなる群より選択される少なくとも1種の配位化合物であり、Zは、同一または異なって、Cl、Br、I、Fのいずれかのハロゲン原子を表し、lは1または2、mは3〜8、aは0〜mである。) - 上記一般式中のYが、PR3および環中に非共有電子対を有するNを含む置換または無置換の複素環化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の環状ハロシラン中性錯体。
- 上記環状ハロシラン中性錯体が[Y]l[Si6Cl12](lは1または2である)を含む請求項1または2に記載の環状ハロシラン中性錯体。
- 環状水素化シランまたは環状有機シランの合成のための中間体として用いられるものである請求項1〜3のいずれかに記載の環状ハロシラン中性錯体。
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