JP2015134501A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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心 現田
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琢 横澤
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Hiroaki Shirakawa
宏昭 白川
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Mitsutoshi Nagamura
充俊 長村
悠平 及川
Yuhei Oikawa
悠平 及川
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洋典 石井
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Abstract

【課題】 本発明は記録中のヘッド蓄熱状態(ヘッド内部温度)を反映して、適切に記録走査間の目標温度を設定することができ、スループットの低下を抑えながら良好な画像記録を行うことができるインクジェット記録装置を提供する
【解決手段】 インクジェット記録装置において、先行する走査の後の第1のタイミングで第1の前記情報を取得し、前記第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングで第2の前記情報を取得し、前記決定手段は前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて目標温度を決定する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、インクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを紙等の記録媒体に対して走査する動作と、記録ヘッドを走査する方向とは交差する方向に記録媒体を搬送する搬送動作とを繰り返して画像を形成する。記録ヘッドはインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するための記録素子とインクを吐出する吐出口が設けられた記録素子基板を備え、記録素子基板はアルミナ、樹脂等の支持部材に固定されている。インクは、吐出口に対応するように設けられた記録素子が発生する熱エネルギーにより膜沸騰を起こし、この際に生じる気泡の圧力により吐出口から吐出され、記録媒体に着弾する。
画像データに従った電圧パルスを記録素子に対して印加しても、個々の記録素子から正常なインク滴の吐出が行われないことを一般に不吐出と称す。インクジェット記録ヘッドにおいては、過度の蓄熱状態になると、このような不吐出の発生によって画像品位に影響がでるおそれがある。また記録ヘッド内のインクの粘度や表面張力が変化するためインクの吐出特性も大きく変化する。
特開2002−240252号公報には、記録開始前の非駆動期間において、環境温度と記録ヘッドの温度から所定の温度、記録ヘッドの温度が高くなるように加温手段によって加温することでインクの増粘を防止することが開示されている。
特開2002−240252号公報
しかしながら、上述のような検出された記録ヘッドの温度に応じて、次の記録走査を実行する前に待機時間を設ける場合には、以下のような課題がある。
記録ヘッドの温度を検出する温度センサが、記録素子基板上の記録素子の近傍に設置されていると、記録に伴う記録素子基板の温度をある程度正確に検出することができる。ところが記録に伴う温度変化を敏感に検出可能である反面、記録動作中の記録ヘッドの蓄熱状態を正確に検出することはできないと考えられる。たとえば、高デューディ画像を記録する場合の記録開始から第1走査目の温度と、低デューティ画像を記録する場合の記録開始から第100走査目の温度とが、ともに80℃であることを検出したとする。ここで、図1は記録ヘッドの蓄熱状態の違いを示すグラフであり、先述の2つの状態の記録素子基板の厚さ方向の温度を示している。記録素子基板の表面から数百μm程度の深さまでの温度は同じであっても、それより深い数mmの領域にある記録素子基板を固定するための部材が蓄熱した量は第1走査目と第100走査目で大きく違う。このとき低デューティ画像記録の第100走査目の場合の記録ヘッドの方がより蓄熱しているにも関わらず、記録素子基板の温度センサではその蓄熱状態の差は検出できていない。この時、例えばインクの吐出が頻繁に行われない低密度の画像を形成する場合など、蓄熱状態の差異によって、記録ヘッド温度の放熱の度合いに違いが生じる。図2は、記録素子の非駆動期間において、吐出安定のための閾値以上に加熱した後、次の走査時に低密度の画像を記録したときの走査に伴う記録ヘッドの温度低下の度合いを示している。横軸が走査時の経過時間、縦軸が記録ヘッドの温度、図中の水平の点線が吐出安定のための温度の閾値を示している。
ここで、記録ヘッドが十分に蓄熱された状態においては、蓄熱されていない状態と比較して、記録ヘッドの走査に伴う放熱の仕方が緩やかであり、記録ヘッドの温度下降量が少ない。また、十分に蓄熱した状態においては、蓄熱していない状態と比較して、走査時終了時において吐出安定のための閾値に対して、記録ヘッド温度は十分に高い状態にある。よって、十分に蓄熱した状態においては、非駆動期間における加熱温度は蓄熱していない状態と比べて、ある程度低くても良いことになる。
しかしながら、記録ヘッドの蓄熱状態を考慮せずに、記録ヘッド温度として検出された、記録素子基板の温度を強く反映した情報のみに応じて記録走査間の加熱の目標温度を設定すると、非駆動期間において目標温度に達するまでに余分な加熱時間を要する。これにより、記録スループットが低下するという懸念がある。
そこで、本発明は、ヘッドの蓄熱状態を反映した温度情報を取得し、それに応じて記録走査間におけるヘッドの温調の目標温度を設定することで、高い記録スループットを向上できるインクジェット記録装置および記録方法を提供することを目的とする。
本発明は、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を備えた記録素子基板を備えた記録ヘッドを記録媒体に対して所定の方向に走査させながら、前記素子を駆動してインクを吐出し、複数回の前記走査によって前記記録媒体に画像の記録を行い、前記記録素子基板に設けられた前記記録素子基板の温度を検出するためのセンサを利用して前記記録素子基板の温度に対応する情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記情報に応じて先行する走査と次の走査との間に前記記録素子基板が所定の目標温度となるように前記記録素子基板を温調する温度制御手段と、前記目標温度を決定する決定手段と、を有するインクジェット記録装置であって、前記取得手段は、前記先行する走査の後であって前記次の走査までの第1のタイミングで第1の前記情報を取得し、前記第1のタイミングから所定時間が経過した後であり、かつ、前記次の走査までの第2のタイミングで第2の前記情報を取得し、前記決定手段は前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて前記目標温度を決定することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、記録中のヘッドの蓄熱状態を反映した温度情報に基づいて適切に記録走査間におけるヘッドの温調の目標温度を設定することができる。これにより、記録スループットを向上できるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することが可能となる。
記録ヘッドの蓄熱状態の違いを説明する図である。 記録ヘッドの蓄熱状態の違いによる走査時の放熱速度の度合いを説明する図である。 本発明に係るインクジェット記録装置及び記録ヘッドの模式図である。 本発明に係る記録素子基板の平面模式図及び記録素子基板の断面模式図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の制御系を示したブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の加熱制御に用いられるパルスの長さ、電圧、周期を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の加熱制御が行われる際のフローを説明したフローチャートである。 本実施形態の制御のフローチャート図である。 ある記録条件での時間に対するヘッド温度の推移であり、本実施形態の制御を説明する図である。 従来の記録ヘッドの加熱制御のテーブルである。 本実施形態の制御を説明する図である。
インクジェット記録装置はインクを吐出して記録媒体に対して記録動作を行うために用いることができる。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や、工業用生産機器などを挙げることができる。このようなインクジェット記録装置を用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。
本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。さらに「インク」とは広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
(インクジェット記録装置)
図3(a)は、本実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の内部機構を説明するための概略斜視図である。記録媒体4は、搬送モータ(図示せず)の駆動によって矢印F方向(副走査方向)に搬送される(搬送動作)。そして記録媒体4の搬送方向F(副走査方向)と直交する方向に沿って、記録媒体4の紙面に沿うようにガイドシャフト3が平行に配置されている。そして記録ヘッド5を搭載したキャリッジ1(走査手段)が、ガイドシャフト3に支持されながら、キャリッジモータ(図示せず)の駆動によって図中矢印S方向(主走査方向)に往復移動(往復走査)する。さらにインクジェット記録装置には、不図示のインクタンクが設けられており、このインクがインク供給路2を介して記録ヘッド5に供給される。
キャリッジ1が往復走査を行っているときに記録ヘッド5が、記録データに応じてインクの吐出を行うことで、記録媒体への記録が行われる(記録動作)。そして、このような記録動作と搬送動作とを繰り返し行うことにより、記録媒体への画像形成が行われる。また本実施形態では、記録ヘッド5が往路に沿って移動する場合と、復路に沿って移動する場合のいずれにおいてもインクを吐出して記録媒体に記録を行う、いわゆる双方向記録方式を採る。記録ヘッド5による1回の記録を伴った走査が行われると、記録媒体4は搬送モータ(図示せず)によって所定量搬送される。これを繰り返し、記録媒体に対する複数回の記録ヘッドの走査によって記録が行われる。
(記録ヘッド)
図3(b)は図3(a)に示したインクジェット記録装置のキャリッジ1に搭載された記録ヘッド5の概略斜視図である。図3(c)は記録ヘッドの記録媒体4に対向する面である吐出口の形成面の概略図である。記録素子基板6の表面には複数の吐出口30(簡略のため1つの線分で表記)が列を成すように設けられている。記録素子基板6はアルミナ、樹脂等の支持部材38に接着材により固定されている。また支持部材38上の記録素子基板6の周囲には電気配線部材600が設けられている。各記録素子基板6は電気配線部材600と電気的に接続され、電気配線部材600を介してプリントヘッドとの信号を用いた通信を行う。
図4(a)は記録ヘッドに搭載される記録素子基板6の上面模式図である。
記録ヘッド5には、6種類のインクを用いて記録動作を行うために、6枚の記録素子基板6が実装されている。各記録素子基板6は、図4(a)に示すように、複数の吐出口30を副走査方向に沿って配列してなる吐出口列が4列設けられている。具体的には、600dpi(ドット/インチ)で配置された640個の吐出口列が4列設けられており、隣接する2列は1200dpiずれた方向で配置されている。そして、各記録ヘッド基板上には、記録素子基板6の温度を測定するための温度検知センサ20が複数設けられている。温度検知センサ20は例えば半導体で形成されており、その電気抵抗を温度と対応する情報として記録装置側で取得する。そしてセンサによって得られる温度情報と対応する温度に応じて、後述する温調制御が行われる。そして以下、この温度検知センサ20で測定された各記録素子基板6の温度を基板温度とも称する。
図4(b)は、図4(a)の記録素子基板6を、A−A’に沿って垂直に切断した場合の切断面の状態を模式的に示す断面図である。図4(c)は、図4(b)のエネルギー発生素子34の部分を拡大した図である。
図4(b)に示すように、基体31には、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する各エネルギー発生素子それぞれに対応する吐出口30を形成する流路部材35が接するように設けられている。エネルギー発生素子としては熱エネルギーを発生させるエネルギー発生素子やピエゾ素子が利用可能である。さらに、流路部材35と基体31とが接することにより、流路部材35と基体31との間には、各吐出口30に連通する流路36が形成され、隣接する流路36の間には仕切り壁37が形成されている。また温度検知センサ20は基体31の表面に設けられている。
トランジスタ等の駆動素子が設けられたシリコンからなる基板400上に、蓄熱層401と、発熱材料層402と、一対の電極層403が積層されている。蓄熱層401は、シリコンを主成分とする絶縁材料で設けることができ、発熱材料層402はTaSiN等の通電することで発熱する材料で設けることができ、一対の電極層403は、通電するための電極となるアルミニウム等で設けることができる。この一対の電極層403の間に位置する発熱材料層402の部分がエネルギー発生素子34として用いられる。
そして発熱材料層402と一対の電極層403との上には、シリコンを主成分とする絶縁材料からなる絶縁層404が積層されておりインク等からエネルギー発生素子34を保護している。さらにエネルギー発生素子34に対応する絶縁層404の上には、気泡が消泡する際に生じるキャビテーションからエネルギー発生素子34を保護するために、Ta等の金属材料からなる保護層405が設けられている。
インクジェット記録装置のインク供給路2からジョイント部7(図3(b))を通って記録ヘッド5に供給されたインクは、記録ヘッド5の内部を通って記録素子基板6のインク供給口32に運ばれる。そして流路36を通ってエネルギー発生素子34上側にまで運ばれる。
さらに、インクジェット記録装置から受信する記録信号によって、記録ヘッドのエネルギー発生素子34を駆動することにより、エネルギー発生素子34に駆動パルスが印加されることで通電されて発熱する。そして、この熱エネルギーによりエネルギー発生素子34上のインクが膜沸騰を起こして発泡し、この時に生じる気泡の圧力により吐出口からインクが吐出されて記録動作が行われる。
(制御構成)
図5は、インクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置の制御系24には、CPU200、ROM201、RAM202、ゲートアレイ203が設けられている。ROM201は、CPU200が実行するプログラムを格納する記憶手段として用いられ、吐出制御を行うための駆動パルステーブルを記憶するために用いることができる。RAM202は各種データ(画像データや記録ヘッドに供給される記録信号など)を一時的に保存するために用いることができる記憶手段である。ゲートアレイ203は、記録ヘッド5に記録信号の供給を行うために用いられ、インターフェース23、CPU200、RAM202間のデータ転送にも用いられる。
また、ホストコンピュータなどの外部装置22との間の通信インターフェース動作を行うインターフェース23を備え、CPU200とROM201、RAM202あるいはインターフェース23とは、バスにより相互に接続されている。
さらに、ヘッドドライバ25と、記録ヘッド5と、記録ヘッド用電源回路として機能する電源回路29と、を備えている。ヘッドドライバは、CPU200の制御下で制御信号を出力するものであり、電源回路29からヘッド電圧VHの供給を受けている記録ヘッド5の駆動制御を行っている。この場合において、電源回路29には、外部電源からの外部電圧Vが供給されている。ヘッドドライバはCPU200の制御下で、電源制御信号PCを電源回路29に入力することで、記録ヘッド5のヘッド電圧VHを駆動電力として供給する際の制御(供給/遮断制御)を行っている。
モータドライバ26は、制御系24から出力された信号に応じて記録ヘッド5を主走査方向の所定の記録位置に移動させるためにキャリッジモータ8を駆動するために用いられる。同様に、制御系24から出力された記録信号に応じて、記録ヘッドドライバ25は記録ヘッド5を駆動する。また、モータドライバ26は制御系24から出力された信号に応じて搬送モータ9を駆動し、記録媒体の搬送動作を行う。
また、記録ヘッド5には、記録ヘッドの温度を検出するための温度検知センサ20、および、吐出量やエネルギー発生素子、配線の抵抗などの工場検査時に取得される特性を記憶するためのEEPROM21が備えられている。
さらに、装置本体には、記録装置の設置された環境温度を検出するサーミスタ28が設置されている。サーミスタ28から得られる値と、温度検知センサ20から得られる情報に対応する温度に応じて、インクが吐出しない程度の発熱をエネルギー発生素子34から行うように加熱制御することによって温度制御がなされる。
ここで、制御系24のゲートアレイ203とCPU200は、インターフェース23を介して外部装置22から受信した画像データを記録データに変換してRAM202に格納する。さらに、制御系24は、モータドライバ26、27、および記録ヘッドドライバ25を同期させて駆動することで、記録ヘッド5の記録動作、記録媒体の搬送動作、記録ヘッド5の主走査方向への往復移動を行い、記録媒体上に画像を形成する。
(記録ヘッドの加熱制御)
次に、本発明のインクジェット記録装置において行われる記録ヘッドの加熱制御について述べる。記録ヘッドの加熱制御時には、加熱制御信号に従って記録ヘッドドライバ25がインク内で気泡が生じない程度にエネルギー発生素子34を駆動させることで、エネルギー発生素子34を発熱させて加熱制御を行う。エネルギー発生素子は200Ωの抵抗体であり、図6に示したように、本実施形態の加熱制御では、電圧24V、パルス幅0.1μsecの矩形パルスを10kHzの周波数でエネルギー発生素子に印加する。加熱制御は記録動作を伴う各スキャンの開始前に行われる。
図7に加熱制御のシーケンスを示す。加熱制御S501が開始されると、記録素子基板に設けられた温度検知センサ20で温度をモニタしながら、温度センサの温度が目標温度に到達するまでエネルギー発生素子を駆動して、記録素子基板の加熱を行う。本実施形態においては、目標温度は43℃として説明をおこなう。S502〜508は加熱制御S501のサブステップである。まず、S503にて、S502で検出した温度が目標温度に達していない場合、S504から加熱制御を開始する。本実施形態のインクジェット記録装置では、加熱制御を行う際に、図4の吐出口30と一対一に対応して1280個配列されたそれぞれのエネルギー発生素子について、全てを駆動するわけではない。本実施形態のインクジェット記録装置の記録ヘッドに配列されたエネルギー発生素子は、吐出口配列方向に16のブロック(エネルギー発生素子80個ごと)に分けられ、ブロックごとにON/OFFできる構成になっている。加熱制御時に駆動されるエネルギー発生素子ブロックは、記録素子基板の温度が吐出口配列方向にできるだけ均一となるように選択する。そしてS505にて再度温度検出を行い、検出温度が目標温度以上か否かを判定する(S506)。検出温度が目標温度以上の場合には、S507に移行し、エネルギー発生素子の駆動をOFFにし、加熱制御による温調を終了する(S508)。
本実施形態では、図8に示すフローチャートを用いて、記録中の記録走査間の記録ヘッドのヘッド内部温度を算出し、そのヘッド内部温度に応じて設定される目標温度に応じた記録ヘッドの加熱動作を実行する制御を説明する。
なお、ここで述べるヘッド内部温度とは、図4(b)に示すとおり、記録素子基板を固定している支持部材38内における温度と対応する。支持部材38に接している流路39内のインク温度と支持部材38の温度は、ほぼ等しくなっている。以降の説明では単にヘッド温度と呼ぶ場合はヘッド内部温度のことを指す。
はじめに記録ヘッドの蓄熱状態を示すヘッド温度情報としてヘッド内部温度の算出方法を説明する。
図9はある1回の記録走査間に注目した時の温度変化である。まず、先行する記録走査終了以降の基板温度である第1温度(T1)を取得する(S12)。本実施形態の基板温度取得間隔は50msである。次に第1温度取得から所定時間t秒経過後の基板温度である第2温度(T2)を取得する(S13)。ここではt=0.1秒とする。基板温度取得間隔と所定時間tは、先述の設定に限定するものではなく、実際のシステムにあわせて設定可能である。また基板温度の取得間隔は、所定時間t以下に設定する必要がある。また第1温度と第2温度の取得は、記録走査方向の反転に要する非駆動期間内に収めることが必要となる。次に取得された第1温度と第2温度から、そのときのヘッド内部温度(T3)を算出する(S14)。
ヘッド内部温度(T3)は
T3=T2/(1−exp(A*t))−T1*exp(A*t)/(1−exp(A*t))・・・・・式(1)
T3:ヘッド内部温度
T1:第1温度
T2:第2温度
exp(A*t):0.633(記録ヘッドの熱自定数)
A:熱の拡散係数(熱伝導率)
t:時間
で、算出することができる。この関係式は記録素子基板の熱が、記録素子基板を固定している支持部材38に移動することで温度が変化する現象を表したものである。第1温度と第2温度からそのときの支持部材の温度状態、すなわちヘッド内部温度を算出することができる。本実施形態では記録素子基板で発生した熱の大部分が記録素子基板を固定した支持部材へと移動するため、大気やその他のヘッド部材への熱の移動は無視しているが、上記の関係式に対し大気への放熱などを考慮した項を追加しても良い。
本実施形態の記録ヘッドの熱自定数exp(A*t)は0.633である。これはヘッド部材の材質や体積、構造によって変わる定数である。熱時定数を求めるには図9に示すように吐出による昇温後に検出センサ温度の下降曲線を測定し、同時に支持部材温度もセンサで実測することで式(1)から求めることができる。ここで、Aは熱の拡散係数を表しており、本実施形態では、基板のシリコンとアルミナの支持部材38を足し合わせた時の拡散係数を表している。また、tはT2を図った時間とT1を図った時間との差分を表している。
図9に示す記録走査間の非駆動期間の場合、第1温度T1は34.2℃、第2温度T2は32.7℃であり、上記の関係式よりヘッド内部温度T3は30.1℃と算出される。記録素子が非駆動状態の場合、ヘッド内部温度は、記録素子基板の熱が支持部材に完全に拡散した時点の記録素子基板の温度とほぼ等しくなるが、記録素子基板の温度が支持部材に完全に拡散するには十数秒から数十秒程度の非駆動期間を有する。
本実施形態のヘッド内部温度の検出方法では、記録動作中に記録素子の非駆動期間があれば比較的高速でその時点のヘッド内部温度を算出することが可能である。そのため、シリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタのように、所定の間隔で記録走査間の反転動作時の様な記録素子の非駆動期間が設けられている場合に、記録中に定期的に記録ヘッドの蓄熱状態を反映するヘッド内部温度を取得することが可能である。ただし、シリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに限定されるものではない。たとえば用紙幅以上のサイズの記録ヘッド(ラインヘッド)を有するフルラインタイプのインクジェットプリンタにおいても、記録動作中に記録素子の非駆動期間さえあれば、本実施形態を適用することが可能である。
また、第2温度の取得タイミング(第1温度取得から所定時間(t秒)経過時)は実際のシステムにあわせて適宜設定することが可能である。そのため、これまでの記録動作に対して記録速度が低下するなどの影響を与えることなくヘッド内部温度を取得することができる。以上の要領で、記録走査毎にヘッド内部温度を算出することで記録中のヘッドの蓄熱状態の変化を検出することが可能となる。
また、本実施形態では、さらに記録装置本体の環境温度を測定する手段を有する。この環境温度測定手段により、記録装置本体の環境温度を測定する(S15)ことで環境温度に関する情報を取得する。なお、環境温度は記録ヘッド温度の発熱による影響は受けないとする。次に、算出された記録装置本体の環境温度と、記録走査毎のヘッド内部温度に基づいて、次の記録走査を実行する前に記録ヘッドの目標温度を決定する(S16)。
図10(a)は、従来の記録ヘッドの加熱制御のテーブルを示す。この従来例では、記録装置本体の環境温度のみに応じて一律に非駆動期間における記録ヘッドの加熱時間が設定されており、記録装置本体の環境温度が低温環境であるほど、記録ヘッドの目標温度を段階的に上げるように設定されている。
図10(b)は、本実施形態での検出された環境温度と、ヘッド内部温度に対する、次の走査を実行する前に設定する記録ヘッドの目標温度のテーブルを示す。このテーブルはヘッド内部温度が高いほど目標温度を低く設定している。また、インク種類によって不具合発生の程度が異なる場合があるため、インク種類ごとにこのテーブルを備えていてもよい。
図9に示す記録走査間の非駆動期間の場合、ヘッド内部温度は30.1℃と算出されるので、環境温度が5℃以上10℃未満とのき、目標温度は43℃と設定される。(S16)。そして次の記録走査の開始前に、設定された目標温度に従って図7を参照して説明した加熱制御S501を実行する。
なお、図10(b)に示す通り、従来の加熱制御テーブルでは、同環境における記録ヘッドの目標温度は50℃であり、本実施形態により、7℃分、加熱時間を低くできる。これにより、上記温度分、温度上昇のための加熱時間を短縮可能となる。
S501での、設定された目標温度に応じた加熱動作による温調を実行後、次の記録走査を開始する(S17)。記録中の記録走査間の記録ヘッドのヘッド内部温度を算出し、そのヘッド内部温度に応じて設定される記録ヘッドの加熱動作を実行する制御を説明した。
図11は、非駆動期間において、吐出安定のための閾値以上に加熱した後、次の走査時に低密度の画像を印刷したときの走査に伴う記録ヘッドの温度低下の度合いを示している。横軸が走査時の経過時間、縦軸が記録ヘッドの温度、図中の水平の点線が吐出安定のための閾値となる温度を示している。蓄熱時には走査中の温度低下が小さいので、走査開始の温度を非蓄熱時よりも低く設定しても走査終了まで吐出安定の閾値温度以上を維持できる。
本制御を適用することにより、例えば、低温環境においても、内部温度が高い場合など、記録ヘッドの内部温度に応じて加熱に伴う時間を設定することが可能となる。例えば図10(b)に示すようにヘッド内部温度が35℃以上40℃未満である場合のような十分に蓄熱された状態においては、ヘッド内部温度がそれより低く蓄熱していない状態よりも記録ヘッドの目標温度を低くすることができる。これにより、インクの増粘現象や、インク固着を防ぎ、安定してインクを吐出することで、記録画像の品位を安定させつつ、従来よりも目標温度を低くした分の加熱時間を短縮できる。以上により吐出安定のための記録ヘッド温度を各走査終了時においても保証でき、かつスループットの向上が実現できることになる。
4 記録媒体
5 記録ヘッド
6 記録素子基板
20 基板温度検出手段
34 エネルギー発生素子

Claims (9)

  1. インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を備えた記録素子基板を備えた記録ヘッドを記録媒体に対して所定の方向に走査させながら、前記素子を駆動してインクを吐出し、複数回の前記走査によって前記記録媒体に画像の記録を行い、前記記録素子基板に設けられた前記記録素子基板の温度を検出するためのセンサを利用して前記記録素子基板の温度に対応する情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記情報に応じて先行する走査と次の走査との間に前記記録素子基板が所定の目標温度となるように前記記録素子基板を温調する温度制御手段と、前記目標温度を決定する決定手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
    前記取得手段は、前記先行する走査の後であって前記次の走査までの第1のタイミングで第1の前記情報を取得し、前記第1のタイミングから所定時間が経過した後であり、かつ、前記次の走査までの第2のタイミングで第2の前記情報を取得し、
    前記決定手段は前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて前記目標温度を決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記決定手段は、前記取得手段が取得した前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの前記記録素子基板の温度変化の程度に関わる情報を取得し、前記温度の変化に関わる情報と対応する温度変化の程度に応じて前記目標温度を決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドは、前記記録素子基板を支持するための支持部材を有し、前記記録素子基板は前記支持部材に固定されており、前記決定手段は前記取得手段が取得した前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて、前記記録ヘッドの温度と対応するヘッド温度情報を算出し、算出された前記ヘッド温度情報と対応する温度に応じて前記目標温度を決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記支持部材はアルミナによって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記決定手段は、前記ヘッド温度情報に対応する温度と前記第1の情報に対応する温度に応じて前記目標温度を決定することを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記エネルギーは熱エネルギーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を備えた記録素子基板を備えた記録ヘッドを記録媒体に対して所定の方向に走査させながら、前記素子を駆動してインクを吐出し、複数回の前記走査によって前記記録媒体に画像の記録を行い、前記記録素子基板に設けられた前記記録素子基板の温度を検出するためのセンサを利用して前記記録素子基板の温度に対応する情報を取得する取得工程と、前記取得工程において取得された前記情報に応じて先行する走査と次の走査との間に前記記録素子基板が所定の目標温度となるように前記記録素子基板を温調する温度制御工程と、前記目標温度を決定する決定工程と、を有するインクジェット記録方法であって、
    前記取得工程において、前記先行する走査の後であって前記次の走査までの第1のタイミングで第1の前記情報を取得し、前記第1のタイミングから所定時間が経過した後であり、かつ、前記次の走査までの第2のタイミングで第2の前記情報を取得し、
    前記決定工程において、前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて前記目標温度を決定することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 前記記録ヘッドは、前記記録素子基板を支持するための支持部材を有し、前記記録素子基板は前記支持部材に固定されており、前記決定工程において前記取得工程において取得した前記第1の情報と前記第2の情報とに基づいて、前記記録ヘッドの温度と対応するヘッド温度情報を算出し、算出された前記ヘッド温度情報と対応する温度に応じて前記目標温度を決定することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記決定工程において、前記ヘッド温度情報と対応する温度と前記第1の情報に対応する温度に応じて前記目標温度を決定することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録方法。
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