JP2015133588A - 樹脂製ホルダ及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

Abstract

【課題】板金をインサート成形した樹脂成形品と同等の薄い樹脂製ホルダを、機能を低下させることなく、安価に製造する。【解決手段】樹脂製本体９ａよりも強度の高い材料よりなる仕切シート２０で、表示プレートを収容する第１収容空間と、ＳＩＭソケットを収容する第２収容空間とを仕切面で区切る。樹脂製本体９ａに仕切シート２０における一端２０ａの第２収容空間側の面が当接する第１当接面２１と、仕切シート２０における他端２０ｂの第１収容空間側の面が当接する第２当接面２２とを設ける。仕切シート２０を一端２０ａ側が第１当接面２１側を中心に回動されて他端２０ｂ側が第２当接面２２に貼り付けられるように設ける。【選択図】図１

Description

本発明は、複数の電子部品を収容する樹脂製本体を有する樹脂製ホルダ及びそれを備えた電子機器に関するものである。

従来より、この種の電子機器において空間を区切って有効利用するものとして、例えば、特許文献１のように、基板と、この基板との間にメモリーカードが着脱可能な隙間を空けて基板に実装されるメモリーカードコネクタと、基板に取り付けられることによって基板との間でメモリーカードコネクタを囲むメモリーカードホルダ用ハウジングとを備えるものが知られている。

このメモリーカードホルダ用ハウジングは、天井壁と背面壁と両側面壁とを有して前面及び底面が開口したカバー部材と、カバー部材に連設部で連設され、当該連設部を二つ折りにしてメモリーカードホルダ用ハウジングを基板に取り付けることで、基板とカバー部材とで囲まれる内部空間を基板に対して垂直方向に二分する連設板とが一体に成形されてなり、メモリーカードコネクタは連設板により分けられた内部空間の下段空間に収納されている。

特開２０１２−２２１７３４号公報

しかしながら、上記従来の電子機器のような連接板を樹脂にインサート成形すると、全体の厚さをある程度薄くすることができるが、インサート成形をするための金型、板金を挿入する工程などが製造コストを上げる要因となる。このため、できるだけ厚さを薄くしながらも、製造コストは抑えたいという要望がある。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板金をインサート成形した樹脂成形品と同等の薄い樹脂製ホルダを、機能を低下させることなく、安価に製造することにある。

上記の目的を達成するために、この発明では、樹脂製本体よりも強度の高い材料よりなる仕切シートを樹脂本体に貼り付けるようにした。

具体的には、本発明では、複数の電子部品を収容する樹脂製本体を有する樹脂製ホルダを前提とする。

そして、上記樹脂製ホルダは、
上記樹脂製本体よりも強度の高い材料よりなり、第１部品を収容する第１収容空間と、第２部品を収容する第２収容空間とを仕切面で区切る仕切シートを備え、
上記樹脂製本体は、上記仕切面において、上記仕切シートにおける一端の上記第２収容空間側の面が当接する第１当接面と、上記仕切シートにおける他端の上記第１収容空間側の面が当接する第２当接面とを有し、
上記仕切シートは、上記一端側が第１当接面側の上記樹脂製本体の一端側壁を中心に回動されて他端側が上記第２当接面に貼り付けられている。

上記の構成によると、仕切面に仕切シートを貼り付けることにより、第１収容空間と第２収容空間とを区切るようにしているので、インサート成形をすることなく、仕切部材を設けることができる。仕切シートは、樹脂製本体の一端側壁を中心に回動させて貼り付けることにより、第１当接面と第２当接面との間に挟み込まれるように設けることができるので、どちらの方向にも剥がれにくいように仕切シートを貼り付けるようにすることができる。なお、「強度の高い」とは、例えば引っ張り強度に代表される機械的強度が高いことを意味する。

以上説明したように、本発明によれば、樹脂製本体よりも強度の高い材料よりなる仕切シートを一端側が第１当接面の端部を中心に回動されて他端側が第２当接面に貼り付けるようにしたことにより、板金をインサート成形した樹脂成形品と同等の薄い樹脂製ホルダを、機能を低下させることなく、安価に製造することができる。

（ａ）及び（ｂ）は、本発明の実施形態に係る樹脂製ホルダをそれぞれ別の方向から見た斜視図である。 携帯電話機を示す分解斜視図である。 （ａ）は、（ｂ）のIIIa−IIIa線拡大断面図であり、（ｂ）は、プレート用開口及びその周辺を示す拡大斜視図である。 （ａ）は、カードホルダユニットを示す斜視図であり、（ｂ）は、表示プレートを取り外した図４（ａ）相当図である。 （ａ）は、樹脂製ホルダを示す背面図であり、（ｂ）は、（ａ）のVb−Vb線拡大断面図であり、（ｃ）は、（ａ）のVc−Vc線拡大断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る樹脂製ホルダを示す図１相当図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

図２は本発明の実施形態の電子機器としての携帯電話機１（スマートフォン）の分解斜視図を示し、この携帯電話機１は、例えばタッチパネルを含む液晶表示部２を収容する正面側キャビネット３と、この正面側キャビネット３の背面側を覆う背面側キャビネット４とを備え、その背面がリアカバー５で覆われている。これら正面側キャビネット３と背面側キャビネット４との間の収容空間に充電池６とメイン基板７とが収容されている。正面側キャビネット３、背面側キャビネット４及びリアカバー５が携帯電話機１の筐体を構成している。なお、背面側キャビネット４がリアカバー５と一体である場合のように、リアカバー５はなくてもよい。

メイン基板７の上側には、このメイン基板７に電気的に接続されるサブ基板８が設けられている。このサブ基板８は、板状のプリント基板をベースにフレキシブル基板等が接続され、プリント基板部分が、例えば樹脂成形品よりなる樹脂製ホルダ９に嵌合されて正面側キャビネット３に固定されている。樹脂成形品であれば、複雑な形状でも成形が容易である。

図３及び図４に示すように、樹脂製ホルダ９の側壁のない開放された部分から、サブ基板８は、例えばＳＩＭカード１１及びＳＤカード（登録商標）１２を装着できるようになっている。サブ基板８の正面側には、ＳＤカード１２を抜き差し可能なＳＤソケット１０が取り付けられている。ＳＩＭカード１１は、サブ基板８を挟んでＳＤソケット１０の反対側のＳＩＭソケット１４に専用のトレイごと抜き差し可能となっている。

図３（ｂ）に例えば左右に長いコネクタカバー１５を外した状態を示すように、正面側キャビネット３の上端に開口した例えば長円形状のカード用開口３ａからＳＩＭカード１１及びＳＤカード１２のいずれも抜き差し可能となっている。背面側キャビネット４及びリアカバー５の上側には、それぞれ切欠４ａ，５ａが形成され、この切欠４ａ，５ａからカード用開口３ａが露出するようになっている。図３（ａ）に示すように、切欠４ａ，５ａは、カード用開口３ａを含めてコネクタカバー１５によって塞がれて防水及び防塵されている。

そして、ＳＩＭカード１１側の樹脂製ホルダ９に例えば樹脂成形品よりなる表示プレート１３が出し入れ可能に挿入されている。図４（ａ）にも示すように、表示プレート１３の露出面１３’には、ＩＭＥＩ、製造番号等の重要情報が記載されている。このため、表示プレート１３は、完全には抜き出せないようになっている。

そして、本実施形態では、樹脂製ホルダ９の樹脂製本体９ａは、ＡＢＳ樹脂などの汎用樹脂ではなく、ＡＢＳ・ＰＣ樹脂などの剛性の高い樹脂であるのが、変形を防止する上で望ましい。樹脂製ホルダ９には、この樹脂製本体９ａよりも強度の高い材料（例えば、ＰＥＴシート、ＰＣシート、ステンレス薄板等）よりなる略矩形状の仕切シート２０が貼り付けられている。この仕切シート２０は、第１部品としての表示プレート１３を収容する第１収容空間１６と、第２部品としてのＳＩＭソケット１４を収容する第２収容空間１７とを仕切面で区切る役割を果たしている。本実施形態では、樹脂製本体９ａは、例えばインサート工程のない射出成形品とする。

そして、図１及び図５に示すように、樹脂製本体９ａは、仕切面において、仕切シート２０における一端２０ａの第２収容空間１７側（ＳＩＭソケット１４側）の面が当接する第１当接面２１と、仕切シート２０における他端の第１収容空間１６側（表示プレート１３側）の面が当接する第２当接面２２とを有する。第１当接面２１は、例えば帯状にまっすぐ延び、樹脂製本体９ａに設けた切欠２３部分にも拡がっている。この切欠２３は、仕切シート２０の反対側が開放されていない溝形状でもよい。第２当接面２２は、第１当接面２１と左右反対側に距離を空けて設けた帯状の部分と第１当接面２１側へ左右へ延びる矩形状の部分とがつながっている。この第２当接面２２よりも若干小さくカットされた両面テープ２４が、第２当接面２２に貼り付けられている。仕切シート２０の貼付方法は、両面テープ２４ではなく、接着剤の塗布等でもよい。

仕切シート２０の一端２０ａ側には、例えば略矩形状の突部２０ｃが形成され、この突部２０ｃを第１当接面２１に設けた切欠２３に嵌め込んだ状態で他端２０ｂ側が第２当接面２２に貼り付けられている。

次いで、本発明の実施形態に係る樹脂製ホルダ９の製造方法について説明する。

まず、樹脂製本体９ａを金型にて成形する。このとき、インサート部品がないので、製造が容易でコストも抑えることができる。

一方で、仕切シート２０も別に成形しておく。仕切シート２０は、例えば、ＰＥＴシートを所定の大きさに切断する。仕切シート２０に予め両面テープ２４を貼り付けておくと、その後の貼付作業が極めて容易となる。

次いで、両面テープ２４のセパレータを剥がした状態で、仕切シート２０の突部２０ｃを切欠２３に挿入させるようにしながら、一端２０ａ側が一端側壁２５（例えば、両面テープ２４を貼り付ける面との隅角部２５ａ）を中心に回動されるようにして他端２０ｂ側を第２当接面２２に貼り付ける。この突部２０ｃを切欠２３に挿入することにより、上下方向の位置決めが行われると共に、上下方向のずれを防止することができる。

このように、仕切面に仕切シート２０を貼り付けることにより、第１収容空間１６と第２収容空間１７とを区切るようにしているので、インサート成形をすることなく、２つの部品を別々に配置するための仕切り部材を設けることができる。

また、仕切シート２０を回動させて貼り付けることにより、第１当接面２１と第２当接面２２との間に挟み込まれるように設けることができるので、両面テープ２４を剥がす方向の力が加わっても第１当接面２１で押さえられる。このため、どちらの方向にも剥がれにくいように仕切シート２０を貼り付けるようにすることができる。

また、突部２０ｃの嵌め込みにより、仕切シート２０の位置決めが容易で、仕切シート２０がずれにくい。

一方で、第２当接面２２側の他端側壁２６が仕切シート２０の他端２０ｂ側に当接するようにし、他端側壁２６及び一端側壁２５と他端側壁２６とを結ぶ側壁の少なくとも一方で位置決め部を構成するようにするとよい。そうすれば、仕切シート２０を正確に位置決めでき、見映えがよくなると共に、剥がれにくくすることができる。

そして、仕切シート２０の一端２０ａ側は、第２収容空間１７に収容されるＳＩＭソケット１４で押さえ付けられ、仕切シート２０の他端２０ｂ側は、第１収容空間１６に収容される表示プレート１３で押さえ付けられている。こうすれば、ＳＩＭソケット１４と表示プレート１３とで挟み込まれることにより、全体の剛性が上がる。

したがって、本実施形態に係る電子機器によると、板金をインサート成形した樹脂成形品と同等の薄い樹脂製ホルダ９を、機能を低下させることなく、安価に製造することができる。そして、板金のインサート成形品と同等の薄さの樹脂製ホルダ９を製造できるので、携帯電話機１の厚さを薄くすることができる。

−変形例−
図６は本発明の実施形態の変形例を示し、樹脂製本体９ａの形状が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、本変形例では、図１〜図５と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。

すなわち、図６に示すように、本変形例では、樹脂製本体９ａに切欠２３を設けていない。このため、矩形状の仕切シート２０を貼り付ける際の位置決めは、一端２０ａを一端側壁２５の隅角部２５ａに当接させながら行われる。このときの位置決めは、上下の側壁によっても行われる。

本変形例では、一端側壁２５と平行な他端側壁２６だけでなく、これらをつなぐ一対の側壁も含めて４辺を囲むようにしているので、仕切シート２０を容易かつ正確に位置決めして剥がれにくいように貼り付けることができる。

（その他の実施形態）
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。

すなわち、上記実施形態では、第１部品を表示プレート１３とし、第２部品をＳＩＭソケット１４としたが、これに限定されず、他の部品でもよい。

また、上記実施形態では、電子機器は、携帯電話機１としたが、タブレット端末、ＰＨＳ（Personal Handy-phone System）、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）、パソコン、モバイルツール、電子辞書、ゲーム機等であってもよい。

なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、各実施形態に記載された技術的特徴は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

１ 携帯電話機（電子機器）
２ 液晶表示部
３ 正面側キャビネット（筐体）
３ａ カード用開口（１つの開口）
４ 背面側キャビネット
４ａ，５ａ 切欠
５ リアカバー
６ 充電池
７ メイン基板
８ サブ基板
９ 樹脂製ホルダ
９ａ 樹脂製本体
１０ ＳＤソケット
１１ ＳＩＭカード
１２ ＳＤカード
１３ 表示プレート（第１部品）
１３' 露出面
１４ ＳＩＭソケット（第２部品）
１５ コネクタカバー
１６ 第１収容空間
１７ 第２収容空間
２０ 仕切シート
２０ａ 一端
２０ｂ 他端
２０ｃ 突部
２１ 第１当接面
２２ 第２当接面
２３ 切欠
２４ 両面テープ
２５ 一端側壁
２５ａ 隅角部
２６ 他端側壁（位置決め部）

Claims (5)

1. 複数の電子部品を収容する樹脂製本体を有する樹脂製ホルダにおいて、
   上記樹脂製本体よりも強度の高い材料よりなり、第１部品を収容する第１収容空間と、第２部品を収容する第２収容空間とを仕切面で区切る仕切シートを備え、
   上記樹脂製本体は、上記仕切面において、上記仕切シートにおける一端の上記第２収容空間側の面が当接する第１当接面と、上記仕切シートにおける他端の上記第１収容空間側の面が当接する第２当接面とを有し、
   上記仕切シートは、上記一端側が第１当接面側の上記樹脂製本体の一端側壁を中心に回動されて他端側が上記第２当接面に貼り付けられている
   ことを特徴とする樹脂製ホルダ。
2. 請求項１に記載の樹脂製ホルダにおいて、
   上記仕切シートの一端側には突部が形成され、該突部を上記第１当接面に設けた切欠又は溝部に嵌め込んだ状態で他端側が上記第２当接面に貼り付けられている
   ことを特徴とする樹脂製ホルダ。
3. 請求項１又は２に記載の樹脂製ホルダにおいて、
   上記第２当接面側には、該他端側が当接する位置決め部が形成されている
   ことを特徴とする樹脂製ホルダ。
4. 請求項１から３までのいずれか１つに記載の樹脂製ホルダを備えた電子機器において、
   上記仕切シートの一端側は、上記第２収容空間に収容される第２部品で押さえ付けられ、
   上記仕切シートの他端側は、上記第１収容空間に収容される第１部品で押さえ付けられている
   ことを特徴とする電子機器。
5. 請求項４に記載の電子機器において、
   上記第１部品は、出し入れ可能な表示プレートであり、
   上記第２部品は、記憶媒体を抜き差し可能なカードホルダであり、
   上記樹脂製ホルダは、外観を構成する筐体の１つの開口の奥側に配置されている
   ことを特徴とする電子機器。

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