JP2015133386A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1導電型半導体層と、発光層と、第2導電型半導体層とがこの順で積層された複数のメサ型化合物半導体積層部10と、第1導電型半導体層に電気的に接続される第1電極部20と、第2導電型半導体層に電気的に接続される第2電極部30と、を備える。複数のメサ型化合物半導体積層部10は、平面視でマトリクス状に配置されており、第1電極部20は、複数のメサ型化合物半導体積層部10の周囲に配置された底部電極部21を有する。第2電極部30は、第2導電型半導体層を覆う頂部電極部31と、マトリクスの例えば行方向で隣り合うメサ型化合物半導体積層部10の頂部電極部同士を電気的に接続する連結電極部32とを有する。底部電極部21は、マトリクスの例えば列方向に沿って、行方向で隣り合うメサ型化合物半導体積層部10間まで延伸した延伸電極部22を含む。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであって、発光効率をさらに向上できるようにした発光素子を提供することを目的とする。
即ち、本発明の一態様に係る発光素子は、第1導電型半導体層と、発光層と、第2導電型半導体層とがこの順で積層された複数のメサ型化合物半導体積層部と、前記第1導電型半導体層に電気的に接続される第1電極部と、前記第2導電型半導体層に電気的に接続される第2電極部と、を備え、前記複数のメサ型化合物半導体積層部は、平面視でマトリクス状に配置されており、前記第1電極部は、前記複数のメサ型化合物半導体積層部の周囲に配置された底部電極部を有し、前記第2電極部は、前記第2導電型半導体層を覆う頂部電極部と、前記複数のメサ型化合物半導体積層部のうち前記マトリクスの行方向及び列方向の一方で隣り合うメサ型化合物半導体積層部の前記頂部電極部同士を電気的に接続する連結電極部とを有し、前記底部電極部は、前記マトリクスの行方向及び列方向の他方に沿って、前記隣り合うメサ型化合物半導体積層部間まで延伸した延伸電極部を含む。
また、上記の発光素子では、前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層はそれぞれ、0.1eV以上、1.2eV以下のバンドギャップ材料であってもよい。
[発光素子]
本実施形態に係る発光素子は、第1導電型半導体層と、発光層と、第2導電型半導体層とがこの順で積層された複数のメサ型化合物半導体積層部と、第1導電型半導体層に電気的に接続される第1電極部と、第2導電型半導体層に電気的に接続される第2電極部と、を備える。複数のメサ型化合物半導体積層部は、平面視でマトリクス状に配置されている。第1電極部は、複数のメサ型化合物半導体積層部の周囲に配置された底部電極部を有する。第2電極部は、第2導電型半導体層を覆う頂部電極部と、複数のメサ型化合物半導体積層部のうちマトリクスの行方向及び列方向の一方で隣り合うメサ型化合物半導体積層部の頂部電極部同士を電気的に接続する連結電極部とを有する。底部電極部は、マトリクスの行方向及び列方向の他方に沿って、行方向及び列方向の一方で隣り合うメサ型化合物半導体積層部間まで延伸した延伸電極部を含む。
また、メサ型化合物半導体積層部を支持する部材として、基板をさらに有していてもよい。基板の具体例としては、Si、GaAs、InAs、GaSb、InSbなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
本実施形態に係る発光素子において、化合物半導体積層部は、第1導電型半導体層と、発光層と、第2導電型半導体層とがこの順で積層された、メサ型化合物半導体積層部である。効率的な発光の観点から、第1導電型半導体層と発光層と第2導電型半導体層とによるPN接合、又は第1導電型半導体層と発光層と第2導電型半導体層とによるPIN接合からなる、フォトダイオード構造を含むものであることが好ましい。PN接合又はPIN接合の具体例として、赤外線領域ではp−InSb/n−InSb、p−InSb/i−InSb/n−InSb、p−AlInSb/i−AlInSb/n−AlInSb等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、i型半導体層は、p又はn型にドープされていても良い。また、さらに上記したPN接合又はPIN接合の各層の間に、キャリアの閉じ込め効果を狙ったバリア層を備えていても良い。このバリア層は第1導電型半導体層や第2導電型半導体層よりもバンドギャップが大きい材料であることが好ましい。
本実施形態に係る発光素子は、上記したメサ型化合物半導体積層部を複数備える。これら複数のメサ型化合物半導体積層部は、平面視で、n行m列(n≧2,m≧2)のマトリクス状に配置されている。ここで、マトリクスとは、平面視で、行方向に沿う複数の行と、列方向に沿う複数の列とが互いに交差する(例えば、直交する)態様のことである。本実施形態では、行の数がn(nは2以上の整数)で、列の数がm(mは2以上の整数)のマトリクスを、n行m列(n≧2、m≧2)のマトリクスという。
本実施形態に係る発光素子において、保護層は、化合物半導体積層部の表面の少なくとも一部を覆う。また、保護層は、第1保護層と第2保護層とを有してもよい。第1保護層は、メサ型化合物半導体積層部を保護することに加え、発光層で発光された光を光取り出し面へ効率よく導き、出力を高める機能があるものが好ましい。例えば、光取り出し面をメサ凸側(即ち、メサの頂部側)と反対側(即ち、メサの底部側)に設けた赤外線発光素子の場合、第1保護層は、メサ構造の半導体層よりも屈折率の低い材料であることが好ましく、屈折率が1.47程度である酸化珪素(SiO2)、又は屈折率が1.9程度である窒化珪素(SiN)が最も代表的な例として挙げられる。また、第2保護層は、湿度環境に対するバリアとしての機能を有するものが好ましく、例えば、耐湿性に優れたSiNが挙げられる。
本実施形態に係る発光素子において、電極部は、メサ型化合物半導体積層部の第1導電型半導体層に電気的に接続される第1電極部と、メサ型化合物半導体積層部の第2導電型半導体層に電気的に接続される第2電極部とに分類される。
第1電極部は、複数のメサ型化合物半導体積層部の周囲に配置された底部電極部を有する。また、第2電極部は、第2導電型半導体層を覆う頂部電極部と、連結電極部とを有する。連結電極部は、複数のメサ型化合物半導体積層部のうちマトリクスの行方向及び列方向の一方で隣り合うメサ型化合物半導体積層部の頂部電極部同士を電気的に接続するものである。
また、第1、第2電極部の構成材料としては、化合物半導体積層部とのコンタクト抵抗が低いものや、電気抵抗が低いものであることが好ましい。具体的にはTi、Ni、Pt、Cr、Al、Cuが挙げられる。また、第1、第2電極部は複数の電極材料の積層体で構成されていても良い。
以下、図面を参酌しながら、本実施形態の具体的な形態として、第1〜第3実施形態、実施例1〜3をそれぞれ説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。また、各図面において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の第1実施形態に係る発光素子100の構成例を模式的に示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)の平面図をA1−A´1線で切断した断面図、図1(c)は図1(a)の平面図をB1−B´1線で切断した断面図である。また、図2は、第1実施形態に係る発光素子100の構成例を模式的に示す斜視図である。
しかし、図1に示したように、本実施形態では、複数のメサ型化合物半導体積層部10を平面視でマトリクス状に配置し、且つ、マトリクスの行方向及び列方向の一方(例えば、行方向)に沿って連結電極部32を配置し、行方向及び列方向の他方(例えば、列方向)に沿って、行方向及び列方向の一方(例えば、行方向)で隣り合うメサ型化合物半導体積層部10間まで延伸する延伸電極部22を配置することにより、発光素子の電極形状のさらなる最適化及び発光効率のさらなる向上が可能となる。
図3は本発明の第2実施形態に係る発光素子200の構成例を模式的に示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)の平面図をA3−A´3線で切断した断面図、図3(c)は図3(a)の平面図をB3−B´3線で切断した断面図である。
図3(a)〜(c)に示すように、第2実施形態に係る発光素子200は、第1実施形態に係る発光素子100と比較して、例えば1列目(左端側)のメサ型化合物半導体積層部10の左側も延伸電極部22で囲われているため、発光効率の向上に寄与する。
図4は本発明の第3実施形態に係る発光素子300の構成例を模式的に示す図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)の平面図をA4−A´4線で切断した断面図、図4(c)は図4(a)の平面図をB4−B´4線で切断した断面図である。
第3実施形態に係る発光素子300は、第1実施形態に係る発光素子100と比較して、保護層40をさらに備えている。保護層40は、メサ型化合物半導体積層部10の側斜面部と頂部の一部を覆うように形成されている。換言すると、第2電極部30が第1導電型半導体層と接しないように保護層が形成されている。これにより、第2電極部30に入力される電力を発光部に効率的に導くことができるため好ましい。
本実施形態は、第1導電型半導体層、発光層、第2導電型半導体層がこの順で積層された複数のメサ型半導体積層部をn行m列(n≧2,m≧2)のマトリクス状に形成した発光素子に関するものである。本実施形態に係る発光素子によれば、延伸電極部をもたない発光素子に比べて、発光効率の向上を達成することができる。さらに、一般にダイオードの発光強度はダイオード面積に比例するが、本実施形態によれば、延伸電極部によるダイオード面積の縮小にも関わらず、発光効率を向上させることができる。
図5(a)に示すように、GaAs基板1上に、第1導電型(例えば、n型)半導体層11として、Snを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたAl0.05In0.95Sb層を1μm形成した。さらに、その上に第1導電型のバリア層12として、Snを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたAl0.22In0.88Sb層を20nm形成した。さらに、その上に発光層13としてノンドープのInSb層を2μm形成した。さらに、その上に第2導電型(例えば、p型)のバリア層14として、Znを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたAl0.22In0.88Sbを20nm形成した。さらに、その上に第2導電型半導体層15として、Znを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたAl0.05In0.95Sb層を0.5μm形成した。第1導電型半導体層11と、第1導電型のバリア層12と、発光層13と、第2導電型のバリア層14と、第2導電型半導体層15とが、PIN接合によるフォトダイオード構造をなしている。
次に、メサ型化合物半導体積層部10の上方全面に第1保護層41としてSiO2膜を5000Å形成した。そして、このSiO2膜上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにSiO2膜をドライエッチングした。これにより、第1保護層41としてのSiO2膜をパターニングした。続いて、このSiO2膜をハードマスクに用いて、第1導電型半導体層11を基板までドライエッチングした。これにより、図5(c)に示すように、複数のメサ型化合物半導体積層部10を囲むように溝部50をGaAs基板1に形成し、ダイオードを電気的に独立とした。このドライエッチングにより、SiO2膜は膜減りし、その厚さは約3000Åとなった。なお、この溝部50の形成により、平面視でマトリクス状に配置された複数のメサ型化合物半導体積層部10の周囲を囲むように第1導電型半導体メサ部60が形成される。
また、上記の製造方法で得られた赤外線発光素子400を図7に示す。図7(a)は赤外線発光素子400の表面を倍率100倍で観察した光学顕微鏡による上面図である。図7(b)は図7(a)のトレース図である。
この赤外線発光素子400を用いて発光強度の測定を行ったところ、図9の比較例に比べて、同一消費電力あたり約1.13倍の発光効率を得ることができた。
メサ型化合物半導体積層部のマトリクス状の配置を3行4列とし、それ以外は実施例1と同様の工程を経て赤外線発光素子500を得た。また、第1電極部20の形成領域を含めた全ダイオード形成面積を、実施例1と同じになるようにした。得られた赤外線発光素子500を図8に示す。図8(a)は赤外線発光素子500の表面を倍率100倍で観察した光学顕微鏡による上面図であり、図8(b)はそのトレース図である。
この赤外線発光素子500を用いて発光強度の測定を行ったところ、図9の比較例に比べて、同一消費電力あたり約1.16倍の発光効率を得ることができた。
メサ型化合物半導体積層部のマトリクス状の配置を3行6列とし、それ以外は実施例1と同様の工程を経て赤外線発光素子(図示せず)を得た。また、第1電極部20の形成領域を含めた全ダイオード形成面積を、実施例1と同じになるようにした。
実施例3で得られた赤外線発光素子の下部電極囲い率は59%となり、上部電極被覆率は88%となった。また、連結電極部32の幅Wと、延伸電極部22の長さLの比は1:1.4となった。この赤外線発光素子を用いて発光強度の測定を行ったところ、図9の比較例に比べて、同一消費電力あたり約1.18倍の発光効率を得ることができた。
メサ型化合物半導体積層部910のマトリクス状の配置を3行1列とし、それ以外は実施例1と同様の工程を経て赤外線発光素子900を得た。また、第1電極部920の形成領域を含めた全ダイオード形成面積を、実施例1と同じになるようにした。得られた赤外線発光素子900を図9に示す。
前述のように、メサ型化合物半導体積層部910のマトリクス状の配置は3行1列であるため、第1電極部920に延伸電極部は存在しない。この比較例では、下部電極囲い率が83%、上部電極被覆率が95%となった。第1〜第3実施例と、比較例との違いを表1に示す。
本発明は、以上に記載した各実施形態や実施例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態や実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、各実施形態や実施例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。
10 メサ型化合物半導体積層部
20 第1電極部
21 底部電極部
22 延伸電極部
30 第2電極部
31 頂部電極部
32 連結電極部
40 保護層
41 第1保護層
42 第2保護層
50 溝部
60 第1導電型半導体メサ部
Claims (3)
- 第1導電型半導体層と、発光層と、第2導電型半導体層とがこの順で積層された複数のメサ型化合物半導体積層部と、
前記第1導電型半導体層に電気的に接続される第1電極部と、
前記第2導電型半導体層に電気的に接続される第2電極部と、を備え、
前記複数のメサ型化合物半導体積層部は、平面視でマトリクス状に配置されており、
前記第1電極部は、前記複数のメサ型化合物半導体積層部の周囲に配置された底部電極部を有し、
前記第2電極部は、前記第2導電型半導体層を覆う頂部電極部と、前記複数のメサ型化合物半導体積層部のうち前記マトリクスの行方向及び列方向の一方で隣り合うメサ型化合物半導体積層部の前記頂部電極部同士を電気的に接続する連結電極部とを有し、
前記底部電極部は、前記マトリクスの行方向及び列方向の他方に沿って、前記隣り合うメサ型化合物半導体積層部間まで延伸した延伸電極部を含む発光素子。 - 前記隣り合うメサ型化合物半導体積層部間において、前記連結電極部の前記他方に沿う長さと、前記延伸電極部の前記他方に沿う長さとの比が、1:1〜1:20の範囲内である請求項1に記載の発光素子。
- 前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層はそれぞれ、0.1eV以上、1.2eV以下のバンドギャップ材料である請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
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