JP2014179427A - 赤外線発光素子及びガスセンサ - Google Patents

赤外線発光素子及びガスセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2014179427A
JP2014179427A JP2013051919A JP2013051919A JP2014179427A JP 2014179427 A JP2014179427 A JP 2014179427A JP 2013051919 A JP2013051919 A JP 2013051919A JP 2013051919 A JP2013051919 A JP 2013051919A JP 2014179427 A JP2014179427 A JP 2014179427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
layer
semiconductor layer
semiconductor
conductivity type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013051919A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Masuda
征典 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Electronics Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority to JP2013051919A priority Critical patent/JP2014179427A/ja
Publication of JP2014179427A publication Critical patent/JP2014179427A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】異なる波長の赤外線を選択的又は同時に取り出して、取り出し効率の改善を図るようにした赤外線発光素子及びガスセンサを提供すること。
【解決手段】半導体積層部200は、半導体基板100上に設けられた第1の第1導電型半導体層210と、第1の第1導電型半導体層上に設けられた第1の半導体発光層220と、第1の半導体発光層上に設けられた第2導電型半導体層230と、第2導電型半導体層上に設けられた第2の半導体発光層240と、第2の半導体発光層上に設けられた第2の第1導電型半導体層250とが順次積層されている。第1の第1導電型半導体層210と第2導電型半導体層230と第2の第1導電型半導体層250には電極310乃至330が設けられている。第2導電型半導体層230の層内には積層反射構造231がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線発光素子及びガスセンサに関し、より詳細には、2波長以上の赤外線を発光することが可能な赤外線発光素子及びガスセンサに関する。
一般に、波長が3μm以上の長波長帯の赤外線は、その熱的効果やガスによる赤外線吸収の効果から、人体を検知する人感センサや非接触温度センサ及びガスセンサなどに使用されている。これらの使用例の内、特に、ガスセンサは、大気環境の監視や保護、更には、火災の早期検知などにも使用可能であり、近年注目されている。
上述した赤外線を使用したガスセンサの原理は、以下のようなものである。まず、赤外線の光源と受光素子の間の空間に測定したいガスを注入する。特定のガスは特定の波長の赤外線を吸収するため、ガスの注入前と注入後の波長スペクトルを解析することでガスの種類や濃度を測定することが出来る。ここで、赤外線の光源としては、白熱球が使用されるが、白熱球から発せられる赤外線は白色光であるため、特定の波長を分光するためには受光素子側にフィルタを設ける必要がある。フィルタは高価であり、また、赤外線の強度を弱めるため、ガスセンサの感度を低下させる。更に、白熱球の寿命が短い為に頻繁に光源を交換する必要がある。
このような問題を解決するためには、光源として特定波長の赤外線を発する半導体の発光素子(LED:Light Emitting Diode)を使用することが有効である。ここで、このような発光素子を実現するためには、波長が3μm以上の長波長帯の赤外線を発光する素子が必要となるが、この波長領域では素子に対する周辺温度の影響が非常に大きく、室温で使用するには問題がある。上述した発光素子は、一般に、波長が3μm以上の赤外線を発光可能なバンドギャップを有する半導体中に、いわゆる、pn接合ダイオード構造を形成し、このpn接合ダイオードに順方向電流を流して接合部分である空乏層において、電子と正孔を再結合させることにより赤外線の発光を行う。
しかしながら、波長が3μm以上の赤外線を発光できる半導体のバンドギャップは、0.41eV以下と小さい。このようなバンドギャップの小さな半導体では、熱励起キャリアのために室温での真性キャリア密度が大きくなり、素子の抵抗が小さくなるので十分なpnダイオードの特性が得られない。これは真性キャリア密度が大きい場合、拡散電流や暗電流の様な素子の漏れ電流が大きくなるためである。
このため、これらの発光素子は、熱励起キャリアを抑制するために、一般に、ペルチェ素子などの冷却機構が従来使用される。しかしながら、上述したような冷却機構は、装置を大型かつ高価な物としてしまう問題がある。
上述した問題を解決するために、室温でも長波長帯の赤外線が発光可能である発光素子の研究開発がなされている。例えば、非特許文献1に記載の発光素子は、p型のインジウムアンチモン(InSb)基板上にInSbによるp−π−n構造のダイオードを作成し、p層とπ層の間に電子の拡散を抑制するためのAlInSbのバリア層を用いることで、波長5.5μm以上の赤外線発光を室温で実現している。
上述した非特許文献1のように、従来バンドギャップの小さな半導体材料では、一般的に、電子の移動度が正孔の移動度に比べてはるかに大きいため、電子の漏れ電流(拡散電流や暗電流)を抑制することに重点が置かれていた。しかしながら、電子と正孔を再結合させる発光素子に於いては電子だけでなく、正孔の暗電流や拡散電流も抑えることが更なる素子特性の向上のために必要となる。
そこで、例えば、特許文献1では、第1のn型化合物半導体層(102)及びπ層(105)よりもバンドギャップが大きく、その拡散を抑制するn型ワイドバンドギャップ層(103)を第1のn型化合物半導体層(102)とπ層(105)との間に設けることで、正孔による暗電流を低減することが開示されている。
また、異なる波長の赤外線を発光可能な発光素子として、例えば、特許文献2では、2つの電極間に第1発光層及び第2発光層を設けることが開示されている。
国際公開WO2009/113685号(A1) 特開2008−159628号公報
T. Ashley et al., "Uncooled InSb/In1−XAlXSb mid−infrared emitter," Applied Physics Letters, 64(18), 2 May 1994, pp. 2433−2435
赤外線発光素子は、赤外線通信や食品分析、紙厚・ガラス厚測定、ガスセンサなどへの応用が考えられる。例えば、ガスセンサに搭載する発光素子として、赤外線発光素子を使用する事を考えた場合、測定対象ガスが赤外線吸収を生じる波長帯の赤外線と、赤外線吸収が生じない波長帯の赤外線の両方を発光する発光素子が必要となる。
上述した特許文献2に記載された発明は、異なる波長の赤外線を同時に、または選択的に発光する発光素子であるため、ガスセンサへの応用に適している。
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、発光層の組成を適切に設計しても、第1の発光層で発生した光のうちの約半分が第2の発光層で吸収されてしまうため、取り出し効率の面で課題が残る。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、異なる波長の赤外線を選択的又は同時に取り出して、取り出し効率の改善を図るようにした赤外線発光素子及びガスセンサを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、2波長以上の赤外線を発光することが可能な赤外線発光素子(1)において、半導体基板(100)と、該半導体基板(100)上に設けられた第1の第1導電型半導体層(210)と、該第1の第1導電型半導体層(210)上に設けられた第1の半導体発光層(220)と、該第1の半導体発光層(220)上に設けられた第2導電型半導体層(230)と、該第2導電型半導体層(230)上に設けられた第2の半導体発光層(240)と、該第2の半導体発光層(240)上に設けられた第2の第1導電型半導体層(250)とが順次積層されてなる半導体積層部(200)と、該半導体積層部(200)を覆う絶縁層(400)と、前記第1の第1導電型半導体層(210)上に接続して設けられた第1の電極(310)と、前記第2導電型半導体層(230)上に接続して設けられた第2の電極(320)と、前記第2の第1導電型半導体層(250)上に接続して設けられた第3の電極(330)と、前記第2導電型半導体層(230)の層内に、屈折率の異なる材料が交互に積層された積層反射構造(231)を備えていることを特徴とする。(図1;実施例1)
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の第1導電型半導体層(210)と前記第1の半導体発光層(220)との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層(510)を設け、前記第1の半導体発光層(220)と前記第2導電型半導体層(230)との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層(520)を設け、前記第2導電型半導体層(230)と前記第2の半導体発光層(240)との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層(530)を設け、前記第2の半導体発光層(240)と前記第2の第1導電型半導体層(250)との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層(540)を設けていることを特徴とする。(図2;実施例2)
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の電極(330)が、前記絶縁層(400)で覆われた開口部(340a)を有する電極(340)であることを特徴とする。(図3;実施例3)
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1の第1導電型半導体層(210)と前記第1の半導体発光層(220)との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層(510)を設け、前記第1の半導体発光層(220)と前記第2導電型半導体層(230)との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層(520)を設け、前記第2導電型半導体層(230)と前記第2の半導体発光層(240)との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層(530)を設け、前記第2の半導体発光層(240)と前記第2の第1導電型半導体層(250)との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層(540)を設けていることを特徴とする。(図4;実施例4)
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の赤外線発光素子(600)と、該赤外線発光素子(600)が一端内部に配置され、多端内部に赤外線受光素子(700)が配置され、外部からガスの導入が可能な筐体(800)とを備え、前記赤外線発光素子(600)から得られる赤外光が、前記ガスの導入された前記筐体(800)中を通って前記赤外線受光素子(700)で検出されることを特徴とするガスセンサである。(図5)
本発明によれば、異なる波長の赤外線を選択的または同時に取り出すことのできる赤外線発光素子の取り出し効率の改善が可能になる。
本発明に係る赤外線発光素子の実施例1を説明するための断面構成図である。 本発明に係る赤外線発光素子の実施例2を説明するための断面構成図である。 本発明に係る赤外線発光素子の実施例3を説明するための断面構成図である。 本発明に係る赤外線発光素子の実施例4を説明するための断面構成図である。 本発明の赤外線発光素子を用いたガスセンサの構成図である。
以下、本発明の赤外線発光素子の実施形態について説明する。
本発明の赤外線発光素子は、半導体基板と、第1の第1導電型半導体層と、第1の半導体発光層と、第2導電型半導体層と、第2の半導体発光層及び第2の第1導電型半導体層とがこの順で積層された半導体積層部を備える赤外線発光素子である。第1の第1導電型半導体層に第1の電極を接続され、第2導電型半導体層に第2の電極が接続され、第2の第1導電型半導体層に第3の電極が接続され、第2導電型半導体層の層内に、屈折率の異なる2つの材料が交互に積層された、積層反射構造を備えている。
また、本発明の赤外線発光素子は、半導体積層部にナローバンドギャップ材料を用いる場合は、半導体発光層からの電子の拡散を防ぎ、発光再結合を増加させるという観点から、第1の第1導電型半導体層と第1の半導体発光層との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層を備えていてもよい。また、第2導電型半導体層と第1の半導体発光層との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層を備えていてもよい。また、第2導電型半導体層と第2の半導体発光層との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層を備えていてもよい。また、第2の半導体発光層と第2の第1導電型半導体層との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層を備えていてもよい。
これらワイドバンドギャップ半導体層による電子拡散防止及び発光再結合の増加の効果は、半導体発光層と半導体発光層の上下に積層される導電型半導体層のバンドギャップ差が小さく、かつ構成材料が、InSbやInAsなどの電子移動度が高くバンドギャップの小さな半導体の場合、特に顕著になる。
以下、本発明の赤外線発光素子の構成要素について説明する。
<半導体基板>
本発明の赤外線発光素子において、半導体基板は、その上に所望の半導体積層部を形成することが可能なものであれば特に制限されない。一例としては、Si,GaAs,GaP,InP基板への結晶成長が挙げられるがこの限りではない。半導体積層部の材料としてInSbを用いる場合、半導体基板としてはGaAsが好ましい。
<半導体積層部>
本発明の赤外線発光素子において、半導体基板上に、第1の第1導電型半導体層と、第1の半導体発光層と、第2導電型半導体層と、第2の半導体発光層及び第2の第1導電型半導体層がこの順で積層され、かつ、第2導電型半導体層中に積層反射構造を備えたものであれば特に制限されない。
また、第1の第1導電型半導体層と、第1の半導体発光層と、第2導電型半導体層と、第2の半導体発光層及び第2の第1導電型半導体層以外の層を各層の間や上層、下層に設けてもよい。
<第1の第1導電型半導体層及び第2の第1導電型半導体層>
第1の第1導電型半導体層及び第2の第1導電型半導体層は、赤外線発光素子に適したものであれば特に制限されない。一例としては、InSb,AlInSb,InAsSbなどが挙げられるがこの限りではない。
第1導電型半導体層をp型半導体層とする場合、所望の半導体層にドープしたときにp型半導体となるようなドーパントを注入とすればよい。また、第1導電型半導体層をn型半導体層とする場合、所望の半導体層にドープしたときにn型半導体となるようなドーパントを注入とすればよい。半導体層としてInSbを用いる場合、p型ドーパントとしてはZnが挙げられ、n型ドーパントとしてはSnが挙げられる。
また、第1導電型半導体層の厚みは特に制限されないが、電極を接続するための面を作製することと、成膜の所要時間の観点から0.5μm以上5μm以下が好ましい。
また、本発明の赤外線発光素子において、第1の第1導電型半導体層と第2の第1導電型半導体層は、同じ導電型の半導体層であれば特に制限されない。
<第2導電型半導体層>
本発明の赤外線発光素子に用いられる第2導電型半導体層は、第1導電型半導体層と異なる導電型の半導体からなるものであり、第2導電型半導体中に積層反射構造を備える。第1導電型半導体層がn型半導体層である場合、第2導電型半導体層はp型半導体層となり、第1導電型半導体層がp型半導体層である場合、第2導電型半導体層はn型半導体層となる。
<積層反射構造>
積層反射構造は、屈折率の異なる材料が交互に積層された構造である。この積層反射構造を備えることにより、構造部に入射された赤外線が高い反射率で反射される。
積層反射構造を備えない場合は、第1の半導体発光層から第2の半導体発光層側に発光した光は、第2の半導体発光層に入射に、吸収されてしまうため、光取り出し効率が低減してしまう。
本発明の赤外線発光素子は、第1の半導体発光層と第2の半導体発光層の間の第2導電型半導体層内に前記積層反射構造を備えることにより、第1の半導体発光層から第2の半導体発光層側に発光した光が、第2の半導体発光層に入射することなく、積層反射構造にて反射されるため、高い取り出し効率の赤外線発光素子を実現することができる。
積層反射構造は、屈折率の異なる材料が交互に積層された構造であれば特に制限されないが、例えば、第2導電型半導体層に用いられる材料と、第2導電型半導体層の材料とは異なる屈折率の材料(第2導電型半導体層の材料から組成比や組成元素を変えた材料)の積層体で構成することができる。
ただし、発光した光が吸収されないようにするという観点から、半導体発光層から得られる波長の光が吸収されないバンドギャップを持つ材料である必要がある。
屈折率の異なる材料を交互に積層した構造により、発光効率を高めるためには、以下の式を満たす必要があることが知られている。
屈折率の異なる層を、それぞれが光の1/4波長をもつように積層すると、2つの界面で反射波が強め合う干渉を起こす。層厚と波長の関係は以下の式であらわされる。
ここで、λは光の真空中でのブラッグ波長、tl,hは低い屈折率(l)を持つ物質と高い屈折率(h)を持つ物質の厚み、nl,hは、低い屈折率(l)を持つ物質と高い屈折率(h)を持つ物質の屈折率である。厚みは上の式の奇数倍であっても良い。
また、高い反射率を持つ波長領域は、以下の式であらわされることが知られている。
Figure 2014179427
屈折率の異なる材料を交互に積層した構造は、以上の式によって膜厚と材料が決定されることが望ましい。積層数は特に制限されない。
なお、第2導電型半導体層内以外に、第1及び/又は第2の第1導電型半導体層中に、積層反射構造を含ませてもよい。
<第1の半導体発光層及び第2の半導体発光層>
第1の半導体発光層及び第2の半導体発光層は、赤外線を発光するバンドギャップを持つ半導体層であれば特に制限されない。また、第1の半導体発光層及び第2の半導体発光層は、バンドギャップが異なっていれば材料は特に制限されない。一例としては、InSb,InAs,AlInSb,InAsSbなどが挙げられるがこの限りではない。電流が流れ、電圧降下が起きると発光するという観点から、フェルミ準位がバンドギャップの中央付近に来るようドープされていることが望ましい。
また、発光再結合が容易に行われるような設計にするという観点から、第1の半導体発光層と、第2の半導体発光層とともに、第1の第1導電型半導体層と、第2導電型半導体層と、第2の第1導電型半導体層のいずれのバンドギャップよりも小さいバンドギャップにすることが望ましい。
また、裏面から赤外光を取り出す場合、第2の半導体発光層から得られる波長の光が、第1の半導体発光層で吸収されないようにするという観点から、第1の半導体発光層のバンドギャップは、第2の半導体発光層のバンドギャップよりも大きい必要がある。但し、表面から赤外光が取り出される場合、第1の半導体発光層から得られる波長の光が、第2の半導体発光層で吸収されないようにするという観点から、第2の半導体発光層のバンドギャップは、第1の半導体発光層のバンドギャップよりも大きい必要があるので、2つの半導体発光層のバンドギャップの大小は特に制限されない。
<ワイドバンドギャップ半導体層>
ワイドバンドギャップ半導体層は、第1の第1導電型半導体層と、第1の半導体発光層と、第2導電型半導体層と、第2の半導体発光層及び第2の第1導電型半導体層のいずれよりもバンドギャップの広い材料であるならば特に制限されない。
また、第1導電型のワイドギャップ半導体層は、第1導電型の半導体層及び第2の発光層上に、第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層は、第1の半導体発光層及び第2導電型の半導体層上にそれぞれ積層されている。
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
図1は、本発明に係る赤外線発光素子の実施例1を説明するための断面構成図である。本実施例1の赤外線発光素子は、2波長以上の赤外線を発光することが可能な赤外線発光素子1である。本実施例1の赤外線発光素子1は、半導体基板100と、この半導体基板(100)上に設けられた半導体積層部200と絶縁層400と第1の電極310乃至第3の電極330とから構成されている。
半導体積層部200は、半導体基板100上に設けられた第1の第1導電型半導体層210と、この第1の第1導電型半導体層210上に設けられた第1の半導体発光層220と、この第1の半導体発光層220上に設けられた第2導電型半導体層230と、この第2導電型半導体層230上に設けられた第2の半導体発光層240と、この第2の半導体発光層240上に設けられた第2の第1導電型半導体層250とが順次積層されて構成されている。
また、絶縁層400は、半導体積層部200を覆っている。また、第1の電極310は、第1の第1導電型半導体層210上に接続して設けられ、第2の電極320は、第2導電型半導体層230上に接続して設けられ、第3の電極330は、第2の第1導電型半導体層250上に接続して設けられている。
また、第2導電型半導体層230の層内に、屈折率の異なる材料が交互に積層された積層反射構造231が設けられている。
つまり、本実施例1の赤外線発光素子1は、半導体基板100と、この半導体基板(100)上に設けられた第1の第1導電型半導体層210と、第1の半導体発光層220と、第2導電型半導体層230と、第2導電型半導体層内の積層反射構造231と、第2の半導体発光層240及び第2の第1導電型半導体層250がこの順で積層された半導体積層部200とを備えている。
また、第1の第1導電型半導体層210に第1の電極310を接続され、第2導電型半導体層230に第2の電極320が接続され、第2の第1導電型半導体層250に第3の電極330が接続されている。また、半導体積層部200は、第1〜第3の電極と接触している領域以外は絶縁層400で覆われている。
本実施例1の赤外線発光素子1においては、電極310から電極320に電流が流れることで第1の半導体発光層が、電極330から電極320に電流が流れることで第2の半導体発光層が発光し、2つのピーク波長を持つ光が得られる。
2つの波長の光は、半導体基板100側から取り出される。積層反射構造は、第1の半導体発光層のピーク波長付近の光は反射され、第2の半導体発光層のピーク波長付近の光は透過するように設計される。
また、第2の半導体発光層からの光が、第1の半導体発光層で吸収されないように、第1の半導体発光層に比べて第2の半導体発光層のほうがバンドギャップが小さいように設計される。
第1の半導体発光層から得られる光で積層反射構造に届いた光は、積層反射構造で反射され、第2の半導体発光層から得られる光で積層反射構造に届いた光は、積層反射構造を透過することで、2つのピーク波長を持つ光が得られる。
図2は、本発明に係る赤外線発光素子の実施例2を説明するための断面構成図である。なお、図1と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施例2の赤外線発光素子2は、上述した実施例1の赤外線発光素子が、さらに、第1の第1導電型半導体層210と第1の半導体発光層220との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層510を設け、第1の半導体発光層220と第2導電型半導体層230との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層520を設け、第2導電型半導体層230と第2の半導体発光層240との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層530を設け、第2の半導体発光層240と第2の第1導電型半導体層250との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層540を設けている。
InSb材料系においては、電子移動度が高く、半導体発光層からの電子の拡散が大きくなる。ワイドバンドギャップ層を備えることで電子の拡散を防ぎ、発光再結合を増加させることができる。
図3は、本発明に係る赤外線発光素子の実施例3を説明するための断面構成図である。なお、図1と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
第3の電極330が、絶縁層400で覆われた開口部340aを有する電極340である。
つまり、本実施例3の赤外線発光素子3と、上述した実施例1と異なる点は、第3の電極340である。電極330と異なる点は、光を取り出すための開口部を備えている点であり、開口部は、絶縁層400で覆われている。
本実施例3の赤外線発光素子において、電極310から電極320に電流を流すことで第1の半導体発光層が、電極340から電極320に電流を流すことで第2の半導体発光層が発光し、2つのピーク波長を持つ光が得られる。
2つのピーク波長を持つ光は、第2の第1導電型半導体層250側の開口部340aから取り出される。積層反射構造は、第1の半導体発光層のピーク波長付近の光は透過、第2の半導体発光層のピーク波長付近の光は反射されるように設計される。
また、第1の半導体発光層からの光が、第2の半導体発光層で吸収されないように、第1の半導体発光層に比べて第2の半導体発光層のほうがバンドギャップが大きくなるように設計される。
第1の半導体発光層から得られる光で積層反射構造に届いた光は、積層反射構造で透過し、第2の半導体発光層から得られる光で積層反射構造に届いた光は、積層反射構造で反射されることで、必要な波長を得ることができる。
また、本実施例3の応用例として、積層反射構造が2つの波長のピークがともに反射するように設計すると、第1の半導体発光層から得られる波長の光は基板100側から取り出され、第2の半導体発光層から得られる波長の光は第2の第1導電型半導体層250側の開口部340aから取り出される両面発光の半導体発光素子を得ることができる。
図4は、本発明に係る赤外線発光素子の実施例4を説明するための断面構成図である。なお、図3と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施例4の赤外線発光素子4は、第1の第1導電型半導体層210と第1の半導体発光層220との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層510を設け、第1の半導体発光層220と第2導電型半導体層230との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層520を設け、第2導電型半導体層230と第2の半導体発光層240との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層530を設け、第2の半導体発光層240と第2の第1導電型半導体層250との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層540を設けている。
InSb材料系においては、電子移動度が高く、半導体発光層からの電子の拡散が大きくなる。前記ワイドバンドギャップ層を備えることで電子の拡散を防ぎ、発光再結合を増加させることができる。
次に、本発明の赤外線発光素子を用いたガスセンサについて説明する。
<ガスセンサ>
本発明のガスセンサは、上述した実施例の赤外線発光素子と、赤外線受光素子と、外部からガス導入が可能な筐体とを備え、筐体内に半導体発光素子及び赤外線受光素子が配置されている。
筐体中での本実施形態の赤外線発光素子と、赤外線受光素子は、発光素子からの赤外光が受光素子に効率的に届くように配置される。発光素子からの光が受光素子に効率的に届く構造であれば、発光素子、受光素子の配置、向きは特に制限されない。
筐体に用いる素材は、発光した光のピーク波長の反射率が高い素材を用いる。一例として、金、アルミニウムなどが挙げられるが、この限りではない。
筐体に導入されるガスは、発光素子から受光素子まで赤外光が届く際に、その光路上にガスが導入される機構となっていればどのような形態でもよい。
図5は、本発明の赤外線発光素子を用いたガスセンサの構成図である。
上述した各実施例の赤外線発光素子600と、この赤外線発光素子600が一端内部に配置され、多端内部に赤外線受光素子700が配置され、外部からガスの導入が可能な筐体800とを備え、赤外線発光素子600から得られる赤外光が、ガスの導入された前記筐体800中を通って前記赤外線受光素子700で検出されるように構成されている。
つまり、本発明のガスセンサは、2つの波長を発光する赤外線発光素子600と赤外線受光素子700、ガス導入機構810を備えた筐体800によって構成されている。赤外線発光素子600から得られる赤外光は、ガスの導入された筐体800中を通って赤外線受光素子700で検出される。赤外線発光素子600から得られる2つの波長の光のうち1つは、対象とするガスによる吸収がないものになるように第1の半導体発光層を設計し、リファレンス光として利用する。もう一方の光は対象とするガスにより吸収されるものになるように第2の半導体発光層を設計し、検出される信号の大きさによって、対象ガスの濃度がどの程度かを知ることができる。従来のガスセンサでは1つの光源と、それぞれ異なる波長帯域の赤外線を透過する光学フィルタを適用した2つの赤外線受光素子を用いなければガスセンサとして機能しなかったが、本発明のガスセンサによれば、1つの赤外線発光素子と、1つの赤外線受光素子のみ(光学フィルタ不要)で対象ガスの濃度を測定することが可能になる。すなわち、第1の半導体発光層を発光させたときに得られる赤外線受光素子の出力と、第2の半導体発光層を発光させたときに得られる赤外線受光素子の出力の差または比に基づいて、対象ガスの濃度を測定することが可能になる。
1,2,3,4 赤外線発光素子
100 半導体基板
200 半導体積層部
210 第1の第1導電型半導体層
220 第1の半導体発光層
230 第2導電型半導体層
231 積層反射構造
240 第2の半導体発光層
250 第2の第1導電型半導体層
310 第1の電極
320 第2の電極
330 第3の電極
340 電極
340a 開口部
400 絶縁層
510 第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層
520 第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層
530 第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層
540 第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層
600 赤外線発光素子
700 赤外線受光素子
800 筐体
810 ガス導入機構

Claims (5)

  1. 2波長以上の赤外線を発光することが可能な赤外線発光素子において、
    半導体基板と、該半導体基板上に設けられた第1の第1導電型半導体層と、該第1の第1導電型半導体層上に設けられた第1の半導体発光層と、該第1の半導体発光層上に設けられた第2導電型半導体層と、該第2導電型半導体層上に設けられた第2の半導体発光層と、該第2の半導体発光層上に設けられた第2の第1導電型半導体層とが順次積層されてなる半導体積層部と、
    該半導体積層部を覆う絶縁層と、
    前記第1の第1導電型半導体層上に接続して設けられた第1の電極と、
    前記第2導電型半導体層上に接続して設けられた第2の電極と、
    前記第2の第1導電型半導体層上に接続して設けられた第3の電極と、
    前記第2導電型半導体層の層内に、屈折率の異なる材料が交互に積層された積層反射構造を備えていることを特徴とする赤外線発光素子。
  2. 前記第1の第1導電型半導体層と前記第1の半導体発光層との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設け、
    前記第1の半導体発光層と前記第2導電型半導体層との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設け、
    前記第2導電型半導体層と前記第2の半導体発光層との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設け、
    前記第2の半導体発光層と前記第2の第1導電型半導体層との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設けていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線発光素子。
  3. 前記第3の電極が、前記絶縁層で覆われた開口部を有する電極であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線発光素子。
  4. 前記第1の第1導電型半導体層と前記第1の半導体発光層との間に、第1の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設け、
    前記第1の半導体発光層と前記第2導電型半導体層との間に、第1の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設け、
    前記第2導電型半導体層と前記第2の半導体発光層との間に、第2の第2導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設け、
    前記第2の半導体発光層と前記第2の第1導電型半導体層との間に、第2の第1導電型のワイドバンドギャップ半導体層を設けていることを特徴とする請求項3に記載の赤外線発光素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の赤外線発光素子と、該赤外線発光素子が一端内部に配置され、多端内部に赤外線受光素子が配置され、外部からガスの導入が可能な筐体とを備え、前記赤外線発光素子から得られる赤外光が、前記ガスの導入された前記筐体中を通って前記赤外線受光素子で検出されることを特徴とするガスセンサ。
JP2013051919A 2013-03-14 2013-03-14 赤外線発光素子及びガスセンサ Pending JP2014179427A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051919A JP2014179427A (ja) 2013-03-14 2013-03-14 赤外線発光素子及びガスセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051919A JP2014179427A (ja) 2013-03-14 2013-03-14 赤外線発光素子及びガスセンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014179427A true JP2014179427A (ja) 2014-09-25

Family

ID=51699106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013051919A Pending JP2014179427A (ja) 2013-03-14 2013-03-14 赤外線発光素子及びガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014179427A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016152259A (ja) * 2015-02-16 2016-08-22 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線発光素子及び赤外線発光素子の製造方法
JP2017028287A (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 晶元光電股▲ふん▼有限公司 発光装置及びその製造方法
JP2019046900A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線発光素子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016152259A (ja) * 2015-02-16 2016-08-22 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線発光素子及び赤外線発光素子の製造方法
JP2017028287A (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 晶元光電股▲ふん▼有限公司 発光装置及びその製造方法
JP2019046900A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線発光素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10082464B2 (en) Gas sensor
JP5427531B2 (ja) 光検出素子、光検出装置及び赤外線検出素子、赤外線検出装置
JP3825358B2 (ja) シリコン光素子及びこれを適用した発光ディバイス装置
US8399945B2 (en) Semiconductor light receiving element
JP6487284B2 (ja) 赤外線センサ素子及びその製造方法
JP2012151452A (ja) 裏面に設けられた金属テクスチャリングによって最適化された光検出器
CN104078520B (zh) 一种具有窄带光谱响应的电子输运可见光光电探测器
JPS62115786A (ja) 光デバイス
US20160005921A1 (en) Bi-directional dual-color light emitting device and systems for use thereof
CN105283964A (zh) 高速光探测器
JP2014003083A (ja) フォトダイオードアレイ
JP4856031B2 (ja) アバランシェフォトダイオード
US9046410B2 (en) Light receiving device
JP2014179427A (ja) 赤外線発光素子及びガスセンサ
Elbar et al. Design and Simulation of InGaN/GaN p–i–n Photodiodes
JP2004104085A (ja) アバランシェフォトトランジスタ
CN102306667B (zh) 一种波长上转换半导体结构及其光探测方法
JP6208513B2 (ja) 受発光装置
Remennyi et al. Low voltage episide down bonded mid-IR diode optopairs for gas sensing in the 3.3–4.3 μm spectral range
JP2015088602A (ja) 半導体光デバイス
US20160284931A1 (en) Light emitting semiconductor component including an absorptive layer
JP2015133386A (ja) 発光素子
RU2488916C1 (ru) Полупроводниковый приемник инфракрасного излучения
CN101894876B (zh) 量子级联探测器结构
JP2022171687A (ja) 光デバイス及び光学式濃度測定装置