この発明は、コピー機、プリンタなどの電子写真式の画像形成装置において用いられ、感光体ドラム表面の静電潜像に現像剤を付着させて可視像化するための現像装置と、この現像装置を用いた画像形成装置とに関する。
従来、現像装置としては、トナーおよびキャリアが含まれる現像剤を収容する現像槽と、この現像槽の内部で感光体ドラムに対向するように配置され、外周面に現像剤を担持し、現像槽の現像剤に含まれるトナーを感光体ドラムへ供給する現像ローラと、この現像ローラの外周面に対して所定間隙をおいて対向状に配置され、現像ローラの外周面に担持された現像剤の層厚を規制する円柱状の層厚規制部材とを備えたものが知られている。
この種の円柱状の層厚規制部材を備えた現像装置における現像槽は一般に、樹脂成型部品であり、その現像槽端壁の一部に円柱状の層厚規制部材が取り付けられる。このため、現像槽の成型寸法のばらつきにより、円柱状の層厚規制部材の上記所定間隙がばらつくことがある。その場合に、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って均一濃度の画像を安定して得るようにすることは、現像ローラの外周面との間隙の微調整をすることが比較的容易な板状の層厚規制部材を備える現像装置に比べて困難である。
そこで、現像ローラにおける現像剤層の厚さを軸線方向に均等化するために、例えば特許文献1に記載されたものが提案された。
特許文献1に記載された現像装置は、現像ローラの回転方向における現像領域の上流側に、現像ローラと接触するように支持され、外周面に周方向へ延びる溝を軸線方向にほぼ等間隔で多数有する層厚規制ローラが設けられたものである。
しかしながら、特許文献1に記載された現像装置にあっても、現像ローラや層厚規制ローラの取り付け誤差や振れの影響を完全になくすことができず、安定した画像を得ることが困難になる場合があった。
この発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、簡単な構造でありながら、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るようにすることのできる現像装置と、この現像装置を用いた良好な画像形成を行うことのできる画像形成装置とを提供することを目的とする。
この発明の第1の観点によれば、現像剤を収容する現像槽と、この現像槽の内部で感光体ドラムに対向するように配置され、外周面に現像剤を担持し、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラムの表面へ供給する現像ローラと、この現像ローラの外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で前記現像槽に固定支持され、前記現像ローラの外周面に担持された現像剤の層厚を規制する円柱状の層厚規制部材とを備えてなり、前記層厚規制部材は、前記現像ローラの軸線に沿って設けられて前記層厚を規制する本体部と、この本体部よりも小径であって、前記本体部の一方端部において前記本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて前記本体部を前記一方端部側で支持する第1支持部と、前記本体部よりも小径であるかあるいは前記本体部と同一径であって、前記本体部の他方端部において前記本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて前記本体部を前記他方端部側で支持する第2支持部とを有し、前記層厚規制部材の前記第1支持部は、その中心軸が前記本体部の中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられ、それによって、前記層厚規制部材を前記現像槽に固定支持するのに先立ち、前記第1支持部および前記第2支持部で一時的に支持された前記本体部を適宜回転させて前記所定間隙を得ることを特徴とする現像装置が提供される。
この発明の第2の観点によれば、第1の観点に係る現像装置が組み込まれてなることを特徴とする画像形成装置が提供される。
この発明の第1の観点に係る現像装置は、円柱状の層厚規制部材が、現像ローラの外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽に固定支持され、現像ローラの外周面に担持された現像剤の層厚を規制する。層厚規制部材は、現像ローラの軸線に沿って設けられて層厚を規制する本体部と、この本体部よりも小径であって、本体部の一方端部において本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部を一方端部側で支持する第1支持部と、本体部よりも小径であるかあるいは前記本体部と同一径であって、本体部の他方端部において本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部を他方端部側で支持する第2支持部とを有している。
層厚規制部材の第1支持部は、その中心軸が本体部の中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられている。そして、層厚規制部材を現像槽に固定支持するのに先立ち、第1支持部および第2支持部で一時的に支持された本体部を適宜回転させ、一定箇所における、層厚規制部材の本体部と現像ローラの外周面との隙間をその都度、隙間ゲージなどの隙間測定器で測定することで、所定間隙、つまり、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。従って、この発明の現像装置によれば、層厚規制部材が現像ローラの外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で前記現像槽に固定支持されることで、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得ることが可能になる。
この発明の第2の観点に係る画像形成装置は、組み込まれた現像装置が第1の観点に係る現像装置である。そして、第1の観点に係る現像装置では、上記のように、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得ることが可能になる。従って、この発明の第2の観点に係る画像形成装置によれば、第1の観点に係る現像装置を用いた良好な画像形成を行うことが可能になる。
次に、第1の観点に係る現像装置および第2の観点に係る画像形成装置の好ましい態様について説明する。
(1)第1の観点に係る現像装置の層厚規制部材の本体部は、その全長にわたって同一の外径を有するように形成されていてもよい。層厚規制部材の本体部が円柱状であって、その本体部が全長にわたって同一の外径を有するように形成されている場合には、全長にわたって同一の外径になるようにする本体部の成形加工が容易である。また、層厚規制部材を現像槽に固定支持するのに先立ち、第1支持部および第2支持部で一時的に支持された本体部を適宜回転させて、一定箇所における、本体部と現像ローラの外周面との隙間を測定する作業を容易に行うことができる。
(2)層厚規制部材の本体部は、その一方端部から他方端部へ向かって先細になる円錐状テーパを付けて形成されていてもよい。本体部がこのように円錐状テーパを付けて形成されている場合には、本体部がその一方端部から他方端部へ向かって先細になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されて場合に比べて、本体部と現像ローラの外周面との隙間を本体部の全長にわたって微調整することが可能になる。ここで、円錐状テーパは、正円錐台が形成される正円錐状テーパであってもよく、また、斜円錐台が形成される斜円錐状テーパであってもよい。
(3)層厚規制部材の本体部は、その外周面に、長手方向へ全長にわたって延びる、平面形状が長方形の平坦面部分を有していてもよい。このような平坦面部分を有する本体部は、その横断面の形状がD字状である。本体部が、その外周面に、長手方向へ全長にわたって延びる、平面形状が長方形の平坦面部分を有している場合には、本体部がその全長にわたってD字状横断面になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されて場合に比べて、本体部と現像ローラの外周面との隙間を本体部の全長にわたって微調整することが可能になる。
(4)層厚規制部材の第1支持部は、その中心軸が本体部の中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられている。この明細書および特許請求の範囲において、偏心率とは、第1支持部の中心軸が本体部の中心軸からどれだけ偏っているかを表すための割合をいう。例えば偏心率が5/100であるとは、本体部の外径を100長さ単位としたときに、第1支持部の中心軸が本体部の中心軸から5長さ単位だけ偏っていることをいう。この偏心率は、2/100〜10/100の範囲にあるのが好ましい。偏心率が2/100に満たないときには、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るという上記効果が顕著に現れず、一方、偏心率が10/100を超えると、本体部と現像ローラの外周面との隙間を測定する上記作業を容易に行うことができなくなるからである。
(5)第2の観点に係る画像形成装置は、第1の観点に係る現像装置の上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の構成が組み込まれていてもよい。このような構成の現像装置が組み込まれている場合には、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得ることができるので、第2の観点に係る画像形成装置によれば、良好な画像形成を行うことが可能になる。
この発明の実施の形態1に係る現像装置が組み込まれた画像形成装置の全体構成説明図である。
図1の画像形成装置を構成するトナー補給装置の概略構成を示す横断面図である。
図2のD−D断面矢視図である。
実施の形態1に係る現像装置の概略構成を示す横断面図である。
図4のA−A断面矢視図である。
図4のB−B断面矢視図である。
図5のC−C断面矢視図である。
実施の形態1に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の正面構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の端部構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の層厚規制部材の固定支持前の構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の層厚規制部材の固定支持後の構成を説明する構成説明図である。
この発明の実施の形態3に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
この発明の実施の形態4に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
実施の形態4に係る現像装置の端部構成を説明する構成説明図である。
以下、この発明の実施の形態1〜4について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図1は、この発明の実施の形態1に係る現像装置が組み込まれた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。図1において、100は電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置である。
画像形成装置100は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、現像装置2にトナーを補給するトナー補給装置22と、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備えてなる。画像形成装置100は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙、記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100の上方部にはスキャナなどが備わっていてもよい。
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。画像形成装置100は、図1に示すように、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。従って、画像形成装置100においては、図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
なお、上記a〜dの符号は、aが黒画像形成用の部材、bがシアン画像形成用の部材、cがマゼンタ画像形成用の部材、dがイエロー画像形成用の部材であることを示すものである。また、画像形成装置100には、露光ユニット1、定着ユニット12、シート搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15が備えられている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。帯電器5としては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
露光ユニット1は、図1に示すように、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3に形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーにより顕像化する(現像する)ものである。現像装置2(2a,2b,2c,2d)の上部には、トナー移送機構102(102a,102b,102c,102d)、トナー補給装置22(22a,22b,22c,22d)、現像槽(現像剤収容部)111(111a,111b,111c,111d)を備えている。
トナー補給装置22は、現像槽111よりも上方に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22から現像槽111へトナー移送機構102を介してトナーが供給されるようになっている。
クリーナユニット4は、現像および画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタンなど)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。
この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属などの硬質材料から形成され、他方は弾性ローラなどの軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラなど)から形成される。
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、および中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部および露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシートおよび手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)などが配置されている。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
定着ユニット12は、ヒートローラ81および加圧ローラ82などを備え、これらヒートローラ81および加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融、混合、圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、図1に示すように、上述したように予めシートを収納する給紙トレイ10、および少数枚の印字を行う場合などに使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両トレイには各々ピックアップローラ16(16a,16b)が配置され、これらピックアップローラ16によってシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給するようになっている。
片面印字の場合は、給紙トレイ10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
また、手差しトレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
次に、トナー補給装置22の構成について具体的に説明する。図2はトナー補給装置の概略構成を示す横断面図、図3は図2のD−D断面矢視図である。
トナー補給装置22は、図2および図3に示すように、トナー収容容器121、トナー攪拌部材125、トナー排出部材122およびトナー排出口123を含む。トナー補給装置22は、現像槽111の上側に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22内のトナーはトナー排出部材(排出スクリュー)122を回転させることによって、トナー排出口123からトナー移送機構102を介して現像槽111へ供給されるようになっている。
トナー収容容器121は、内部空間を有するほぼ半円筒状の容器部材であり、トナー攪拌部材125、トナー排出部材122を回転自在に支持し、トナーを収容する。トナー排出口123は、トナー排出部材122の下部、軸方向中央部よりに設けられる略長方形の開口部であり、トナー移送機構102を臨む位置に配置される。
トナー攪拌部材125は、回転軸125aを中心に回転することにより、トナー収容容器121内に収容されるトナーを攪拌しながら、トナー収容容器121内のトナーを汲み上げてトナー排出部材122へ搬送する板状の部材で、先端にトナー汲み上げ部材125bを備える。トナー汲み上げ部材125bは、可撓性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)シートからなり、トナー攪拌部材125の両端に取付けられる。
トナー排出部材122は、トナー収容容器121内のトナーをトナー排出口123から現像槽111に供給するもので、図3に示すように、トナー搬送羽根122aとトナー排出部材回転軸122bとを含むスクリューオーガ、並びにトナー排出部材回転ギア122cで構成されている。トナー排出部材122は、図示しないトナー排出部材駆動モータによって回転駆動されるようになっている。スクリューオーガの向きは、トナー排出部材122の軸方向両端からトナー排出口123側に向けて、トナーが搬送されるように設定されている。
トナー排出部材122とトナー攪拌部材125との間には、トナー排出部材隔壁124が設けられる。これによって、トナー攪拌部材125によって汲み上げられたトナーがトナー排出部材122の周辺に適量のトナーを保持できる。
トナー攪拌部材125は、図2に示すように、矢印Z方向に回転してトナーを攪拌し、トナー排出部材122の方へ汲み上げる。このとき、トナー汲み上げ部材125bは、その可撓性によって、トナー収容容器121の内壁に沿って摺動して変形しつつ回転し、トナーをトナー排出部材122側に供給する。そして、トナー排出部材122が回転することにより、供給されたトナーをトナー排出口123へと導くようになっている。
図4は実施の形態1に係る現像装置の概略構成を示す横断面図、図5は図4のA−A断面矢視図、図6は図4のB−B断面矢視図、図7は図5のC−C断面矢視図である。
まず、実施の形態1に係る特徴的な現像装置2について図面を参照して説明する。現像装置2は、図4に示すように、現像槽111内に、感光体ドラム3と対向するよう配置された現像ローラ(現像剤担持部材)114を有し、現像ローラ114によって感光体ドラム3の表面にトナーを供給して、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像を顕像化する(現像する)装置である。
現像装置2は、図4〜図7に示すように、現像ローラ114の他に、現像槽111、現像槽カバー115、トナー補給口115a、ドクター部材116、第1搬送部材112、第2搬送部材113、仕切り板(仕切り壁)117、トナー補給検知センサ119を備えている。
現像槽111は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、単に「現像剤」と称する)を収容する槽である。また、現像槽111には、現像ローラ114、第1搬送部材112、第2搬送部材113などが配設されている。なお、ここでのキャリアは、磁性を有する磁性キャリアである。
現像槽111の上側には、図4および図6に示すように、取り外し可能な現像槽カバー115が設けられている。さらに、現像槽カバー115には、現像槽111内に未使用のトナーを補給するためのトナー補給口115aが形成されている。
現像槽111には、第1搬送部材112と第2搬送部材113との間に仕切り板117が配設されている。仕切り板117は、第1搬送部材112および第2搬送部材113の各軸方向(各回転軸方向)に平行に延設されている。現像槽111の内部は、仕切り板117によって、第1搬送部材112が配されている第1搬送路Pと、第2搬送部材113が配されている第2搬送路Qとに区画される。
仕切り板117は、第1搬送部材112および第2搬送部材113の各軸方向の両端部において、現像槽111の内側の壁面から離間して配置されている。これにより、現像槽111には、第1搬送部材112および第2搬送部材113の各軸方向の両端部付近において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する連通路が形成されている。
以下では、図5に示されるように、矢印X方向側に形成されている連通路を第1連通路a、矢印Y方向側に形成されている連通路を第2連通路bと称する。
第1搬送部材112および第2搬送部材113は、互いの周面どうしが仕切り板117を介して対向するようにかつ互いの軸どうしが平行になるように並列され、互いに逆方向に回転するように設定されている。そして、第1搬送部材112は、図5に示すように、矢印X方向に2成分現像剤を搬送し、第2搬送部材113は、矢印X方向とは逆の矢印Y方向に現像剤を搬送するように設定されている。
第1搬送部材112は、図5に示すように、螺旋状の第1搬送羽根112aと第1回転軸112bからなるスクリューオーガと、ギア112cにより構成されている。第2搬送部材113は、図5に示すように、螺旋状の第2搬送羽根113aと第2回転軸113bからなるスクリューオーガと、ギア112cにより構成されている。第1搬送部材112および第2搬送部材113は、モータなどの駆動手段(図示せず)によって回転駆動することにより現像剤を攪拌するとともに搬送するようになっている。
現像ローラ114は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動するマグネットローラであり、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持し、表面に担持している現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム3に供給するものである。
現像ローラ114で搬送される現像剤は、最近接部分で感光体ドラム3と接触する。この接触領域が現像ニップ部Nであり、現像ニップ部Nでは、現像ローラ114に接続される図示しない電源から現像ローラ114に対して現像バイアス電圧が印加され、現像ローラ114表面の現像剤から感光体ドラム3表面の静電潜像へトナーが供給される。
図4および図8に示すように、現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクター部材(層厚規制部材)116が配されている。ドクター部材116は、現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111に固定支持され、現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する。ドクター部材116の材料としては、ステンレス鋼を使用することができるが、アルミニウムや合成樹脂なども使用することができる。
ドクター部材116は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部116aと、この本体部116aよりも小径であって、本体部116aの一方端部において本体部116aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部116aを一方端部側で支持する第1支持部116bと、本体部116aよりも小径であって、本体部116aの他方端部において本体部116aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部116aを他方端部側で支持する第2支持部116cとを有している。本体部116aは、その全長にわたって同一の外径を有するように形成されている。ドクター部材116の第1支持部116bおよび第2支持部116cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁および他方端壁に固定支持されている。
ドクター部材116の第1支持部116bは、その中心軸が本体部116aの中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられている。ここで、所定の偏心率とは、第1支持部116bの中心軸が本体部116aの中心軸から偏っている度合いが所定の数値であることをいう。そして、第1支持部116bの中心軸が本体部116aの中心軸から所定の偏心率で偏っていることによって、ドクター部材116を現像槽111に固定支持するのに先立ち、第1支持部116bおよび第2支持部116cで一時的に支持された本体部116aを適宜回転させて所定間隙、つまり、現像ローラ114の軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。
トナー補給検知センサ119は、図4および図6に示すように、トナー補給口115a付近で、その下方の現像剤搬送方向(矢印X方向)下流側で、第1搬送部材112の鉛直方向下側の現像槽111の底面、すなわち、第1搬送路Pの底面に装着され、センサ面が現像槽111の内部に露出するように設けられている。また、トナー補給検知センサ119は、図示しないトナー濃度制御手段に電気的に接続される。トナー補給検知センサ119には一般的なトナー補給検知センサを使用でき、例えば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどが挙げられる。これらの中でも、透磁率検知センサが好ましい。
透磁率検知センサには図示しない電源が接続される。電源は、透磁率検知センサを駆動させるための駆動電圧およびトナー濃度の検知結果を制御手段に出力するための制御電圧を透磁率検知センサに印加する。電源による透磁率検知センサへの電圧の印加は、制御手段によって制御される。
透磁率検知センサは、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサであり、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧を印加して用いられる。このような型式の透磁率検知センサは市販されており、例えば、TS−L、TS−A、TS−K(いずれも商品名、TDK(株)社製)などが挙げられる。
次に、図2〜図7を参照しながら、現像装置2の現像槽111における現像剤の搬送について説明する。トナー補給装置22に収容されているトナーは、トナー移送機構102およびトナー補給口115aを介して現像槽111内に移送され、これにより現像槽111にトナーが補給される。
現像槽111において、第1搬送部材112および第2搬送部材113は、モータなどの駆動手段(図示せず)によって回転駆動され、現像剤を搬送する。具体的には、第1搬送路Pにおいて、現像剤は、第1搬送部材112によって攪拌されながら矢印X方向へ搬送され、第1連通路aに到達する。第1連通路aに到達した現像剤は、第1連通路aを通過して第2搬送路Qへ搬送される。
一方、第2搬送路Qにおいて、現像剤は、第2搬送部材113によって、攪拌されながら矢印Y方向へ搬送され、第2連通路bに到達する。そして、第2連通路bに到達した現像剤は、第2連通路bを通過して第1搬送路Pへ搬送される。つまり、第1搬送部材112と第2搬送部材113とは、互いに逆方向に現像剤を攪拌しながら搬送している。
このようにして、現像剤は、現像槽111において、第1搬送路Pと第1連通路aと第2搬送路Qと第2連通路bとを、第1搬送路P→第1連通路a→第2搬送路Q→第2連通路b、という順序にて循環移動していることになる。そして、現像剤は、第2搬送路Qにおいて搬送されている間に、現像ローラ114の回転によってその表面(外周面)に汲み上げられて担持され、担持された現像剤中のトナーが感光体ドラム3へと移動して、順次消費されていく。
このように消費されるトナーを補うべく、未使用のトナーがトナー補給口115aから第1搬送路Pへ補給される。補給されたトナーは第1搬送路Pにおいて従前より存在する現像剤と混合攪拌される。
図8において、現像ローラ114の回転によってその外周面に汲み上げられて層状に担持された現像剤の層厚は、ドクター部材116の本体部116aによって規制される。ここで、ドクター部材116は、本体部116aの長さが220mm、本体部116aの直径が5mm、第1支持部116bの長さが3mm、第1支持部116bの直径が2mm、第2支持部116cの長さが3mm、第2支持部116cの直径が2.5mmになるように成形されている。また、第1支持部116bは、その中心軸が本体部116aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち3/100で偏心した状態に設けられている。
そして、ドクター部材116は、上記のように、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111の両端壁に固定支持されるが、第1支持部116bの中心軸が本体部116aの中心軸に対して偏心率3/100で偏心した状態に設けられている。従って、その固定支持に先立ち、第1支持部116bおよび第2支持部116cで一時的に支持された本体部116aを適宜回転させて、一定箇所における、ドクター部材116の本体部116aと現像ローラ114の外周面との隙間をその都度、隙間ゲージなどの隙間測定器で測定することで、上記所定間隙を得ることが可能になる。
実施の形態2
図9は、この発明の実施の形態2に係る現像装置の正面構成を説明する構成説明図である。図10は、その現像装置の端部構成を説明する構成説明図である。
図9および図10において、実施の形態2に係る現像装置2は現像ローラ114とドクター部材216とを備えてなる。現像ローラ114は上記実施の形態1の現像装置2におけるものと同一である。
現像ローラ114は、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持する本体部114aと、本体部114aの一方端部に設けられ、本体部114aを現像槽111の一方端壁111bに取り付けられたホルダ150に固定するローラ固定軸114bと、本体部114aの他方端部に設けられ、現像槽111の他方端壁111cに取り付けられた軸受151で支持された本体部114aを回転駆動するローラ駆動軸114cとを備えている。
ドクター部材(層厚規制部材)216は、現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111の端壁111b、111cに固定支持され、現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する。
すなわち、ドクター部材216は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の本体部114aの外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部216aと、この本体部216aよりも小径であって、本体部216aの一方端部において本体部216aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部216aを一方端部側で支持する第1支持部216bと、本体部216aと同一径であって、本体部216aの他方端部において本体部216aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部216aを他方端部側で支持する第2支持部216cとを有している。ドクター部材216の第1支持部216bおよび第2支持部216cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁111bおよび他方端壁111cに固定支持されている。
図9および図10において、現像ローラ114の回転によってその本体部114aの外周面に汲み上げられて層状に担持された現像剤の層厚は、ドクター部材216の本体部216aによって規制される。ここで、ドクター部材216は、本体部216aの長さが240mm、本体部216aの直径が5.0mm、第1支持部216bの長さが30mm、第1支持部216bの直径が3.0mm、第2支持部216cの長さが30mm、第2支持部116cの直径が5.0mmになるように成形されている。また、第1支持部216bは、その中心軸が本体部216aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち5/100で偏心した状態に設けられている。
このドクター部材216は、上記のように、現像ローラ114に対向しかつその本体部114aの外周面とドクター部材216の本体部216aとの間に所定間隙をおいた状態で現像槽111の両端壁111b、111cに固定支持されるが、第1支持部216bの中心軸が本体部216aの中心軸に対して偏心率5/100で偏心した状態に設けられている。
従って、ドクター部材216の上記固定支持に先立ち、第1支持部216bおよび第2支持部216cで一時的に支持された本体部216aを適宜回転させる(図11の矢印を参照)。そして、一定箇所における、ドクター部材216の本体部216aと現像ローラ114の本体部114aの外周面との隙間をその都度、隙間ゲージなどの隙間測定器で測定することで、上記所定間隙を得ることが可能になる(図12を参照)。
実施の形態3
図13は、この発明の実施の形態3に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
図13に示すように、現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクター部材(層厚規制部材)316が配されている。ドクター部材316は現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111に固定支持され、現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する。
ドクター部材316は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部316aと、この本体部316aよりも小径であって、本体部116aの一方端部において本体部316aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部316aを一方端部側で支持する第1支持部316bと、本体部316aよりも小径であって、本体部316aの他方端部において本体部316aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部316aを他方端部側で支持する第2支持部316cとを有している。
本体部316aは、一方端部から他方端部へ向かって先細になる円錐状テーパを付けて形成されている。ここでの円錐状テーパは、一方端部における本体部316aの外径を100長さ単位としたときに、他方端部における本体部316aの外径が97長さ単位になるようなものである。ドクター部材116の第1支持部116bおよび第2支持部116cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁および他方端壁に固定支持されている。
ドクター部材316の第1支持部316bは、その中心軸が本体部316aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち4/100で偏心した状態に設けられている。ここで、所定の偏心率が4/100であるとは、第1支持部316bの中心軸が本体部316aの中心軸から4%偏っていることをいう。
そして、第1支持部316bの中心軸が本体部316aの中心軸から所定の偏心率4/100で偏っていることによって、ドクター部材316を現像槽111に固定支持するのに先立ち、第1支持部316bおよび第2支持部316cで一時的に支持された本体部316aを適宜回転させて所定間隙、つまり、現像ローラ114の軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。
さらに、本体部316aがその一方端部から他方端部へ向かって先細になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されて場合に比べて、本体部316aと現像ローラ114の外周面との隙間を本体部316aの全長にわたって微調整することが可能になる。
実施の形態4
図14は、この発明の実施の形態4に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
図14に示すように、現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクター部材(層厚規制部材)416が配されている。ドクター部材416は現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111に固定支持され、現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する。
ドクター部材416は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部416aと、この本体部416aよりも小径であって、本体部416aの一方端部において本体部416aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部416aを一方端部側で支持する第1支持部416bと、本体部416aよりも小径であって、本体部416aの他方端部において本体部416aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部416aを他方端部側で支持する第2支持部416cとを有している。
本体部416aは、その外周面に、長手方向へ全長にわたって延びる、平面形状が長方形の平坦面部分416dを有している。ここでの平坦面部分416dは、外径が5mmの本体部316aの外周面をその全長にわたって厚さ0.1mmだけ切除する加工処理によって設けられている。このような平坦面部分416dを有する本体部416aは、図15に示すように、その横断面形状が全長にわたってD字状である。
ドクター部材416の第1支持部416bおよび第2支持部416cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁および他方端壁に固定支持されている。また、ドクター部材416の第1支持部416bは、その中心軸が本体部416aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち6/100で偏心した状態に設けられている。ここで、所定の偏心率が6/100であるとは、第1支持部316bの中心軸が本体部316aの中心軸から6%偏っていることをいう。
そして、第1支持部416bの中心軸が本体部416aの中心軸から所定の偏心率6/100で偏っていることによって、ドクター部材416を現像槽111に固定支持するのに先立ち、第1支持部416bおよび第2支持部416cで一時的に支持された本体部416aを適宜回転させて所定間隙、つまり、現像ローラ114の軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。
さらに、本体部416aがその全長にわたって平坦面部分416dを有しており、それによって本体部416aがD字状横断面形状になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されて場合に比べて、本体部416aと現像ローラ114の外周面との隙間を本体部416aの全長にわたって微調整することが可能になる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちのいずれかを組み合わせたものも含まれる。
上述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきではない。この発明には、特許請求の範囲と均等の意味での、また上記範囲内でのすべての変形が含まれるべきである。
2:現像装置
3:感光体ドラム
100:画像形成装置
111:現像槽
114:現像ローラ
116:ドクター部材(層厚規制部材)
116a:本体部
116b:第1支持部
116c:第2支持部
216:ドクター部材(層厚規制部材)
216a:本体部
216b:第1支持部
216c:第2支持部
316:ドクター部材(層厚規制部材)
316a:本体部
316b:第1支持部
316c:第2支持部
416:ドクター部材(層厚規制部材)
416a:本体部
416b:第1支持部
416c:第2支持部
416d:平坦面部分
この発明は、コピー機、プリンタなどの電子写真式の画像形成装置において用いられ、感光体ドラム表面の静電潜像に現像剤を付着させて可視像化するための現像装置と、この現像装置を用いた画像形成装置とに関する。
従来、現像装置としては、トナーおよびキャリアが含まれる現像剤を収容する現像槽と、この現像槽の内部で感光体ドラムに対向するように配置され、外周面に現像剤を担持し、現像槽の現像剤に含まれるトナーを感光体ドラムへ供給する現像ローラと、この現像ローラの外周面に対して所定間隙をおいて対向状に配置され、現像ローラの外周面に担持された現像剤の層厚を規制する円柱状の層厚規制部材とを備えたものが知られている。
この種の円柱状の層厚規制部材を備えた現像装置における現像槽は一般に、樹脂成型部品であり、その現像槽端壁の一部に円柱状の層厚規制部材が取り付けられる。このため、現像槽の成型寸法のばらつきにより、円柱状の層厚規制部材の上記所定間隙がばらつくことがある。その場合に、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って均一濃度の画像を安定して得るようにすることは、現像ローラの外周面との間隙の微調整をすることが比較的容易な板状の層厚規制部材を備える現像装置に比べて困難である。
そこで、現像ローラにおける現像剤層の厚さを軸線方向に均等化するために、例えば特許文献1に記載されたものが提案された。
特許文献1に記載された現像装置は、現像ローラの回転方向における現像領域の上流側に、現像ローラと接触するように支持され、外周面に周方向へ延びる溝を軸線方向にほぼ等間隔で多数有する層厚規制ローラが設けられたものである。
しかしながら、特許文献1に記載された現像装置にあっても、現像ローラや層厚規制ローラの取り付け誤差や振れ(ブレ)の影響を完全になくすことができず、安定した画像を得ることが困難になる場合があった。
この発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、簡単な構造でありながら、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るようにすることのできる現像装置と、この現像装置を用いた良好な画像形成を行うことのできる画像形成装置とを提供することを目的とする。
この発明の第1の観点によれば、現像剤を収容する現像槽と、この現像槽の内部で感光体ドラムに対向するように配置され、外周面に現像剤を担持し、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラムの表面へ供給する現像ローラと、この現像ローラの外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で前記現像槽に固定支持され、前記現像ローラの外周面に層状に担持された現像剤の層厚を規制する円柱状の層厚規制部材とを備えてなり、前記層厚規制部材は、前記現像ローラの軸線に沿って設けられて前記層厚を規制する本体部と、この本体部よりも小径であって、前記本体部の一方端部において前記本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて前記本体部を前記一方端部側で支持する第1支持部と、前記本体部よりも小径であるかあるいは前記本体部と同一径であって、前記本体部の他方端部において前記本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて前記本体部を前記他方端部側で支持する第2支持部とを有し、前記層厚規制部材の前記第1支持部は、その中心軸が前記本体部の中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられ、それによって、前記層厚規制部材を前記現像槽に固定支持するのに先立ち、前記第1支持部および前記第2支持部で一時的に支持された前記本体部を適宜回転させて前記所定間隙を得ることを特徴とする現像装置が提供される。
この発明の第2の観点によれば、第1の観点に係る現像装置が組み込まれてなることを特徴とする画像形成装置が提供される。
この発明の第1の観点に係る現像装置は、円柱状の層厚規制部材が、現像ローラの外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽に固定支持され、現像ローラの外周面に層状に担持された現像剤の層厚を規制する。層厚規制部材は、現像ローラの軸線に沿って設けられて層厚を規制する本体部と、この本体部よりも小径であって、本体部の一方端部において本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部を一方端部側で支持する第1支持部と、本体部よりも小径であるかあるいは前記本体部と同一径であって、本体部の他方端部において本体部に対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部を他方端部側で支持する第2支持部とを有している。
層厚規制部材の第1支持部は、その中心軸が本体部の中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられている。そして、層厚規制部材を現像槽に固定支持するのに先立ち、第1支持部および第2支持部で一時的に支持された本体部を適宜回転させ、一定箇所における、層厚規制部材の本体部と現像ローラの外周面との隙間をその都度、隙間ゲージなどの隙間測定器で測定する。その結果、所定間隙、つまり、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。従って、この発明の現像装置によれば、層厚規制部材が現像ローラの外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で前記現像槽に固定支持されることで、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得ることが可能になる。
この発明の第2の観点に係る画像形成装置は、組み込まれた現像装置が第1の観点に係る現像装置である。そして、第1の観点に係る現像装置では、上記のように、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得ることが可能になる。従って、この発明の第2の観点に係る画像形成装置によれば、第1の観点に係る現像装置を用いた良好な画像形成を行うことが可能になる。
次に、第1の観点に係る現像装置および第2の観点に係る画像形成装置の好ましい態様について説明する。
(1)第1の観点に係る現像装置の層厚規制部材の本体部は、その全長にわたって同一の外径を有するように形成されていてもよい。層厚規制部材の本体部が円柱状であって、その本体部が全長にわたって同一の外径を有するように形成されている場合には、全長にわたって同一の外径になるようにする本体部の成形加工が容易である。また、層厚規制部材を現像槽に固定支持するのに先立ち、第1支持部および第2支持部で一時的に支持された本体部を適宜回転させて、一定箇所における、本体部と現像ローラの外周面との隙間を測定する作業を容易に行うことができる。
(2)層厚規制部材の本体部は、その一方端部から他方端部へ向かって先細になる円錐状テーパを付けて形成されていてもよい。本体部がこのように円錐状テーパを付けて形成されている場合には、本体部がその一方端部から他方端部へ向かって先細になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されている場合に比べて、本体部と現像ローラの外周面との隙間を本体部の全長にわたって微調整することが可能になる。ここで、円錐状テーパは、正円錐台が形成される正円錐状テーパであってもよく、また、斜円錐台が形成される斜円錐状テーパであってもよい。
(3)層厚規制部材の本体部は、その外周面に、長手方向へ全長にわたって延びる、平面形状が長方形の平坦面部分を有していてもよい。このような平坦面部分を有する本体部は、その横断面の形状がD字状である。本体部が、その外周面に、長手方向へ全長にわたって延びる、平面形状が長方形の平坦面部分を有している場合には、本体部がその全長にわたってD字状横断面になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されている場合に比べて、本体部と現像ローラの外周面との隙間を本体部の全長にわたって微調整することが可能になる。
(4)層厚規制部材の第1支持部は、その中心軸が本体部の中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられている。この明細書および特許請求の範囲において、偏心率とは、第1支持部の中心軸が本体部の中心軸からどれだけ偏っているかを表すための割合をいう。例えば偏心率が5/100であるとは、本体部の外径を100長さ単位としたときに、第1支持部の中心軸が本体部の中心軸から5長さ単位だけ偏っていることをいう。この偏心率は、2/100〜10/100の範囲にあるのが好ましい。偏心率が2/100に満たないときには、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るという上記効果が顕著に現れず、一方、偏心率が10/100を超えると、本体部と現像ローラの外周面との隙間を測定する上記作業を容易に行うことができなくなるからである。
(5)第2の観点に係る画像形成装置は、第1の観点に係る現像装置の上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の構成が組み込まれていてもよい。このような構成の現像装置が組み込まれている場合には、現像ローラの軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得ることができるので、第2の観点に係る画像形成装置によれば、良好な画像形成を行うことが可能になる。
この発明の実施の形態1に係る現像装置が組み込まれた画像形成装置の全体構成説明図である。
図1の画像形成装置を構成するトナー補給装置の概略構成を示す横断面図である。
図2のD−D断面矢視図である。
実施の形態1に係る現像装置の概略構成を示す横断面図である。
図4のA−A断面矢視図である。
図4のB−B断面矢視図である。
図5のC−C断面矢視図である。
実施の形態1に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の正面構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の端部構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の層厚規制部材の固定支持前の構成を説明する構成説明図である。
実施の形態2に係る現像装置の層厚規制部材の固定支持後の構成を説明する構成説明図である。
この発明の実施の形態3に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
この発明の実施の形態4に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
実施の形態4に係る現像装置の端部構成を説明する構成説明図である。
以下、この発明の実施の形態1〜4について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図1は、この発明の実施の形態1に係る現像装置が組み込まれた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。図1において、100は電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置である。
画像形成装置100は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、現像装置2にトナーを補給するトナー補給装置22と、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備えてなる。画像形成装置100は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙、記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100の上方部にはスキャナなどが備わっていてもよい。
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。画像形成装置100は、図1に示すように、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。従って、画像形成装置100においては、図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
なお、上記a〜dの符号は、aが黒画像形成用の部材、bがシアン画像形成用の部材、cがマゼンタ画像形成用の部材、dがイエロー画像形成用の部材であることを示すものである。また、画像形成装置100には、シート搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15、さらに手差しトレイ20が備えられている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。帯電器5としては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
露光ユニット1は、図1に示すように、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3に形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーにより顕像化する(現像する)ものである。現像装置2(2a,2b,2c,2d)は、トナー補給装置22(22a,22b,22c,22d)、トナー移送機構102(102a,102b,102c,102d)、現像槽(現像剤収容部)111(111a,111b,111c,111d)を備えている。
トナー補給装置22は、現像槽111よりも上方に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22から現像槽111へトナー移送機構102を介してトナーが供給されるようになっている。
クリーナユニット4は、現像および画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス鋼)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタンなど)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。
この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属などの硬質材料から形成され、他方は弾性ゴムまたは発泡性樹脂などの軟質材料から形成される。
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、および中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部および露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシートおよび手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)などが配置されている。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
定着ユニット12は、ヒートローラ81および加圧ローラ82などを備え、これらヒートローラ81および加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融、混合、圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、図1に示すように、上述したように予めシートを収納する給紙トレイ10、および少数枚の印字を行う場合などに使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両トレイには各々ピックアップローラ16(16a,16b)が配置され、これらピックアップローラ16によってシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給するようになっている。
片面印字の場合は、給紙トレイ10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
また、手差しトレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。このシートはその後、上述した給紙トレイ10から供給されるシートと同様の搬送動作を経て排紙トレイ15に排出される。
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
次に、トナー補給装置22の構成について具体的に説明する。図2はトナー補給装置の概略構成を示す横断面図、図3は図2のD−D断面矢視図である。
トナー補給装置22は、図2および図3に示すように、トナー収容容器121、トナー攪拌部材125、トナー排出部材122およびトナー排出口123を含む。トナー補給装置22は、現像槽111の上側に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22内のトナーはトナー排出部材(排出スクリュー)122を回転させることによって、トナー排出口123からトナー移送機構102を介して現像槽111へ供給されるようになっている。
トナー収容容器121は、内部空間を有するほぼ半円筒状の容器部材であり、トナー攪拌部材125、トナー排出部材122を回転自在に支持し、トナーを収容する。トナー排出口123は、トナー排出部材122の下部の、軸中央部寄り箇所に設けられる略長方形の開口部であり、トナー移送機構102を臨む位置に配置される。
トナー攪拌部材125は、回転軸125aを中心に回転することにより、トナー収容容器121内に収容されるトナーを攪拌しながら、トナー収容容器121内のトナーを汲み上げてトナー排出部材122へ搬送する板状の部材で、先端にトナー汲み上げ部材125bを備える。トナー汲み上げ部材125bは、可撓性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)シートからなり、トナー攪拌部材125の両端に取付けられる。
トナー排出部材122は、トナー収容容器121内のトナーをトナー排出口123から現像槽111に供給するもので、図3に示すように、トナー搬送羽根122aとトナー排出部材回転軸122bとを含むオーガスクリュー、並びにトナー排出部材回転ギア122cで構成されている。トナー排出部材122は、図示しないトナー排出部材駆動モータによって回転駆動されるようになっている。オーガスクリューの向きは、トナー排出部材122の軸両端からトナー排出口123に向けて、トナーが搬送されるように設定されている。
トナー排出部材122とトナー攪拌部材125との間には、トナー排出部材隔壁124が設けられる。これによって、トナー攪拌部材125によって汲み上げられたトナーをトナー排出部材122の周辺に適量、保持することができる。
トナー攪拌部材125は、図2に示すように、矢印Z方向に回転してトナーを攪拌し、トナー排出部材122の方へ汲み上げる。このとき、トナー汲み上げ部材125bは、その可撓性によって、トナー収容容器121の内壁に沿って摺動して変形しつつ回転し、トナーをトナー排出部材122側に供給する。そして、トナー排出部材122が回転することにより、供給されたトナーをトナー排出口123へと導くようになっている。
図4は実施の形態1に係る現像装置の概略構成を示す横断面図、図5は図4のA−A断面矢視図、図6は図4のB−B断面矢視図、図7は図5のC−C断面矢視図である。
まず、実施の形態1に係る特徴的な現像装置2について図面を参照して説明する。現像装置2は、図4に示すように、現像槽111内に、感光体ドラム3と対向するよう配置された現像ローラ(現像剤担持部材)114を有し、現像ローラ114によって感光体ドラム3の表面にトナーを供給して、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像を顕像化する(現像する)装置である。
現像装置2は、図4〜図7に示すように、現像ローラ114の他に、現像槽111、現像槽カバー115、トナー補給口115a、ドクター部材116、第1搬送部材112、第2搬送部材113、仕切り板(仕切り壁)117、トナー補給検知センサ119を備えている。
現像槽111は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、単に「現像剤」と称する)を収容する槽である。また、現像槽111には、現像ローラ114、第1搬送部材112、第2搬送部材113などが配設されている。なお、ここでのキャリアは、磁性を有する磁性キャリアである。
現像槽111の上側には、図4および図6に示すように、取り外し可能な現像槽カバー115が設けられている。さらに、現像槽カバー115には、現像槽111内に未使用のトナーを補給するためのトナー補給口115aが形成されている。
現像槽111には、第1搬送部材112と第2搬送部材113との間に仕切り板117が配設されている。仕切り板117は、第1搬送部材112および第2搬送部材113の各軸(各回転軸)に平行に延設されている。現像槽111の内部は、仕切り板117によって、第1搬送部材112が配されている第1搬送路Pと、第2搬送部材113が配されている第2搬送路Qとに区画される。
仕切り板117は、第1搬送部材112および第2搬送部材113の各軸の両端部において、現像槽111の内側の端壁面から離間して配置されている。これにより、現像槽111には、第1搬送部材112および第2搬送部材113の各軸の両端部付近において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する連通路が形成されている。
以下では、図5に示されるように、矢印X方向側に形成されている連通路を第1連通路a、矢印Y方向側に形成されている連通路を第2連通路bと称する。
第1搬送部材112および第2搬送部材113は、互いの周面どうしが仕切り板117を介して対向するようにかつ互いの軸どうしが平行になるように並列され、互いに逆方向に回転するように設定されている。そして、第1搬送部材112は、図5に示すように、矢印X方向に2成分現像剤を搬送し、第2搬送部材113は、矢印X方向とは逆の矢印Y方向に現像剤を搬送するように設定されている。
第1搬送部材112は、図5に示すように、螺旋状の第1搬送羽根112aと第1回転軸112bからなるオーガスクリューと、ギア112cにより構成されている。第2搬送部材113は、図5に示すように、螺旋状の第2搬送羽根113aと第2回転軸113bからなるオーガスクリューと、ギア113cにより構成されている。第1搬送部材112および第2搬送部材113は、モータなどの駆動手段(図示せず)によって回転駆動することにより現像剤を攪拌するとともに搬送するようになっている。
現像ローラ114は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動するマグネットローラであり、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持し、表面に担持している現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム3に供給するものである。
現像ローラ114で搬送される現像剤は、感光体ドラム3との最近接部分で感光体ドラム3と接触する。この接触領域が現像ニップ部Nであり、現像ニップ部Nでは、現像ローラ114に接続される図示しない電源から現像ローラ114に対して現像バイアス電圧が印加され、現像ローラ114表面の現像剤から感光体ドラム3表面の静電潜像へトナーが供給される。
図4および図8に示すように、現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクター部材(層厚規制部材)116が配されている。ドクター部材116は、現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111に固定支持され、現像ローラ114の外周面に層状に担持された現像剤の層厚を規制する。ドクター部材116の材料としては、ステンレス鋼を使用することができるが、アルミニウム合金や合成樹脂なども使用することができる。
ドクター部材116は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部116aと、この本体部116aよりも小径であって、本体部116aの一方端部において本体部116aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部116aを一方端部側で支持する第1支持部116bと、本体部116aよりも小径であって、本体部116aの他方端部において本体部116aに対して同軸にかつ外方突出状に設けられて本体部116aを他方端部側で支持する第2支持部116cとを有している。本体部116aは、その全長にわたって同一の外径を有するように形成されている。ドクター部材116の第1支持部116bおよび第2支持部116cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁および他方端壁に固定支持されている。
ドクター部材116の第1支持部116bは、その中心軸が本体部116aの中心軸に対して所定の偏心率で偏心した状態に設けられている。ここで、所定の偏心率とは、第1支持部116bの中心軸が本体部116aの中心軸から偏っている度合いが所定の数値であることをいう。そして、第1支持部116bの中心軸が本体部116aの中心軸から所定の偏心率で偏っていることによって、ドクター部材116を現像槽111に固定支持するのに先立ち、第1支持部116bおよび第2支持部116cで一時的に支持された本体部116aを適宜回転させて所定間隙、つまり、現像ローラ114の軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。
トナー補給検知センサ119は、図4および図6に示すように、トナー補給口115a付近で、その下方の現像剤搬送方向(矢印X方向)下流側で、第1搬送部材112の鉛直方向下側の現像槽111の底面、すなわち、第1搬送路Pの底面に装着され、センサ面が現像槽111の内部に露出するように設けられている。また、トナー補給検知センサ119は、図示しないトナー濃度制御手段に電気的に接続される。トナー補給検知センサ119には一般的なトナー補給検知センサを使用でき、例えば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどが挙げられる。これらの中でも、透磁率検知センサが好ましい。
透磁率検知センサには図示しない電源が接続される。電源は、透磁率検知センサを駆動させるための駆動電圧およびトナー濃度の検知結果を制御手段に出力するための制御電圧を透磁率検知センサに印加する。電源による透磁率検知センサへの電圧の印加は、制御手段によって制御される。
透磁率検知センサは、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサであり、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧を印加して用いられる。このような型式の透磁率検知センサは市販されており、例えば、TS−L、TS−A、TS−K(いずれも商品名、TDK(株)社製)などが挙げられる。
次に、図2〜図7を参照しながら、現像装置2の現像槽111における現像剤の搬送について説明する。トナー補給装置22に収容されているトナーは、トナー移送機構102およびトナー補給口115aを介して現像槽111内に移送され、これにより現像槽111にトナーが補給される。
現像槽111において、第1搬送部材112および第2搬送部材113は、モータなどの駆動手段(図示せず)によって回転駆動され、現像剤を搬送する。具体的には、第1搬送路Pにおいて、現像剤は、第1搬送部材112によって攪拌されながら矢印X方向へ搬送され、第1連通路aに到達する。第1連通路aに到達した現像剤は、第1連通路aを通過して第2搬送路Qへ搬送される。
一方、第2搬送路Qにおいて、現像剤は、第2搬送部材113によって、攪拌されながら矢印Y方向へ搬送され、第2連通路bに到達する。そして、第2連通路bに到達した現像剤は、第2連通路bを通過して第1搬送路Pへ搬送される。つまり、第1搬送部材112と第2搬送部材113とは、互いに逆方向に現像剤を攪拌しながら搬送している。
このようにして、現像剤は、現像槽111において、第1搬送路Pと第1連通路aと第2搬送路Qと第2連通路bとを、第1搬送路P→第1連通路a→第2搬送路Q→第2連通路b、という順序にて循環移動していることになる。そして、現像剤は、第2搬送路Qにおいて搬送されている間に、現像ローラ114の回転によってその表面(外周面)に汲み上げられて担持され、担持された現像剤中のトナーが感光体ドラム3へと移動して、順次消費されていく。
このように消費されるトナーを補うべく、未使用のトナーがトナー補給口115aから第1搬送路Pへ補給される。補給されたトナーは第1搬送路Pにおいて従前より存在する現像剤と混合攪拌される。
図8において、現像ローラ114の回転によってその外周面に汲み上げられて層状に担持された現像剤の層厚は、ドクター部材116の本体部116aによって規制される。ここで、ドクター部材116は、本体部116aの長さが220mm、本体部116aの直径が5mm、第1支持部116bの長さが3mm、第1支持部116bの直径が2mm、第2支持部116cの長さが3mm、第2支持部116cの直径が2.5mmになるように成形されている。また、第1支持部116bは、その中心軸が本体部116aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち3/100で偏心した状態に設けられている。
そして、ドクター部材116は、上記のように、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111の両端壁に固定支持されるが、第1支持部116bの中心軸が本体部116aの中心軸に対して偏心率3/100で偏心した状態に設けられている。従って、その固定支持に先立ち、第1支持部116bおよび第2支持部116cで一時的に支持された本体部116aを適宜回転させて、一定箇所における、ドクター部材116の本体部116aと現像ローラ114の外周面との隙間をその都度、隙間ゲージなどの隙間測定器で測定することで、上記所定間隙を得ることが可能になる。
実施の形態2
図9は、この発明の実施の形態2に係る現像装置の正面構成を説明する構成説明図である。図10は、その現像装置の端部構成を説明する構成説明図である。
図9および図10において、実施の形態2に係る現像装置2は現像ローラ114とドクター部材216とを備えてなる。現像ローラ114は上記実施の形態1の現像装置2におけるものと同一である。
現像ローラ114は、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持する本体部114aと、本体部114aの一方端部に設けられ、本体部114aを現像槽111の一方端壁111pに取り付けられたホルダ150に固定するローラ固定軸114bと、本体部114aの他方端部に設けられ、現像槽111の他方端壁111qに取り付けられた軸受151で支持された本体部114aを回転駆動するローラ駆動軸114cとを備えている。
ドクター部材(層厚規制部材)216は、現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111の端壁111p、111qに固定支持され、現像ローラ114の外周面に層状に担持された現像剤の層厚を規制する。
すなわち、ドクター部材216は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の本体部114aの外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部216aと、この本体部216aよりも小径であって、本体部216aの一方端部において本体部216aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部216aを一方端部側で支持する第1支持部216bと、本体部216aと同一径であって、本体部216aの他方端部において本体部216aに対して同軸にかつ外方突出状に設けられて本体部216aを他方端部側で支持する第2支持部216cとを有している。ドクター部材216の第1支持部216bおよび第2支持部216cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁111pおよび他方端壁111qに固定支持されている。
図9および図10において、現像ローラ114の回転によってその本体部114aの外周面に汲み上げられて層状に担持された現像剤の層厚は、ドクター部材216の本体部216aによって規制される。ここで、ドクター部材216は、本体部216aの長さが240mm、本体部216aの直径が5.0mm、第1支持部216bの長さが30mm、第1支持部216bの直径が3.0mm、第2支持部216cの長さが30mm、第2支持部116cの直径が5.0mmになるように成形されている。また、第1支持部216bは、その中心軸が本体部216aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち5/100で偏心した状態に設けられている。
このドクター部材216は、上記のように、現像ローラ114に対向しかつその本体部114aの外周面とドクター部材216の本体部216aとの間に所定間隙をおいた状態で現像槽111の両端壁111p、111qに固定支持されるが、第1支持部216bの中心軸が本体部216aの中心軸に対して偏心率5/100で偏心した状態に設けられている。
従って、ドクター部材216の上記固定支持に先立ち、第1支持部216bおよび第2支持部216cで一時的に支持された本体部216aを適宜回転させる(図11の矢印を参照)。そして、一定箇所における、ドクター部材216の本体部216aと現像ローラ114の本体部114aの外周面との隙間をその都度、隙間ゲージなどの隙間測定器で測定することで、上記所定間隙を得ることが可能になる(図12を参照)。
実施の形態3
図13は、この発明の実施の形態3に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
図13に示すように、現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクター部材(層厚規制部材)316が配されている。ドクター部材316は現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111に固定支持され、現像ローラ114の外周面に層状に担持された現像剤の層厚を規制する。
ドクター部材316は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部316aと、この本体部316aよりも小径であって、本体部316aの一方端部において本体部316aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部316aを一方端部側で支持する第1支持部316bと、本体部316aよりも小径であって、本体部316aの他方端部において本体部316aに対して同軸にかつ外方突出状に設けられて本体部316aを他方端部側で支持する第2支持部316cとを有している。
本体部316aは、一方端部から他方端部へ向かって先細になる円錐状テーパを付けて形成されている。ここでの円錐状テーパは、一方端部における本体部316aの外径を100長さ単位としたときに、他方端部における本体部316aの外径が97長さ単位になるようなものである。ドクター部材316の第1支持部316bおよび第2支持部316cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁および他方端壁に固定支持されている。
ドクター部材316の第1支持部316bは、その中心軸が本体部316aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち4/100で偏心した状態に設けられている。ここで、所定の偏心率が4/100であるとは、第1支持部316bの中心軸が本体部316aの中心軸から4%偏っていることをいう。
そして、第1支持部316bの中心軸が本体部316aの中心軸から所定の偏心率4/100で偏っていることによって、ドクター部材316を現像槽111に固定支持するのに先立ち、第1支持部316bおよび第2支持部316cで一時的に支持された本体部316aを適宜回転させて所定間隙、つまり、現像ローラ114の軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。
さらに、本体部316aがその一方端部から他方端部へ向かって先細になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されている場合に比べて、本体部316aと現像ローラ114の外周面との隙間を本体部316aの全長にわたって微調整することが可能になる。
実施の形態4
図14は、この発明の実施の形態4に係る現像装置の概略構成を説明する構成説明図である。
図14に示すように、現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクター部材(層厚規制部材)416が配されている。ドクター部材416は現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる円柱状部材であり、現像ローラ114の外周面に対向しかつその外周面との間に所定間隙をおいた状態で現像槽111に固定支持され、現像ローラ114の外周面に層状に担持された現像剤の層厚を規制する。
ドクター部材416は、現像ローラ114の軸線に沿って設けられて現像ローラ114の外周面に担持された現像剤の層厚を規制する本体部416aと、この本体部416aよりも小径であって、本体部416aの一方端部において本体部416aに対して平行かつ外方突出状に設けられて本体部416aを一方端部側で支持する第1支持部416bと、本体部416aよりも小径であって、本体部416aの他方端部において本体部416aに対して同軸にかつ外方突出状に設けられて本体部416aを他方端部側で支持する第2支持部416cとを有している。
本体部416aは、その外周面に、長手方向へ全長にわたって延びる、平面形状が長方形の平坦面部分416dを有している。ここでの平坦面部分416dは、外径が5mmの本体部416aの外周面をその全長にわたって厚さ0.1mmだけ切除する加工処理によって設けられている。このような平坦面部分416dを有する本体部416aは、図15に示すように、その横断面形状が全長にわたってD字状である。
ドクター部材416の第1支持部416bおよび第2支持部416cはそれぞれ、現像槽111の一方端壁および他方端壁に固定支持されている。また、ドクター部材416の第1支持部416bは、その中心軸が本体部416aの中心軸に対して所定の偏心率、すなわち6/100で偏心した状態に設けられている。ここで、所定の偏心率が6/100であるとは、第1支持部416bの中心軸が本体部416aの中心軸から6%偏っていることをいう。
そして、第1支持部416bの中心軸が本体部416aの中心軸から所定の偏心率6/100で偏っていることによって、ドクター部材416を現像槽111に固定支持するのに先立ち、第1支持部416bおよび第2支持部416cで一時的に支持された本体部416aを適宜回転させて所定間隙、つまり、現像ローラ114の軸線方向に均一な現像を行って、均一濃度の画像を安定して得るための間隙を得ることができる。
さらに、本体部416aがその全長にわたって平坦面部分416dを有しており、それによって本体部416aがD字状横断面形状になるように形成されているので、本体部がその全長にわたって同一の外径を有するように形成されている場合に比べて、本体部416aと現像ローラ114の外周面との隙間を本体部416aの全長にわたって微調整することが可能になる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちのいずれかを組み合わせたものも含まれる。
上述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきではない。この発明には、特許請求の範囲と均等の意味での、また上記範囲内でのすべての変形が含まれるべきである。
2:現像装置
3:感光体ドラム
100:画像形成装置
111:現像槽
114:現像ローラ
116:ドクター部材(層厚規制部材)
116a:本体部
116b:第1支持部
116c:第2支持部
216:ドクター部材(層厚規制部材)
216a:本体部
216b:第1支持部
216c:第2支持部
316:ドクター部材(層厚規制部材)
316a:本体部
316b:第1支持部
316c:第2支持部
416:ドクター部材(層厚規制部材)
416a:本体部
416b:第1支持部
416c:第2支持部
416d:平坦面部分