JP2015131356A - ブローチ工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブローチ工具の一刃付け当たりの加工数を少なく管理することなく、ワークの被加工面を良好な面粗度に仕上げることができるようにする。
【解決手段】軸方向に沿って寸法順に配列され、被加工物100の内面の少なくとも一部110を切削加工する多数の切削刃と、前記切削刃よりも加工方向後方において軸方向に沿って寸法順に配列され、前記切削刃によって切削された前記被加工物100の内面の少なくとも一部111を塑性加工する多数のバーニッシュ刃70とを備え、前記バーニッシュ刃70は、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって径方向外周側へ傾斜して延びるアプローチ面71と、前記アプローチ面71の加工方向後方側端縁部71aから加工方向後方側へ延びるストレートランド面72とを有して成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブローチ工具に関する。
ワークに内径加工を施す方法として、刃が鋸状に並んだブローチ工具を用いたブローチ加工がある。これは、ブローチ工具およびワークをブローチ加工専用の加工機であるブローチ盤に設置し、固定したワークに対してブローチ工具を引き抜く、または、固定したブローチ工具に対してワークを引き抜くことにより、ワークの内周面に加工を施すものである。
ブローチ工具は、多数の刃が鋸状に並んで形成された棒状の刃物であり、ブローチ工具の刃は一端側(加工方向前方側)から他端側(加工方向後方側)へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように寸法順に配列されている(例えば、特許文献1)。
ブローチ工具の特徴は、一つの工具に種々の加工工程を組み込むことができることである。例えば、ワークに荒加工を施すための荒加工部とワークに仕上げ加工を施す仕上げ加工部とを有するブローチ工具を用いた場合には、ブローチ盤において、ワークに対してブローチ工具を一回引き抜くだけで、荒加工および仕上げ加工が完了し、ワークの内径加工を完了させることができる。
ブローチ加工は、ワークまたはブローチ工具を一回引き抜くだけなので、ワークに対する荒加工から仕上げ加工までの加工速度が他の内径加工に比べて速い。また、ブローチ加工によるワークの仕上がり寸法は、加工に使用したブローチ工具の最終刃(加工方向最後端の仕上げ切削刃)の形状寸法と略同じになるので、高精度の加工が可能であり、加工の繰り返し精度も高い。
特開2009−136931号公報
しかし、ブローチ加工を繰り返すと、ブローチ工具の切削刃が摩耗し、所定の寸法に仕上げられたワークを得られなくなる。よって、ブローチ加工の加工数が所定数を超えた場合、または、ブローチ工具の切削刃の寸法が所定値以下となった場合には、当該切削刃を再研磨することにより、ブローチ加工によってワークを所定の寸法に仕上げられるようにしている。
ブローチ工具の切削刃の摩耗はワークの被加工面における面粗度にも影響するため、ワークの被加工面に良好な面粗度が要求される場合には、ブローチ工具の一刃付け当たりの加工数を少なく管理する、すなわち、切削刃を再研磨するまでの使用期間を短くする。このようにブローチ工具の一刃付け当たりの加工数を少なく管理することにより、ブローチ工具の切削刃を再研磨する回数は増加するので、ブローチ工具一本当たりの総加工数が減少してしまい、当該ブローチ工具を用いたブローチ加工による生産コストが増大してしまう。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、ブローチ工具の一刃付け当たりの加工数を少なく管理することなく、ワークの被加工面を良好な面粗度に仕上げることができるようにすることを目的とする。
上記課題を解決する第一の発明に係るブローチ工具は、軸方向に沿って寸法順に配列され、被加工物の内面の少なくとも一部を切削加工する多数の切削刃と、前記切削刃よりも加工方向後方において軸方向に沿って寸法順に配列され、前記切削刃によって切削された前記被加工物の内面の少なくとも一部を塑性加工する多数のバーニッシュ刃とを備え、前記バーニッシュ刃は、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって径方向外周側へ傾斜して延びるアプローチ面と、前記アプローチ面の加工方向後方側端縁部から加工方向後方側へ延びるストレートランド面とを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第二の発明に係るブローチ工具は、第一の発明に係るブローチ工具において、前記アプローチ面は、前記ストレートランド面に対して1°から10°傾斜していることを特徴とする。
上記課題を解決する第三の発明に係るブローチ工具は、第一または第二の発明に係るブローチ工具において、前記ストレートランド面は、加工方向における長さが0.5[mm]以下であることを特徴とする。
上記課題を解決する第四の発明に係るブローチ工具は、第一から第三のいずれか一つの発明に係るブローチ工具において、前記バーニッシュ刃は、一刃当たりの取り代が0.4[mm]以下であることを特徴とする。
上記課題を解決する第五の発明に係るブローチ工具は、第一から第四のいずれか一つの発明に係るブローチ工具において、前記バーニッシュ刃は、前記ストレートランド面と周方向において対称の位置に、前記被加工物と当接する前記ストレートランド面よりも大きい面積のガイド面を有することを特徴とする。
上記課題を解決する第六の発明に係るブローチ工具は、第一から第五のいずれか一つの発明に係るブローチ工具において、前記バーニッシュ刃は、前記ストレートランド面の加工方向後方側端縁部から加工方向後方側へ向かって径方向内周側へ傾斜して延びる逃がし面を有し、前記逃がし面は、前記ストレートランド面に対して1°から10°傾斜していることを特徴とする。
第一の発明に係るブローチ工具によれば、軸方向に沿って寸法順に配列され、被加工物の内面の少なくとも一部を切削加工する多数の切削刃と、前記切削刃よりも加工方向後方において軸方向に沿って寸法順に配列され、前記切削刃によって切削された前記被加工物の内面の少なくとも一部を塑性加工する多数のバーニッシュ刃とを備えたことにより、切削加工後に最終仕上げとしての塑性加工を施すことができるので、被加工面の面粗度を向上させることができる。
また、前記バーニッシュ刃は、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって径方向外周側へ傾斜して延びるアプローチ面と、前記アプローチ面の加工方向後方側端縁部から加工方向後方側へ延びるストレートランド面とを有することにより、バーニッシュ刃による塑性加工をスムーズに行って被加工面の面粗度を向上させることができると共に、バーニッシュ刃の強度を向上させてバーニッシュ刃の刃持ちすなわち耐久性を向上させることができる。
第二の発明に係るブローチ工具によれば、前記アプローチ面は、前記ストレートランド面に対して1°から10°傾斜していることにより、バーニッシュ刃による塑性加工をスムーズに行って被加工面の面粗度を向上させることができると共に、バーニッシュ刃の強度を向上させてバーニッシュ刃の刃持ちすなわち耐久性を向上させることができる。
第三の発明に係るブローチ工具によれば、前記ストレートランド面は、加工方向における長さが0.5[mm]以下であることにより、バーニッシュ刃の強度を向上させてバーニッシュ刃の刃持ちすなわち耐久性を向上させることができると共に、被加工面との焼付きを起こすことなく面粗度を向上させることができる。
第四の発明に係るブローチ工具によれば、前記バーニッシュ刃は、一刃当たりの取り代が0.4[mm]以下であることにより、良好な面粗度が得られると共に、バーニッシュ刃に掛かる荷重が過大とならないので、バーニッシュ刃の刃持ちすなわち耐久性を向上させることができる。
第五の発明に係るブローチ工具によれば、前記バーニッシュ刃は、前記ストレートランド面と周方向において対称の位置に、前記被加工物と当接する前記ストレートランド面よりも大きい面積のガイド面を有することにより、バーニッシュ刃の塑性加工によって受ける加工反力が、被加工物とガイド面との当接によって打ち消されることになる。よって、ブローチ加工において、加工反力によってブローチ工具および被加工物に軸回りの回転力が作用することはなく、加工精度および面粗度等の低下を抑えることができる。つまり、被加工部がブローチ工具の周方向に非対称の形状であっても、加工精度および面粗度等を低下させずにブローチ加工を行うことができる。
第六の発明に係るブローチ工具によれば、前記バーニッシュ刃は、前記ストレートランド面の加工方向後方側端縁部から加工方向後方側へ向かって径方向内周側へ傾斜して延びる逃がし面を有し、前記逃がし面は、前記ストレートランド面に対して1°から10°傾斜していることにより、バーニッシュ刃の強度が十分に確保されると共に、逃げ面が被加工面と接触しないので、バーニッシュ刃の刃持ちすなわち耐久性を向上させることができる。また、逃げ面と被加工面との接触によってバーニッシュ刃が摩耗することはなく、被加工面における面粗度の低下を防止することができる。
実施例1に係るカム用ブローチ工具の概略構造を示す説明図である。 実施例1に係るカム用ブローチ工具におけるバーニッシュ刃の平面を示す説明図である。 実施例1に係るカム用ブローチ工具におけるバーニッシュ刃の横断面(図2におけるIII‐III矢視断面)を示す説明図である。 実施例1に係るカム用ブローチ工具におけるバーニッシュ刃の縦断面(図2におけるIV‐IV矢視断面)を示す説明図である。 実施例1に係るカム用ブローチ工具によって加工されるワンウェイクラッチ用部品を示す説明図である。 実施例1に係るカム用ブローチ工具によって加工されるワンウェイクラッチ用部品のカム部を示す説明図である。 ブローチ工具におけるバーニッシュ刃のアプローチ角の評価を示す表である。 ブローチ工具におけるバーニッシュ刃のストレートランド幅の評価を示す表である。 ブローチ工具におけるバーニッシュ刃の逃げ角の評価を示す表である。 ブローチ工具におけるバーニッシュ刃の一刃当たりの取り代の評価を示す表である。
以下に、本発明に係るブローチ工具の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることは言うまでもない。
本発明の実施例1に係るカム用ブローチ工具を用いたブローチ加工においては、図5に示すように、ワンウェイクラッチ用部品100の内径加工、すなわち、カム部110および角部120の形成がなされる。カム部110を構成する一方の面であるカム面111は、図示しない玉を接触させてトルク伝達を行う面であり、カム面111および玉の摩耗を抑えるために良好な面粗度が要求される(図6参照)。本実施例においては、カム面111の面粗度として、Ra1.5[μm]以下を目標としている。なお、カム部110は、最も深い切込み部から周方向(図6において略左右方向)に左右非対称の形状であり、カム部110におけるカム面111と反対側の面である非カム面112については、良好な面粗度を要求されないものとする。
本実施例に係るカム用ブローチ工具の構造について、図1,5,6を参照して説明する。
図1に示すように、カム用ブローチ工具1は、棒状の工具本体部10と、図示しないブローチ盤に取り付けるためのシャンク部20a,20bと、被加工物を切削加工するための荒加工部30と、荒加工された被加工物を更に切削加工するための仕上げ加工部40と、仕上げ加工された被加工物をバーニッシュ加工(塑性加工)するためのバーニッシュ加工部50と、被加工物を切削加工するための角加工部60とから構成される。
カム用ブローチ工具1を用いたワンウェイクラッチ用部品100に対するブローチ加工においては、荒加工部30によってカム部110の荒加工領域130が切削され、仕上げ加工部40によってカム部110の仕上げ加工領域140が切削され、バーニッシュ加工部50によってカム部110のバーニッシュ加工領域150が塑性変形され、良好な面粗度であるRa1.5[μm]のカム面111を有するカム部110が形成される(図1および図6参照)。また、角加工部60によって切削されることにより、角部120が形成される(図1および図5参照)。
荒加工部30は、工具本体部10の加工方向前方側(図1における左方側)において、工具本体部10の径方向外周側に突出するように荒切削刃(図示せず)が一体的に形成されてなる(図1参照)。荒切削刃は、ワンウェイクラッチ用部品100の周方向に複数設けられたカム部110に対応するように、カム用ブローチ工具1の周方向に並んで複数形成され(図5参照)、さらに、当該複数の荒切削刃は、当該荒加工部30において、加工方向前方側から加工方向後方側(図1における右方側)へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように、カム用ブローチ工具1の軸方向に並んで複数段形成されている。
仕上げ加工部40は、工具本体部10の荒加工部30よりも加工方向後方側において、工具本体部10の径方向外周側に突出するように、仕上げ切削刃(図示せず)が一体的に形成されてなる(図1参照)。仕上げ切削刃は、荒切削刃と同様に、ワンウェイクラッチ用部品100の周方向に複数設けられたカム部110に対応するように、カム用ブローチ工具1の周方向に並んで複数形成され(図5参照)、さらに、当該複数の仕上げ切削刃は、当該仕上げ加工部40において、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように、カム用ブローチ工具1の軸方向に並んで複数段形成されている。
バーニッシュ加工部50は、工具本体部10の仕上げ加工部40よりも加工方向後方側(図1における右方側)において、工具本体部10の径方向外周側に突出するように、バーニッシュ刃70(詳細については後述する)が一体的に形成されてなる(図1参照)。バーニッシュ加工部50のバーニッシュ刃70は、荒切削刃および仕上げ切削刃と同様に、ワンウェイクラッチ用部品100の周方向に複数設けられたカム部110に対応するように、カム用ブローチ工具1の周方向に並んで複数形成され(図5参照)、さらに、当該複数のバーニッシュ刃70は、当該バーニッシュ加工部50において、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように、カム用ブローチ工具1の軸方向に並んで複数段形成されている。
角加工部60は、工具本体部10のバーニッシュ加工部50よりも加工方向後方側において、工具本体部10の軸方向外周側へ突出するように、角部切削刃(図示せず)が一体的に形成されてなる(図1参照)。角部切削刃は、ワンウェイクラッチ用部品100の周方向に複数設けられた角部120に対応するように、カム用ブローチ工具1の周方向に並んで複数形成され(図5参照)、さらに、当該複数の角部切削刃は、当該角加工部60において、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように、カム用ブローチ工具1の軸方向に並んで複数段形成されている。
もちろん、本発明に係るブローチ工具は、本実施例のように、工具本体部10にシャンク部20a,20bおよび各加工部30,40,50,60を一体的に形成したカム用ブローチ工具1に限定されない。例えば、カム用ブローチ工具1において、シャンク部20a,20bの少なくとも一方を工具本体部10に対して着脱可能な組付け式としても良く、各加工部30,40,50,60の少なくとも一部を工具本体部10に対して着脱可能なシェル式としても良い。
次に、カム用ブローチ工具1におけるバーニッシュ加工部50のバーニッシュ刃70について、図2〜4,6〜10を参照して説明する。
カム用ブローチ工具1のバーニッシュ加工部50におけるバーニッシュ刃70は、図3に示すように、総加工量の最も多い部分を中心として工具周方向(図3における左右方向)に左右非対称の形状を成しており、ワンウェイクラッチ用部品100のカム部110における非カム面112を加工ガイドとして利用し、カム面111に対してのみ最終仕上げ加工としての塑性加工を行うものである(図6参照)。もちろん、本発明におけるブローチ工具は、本実施例のようにワンウェイクラッチ用部品100のカム部110におけるカム面111のみを塑性加工するものに限定されない。例えば、被加工物の被加工部における一方の面および他方の面の両方に対して最終仕上げ加工を行うバーニッシュ刃を備えたブローチ工具としても良い。
上記の総加工量は、カム用ブローチ工具1の荒加工部30および仕上げ加工部40による切削加工の加工量とバーニッシュ加工部50による塑性加工の加工量とを合わせた加工量である。つまり、ワンウェイクラッチ用部品100における総加工量の最も多い部分は、カム部110におけるカム面111と非カム面112との境界部であり(図6参照)、バーニッシュ刃70における総加工量の最も多い部分は、カム部110のカム面111に対応する範囲A111とカム部110の非カム面112に対応する範囲A112との境界部、すなわち、後述するストレートランド面72とガイド面73との境界部である(図3参照)。
図2,3,4に示すように、バーニッシュ刃70は、カム部110に対応する範囲A110において加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって径方向外周側(図4における上方側)へ傾斜して延びるアプローチ面71と、カム部110のカム面111に対応する範囲A111においてアプローチ面71の加工方向後方側端縁部71aから加工方向後方側へ延びるストレートランド面72と、カム部110の非カム面112に対応する範囲A112においてアプローチ面71の加工方向後方側端縁部71aから加工方向後方側へ延びるガイド面73と、ストレートランド面72の加工方向後方側端縁部72aから加工方向後方側へ向かって径方向内周側(図4における下方側)へ傾斜して延びる逃がし面74とを有する。
バーニッシュ刃70におけるアプローチ面71は、バーニッシュ刃70をカム面111にスムーズに食い込ませて塑性加工するための案内手段であり、アプローチ面71の加工方向に対する角度であるアプローチ角αは、カム面111を塑性加工する際の加工性に影響する(図4参照)。加工性が向上して良好な塑性加工が行われると、カム面111の面粗度は向上し、加工性が低下して良好な塑性加工が行われないと、カム面111の面粗度は低下する。
アプローチ角αを変化させてカム面111を塑性加工する際の加工性を判断する試験を行った。図7は、当該試験の結果であるアプローチ角αの評価として、アプローチ角αに対するバーニッシュ効果と強度および耐久性とを表している。
ここで、バーニッシュ効果は、従来の切削刃だけで最終仕上げ加工を施したカム面における面粗度と比較して、本実施例のバーニッシュ刃70によって最終仕上げ加工を施したカム面111における面粗度がどの程度向上されたかを示し、その評価として、面粗度の向上がほとんど見られなかった場合を「×」、面粗度の向上が僅かに見られた場合を「△」、面粗度の向上が十分に見られた場合を「○」、面粗度の向上が顕著に見られた場合を「◎」と示している。また、強度および耐久性は、従来の最終仕上げ加工で用いられる切削刃自体の強度およびブローチ加工を繰り返した際の耐久性と比較して、本実施例のバーニッシュ刃70自体の強度およびブローチ加工を繰り返した際の耐久性がどの程度向上されたかを示し、その評価として、強度および耐久性の向上がほとんど見られなかった場合を「×」、強度および耐久性の向上が僅かに見られた場合を「△」、強度および耐久性の向上が十分に見られた場合を「○」と示している。
アプローチ角α=0°の場合には、アプローチ面71が塑性加工の案内手段として機能せず、バーニッシュ刃70による加工が塑性加工ではなく切削加工となってしまい、カム面111の面粗度の向上はほとんど見られない。アプローチ角α=1°〜10°の場合には、良好な塑性加工がなされ、カム面111の面粗度の十分な向上が見られる。特に、アプローチ角α=1°〜3°の場合には、より良好な塑性加工がなされ、カム面111の面粗度の顕著な向上が見られた。アプローチ角α=10°〜15°の場合には、バーニッシュ刃70による良好な塑性加工がなされず、カム面111の面粗度の向上は僅かに見られるだけであった。
つまり、アプローチ角αが小さいほど、良好な塑性加工がなされるが、アプローチ角αが0°に近い(α≒0°)場合には、アプローチ面71の案内手段としての機能が低下する。一方、アプローチ角αが大きくなるにつれて、バーニッシュ刃70自体は小さくなるので、バーニッシュ刃70の強度および耐久性は低下する。本実施例においては、バーニッシュ刃70におけるアプローチ面71のアプローチ角αを、バーニッシュ刃70としての強度および耐久性を保持しつつカム面111における面粗度の顕著な向上が見られたα=2°としている。
なお、本実施例においては、アプローチ面71を傾斜させる加工方向における範囲であるアプローチ範囲dを、d≒1.5[mm]としている(図2および図4参照)。アプローチ範囲d≪1.5[mm]の場合には、アプローチ面71が塑性加工の案内手段として短すぎるので、ブローチ加工の際にカム部110がアプローチ面71の加工方向前方端縁部71bに干渉する虞がある。アプローチ範囲d≫1.5[mm]の場合には、アプローチ面71が塑性加工の案内手段として長すぎるので、バーニッシュ刃70は加工方向に沿って延びた形状となり、カム用ブローチ工具1の長尺化を招いてしまう。
つまり、アプローチ範囲dは、アプローチ角αによって適宜設定するものであり、本実施例のようにアプローチ角αをα=2°とした場合には、アプローチ範囲dをd≒1.5[mm]とすることが好ましい。
バーニッシュ刃70におけるストレートランド面72は、カム面111を塑性変形させるためにカム面111に食い込ませる部分であり、ストレートランド面72の加工方向における長さであるストレートランド幅tは、バーニッシュ刃70自体の強度に影響すると共に、ストレートランド面72またはカム面111における焼付き等にも影響する(図2および図4参照)。
ストレートランド幅tを変化させてカム面111を塑性加工する際の加工性を判断する試験を行った。図8は、当該試験の結果であるストレートランド幅tの評価として、ストレートランド幅tに対するバーニッシュ効果と強度および耐久性とを表している。バーニッシュ効果とその評価、ならびに、強度および耐久性とその評価については、前述した通りである。
ストレートランド幅t≦0.5[mm]の場合には、良好な塑性加工がなされ、カム面111の面粗度の十分な向上が見られた。特に、ストレートランド幅t=0〜0.3[mm]の場合には、より良好な塑性加工がなされ、カム面111の面粗度の顕著な向上が見られた。ストレートランド幅t>0.6[mm]の場合には、接触面積の増大に伴って変形抵抗が増大し、ストレートランド面72が摩耗するので、カム面111における面粗度の僅かな向上が見られただけであった。また、接触面積および変形抵抗の増大によって、カム面111において焼付きが起こる虞がある。
つまり、ストレートランド幅tが小さいほど、カム面111との摩擦が少なくないので、カム面111を良好な面粗度に仕上げることができる。一方、ストレートランド幅tが小さいほど、バーニッシュ刃70自体は小さくなるので、バーニッシュ刃70の強度および耐久性は低下する。よって、カム面111における面粗度の向上を考慮しつつ、バーニッシュ刃70の強度および耐久性を考慮すると、ストレートランド幅t=0.1〜0.3[mm]とすることが好ましく、本実施例においては、ストレートランド幅t=0.2[mm]としている。
また、ストレートランド面72自体の面粗度および硬度は、カム面111を塑性加工する際の加工性に影響する。ストレートランド面72の面粗度は良好であるほど好ましく、本実施例においては、ストレートランド面72の面粗度をRa0.2[μm]としている。また、ストレートランド面72の面粗度および硬度を向上させるために、本実施例においては、バーニッシュ刃70に硬質膜をコーティングしている。バーニッシュ刃70へコーティングする硬質膜としては、例えば、TiAlN,TiCN,TiNなどのTi系コーティング、DLCコーティング、CrNコーティングなどが挙げられる。
バーニッシュ刃70における逃げ面74は、カム面111との接触を回避して摩耗を防止するための摩耗防止手段であり、逃げ面74の加工方向に対する角度である逃げ角βは、逃げ面74とカム面111との接触、すなわち、摩耗に影響する(図4参照)。逃げ面74とカム面111とが接触すると、バーニッシュ刃70が摩耗して耐久性が低下すると共に、摩耗したバーニッシュ刃70によってカム面111の面粗度が低下する。逃げ面74とカム面111とが接触しないと、バーニッシュ刃70の摩耗やカム面111の面粗度の低下を回避することができるが、バーニッシュ刃70自体の強度が低下する虞がある。
逃げ角βを変化させてカム面111を塑性加工する際の加工性を判断する試験を行った。図9は、当該試験の結果である逃げ角βの評価として、逃げ角βに対するバーニッシュ効果と強度および耐久性とを表している。バーニッシュ効果とその評価、ならびに、強度および耐久性とその評価については、前述した通りである。
逃げ角β=0°の場合には、逃げ面74が摩耗防止手段として機能せず、接触面積および変形抵抗の増大によって逃げ面74が摩耗してしまうので、カム面111の面粗度の向上はほとんど見られなかった。また、接触面積および変形抵抗の増大によってカム面111に焼付きが起こる虞がある。逃げ角β=1°〜15°の場合には、逃げ面74とカム面111との接触が回避されるので、カム面111の面粗度は十分な向上が見られた。
つまり、逃げ角βがある程度の大きさであれば、良好な面粗度のカム面111を得ることができるが、逃げ角βが0°に近い(β≒0°)場合には、逃げ面74とカム面111とが接触し、摩擦によって逃げ面74が摩耗すると共にカム面111の面粗度が低下する。一方、逃げ角βが大きくなるにつれて、バーニッシュ刃70自体は小さくなるので、バーニッシュ刃70の強度および耐久性は低下する。本実施例においては、バーニッシュ刃70における逃げ面74の逃げ角βを、逃げ面74とカム面111との接触を回避しつつ、バーニッシュ刃70自体の強度を保持することのができるβ=2°としている。
バーニッシュ刃70の一刃当たりの取り代Wは、バーニッシュ刃70の一刃がカム面111を塑性加工する量(ワンウェイクラッチ用部品100の径方向における距離分)であり(図4参照)、バーニッシュ刃70の耐久性およびカム面111の面粗度に影響する。
一刃当たりの取り代Wを変化させてカム面111を塑性加工する際の加工性を判断する試験を行った。図10は、当該試験の結果である一刃当たりの取り代Wの評価として、一刃当たりの取り代Wに対するバーニッシュ効果と強度および耐久性とを表している。バーニッシュ効果とその評価、ならびに、強度および耐久性とその評価については、前述した通りである。
一刃当たりの取り代W≦0.4[mm]の場合には、一度に塑性変形させる量が少ないので、良好な塑性加工がなされ、カム面111における面粗度の十分な向上が見られた。また、バーニッシュ加工の際における加工抵抗が過大とならないので、バーニッシュ刃70の十分な耐久性を保持することができる。特に、一刃当たりの取り代W≦0.001〜0.1[mm]の場合には、より良好な塑性加工がなされ、面粗度の顕著な向上が見られた。一刃当たりの取り代W>0.5[mm]の場合には、一度に塑性変形させる量が多いので、良好な塑性加工がなされず、カム面111における面粗度の向上は僅かに見られるだけであった。なお、一刃当たりの取り代W=0の場合においてもカム面111を均す効果を得ることができる。
つまり、一刃当たりの取り代Wが小さいほど、良好な塑性加工がなされ、一刃当たりの取り代Wを大きくすると、塑性加工の加工性が低下すると共に、変形抵抗が増大して、バーニッシュ刃70としての耐久性が低下する。本実施例においては、バーニッシュ刃70の一刃当たりの取り代Wを、カム面111の良好な面粗度を得ると共に十分な耐久性を保持することができるW=0.002[mm]としている。
なお、本実施例においては、バーニッシュ加工部50の総取り代Wtを、Wt≒0.03[mm]としている。バーニッシュ加工部50の総取り代Wt≪0.03[mm]の場合には、バーニッシュ刃70の段数すなわち加工方向における刃数が少なくなり、安定したバーニッシュ効果を得ることができない虞がある。バーニッシュ加工部50の総取り代Wt≫0.03[mm]の場合には、バーニッシュ刃70の段数すなわち加工方向における刃数が増加して安定したバーニッシュ効果を得ることができるが、カム用ブローチ工具1の長尺化を招いてしまう。
つまり、バーニッシュ加工部50の総取り代Wtは、一刃当たりの取り代Wによって適宜設定するものであり、本実施例においては、一刃当たりの取り代W=0.002[mm]のバーニッシュ刃70を複数段(本実施例においては15段)備えることにより、バーニッシュ加工部50の総取り代Wt=0.03[mm]としている。
もちろん、本発明におけるバーニッシュ刃70は、本実施例のように一刃当たりの取り代Wが均一のバーニッシュ刃70に限定されない。例えば、バーニッシュ加工部50を、更に、粗仕上げ部と中仕上げ部と最終仕上げ部とに区分し、粗仕上げ部には一刃当たりの取り代WをW=0.005[mm]としたバーニッシュ刃70を数段設け、中仕上げ部には一刃当たりの取り代WをW=0.003[mm]としたバーニッシュ刃70を数段設け、最終仕上げ部には一刃当たりの取り代WをW=0.001[mm]としたバーニッシュ刃70を数段設けるようにして、バーニッシュ刃70の一刃当たりの取り代Wを段階的に変化させるようにしても良い。また、最終仕上げ部に、一刃当たりの取り代WをW=0[mm]としたバーニッシュ刃70を一段あるいは数段設けるようにしても良い。
本実施例においては、バーニッシュ刃70のストレートランド面72の面積Ks(=c×e[mm2])とガイド面73の面積Gs(=b×t[mm2])との面積比をKs/Gs≦1.0、すなわち、ガイド面73の面積Gsをストレートランド面72の面積Ksよりも大きくしている。このように、ストレートランド面72と周方向において対称の位置に被加工物と当接するストレートランド面72よりも大きい面積のガイド面73を設けることにより、バーニッシュ刃70のバーニッシュ加工によってカム面111から受ける加工反力は、ガイド面73の非カム面112との当接によって打ち消されることになる。よって、ブローチ加工において、加工反力によってカム用ブローチ工具1および被加工物のワンウェイクラッチ用部品100に軸回りの回転力が作用することはなく、加工精度および面粗度等の低下を抑えることができる。
一方、バーニッシュ刃70のストレートランド面72の面積Ksとガイド面73の面積Gsとの面積比をKs/Gs>1.0としている場合には、バーニッシュ刃70のバーニッシュ加工によってカム面111から受ける加工反力は、ガイド面73の非カム面112との当接によって打ち消されない。よって、ブローチ加工において、カム用ブローチ工具1および被加工物のワンウェイクラッチ用部品100には加工反力による軸回りの回転力が作用してしまい、加工精度および面粗度等が低下する虞がある。
もちろん、本発明におけるバーニッシュ刃は、本実施例のようにバーニッシュ刃70の一方にガイド面73を設けたものに限定されず、バーニッシュ刃70の両方にガイド面73を設けるようにしても良い。また、バーニッシュ刃70によって塑性加工させる被加工部が最も深い切込み部から周方向に左右対称であって、バーニッシュ加工の加工反力が両側の加工によって相殺される場合には、ガイド面を設けないようにしても良い。
次に、本発明の実施例1に係るカム用ブローチ工具1を用いたブローチ加工について、図1,2,4,6〜10を参照して説明する。
本発明の実施例1に係るカム用ブローチ工具1およびワンウェイクラッチ用部品100を図示しないブローチ盤に設置し、ワンウェイクラッチ用部品100に対してカム用ブローチ工具1を引き抜くように軸方向へ移動させると、以下に示すように、ワンウェイクラッチ用部品100に面粗度Ra1.5[μm]以下の良好なカム面111を有するカム部110と角部120を形成することができる。
まず、カム用ブローチ工具1の荒加工部30における図示しない荒切削刃が、ワンウェイクラッチ用部品100の内周面と接触する。加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように並べられた荒切削刃によって、ワンウェイクラッチ用部品100のカム部110における荒加工領域130が切削加工される(図6参照)。
次に、カム用ブローチ工具1の仕上げ加工部40における図示しない仕上げ切削刃が、ワンウェイクラッチ用部品100における荒加工が施されたカム部110と接触する。加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように並べられた仕上げ切削刃によって、ワンウェイクラッチ用部品100のカム部110における仕上げ加工領域140が切削加工される。
次に、カム用ブローチ工具1のバーニッシュ加工部50におけるバーニッシュ刃70が、ワンウェイクラッチ用部品100における仕上げ加工が施されたカム部110と接触する。加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように並べられたバーニッシュ刃70によって、ワンウェイクラッチ用部品100のカム部110におけるバーニッシュ加工領域150が塑性加工され、ワンウェイクラッチ用部品100に面粗度Ra1.5[μm]以下のカム面111を有するカム部110が形成される。
このとき、バーニッシュ刃70のアプローチ角αをα=2°としているので、バーニッシュ刃70をカム面111にスムーズに食い込ませて塑性加工することができる(図4参照)。よって、カム面111に対して良好な塑性加工が行われ、カム面111の面粗度は向上する。また、アプローチ角αをα=2°としたことにより、バーニッシュ刃70の強度が十分に確保され、耐久性もあるので、ブローチ加工を繰り返した場合においても、バーニッシュ刃70の刃持ちが良い(図7参照)。
また、バーニッシュ刃70のストレートランド幅tをt=0.5[mm]としているので、バーニッシュ刃70の強度が十分に確保され、耐久性もあるので、ブローチ加工を繰り返した場合においても、バーニッシュ刃70の刃持ちが良い(図2,図4,図8参照)。また、ストレートランド幅tをt=0.5[mm]としたことにより、カム面111と焼付きを起こすことはなく、カム面111の良好な面粗度を維持することができる。
また、バーニッシュ刃70のストレートランド面72を面粗度Ra0.2[μm]で仕上げ、更に、硬質膜のコーティングを施しているので、カム面111の面粗度は向上すると共に、バーニッシュ刃70の刃持ちが良い。
また、バーニッシュ刃70の逃げ角βをβ=2°としているので、逃げ面74がカム面111と接触することはなく、逃げ面74の摩耗を防ぎ、バーニッシュ刃70の刃持ちを良くすることができる(図4および図9参照)。また、カム面111の摩耗を防ぐことにもなるので、カム面111の良好な面粗度を維持することができる。さらに、逃げ角βをβ=2°としたことにより、バーニッシュ刃70の強度が十分に確保され、耐久性もあるので、ブローチ加工を繰り返した場合においても、バーニッシュ刃70の刃持ちが良い。
また、バーニッシュ刃70の一刃当たりの取り代Wを、W=0.002[mm]としているので、カム面111の良好な面粗度が得られると共に、バーニッシュ刃70としての十分な耐久性を保持することができるので、ブローチ加工を繰り返した場合においても、バーニッシュ刃70の刃持ちが良い(図4および図10参照)。
また、バーニッシュ刃70におけるストレートランド面72の面積Ksとガイド面73の面積Gsとの面積比をKs/Gs≦1.0、すなわち、ガイド面73の面積Gsをストレートランド面72の面積Ksよりも大きくしているので、バーニッシュ刃70のバーニッシュ加工によってカム面111から受ける加工反力は、ガイド面73の非カム面112との当接によって打ち消され、加工反力によってカム用ブローチ工具1および被加工物のワンウェイクラッチ用部品100に軸回りの回転力が作用することはなく、加工精度および面粗度等が低下することはない(図2参照)。
次に、カム用ブローチ工具1の角加工部60における図示しない角切削刃が、ワンウェイクラッチ用部品100における角部120に相当する位置の内周面と接触する(図1および図5参照)。加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって刃の高さおよび刃幅が漸増するように並べられた角切削刃によって、ワンウェイクラッチ用部品100に所定の寸法の角部120が形成される。
以上のように、本発明の実施例1に係るカム用ブローチ工具1を用いたブローチ加工によって、ワンウェイクラッチ用部品100における面粗度Ra1.5[μm]以下の良好なカム面111を有するカム部110および角部120を形成することができる。
本実施例に係るカム用ブローチ工具1によって加工された被加工面は、従来の最終仕上げ加工として切削刃を備えたブローチ工具によって加工された被加工面と比較して、良好な面粗度となる。また、本実施例に係るカム用ブローチ工具1における最終仕上げ加工としてのバーニッシュ刃70は、従来のブローチ工具における最終仕上げ加工としての切削刃と比較して、耐久性が良く、ブローチ加工を繰り返すことによる刃材の摩耗量が少ない。よって、本実施例に係るカム用ブローチ工具1においては、ブローチ工具の一刃付け当たりの加工数を少なく管理すくことなく、被加工物の被加工面を良好な面粗度に仕上げることができる。
本発明に係るブローチ工具は、当該ブローチ工具を用いたブローチ加工によって被加工物における所定の形成面を従来よりも高精度に仕上げることができるものであるので、本実施例のようにワンウェイクラッチ用部品100を製作するためのカム用ブローチ工具1に限定されず、種々の製品を製作するためのブローチ工具として採用することができる。
1 カム用ブローチ工具
10 工具本体部
20a シャンク部(加工方向前方側)
20b シャンク部(加工方向後方側)
30 荒加工部
40 仕上げ加工部
50 バーニッシュ加工部
60 角加工部
70 バーニッシュ刃
71 バーニッシュ刃のアプローチ面
72 バーニッシュ刃のストレートランド面
73 バーニッシュ刃のガイド面
74 バーニッシュ刃の逃げ面
100 ワンウェイクラッチ用部品
110 ワンウェイクラッチ用部品のカム部
111 カム部のカム面
112 カム部の非カム面
120 ワンウェイクラッチ用部品の角部

Claims (6)

  1. 軸方向に沿って寸法順に配列され、被加工物の内面の少なくとも一部を切削加工する多数の切削刃と、
    前記切削刃よりも加工方向後方において軸方向に沿って寸法順に配列され、前記切削刃によって切削された前記被加工物の内面の少なくとも一部を塑性加工する多数のバーニッシュ刃と
    を備え、
    前記バーニッシュ刃は、加工方向前方側から加工方向後方側へ向かって径方向外周側へ傾斜して延びるアプローチ面と、前記アプローチ面の加工方向後方側端縁部から加工方向後方側へ延びるストレートランド面とを有する
    ことを特徴とするブローチ工具。
  2. 前記アプローチ面は、前記ストレートランド面に対して1°から10°傾斜している
    ことを特徴とする請求項1に記載のブローチ工具。
  3. 前記ストレートランド面は、加工方向における長さが0.5[mm]以下である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブローチ工具。
  4. 前記バーニッシュ刃は、一刃当たりの取り代が0.4[mm]以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のブローチ工具。
  5. 前記バーニッシュ刃は、前記ストレートランド面と周方向において対称の位置に、前記被加工物と当接する前記ストレートランド面よりも大きい面積のガイド面を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のブローチ工具。
  6. 前記バーニッシュ刃は、前記ストレートランド面の加工方向後方側端縁部から加工方向後方側へ向かって径方向内周側へ傾斜して延びる逃がし面を有し、
    前記逃がし面は、前記ストレートランド面に対して1°から10°傾斜している
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブローチ工具。
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