JP5088678B2 - ロングネックラジアスエンドミル - Google Patents

ロングネックラジアスエンドミル Download PDF

Info

Publication number
JP5088678B2
JP5088678B2 JP2007225082A JP2007225082A JP5088678B2 JP 5088678 B2 JP5088678 B2 JP 5088678B2 JP 2007225082 A JP2007225082 A JP 2007225082A JP 2007225082 A JP2007225082 A JP 2007225082A JP 5088678 B2 JP5088678 B2 JP 5088678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
peripheral side
outer peripheral
bottom blade
radius
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007225082A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009056533A (ja
Inventor
晴喜 木野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Hitachi Tool Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Tool Engineering Ltd filed Critical Hitachi Tool Engineering Ltd
Priority to JP2007225082A priority Critical patent/JP5088678B2/ja
Publication of JP2009056533A publication Critical patent/JP2009056533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5088678B2 publication Critical patent/JP5088678B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Description

本発明は、首下の長いラジアスエンドミルに関するものであり,特に、首下長さが刃径の3倍以上のロングネックラジアスエンドミルに関する。
近年、金型のリブ溝など刃径の3倍以上の首下長さが必要とする、深いポケットを加工したいというニーズがある。さらには、仕上げ加工では工具の送り速度を上げても切削面を綺麗に仕上げたいというニーズがある。これらの加工にはラジアスエンドミルが使用されるが、首下長が長いとビビリ振動が発生しやすく、これにより加工面粗さに悪い影響を与えたり、工具刃先に欠けやチッピングが発生するなどの問題があり、それに伴い摩耗が進行し最悪な状態では工具が折れるといった深刻な問題が発生している。これらの問題に対して、特に加工面の仕上がりを良くする目的や、工具のチッピングの防止のために、いくつかの提案がなされている。
特許文献1には、加工面を滑らかに仕上げるため、コーナー刃をエンドミル本体の最先端に突出した後に後端側に向かうように湾曲させ、コーナー刃の工具軸線方向のすくい角を−10゜〜+10゜の範囲に設け、外周刃の逃げ面とコーナー刃の逃げ面とが連続して形成されたラジアスエンドミルが記載されている。
特許文献2には、円弧刃に繋がる第1底刃と、前記第1底刃のすきま角より大きいすきま角を有する第2底刃が設けられ切削負荷を緩和し、底刃の欠損とビビリ振動を抑制し、底面の仕上がりを向上し、切りくずの噛み込みを防止できるラジアスエンドミルが記載されている。
特開2007−30074号公報 特開2006−212744号公報
しかしながら、一般的に、ロングネックラジアスエンドミルと呼ばれる、首下長さが刃径の3倍以上、特に首下長さが刃径の5倍以上にもなる工具で、さらに刃径が6mm以下の小径の工具になると、特許文献1記載の工具ではコーナー刃に接する底刃のすかし角が大きい場合では、削り残しが発生すると共にビビリ振動が発生し、加工面粗さが悪くなるといった問題が発生していた。
また、切削加工能率を上げるため用いる4枚刃以上の底刃を有するロングネックラジアスエンドミルの、少なくとも一枚の底刃が工具中心軸付近まで形成されている工具の刃付けにおいて、前記外周刃、前記ラジアス刃、前記底刃を連続加工するにあたり、回転方向後方側に位置する底刃に干渉しないためには、使用する砥石の先端角度は鋭角にして、前記底刃の刃先に対して砥石を更に傾けたりして加工しなければならなかった。このため、逃げ面の面粗さが悪くなったり、機械の動きは3次元的に複雑になり、加工に用いるNCプログラムが複雑になるうえ、機械の段取りを行う際の時間が掛かってしまい、更に、工具の製品精度を高めるためには、段取りを行う作業者の技術力が重要であり、熟練を有した作業者でないと容易に加工ができないといったことや工具の生産性が著しく低下するといった問題が発生していた。
本発明は以上のような背景のもとになされたものであり、小径かつ首下が長いロングネックラジアスエンドミルの形状として製造が容易であり、工具の特性として切削抵抗を低減して、ビビリ振動を抑制し、底面仕上げで良好な加工面粗さが得られるロングネックラジアスエンドミルを提供することを目的とする。
本発明は、刃径が6mm以下で首下長さが刃径の3倍以上に設けられているロングネックラジアスエンドミルであって、工具本体の外周刃に接続され先端方向に突出する複数のラジアス刃と、前記ラジアス刃に接続された底刃を設け、前記ラジアス刃、前記底刃の回転方向のすくい面は同一平面状に設けられ、前記底刃はラジアス刃に接続する外周側底刃、前記外周側底刃に接続され工具中心方向に向かう内周側底刃からなり、前記外周側底刃の長さは、0.02mm以上0.3mm以下の範囲に設け、前記外周側底刃は、前記内周側底刃に対して0.5゜以上4゜以下の範囲の角度で回転方向後方へ傾斜し、前記外周側底刃のすかし角は0゜以上2゜以下の範囲、前記内周側底刃のすかし角は3゜以上7゜以下の範囲であることを特徴とするロングネックラジアスエンドミルである
これにより、刃径が6mm以下で首下長さが長いためにビビリ振動が発生しやすい形状であって、送り速度を上げた場合においても、切削抵抗を低減すると共にビビリ振動を抑え、削り残しを少なくして良好な面粗さを得ることができる。
更に、本発明は、刃数が4枚刃以上であって、少なくとも外周刃、前記ラジアス刃、前記外周側底刃の逃げ面が、連続加工されていることを特徴とするロングネックラジアスエンドミルである。これにより前記外周刃、前記ラジアス刃、前記外周側底刃の逃げ面のつなぎ部が滑らかに接続され、つなぎ部の角による加工面にすじが残らないと共に、良好な加工面粗さを得ることができる。これにより、切れ刃が4枚刃以上の場合においても、製造が容易になると共に、本発明のエンドミルの生産性を大幅に向上する事ができる。
本発明によれば、刃径が6mm以下という小径であって、首下長さが刃径の3倍以上という、使用の難しさからは過酷な形状のロングネックラジアスエンドミルを提供できる。
リブ溝など深いポケットの加工の底面仕上げ加工を行う際に、送り速度を上げた場合でも、切削抵抗を低減し、ビビリ振動を抑制して、削り残しを除去し、底面仕上げで良好な加工面粗さが得られる。
本発明ロングネックラジアスエンドミルは、ラジアス刃、外周底刃の逃げ面が連続加工されていることにより、それぞれの刃部のつなぎ部が滑らかに接続され、つなぎ部の角がなくなるので、前記つなぎ部の角による加工面にすじが残らず、良好な加工面粗さを得ることができる。この効果は切削加工能率を上げるため用いる4枚刃以上のロングネックラジアスエンドミルの場合に特に効果を発揮する。
本発明によれば、傾斜切削を行う際においても、底刃のワークへの接触を少なくし、安定した加工がおこなえるために、工具の刃先に欠けなどが生じることなく、工具寿命を向上させることができる。
図1は、本発明例のロングネックラジアスエンドミル全体の概略を表した正面図であり、刃部2、首部3、シャンク部5を有し、シャンク部5より先端側の首下長さ4が刃径dの3倍以上のものである。(図は約7.2倍の例)
図2は、本発明例図1の刃部2の拡大図である。刃部2は、複数の外周刃6、ラジアス刃7、底刃8を有し、底刃8はラジアス刃7に接続する外周側底刃9および、外周側底刃9に接続され工具中心方向に向かう内周側底刃10からなる。また、ラジアス刃7は外周側底刃9と滑らかに接続するため、内周側へわずかに伸延させて、伸延の最終点におけるラジアス刃7の接線が外周側底刃9となるように接続されている。これにより、つなぎ部が滑らかに接続され、つなぎ部の角による加工面にすじが残らないと共に、良好な加工面粗さを得ることができる。
図3は図1の左側面視における拡大図である。図4は一刃の送り量が小さい場合、図5は一刃の送り量が大きい場合、の軌跡を示したものである。図4と図5を比較すると、図5の一刃の送り量が大きい場合には、削り残し15の削り残し量は大きくなることがわかる。
本発明のロングネックラジアスエンドミルにおいて、図3より、外周側底刃9の長さ13は、0.02mm以上0.3mm以下の範囲で設ける。本発明の工具形状では、外周側底刃9の長さ13の効果により一刃の送り量が大きい場合にも、図5における削り残し15を確実に切削して除去でき、さらに良好な加工面粗さが得られる。外周側底刃9の長さ13が0.02mm未満であると、送り速度を上げたときには削り残し15を除去できず、加工面粗さが悪化する恐れがある。また、外周側底刃9の長さ13が0.3mmを超えると、底面仕上げおよび傾斜切削を行う場合において被削材に接触する切れ刃長さが長くなるため、切削抵抗が増大し、ビビリ振動を誘発しやすくなる。
また、図6は本発明のロングネックラジアスエンドミルを示す図3の回転方向のすくい面を示した図である。図6の斜線部に示すように、本発明の工具はラジアス刃7、外周側底刃9、内周側底刃10の回転方向のすくい面16は、同一平面状に設けられ、そのために切削抵抗を一方向からのみで受けることにより、首下長さ4が刃径の3倍以上のロングネックラジアスエンドミルにおいてでも、ビビリ振動が発生することなく安定した加工ができるようになる。前記回転方向のすくい面16が複数の面で構成されている従来技術では、複数の方向からの切削抵抗を受けるため、振動が発生しやすくなり、加工面が不均一になってしまうことで、加工面粗さを悪くしてしまう。
次に本発明における底刃8の前記外周側底刃9は、前記内周側底刃10に対して最適な角度で回転方向後方へ傾斜していることについて説明する。本発明では、図3において、外周側底刃9は、内周側底刃10に対して0.5゜以上4゜以下の範囲の外周側底刃9の角度14で回転方向後方へ傾斜して設けることが好ましい。この理由を図7により説明する。図7は本発明と従来例の底刃側からシャンクに向かう方向に見たときにおいて、底刃が工具回転方向へ(イ)から(ハ)まで順番に移動したときの変化をモデル的に比較して表した図である。図7における鎖線は、被削材と工具刃先の相対的位置関係を示す。図7にて示すように、従来技術の底刃8に比べ、本発明は外周側底刃9の角度14が大きく設けられていることが特徴である。
図7の、外周側底刃9がない従来例に示すように、底刃8が被削材に対して矢印で示すような応力を発生させ、かつ作用する力は分散されないために抵抗が大きく、ビビリ振動が発生する恐れがある。これに対して本発明の外周側底刃9は、矢印で示すように応力を分散させ、かつ図8の(ロ)から(ハ)に移動するに従い、被削材に対して内周側底刃10側からラジアス刃7側へ切削点が移動しながら切削するため、工具回転方向の切削抵抗が低減され、ビビリ振動を抑制でき、良好な加工面粗さを得る事ができる。このように本発明の外周側底刃9が内周側底刃10に対して角度を設けることによって、首下の長いロングネックラジアスエンドミルにおいて切削抵抗を低減して、より安定した加工ができる。
ここで、外周側底刃9の角度14が0.5゜未満の場合、切削抵抗の低減効果が十分でなく、首下長さ4の長いロングネックラジアスエンドミルではビビリ振動が発生するため、加工面粗さが悪くなってしまう恐れがある。また、外周側底刃9の角度14が4゜を超えると、切削抵抗の分力が工具半径方向に大きく働くため、ビビリ振動を発生させやすくなり、加工面粗さが悪くなってしまう恐れがある。
また、図2に示すように本発明のロングネックラジアスエンドミルにおいて、外周側底刃9のすかし角11は工具軸線に対して垂直方向に設けた線に対して、0゜以上2゜以下の範囲に設けることが好ましい。これにより、外周側底刃9で一刃の送り量が大きい場合において、図5で例示するようなエンドミルの送り方向に発生する削り残し15を除去して、良好な底面仕上げ加工面粗さにすることができる。外周側底刃9のすかし角11が0゜よりも負の角度になると、外周側底刃9が凸状になる為、加工面にスジが残るなどの問題が発生してしまう。また外周側底刃9のすかし角11が2゜を超えると、削り残し15が発生するために、加工面粗さを悪くしてしまう恐れがある。
本発明のロングネックラジアスエンドミルにおいて、図2の内周側底刃10のすかし角12は先端視での工具軸線に対して垂直方向に設けた線に対して、3゜以上7゜以下の範囲に設けることが好ましい。これにより、刃先の剛性を下げること無く良好な加工面粗さを得ることができる。内周側底刃10のすかし角12が3゜未満の場合は、外周側底刃9のすかし角11との角度差が小さくなり、底刃8の切削抵抗が増大してビビリ振動が発生し易くなり、加工面粗さが悪くなる。また、内周側底刃10のすかし角12が7゜を超える場合は、刃先の強度が低下し、チッピングや欠けなどが発生し易くなると共に、加工面粗さが悪くなる恐れがある。
本発明のロングネックラジアスエンドミルにおいて、刃数が4枚刃以上であって、外周刃6、ラジアス刃7、外周側底刃9の逃げ面が、連続加工されていることが好ましい。これにより、つなぎ部の逃げ面が滑らかに接続され、つなぎ部に角が立たないこにより加工面に角によるすじが残らないため、良好な加工面粗さを得ることができる。
従来例では、特に4枚刃以上の底刃を有するロングネックラジアスエンドミルの少なくとも一枚の底刃が工具中心軸付近まで形成されている工具の刃付けにおいて、前記外周刃6、前記ラジアス刃7、前記底刃8を連続加工する場合には、回転方向後方側に位置する底刃に干渉させないために、鋭角な砥石の使用やこのために砥石形状が転写されて形成する逃げ面の面粗さが悪くなり、逃げ面の面粗さを向上させるために、砥石の送り速度を小さくする必要があった。これらのことで、機械の動きは複雑となり、加工に用いるNCプログラムが複雑化して、機械の段取りを行う際の時間が掛かってしまい、容易には加工ができなかった。
これに対して、本発明は前記外周刃6、前記ラジアス刃7、前記外周側底刃9までを連続加工し、内周側底刃10の加工を別の加工で行うために、回転方向後方に位置する刃に干渉することがなくなり、平らな面を持つ砥石などを使用することが可能になる。これにより加工するときの砥石の送り速度を上げても逃げ面の面粗さを良好にすることができる。これにより、使用するNCプログラムが単純となり、段取りに要する時間を短縮することができる。また、高度な加工技術を要することなく、精度の高い工具を製造することが可能になる。このことは、工具の再研磨を行う場合においても同様の効果を発揮し、本発明の工具形状の特徴を活かして容易に再研磨する事ができる。
また、工具を使用した場合の、底面仕上げで加工面粗さに影響を及ぼす部分は、主に前記外周刃6、前記ラジアス刃7、前記外周側底刃9との、つなぎ部分であり、最低限これらが連続加工されていることで、工具を使用したときに高品位な加工面を得ることができるのである。
本発明のロングネックラジアスエンドミルにおいて、ラジアス刃7は、外周側底刃9よりさらに回転方向後方へ傾斜して設けることが好ましい。これにより、ラジアス刃7の切削抵抗も低減できるため、ビビリ振動の発生を抑制して良好な加工面を得ることができる。ここで、傾斜しないものや、ラジアス刃7を外周側底刃9より回転方向前方へ傾斜させて設けた場合、切りくずの流れが阻害され、切削抵抗が増大し、ビビリ振動を誘発しやすく、チッピングやカケなどが発生してしまうと共に、加工面粗さが悪くなってしまう。
図8は本発明の図3の工具中心付近の拡大図である。図8のように、回転軸を挟んで向かい合う複数の内周側底刃10により形成されている心残し幅18を刃径dの5%以下に抑えることが好ましい。このようにすることによって、切りくずの噛み込みを抑制し、良好な底面仕上げが可能である。首下の長いロングネックが必要となる深いリブ溝などの加工においては、切削液を供給しても切り屑の排出が困難であるため、心残し幅18が刃径dの5%を超える場合、切りくずの噛み込みが発生し、加工面粗さが悪くなると共に、チッピングやカケなどが発生し、工具寿命を著しく低下してしまう恐れがある。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例では、本発明の構成の範囲外も比較例として切削試験を行い、最適な範囲を確認することも目的とした。
(実施例1)
本発明例1〜5、比較例6、7においては、刃数が4枚刃、刃径が3mm、首下長さが30mm(L/D=10倍)、ラジアス刃の円弧半径が0.5mm、シャンク径が6mmであるロングネックラジアスエンドミルであって、外周側底刃の角度を1.5゜、外周側底刃のすかし角が1゜、内周側底刃のすかし角が5゜、内周側底刃の心残し幅が刃径の2%とし、外周側底刃の長さを、表1に示すものを作製し、テストに供した。
被削材には材質がSUS420J2の硬さがHRC52であり、幅250mm、奥行き100mm、高さ100mmの鋼材を用いた。切削条件は、エンドミル工具軸線方向の切り込み量は0.05mm、径方向の切り込み量は0.5mm、回転数は10000min−1、送り速度は800mm/minとし、水溶性切削液を使用して、切削長が5mになるまで底面切削を行った。
評価として、ワークを切削後、切削した面の面粗さを接触式面粗さ測定器で、面粗さ最大高さRzを3ヶ所測定し、平均値とした。結果は、実用的に合格とされる面粗さ平均値が2.5μm以下の評価を「良い」以上として、◎:非常に良い、○:良い、×:悪い、の3段階に分けて、それぞれのテストの中で相対的に評価した。その結果を表1に示す。
その結果、本発明例1〜5のものは、切削抵抗の増大によるビビリ振動の発生もなく、削り残しも確実に除去され、面粗さ平均値も2.5μm以下の良好な加工面粗さを得ることができており、外周側底刃の逃げ面摩耗も安定した定常摩耗であった。
比較例6のものは、外周側底刃の長さが0.02mmよりも短く、このために削り残しが大きくなる傾向となり、本発明例1〜5より加工面粗さが悪化することとなった。
比較例7のものは、外周側底刃の長さが0.3mmよりも長く、このため切れ刃長さが長くなり切削抵抗が大きくなり、外周側底刃の逃げ面磨耗が進行し易くなるため切れ味が低下し、悪化する傾向となり、加工面粗さ平均値が3.62μmと2.5μmを超えていた。
(実施例2)
本発明例8〜14、比較例15、16のものは、外周側底刃の長さを0.1mmとし、外周側底刃の角度を変化させた以外は、実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製し、テストに供した。テストは、実施例1と同様の切削条件、加工ワーク形状、加工方法にて行い、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、表2に示す。
その結果、本発明例8〜14のものは、切削抵抗が低減され、ビビリ振動の発生もなく、加工面粗さ平均値が2.5μm以下の良好な加工面粗さが得られた。
比較例15のものは、外周側底刃の傾斜角度が0.3゜と小さく、切削抵抗が分散されにくいため、抵抗の低減効果が十分でなくビビリ振動が発生し、加工面粗さが悪化する傾向となった。
比較例16のものは、外周側底刃の傾斜角度が4.3゜と大きく、切削抵抗の分力が工具半径方向に大きく働くため、ビビリ振動が発生され易く、外周側底刃の逃げ面摩耗幅が、本発明例8〜14のものよりも大きくなっており、加工面粗さが悪化し、加工面粗さ平均値が2.59μmと2.5μmを超えていた。
(実施例3)
次に、本発明例17〜19、比較例20において、外周側底刃の長さを0.1mmとし、外周側底刃のすかし角を変化させた以外は、実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製し、テストに供した。テストは、実施例1と同様の切削条件、加工ワーク形状、加工方法にて行い、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、表3に示す。
その結果、本発明例17〜19の外周側底刃のすかし角が0゜〜2゜のものは、ビビリ振動の発生や削り残しもなく、安定した良好な面粗さが得られている。また、比較例20では外周側底刃のすかし角が3゜と大きく、削り残しを充分に除去することができなかったために、加工面粗さ平均値が2.61μmと悪化する傾向となった。
(実施例4)
本発明例21〜23、比較例24、25において、外周側底刃の長さを0.1mmとし、内周側底刃のすかし角を変化させた以外は、実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製し、テストに供した。テストは、実施例1と同様の切削条件、加工ワーク形状、加工方法にて行い、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、表4に示す。
その結果、本発明例21〜23のものは、切削抵抗が低減され、ビビリ振動の発生も抑制されて、良好な加工面粗さを得ることができた。
比較例24のものは、内周側底刃のすかし角が2゜と小さいため切削抵抗が大きくなり、ビビリ振動の発生がし易くなる傾向となり、本発明例21〜23のものより加工面粗さが悪化することとなった。
比較例25のものは、内周側底刃のすかし角が9゜と大きいため刃先の強度が低下し、底刃の逃げ面摩耗が進行し、さらにチッピングが一部発生して、加工面粗さ平均値が2.64μmと2.5μmを超えていた。
(実施例5)
次に、本発明例26〜32において、外周側底刃の長さを0.1mmとし、内周側底刃の心残し幅を変化させた以外は、実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製し、テストに供した。テストは、実施例1と同様の切削条件、加工ワーク形状、加工方法にて行い、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、表5に示す。
その結果、本発明例26〜31のものは、切りくずの噛み込みや、切り屑づまりの発生も無く、良好な加工面粗さを得ることができた。
本発明例32のものは、内周側底刃の心残し幅が刃径の7%と厚く、切りくずの噛み込みや細かい切りくずによる擦りが発生した。そのために、本発明例32〜37のものより加工面粗さが悪化する傾向となった。
(実施例6)
本発明例33と従来例34、35において、本発明例33を、外周側底刃の長さを0.1mmとし、実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製、従来例34を外周側底刃のすかし角と内周側底刃のすかし角が5゜と同一で、外周側底刃の傾斜角度が0゜とし、他は実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製した。また、従来例35は、外周側底刃のすかし角を1.0゜、外周側底刃の傾斜角度が0゜、底刃の工具軸線方向のすくい角を0゜とし、他は実施例1と同様の基本工具諸元の試料を作製した。テストは、実施例1と同様の切削条件、加工ワーク形状、加工方法にて行い、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、表6に示す。
結果として、本発明例33のものは、切削抵抗が低減し、ビビリ振動も抑制され、外周側底刃の逃げ面摩耗幅も小さく、面粗さ平均値も2.5μm以下の良好な加工面粗さが得られることができた。
従来例34のものは、外周側底刃のすかし角と内周側底刃のすかし角が5゜と同一で大きく、加工面の削り残しが除去されず大きく残っており、底面仕上げの加工面粗さが最も粗く測定された。
比較例35のものは、加工面の削り残しは除去されているが、外周側底刃の傾斜角度と底刃の工具軸線方向のすくい角が0゜のため、切削抵抗が増大され、ビビリ振動が発生し、底刃のすくい面にチッピングの発生が認められ、加工面粗さ平均値が4.21μmと悪く測定された。
図1は、本発明例の正面図である。 図2は、図1の刃部拡大図である。 図3は、図1の左側面視における拡大図である。 図4は、一刃の送り量が小さい場合の軌跡を示した図である。 図5は、一刃の送り量が大きい場合の軌跡を示した図である。 図6は、図3の回転方向のすくい面を示した図である。 図7は、本発明と従来例の、底刃の工具回転方向の変化を表した図である。 図8は、図3の工具中心付近の拡大図である。
符号の説明
1 ロングネックラジアスエンドミル
2 刃部
3 首部
4 首下長さ
5 シャンク部
6 外周刃
7 ラジアス刃
8 底刃
9 外周側底刃
10 内周側底刃
11 外周側底刃8のすかし角
12 内周側底刃9のすかし角
13 外周側底刃の長さ
14 外周側底刃の角度
15 削り残し
16 回転方向のすくい面
17 工具軸線
18 内周側底刃の心残し幅
d 刃径

Claims (2)

  1. 刃径が6mm以下で首下長さが刃径の3倍以上に設けられているロングネックラジアスエンドミルであって、工具本体の外周刃に接続され先端方向に突出する複数のラジアス刃と、前記ラジアス刃に接続された底刃を設け、前記底刃はラジアス刃に接続する外周側底刃、前記外周側底刃に接続され工具中心方向に向かう内周側底刃からなり、
    前記外周側底刃の長さは、0.02mm以上0.3mm以下の範囲に設け、前記ラジアス刃、前記底刃の回転方向のすくい面は同一平面状に設け、前記外周側底刃は、前記内周側底刃に対して0.5゜以上4゜以下の範囲の角度で回転方向後方へ傾斜し、前記外周側底刃のすかし角は0゜以上2゜以下の範囲、前記内周側底刃のすかし角は3゜以上7゜以下の範囲であることを特徴とするロングネックラジアスエンドミル。
  2. 刃数が4枚以上であって、少なくとも外周刃、前記ラジアス刃、前記外周側底刃の逃げ面が、連続加工されていることを特徴とする請求項1に記載のロングネックラジアスエンドミル。
JP2007225082A 2007-08-31 2007-08-31 ロングネックラジアスエンドミル Active JP5088678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007225082A JP5088678B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 ロングネックラジアスエンドミル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007225082A JP5088678B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 ロングネックラジアスエンドミル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009056533A JP2009056533A (ja) 2009-03-19
JP5088678B2 true JP5088678B2 (ja) 2012-12-05

Family

ID=40552760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007225082A Active JP5088678B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 ロングネックラジアスエンドミル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5088678B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9901995B2 (en) 2013-11-08 2018-02-27 Mitsubishi Hitachi Tool Engineering, Ltd. Radius end mill and cutting work method
JP2022065184A (ja) * 2018-05-24 2022-04-26 株式会社Moldino エンドミル

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012125863A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Toshiba Mach Co Ltd 1枚刃構造のラジアスエンドミル
JP5803647B2 (ja) * 2011-02-16 2015-11-04 三菱日立ツール株式会社 エンドミル
JP6307084B2 (ja) * 2013-09-19 2018-04-04 ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータNuovo Pignone S.R.L. フライス工具および使用方法
JP6929626B2 (ja) 2016-09-02 2021-09-01 三菱重工業株式会社 耐熱合金の切削加工条件設定方法及び耐熱合金の切削加工方法
KR102365447B1 (ko) * 2018-02-02 2022-02-18 가부시키가이샤 몰디노 엔드 밀 및 가공 방법
JP7075584B2 (ja) * 2018-04-16 2022-05-26 三菱重工業株式会社 ラジアスエンドミル及びこれを用いた工作機械、並びにラジアスエンドミルの設計方法及び加工方法
JP2020082206A (ja) * 2018-11-15 2020-06-04 三菱マテリアル株式会社 クーラント孔付きエンドミル
US11865629B2 (en) 2021-11-04 2024-01-09 Kennametal Inc. Rotary cutting tool with high ramp angle capability
CN116900650A (zh) * 2023-09-12 2023-10-20 成都宝利根创科电子有限公司 一种细高直圆柱形电极的加工方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS637457Y2 (ja) * 1984-12-04 1988-03-03
JPH06218615A (ja) * 1993-01-21 1994-08-09 Nisshin Kogu Kk エンドミル
JP2000042822A (ja) * 1998-07-28 2000-02-15 Nachi Fujikoshi Corp コーティングエンドミル
JP2000210808A (ja) * 1999-01-25 2000-08-02 Toshiba Tungaloy Co Ltd エンドミル
JP4540292B2 (ja) * 2002-10-22 2010-09-08 オーエスジー株式会社 ラジアスエンドミル
JP2005319558A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Hitachi Tool Engineering Ltd 刃先交換式仕上げ用ラジアスエンドミル
JP2006212744A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nisshin Kogu Kk エンドミル
JP2007030074A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Mitsubishi Materials Kobe Tools Corp ラジアスエンドミル及び切削加工方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9901995B2 (en) 2013-11-08 2018-02-27 Mitsubishi Hitachi Tool Engineering, Ltd. Radius end mill and cutting work method
JP2022065184A (ja) * 2018-05-24 2022-04-26 株式会社Moldino エンドミル
JP7303464B2 (ja) 2018-05-24 2023-07-05 株式会社Moldino エンドミル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009056533A (ja) 2009-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5088678B2 (ja) ロングネックラジアスエンドミル
JP6347258B2 (ja) ラジアスエンドミル及び切削加工方法
KR101534120B1 (ko) 볼 엔드밀 및 인서트
KR20080023355A (ko) 라디우스 엔드밀 및 절삭 가공 방법
WO2016002402A1 (ja) 切削工具の製造方法及び切削工具
JP2012091306A (ja) 超硬合金製エンドミル
WO2013118829A1 (ja) 多刃ボールエンドミル
JPWO2019073752A1 (ja) 回転切削工具
JP2005111651A (ja) チップおよびフライスカッタおよびそれらを用いた加工方法
JP2010162677A (ja) 小径cbnボールエンドミル
JP6179165B2 (ja) ラジアスエンドミル
JP5403480B2 (ja) 小径cbnエンドミル
JP2019141916A (ja) スクエアエンドミル
JP2006263870A (ja) ラジアスエンドミル、及び、ラジアスエンドミルの製造方法
JP2006088232A (ja) ボールエンドミル
JP6212863B2 (ja) ラジアスエンドミル
JP2009184044A (ja) 段付きツイストドリルおよびその製造方法
JP2020040179A (ja) リブ溝の壁面の加工方法およびテーパエンドミル
JP2013013962A (ja) Cbnエンドミル
CN109963678B (zh) 螺纹铣刀
JPWO2019151169A1 (ja) エンドミルおよび加工方法
US11491559B2 (en) End mill
JP2005319558A (ja) 刃先交換式仕上げ用ラジアスエンドミル
JP2012091259A (ja) エンドミル
JP5906838B2 (ja) スクエアエンドミル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120820

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5088678

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120902

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350