JP2015130581A - 音響再生システム - Google Patents

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Yang Wu
ウー ヤン
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Abstract

【課題】さらなる、小形で低音再生性能に優れたスピーカシステム。【解決手段】低音再生特性ではなく、低音再生能力の範囲を大幅に改善した、ドライバのフレームに第2エッジを設けたところの、スピーカシステムのエンクロージャが振動しない条件を設け、ドライバの f0 より低い周波数範囲のボイスコイルのインピーダンスが極小になる周波数付近で、帯域強調の、さらに低い周波数範囲にある、ボイスコイルのインピーダンスが極大になる付近を遮断周波数とする低域遮断の信号処理を組み合わせる。【選択図】図5

Description

小形で超低音の再生性能に優れたスピーカシステムとそのスピーカシステムから低音放射を引き出す方法に関する。
2013年12月現在、携帯端末に組み込まれた高機能のプレーヤの普及に伴い、スピーカシステムの市場では{小形であること}と{超低音再生性能に優れている}こと、との相矛盾するファクターでの、商品の市場での競争が激しくなっている
現状は、{アクティブドライバとパッシブラジエータの組み合わせる方法}によって、低音再生性能の水準は高くなっている。しかしながら、数年前に比べ格段に優れているとはいえ、市場では{低音再生性能の際限の無い向上}が求められている。
従来の{ドライバとパッシブラジエータ}を組み合わせる手法は{コストや外観デザインの制約によって決定されたアクティブドライバの性能}がスピーカシステムの性能を左右する。{アクティブドライバの低音再生性能の確保}に必要な主なファクターは二つある。第1に{一定電流条件で、ボイスコイルが発生する力の大きさ}と、第2に{一定電流条件で、同じ駆動力を確保できるボイスコイルの可動範囲の大きさ}である。
大雑把には{どれほどに多量の、そして、または、どれほどに高性能の永久磁石を使うか}という課題に絞られる。小形スピーカでは{ネオジウムマグナットを代表とする高価で高性能な永久磁石}が使われることから、コストと性能の比較において妥協が図られる。
2013年現在、製造販売されている数多くの小形スピーカシステムの{商品の仕様決定から設計完了までの行程}において、一つの共通課題がある。その共通課題とは、{ドライバもしくはスピーカシステムの振動系}と{電力増幅を含めた電子回路部の信号処理}との関係において、{双方の特徴や弱点}を考慮した設計が深く追求されていない点である。その主な理由は{商品企画}と{組み立てを中心とする製造}と{部品である振動系のドライバの製造}と{音質仕上げに必要な信号処理を決定する業務}間の相互の協調体制が取れていないことによる。このことは、{限られたコストの範囲で最良の音質を再生する}という課題に対し、{最適な対処が難しい最大の原因}の一つである。{信号処理系に従事するものは、振動系の深い知識に乏しく}、また、{振動系に従事しているものは信号処理系の深い知識に乏しい}、のが通常である。{より小形}と{より強力な低音またはより広い低音再生範囲}が際限なく求められる今日、{振動系と信号処理系の双方の協調}によって最大の効果が引き出されてしかるべきである。
参考になる特許文献、及び、非特許文献はなし。
第1に、{永久磁石の量と質を変えることによる低音性能の改善}ではなく、{同じ永久磁石の量と質でもって、低音再生性能を大幅に改善}しようとするものである。
大幅な改善とは、実験的ではあるが、{低音再生周波数範囲で、1オクターブないしは2オクターブの改善}である。
第2に、{振動系と信号処理系}を総合的な観点から最大効果を上げるべく{設計方法や手順が改善できる振動系の構造}である。
第3に、スピーカシステムの性能改善は一つのファクターの改善によって、他のファクターの改善が必要になるケースが多い。特にアクティブドライバだけでスピーカシステム全体の性能向上を図ろうとすると、トレードオフ関係にある性能の妥協点を探る必要がある。
以下の説明、及び、請求項を含む全文において、下記の用語を定義する。
一つの請求項で定義した用語は他の請求項と明細書においても同様であるとする。
設計とは、{部品や商品の完成状態を机上で定義づける}ことを意味する。
振動系とは機械振動を意味するものとする。
信号処理系とは、{アナログ電子回路やディジタル計算によって入力音響信号に目的の作用を施す機能}を意味する。
{}の内側は{}の外側に優先して意味を持つ。
本案発明の本質の第1は、
アクティブドライバをパッシブラジエータとしても機能させるところにある。
{アクティブドライバの振動}と{磁気回路に対するコーンの振動}の位相を、目標とする低域再生周波数付近で{同相または同相に近くなるよう}、振動系を設計することによって、コーンの放射空間に対する振動を大幅に増加させる。
そして、{低域極小インピーダンス周波数}では{コーンの振動による負荷}が増えることから、ダンパによる振動抑制を必要としなくなり、ダンパのスティフネスを小さく設計できる。このことは、スピーカシステムの変換効率を上げることにも貢献する。
上記の振動を満足させるために、アクティブドライバのフレームの外周に第2エッジを設け、第2エッジをエンクロージャに固定する。第2エッジの役割は{アクティブドライバ自身がエンクロージャに対し振動できるよう自由度を持たせる}ことである。第2フレームは{アクティブドライバと第2エッジと第2フレームからなるところのダブルエッジドライバ}をエンクロージャに固定する役割を持つ。第2フレームとエンクロージャが共用部品であるケースも含まれる。
{低域極小インピーダンス周波数}は、目標とする低域再生帯域にある。{低域極小インピーダンス周波数}を決める主要因には、アクティブドライバのコーンの放射面積、コーンとボイスコイルの質量、アクティブドライバ全体の質量、第1エッジとダンパのスティフネス、第2エッジのスティフネス、アクティブドライバ全体の放射面積、エンクロージャの容積、がある。その強さを決める主要因には、磁気回路とボイスコイルによる駆動力がある。
{低域極小インピーダンス周波数}の設計に際しては、可能な範囲で上記のファクターの物理定数が選択される。
中低音以上の周波数帯ではアクティブドライバが持つ質量が大きいことから、振動系はアクティブドライバが固定されたと同じ条件となる。
本案発明の本質の第2は、
第2エッジを多孔質プラスティック材料で機能させるところにある。
{小形のアクティブドライバが{強力な低音}を再生するケース}では、多くの問題を解決しなければならない。その内の一つに、低音再生時、エッジの材質や構造など、なんらかの要因によって異常振動のモードに陥る、という現象がある。{異常振動モードに入るレベル}よりも{異常振動モードから抜け出すレベル}が低いので、この現象による異常音はスピーカシステムの品位を著しく下げる。第2エッジは、重量のあるアクティブドライバを支え、かつ、振動振幅も第1エッジよりは大きくなるケースが多いことから、異常振動モードの回避は重要な課題である。異常振動モードは、局所的な{非線形性や非対称性や共振}などに起因する。いずれのケースにおいても、多孔質プラスティックが持つ{弾力性と粘性}が{第2エッジの機能を維持し}かつ{異常振動モードの原因を大幅に軽減する}。
本案発明の本質の第3は、
{エンクロージャの正面にダブルエッジドライバ}、{背面に{正面と同じダブルエッジドライバ}もしくは{パッシブラジエータ}}を設け、エンクロージャの振動を軽減し、かつ,低音再生能力の改善を図るところにある。
本案発明のスピーカシステムの特徴は低音再生能力に優れているところにあるが、アクティブドライバ自身の振動によるエンクロージャへの揺さぶりが大きいことから、スピーカシステムを卓上で使う場合、その質量を大きくし、エンクロージャ全体の振動を抑制する必要がある。
しかし、スピーカシステムの質量を大きくすることは、そのために不要な素材を使う必要があり、商品の梱包材料の強化も必要になる。エンクロージャの背面に{アクティブドライバまたはパッシブレジエータ}を設けることで{正面と背面}の加速度を相殺させ、軽くても強力な低音再生性能を持つスピーカシステムを得ることができる。低音放射面積も増えることから、正面と背面の位相が揃っている範囲での低音放射効率が著しく改善される。
本案発明の本質の第4は、
{振動系には低音再生能力}を、そして{信号処理系には振動系の能力を引き出し、弱点を押さえる機能}を持たせるところにある。
{振動系の役割}と{信号処理系の役割}を最適に配分させることで、振動系の設計から{音質全体のバランスを確保しなければならない}という面倒なファクターを除外することができる。本案発明の振動系の設計に関しては、再生能力を持たせることが重要であって再生特性は重要ではない。目的とする再生特性は、信号処理系を使うことで、その再生能力を引き出すことができる。再生能力がなければいかなる信号処理系を使っても特性の改善は望めないが、能力が備わっていれば改善が可能である。
これまでは、一般的に、部品としてのアクティブドライバは{低音再生性能と全体の音質特性のバランスを要求されていた}ことから設計に際し、数多くの相矛盾する課題を解決しなければならなかった。本案発明の手法によるアクティブドライバは、全体の音質特性の重要性は低く、低音再生能力だけが求められることから、設計の際、考慮しなければならない条件が極めて簡素になる。
本案発明の本質の第5は、
ダブルエッジドライバの{低音再生領域で増強された激しい振動}を他の構造物に伝達し、{その構造物が持つ多重共振の性質}を利用することで、さらに強力な低音再生を得るところにある。
ダブルエッジドライバとエンクロージャだけのスピーカシステムは大音量再生時、強力な振動が発生する。この振動を強固な構造物に伝達し、その構造物の多重共振の性質を利用することで、強力な低音放射を実現できる。この場合の周波数特性は必ずしも低音再生範囲で均一な周波数特性ではない。車の{シャーシの一部、フロントガラス、ダッシュボード}など、固定方法も含めて{複雑な多重共振を持つような構造物}では極めて効果的である。
さらに、{ダブルエッジドライバとエンクロージャ}の重量を{同程度の低音再生能力を持つ従来のスピーカシステムと比べ}極めて軽量に設計できる。実験結果では従来の方法にくらべ、半分以下の重量でも低音再生能力は同程度に設計できる。
ダブルエッジドライバの設計に際しては、
{適合エンクロージャのサイズと低音再生能力の関係}
{適合エンクロージャのサイズとパッシブラジエータの仕様と低音再生能力の関係}
{低音域で発声するスヒ゜ーカシステムの質量と加速度の関係}
などの諸元を明らかにすることで、ダブルエッジドライバやダブルエッジドライバを有するスピーカシステムの応用設計を簡素化できる。
信号処理の設計に際しては、上記の条件に対応する最適な帯域協調フィルタの諸元を明らかにすることで信号処理を含めたスピーカシステム全体の設計を簡素化できる。
請求項1は、二重のエッジを持つスピーカシステムに関するもので、本案発明のスピーカシステムの基本構造に関する。
請求項2は、二重のエッジを持つスピーカシステムの外側のエッジが多孔質プラスティック材料からできている場合に関する。
請求項3は、ダブルエッジドライバをエンクロージャの正面と背面に設けた場合に関する。
請求項4は、エンクロージャの正面にダブルエッジドライバを、背面にはパッシブラジエータを設けたスピーカシステムに関する。
請求項5は、ダブルエッジドライバを持つスピーカシステムを{乗用車の構造物}に取りつけた場合の乗用車用スピーカシステムに関する。
請求項6は、ダブルエッジドライバを持つスピーカシステムのエンクロージャの代わりに、乗用車の密閉構造物もしくは密閉に近い構造物を用いた場合に関する。
請求項7は、ダブルエッジドライバを持つスピーカシステムの能力を最大限引き出す方法を信号処理に委ねる方法に関する。
本発明は、以下に記載されるような効果を生む。
第1に、アクティブドライバの性能を変えことなく、また従来の製造方法の製造方法によって、小形で低音再生能力に優れたスピーカシステムの大幅な改善を可能とする。
第2に、振動系は、低音再生特性ではなく、低音再生能力に優れた{アクティブドライバ、そしてまたは、ダブルエッジドライバ、そしてまたは、パッシブラジエータ}の設計に集中し、スピーカシステム全体の低音再生の最適化を信号処理に委ねることができる。
第3に、軽量化と高性能化が求められる乗用車用のオーディオシステムで、大幅な重量削減が可能となる。
アクティブドライバの構成例図。 ダブルエッジドライバの一実施例の構成図。 第2エッジがゴムシートの成形品の一実施例。 第2エッジが多孔質プラスティック材料の一実施例。 第2エッジが多孔質プラスティック材料の一実施例。 正面と背面にダブルエッジドライバを設けた一実施例。 パッシブドライバの構成例図。 正面にダブルエッジドライバ、背面にパッシブラジエータを設けた一実施例。 {乗用車の構造物}に本案発明のダブルエッジドライバを設けた一実施例。 {乗用車の構造物}に本案発明のスピーカシステムを設けた一実施例。 {乗用車の構造物}に本案発明のスピーカシステムを設けた一実施例。 ボイスコイルとの磁気回路の合成振動の一説明図。 ボイスコイルとの磁気回路の合成振動の一説明図。
第1に、二つのエッジと二つのフレームを持つ部品としてのダブルエッジドライバ。
第2に、商品としての小形のデスクトップスピーカシステム。
第3に、商品としてのポータブルスピーカシステム
第4に、乗用車のスピーカシステム、そしてまたは、オーディオシステム
部品としてのダブルエッジドライバの生産と流通。
商品としてのダブルエッジドライバを搭載したスピーカシステムの生産と流通。
ダブルエッジシュピーカシステムを最適駆動するための信号処理アルゴリズムまたはプロセッサ。
図1は、アクティブドライバの構造を示す。1は第1フレーム、二つの2は磁気回路、3は永久磁石、4はボイスコイル、5はコーン、6はダンパ、7は第1エッジである。
図2は、本案発明のダブルエッジドライバの構造を示す。{10は、図1に示すアクティブドライバ}、11は第2フレーム、12は第2エッジである。
{10のアクティブドライバの第1フレーム}に第2エッジを設ける。第2フレームはかならずしも必要条件ではないが、{ダブルエッジドライバを完成部品として扱う場合}または{ダブルエッジドライバをエンクロージャに装着しやすくするため}には必要となる部品である。アクティブドライバは第2エッジを介してエンクロージャに対し動く。ボイスコイルは磁気回路に対し動くので、コーンの放射空間に対する振動は、双方が加算されたものとなり、双方が同相である範囲の振れ幅は大幅に増加する。ボイスコイルと磁気回路の関係の線型の範囲を増やすことなく、ダイナミックレンジを大幅に増やすことができる。
図3は本案発明のスピーカシステムの一実施例である。15は図2に示すダブルエッジドライバ、12はダブルエッジドライバの第2エッジ、16はエンクロージャである。
この実施例では第2フレームはエンクロージャと共通部品である。
図4は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、第2エッジが多孔質プラスティック材料である場合の一実施例である。10は図1に示すアクティブドライバ、13はダブルエッジドライバの第2リングエッジ、16はエンクロージャである。
この実施例では第2フレームはエンクロージャと共通部品である。
図5は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、第2エッジが多孔質プラスティック材料である場合の一実施例である。10は図2に示すダブルエッジドライバ、14はダブルエッジドライバの第2リングエッジ、16はエンクロージャである。
この実施例では第2フレームはエンクロージャと共通部品である。
図6は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、ダブルエッジドライバをエンクロージャの正面と背面に設けたものである。二つの15はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャである。
エンクロージャの正面と背面が完全に対称であることから、超低域においても双方の振動が逆相となることはなく、低音再生性能は極めて良好である。
図7はパッシブラジエータの構造の一例を示す。8はパッシブラジエータのエッジ、9は重りである。
図8は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、エンクロージャの背面に図7のパッシブラジエータを設けたものである。11はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャ、17はパッシブラジエータである。
諸常数を最適に設計することで、ほとんど無振動のスピーカシステムを得ることができる。より小形で軽量の低音再生性能に優れた無振動のスピーカシステムに最適な方法である。大雑把には、{アクティブドライバ全体の放射面積と質量}とほぼ同じ程度の{放射面積と質量のパッシブラジエータ}が有効である。
図9は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図3に示すスピーカシステムを{乗用車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャ、18は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードの側面の強固な車体の一部、フロントガラスの下部、強固なダッシュボード、天井、ヘッドレスト、などが低音再生にとっては最適である。
図10は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図3に示すスピーカシステムを{乗用車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャ、19は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードが強固な場合、低音再生にとって有効である。ダッシュボードの振動によるビビリ音の発生を避ける場合は、エンクロージャの背面にパッシブラジエータを設けたタイプのスピーカシステムが有効である。
図11は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図2に示すダブルエッジドライバを{乗用車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、20は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードが強固な場合、低音再生にとって有効である。
図12は{本案発明のスピーカシステムの一実施例}の{{低域極小インピーダンス周波数}における各部の振動波形}を示す。21はボイスコイルの磁気回路に対する振動波形、22はアクティブドライバの振動波形、23はコーンの放射空間に対する振動波形である。
図は、説明の簡素化のため、完全な同相状態を示すが、実際は再生しようとする周波数範囲で-、この位相がプラスマイナス90度の範囲に納まるよう設計する。
このような振動モードに設計することにより、低音再生において、決定的な効果が得られる。
第1に、磁気回路の線型範囲を広げることなく、実質的なコーンの線型範囲が大幅に増える。即ち、再生能力を大幅に改善できる。
第2に、コーンの単位面積あたりの負荷が増大するので、コーンの振動が抑制され、単位入力電力あたりの磁気回路に対するボイスコイルの振動が小さくなり、その分、ダンパのスティフネスを小さく設計できる。そして、電力供給を増やすこともできる。即ち、再生能力を大幅に改善できる。
第3に、比較的質量の大きいアクティブドライバ自身が大きく振動することから、この振動を利用することができる。
背面にパッシブラジエータを設け、正面の放射と同相となるようで振動モードを設計することで、さらに低音再生能力を増加させる。
多重共振を持つ構造物にスピーカシステムを設置し、多重共振系にスピーカシステムの振動を伝えることで、強力な低音放射を得ることができる。
図13は{本案発明のスピーカシステムの一実施例}の{極小低域インピーダンス周波数}領域よりもさらに低い周波数領域での各部の振動波形}を示す。31はボイスコイルの磁気回路に対する振動波形、32はアクティブドライバの振動波形、33はコーンの放射空間に対する振動波形である。ボイスコイルの磁気回路に対する振動とアクティブドライバの振動が逆相になっていることから、コーンの放射空間に対する振動は相殺され、小さくなる。この領域では、基本波が相殺され、雑多な非線形歪みが残り、再生音質は良好でない。従って、相互に逆相となる振動モードが、目標とする低音再生領域に入らないよう、諸常数を設計する。
以上の説明のとおり、{複雑な振動モードの掌握が必要である}ことから、スピーカシステムの設計方法は従来に比べかなり複雑にはなるものの、これは設計の問題であり、製造にとっては従来とほとんど同程度である。
アクティブドライバの設計は従来に比べ極めて簡単になる。
1 第1フレーム
2 磁気回路
3 永久磁石
4 ボイスコイル
5 コーン
6 ダンパ
7 第1エッジ
8 パッシブラジエータのエッジ
9 パッシブラジエータの重り
10 アクティブドライバ
11 第2フレーム
12 第2エッジ
13 第2リングエッジ
14 第2リングエッジ
15 ダブルエッジドライバ
16 エンクロージャ
17 パッシブラジエータ
18 {乗用車の構造物}
19 {乗用車の構造物}
20 {乗用車の構造物}
21 ボイスコイルの磁気回路に対する振動波形
22 ダブルエッジドライバの振動波形
23 ボイスコイルの音響放射空間に対する振動波形
31 ボイスコイルの磁気回路に対する振動波形
32 ダブルエッジドライバの振動波形
33 ボイスコイルの音響放射空間に対する振動波形


















小形で超低音の再生性能に優れたスピーカシステムとそのスピーカシステムから低音放射を引き出す方法に関する。
2013年12月現在、携帯端末に組み込まれた高機能のプレーヤの普及に伴い、スピーカシステムの市場では{小形であること}と{超低音再生性能に優れている}こと、との相矛盾するファクターでの、商品の市場での競争が激しくなっている
現状は、{アクティブドライバとパッシブラジエータの組み合わせる方法}によって、低音再生性能の水準は高くなっている。しかしながら、数年前に比べ格段に優れているとはいえ、市場では{低音再生性能の際限の無い向上}が求められている。
従来の{ドライバとパッシブラジエータ}を組み合わせる手法は{コストや外観デザインの制約によって決定されたアクティブドライバの性能}がスピーカシステムの性能を左右する。{アクティブドライバの低音再生性能の確保}に必要な主なファクターは二つある。第1に{一定電流条件で、ボイスコイルが発生する力の大きさ}と、第2に{一定電流条件で、同じ駆動力を確保できるボイスコイルの可動範囲の大きさ}である。
大雑把には{どれほどに多量の、そして、または、どれほどに高性能の永久磁石を使うか}という課題に絞られる。小形スピーカでは{ネオジウムマグナットを代表とする高価で高性能な永久磁石}が使われることから、コストと性能の比較において妥協が図られる。
2013年現在、製造販売されている数多くの小形スピーカシステムの{商品の仕様決定から設計完了までの行程}において、一つの共通課題がある。その共通課題とは、{ドライバもしくはスピーカシステムの振動系}と{電力増幅を含めた電子回路部の信号処理}との関係において、{双方の特徴や弱点}を考慮した設計が深く追求されていない点である。その主な理由は{商品企画}と{組み立てを中心とする製造}と{部品である振動系のドライバの製造}と{音質仕上げに必要な信号処理を決定する業務}間の相互の協調体制が取れていないことが大きな要因の一つである。このことは、{限られたコストの範囲で最良の音質を再生する}という課題に対し、{最適な対処が難しい最大の原因}の要因となっている。{信号処理系に従事するものは、振動系の問題解決の経験に乏しく}、また、{振動系に従事しているものは信号処理系の問題解決の経験に乏しい}、のが通常である。{より小形}と{より強力な低音またはより広い低音再生範囲}が際限なく求められる今日、{振動系と信号処理系の双方の協調}によって最大の効果が引き出されてしかるべきである。
参考になる特許文献、及び、非特許文献はなし。
第1に、{永久磁石の量と質を変えることによる低音性能の改善}ではなく、{同じ永久磁石の量と質でもって、低音再生性能を大幅に改善}しようとするものである。
大幅な改善とは、実験的ではあるが、{低音再生周波数範囲で、1オクターブないしは2オクターブの改善}である。
第2に、{振動系と信号処理系}を超低音の再生という課題に照らして、総合的な観点から、最大効果を上げるべく{設計方法や手順が改善できる振動系の構造}である。
第3に、スピーカシステムの性能改善は一つのファクターの改善によって、他のファクターの改善が必要になるケースが多い。特にアクティブドライバだけでスピーカシステム全体の性能向上を図ろうとすると、トレードオフ関係にある性能の妥協点を探る必要がある。
以下の説明、及び、請求項を含む全文において、下記の用語を定義する。
一つの請求項で定義した用語は他の請求項と明細書においても同様であるとする。
設計とは、{部品や商品の完成状態を机上で定義づける}ことを意味する。
振動系とは機械振動を意味するものとする。
信号処理系とは、{アナログ電子回路やディジタル計算によって入力音響信号に目的の作用を施す機能}を意味する。
{}の内側は{}の外側に優先して意味を持つ。
本案発明の本質の第1は、
アクティブドライバをパッシブラジエータとしても機能させるところにある。
{アクティブドライバの振動}と{磁気回路に対するボイスコイルとコーンの振動}の位相を、目標とする低域再生周波数付近で{同相または同相に近くなるよう}、振動系を設計することによって、エンクロージャに対する、即ち、コーンの放射空間に対する振動を大幅に増加させる。
そして、{低域極小インピーダンス周波数}では{ボイスコイルの振動に対する負荷}が増えることから、ダンパによる振動抑制を必要としなくなり、ダンパのスティフネスを小さく設計できる。ボイスコイルの負荷が増えることはボイスコイルのインピーダンスを小さくすることになり、スピーカシステムの変換効率を上げることにも貢献する。
上記の振動を満足させるために、アクティブドライバのフレームの外周に第2エッジを設け、第2エッジをエンクロージャに固定する。第2エッジの役割は{アクティブドライバ自身がエンクロージャに対し振動できるよう自由度を持たせる}ことである。第2フレームは{アクティブドライバと第2エッジと第2フレームからなるところのダブルエッジドライバ}をエンクロージャに固定する役割を持つ。第2フレームとエンクロージャが共用部品であるケースも含まれる。第1エッジは磁気回路に対するボイスコイルに自由度を持たせる役割であるが、第2エッジは磁気回路の音響放射空間に対する自由度を持たせる役割を持つ。
{低域極小インピーダンス周波数}は、目標とする低域再生帯域にある。{低域極小インピーダンス周波数}を決める主要因には、アクティブドライバのコーンの放射面積、コーンとボイスコイルの質量、アクティブドライバ全体の質量、第1エッジとダンパのスティフネス、第2エッジのスティフネス、アクティブドライバ全体の放射面積、エンクロージャの容積、がある。その強さを決める主要因には、磁気回路とボイスコイルによる駆動力がある。アクティブドライバが与えられた場合、与えられたアクティブドライバの諸元と第2エッジのスティフネスを主とする諸元と、エンクロージャの容積が{低域極小インピーダンス周波数}を決める主要な諸元となる。
中低音以上の周波数帯ではアクティブドライバが持つ質量が大きいことから、振動系はアクティブドライバが固定されたと同じ条件となる。
本案発明の本質の第2は、
{振動系には低音再生能力}を、そして{信号処理系には振動系の能力を引き出し、弱点を押さえる機能}を持たせるところにある。
{低域極小インピーダンス周波数}とその付近の帯域の振動系の振動モードが、
ボイスコイルの磁気回路に対する振動を抑制する傾向にあって、そのことが原因して、
{ボイスコイルインピーダンス}が小さくなることから、
この帯域での実質上のボイスコイルのダイナミックレンジが広くなる。従って、この帯域では、信号処理による帯域増幅を作用させることにより、強力な超低音の再生が可能となる。この帯域ではボイスコイルとアクティブドライバの振動が同相または同相に近い状態であることから、双方が重なって強い放射音圧が得られる上に、帯域増幅の作用により、超低音再生の大幅な改善が可能となる。
従来のスピーカシステムの場合、同じアクティブドライバを使ったとして、この帯域は、ボイスコイルの振動振幅が大きくなることから、飽和歪みの発生を防ぐ目的でダンパのスティフネスを大きくし振動振幅を抑制しなければならない帯域である。
本案発明のスピーカシステムでボイスコイルの振動振幅を抑制しなければならない帯域は
{低域極大インピーダンス周波数}を含む領域である。この帯域は{低域極小インピーダンス周波数}より低い周波数域にあって、ボイスコイルの磁気回路に対する振動が逆位相の傾向にあり、そのことが原因して、{ボイスコイルインピーダンス}が大きくなる。
{振動系の役割}と{信号処理系の役割}を最適に配分させることで、振動系の設計から{音質全体のバランスを確保しなければならない}という面倒なファクターを除外することができる。本案発明の振動系の設計に関しては、再生能力を持たせることが重要であって再生特性は重要ではない。目的とする再生特性は、信号処理系を使うことで、その再生能力を引き出すことができる。再生能力がなければ、いかなる信号処理系を使っても特性の改善は望めないが、能力が備わっていれば改善が可能である。
これまでは、一般的に、部品としてのアクティブドライバは{低音再生性能と全体の音質特性のバランスを要求されていた}ことから、設計に際し、数多くの相矛盾する課題を解決しなければならなかった。本案発明の手法によるアクティブドライバの設計において、全体の音質特性の重要性は低く、低音再生能力だけが求められることから、設計の際、考慮しなければならない条件が極めて簡素になる。
本案発明の本質の第3は
ダブルエッジドライバの{低音再生領域で増強された激しい振動}を他の構造物に伝達し、{その構造物が持つ多重共振の性質}を利用することで、さらに強力な低音再生を得るところにある。
ダブルエッジドライバとエンクロージャだけのスピーカシステムは大音量再生時、強力な振動が発生する。この振動を強固な構造物に伝達し、その構造物の多重共振の性質を利用することで、強力な低音放射を実現できる。この場合の周波数特性は必ずしも低音再生範囲で均一な周波数特性ではない。車の{シャーシの一部、フロントガラス、ダッシュボード}など、固定方法も含めて{複雑な多重共振を持つような構造物}では極めて効果的である。
さらに、{ダブルエッジドライバとエンクロージャ}の重量を{同程度の低音再生能力を持つ従来のスピーカシステムと比べ}極めて軽量に設計できる。実験結果では従来の方法にくらべ、半分以下の重量でも同程度の低音再生能力に設計できる。
ダブルエッジドライバの設計に際しては、
{適合エンクロージャのサイズと低音再生能力の関係}
{低音域で発生のスピーカシステムの質量と加速度の関係}
などの諸元を明らかにすることで、ダブルエッジドライバやダブルエッジドライバを有するスピーカシステムの応用設計を簡素化できる。
信号処理の設計に際しては、上記の条件に対応する最適な帯域協調フィルタの諸元を明らかにすることで信号処理を含めたスピーカシステム全体の設計を簡素化できる。
請求項1は、二重のエッジを持つスピーカシステムに関するもので、本案発明のスピーカシステムの基本構造と、ダブルエッジドライバを持つスピーカシステムの能力を最大限引き出す方法を信号処理に委ねる方法とに関する。
請求項2は、ダブルエッジスピーカを{乗用車の構造物}に取りつけた場合の乗用車用スピーカシステムに関する。
請求項3は、ダブルエッジスピーカのエンクロージャの代わりに、ダブルエッジドライバを乗用車の密閉構造物もしくは密閉に近い構造物を用いた場合に関する。
本発明は、以下に記載されるような効果を生む。第1に、アクティブドライバの性能を変えことなく、また従来の製造方法によって、小形で低音再生能力に優れたスピーカシステムの大幅な改善を可能とする。
第2に、振動系は、低音再生特性ではなく、低音再生能力に優れた{アクティブドライバ、そしてまたは、ダブルエッジドライバ、}の設計に集中し、スピーカシステム全体の低音再生の最適化を信号処理に委ねることができる。
第3に、軽量化と高性能化が求められる乗用車用のオーディオシステムで、大幅な重量削減が可能となる。
アクティブドライバの構成例図。 ダブルエッジドライバの一実施例の構成図。 第2エッジがゴムシートの成形品の一実施例。 {乗用車の構造物}に本案発明のダブルエッジスピーカを設けた一実施例。 {乗用車の構造物}に本案発明のダブルエッジスピーカを設けた一実施例。 {乗用車の構造物}に本案発明のダブルエッジドライバを設けた一実施例。 ボイスコイルとの磁気回路の合成振動の一説明図。 ボイスコイルとの磁気回路の合成振動の一説明図。
第1に、二つのエッジと二つのフレームを持つ部品としてのダブルエッジドライバ。
第2に、商品としての小形のデスクトップスピーカシステム。
第3に、商品としてのポータブルスピーカシステム
第4に、乗用車のスピーカシステム、
部品としてのダブルエッジドライバの生産と流通。
商品としてのダブルエッジドライバを搭載したスピーカシステムの生産と流通。
ダブルエッジスピーカシステムを最適駆動するための信号処理アルゴリズムまたはプロセッサ。
図1は、アクティブドライバの構造を示す。1は第1フレーム、二つの2は磁気回路、3は永久磁石、4はボイスコイル、5はコーン、6はダンパ、7は第1エッジである。
図2は、本案発明のダブルエッジドライバの構造を示す。{10は、図1に示すアクティブドライバ}、11は第2フレーム、12は第2エッジである。
{10のアクティブドライバの第1フレーム}に第2エッジを設ける。第2フレームはかならずしも必要条件ではないが、{ダブルエッジドライバを完成部品として扱う場合}または{ダブルエッジドライバをエンクロージャに装着しやすくするため}には必要となる部品である。アクティブドライバは第2エッジを介してエンクロージャに対し動く。ボイスコイルは磁気回路に対し動くので、コーンの放射空間に対する振動は、双方が加算されたものとなり、双方が同相である範囲の振れ幅は大幅に増加する。ボイスコイルと磁気回路の関係の線型の範囲を増やすことなく、ダイナミックレンジを大幅に増やすことができる。
図3は本案発明のスピーカシステムの一実施例である。15は図2に示すダブルエッジドライバ、12はダブルエッジドライバの第2エッジ、16はエンクロージャである。
この実施例では第2フレームはエンクロージャと共通部品である。
図4は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図3に示すダブルエッジスピーカを{乗用車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャ、18は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードの側面の強固な車体の一部、フロントガラスの下部、強固なダッシュボード、天井、ヘッドレスト、などが低音再生にとっては最適である。
図5は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図3に示すダブルエッジスピーカを{乗用車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャ、19は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードが強固な場合、低音再生にとって有効である。ダッシュボードの振動によるビビリ音の発生を避ける場合は、エンクロージャの背面にパッシブラジエータを設けたタイプのスピーカシステムが有効である。
図6は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図2に示すダブルエッジドライバを{乗用車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、20は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードが強固な場合、低音再生にとって有効である。
図7は{本案発明のスピーカシステムの一実施例}の{{低域極小インピーダンス周波数}における各部の振動波形}を示す。21はボイスコイルの磁気回路に対する振動波形、
22はアクティブドライバの振動波形、23はコーンの放射空間に対する振動波形である。
図は、説明の簡素化のため、完全な同相状態を示すが、実際は再生しようとする周波数範囲で-、この位相がプラスマイナス90度の範囲に納まるよう設計する。
このような振動モードに設計することにより、低音再生において、決定的な効果が得られる。
図7は{本案発明のスピーカシステムの一実施例}の{極小低域インピーダンス周波数}領域よりもさらに低い周波数領域での各部の振動波形}を示す。31はボイスコイルの磁気回路に対する振動波形、32はアクティブドライバの振動波形、33はコーンの放射空間に対する振動波形である。ボイスコイルの磁気回路に対する振動とアクティブドライバの振動が逆相になっていることから、コーンの放射空間に対する振動は相殺され、小さくなる。この領域では、基本波が相殺され、雑多な非線形歪みが残り、再生音質は良好でない。従って、相互に逆相となる振動モードが、目標とする低音再生領域に入らないよう、諸常数を設計する。
以上の説明のとおり、{複雑な振動モードの掌握が必要である}ことから、スピーカシステムの設計方法は従来に比べかなり複雑にはなるものの、これは設計の問題であり、製造にとっては従来とほとんど同程度である。
アクティブドライバの設計は従来に比べ極めて簡単になる。
1 第1フレーム
2 磁気回路
3 永久磁石
4 ボイスコイル
5 コーン
6 ダンパ
7 第1エッジ
8 パッシブラジエータのエッジ
9 パッシブラジエータの重り
10 アクティブドライバ
11 第2フレーム
12 第2エッジ
15 ダブルエッジドライバ
16 エンクロージャ
18 {乗用車の構造物}
19 {乗用車の構造物}
20 {乗用車の構造物}
21 ボイスコイルの磁気回路に対する振動波形
22 ダブルエッジドライバの振動波形
23 ボイスコイルの音響放射空間に対する振動波形
31 ボイスコイルの磁気回路に対する振動波形
32 ダブルエッジドライバの振動波形
33 ボイスコイルの音響放射空間に対する振動波形
小形で超低音の再生能力を持っているが、併せて欠点も持ち合わせているところの、{ダブルエッジスピーカシステム}と、
{ダブルエッジスピーカシステム}の低音再生性能に影響するところの、欠点を抑制し、優れた点を引き出す信号処理方法と
を組み合わせた音響再生システムに関する。
2013年12月現在、携帯端末に組み込まれた高機能のプレーヤの普及に伴い、スピーカシステムの市場では{小形であること}と{超低音再生性能に優れている}こと、との相矛盾するファクターでの、商品の市場での競争が激しくなっている
現状は、{アクティブドライバとパッシブラジエータの組み合わせる方法}によって、低音再生性能の水準は高くなっている。しかしながら、数年前に比べ格段に優れているとはいえ、市場では{低音再生性能の際限の無い向上}が求められている。
従来の{ドライバとパッシブラジエータ}を組み合わせる手法は{コストや外観デザインの制約によって決定されたアクティブドライバの性能}がスピーカシステムの性能を左右する。{アクティブドライバの低音再生性能の確保}に必要な主なファクターは二つある。第1に{一定電流条件で、ボイスコイルが発生する力の大きさ}と、第2に{一定電流条件で、同じ駆動力を確保できるボイスコイルの可動範囲の大きさ}である。
大雑把には{どれほどに多量の、そして、または、どれほどに高性能の永久磁石を使うか}という課題に絞られる。小形スピーカでは{ネオジウムマグナットを代表とする高価で高性能な永久磁石}が使われることから、コストと性能の比較において妥協が図られる。
2013年現在、製造販売されている数多くの小形スピーカシステムの{商品の仕様決定から設計完了までの行程}において、一つの共通課題がある。その共通課題とは、{ドライバもしくはスピーカシステムの振動系}と{電力増幅を含めた電子回路部の信号処理}との関係において、双方の強みと弱みを考慮した設計が深く追求されていない点である。その主な理由は{商品企画}と{組み立てを中心とする製造}と{部品である振動系のドライバの製造}と{音質仕上げに必要な信号処理を決定する業務}間の相互の協調体制が取れていないことにある。このことは、{限られたコストの範囲で最良の音質を再生する}という課題に対し、{最適な対処が難しい最大の原因}の要因となっている。{より小形}と{より強力な低音またはより広い低音再生範囲}が際限なく求められる今日、{振動系と信号処理系の双方の協調}によって最大の効果が引き出されてしかるべきである。
米国特許出願公開第2013−0195311
本案記述の、第1エッジと第2エッジを持つスピーカの構造に関する。
第1エッジと第2エッジを持つスピーカの各部の振動の特殊性に対応して、信号処理との組み合わせによって、最適の再生状態を得ようとするものではない。
特開2003−078985
ボイスコイルの振動を予測しての、あらかじめ信号の補正であるが、この文献に記述の方法は一般的なスピーカに関しての方法を記述したものであって、第1エッジと第2エッジを持つスピーカが持つ各部の振動の特殊性に配慮しての、最適の再生状態を得ようとするものではない。
国際公開第2008−062748
本案記述の、第1エッジと第2エッジを持つスピーカの構造に関する。
第1エッジと第2エッジを持つスピーカの各部の振動の特殊性に対応して、信号処理との組み合わせによって、最適の再生状態を得ようとするものではない。
第1に、{永久磁石の量と質を変えることによる低音再生性能の改善}ではなく、{同じ永久磁石の量と質でもって、大幅に改善しようとするものである。
大幅な改善とは、実験的ではあるが、{低音再生周波数範囲で、1オクターブないしは2オクターブの低音再生範囲の拡張と、その範囲の再生音の歪みの低減}である。
第2に、{振動系と信号処理系}を低音の再生という課題に照らして、総合的な観点から、最大効果を上げるべく{設計方法や手順が改善できる振動系と信号処理系の構造}の選択である。
以下の説明、及び、請求項を含む全文において、下記の用語を定義する。
一つの請求項で定義した用語は他の請求項と明細書においても同様であるとする。
設計とは、{部品や商品の完成状態を机上で定義づける}ことを意味する。
振動系とは機械振動を意味するものとする。
信号処理系とは、{アナログ電子回路やディジタル計算によって入力音響信号に目的の作用を施す機能}を意味する。
符号{}は、解釈の範囲が多様にならないよう、記述をより正確に定義する目的で、主として記述の用語に使用するものとし、{}内の記述は{}外の記述に優先して意味を持つ。
本案発明の本質の第1は、
アクティブドライバをパッシブラジエータとして機能させ、エンクロージャが低音再生によって振動しないような構造物に固定し、再生範囲を大幅に拡張できる能力を備えさせた機械振動系と、その能力を引き出し、その欠点を抑制する信号処理によって低音再生範囲を大幅に広げる。
{アクティブドライバの振動}と{磁気回路に対するボイスコイルの振動}の位相を、{同相振動帯域}で{同相または同相に近くなるよう}、振動系を設計することによって、コーンの放射空間に対する振動を大幅に増加させる。
{低域極小インピーダンス周波数}付近では{駆動力に対する{純ボイスコイル振動}が小さくなる}ことから、ダンパによる振動抑制を必要としなくなり、ダンパのスティフネスを小さく設計できることから、低域の再生範囲をさらに広げることができる。
さらに、{純ボイスコイル振動}が小さくなることを利用し、帯域強調フィルターによってこの範囲の信号を強調することで、ドライバの定格電力の範囲内で、低音が強力な再生音を得ることができる。
ボイスコイルの変位が抑制されることは、ボイスコイルに流れる電流に対する逆起電力が小さくなり、その結果、{ボイスコルインピーダンス}が小さくなって、同じ電圧に対する駆動電流が大きくなり、スピーカシステムの変換性能を上げることにも貢献する。
{低域極小インピーダンス周波数}を f0 より低い周波数の、ドライバの低音再生範囲の限界外に設計することから、{低域極小インピーダンス周波数}付近が拡張された低音再生範囲となる。
{低域極小インピーダンス周波数}付近、即ち{同相振動帯域}では、第2エッジを含むドライバ全体がボイスコイルと同相で振動することから、この帯域での音響放射をおおはばに改善できる。
{低域極小インピーダンス周波数}を高精度で設計することは極めて難しい。
低精度であれば、{{アクティブドライバの質量}と{アクティブドライバの音響放射面積}と{アクティブドライバのコーンを支える{ダンパと第1エッジ}のスティフネス}と{第2エッジのスティフネス}と{第2エッジの可動最大外径による音響放射面積}}を主とする諸元と{エンクロージャの容積}から計算可能である。そして、計算値に基づいて設計製作した、実働のサンプルを測定することにより、諸元の内、いずれかに修正を加えることで目的とする周波数に追い込むことができる。
周波数だけであれば、エンクロージャの容積、
さらには、第2エッジのスティフネス、などが精密調整の主なファクターである。
{低域極小インピーダンス周波数}と{低域極大インピーダンス周波数}の双方の{ボイスコイルインピーダンス}の比率が大きいほど、低音再生の、範囲がより広く、強度がより大きいスピーカシステムとなることが実験的に確かめられる。
また、{極小インピーダンス周波数}におけるインピーダンス特性の特徴を大きくすべく設計するには、振動条件の要因となる総ての諸元の組み合わせの範囲は極めて狭く、
綿密な設計レベルの計算による検証と、
設計に基づくワーキングサンプルの製作と
振動状態の細かい計測と観測と最適信号処理特性による再生音質の確認と
その結果に基づく、ワーキングサンプルの修正や再製作の、
頻繁でおびただしい繰り返しの工程を経て、
量産に耐え得る、ミニマムコストの条件で、再生性能に優れた再生範囲の大幅な改善が可能となる。
表面的な構造だけを真似て製作しても、簡単に得られるものではない。
{極小インピーダンス周波数}よりもさらに周波数が低くなると、{純ボイスコイル振動}と{磁気回路振動}は逆位相の方向に変化する。{極大インピーダンス周波数}付近では、完全に逆位相ではないが、約120度前後の位相関係にあって、さらに周波数が低くなると、逆位相に近くなる。
{極大インピーダンス周波数}付近より低い周波数帯域では、基本波が相殺される傾向にあることから、歪み成分である高調波が残るので、再生音は低音として感じるものの、それは第2高調波や第3高調波である。実際の楽曲再生場合、混変調歪みとなって再生されることから、この周波数帯では、非線形歪みが発生しないよう、欠点を信号処理でカバーする。この領域には低域遮断フィルターを用いる。
{極大インピーダンス周波数}を fo から 1オクターブ ないし 2オクターブ 低い周波数に設計できることから、低音再生範囲を、その分拡張できることになる。
{強振動ダブルエッジスピーカシステム}は、{同位相振動帯域}や{逆相振動帯域}での機械振動が激しく、通常のスピーカシステムとして据え置き型で使うことは難しい。
質量の大きい構造物に取りつけるか、または、{強振動ダブルエッジスピーカシステム}を背中合わせにして、機械振動を相殺することによって商品とすることができる。
本案発明の本質の第2は、
一般的に、小型スピーカシステムは小音量で使われるケースが多いことから、音量や低音成分の状況によって、{逆相振動帯域減衰フィルター}と{逆相振動低域減衰フィルター}と{同相振動帯域強調フィルター}の減衰度を可変することで、より有効に実使用状態での再生範囲を広げ、より強力な低音感を再生する。
{逆相振動帯域減衰フィルター}と{逆相振動低域減衰フィルター}の低域減衰特性を低域再生信号成分の強度が小さい場合には、歪みが発生しない範囲で減衰度を弱めることで、幾分かの低音再生範囲の拡張を確保する。
{同相振動帯域強調フィルター}の帯域強調度を低域再生信号成分の強度が小さい場合には大きく、歪みが発生しない範囲で減衰度を弱めることで、強力な低音信号再生時の飽和歪みを回避する。
人の聴覚は音量が小さくなることで、低音の感度が顕著に低下すること、また、非線形歪みの音の濁りや変調歪みには敏感であることから、減衰や強調の自動調節は極めて有効な手法である。
請求項1は、{二重のエッジを持つスピーカシステム}と、{特別に設計されたスピーカシステムに備わった再生能力を引き出す信号処理}を組み合わせたスピーカシステムに関する。
請求項2は、より有効な信号処理方法を組み合わせたスピーカシステムに関する。
本発明は、以下に記載されるような効果を生む。
第1に、アクティブドライバの性能を変えことなく、また従来の製造方法と信号処理方法
よって、小形で低音再生能力に優れたスピーカシステムの大幅な改善を可能とする。
第2に、振動系は、低音再生特性ではなく、低音再生能力に優れた{アクティブドライバ、そしてまたは、ダブルエッジドライバ、}の設計に集中し、スピーカシステム全体の低音再生の最適化を信号処理に委ねることができる。
第3に、軽量化と高性能化が求められる乗用車用のオーディオシステムで、大幅な重量削減が可能となる。
アクティブドライバの構成例図。 ダブルエッジドライバの構成図。 第2エッジがゴムシートの成形品の一実施例。 {取付け構造物}に本案発明のダブルエッジスピーカを設けた一実施例。 本案発明の一実施例のブロック図 ボイスコイルとの磁気回路の合成振動の一説明図。 ボイスコイルとの磁気回路の合成振動の一説明図。 {強振動ダブルエッジスピーカシステム}の{ボイスコイルインピーダンス}とボイスコイルの振動と{第1フレーム}の振動の一実施例の測定結果 {同相振動帯域}におけるボイスコイルと第1フレームの位相関係の一実施例の測定結果 {逆相振動帯域}におけるボイスコイルと第1フレームの位相関係の一実施例の測定結果
第1に、商品としての小形のデスクトップスピーカシステム。
第2に、商品としてのポータブルスピーカシステム
第3に、乗用車のスピーカシステム、
商品としてのダブルエッジドライバを搭載したスピーカシステムの生産と流通。
ダブルエッジスピーカシステムを最適駆動するための信号処理アルゴリズムまたはプロセッサ。
図1は、アクティブドライバの構造を示す。1は第1フレーム、二つの2は磁気回路、3は永久磁石、4はボイスコイル、5はコーン、6はダンパ、7は第1エッジである。
図2は、本案発明のダブルエッジドライバの構造を示す。{10は、図1に示すアクティブドライバ}、11は第2フレーム、12は第2エッジである。
{10のアクティブドライバの第1フレーム}に第2エッジを設ける。第2フレームはかならずしも必要条件ではないが、{ダブルエッジドライバを完成部品として扱う場合}または{ダブルエッジドライバをエンクロージャに装着しやすくするため}には必要となる部品である。アクティブドライバは第2エッジを介してエンクロージャに対し動く。ボイスコイルは磁気回路に対し動くので、コーンの放射空間に対する振動は、双方が加算されたものとなり、双方が同相である範囲の振れ幅は大幅に増加する。ボイスコイルと磁気回路の関係の線型の範囲を増やすことなく、ダイナミックレンジを大幅に増やすことができる。
図3は本案発明のスピーカシステムの一実施例である。15は図2に示すダブルエッジドライバ、12はダブルエッジドライバの第2エッジ、16はエンクロージャである。
この実施例では第2フレームはエンクロージャと共通部品である。
図4は本案発明のスピーカシステムの一実施例であり、図3に示すダブルエッジスピーカを{自動車の構造物}に取りつけた状態を示す。11はダブルエッジドライバ、16はエンクロージャ、18は{乗用車の構造物}である。
{乗用車の構造物}の具体例として、運転席の前にあるダッシュボードの側面の強固な車体の一部、フロントガラスの下部、強固なダッシュボード、天井、ヘッドレスト、などが低音再生にとっては最適である。
図5は本案発明の一実施例のブロック図である。請求項2の場合の可変フィルターの場合の実施例のブロック図である。
Input は再生しようとする信号の入力、LCT は{逆相振動低域自動減衰フィルター}の減衰フルターの部分、HCT は{逆相振動低域自動減衰フィルター}の遮断特性を可変するための低域成分検出部、LD1 は検出された低域成分を特定の基準レベルと比較し、LCT の遮断特性を制御する機能、である。
BBST は{同相振動帯域自動強調フィルター}の強調フィルターの部分、LD2 は{同相振動帯域自動強調フィルター}の出力信号を特定の基準レベルと比較し、BBST の強調度合いを制御する機能、
PAは{強振動ダブルエッジスピーカ}を駆動するための電力増幅機能、
DESS は{強振動ダブルエッジスピーカシステム}である。
図5の、個々の、いずれの機能も、公知ではあるが、
LCT、HCT、LD1 からなる{逆相振動低域自動減衰フィルター}は{逆相振動帯域}で発生する再生音の非線形歪みを最小限に抑制し、その範囲で、小音量時、できるだけ低音再生範囲を確保する。{強振動ダブルエッジスピーカ}が{逆相振動帯域}に持つ欠点をカバーする。
BBST、LD1 からなる{同相振動帯域自動強調フィルター}は{同相振動帯域}で発生する再生音の飽和歪みを抑制し、その範囲で、小音量時、できるだけ低音再生範囲と強力な低音を確保する。{強振動ダブルエッジスピーカ}が{同相振動帯域}に持つ特徴を最大限引き出す。
{強振動ダブルエッジスピーカ}は重い質量の構造物に取りつけられた状態であるかまたは、同じ{強振動ダブルエッジスピーカ}を背中合わせにすることによってその特徴が発揮される。後述の 図8、図9、図10 に示す実施例の特性は、固定された{強振動ダブルエッジスピーカ}で なければ得ることはできない。
図6は{本案発明のスピーカシステムの一実施例}の{{低域極小インピーダンス周波数}における各部の振動波形}を示す。21は{純ボイスコイル振動}の振動波形、
22は{磁気回路振動}の振動波形、23はボイスコイルの放射空間に対する振動波形である。
図は、説明の簡素化のため、完全な同相状態を示すが、実際は、{同相振動帯域}で-、この位相がプラスマイナス90度の範囲に納まるよう設計する。
図7は{本案発明のスピーカシステムの一実施例}の{極小低域インピーダンス周波数}領域よりもさらに低い周波数領域での各部の振動波形}を示す。31は{純ボイスコイル振動}の振動波形、32は{磁気回路振動}の振動波形、33はコーンの放射空間に対する振動波形である。ボイスコイルの磁気回路に対する振動とアクティブドライバの振動が逆相になっていることから、コーンの放射空間に対する振動は相殺され、小さくなる。この領域では、基本波が相殺され、雑多な非線形歪みが残り、再生音質は良好でない。
図は、説明の簡素化のため、完全な逆相状態を示すが、実際は{低域極大インピーダンス周波数}で-、この位相がプラスマイナス90度の範囲に納まるよう設計する。
図8は、{強振動ダブルエッジスピーカシステム}の{ボイスコイルインピーダンス}とボイスコイルの振動と{第1フレーム}の振動の一実施例の測定結果。
101 はボイスコイルのインピーダンスの周波数特性、102 はコーンの中心、即ちボイスコイルの放射空間に対する振動の周波数特性、103 は第1フレーム、即ち磁気回路の放射空間に対する振動の周波数特性である。
この測定に使ったサンプルは 40mm の口径のドライバを使ったもので、{低域極小インピーダンス周波数}と{低域極大インピーダンス周波数}を可能な範囲で最も高くなるよう製作したものである。双方の周波数ポイントで、比較的顕著な特徴が出ているサンプルである。もともとのドライバの f0 は 220Hz 付近にあり、{同相振動帯域}が90Hz 付近にあり、{極大インピーダンス周波数}が70Hz 付近にあることから、低音再生範囲の改善は 1オクターブ半 である。
図9は、{同相振動帯域}におけるボイスコイルと第1フレームの位相関係の一実施例の測定結果。
110 は測定用信号の波形、111 はコーンの振動波形、112 は第2フレームの振動波形である。双方はほぼ同相であることがわかる。
測定系がディジタルノイズを拾っているが、位相関係にはずれはない。
図10は、{逆相振動帯域}におけるボイスコイルと第1フレームの位相関係の一実施例の測定結果。
110 は測定用信号の波形、121 はコーンの振動波形、122 は第2フレームの振動波形である。双方はほぼ120度 の位相にあることがわかる。
以上の説明のとおり、{複雑な振動モードの掌握が必要である}ことから、スピーカシステムの設計方法は従来に比べかなり複雑にはなるものの、これは設計の問題であり、製造にとっては従来とほとんど同程度である。
アクティブドライバの設計は従来に比べ極めて簡単になる。
1 第1フレーム
2 磁気回路
3 永久磁石
4 ボイスコイル
5 コーン
6 ダンパ
7 第1エッジ
8 パッシブラジエータのエッジ
9 パッシブラジエータの重り
10 アクティブドライバ
11 第2フレーム
12 第2エッジ
15 ダブルエッジドライバ
16 エンクロージャ
18 {取付け構造物}
21 ボイスコイルの磁気回路に対する振動波形
22 ダブルエッジドライバの振動波形
23 ボイスコイルの音響放射空間に対する振動波形
31 ボイスコイルの磁気回路に対する振動波形
32 ダブルエッジドライバの振動波形
33 ボイスコイルの音響放射空間に対する振動波形
101 ボイスコイルのインピーダンスの周波数特性
102 コーンの中心、即ちボイスコイルの放射空間に対する振動の周波数特性
103 第1フレーム、即ち磁気回路の放射空間に対する振動の周波数特性
111 コーンの振動波形
112 第2フレームの振動波形
121 コーンの振動波形
122 第2フレームの振動波形
Input 再生しようとする信号の入力
LCT {逆相振動低域自動減衰フィルター}の減衰フルターの部分
HCT {逆相振動低域自動減衰フィルター}の遮断特性を可変するための低域成分検出部
LD1 検出された低域成分を特定の基準レベルと比較し、LCT の遮断特性を制御する機能
BBST {同相振動帯域自動強調フィルター}の強調フィルターの部分
LD2 {同相振動帯域自動強調フィルター}の出力信号を特定の基準レベルと比較し、BBST の強調度合いを制御する機能
PAは{強振動ダブルエッジスピーカ}を駆動するための電力増幅機能、
DESS は{強振動だぶるエッジスピーカシステム}

Claims (7)

  1. 磁気回路とボイスコイルとコーンとダンパとエッジとフレームからなる音響信号を音に変換する機能をアクティブドライバとし、
    アクティブドライバのフレームを第1フレームとし、ドライバのエッジを第1エッジとし、
    アクティブドライバの第1フレームの外周に設けたエッジを第2エッジとし、
    第2エッジの外周に設けたフレームを第2フレームとし、
    第1フレームと第2フレームが、第2エッジを介して、第2エッジの自由度をもって連結されている構造を有することを第1の特徴とし、
    {第2フレーム}もしくは{第2エッジの外周}がエンクロージャに固定されていている構造を有することを第2の特徴とし、
    第1と第2の特徴を有するスピーカシステム。
  2. 請求項1に定義の第2エッジが{リンング状の多孔質プラスティック}を介して連結されていていることを第3の特徴とし、
    {リング状の多孔質プラスティック}を第2リングエッジとし、
    第1フレームと第2フレームが第2リングエッジを介して、第2リングエッジの自由度をもって連結されている構造を有するものとし、
    {第2フレーム}もしくは{第2リングエッジの外周}がエンクロージャに固定されていている構造を有することを第4の特徴とし、第3と第4の特徴を有するスピーカシステム。
  3. 請求項1に定義の{第2エッジと第2フレーム}を有する機能をダブルエッジドライバAとし、
    請求項2に定義の{第2リングエッジと第2フレーム}を有する機能をダブルエッジドライバBとし、
    請求項1に定義のスピーカシステムのエンクロージャの正面と背面のそれぞれにダブルエッジドライバAを有することを第5の特徴とし、
    請求項2に定義のスピーカシステムのエンクロージャの正面と背面のそれぞれにダブルエッジドライバBを有することを第6の特徴とし、
    第5または第6の特徴を有するスピーカシステム。
  4. 請求項3に定義のダブルエッジドライバAをエンクロージャの正面に、その背面にエッジと重りからなるパッシブラジエータを有することを第7の特徴とし、
    請求項3に定義のダブルエッジドライバBをエンクロージャの正面に、その背面にエッジと重りからなるパッシブラジエータを有することを第8の特徴とし、
    第7または第8の特徴を有するスピーカシステム。
  5. {乗用車の構造物の一部}を{乗用車の構造物}とし、
    請求項1と請求項2と請求項3と請求項4に定義のスピーカシステムを{乗用車の構造物}に取りつけたことを第9の特徴とし、
    第9の特徴を有する乗用車のスピーカシステム。
  6. 請求項5に定義の{乗用車の構造物}が運転席側の空間に対し、密閉または密閉に近い空間を作っているものとし、
    {その{乗用車の構造物}の{運転席側の空間}の側}の表面に、請求項3に定義の{ダブルエッジドライバAまたはダブルエッジドライバB}を取りつけたことを第10の特徴とし、
    第10の特徴を有する乗用車のスピーカシステム。
  7. 請求項1に定義のスピーカシステムにおいて、第2フレームに対する{磁気回路の振動、即ち、アアクティブドライバの振動}を{アクティブドライバの振動}とし、
    スピーカシステムに組み込まれている、アクティブドライバのボイスコイルの電気インピーダンスをボイスコイルインピーダンスとし、
    ボイスコイルに一定の電圧を与え、周波数が低い方から実測して、{ボイスコイルインピーダンスが極大で、かつ、最大になるポイント}を{低域最大インピーダンス周波数}とし、
    {低域最大インピーダンス周波数}より低い周波数領域において、ボイスコイルインピーダンスが極小になるポイントを{低域極小インピーダンス周波数}とし、
    請求項1と請求項2と請求項3と請求項4と請求項5と請求項6に定義のスピーカシステムが持つ特徴の一つとして、{{低域極小インピーダンス周波数}を持っている}かつ{{低域極小インピーダンス周波数}で{磁気回路に対するボイスコイルの振動}と{アクティブドライバの振動}が{同相であるかまたは同相に近い振動}である性質を利用することを第11の特徴とし、
    {低域極小インピーダンス周波数}を含む領域にあって、帯域増幅特性を持つ音響信号フィルタを{低域極小インピーダンス領域強調フィルタ}とし、
    {低域極小インピーダンス領域強調フィルタ}を有することを第12の特徴とし、
    第11の特徴を有するスピーカシステムと第12の特徴を有する信号処理回路を組み合わせたことを特徴とするスピーカシステム。





















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