JP2005294887A - 音響システム用パーツおよび音響システム - Google Patents

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Abstract

【課題】一般生活で使用可能な程度の大きさで,過渡応答がよく明瞭で信号に対して忠実な再生音が得られ,しかも低音も十分に再生可能で且つ簡単で安価に提供できる音響システムを得ること。
【解決手段】スピーカユニットと該ユニットの背面側に空気室を形成するボックスから成るスピーカシステムにおいて,ユニットの背面近傍を通気性のある音響抵抗物質で該音響抵抗物質以外には空気の通路がないように覆い,ボックス内部をスピーカユニットの振動板側の第一の空気室とスピーカユニットの振動板より遠い側の第二の空気室に仕切った構造を含む。
【選択図】図10

Description

本件の発明は,電気信号を音に変換する際に使用する音響システムとそのパーツに関し,さらにはダイナミック型スピーカシステムの音質改善を図る音響システム用パーツ及び音響システムに関する。
従来の音響システムでは,その経済性や取り扱い性から紙や樹脂による振動板を電磁コイルで駆動するダイナミック型スピーカユニットが多用されている。これは永久磁石による磁場中にボイスコイルを配し,該ボイスコイルに音響信号電流を通じてそれにより発生する電磁力で振動板を振動させて空気を振動させるものである。ダイナミックスピーカユニットは,その前方の音圧位相に対する後方の音圧が逆位相になることによる低音の減少を改善するため通常はバッフル板,背面開放型ボックス,密閉型ボックス,バスレフ型(位相反転型)ボックス等と呼ばれるキャビネットに取付けて使用される。
バッフル板あるいは背面開放型ボックスは,スピーカユニットの後方に放射される音圧が前方に回りこむまでの距離により後方音圧の影響の減少を図り,前方音圧の低減を妨げようとするものである。また密閉型とバスレフ型のボックスは,基本的にはスピーカユニットの後方へ放射される音圧を周囲に対し遮蔽することで音圧の低減を防ごうとするものである。
一般的にダイナミック型スピーカユニットの低音再生能力は振動板の面積に依存するが,それだけで十分な低音再生能力を得るには振動板面積が大きくなりすぎて実用的でない。そこで,振動板等の振動系の質量すなわち慣性とそれを支えるエッジやダンパー等の弾性で低域に共振特性を持たせるのが普通であり,その共振周波数fo近くではコイルの電気インピーダンスが上昇するので,ボイスコイルに流れる電流が小さくてもその振動系が相対的に大きく動き低音の音圧不足を補うようになっている。図1にその周波数と音圧,インピーダンス特性を示し,点線は共振がない場合,実線は共振がある場合を示していて十分な大きさのボックスに取り付けた場合を示している。
さらに,このスピーカユニットを有限の密閉型ボックスに取り付けた場合,ボックス内の空気容積によって定まるボックスとスピーカユニットの共振によって低音の音圧特性を必要に応じて調整している。一点鎖線はその特性を示している。この場合,ボックスの共振周波数frまでは十分に音圧が得られるが周波数がそれを下回ると急激に音圧が低下する特性を持つことが特徴である。特許文献1はこの共振を制御して低音の音圧特性を改善しようとするものである。
特開2002−101494
しかしながら,これらの従来技術には次のような問題点があった。
まず,ユニットとボックスを含めたシステムの共振が強すぎると,過渡応答が悪くなり原音信号の忠実な再現が難しくなる。一般に共振の弱いスピーカユニットでは振動系の慣性(質量)に対して駆動用の磁気回路は相対的に強く設定されているので,小さな信号に対しても敏感に反応する。逆に共振の強いスピーカユニットでは振動系の慣性に対して駆動用の磁気回路は相対的に弱く設定されているので,小さな信号に対する応答が緩慢になる傾向がある。例えば重量の軽い自動車に馬力の強いエンジンを組み合わせた場合は加減速とも機敏であるが,逆に重量の重い自動車にひ弱なエンジンを汲み合せると加減速が緩慢になるようなものである。
したがって微弱信号に対する応答は共振が弱い方が優れている。しかし共振が弱いと共振周波数近くでは振動系の振幅が不足し音圧が不足する。特に小口径のスピーカユニットでは空間中の音圧を低音と高音で同レベルに保つためには,低音でより大きい振幅で振動する必要があり,苦しくなる。
スピーカユニットをボックスに取り付けた場合の音圧とインピーダンス特性をその共振の強弱で比較すると図2のようになる。図2において実線は共振が強い場合,点線は共振が弱い場合を示している。
次にスピーカユニットをバッフル板や後面開放型ボックスに取り付けた場合は,スピーカユニットの後方から前方へ音圧が回り込む路長によって低音の減衰度合いが変わるが,路長が有限であるので,低音域での音圧の低下は免れない。
さらに,スピーカユニットを密閉型ボックスやバスレフ型ボックスに取り付けた場合は,ボックスの内容積が小さいと前述のようにシステムとしての共振周波数が高くなり必要な低音域までの低音が得られない。
また,ボックス内部の吸音処理が不足すると特定の周波数で内部に定在波が起こりその定在波による背面音圧でスピーカの振動板に意図しない振動が発生し,原音信号の忠実な再現ができにくくなる。しかもそれは共振が生じている周波数帯域では電気インピーダンスが高く振動系への電気駆動力が弱いのでその影響を受け易いものと思われる。それは,スピーカを駆動するアンプの内部抵抗を非常に小さくした場合を含め,その電気駆動力が強ければ,その共振周波数帯域での背面音圧に抗しても十分に意図した振動板の駆動が行えるはずであるからである。
また,一般的なグラスウールやその他の繊維質の吸音材では,低音での吸音効果が低くスピーカやボックスの共振周波数帯域では十分な吸音効果が得られないことも一因である。逆に吸音処理が過剰になると共振が不足し低音が不足した音となる。
以上のように従来のダイナミック型スピーカを使用したスピーカシステムでは,原音信号の忠実な再生という課題に対し,スピーカユニットとボックスの共振による影響で微小信号への応答に差が出るとともにスピーカユニット振動板背面へのボックス共振や定在波による背面音圧の影響で原音にない振動が生じて原音に忠実な振動板の振動が出来ない,逆に振動板の振動を電気信号に忠実に振動させた場合は低音域での音圧が不足するという相反する課題が生じていた。
一方ホーン型スピーカシステムと呼ばれる共振を積極的に活用しないスピーカシステムもある。これは,軽量の振動板をボイスコイルで振動させるとともに,振動板の前方には振動で発生する空気流を音響変成器として働く適当な狭い空間に導いて,その前方には音響抵抗の大きなホーンを形成して音圧を十分に得ているものである。この場合再生周波数帯域を広く取るために共振度合いを極力小さくしている。したがってこのスピーカシステムは再生の明瞭度が高く,且つ過渡応答がよいシステムとして一般に知られている。
しかし,このシステムで十分な低音を再生しようとすればホーンの開口を相当大きくする必要があり,一般生活で気軽に使用できるような大きさにすることが困難である。 そこで,本件発明の目的は,一般生活で使用可能な程度の大きさで,過渡応答がよく明瞭で信号に対して忠実な再生音が得られ,しかも低音も十分に再生可能な音響システムを簡単な構造で安価に得ることを目的としている。
そこで請求項1は,スピーカユニットと該ユニットの前面部と背面部で空気層を仕切るキャビネットから成るスピーカシステムにおいて,通気性のある音響抵抗物質から成り,スピーカユニットの背面近傍を該音響抵抗物質のほかには空気の通路がないように覆うことでスピーカユニットの振動板背面に第一の空気室を形成しスピーカユニットの振動板より遠い側の空気層と第一の空気室の間を仕切るように配されることを特徴とする音響システム用パーツを提供したものである。
また請求項2では,スピーカユニットと該ユニットの背面側に空気室を形成するボックスから成るスピーカシステムにおいて,ユニットの背面近傍を通気性のある音響抵抗物質で該音響抵抗物質以外には空気の通路がないように覆い,ボックス内部をスピーカユニットの振動板側の第一の空気室とスピーカユニットの振動板より遠い側の第二の空気室に仕切った構造のスピーカシステムを含むことを特徴とする音響システムを提供したものである。
さらに請求項3では,請求項1の音響システム用パーツを使用した音響システムまたは請求項2の音響システムに低音増幅回路を備えたことを特徴とする音響システムを提供したものである。
一般に,通気性のある多孔質物質は音響抵抗を有することが知られている。それは,物質内の多数の小孔を空気流が通る際に空気粒子同士の摩擦が起こることによるものであると考えられている。
発明者はまず,請求項1でコーン型のダイナミックスピーカユニットの振動板後方近傍をこの通気性のある多孔質物質で覆い,ユニットの共振度合いを小さくすることを考えた。このようにすると,スピーカユニットの振動板背面の第一の空気室容積は小さく,またスピーカ振動板の振動による後方側の空気室内に発生する空気の粗密による第一の空気室外との空気流のやり取りはすべて音響抵抗物質の小孔を通してしか行われないので,振動板の音響負荷(抵抗)が増大し,スピーカユニットの振動板の電気駆動信号に対する共振での過大な振動が抑制され,共振現象が小さくなる効果がある。
これは図2の実線と点線の関係に近似し,実線が請求項1の音響抵抗物質がない場合,点線が音響抵抗物質がある場合に相当する。
請求項1の音響抵抗物質を用いることにより,スピーカユニットの振動板の共振による余分な振動は抑制されて信号に対する振動板の振動の忠実性が増大するので,過渡応答性がよくなり音質が明瞭になる。また,適度に通気性もあるので空気流を完全に遮断するようなこともないので,低い周波数での振動板の振動を全く抑制してしまうことがなく振動板は低い周波数でもボイスコイルの駆動力により適度に振動することができるとともに空気流が音響抵抗物質から外方の空気層に出た際はその音圧が相応に弱められている。これは音響抵抗物質内の小孔を空気流がとおることによる空気粒子の摩擦や音響抵抗物質そのものの振動によるエネルギー消耗が起こるからであると考えられる。
したがってこのようにした場合,スピーカユニットを裸の状態で電気的に駆動した場合に比べ,低い周波数領域では,振動板の背面の逆相の音圧が弱められるのでスピーカユニット前方では帰って音圧を増すことができる。すなわち請求項1の発明ではこれらの効果を有する音響システム用のパーツを提供することができる。
つぎに請求項2の発明では,スピーカユニットと該ユニットの背面側に空気室を形成するボックスから成るスピーカシステムにおいて,ユニットの背面近傍を通気性のある音響抵抗物質で該音響抵抗物質以外には空気の通路がないように覆い,ボックス内部をスピーカユニットの振動板側の第一の空気室とスピーカユニットの振動板より遠い側の第二の空気室に仕切った構造のスピーカシステムを含むことを特徴とする音響システムを提供した。
この構造によればスピーカユニットは請求項1のように共振度合いを小さくすることができるとともに,ボックス内の第二の空気室の共振による振動板の背面音圧は音響抵抗物質を通じてスピーカユニットの振動板に届くことになり,その影響は音響抵抗物質の存在により小さなものとすることができる。
したがって,図1の実線から一点鎖線のように共振周波数がボックス内の第二の空気室の共振周波数に引きずられて高くなる度合いが少なく,むしろ図2の実線から点線の特性に近づけることができる。さらにボックスの第二の空気室の定在波による振動板への背面音圧影響も音響抵抗物質の存在により弱めることができて,ボイスコイルへの駆動信号による振動板の振動以外の振動付勢を弱めることができるので,駆動信号に対し忠実に振動板が振動するようになる。
このように請求項2の発明によれば,スピーカユニットをボックスに取り付けた場合,スピーカユニットのボイスコイルに加えられる駆動用信号に対して忠実に振動板が振動するスピーカシステムを提供することが出来て再生音の過渡応答が増すとともに再生音の明瞭度が向上する音響システムを提供することができる。
さらに請求項3の発明では,請求項1の音響システム用パーツを使用した音響システムまたは請求項2の音響システムに低音増幅回路を備えたことを特徴とする音響システムを提供した。請求項1や請求項2の発明の効果で述べたとおり,これらの音響システム用パーツや音響システムを用いることで,スピーカユニットの振動板の振動は源信号により忠実に振動する効果があるが,低音の音圧は源信号に比べて図2の点線のように低下したものになり,音圧まで含めて忠実であるとは言い難い。
そこで,低音の音圧の低下を補償する低音増強回路をシステムに加えることで,ほぼ忠実な原音再生が可能な音響システムを得ることが可能になる。
図3はその様子を示した図である。図において実線は請求項1の音響システム用パーツを使用したあるいは請求項2の音響システムによる周波数音圧特性であるが,周波数が低くなるに従って音圧が低下している。そこで,点線のような低域増幅特性を有する電気回路をシステムに加えることで一点鎖線のように周波数対音圧特性を改善できる。
この場合,請求項1と請求項2のスピーカユニットの振動板の振動は源信号に忠実で,過渡応答性もよく明瞭であるので,源信号の低音を予め増幅しておくことで,低音の音圧は確保しながら過渡応答性がよく忠実な再生音が得られる。また請求項1から請求項3の手段は従来の構造に対し,音響抵抗物質を加える,あるいは低音増幅回路を加えるのみでよいから非常に簡単でありコストも安く済む。
図4は本件発明の請求項1の実施例である。図において101は通気性のある多孔質物質からなるリング状の音響抵抗物質で例えば発泡ウレタンのようなスポンジ状のもので形成してある。また102は101と同様な音響抵抗物質で形成した板状の音響抵抗物質である。101の面1012と102は接着剤や両面テープなどで図5の1のように接着され,その内面にはスピーカユニットの背面形状を包み込むように凹部が形成される。また図5の音響抵抗物質1は図4のように二つの形状を組み合わせたものでなくても金型等で予め一体に形成されてもよい。
図5の音響抵抗物質1は図6のように使用される。図6において2はスピーカユニット,3はバッフル板である。バッフル板3の開口301に対してスピーカユニットはその前面からねじ等で取り付けられる。バッフル板3の背面には音響抵抗物質1の前面部1011が接着剤もしくは両面テープ等で取り付けられている。4はスピーカユニットのボイスコイル端子を電気的に引き出すためのリード線で音響抵抗物質1の内方から外方に対し機密性を損なうことなく通じている。
この構造により,スピーカユニット2の振動板201の背面側には音響抵抗物質1以外に空気が通り抜けできない小さな空間(第一の空気室)5が生じ,スピーカユニット2の共振特性は前述の請求項1の発明の効果に記載したように図2の実線から点線のようなものにすることができる。またこの第一の空気室5内では,第一の空気室内の壁面が小孔を有する音響抵抗物質であるので吸音効果があり,更に発泡ウレタンのような弾性を有する物質であれば壁面自体が柔らかいので定在波の発生もほとんどない。なお,図2の実線から点線への特性変化の度合いは,音響抵抗物質1の発泡度合いや厚みなどで調整可能である。
図7は請求項1の発明の第二の実施例で,音響抵抗物質1をバッフル板3とスピーカユニット2の間に固定されたリング状のフレーム6に接着した例,図8はリング状のフレーム6をバッフル板3の背面に固定した例,図9は音響抵抗物質をスピーカユニット2のフレームの開口部202を覆うように接着した例であり,いずれもスピーカユニット2の振動板201の背面に第一の空気室5または7を形成している。
図10は請求項2の発明の実施例であり,密閉型ボックス8にスピーカユニット2と音響抵抗物質1を取り付けたスピーカシステムの断面図である。図10において,スピーカユニット2,バッフル部801,音響抵抗物質1,第一の空気室5は前述の図6に示したものと同一である。図10において9は第二の空気室,10は吸音材である。
このように音響抵抗物質1でボックス8の内部を第一の空気室5と第二の空気室9に仕切ることにより前述の請求項2の発明の効果に記載したような効果を得る音響システムを得ることができる。
図11は,ボックスに背面開放型を,図12はボックスにバスレフ(位相反転型)を使用した場合の実施例である。図11では11が,図12では9が第二の空気室に相当するが,その共振や定在波からのスピーカユニット2の振動板への振動影響を音響抵抗物質1が減ずる効果はどれも図10の場合と同様である。
なお,図12の実施例で12はダクトと呼ばれる共振ポートであるが,その影響は第二の空気室の共振とはやや周波数がずれており,第二の空気室によるスピーカユニットの振動板への影響とは無縁である。
図13は請求項3に示す発明の第一の実施例である。図13において13は音源の電気信号,14は増幅器で例えばプリアンプ,15は低音増幅回路,16はスピーカを駆動するパワーアンプ,17は図10と同様なスピーカシステムである。
図13の低音増幅回路15は例えば図14のようにCRを用いた回路が考えられる。図14の回路はR1とC1で第一のカットオフ特性を有する高音減衰回路を構成し,R2とC1で第二のカットオフ特性を有する低音増強回路を構成し,その減衰特性は図15のように第一のカットオフ周波数fcLから第二のカットオフ周波数fcHまで6dB/octで減衰するような特性を有する。必要に応じて図14のように増幅器(AMP)を設けてもよい。
図13のように低音増幅回路15を加えた音響システムでは,17のスピーカシステムの周波数−音圧特性(図3の実線)において,図15のfcHを適当に選ぶことにより総合的に図3の一点鎖線のように改善した特性を得ることができる。
またこのような低音増幅回路を図16のように2段用いることも可能である。一般的に図10に示すスピーカシステムの周波数音圧特性は図17のようになる。すなわち,スピーカユニットの低音湾曲点fc1から低音の音圧低下が始まり,さらに周波数が下がりボックス容積の影響による低音湾曲点fc2からはさらに音圧が低下する。
したがって図16のように特性の異なる低音増幅回路を2段組み合わせて用いることで,低音湾曲点fc2以下の低音の音圧不足をも解消できる。さらに,図13や図16の低音増幅回路を使用すると,図13や図16のスピーカシステム17の周波数−位相特性もある程度補償する効果が期待できる。
すなわち,スピーカシステムの周波数−位相特性は一般的に図18のようになることが知られている。つまりスピーカユニットの低音湾曲点fc1から周波数が下がるにつれて徐徐にその位相は音源の信号に対して進んでいき,システムとしての共振周波数frでは約90度の位相進みとなる。さらに周波数が下がっていくとボックスの容量の制約により音圧が低下するとともに位相の進みが増大していき最大180度の位相進みが生じる。
ところが,図14の低音増幅回路における周波数−位相特性は図19のようにfcLとfcHを適度に乖離させて選ぶことによりfr近辺で最大90度近くの位相遅れを持たせることができるから,まずfrにおける位相特性を補正できる。その上,図16のように低音増幅回路を2段使用するともう一段の位相遅れが加わるので,図18の最大180度近辺の位相ずれをも補償しうるのである。図20に2段の場合の位相補償特性を現す。
本件発明によれば,音源信号に対して純粋かつ忠実な再生音を要求されるオーディオ装置においてひとつのスピーカで全帯域をカバーするスピーカシステムのみならず2ウエイや3ウエイ,あるいはマルチアンプシステムなどのピュアオーディオシステムに適用できるとともに,例えばオーディオビジュアルやTV,パソコンや携帯型のラジオ・テープレコーダーなどダイナミックスピーカーを用いた家電製品において,高品位な音を要求される音響システムに適用することができる。
ダイナミック型スピーカシステムの周波数音圧と周波数インピーダンス特性を示す図 ダイナミック型スピーカシステムの周波数音圧と周波数インピーダンス特性を示す図のその2 ダイナミック型スピーカシステムの周波数音圧特性の改善を示す図 本件発明の請求項1による音響システム用パーツの構成の図 本件発明の請求項1による音響システム用パーツの図 本件発明の請求項1による音響システム用パーツの使用例の図 本件発明の請求項1による音響システム用パーツの別の実施例の図 本件発明の請求項1による音響システム用パーツの別の実施例の図 本件発明の請求項1による音響システム用パーツの別の実施例の図 本件発明の請求項2による音響システムの図 本件発明の請求項2による音響システムの別の実施例の図 本件発明の請求項2による音響システムの別の実施例の図 本件発明の請求項2による音響システムの図 低音増幅回路の例の図 図14の回路の特性の図 本件発明の請求項2による音響システムの別の実施例の図 スピーカシステムの特性の図 スピーカシステムの特性の図 低音増幅回路の位相特性の図 低音増幅回路の位相特性の図
符号の説明
1・・音響システム用パーツ
2・・スピーカユニット
3・・バッフル板
4・・リード線
5・・第一の空気室
6・・枠
7・・第一の空気室
8・・ボックス
9・・第二の空気室
10・・吸音材
11・・第二の空気室
12・・第二の空気室
13・・信号源
14・・増幅器
15・・低音増幅回路
16・・増幅器
17・・スピーカシステム

Claims (3)

  1. スピーカユニットと該ユニットの前面部と背面部で空気層を仕切るキャビネットから成るスピーカシステムにおいて,通気性のある音響抵抗物質から成り,スピーカユニットの背面近傍を該音響抵抗物質のほかには空気の通路がないように覆うことでスピーカユニットの振動板背面に第一の空気室を形成しスピーカユニットの振動板より遠い側の空気層と第一の空気室の間を仕切るように配されることを特徴とする音響システム用パーツ。
  2. スピーカユニットと該ユニットの背面側に空気室を形成するボックスから成るスピーカシステムにおいて,ユニットの背面近傍を通気性のある音響抵抗物質で該音響抵抗物質以外には空気の通路がないように覆い,ボックス内部をスピーカユニットの振動板側の第一の空気室とスピーカユニットの振動板より遠い側の第二の空気室に仕切った構造のスピーカシステムを含むことを特徴とする音響システム。
  3. 請求項1の音響システム用パーツを使用した音響システムまたは請求項2の音響システムに低音増幅回路を備えたことを特徴とする音響システム。

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