JP2015130406A - 光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュール - Google Patents

光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性および光電変換効率に優れた光起電力装置を得ること。
【解決手段】受光面側である一面側にp型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を有するn型の半導体基板と、前記不純物拡散層上に設けられて前記不純物拡散層に電気的かつ物理的に接続する受光面側電極と、前記半導体基板の他面側に設けられた裏面側電極とを備え、前記受光面側電極は、アルミニウムを含むアルミニウム系ペースト電極と銀を含む銀系ペースト電極とにより構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールに関する。
太陽電池には、入射光を内部に取り込む機能、取り込んだ入射光を電気エネルギーに変換する機能、変換した電気エネルギーを外部に取り出す機能、という3つの基本機能がある。そして、太陽電池においては、その性能を高めるために、3つの基本機能のそれぞれが効率的に実行されるための工夫が成されている。
特に近年は、現実的な量産や生産技術における、太陽電池の高光電変換効率化の進展が目覚しい。単結晶シリコン型の太陽電池を例にとれば、安価なコストと生産性とを実現できる構造と製造工程とにより、19%を超える光電変換効率を得る生産が各社で実現されている。一方でそれは実態が理論限界に近付いていることも意味しており、実際に更なる高光電変換効率化を目指すに当たっての課題は、難易度の高い少数の因子に限定される傾向にある。
これら高光電変換効率化の方向性の一つに、基板のn型化がある。純理論的な比較で言えば、あくまでp型基板を用いる方が高光電変換効率化に適しており、基板のn型化は本来は矛盾を含んでいる。しかし、p型基板のライフタイム実態値や光劣化の問題など、現実的な問題を一定程度考慮した場合、改めて見直される方向性として、近年、基板のn型化の検討が増加の傾向にある。
太陽電池の高光電変換効率化を図るとはいえ、前述の様な背景を考慮すると、コストや生産性の要件は無視できない。これらの要件を考慮しつつ高光電変換効率化を図る上では、広く普及しているp型基板太陽電池の生産工程を、できるだけ踏襲することが望ましい。
典型的なp型基板太陽電池の構造を土台に考えると、基板不純物以外のp型層の形成としては、基板の裏面側のBSF層の形成としてAl−Si合金を活用する手法が広く普及している。しかし、n型基板太陽電池の一般的な構造では、当然ながらp型拡散接合層は受光面側に構成される。このため、使用材料から見て遮光性の強いAl−Si合金を活用する手法の全面的な適用は不適切であり、主にボロン(B:ホウ素)等の熱拡散によってp型不純物拡散層を形成することになる。
ボロンの拡散自体は、用いる材料や詳細な条件こそ異なるものの、手法や装置など基本的な部分はリン拡散と同類に扱える。リンの拡散も、p型基板太陽電池の製造方法として広く普及している方法である。
高光電変換効率化を目指すためには、拡散層の不純物濃度を従来よりも低濃度化する傾向にあり、拡散しにくいという熱拡散に対するボロンの元来の性質も加わり、p型不純物拡散層に関してはこの傾向がより顕著である。リンの拡散などによるn型不純物拡散層では、従来普及している型で不純物ピーク濃度:2×1020cm−3〜2×1021cm−3、高光電変換効率を議論される場合で不純物ピーク濃度:5×1019cm−3〜2×1020cm−3の範囲で議論されることが多い。これに対して、p型不純物拡散層では、昨今普及し始めている型で不純物ピーク濃度:3×1019cm−3〜1×1020cm−3、高光電変換効率を議論される場合で5×1018cm−3〜5×1019cm−3の範囲で議論されることが多く、その不純物濃度には約1桁分の格差がある。
一般的に拡散層と銀(Ag)電極との間では、拡散層が低濃度化するほど電気的コンタクト(電気的接続)が取り難い。従って上述したように低濃度化したp型不純物拡散層は、通常のn型不純物拡散層に比べて電気的コンタクトを取るのが更に困難になる。
この課題に対する対策として、特許文献1では、Al含有率2〜4重量%のAgAl電極を印刷・乾燥した後、その上に銀(Ag)電極を重ねて印刷して乾燥・焼成を行うことを開示している。
特開2011−129867号公報
しかしながら、AgAlの混合電極は、物理的付着力に劣り、タブ付け等の後の工程で形状を維持することが難しい。
太陽電池の電極には、良好な電気的接続と良好な物理的付着力との両方が求められる。しかし、元来n型不純物拡散層に比べて不純物濃度が低いp型不純物拡散層と電極との間では、良好な電気的接続を得にくい上、高光電変換効率化を図るに当たっては更にその傾向が顕著になる。したがって、p型不純物拡散層と電極との間での電気的接続と物理的付着力とを良好な状態で保てる構造と条件を見出すことが非常に重要である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、信頼性および光電変換効率に優れた光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光起電力装置は、受光面側である一面側にp型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を有するn型の半導体基板と、前記不純物拡散層上に設けられて前記不純物拡散層に電気的かつ物理的に接続する受光面側電極と、前記半導体基板の他面側に設けられた裏面側電極とを備え、前記受光面側電極は、アルミニウムを含むアルミニウム系ペースト電極と銀を含む銀系ペースト電極とにより構成されること、を特徴とする。
本発明によれば、信頼性および光電変換効率に優れた光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールが得られる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側から見た上面図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面と反対側から見た下面図である。 図3は、図1のA−A方向における太陽電池セルの要部断面図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図8は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図9は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図10は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図11は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図12は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図13は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための平面図である。 図14は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための平面図である。 図15は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルを受光面側から見た太陽電池セルの上面図である。 図16は、図15において銀(Ag)を含んだペースト電極を透過して見た太陽電池セルの上面図である。 図17は、表銀(Ag)系電極の該表銀(Ag)系電極の延在方向に沿った断面図である。
以下に、本発明にかかる光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
結晶系シリコン太陽電池においては、一般的に不純物拡散層と銀(Ag)を含んだペースト電極(以下、銀系電極と呼ぶ場合がある)との間では、不純物拡散層が低濃度化するほど電気的コンタクト(電気的接続)が取り難い。したがって、特にp型不純物拡散層の不純物濃度を低濃度化した場合には、銀(Ag)系電極の単独ではp型不純物拡散層との間で良好な電気的接続を取ることは難しい。その反面、p型不純物拡散層との間の物理的付着力に関しては、銀(Ag)系電極は、アルミニウムを含んだペースト電極(以下、アルミニウム(Al)系電極と呼ぶ場合がある)と比べて相対的に良好な値を得やすい。したがって、受光面側電極における銀(Ag)の使用においては、p型不純物拡散層との間の物理的付着力確保に重点をおくことが好ましい。すなわち、物理的付着力を求められる箇所や領域には銀(Ag)系電極を配置することが好ましい。
一方、ペースト電極とp型不純物拡散層との間の電気的接続に関しては、Al−Si合金反応を局所的に活用することが好ましい。アルミニウム(Al)はIII族元素であり、p型不純物として機能する。また、アルミニウム(Al)は、太陽電池の基板材料であるシリコン(Si)と600℃前後の温度域で溶融再結晶化を通じて合金化する性質を有している。したがって、アルミニウム(Al)系電極は、基板本体のp型不純物拡散層における不純物濃度の濃淡とは無関係に、焼成の際の合金化に伴う溶融再結晶化を通じて局所的に高濃度のp型不純物領域を形成することができる。これにより、アルミニウム(Al)系電極は、p型不純物拡散層との間で良好な電気的接続を得ることができる。
なお、ペースト電極とp型不純物拡散層との間で単純に良好な電気的接続を得るためならば、アルミニウム(Al)系電極の形成用の電極材料ペーストにおける金属成分内のAl配合率が100%でも構わない。しかし、Al−Si合金は、それ自体が遮光性を有する上に、溶融再結晶化を経て合金化が成される関係上、反応が周辺に拡がり易い傾向を持つ。このため、電極材料ペーストの金属成分内のAl配合率が高い場合には、電極材料ペーストのアルミニウム(Al)と基板材料であるシリコン(Si)との合金化反応が進み過ぎてAl−Si合金反応領域が拡大し、過度のAl−Si合金反応領域により遮光領域が増大する作用を伴う。
太陽電池の受光面側における遮光領域の増大は光電変換効率の低下の要因となるため、受光面側の電極においては遮光領域の増大は避ける必要がある。このため、電極材料ペーストの金属成分内のAl配合率は、遮光領域の増大がない範囲、または遮光領域における許容範囲に抑制する必要がある。アルミニウム(Al)系電極とp型不純物拡散層との間の電気的接続が良好になるようにアルミニウム(Al)系電極とp型不純物拡散層のシリコンとの間でAl−Si合金反応が進み、かつ遮光領域の増大を抑制できるためには、アルミニウム(Al)系電極の電極材料の金属成分内のAl配合率は、1%〜10%の範囲とすることが好ましい。
なお、結晶系シリコン太陽電池に用いられる電極材料ペーストは、80%〜90%の金属粉体、1%〜10%のガラスフリットまたはセラミック成分、1%〜10%の有機溶剤、1%未満の添加剤によって構成されることが多いが、上記に示す金属成分内の配合率とは、この金属粉体の配合率を示すものであり、ペースト全体に対する比率で言えば、上記数値の概ね8割〜9割に相当するものである。
アルミニウム(Al)系電極の電極材料ペーストにおいて金属成分内のAl配合率が1%未満の場合には、アルミニウム(Al)系電極とp型不純物拡散層のシリコンとの間のAl−Si合金反応が不十分となり、アルミニウム(Al)系電極とp型不純物拡散層との間で良好な電気的接続を得ることができない。アルミニウム(Al)系電極の電極材料ペーストにおいて金属成分内のAl配合率が10%より大の場合には、アルミニウム(Al)系電極とp型不純物拡散層のシリコンとの間のAl−Si合金反応が進み過ぎてAl−Si合金反応領域が拡大し、受光面における遮光領域が増大する。なお、アルミニウム(Al)系電極の電極材料に含まれる金属成分におけるアルミニウム以外の成分としては、たとえば、広く用いられている銀(Ag)の他、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)などが挙げられる。本実施の形態において、アルミニウム(Al)系電極は電気的接続を主目的としており、物理的付着力についてはさほどの値は求められない。したがって、銀と配合しても、この部分については差し支えない。
また、アルミニウム(Al)系電極と銀(Ag)系電極とが交差する領域では、アルミニウム(Al)系電極上に銀(Ag)系電極が重なるようにすることが好ましい。これにより、アルミニウム(Al)系電極上を覆う銀(Ag)系電極の物理的付着によりアルミニウム(Al)系電極の剥離が防止される。
上述したように、電気的接続を重視したアルミニウム(Al)系電極と物理的付着力を重視した銀(Ag)系電極との両者を適切に組み合わせて配置することにより、受光面側電極とp型不純物拡散層との間での電気的接続と物理的付着力とを良好な状態に保つことができる。すなわち、不純物ピーク濃度が5×1018cm−3〜5×1019cm−3、より好ましくは5×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲とされた低濃度のp型不純物拡散層に対して、アルミニウム(Al)系電極と銀(Ag)系電極とを適切に組み合わせた受光面側電極を設けることにより、受光面側電極に必要な特性である電気的接続特性と物理的付着力特性とを両立し、n型基板太陽電池における高光電変換効率化を実現することができる。
以下に、電気的接続特性に優れたアルミニウム(Al)を含んだペースト電極と物理的付着力特性に優れた銀(Ag)を含んだペースト電極とを適切に組み合わせて配置した具体例について説明する。図1〜図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の構成を説明するための図であり、図1は、受光面側から見た太陽電池セル1の上面図、図2は、受光面と反対側から見た太陽電池セル1の下面図、図3は、図1のA−A方向における太陽電池セル1の要部断面図である。
本実施の形態にかかる太陽電池セル1においては、n型単結晶シリコンからなる半導体基板2の受光面側にボロン(B)拡散によってp型不純物拡散層3が形成されて、pn接合を有する半導体基板11が形成されているとともに、p型不純物拡散層3上にシリコン窒化膜(SiN膜)からなる反射防止膜4が形成されている。p型不純物拡散層3では、不純物ピーク濃度:5×1018cm−3〜5×1019cm−3、より好ましくは5×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲とされている。なお、半導体基板2としてはn型単結晶のシリコン基板に限定されず、n型多結晶のシリコン基板を用いてもよい。
また、半導体基板11(p型不純物拡散層3)の受光面側の表面には、テクスチャー構造として微小凹凸が形成されている。微小凹凸は、受光面において外部からの光を吸収する面積を増加し、受光面における反射率を抑え、光を閉じ込める構造となっている。反射防止膜4は、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)や酸化チタン膜(TiO)などの絶縁膜からなる。
半導体基板11の受光面側には、第1電極である受光面側電極12が形成される。受光面側電極12は、いわゆるファイヤースルーによりp型不純物拡散層3に電気的および物理的に接続している。ここで、受光面側電極12における基本的な配置分けとしては、受光面側電極12においてp型不純物拡散層3との間での電気的接続およびp型不純物拡散層3からの集電の機能が重視される領域は、通常グリッド電極と呼ばれる領域である。また、受光面側電極12において物理的付着力が重視される領域は通常バス電極と呼ばれる領域である。
したがって、例えば150mm角の半導体基板11の受光面側に対して細い直線形状パターンで配置されるグリッド電極に、アルミニウム(Al)を含有する電極を配置する。すなわち、半導体基板11の受光面側に長尺細長の表アルミニウム(Al)系グリッド電極5が複数並べて設けられる。この表アルミニウム(Al)系グリッド電極5は、たとえば長さ148mm、幅50μmとされ、たとえば2mm間隔で75本が、半導体基板11における一対の辺方向に沿って並列に配置される。表アルミニウム(Al)系グリッド電極5は、底面部においてp型不純物拡散層3に電気的および物理的に接続している。なお、ここでの直線形状は、必ずしも真っ直ぐな直線に限定されない。
また、半導体基板11の受光面側に対して太い直線形状パターンで配置される表バス電極に、銀(Ag)系電極を配置する。すなわち、半導体基板11の受光面側に、表アルミニウム(Al)系グリッド電極5と導通する表銀(Ag)系バス電極6が該表アルミニウム(Al)系グリッド電極5と略直交するように設けられる。このバス電極は、たとえば長さ148mm、幅2mmとされ、たとえば2本が、基板端からの距離がそれぞれ37.5mmとされ、75mmの間隔を空けて、基板における他の一対の辺方向に沿って並列に配置される。表銀(Ag)系バス電極6は、表アルミニウム(Al)系グリッド電極5と重なる部分においては表アルミニウム(Al)系グリッド電極5上に設けられて表アルミニウム(Al)系グリッド電極5と導通し、それ以外の部分では底面部においてp型不純物拡散層3に電気的および物理的に接続している。なお、ここでの直線形状は、必ずしも真っ直ぐな直線に限定されない。
なお、類似の形状として表銀(Ag)系バス電極6の本数をN本(N>2)に増やす例が挙げられる。この場合は、最外側の2本と両基板端との距離は(150/2N)mm、各配置同士の間隔は(150/N)mmとするのが適切である。またN本の範囲としては、現実的な本数として3〜4本が適正である。
表アルミニウム(Al)系グリッド電極5は、アルミニウム(Al)を含有する材料により構成され半導体基板11の内部で発電した電気を集電する。また、表銀(Ag)系バス電極6は、銀(Ag)を含有する材料により構成され、表アルミニウム(Al)系グリッド電極5で集電した電気を外部に取り出す。そして、表アルミニウム(Al)系グリッド電極5と表銀(Ag)系バス電極6とにより第1電極である受光面側電極12が構成される。
一方、半導体基板11の裏面(受光面と反対側の面)には、リン拡散により形成されたn型BSF層9が形成され、該n型BSF層9上に裏面パッシベーション膜10が形成される。更に、裏面パッシベーション膜10の上に、選択的に形成された銀(Ag)系電極材料からなる裏面側電極13が構成される。裏面側電極13は、いわゆるファイヤースルーによりn型BSF層9に電気的および物理的に接続している。裏面側電極13の選択形状は、本来機能からの視点では、受光面側電極12の形状と無関係に自由な形状を採って差し支えない。ただし、太陽電池全体としての応力やこれに起因する反り、また隣接する他の太陽電池セルとの相互接続などを含めて考慮すると、その概形状において受光面側電極12と同様の形状を採ることが好ましい。実施の形態1では、裏面側電極13として、裏銀(Ag)系グリッド電極7と、これに導通する裏銀(Ag)系バス電極8とが略直交するように設けられる。
以下、本実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造方法について図面に沿って説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。図5〜図12は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の製造工程の一例を説明するための断面図である。図13および図14は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル1の製造工程の一例を説明するための平面図である。なお、理解の容易化のため、図13および図14では、図示を簡略化している。
まず、半導体基板2として例えば数百μm厚のn型単結晶シリコン基板を用意する(図5)。n型単結晶シリコン基板は、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、n型単結晶シリコン基板を酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、シリコン基板の切り出し時に発生してn型単結晶シリコン基板の表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。例えば数〜20wt%苛性ソーダや炭酸苛性ソーダで10μm〜20μm厚だけ表面を除去する。
ダメージ除去に続いて、同様のアルカリ低濃度液にIPA(イソプロピルアルコール)を添加した溶液でn型単結晶シリコン基板の異方性エッチングを行ない、シリコン(111)面が出るようにn型単結晶シリコン基板の受光面側の表面に微小凹凸を形成してテクスチャー構造2aを形成する(ステップS10、図6)。このようなテクスチャー構造をn型単結晶シリコン基板の受光面側に設けることで、太陽電池セル1の表面側で光の多重反射を生じさせ、太陽電池セル1に入射する光を効率的に半導体基板11の内部に吸収させることができ、実効的に反射率を低減して変換効率を向上させることができる。
つぎに、半導体基板2にpn接合を形成する(ステップS20、図7)。すなわち、ボロン(B)等のp型不純物元素を半導体基板2に拡散等させて深さ数百nm〜2μm程度のp型不純物拡散層3を形成する。ここでは、表面にテクスチャー構造を形成したn型単結晶シリコン基板に対して、熱拡散により、ホウ素を含有するシリコン酸化膜(ボロンシリケートガラス;BSG膜)を形成し、これを拡散源としてpn接合を形成する。これにより、第1導電型層であるn型単結晶シリコンからなる半導体基板2と、該半導体基板2の受光面側に形成された第2導電型層であるp型不純物拡散層3と、によりpn接合が構成された半導体基板11が得られる。なお、拡散層形成後、不要になったBSG膜は、例えばフッ酸水溶液で除去する。また、半導体基板2の受光面側をレジストや耐酸性樹脂等で保護した後にフッ硝酸溶液中にn型シリコン基板を浸漬することにより、n型シリコン基板の端面と裏面側とに形成された不純物拡散層(p型不純物拡散層)を除去する。
つぎに、光電変換効率改善のために、n型単結晶シリコン基板の受光面側の一面に反射防止膜4を一様な厚みで形成する(ステップS30、図8)。反射防止膜4の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。反射防止膜4の形成は、例えばプラズマCVD法を使用し、シラン(SiH)ガスとアンモニア(NH)ガスの混合ガスを原材料に用いて、300℃以上、減圧下の条件で反射防止膜4として窒化シリコン膜を成膜形成する。なお、反射防止膜4として、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。また、反射防止膜4の形成方法は、プラズマCVD法の他に蒸着法、熱CVD法などを用いてもよい。なお、このようにして形成される反射防止膜4は絶縁体であることに注意すべきであり、受光面側電極12をこの上に単に形成しただけでは、太陽電池セルとして作用しない。
つぎに、n型単結晶シリコン基板の裏面側に対して、オキシ塩化リン(POCl)、リン酸等を熱拡散により拡散させてn型BSF層9を形成する(ステップS40、図9)。n型BSF層9の構造については、本実施の形態の特徴と直接関係する部分ではないため、特に限定するものではない。ただし、光電変換効率改善の視点からすれば、単一構造であれば不純物ピーク濃度:3×1019〜2×1020cm−3、不純物拡散深さ:0.4〜0.8μmの範囲で、シート抵抗としては40〜80Ω/□の範囲であることが好ましい。或いは、p型シリコン太陽電池の受光面側不純物拡散層におけるセレクティブエミッタ構造のように、後述する裏面側電極付近の領域は低シート抵抗に、それ以外の領域は高シート抵抗に、領域に応じて区分けして形成してもよい。この場合、低シート抵抗部分は20〜60Ω/□、高シート抵抗部分は80〜200Ω/□の範囲であることが好ましい。なお、n型BSF層9の形成直後のn型単結晶シリコン基板の表面にはリン(P:フォスファー)を含有するシリコン酸化膜(フォスファーシリケートガラス:PSG膜、或いは別通称:リンガラス)が形成されているため、フッ酸等を用いてこれを除去する。
つぎに、n型単結晶シリコン基板の裏面のn型BSF層9の上に裏面パッシベーション膜10を一様の厚みで形成する(ステップS50、図10)。裏面パッシベーション膜10の形成は、例えばプラズマCVD法を使用し、シラン(SiH)ガスとアンモニア(NH)ガスの混合ガスを原材料に用いて、300℃以上、減圧下の条件で裏面パッシベーション膜10として窒化シリコン膜(SiN膜)を成膜形成する。裏面パッシベーション膜10は、n型単結晶シリコン基板の裏面全体にわたって設けられており、上述のシリコン窒化膜(SiN膜)の他、シリコン酸化膜(SiO膜)や酸化チタン膜(TiO)、またはこれらの積層膜や混合膜よりなる絶縁膜からなるようにしてもよい。
なお、受光面側のp型不純物拡散層3や裏面側のn型BSF層9、およびこれらの上の反射防止膜4や裏面パッシベーション膜10の形成については、上記でも述べている通り、別の手法を用いても差し支えない。各々選択する手法の特徴に応じて、形成順序も適切に選択し、上記で説明した以外の順序で形成しても差し支えない。
つぎに、スクリーン印刷により電極を形成する。まず、受光面側電極12を作製する(焼成前)。すなわち、n型単結晶シリコン基板の受光面である反射防止膜4上に、表アルミニウム(Al)系グリッド電極5の形状に、アルミニウム(Al)およびガラスフリットを含む電極材料ペーストであるアルミニウム(Al)系ペースト12aをスクリーン印刷によって塗布した後、アルミニウム(Al)系ペースト12aを乾燥させる(ステップS60、図11)。
つぎに、n型単結晶シリコン基板の受光面である反射防止膜4上に、表銀(Ag)系バス電極6の形状に、銀(Ag)およびガラスフリットを含む電極材料ペーストである銀(Ag)系ペースト12bをスクリーン印刷によって塗布した後、銀(Ag)系ペースト12bを乾燥させる(ステップS70、図11)。なお、図中ではアルミニウム系ペースト12aのみを示しており、銀(Ag)系ペースト12bの図示を省略している。
つぎに、n型単結晶シリコン基板の裏面側にスクリーン印刷によって、裏面側電極13の形状に電極材料ペーストである銀(Ag)系ペースト13aを塗布し、乾燥させる(ステップS80、図11)。なお、図中では裏銀(Ag)系グリッド電極に対応する部分のみを示しており、裏銀(Ag)系バス電極に対応する部分の図示を省略している。前述しているが、裏面側電極13の選択形状は、本来機能からの視点では、受光面側電極12の形状と無関係に自由な形状を採って差し支えない。ただし、太陽電池全体としての応力やこれに起因する反り、また隣接する他の太陽電池セルとの相互接続などを含めて考慮すると、その概形状において受光面側電極12と同様の形状を採ることが好ましい。
その後、半導体基板11の表面および裏面の電極ペーストを例えば600℃〜900℃で同時に焼成することで、半導体基板11の表側ではアルミニウム(Al)系ペースト12a中に含まれているガラス材料で反射防止膜4が溶融している間にアルミニウム(Al)系材料がシリコンと接触し溶融再結晶化を通じて合金化し、受光面側電極12としての表アルミニウム(Al)系グリッド電極5が得られる(ステップS90、図12、図13)。図13では、半導体基板11の表側に形成された電極のうち表アルミニウム(Al)系グリッド電極5の形成パターンに特化して図示している。ここで、アルミニウム(Al)系ペースト12aは、合金化に伴う溶融再結晶化を通じて局所的に高濃度のp型不純物領域を形成する。これにより、表銀(Ag)系バス電極6は、p型不純物拡散層3との間で良好な電気的接続を得ることができ、半導体基板11のシリコンとの良好な導通が確保される。
また、半導体基板11の表側では銀(Ag)系ペースト12b中に含まれているガラス材料で反射防止膜4が溶融している間に銀材料がシリコンと接触し再凝固する。これにより、受光面側電極12としての表銀(Ag)系バス電極6が得られ、受光面側電極12と半導体基板11のシリコンとの導通が確保される(ステップS90、図14)。図14では、半導体基板11の表側に形成された電極のうち表銀(Ag)系バス電極6の形成パターンに特化して図示している。そして、表銀(Ag)系バス電極6は、p型不純物拡散層3との間で良好な物理的付着力を得ることができる。これにより、p型不純物拡散層3との間での電気的接続と物理的付着力とを良好な状態で保てる受光面側電極12が得られる。
また、半導体基板11の裏側では銀(Ag)系ペースト13aの銀材料がシリコンと接触し再凝固して裏面側電極13が得られる(ステップS90、図12)。なお、図12では表アルミニウム(Al)系グリッド電極5および裏銀(Ag)系グリッド電極7のみを示しており、表銀(Ag)系バス電極6および裏銀(Ag)系バス電極8の図示を省略している。
以上のような工程を実施することにより、図1〜図3に示す本実施の形態にかかる太陽電池セル1を作製することができる。
上述したように、実施の形態1においては、不純物ピーク濃度:5×1018cm−3〜5×1019cm−3、より好ましくは5×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲とされている低濃度のp型不純物拡散層に対して、受光面側電極として、電気的接続特性に優れたアルミニウム(Al)を含んだペースト電極と物理的付着力特性に優れた銀(Ag)を含んだペースト電極とを適切に組み合わせて各々の役割を分担させている。これにより、全体として受光面側電極に必要な特性を確保することができ、電気的接続特性と物理的付着力特性を両立した受光面側電極を形成でき、n型基板太陽電池における高光電変換効率化に寄与する効果を奏する。
したがって、実施の形態1によれば、信頼性および光電変換効率に優れた光起電力装置が得られる、という効果を奏する。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、電気的接続およびp型不純物拡散層からの集電の機能が重視される領域にはアルミニウム(Al)を含んだペースト電極を配置し、物理的付着力が重視される領域には銀(Ag)を含んだペースト電極を配置して各機能を分担させた。一方、電極素材自体の導電性を比較すると、銀(Ag)を含んだペースト電極の方がアルミニウム(Al)を含んだペースト電極よりも優れている。
そこで、アルミニウムを含んだペースト電極が担う機能を更に特化して電気的接続のみとし、p型不純物拡散層からの集電の機能を、銀(Ag)を含んだペースト電極に移行する。これにより、電極自体の構造の上からも、低濃度のp型不純物拡散層を有するn型基板太陽電池のさらなる高光電変換効率化を図ることができる。
図15は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルの構成を説明するための図であり、受光面側から見た太陽電池セルの上面図である。図16は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルの構成を説明するための図であり、図15において銀(Ag)を含んだペースト電極を透過して見た太陽電池セルの上面図である。なお、理解の容易化のため、図15および図16では、図示を簡略化している。
実施の形態2にかかる太陽電池セルが実施の形態1にかかる太陽電池セル1と異なる点は、受光面側電極の構成である。すなわち、実施の形態2にかかる太陽電池セルは、受光面側電極の構成以外は実施の形態1にかかる太陽電池セル1と同じ構成を有する。したがって、以下では、受光面側電極の構成について説明する。
実施の形態2にかかる太陽電池セルでは、アルミニウム(Al)を含んだペースト電極として、例えばp型不純物拡散層3の面方向において直径50μmの円形状(ドット形状)を呈する表アルミニウム(Al)系グリッド電極21が、太陽電池セルの2対の辺方向(図16におけるX方向およびY方向)において2mm間隔に75個ずつp型不純物拡散層3上に配置される。すなわち、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21は、75個×75個のマトリックス状に配置される。
表アルミニウム(Al)系グリッド電極21は、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の表アルミニウム(Al)系グリッド電極5に対応した位置に配置される。そして、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21は、アルミニウムを含んだペースト電極であるため、p型不純物拡散層3との電気的接続特性に優れる。なお、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21の形状は円形状(ドット形状)に限定されない。表アルミニウム(Al)系グリッド電極21は、表銀(Ag)系電極23の直下において、複数に分断されて分散配置されていればよく、たとえば矩形形状等の四角形状であってもよい。
また、銀を含んだペースト電極として、図13および図14に示した表アルミニウム(Al)系グリッド電極5の形状と表銀(Ag)系バス電極6の形状とを合わせた形状を呈する表銀(Ag)系電極22および表銀(Ag)系電極23が、p型不純物拡散層3上に配置される。
表銀(Ag)系電極23は、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21上に、全ての表アルミニウム(Al)系グリッド電極21を覆って配置される。すなわち、表銀(Ag)系電極23は、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の表アルミニウム(Al)系グリッド電極5に対応した位置に配置される。そして、表銀(Ag)系電極23は、p型不純物拡散層3からの集電の機能を担う。図17は、表銀(Ag)系電極23の該表銀(Ag)系電極23の延在方向に沿った断面図である。
なお、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21の主たる機能はp型不純物拡散層3との電気的接続であるが、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21でもp型不純物拡散層3からの集電が行われる。したがって、表銀(Ag)系電極23は、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21からの集電の機能も有する。
表銀(Ag)系電極22は、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の表銀(Ag)系バス電極6に対応した位置に配置される。そして、表銀(Ag)系電極22は、バス電極として表銀(Ag)系電極23からの集電の機能を担う。表銀(Ag)系電極22は、銀を含んだペースト電極であるため、p型不純物拡散層3との間の物理的付着力に優れる。
このように、グリッド電極に相当する部分の大半を、アルミニウムを含んだペースト電極から銀を含んだペースト電極に置き換えることにより受光面側電極全体の直列抵抗を低減することができる。これにより、低濃度のp型不純物拡散層を有するn型基板太陽電池の更なる高光電変換効率化を図ることができる。
表アルミニウム(Al)系グリッド電極21を形成するには、実施の形態1において説明した製造工程のうちアルミニウム(Al)系ペースト12aの印刷工程(ステップS60)において、アルミニウム(Al)系ペースト12aをドット形状に且つマトリックス状に印刷すればよい。
また、表銀(Ag)系電極23を形成するには、実施の形態1において説明した製造工程のうち銀(Ag)系ペースト12bの印刷工程(ステップS70)において、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の表アルミニウム(Al)系グリッド電極5に対応した位置に、表アルミニウム(Al)系グリッド電極21を覆って銀(Ag)系ペースト12bを印刷すればよい。
また、表銀(Ag)系電極22を形成するには、実施の形態1において説明した製造工程のうち銀(Ag)系ペースト12bの印刷工程(ステップS70)において、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の表銀(Ag)系バス電極6に対応した位置に銀(Ag)系ペースト12bを印刷すればよい。
上述したように、実施の形態2においては、不純物ピーク濃度:5×1018cm−3〜5×1019cm−3、より好ましくは5×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲とされている低濃度のp型不純物拡散層に対して、受光面側電極として、電気的接続特性に優れたアルミニウムを含んだペースト電極と物理的付着力特性に優れた銀(Ag)を含んだペースト電極とを適切に組み合わせて各々の役割を分担させている。これにより、全体として受光面側電極に必要な特性を確保することができ、電気的接続特性と物理的付着力特性を両立した受光面側電極を形成でき、n型基板太陽電池における高光電変換効率化に寄与する効果を奏する。
また、実施の形態2においては、グリッド電極に相当する部分の大半を、アルミニウムを含んだペースト電極から銀を含んだペースト電極に置き換えることにより、受光面側電極全体の直列抵抗を低減することができる。これにより、低濃度のp型不純物拡散層を有するn型基板太陽電池の更なる高光電変換効率化を図ることができる。
したがって、実施の形態2によれば、信頼性および光電変換効率に優れた光起電力装置が得られる、という効果を奏する。
また、上記の実施の形態で説明した構成を有する太陽電池セルを複数形成し、隣接する太陽電池セル同士を電気的に接続することにより、信頼性、光電変換効率に優れた太陽電池モジュールが実現できる。この場合は、隣接する太陽電池セルの一方の表銀(Ag)系バス電極6と他方の裏面側電極13とを電気的に接続すればよい。
以上のように、本発明にかかる光起電力装置は、低濃度のp型不純物拡散層を備えるn型基板太陽電池の高光電変換効率化に有用である。
1 太陽電池セル、2 半導体基板、2a テクスチャー構造、3 p型不純物拡散層、4 反射防止膜、5 表アルミニウム(Al)系グリッド電極、6 表銀(Ag)系バス電極、7 裏銀(Ag)系グリッド電極、8 裏銀(Ag)系バス電極、9 n型BSF層、10 裏面パッシベーション膜、11 半導体基板、12 受光面側電極、12a アルミニウム(Al)系ペースト、12b 銀(Ag)系ペースト、13 裏面側電極、13a 銀(Ag)系ペースト、21 表アルミニウム(Al)系グリッド電極、22 表銀(Ag)系電極、23 表銀(Ag)系電極。

Claims (11)

  1. 受光面側である一面側にp型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を有するn型の半導体基板と、
    前記不純物拡散層上に設けられて前記不純物拡散層に電気的かつ物理的に接続する受光面側電極と、
    前記半導体基板の他面側に設けられた裏面側電極とを備え、
    前記受光面側電極は、アルミニウムを含むアルミニウム系ペースト電極と銀を含む銀系ペースト電極とにより構成されること、
    を特徴とする光起電力装置。
  2. 前記不純物拡散層における前記不純物元素の濃度が5×1018cm−3から5×1019cm−3の範囲であること、
    を特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記アルミニウム系ペースト電極と前記銀系ペースト電極とは、それぞれ直線形状に複数本が形成され、
    前記アルミニウム系ペースト電極と前記銀系ペースト電極とが交差する配置で形成され、該交差する領域では前記アルミニウム系ペースト電極上に前記銀系ペースト電極が重なっていること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の光起電力装置。
  4. 前記アルミニウム系ペースト電極は、複数に分断されて分散配置され、
    全ての前記アルミニウム系ペースト電極上に前記銀系ペースト電極の一部が重なっていること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光起電力装置。
  5. 前記アルミニウム系ペースト電極は、複数の円形状または矩形状とされ、マトリックス状に配置されること、
    を特徴とする請求項4に記載の光起電力装置。
  6. n型の半導体基板の一面側にp型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する第1工程と、
    前記不純物拡散層に電気的かつ物理的に接続する受光面側電極を前記不純物拡散層上に形成する第2工程と、
    前記半導体基板の他面側に裏面側電極を形成する第3工程と、
    を含み、
    前記第2工程では、アルミニウムを含むアルミニウム系ペースト電極と銀を含む銀系ペースト電極とにより前記受光面側電極を形成すること、
    を特徴とする光起電力装置の製造方法。
  7. 前記不純物拡散層における前記不純物元素の濃度が5×1018cm−3から5×1019cm−3の範囲であること、
    を特徴とする請求項6に記載の光起電力装置の製造方法。
  8. 前記アルミニウム系ペースト電極と前記銀系ペースト電極とは、それぞれ直線形状に複数本が形成され、
    前記アルミニウム系ペースト電極と前記銀系ペースト電極とが交差する配置で形成され、該交差する領域では前記アルミニウム系ペースト電極上に前記銀系ペースト電極を重ねること、
    を特徴とする請求項6または7に記載の光起電力装置の製造方法。
  9. 前記アルミニウム系ペースト電極は、複数に分断されて分散配置され、
    全ての前記アルミニウム系ペースト電極上に前記銀系ペースト電極の一部を重ねること、
    を特徴とする請求項6から8のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
  10. 前記アルミニウム系ペースト電極は、複数の円形状または矩形状とされ、マトリックス状に配置されること、
    を特徴とする請求項9に記載の光起電力装置の製造方法。
  11. 請求項1から5のいずれか1つに記載の光起電力装置の少なくとも2つ以上が電気的に直列または並列に接続されてなること、
    を特徴とする光起電力モジュール。
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