JP2015129582A - 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム - Google Patents

制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2015129582A
JP2015129582A JP2014217031A JP2014217031A JP2015129582A JP 2015129582 A JP2015129582 A JP 2015129582A JP 2014217031 A JP2014217031 A JP 2014217031A JP 2014217031 A JP2014217031 A JP 2014217031A JP 2015129582 A JP2015129582 A JP 2015129582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
range
learning
motor
current
reference position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014217031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5958519B2 (ja
Inventor
吉田 和弘
Kazuhiro Yoshida
和弘 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014217031A priority Critical patent/JP5958519B2/ja
Priority to DE102014224705.5A priority patent/DE102014224705A1/de
Priority to US14/559,144 priority patent/US9671014B2/en
Priority to CN201410737449.6A priority patent/CN104702192B/zh
Publication of JP2015129582A publication Critical patent/JP2015129582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5958519B2 publication Critical patent/JP5958519B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/12Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
    • G06N20/00Machine learning
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/12Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures
    • F16H2061/1208Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures with diagnostic check cycles; Monitoring of failures

Abstract

【課題】基準位置の学習精度が高く、基準位置学習に関する機能の異常を検出可能な制御装置を提供する。
【解決手段】電流制限回路75は、電流検出回路74により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限する。MPU80は、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止するまでモータ20を回転させ、モータ20の基準位置を学習する。また、MPU80は、自動変速機3のシフトレンジが、基準位置学習を行うシフトレンジ以外の非学習レンジである間に基準位置学習制御が実施されるとき、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達しない場合、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの駆動を制御する制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムに関する。
従来、車両制御の分野において、車両状態を変化させるアクチュエータを車両の運転者の指令によってバイワイヤ制御回路により電気制御するバイワイヤシステムが知られている。例えば特許文献1には、運転者の指令によってシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムが開示されている。このシステムでは、ブラシレスモータを有するアクチュエータの駆動を制御することにより、シフトレンジ切替装置内のディテントプレートを回転駆動し、シフトレンジを切り替えている。
特許文献1のシフトバイワイヤシステムでは、モータの回転に同期して所定角度毎にエンコーダが出力するパルス信号のカウント値に基づき、モータを目標レンジに対応する目標回転位置に回転させることにより、シフトレンジを目標レンジに切り替えている。また、特許文献1のシフトバイワイヤシステムでは、シフトレンジの切り替え制御を開始する前、すなわち、モータの通常の駆動制御を開始する前、ディテントプレートが可動範囲の限界位置で停止するまでモータを回転させることによりモータの基準位置を学習する基準位置学習制御を行っている。基準位置を学習することにより前記限界位置とモータの基準位置とが一致し、以後、モータを目標回転位置に回転させる通常の駆動制御が可能になる。
特開2004−308752号公報
ところで、基準位置学習制御を行うとき、モータの巻線の各相に流れる電流を電圧に応じたデューティー比で制御するシステムでは、電圧が同じであっても、温度変化や経時変化などによる巻線抵抗の変化によってモータの巻線の各相に流れる電流の値が変化してモータのトルクが変化し、基準位置の学習精度が低下する場合がある。この点に関し、特許文献1のシステムでは何ら考慮されていない。よって、特許文献1のシステムでは、温度変化や経時変化など、条件の変化により基準位置の学習精度が低下するおそれがある。
そこで、基準位置学習制御を行うとき、モータの巻線の各相に流れる電流の和の値が所定の範囲内となるよう巻線に流れる電流を制限すれば、温度変化や経時変化などによる各相の電流値の変化が抑制され、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度が向上すると考えられる。しかしながら、モータの巻線の各相に流れる電流の和の値を検出する手段、および、巻線に流れる電流を制限する手段を物理的な回路などで構成する場合、当該回路が故障すると、基準位置を正しく学習できなくなるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基準位置の学習精度が高く、基準位置学習に関する回路の異常を検出可能な制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムを提供することにある。
本発明は、複数の相の巻線を有し駆動対象を回転駆動することによって変速機のシフトレンジを切り替え可能なモータを制御する制御装置であって、スイッチング手段と、制御部と、電流検出回路と、電流制限回路と、基準位置学習手段と、シフトレンジ判定手段と、異常判定手段とを備えている。
スイッチング手段は、巻線の各相に対応するよう複数設けられ、オン作動することにより対応する巻線への通電を許容し、オフ作動することにより対応する巻線への通電を遮断する。制御部は、スイッチング手段のオンオフ作動を制御することにより、モータの駆動を制御する。
電流検出回路は、巻線およびスイッチング手段を流れる電流の値である電流値を検出する。電流制限回路は、電流検出回路により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線およびスイッチング手段を流れる電流を制限する。基準位置学習手段は、巻線およびスイッチング手段を流れる電流を電流制限回路により制限しつつ、駆動対象が可動範囲の限界位置で停止するまでモータを回転させ、モータの基準位置を学習する。
シフトレンジ判定手段は、変速機のシフトレンジを判定する。全てのシフトレンジのうち、モータの基準位置を学習するシフトレンジを除くシフトレンジを非学習レンジとすると、異常判定手段は、変速機のシフトレンジが非学習レンジであるとシフトレンジ判定手段により判定されている間に基準位置学習手段による基準位置の学習が実施されるとき、駆動対象が可動範囲の限界位置に到達しない場合、電流検出回路および電流制限回路の少なくとも一方の異常を判定する。
このように構成することで、モータの基準位置を学習するとき、電流検出回路により検出される電流値に基づき、巻線およびスイッチング手段を流れる電流が電流制限回路により制限されつつ、モータが回転駆動されるため、温度変化や経時変化などによる各相の電流値の変化、および、モータのトルクの変化が抑制される。そのため、本発明によれば、温度変化や経時変化など、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度を向上させることができる。
また、本発明によれば、電流検出回路および電流制限回路の一方、または両方が故障することによって、駆動対象を前記限界位置に位置させるために必要なトルクを発生させることができない異常が生じていることを、異常判定手段により検出可能である。これにより、電流検出回路または電流制限回路に異常が発生している状態で基準位置の学習が行われるのを回避することができる。したがって、基準位置の学習が正しく行われなかったことによりモータが誤作動したり、制御不能になったりするのを防ぐことができる。
本発明の一実施形態による電子制御ユニットが適用されたシフトバイワイヤシステムを示す模式図である。 図1のシフトレンジ切替装置を示す斜視図である。 図1の電子制御ユニットのMPUによるモータの制御に関する処理を示すフローチャートである。 図1の電子制御ユニットのMPUによる電流検出回路および電流制限回路の異常検出に関する処理を説明するフローチャートである。 図1の電子制御ユニットのMPUによる電流検出回路および電流制限回路の異常検出に関する処理を説明するタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムを図1に示す。シフトバイワイヤシステム1は、アクチュエータ10、シフトレンジ切替装置30、ECU60などを備えている。シフトバイワイヤシステム1は、例えば自動変速機3とともに車両に搭載され、車両の運転者の指令に基づきアクチュエータ10およびシフトレンジ切替装置30を駆動させることにより、バイワイヤ制御で自動変速機3のシフトレンジを切り替える。
アクチュエータ10は、ハウジング11、モータ20、エンコーダ12、減速機13、および、出力軸14などを有している。
本実施形態では、モータ20は、例えばスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)であり、永久磁石を用いることなく駆動力を発生する3相駆動型のブラシレスモータである。モータ20は、ステータ21、巻線22、ロータ23、および、モータ軸24などを有している。
ステータ21は、ハウジング11内で固定されている。巻線22は、ステータ21の突極に巻き回されるようにして複数設けられている。各巻線22は、モータ20の複数の相(U相、V相、W相)に対応している。ロータ23は、ステータ21の内側で回転可能に設けられており、径方向外側に突き出す突極を周方向で等間隔に複数形成している。モータ軸24は、ロータ23と一体に設けられ、ハウジング11により回転可能に支持されている。
このように構成されたモータ20では、各相の巻線22への通電が順次切り替えられると、ステータ21に回転磁界が生じ、ロータ23が回転する。
モータ20は、車両の電源としてのバッテリ2から電力を供給されることにより回転する。ECU60は、バッテリ2から各相の巻線22への通電を切り替えることにより、モータ20の駆動を制御する。
エンコーダ12は、ロータ23と一体に回転する磁石、および、ハウジング11に固定された基板に実装され、磁石と対向配置されて磁石における磁束発生部の通過を検出する磁気検出用のホールICなどにより構成されている。本実施形態では、エンコーダ12は、インクリメンタル型であり、モータ20(ロータ23)の回転角の変化分に応じてA相、B相のパルス信号を出力する。
減速機13は、モータ20のモータ軸24の回転運動を減速して出力軸14から出力し、シフトレンジ切替装置30に伝達する。シフトレンジ切替装置30は、減速機13から出力された回転駆動力をマニュアルバルブ4、および、パーキングロック機構50へ伝達する(図2参照)。
図2に示すように、シフトレンジ切替装置30は、マニュアルシャフト31、ディテントプレート32およびディテントスプリング34などを有している。
マニュアルシャフト31は、アクチュエータ10の出力軸14に接続され、モータ20の回転駆動力によって回転駆動される。ディテントプレート32は、マニュアルシャフト31から径方向外側に突き出すように設けられ、マニュアルシャフト31に固定されている。ディテントプレート32は、特許請求の範囲に記載の「駆動対象」に対応している。
ディテントプレート32には、マニュアルシャフト31と平行な方向へ突出するピン33が設けられている。ピン33は、マニュアルバルブ4の軸方向において当該マニュアルバルブ4の端部と係合可能である。そのため、ディテントプレート32がマニュアルシャフト31とともに回転すると、マニュアルバルブ4は軸方向へ移動する。すなわち、シフトレンジ切替装置30は、アクチュエータ10の回転運動を直線運動に変換してマニュアルバルブ4に伝達する。
ディテントプレート32は、外縁部に凹部41、42、43、44を有している。凹部41は、ディテントプレート32の回転方向の一方側に形成されている。凹部44は、ディテントプレート32の回転方向の他方側に形成されている。凹部42、43は、凹部41と凹部44との間に形成されている。本実施形態では、凹部41は、自動変速機3のシフトレンジのうち「Pレンジ」に対応して形成されている。凹部42は、「Rレンジ」に対応して形成されている。凹部43は、「Nレンジ」に対応して形成されている。凹部44は、「Dレンジ」に対応して形成されている。
ディテントスプリング34は、弾性変形可能な板状部材であり、先端に規制部としてのディテントローラ35を有している。ディテントスプリング34は、ディテントローラ35をディテントプレート32の回動中心(マニュアルシャフト31)に付勢している。ディテントプレート32に所定以上の回転力が加わると、ディテントスプリング34は撓むようにして弾性変形し、ディテントローラ35は各凹部41〜44間に形成される凸部を乗り越えて隣接する他の凹部41〜44へ移動する。そのため、アクチュエータ10によってマニュアルシャフト31が回転されることにより、マニュアルバルブ4の軸方向の位置、および、パーキングロック機構50の状態が変化し、自動変速機3のシフトレンジが変更される。
ディテントローラ35が凹部41、42、43、44のいずれかに嵌り込むことでディテントプレート32の回転を規制することにより、マニュアルバルブ4の軸方向の位置、および、パーキングロック機構50の状態が決定される。これにより、自動変速機3のシフトレンジが固定される。このように、ディテントプレート32およびディテントローラ35は、所謂「節度機構」として機能する。
本実施形態では、シフトレンジが「Pレンジ」側から「Rレンジ」、「Nレンジ」および「Dレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ10の出力軸14が回転する方向を、正回転方向と定義する。一方、シフトレンジが「Dレンジ」側から「Nレンジ」、「Rレンジ」および「Pレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ10の出力軸14が回転する方向を、逆回転方向と定義する。
図2は、シフトレンジが「Dレンジ」であるとき、すなわち、「Pレンジ」以外のレンジであるときのパーキングロック機構50の状態を示している。この状態では、パーキングギア54は、パーキングロックポール53によってロックされていない。そのため、自動変速機3の回転は妨げられない。この状態から、アクチュエータ10の出力軸14が逆回転方向に回転すると、ディテントプレート32を介してロッド51が図2に示す矢印Xの方向に押され、ロッド51の先端に設けられたテーパ部52がパーキングロックポール53を図2に示す矢印Yの方向に押し上げる。これにより、パーキングロックポール53がパーキングギア54に噛み合い、パーキングギア54がロックされる。その結果、自動変速機3の回転が規制された状態となる。このとき、ディテントスプリング34のディテントローラ35はディテントプレート32の凹部41に嵌り込んだ状態(ディテントローラ35が凹部41の中心に位置する状態)であり、自動変速機3の実際のシフトレンジ(以下、「実レンジ」という。)は「Pレンジ」である。
次に、ECU60について詳細に説明する。
図1に示すように、ECU60は、演算手段としてのMPU80、記憶手段としてのRAMおよびROM、各種回路、ならびに、入出力手段などを有する小型のコンピュータである。ECU60は、車両に搭載された各種センサからの信号、ならびに、ROMおよびRAMに格納されたデータなどに基づき、ROMに格納された各種プログラムに従って各種装置および機器類を制御する。ECU60は、車両の電源であるバッテリ2に電気的に接続されており、このバッテリ2から供給される電力によって作動する。
具体的には、ECU60は、リレー65、MOS61、62、63、リレー駆動回路71、MOS駆動回路72、エンコーダ検出回路73、電流検出回路74、電流制限回路75、MPU80などを備えている。
リレー65は、バッテリ2とモータ20との間に設けられている。リレー65は、オン作動することによりバッテリ2からモータ20への電力の供給を許容し、オフ作動することによりバッテリ2からモータ20への電力の供給を遮断する。
リレー駆動回路71は、リレー65に接続している。リレー駆動回路71は、リレー65に対しオン信号を出力することによりリレー65をオン作動させ、オン信号の出力を止めることによりリレー65をオフ作動させる。
MOS61、62、63は、例えばMOSFETなどのスイッチング素子であり、モータ20の巻線22の各相に対応するよう計3つ設けられている。MOS61のドレイン端子には、U相の巻線22が接続されている。MOS62のドレイン端子には、V相の巻線22が接続されている。MOS63のドレイン端子には、W相の巻線22が接続されている。MOS61、62、63の各ソース端子は、合流箇所P1で互いに接続されている。合流箇所P1は、抵抗76を介してバッテリ2の低電位側、すなわちグランドに接続されている。
MOS駆動回路72は、MOS61、62、63のゲート端子に接続している。MOS駆動回路72は、MOS61、62、63のゲート端子にオン信号(駆動信号)を出力することによりMOS61、62、63をオン作動させ、オン信号の出力を止めることによりMOS61、62、63をオフ作動させる。
エンコーダ検出回路73は、エンコーダ12に接続している。エンコーダ検出回路73は、モータ20(ロータ23)の回転角の変化分に応じてエンコーダ12が出力するA相、B相のパルス信号を検出可能である。当該パルス信号は、MPU80へ出力される。
電流検出回路74は、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流が合流する箇所である合流箇所P1に接続しており、合流箇所P1を流れる電流の値である電流値を検出可能である。当該電流値を表す信号は、電流制限回路75およびMPU80へ出力される。
電流制限回路75は、電流検出回路74およびMOS駆動回路72に接続している。電流制限回路75は、電流検出回路74により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるようMOS駆動回路72を制御することにより、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限することができる。
MPU80は、種々の演算を行う半導体チップであり、概念的な機能部としてリレー制御手段、MOS制御手段、回転検出手段、初期駆動手段、目標レンジ設定手段、通常駆動手段、基準位置学習手段、実レンジ検出手段、シフトレンジ判定手段、および異常判定手段を有している。
リレー制御手段は、リレー駆動回路71を制御することによりリレー65のオンオフ状態を制御可能である。
MOS制御手段は、MOS61、62、63に対する駆動信号を算出し、算出した駆動信号がMOS駆動回路72から出力されるようMOS駆動回路72を制御することにより、MOS61、62、63のオンオフ状態を制御可能である。リレー65がオン状態であるとき、MOS61がオン状態に制御されると、U相の巻線22に電流が流れる。また、MOS62がオン状態に制御されると、V相の巻線22に電流が流れる。また、MOS63がオン状態に制御されると、W相の巻線22に電流が流れる。
MPU80およびMOS駆動回路72は、MOS61、62、63のオンオフ作動を制御することによりモータ20の駆動を制御可能であり、特許請求の範囲に記載の「制御部」に対応している。
回転検出手段は、エンコーダ12から出力されたパルス信号に応じてカウント用の値(パルス信号カウント値)を減少(カウントダウン)または増大(カウントアップ)させ、モータ20(ロータ23)の回転状態を検出可能である。これにより、モータ20を脱調させることなく高速回転させることができる。
初期駆動手段は、車両電源のオン毎(シフトバイワイヤシステム1の起動毎)に、モータ20の励磁通電相学習(エンコーダ12から出力されたパルス信号に応じたカウント値と通電相の同期)のための初期駆動制御を行う。この初期駆動制御により、アクチュエータ10の回転を適切に制御できるようになる。
セレクタセンサ6は、車両の運転者がセレクタ5を操作することにより指令したシフトレンジ(以下、「指令レンジ」という。)を検出する。当該指令レンジを表す信号は、MPU80へ出力される。
目標レンジ設定手段は、セレクタセンサ6から出力された指令レンジを表す信号に基づき、目標レンジを設定する。本実施形態では、目標レンジは、セレクタセンサ6の信号、ブレーキの信号、および、車速センサの信号などに基づき設定される。
通常駆動手段は、パルス信号カウント値に基づきステータ21に対するロータ23の回転位置を検出しつつ、モータ20の巻線22の通電相が順次切り替わるようにMOS制御手段に指令することによって、ロータ23を目標回転位置まで回転駆動し、自動変速機3のシフトレンジを目標レンジに切り替える通常駆動制御を行う。これにより、自動変速機3の実レンジが、運転者の意図するシフトレンジに切り替わる。
ここで、本実施形態のエンコーダ12は、インクリメンタル型のエンコーダであるため、モータ20(ロータ23)の相対的な回転位置しか検出することができない。そのため、モータ20を回転させることでシフトレンジを所望のシフトレンジに切り替えるにあたっては、モータ20の絶対位置に対応する基準位置を学習し、ディテントプレート32の可動範囲(回転可能範囲)の限界位置と基準位置とを一致させておく必要がある。モータ20の基準位置を学習した後は、基準位置と所定回転量(制御定数)とに基づき所望のシフトレンジに対応するモータ20の回転位置を演算により求め、当該演算により求めた回転位置となるようモータ20を回転させることで、実レンジを所望のシフトレンジに切り替えることができる。
基準位置学習手段は、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止するまでモータ20を回転させてモータ20の基準位置を学習する基準位置学習制御を行う。本実施形態では、上記可動範囲の限界位置は、PレンジまたはDレンジに対応する位置である。また、基準位置学習手段は、3相の巻線22のうち2相に通電しつつ通電相を順次切り替える「2相通電方式」によってモータ20(ロータ23)が回転するようMOS制御手段に指令する。また、基準位置学習手段は、モータ20の回転が停止して所定の待機時間が経過したときのエンコーダ12からのパルス信号カウント値に基づき、基準位置を学習する。基準位置学習制御を行うとき、ディテントローラ35がPレンジに対応する凹部41の壁部またはDレンジに対応する凹部44の壁部に突き当たるようモータ20を回転させることから、基準位置学習制御を「壁当て学習制御」または「突き当て学習制御」などということがある。以降、基準位置学習が行われるシフトレンジ、すなわち上記限界位置に対応するシフトレンジを「学習レンジ」と記載し、また、学習レンジ以外のシフトレンジ(本実施形態の場合はNレンジ、Rレンジ)を「非学習レンジ」と記載する。
実レンジ検出手段は、基準位置学習制御が行われた後において、基準位置と、所定回転量と、エンコーダ12からのパルス信号カウント値(モータ20の回転位置)とに基づく演算により、実レンジを間接的に検出することができる。本実施形態では、実レンジ検出手段は、ディテントプレート32の各シフトレンジ(P、R、N、D)に対応する凹部41、42、43、44のそれぞれの範囲内にディテントローラ35の中心が位置するときのモータ20の回転位置に基づき、対応する実レンジを検出可能である。
ところで、基準位置学習制御が行われるとき、モータ20の巻線22の各相に流れる電流を電圧に応じたデューティー比で制御する場合、電圧が同じであっても、温度変化や経時変化などによる巻線抵抗の変化によってモータ20の巻線22の各相に流れる電流の値が変化してモータ20のトルクが変化し、基準位置の学習精度が低下するおそれがある。
そこで、基準位置学習手段は、モータ20を回転させるとき、合流箇所P1を流れる電流の電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を電流制限回路75により制限する。これにより、温度変化や経時変化などによる各相の電流値の変化が抑制され、条件にかかわらず基準位置の学習精度が向上する。本実施形態では、上記所定の範囲の下限値の電流が巻線22に流れることによって発生するトルクは、自動変速機3のシフトレンジが非学習レンジから学習レンジまで到達可能なように設定されている。
出力軸センサ8は、アクチュエータ10の減速機13の出力軸14の回転位置に応じた信号を出力する回転位置センサである。MPU80は、出力軸センサ8から出力される信号に基づき、実レンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれであるかを確認することができる。
シフトレンジ判定手段は、シフトバイワイヤシステム1の起動直後、出力軸センサ8から出力される信号に基づき実レンジを判定する。
異常判定手段は、シフトレンジ判定手段により実レンジが非学習レンジであると判定されている間に基準位置学習手段による基準位置の学習が開始されるとき、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達しない場合、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定する。本実施形態では、異常判定手段は、基準位置学習手段による基準位置の学習が開始してから所定時間が経過するまでの間に、出力軸センサ8から出力される信号が学習レンジに対応する信号に変わらない場合、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定する。上記所定時間は、電流制限回路75により合流箇所P1を流れる電流の電流値の平均値が所定の範囲内に制限されるとき、電流値の平均値が上記所定の範囲の下限値であった場合、自動変速機3のシフトレンジが非学習レンジから学習レンジに到達するまでにかかる時間に所定の余裕時間を加えた値に設定されている。当該異常が判定されると、例えば表示装置7の警告灯の表示などによって、シフトバイワイヤシステム1に異常が生じていることが運転者に通知され、また通常駆動手段による通常駆動制御が禁止される。
異常判定手段は、ディテントプレート32が所定時間内に可動範囲の限界位置に到達した場合に電流検出回路74および電流制限回路75が正常であると判定する正常判定手段としても機能する。
次に、MPU80によるモータ20の制御について、図3に基づき説明する。
図3に示す一連の処理S100は、イグニッションスイッチがオン、すなわち、車両電源がオンされ、シフトバイワイヤシステム1が起動すると開始される。
S101では、MPU80は、初期異常診断を行う。具体的には、MPU80は、例えばリレー65などのシフトバイワイヤシステム1の各部に異常が発生していないか否かを診断する。異常が検出された場合、例えば表示装置7の警告灯の表示などによって、シフトバイワイヤシステム1に異常が生じていることが運転者に通知される。S101の後、処理はS102へ移行する。
S102では、MPU80は、初期駆動制御を行う。これにより、アクチュエータ10(モータ20)の回転を適切に制御できるようになる。S102の後、処理はS103へ移行する。
S103では、MPU80は、基準位置学習制御を行う。これにより、ディテントプレート32の可動範囲の限界位置と基準位置とが一致し、以後、モータ20の通常駆動制御が可能な状態となる。なお、MPU80は、S103で基準位置の学習を行うとき、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつモータ20を回転させる。S103の後、処理はS104へ移行する。
S104では、MPU80は、通常駆動制御を開始する。これにより、自動変速機3のシフトレンジが、運転者の意図するシフトレンジに変更される。
イグニッションスイッチがオフされると、処理は一連の処理S100を抜ける。
次に、MPU80による電流検出回路74および電流制限回路75の異常検出に関する処理について、図4のフローチャートに基づき説明する。
図4に示す一連の処理S200は、イグニッションスイッチがオン、すなわち、車両電源がオンされ、シフトバイワイヤシステム1が起動すると開始される。
S201では、MPU80は、出力軸センサ8から出力される信号に基づき、実レンジが非学習レンジであるか否かを判定する。S201の判定が肯定された場合(S201:YES)、処理はS202へ移行する。一方、S201の判定が否定された場合(S201:NO)、処理は一連の処理S200を抜ける。
S202では、MPU80は、基準位置学習制御が開始したか否かが判定される。本実施形態では、シフトバイワイヤシステム1の起動時の実レンジが非学習レンジ(NレンジまたはRレンジ)であったとき、システム起動後に指令レンジが学習レンジ(PレンジまたはDレンジ)に一致した場合に基準位置学習制御が実施される。S202の判定が肯定された場合(S202:YES)、処理はS203へ移行する。一方、S202の判定が否定された場合(S202:NO)、処理はS202を繰り返す。
S203では、MPU80は、異常を判定するまでの時間を計測するためのタイマである異常判定タイマによる時間計測を開始する。S203の後、処理はS204へ移行する。
S204では、MPU80は、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達したか否かを判定する。本実施形態では、出力軸センサ8から出力される信号が学習レンジに対応する信号に変わった場合、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達したと判定され、また、出力軸センサ8から出力される信号が学習レンジに対応する信号に変わらない場合、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達していないと判定される。S204の判定が肯定された場合(S204:YES)、処理は一連の処理S200を抜ける。一方、S204の判定が否定された場合(S204:NO)、処理はS205へ移行する。
S205では、MPU80は、異常判定タイマのタイマ値が所定時間T1以上か否かが判定される。S205の判定が肯定された場合(S205:YES)、処理はS206へ移行する。一方、S205の判定が否定された場合(S205:NO)、処理はS204へ戻る。
S206では、MPU80は、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定し、例えば表示装置7に警告灯を表示させる等によって、シフトバイワイヤシステム1に異常が生じていることを運転者に通知するとともに、通常駆動手段による通常駆動制御を禁止する。S206の後、処理は一連の処理S200を抜ける。
次に、MPU80による電流検出回路74および電流制限回路75の異常検出に関する処理について、図5のタイムチャートに基づき説明する。
図5の時間t0は、シフトバイワイヤシステム1の起動時である。時間t0において、指令レンジおよび実レンジは共にNレンジである。時間t0において図4に示す処理S200が開始されると、その開始直後に図4のS201の判定が肯定される。
図5の時間t1には、指令レンジがPレンジに変更されている。時間t1直後の時間t2には、基準位置学習制御が開始される。基準位置学習制御が開始されると、図4のS202の判定が肯定される。
正常時には、図5中に実線で示すように、時間t2から所定時間T1が経過しないうちに時間t3において実レンジがPレンジに切り替えられる。実レンジがPレンジに切り替えられると、図4のS204の判定が肯定される。
これに対し、電流検出回路74および電流制限回路75の一方、または両方が異常であり、ディテントプレート32を回転させるだけのトルクが発生しない場合、図5中に二点鎖線で示すように、時間t2から所定時間T1が経過しても実レンジがPレンジに切り替わらない。これにより、所定時間T1が経過した時間t4において、図4のS205の判定が肯定され、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定される。
以上説明したように、本実施形態は、ディテントプレート32を回転駆動することによって自動変速機3のシフトレンジを切り替え可能なモータ20を制御するECU60であって、MOS61、62、63、MPU80、MOS駆動回路72、電流検出回路74および電流制限回路75を備えている。
MOS61、62、63は、巻線22の各相に対応するよう設けられ、オン作動することにより対応する巻線22への通電を許容し、オフ作動することにより対応する巻線22への通電を遮断する。MPU80およびMOS駆動回路72は、MOS61、62、63のオンオフ作動を制御することにより、モータ20の駆動を制御する。電流検出回路74は、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流が合流する箇所である合流箇所P1に接続するよう設けられ、合流箇所P1を流れる電流の値である電流値を検出する。電流制限回路75は、電流検出回路74により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限する。
MPU80は、概念的な機能部として基準位置学習手段、シフトレンジ判定手段および異常判定手段を備えている。基準位置学習手段は、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止するまでモータ20を回転させ、モータ20の基準位置を学習する。
シフトレンジ判定手段は、自動変速機3のシフトレンジを判定する。異常判定手段は、自動変速機3のシフトレンジが非学習レンジであるとシフトレンジ判定手段により判定されている間に基準位置学習手段による基準位置の学習が実施されるとき、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達しない場合、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定する。
このように構成することで、モータ20の基準位置を学習するとき、電流検出回路74により検出される電流値に基づき、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流が電流制限回路75により制限されつつ、モータ20が回転駆動されるため、温度変化や経時変化などによる各相の電流値の変化、および、モータ20のトルクの変化が抑制される。そのため、本実施形態によれば、温度変化や経時変化など、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、電流検出回路74および電流制限回路75の一方、または両方が故障することによって、ディテントプレート32を学習レンジに対応する位置に位置させるために必要なトルクを発生させることができない異常が生じていることを、MPU80により検出可能である。これにより、電流検出回路74または電流制限回路75に異常が発生している状態で基準位置の学習が行われるのを回避することができる。したがって、基準位置の学習が正しく行われなかったことによりモータ20が誤作動したり、制御不能になったりするのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、MPU80の異常判定手段は、基準位置学習制御が開始してから所定時間が経過するまでの間にディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達しない場合、電流検出回路74および電流制限回路75の少なくとも一方が異常であると判定する。このように、比較的簡単な処理により電流検出回路74および電流制限回路75の異常検出を行うため、処理に要する時間を短縮することができるとともに、MPU80の処理負荷を抑制することができる。また、異常判定手段は、ディテントプレート32が所定時間内に可動範囲の限界位置に到達したことをもって、電流検出回路74および電流制限回路75が正常であると判定することができる。
また、本実施形態では、MPU80の異常判定手段は、ディテントプレート32の回転位置を検出可能な出力軸センサ8が出力する信号に基づき、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達したか否かを判断する。そのため、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置に到達したか否かの判断を正確に行うことができる。また、車両既存の出力軸センサ8を使用して異常判定が行われるため、システムを簡素で安価に構成することができる。
また、本実施形態では、前記所定の範囲の下限値の電流が巻線22に流れることによって発生するトルクは、自動変速機3のシフトレンジが非学習レンジから学習レンジまで到達可能なように設定されている。そのため、MPU80の異常判定手段による異常判定の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、シフトバイワイヤシステム1は、上述のECU60と、ECU60により制御されるモータ20と、モータ20により回転駆動されることによって自動変速機3のシフトレンジを切り替え可能なディテントプレート32とを備えている。本実施形態では、上述のECU60により、温度変化や経時変化等、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度を向上させることができる。また、電流検出回路74および電流制限回路75の異常を検出することにより、モータ20が誤作動すること、および、モータ20が制御不能になることを回避できる。よって、本実施形態のECU60は、シフトバイワイヤシステム1の制御に用いるのに好適である。
(他の実施形態)
前述の実施形態では、シフトバイワイヤシステムの起動直後、出力軸センサから出力される信号に基づき実レンジを判定する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えば、車両の電源が切れるときの実レンジを、車両の電源が切れても記憶を保持する記憶手段に記憶させ、当該記憶手段の記憶に基づきシフトバイワイヤシステムの起動直後に実レンジを判定することとしてもよい。
また、前述の実施形態では、出力軸センサから出力される信号に基づき、ディテントプレートが可動範囲の限界位置に到達したか否かを判断していた。これに対し、本発明の他の実施形態では、モータの回転を検出するエンコーダの出力信号に基づき、ディテントプレートが可動範囲の限界位置に到達したか否かを判断することとしてもよい。具体的には、例えば、実レンジがNレンジからPレンジまで変化するときのパルス信号カウント値の変化量を予め求めておき、パルス信号カウント値が上記変化量だけ変化したか否かに基づき、ディテントプレートが可動範囲の限界位置に到達したか否かを判断することとしてもよい。この場合であっても、モータ制御に用いられる既存のエンコーダを使用して異常判定が行われるため、システムを簡素で安価に構成することができる。
また、前述の実施形態では、ECUが基準位置学習制御を実施するとき用いる「可動範囲の限界位置」は、Pレンジに対応する位置およびDレンジに対応する位置であった。これに対し、本発明の他の実施形態では、「可動範囲の限界位置」は、他のシフトレンジに対応する位置であってもよいし、1つの位置であってもよい。例えば、ディテントプレートの外縁部の複数の凹部が、回転方向において順に「Pレンジ」、「Rレンジ」、「Nレンジ」、「Dレンジ」に対応して形成される場合、「可動範囲の限界位置」は、「Pレンジ」に対応する位置のみであってもよいし、「Dレンジ」に対応する位置のみであってもよい。
また、前述の実施形態では、基準位置学習制御を行うとき、3相の巻線のうち2相に通電しつつ通電相を順次切り替える「2相通電方式」によりモータを回転させる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、基準位置学習制御を行うとき、例えば、3相の巻線のうち1相に通電する1相通電と2相に通電する2相通電とを交互に切り替える「1−2相通電方式」によりモータを回転させることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、例えば4相以上の巻線を有するモータを制御対象としてもよい。また、制御対象のモータとしては、エンコーダの出力信号(パルス信号)に基づきモータの回転位置を検出し通電相を切り替えるのであれば、スイッチトリラクタンスモータに限らず、他のブラシレスの同期モータであってもよい。
また、上述の実施形態では、モータの相対的な回転位置を検出するエンコーダとして、磁気式のエンコーダを用いる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えば、光学式またはブラシ式のエンコーダを用いることとしてもよい。また、エンコーダは、A相、B相のパルス信号を出力するものに限らず、例えば、A相、B相に加え、補正用(インデックス用)のZ相信号を出力するものを用いてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、制御装置は、電源からモータへの電力の供給を許容または遮断するリレーを備えていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ディテントプレートの凹部は、いくつ形成されていてもよい。すなわち、本発明を適用可能な自動変速機のレンジの数は4つに限らない。
本発明によるシフトバイワイヤシステムは、上述の実施形態と同様に「P」、「R」、「N」、「D」の4ポジションを切り替える無段変速機(CVT)やハイブリッド車の自動変速機の他、「P」または「notP」の2ポジションを切り替える、電気自動車もしくはハイブリッド車のパーキング機構等のレンジ切替に用いることもできる。
また、上述の実施形態では、マニュアルシャフトと一体のディテントプレートに形成された複数の凹部とディテントローラとにより「節度機構」を構成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、複数の凹部とディテントローラとからなる「節度機構」を例えばアクチュエータ内の減速機近傍等に設けることとしてもよい。また、駆動対象の回転位置を所定の位置に保持可能であれば、凹部とディテントローラとからなる「節度機構」に限らず、他の構成による「節度機構」を備えることとしてもよい。
また、本発明の制御装置は、シフトレンジ切替装置に限らず、ブラシレスの同期モータを駆動源とする各種切替装置に適用することができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
20・・・モータ
22・・・巻線
32・・・ディテントプレート(駆動対象)
60・・・ECU(電子制御ユニット、制御装置)
61、62、63・・・MOS(スイッチング手段)
72・・・MOS駆動回路(制御部)
74・・・電流検出回路
75・・・電流制限回路
80・・・MPU(制御部、基準位置学習手段、シフトレンジ判定手段、異常判定手段)

Claims (5)

  1. 複数の相の巻線(22)を有し駆動対象(32)を回転駆動することによって変速機(3)のシフトレンジを切り替え可能なモータ(20)を制御する制御装置(60)であって、
    前記巻線の各相に対応するよう複数設けられ、オン作動することにより対応する前記巻線への通電を許容し、オフ作動することにより対応する前記巻線への通電を遮断するスイッチング手段(61、62、63)と、
    前記スイッチング手段のオンオフ作動を制御することにより、前記モータの駆動を制御する制御部(72、80)と、
    前記巻線および前記スイッチング手段を流れる電流の値である電流値を検出する電流検出回路(74)と、
    前記電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、前記巻線および前記スイッチング手段を流れる電流を制限する電流制限回路(75)と、
    前記巻線および前記スイッチング手段を流れる電流を前記電流制限回路により制限しつつ、前記駆動対象が可動範囲の限界位置で停止するまで前記モータを回転させ、前記モータの基準位置を学習する基準位置学習手段(80)と、
    前記変速機のシフトレンジを判定するシフトレンジ判定手段(80)と、
    全てのシフトレンジのうち、前記モータの基準位置を学習するシフトレンジを除くシフトレンジを非学習レンジとすると、前記変速機のシフトレンジが前記非学習レンジであると前記シフトレンジ判定手段により判定されている間に前記基準位置学習手段による前記基準位置の学習が開始されるとき、前記駆動対象が可動範囲の前記限界位置に到達しない場合、前記電流検出回路および前記電流制限回路の少なくとも一方が異常であると判定する異常判定手段(80)と、
    を備える制御装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記基準位置学習手段による前記基準位置の学習が開始されてから所定時間が経過するまでの間に前記駆動対象が可動範囲の前記限界位置に到達しない場合、前記電流検出回路および前記電流制限回路の少なくとも一方が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記駆動対象の回転位置または前記モータの回転角を検出可能な回転検出手段(8、12)が出力する信号に基づき、前記駆動対象が可動範囲の前記限界位置に到達したか否かを判断することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記所定の範囲の下限値の電流が前記巻線に流れることによって発生するトルクは、前記変速機のシフトレンジが前記非学習レンジから前記限界位置に対応するシフトレンジまで到達可能なように設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置(60)と、
    前記制御装置により制御される前記モータ(20)と、
    前記モータにより回転駆動されることによって前記変速機のシフトレンジを切り替え可能な前記駆動対象(32)と、
    を備えるシフトバイワイヤシステム(1)。
JP2014217031A 2013-12-06 2014-10-24 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム Active JP5958519B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014217031A JP5958519B2 (ja) 2013-12-06 2014-10-24 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
DE102014224705.5A DE102014224705A1 (de) 2013-12-06 2014-12-03 Steuerungsgerät und Shift-By-Wire-System mit demselben
US14/559,144 US9671014B2 (en) 2013-12-06 2014-12-03 Control apparatus and shift-by-wire system having the same
CN201410737449.6A CN104702192B (zh) 2013-12-06 2014-12-05 控制设备和具有该控制设备的线控换档系统

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013253033 2013-12-06
JP2013253033 2013-12-06
JP2014217031A JP5958519B2 (ja) 2013-12-06 2014-10-24 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015129582A true JP2015129582A (ja) 2015-07-16
JP5958519B2 JP5958519B2 (ja) 2016-08-02

Family

ID=53185556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014217031A Active JP5958519B2 (ja) 2013-12-06 2014-10-24 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9671014B2 (ja)
JP (1) JP5958519B2 (ja)
CN (1) CN104702192B (ja)
DE (1) DE102014224705A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017198264A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置
US11187319B2 (en) 2019-12-13 2021-11-30 Hyundai Kefico Corporation Method for learning position of dual clutch transmission gear motor

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5929878B2 (ja) * 2013-12-06 2016-06-08 株式会社デンソー 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
JP7087845B2 (ja) * 2018-09-03 2022-06-21 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置
JP7021045B2 (ja) * 2018-10-10 2022-02-16 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置
JP7211270B2 (ja) * 2019-06-10 2023-01-24 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置
JP7184010B2 (ja) * 2019-10-15 2022-12-06 株式会社デンソー モータ制御装置
JP7310538B2 (ja) * 2019-10-25 2023-07-19 株式会社デンソー シフトレンジ装置
CN111577476B (zh) * 2020-04-26 2022-03-15 东风汽车集团有限公司 一种混合动力发动机齿讯学习方法
CN113746398B (zh) * 2021-09-03 2023-08-04 浙江大学 一种开关磁阻变档电机

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5696679A (en) * 1995-06-09 1997-12-09 Ford Global Technologies, Inc. Integrated electronic control of pawl-gear park function of an automatic transmission
JPH10309095A (ja) * 1997-05-01 1998-11-17 Meidensha Corp スイッチドリラクタンスモータの駆動回路
JP2001268961A (ja) * 2000-03-16 2001-09-28 Daikin Ind Ltd スイッチトリラクタンスモータ制御方法およびその装置
JP2008064239A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Toyota Motor Corp シフト切換機構の制御装置
US20110126657A1 (en) * 2009-11-27 2011-06-02 Stoneridge Control Devices, Inc. Shift-By-Wire Transmission Range Selector System and Actuator for the Same
JP2013011290A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Denso Corp シフトバイワイヤシステム

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002238293A (ja) * 2001-02-14 2002-08-23 Mitsubishi Electric Corp モータ制御装置
JP4248290B2 (ja) 2003-04-04 2009-04-02 株式会社デンソー シフト制御システムおよびシフト制御方法
KR100729251B1 (ko) 2003-04-04 2007-06-15 도요다 지도샤 가부시끼가이샤 시프트 제어 시스템, 시프트 제어 방법 및 시프트 스위칭디바이스
WO2004095684A1 (ja) * 2003-04-22 2004-11-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. モータ制御装置、圧縮機、空気調和機、及び冷蔵庫
JP4007345B2 (ja) * 2004-06-29 2007-11-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電動駆動制御装置、電動駆動制御方法及びプログラム
JP5034375B2 (ja) * 2006-08-25 2012-09-26 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP4883313B2 (ja) * 2007-11-28 2012-02-22 トヨタ自動車株式会社 電源制御装置
JP5200628B2 (ja) * 2008-03-31 2013-06-05 株式会社ジェイテクト モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2010057228A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Hitachi Ltd モータ制御装置
JP2010065660A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Denso Corp 車両用始動制御システム
US8288979B2 (en) * 2009-01-16 2012-10-16 International Business Machines Corporation Motor control mechanism for electric vehicles
US8994307B2 (en) * 2009-01-16 2015-03-31 International Business Machines Corporation Selectively lowering resistance of a constantly used portion of motor windings in an electric motor
JP5212464B2 (ja) * 2009-03-25 2013-06-19 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2012189376A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Jtekt Corp 回転角検出装置およびトルク検出装置
JP5397443B2 (ja) * 2011-09-28 2014-01-22 株式会社デンソー 位置検出装置、回転式アクチュエータ、および、それを用いたシフトバイワイヤシステム
JP5533907B2 (ja) * 2012-02-07 2014-06-25 株式会社デンソー モータ制御装置
DE102014224704A1 (de) * 2013-12-06 2015-06-11 Denso Corporation Steuerungsgerät und Shift-By-Wire-System mit demselben
JP5831766B2 (ja) * 2013-12-06 2015-12-09 株式会社デンソー 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5696679A (en) * 1995-06-09 1997-12-09 Ford Global Technologies, Inc. Integrated electronic control of pawl-gear park function of an automatic transmission
JPH10309095A (ja) * 1997-05-01 1998-11-17 Meidensha Corp スイッチドリラクタンスモータの駆動回路
JP2001268961A (ja) * 2000-03-16 2001-09-28 Daikin Ind Ltd スイッチトリラクタンスモータ制御方法およびその装置
JP2008064239A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Toyota Motor Corp シフト切換機構の制御装置
US20110126657A1 (en) * 2009-11-27 2011-06-02 Stoneridge Control Devices, Inc. Shift-By-Wire Transmission Range Selector System and Actuator for the Same
JP2013011290A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Denso Corp シフトバイワイヤシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017198264A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置
US11187319B2 (en) 2019-12-13 2021-11-30 Hyundai Kefico Corporation Method for learning position of dual clutch transmission gear motor

Also Published As

Publication number Publication date
CN104702192A (zh) 2015-06-10
US20150160631A1 (en) 2015-06-11
JP5958519B2 (ja) 2016-08-02
DE102014224705A1 (de) 2015-06-11
CN104702192B (zh) 2019-06-14
US9671014B2 (en) 2017-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5958519B2 (ja) 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
JP5831766B2 (ja) 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
JP6565783B2 (ja) シフトレンジ制御装置
JP5929878B2 (ja) 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
US9442468B2 (en) Control apparatus and shift-by-wire system having the same
US9122252B2 (en) Motor control apparatus
JP6536465B2 (ja) シフトレンジ制御装置
JP2019071726A (ja) シフトレンジ制御装置
JP2008061453A (ja) 車載用モータ制御装置
US8421396B2 (en) Motor controlling device
JP6323304B2 (ja) レンジ切換制御装置
JP2019088075A (ja) シフトレンジ制御装置
JP2004190839A (ja) 位置切換制御装置
US10378648B2 (en) Shift range control apparatus
JP5862648B2 (ja) 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
JP2004129451A (ja) モータ制御装置
JP2017161455A (ja) 制御装置
JP2017077038A (ja) モータ制御装置
WO2021149657A1 (ja) モータ制御装置
JP5862649B2 (ja) 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム
JP3888278B2 (ja) モータ制御装置
JP4748611B2 (ja) 位置切換制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160606

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5958519

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250