JP2010065660A - 車両用始動制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動性を確保する車両用始動制御システムの提供。
【解決手段】車両用始動制御システム2のシフトECU34に設けられるラッチ部342は、車両のエンジン4をクランキングして始動するスタータモータ48への電源電圧Vbの供給を許否するための始動許否信号Soの電圧レベルを、制御信号S1,S2から生成されるリセット信号Sr及びセット信号Ssを入力とすることで、ラッチするRSフリップフロップ3422と、エンジン4の始動に伴う始動処理期間Tsにおいてメイン制御部340の初期化電圧Vi以下の電源電圧Vbが予測される場合に、リセット信号Srの電圧レベルを固定することにより始動許否信号Soの電圧レベルをRSフリップフロップ3422に強制的にラッチさせる電圧固定回路3420と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両においてエンジンの始動を自動変速機のシフトレンジに応じて制御する車両用始動制御システムに関する。
一般に、自動変速機を搭載した車両においては、クランキングによるエンジンの始動を当該搭載変速機のシフトレンジに応じて許否する始動制御システムが、採用されている。例えば特許文献1の車両用始動制御システムでは、シフトレンジが非走行レンジである場合にインヒビタスイッチを閉成することで、エンジンをクランキングするスタータモータへの電源電圧供給を許容するようになっている。一方、シフトレンジが走行レンジである場合には、インヒビタスイッチを開成してスタータモータへの電源電圧供給を禁止することで、エンジン始動直後における車両の急発進を未然に防止して安全性を高めるようになっている。
ところで、特許文献1のように車両用始動制御システムに用いられてきたインヒビタスイッチは、従来、機械接点式スイッチが一般的であった。これに対して近年、電気的なスイッチング回路を用いることにより、センサから入力のシフトレンジに応じてスタータモータへの電源電圧供給を許否するようにした車両用始動制御システムが開発され、例えば特許文献2等に提案されている。
ここで特許文献2のシステムでは、エンジン始動の許否をシフトレンジ等に基づき判定するCPUが設けられ、その判定結果に応じて電圧レベルの高低する信号がCPUからスイッチング回路側へ出力されることで、スタータモータへの電源電圧供給が許否されるようになっている。また特に特許文献2のシステムでは、非走行レンジにおけるエンジンのクランキングに伴って電源電圧が低下することにより、当該電源電圧の供給を受けるCPUの出力信号が初期化されてスタータモータへの電源電圧供給が停止する事態を避けるため、CPUの出力側にラッチ回路が設けられている。即ち、エンジン始動中の電源電圧低下に起因してCPUからラッチ回路への出力信号が初期化されても、ラッチ回路からスイッチング回路側への出力信号がラッチされることで、スタータモータへの電源電圧供給の継続が可能となっている。尚、一般に電源電圧は、ある程度低下したところで、オルタネータ等からの充電作用によって回復することとなる。
特開2002−118959号公報 特開2007−2812号公報
しかし、特許文献2のシステムにおいて電源電圧の低下及び回復が繰返されるような場合、CPUからの出力信号の電圧レベルが不安定となる。その結果、CPUの出力側のラッチ回路が単なるリセットセットフリップフロップ(以下、「RSフリップフロップ」という)からなる特許文献2のシステムでは、当該RSフリップフロップから出力される信号の電圧レベルも不安定となり、スタータモータへの電源電圧供給、ひいてはエンジン始動が困難となるおそれがあった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン始動性を確保する車両用始動制御システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、車両の自動変速機のシフトレンジを検出するレンジセンサと、供給される電源電圧が初期化電圧以下となるときに、出力する制御信号を初期化し、電源電圧が初期化電圧を超えるときに、レンジセンサによる検出レンジに応じて制御信号の電圧レベルを高低させる制御手段と、車両のエンジンをクランキングして始動するスタータモータへの電源電圧の供給を許否するための始動許否信号を出力し、当該始動許否信号の電圧レベルを制御信号に応じてラッチするラッチ手段と、エンジンの始動に伴う始動処理期間において、スタータモータへの電源電圧の供給を始動許否信号に応じて許否する始動許否手段と、を備え、ラッチ手段は、制御信号から生成されるリセット信号及びセット信号を入力とすることにより、始動許否信号の電圧レベルをラッチするRSフリップフロップと、始動処理期間において初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合に、リセット信号の電圧レベルを固定することにより始動許否信号の電圧レベルをRSフリップフロップに強制的にラッチさせる電圧固定回路と、を有することを特徴とする。
この発明によると、エンジンの始動に伴う始動処理期間において制御手段の初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合には、当該制御手段から出力の制御信号から生成されるリセット信号の電圧レベルが電圧固定回路によって固定される。その結果、電源電圧が初期化電圧以下のときのRSフリップフロップは、初期化された制御信号から生成されるセット信号の入力にも拘らず、電圧レベルの固定されたリセット信号の入力により、始動許否手段へ出力する始動許否信号の電圧レベルを強制的にラッチする。故に、スタータモータへの電源電圧供給が必要な検出レンジにおいては、電源電圧の低下及び回復が繰返されることになっても、始動許否信号の電圧レベルが始動許否手段による電源電圧供給の許容レベルにラッチされることで、エンジンの始動性が確保されることになるのである。
請求項2に記載の発明によると、初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合とは、電源電圧が初期化電圧よりも大きな閾電圧以下となる場合である。この発明によれば、電源電圧が閾電圧よりも小さな初期化電圧以下まで低下したときには、確実にリセット信号の電圧レベルが固定されて始動許否信号の電圧レベルのラッチが強制的に実現されることになる。したがって、エンジン始動性の確保効果を適確に発揮することができる。。
請求項3に記載の発明によると、初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合とは、始動処理期間の全域である。この発明によれば、始動処理期間中に電源電圧が初期化電圧以下まで低下したときには、確実にリセット信号の電圧レベルが固定されて始動許否信号の電圧レベルのラッチが強制的に実現されることになる。したがって、エンジン始動性の確保効果を適確に発揮することができる。
請求項4に記載の発明によると、制御手段は、電源電圧が初期化電圧を超えるときに、上記制御信号としての第一制御信号及び第二制御信号の電圧レベルを、検出レンジに応じて互いに逆に高低させ、電源電圧が初期化電圧以下となるときに、それら第一制御信号及び第二制御信号を初期化し、RSフリップフロップは、第一制御信号から生成されて、初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合には電圧固定回路により電圧レベルが固定されるリセット信号と、第二制御信号から生成されるセット信号とを入力として、始動許否信号の電圧レベルをラッチする。
この発明によれば、RSフリップフロップへ入力のリセット信号及びセット信号を生成する第一制御信号及び第二制御信号は、電源電圧が初期化電圧を超えるとき電圧レベルが検出レンジに応じて互いに逆に高低するが、電源電圧が初期化電圧以下になると初期化される。しかし、初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合においては、一方の第一制御信号が電圧レベルの固定状態でRSフリップフロップへと入力されることにより、強制的にラッチされた始動許否信号がRSフリップフロップから始動許否手段へ出力される。したがって、スタータモータへの電源電圧供給が必要な検出レンジにおいては、電源電圧の低下及び回復の繰返しにも拘らず電源電圧供給の許容レベルにラッチされた始動許否信号が始動許否手段へ出力されることで、エンジンの始動性が確保されることになるのである。
請求項5に記載の発明によると、電圧固定回路は、初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合において電圧レベルが低レベルとなる予測信号と、第一制御信号とを入力として、電圧レベルに関する否定論理積演算によりリセット信号を生成する第一ゲートを有し、RSフリップフロップは、当該電圧固定回路により生成されたリセット信号と、第二制御信号の電圧レベルの反転により生成されるセット信号とが入力される一対の第二ゲートをたすき掛けしてなり、それら第二ゲートの電圧レベルに関する否定論理積演算により始動許否信号を生成する。
この発明によれば、電圧固定回路の第一ゲートは、初期化電圧以下の電源電圧が予測される場合において電圧レベルが低レベルとなる予測信号と、第一制御信号との電圧レベルに関する否定論理積演算により、生成するリセット信号の電圧レベルを高レベルに固定する。したがって、たすき掛けによりRSフリップフロップをなす一対の第二ゲートは、高レベルに固定されたリセット信号と、第二制御信号の電圧レベルを反転させたセット信号との電圧レベルに関する否定論理積演算により、始動許否信号を生成することとなる。このとき、生成される始動許否信号の電圧レベルは、初期化電圧以下の電源電圧が予測される直前の検出レンジに応じたレベルに強制的にラッチされることになるので、スタータモータへの電源電圧供給が必要な検出レンジにおいては、電源電圧の低下及び回復の繰返しに拘らずエンジン始動性の確保が可能となる。
請求項6に記載の発明によると、電圧固定回路をなす第一ゲートは、初期化電圧以下の電源電圧が予測されない場合において電圧レベルが高レベルとなる予測信号と、第一制御信号とを入力として、電圧レベルに関する否定論理積演算によりリセット信号を生成する。
この発明によれば、電圧固定回路の第一ゲートは、初期化電圧以下の電源電圧が予測されない場合において電圧レベルが高レベルとなる予測信号と、第一制御信号との電圧レベルに関する否定論理積演算により、生成するリセット信号の電圧レベルを当該第一制御信号の電圧レベルに対して反転させる。したがって、たすき掛けによりRSフリップフロップをなす一対の第二ゲートは、第一制御信号の電圧レベルを反転させたリセット信号と、第二制御信号の電圧レベルを反転させたセット信号との電圧レベルに関する否定論理積演算により、始動許否信号を生成することとなる。このとき、検出レンジに応じて高低する第一制御信号及び第二制御信号の電圧レベルは制御手段により互いに逆とされるので、リセット信号及びセット信号の電圧レベルも互いに逆となり、生成される始動許否信号が当該検出レンジに応じたラッチ状態となる。以上より、ラッチされた始動許否信号の電圧レベルに対応する検出レンジに応じて、始動許否手段がスタータモータへの電源電圧の供給を許否し得るので、エンジン始動の許否を正確に行って車両の安全性を高めることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の第一実施形態による車両用始動制御システム2の概略構成を示している。車両用始動制御システム2は、自動変速機3及び内燃式のエンジン4と共に車両に搭載されている。
(基本的構成)
まず、車両用始動制御システム2の基本的構成について説明する。車両用始動制御システム2は、自動変速機制御装置10、レンジセレクタ20、シフト制御装置30及び始動制御装置40等から構成されている。
自動変速機制御装置10は、自動変速機3を駆動する油圧回路12を備えている。油圧回路12のマニュアル弁14は、直線運動するスプールを備えたスプール弁からなり、当該スプールの移動位置に応じた出力油圧によって自動変速機3のシフトレンジを切換える。ここで自動変速機3には、エンジン4の回転出力を車両の駆動輪側へ伝達しない非走行レンジとして、ニュートラル(N)レンジ及びパーキング(P)レンジの二種類のシフトレンジが用意されている。また、自動変速機3には、エンジン4の回転出力を車両の駆動輪側へ伝達する走行レンジとして、ドライブ(D)レンジ及びリバース(R)レンジの二種類のシフトレンジが用意されている。
レンジセレクタ20は車両の運転席近傍に設置されており、シフトレバー22及びシフトセンサ24を備えている。シフトレバー22には、P,R,N,Dレンジのうちいずれを選択可能な四つの操作位置が設定されている。シフトセンサ24はシフトレバー22の現在の操作位置を検出して、当該現在位置を表す出力信号を生成する。
シフト制御装置30は、シフトアクチュエータ32、変換機構33、シフト電子制御ユニット(以下、「シフトECU」という)34及びレンジセンサ36を備えている。
シフトアクチュエータ32は、例えば電動モータ及び減速機構等から構成される電動アクチュエータであり、通電によって回転軸32aに回転出力を発生する。変換機構33は、シフトアクチュエータ32の発生した回転出力をマニュアル弁14のスプールの直線運動へ変換する。これにより自動変速機3のシフトレンジは、シフトアクチュエータ32の回転軸32aの回転位置に応じて切換わるようになっている。そこで、本実施形態のシフトアクチュエータ32には、回転軸32aの回転位置に対応した自動変速機3の現在のシフトレンジを検出するように、レンジセンサ36が付設されているのである。尚、ここでレンジセンサ36は、例えばロータリエンコーダ等であり、シフトレンジのうち検出レンジRdを表す出力信号を生成する。
シフトECU34は、マイクロコンピュータを主体として構成された電子制御ユニットであり、車両のバッテリ電源5と電気接続されて当該電源5から電源電圧Vbの供給を受ける。シフトECU34はさらに、シフトアクチュエータ32、レンジセンサ36及びシフトセンサ24にも電気接続されており、レンジセンサ36及びシフトセンサ24の出力信号に基づきシフトアクチュエータ32を通電する。この通電によってシフトECU34は、自動変速機3のシフトレンジの切換えを制御するのである。
ここで具体的には、Pレンジの選択位置を表す信号がシフトセンサ24から出力されたときにシフトECU34は、レンジセンサ36の出力信号が表す検出レンジがPレンジとなるように、シフトアクチュエータ32を制御する。また同様に、R,N,Dレンジのいすれかの選択位置を表す信号がシフトセンサ24から出力されたときの各々においてシフトECU34は、検出レンジが当該いずれかの選択位置に対応するレンジとなるように、シフトアクチュエータ32を制御する。以上、本実施形態のシフトレンジの切換え制御は、シフトバイワイヤ方式によって実現されるようになっている。
「始動許否手段」としての始動制御装置40は、インヒビタリレー42、始動電子制御ユニット(以下、「始動ECU」という)44、スタータリレー46及びスタータモータ48を備えている。
インヒビタリレー42は、リレーコイル420及び接点422を有する非接触式リレーである。インヒビタリレー42は、リレーコイル420の励磁により接点422を閉成する一方、リレーコイル420の消磁により接点422を開成する。インヒビタリレー42のリレーコイル420はシフトECU34と電気接続されており、当該回路34によってリレーコイル420の励消磁が制御されるようになっている。
始動ECU44は、マイクロコンピュータを主体として構成された電子制御ユニットであり、バッテリ電源5と電気接続されて当該電源5から電源電圧Vbの供給を受けるようになっている。始動ECU44はさらに、インヒビタリレー42の接点422にも電気接続されており、所定の始動処理期間Ts(図2(a)参照)において電源電圧Vbを当該接点422へ供給する。ここで始動処理期間Tsは、イグニッションスイッチのオン指令等といった始動指令に応答して設定される期間であり、インヒビタリレー42の接点422の閉成によりエンジン4をクランキングして完爆させるのに必要な長さに設定される。このように始動処理期間Tsは、エンジン4の始動に伴う期間である。
スタータリレー46は、リレーコイル460及び接点462を有する非接触式リレーである。スタータリレー46は、リレーコイル460の励磁により接点462を閉成する一方、リレーコイル460の消磁により接点462を開成する。スタータリレー46のリレーコイル460は、インヒビタリレー42の接点422と電気接続されており、当該接点422の閉成時及び開成時にそれぞれ励磁及び消磁するようになっている。スタータリレー46の接点462は、バッテリ電源5と電気接続されて当該電源5から電源電圧Vbの供給を受けるようになっている。
スタータモータ48は例えば直流直巻式のセルモータであり、スタータリレー46の接点462と電気接続されている。スタータモータ48はさらに、エンジン4のクランク軸(図示しない)に機械接続されている。スタータモータ48は、スタータリレー46の接点462の閉成時に電源電圧Vbの供給をバッテリ電源5から受けて駆動されることにより、エンジン4をクランキングする。一方、スタータモータ48は、スタータリレー46の接点462の開成時には電源電圧Vbの供給を受けず、停止するようになっている。
以上の始動制御装置40では、始動処理期間TsにおいてシフトECU34の制御によりリレーコイル420が励磁してインヒビタリレー42が接点422の閉成状態となると、リレーコイル460も励磁してスタータリレー46の接点462も閉成状態となる。その結果、スタータモータ48への電源電圧Vbの供給が許容されて、エンジン4の始動も許容されることになる。一方、始動処理期間TsにおいてシフトECU34の制御によりリレーコイル420が消磁してインヒビタリレー42が接点422の開成状態となると、リレーコイル460も消磁してスタータリレー46の接点462も開成状態となる。その結果、スタータモータ48への電源電圧Vbの供給が禁止されて、エンジン4の始動も禁止されることになるのである。
(特徴的構成)
次に、車両用始動制御システム2の特徴的構成について説明する。図3に示すようにシフトECU34は、メイン制御部340、ラッチ部342、並びにスイッチング素子344を有している。
「制御手段」としてのメイン制御部340はマイクロコンピュータからなり、バッテリ電源5と電気接続されて当該電源5から電源電圧Vbの供給を受けるようになっている。図4に示すようにメイン制御部340には、正常動作が保証される供給電圧としての正常動作電圧Vn、並びに当該電圧Vnよりも低いことにより初期化がなされる供給電圧としての初期化電圧Viが、設定されている。シフト制御装置30の要素32,36,24にも図3の如く電気接続されるメイン制御部340は、レンジセンサ36の検出レンジRdに基づきシフトレンジを切換え制御する機能に加え、電源電圧Vb及び検出レンジRdに応じた制御信号S1,S2を出力する機能を発揮する。
ここで具体的には、電源電圧Vbが初期化電圧Vi以下となるときにメイン制御部340は、検出レンジRdに拘らず、制御信号S1,S2を出力する出力端子3401,3402をいずれもハイインピーダンス状態として、それらの信号S1,S2を初期化する。一方、電源電圧Vbが初期化電圧Viを超えるときにメイン制御部340は、検出レンジRdがPレンジ又はNレンジの場合には、第一制御信号S1の電圧レベルを論理低レベル(以下、「Lレベル」という)に設定すると共に、第二制御信号S2の電圧レベルを論理高レベル(以下、「Hレベル」という)に設定する。また一方、電源電圧Vbが初期化電圧Viを超えるときであっても、検出レンジRdがDレンジ又はRレンジである場合にメイン制御部340は、第一制御信号S1の電圧レベルをHレベルに設定すると共に、第二制御信号S2の電圧レベルをLレベルに設定する。
さらに、図4に示すように本実施形態のメイン制御部340には、初期化電圧Viよりも大きく且つ正常動作電圧Vnよりも小さい供給電圧としての閾電圧Vthが、設定されている。メイン制御部340は、電源電圧Vbと閾電圧Vthとの大小関係に応じて電圧レベルが変化するRAM書込み禁止信号等を、予測信号Spとして出力端子3403から出力する。具体的にメイン制御部340は、閾電圧Vth以下の電源電圧Vbを検出するときには、初期化電圧Vi以下の電源電圧Vbが予測される低電圧予測時期Tpであるとして、Lレベルの予測信号Spを出力端子3403から出力する。また、メイン制御部340は、閾電圧Vth以下の電源電圧Vbを検出しないときには、初期化電圧Vi以下の電源電圧Vbが予測されない低電圧予測時期Tp外であるとして、Hレベルの予測信号Spを出力端子3403から出力する。
図5に示すように「ラッチ手段」としてのラッチ部342は、電圧固定回路3420、電圧反転回路3421及びRSフリップフロップ3422を組み合わせてなる。
電圧固定回路3420は、NANDゲートである第一ゲート3420aを主体に構成されている。第一ゲート3420aの入力側は、第一制御信号S1の出力端子3401及び予測信号Spの出力端子3403と電気接続されている。また、第一ゲート3420aと出力端子3401との間の接続経路3420bは、プルダウン抵抗3420cを介して接地されている。これにより、出力端子3401がハイインピーダンス状態となるときには、初期化された第一制御信号S1としてのLレベルの信号が第一ゲート3420aへ入力されるようになっている。
こうした電気的構成の電圧固定回路3420は、メイン制御部340から入力される第一制御信号S1及び予測信号Spの電圧レベルに応じて第一ゲート3420aにより否定論理積演算を行うことで、当該ゲート3420aから出力するリセット信号Srの電圧レベルを高低させる。具体的には、図6(c),(d)に示すように、Lレベルの予測信号Spが入力される状態において電圧固定回路3420は、第一制御信号S1の電圧レベルに拘らず、リセット信号SrをHレベルに固定して出力する。一方、図6(a)に示すように、Hレベルの予測信号Spが入力される状態においてLレベルの第一制御信号S1が入力されるときに電圧固定回路3420は、当該信号S1を電圧反転させたHレベルのリセット信号Srを出力する。また一方、図6(b)に示すように、Hレベルの予測信号Spが入力される状態であってもHレベルの第一制御信号S1が入力されるときに電圧固定回路3420は、当該信号S1を電圧反転させたLレベルのリセット信号Srを出力する。
図5に示すように電圧反転回路3421は、インバータ3421aを主体に構成されている。インバータ3421aの入力側は、第二制御信号S2の出力端子3402と電気接続されている。また、インバータ3421aと出力端子3402との間の接続経路3421bは、プルダウン抵抗3421cを介して接地されている。これにより、出力端子3402がハイインピーダンス状態となるときには、初期化された第二制御信号S2としてのLレベルの信号がインバータ3421aへ入力されることになる。
こうした電気的構成の電圧反転回路3421は、メイン制御部340から入力される第二制御信号S2の電圧レベルをインバータ3421aにより反転させることで、当該インバータ3421aから出力するセット信号Ssの電圧レベルを高低させる。即ち、図6(a),(c)に示すように、Hレベルの第二制御信号S2が入力されるときに電圧反転回路3421は、電圧反転させたLレベルのセット信号Ssを出力する。一方、図6(b),(d)に示すように、Lレベルの第二制御信号S2が入力されるときに電圧反転回路3421は、電圧反転させたHレベルのセット信号Ssを出力する。
図5に示すようにRSフリップフロップ3422は、NANDゲートである一対の第二ゲート3422a,3422bをたすき掛け状に電気接続してなる。RSフリップフロップ3422のリセット入力端子となる第二ゲート3422aの入力側は、電圧固定回路3420の第一ゲート3420aの出力側に電気接続されている。また、RSフリップフロップ3422のセット入力端子となる第二ゲート3422bの入力側は、電圧反転回路3421のインバータ3421aの出力側に電気接続されている。さらに、RSフリップフロップ3422の出力端子となる第二ゲート3422aの出力側は、スイッチング素子344に電気接続されている。
こうした電気的構成のRSフリップフロップ3422は、電圧固定回路3420及び電圧反転回路3421から入力されるリセット信号Sr及びセット信号Ssの電圧レベルに応じて各第二ゲート3422a,3422bにより否定論理積演算を行うことで、出力する始動許否信号Soの電圧レベルを高低させる。具体的には、図6(a),(c)に示すように、Hレベルのリセット信号Sr及びLレベルのセット信号Ssが入力されるときにRSフリップフロップ3422は、始動許否信号Soを直前の電圧レベルに拘らずLレベルにラッチして出力する。一方、図6(b)に示すように、Lレベルのリセット信号Sr及びHレベルのセット信号Ssが入力されるときにRSフリップフロップ3422は、始動許否信号Soを直前の電圧レベルに拘らずHレベルにラッチして出力する。また一方、図6(d)に示すように、Hレベルのリセット信号Sr及びHレベルのセット信号Ssが入力されるときにRSフリップフロップ3422は、始動許否信号Soを直前の電圧レベルにラッチして出力する。
図3に示すようにスイッチング素子344は、本実施形態ではPNP構造のバイポーラトランジスタであり、そのベースに電気接続されるラッチ部342のRSフリップフロップ3422(図5参照)から始動許否信Soが入力されるようになっている。スイッチング素子344のエミッタはバッテリ電源5と電気接続されており、当該電源5から電源電圧Vbの供給を受けるようになっている。スイッチング素子344のコレクタは、インヒビタリレー42において一端420aが接地されるリレーコイル420の反対側端(以下、「反接地端」という)420bと電気接続されており、その接続経路344aが素子344及びコイル420間にて接地されている。
こうした電気接続形態のスイッチング素子344は、ラッチ部342から入力される始動許否信号Soの電圧レベルに応じてオンオフすることで、リレーコイル420の励消磁を制御する。具体的にスイッチング素子344は、Lレベルの始動許否信号Soの入力によりオンすることで、リレーコイル420の反接地端420bへ電源電圧Vbを供給して、当該コイル420を励磁させる。一方、Hレベルの始動許否信号Soの入力によりスイッチング素子344はオフすることで、リレーコイル420の反接地端420bをオープン状態にして、当該コイル420を消磁させる。
(特徴的作動)
次に、車両用始動制御システム2の特徴的作動について説明する。エンジン4の始動指令が与えられると(図2のt0)、図2(a)の如く正常動作電圧Vn以上の電源電圧Vbの供給がバッテリ電源5により開始される。すると、まず、始動処理期間Tsの開始に先立って、メイン制御部340の初期化処理が実施される。そして、初期化処理が完了すると(図2のt1)、所定時間を経て始動処理期間Tsが開始されることになる(図2のt2)。
このとき、レンジセンサ36の検出レンジRdがPレンジ又はNレンジである場合には、図2(c),(d)に示すLレベルの第一制御信号S1及びHレベルの第二制御信号S2がそれぞれ、メイン制御部340から電圧固定回路3420及び電圧反転回路3421へ入力される。またこのときには、図2(a)の如く電源電圧Vbが閾電圧Vthよりも大きな正常動作電圧Vn以上となっていることにより、図2(b)に示すHレベルの予測信号Spがメイン制御部340から電圧固定回路3420へ入力される。このような信号入力により図4(a)に従うことになるラッチ部342では、図2(e),(f)に示すHレベルのリセット信号Sr及びLレベルのセット信号Ssがそれぞれ、電圧固定回路3420及び電圧反転回路3421からRSフリップフロップ3422へ入力される。その結果、図2(g)の如くLレベルにラッチされた始動許否信号Soがラッチ部342からスイッチング素子344へ入力されるので、当該素子344のオンによりリレーコイル420が図2(h)の如く励磁して、インヒビタリレー42の接点422及びスタータリレー46の接点462が順次閉成する。これにより、電源電圧Vbがスタータモータ48へと供給されて、エンジン4のクランキングが開始されることになる。
こうしてクランキングの開始された始動処理期間Tsにおいては、当該クランキングに起因して図2(a)の如く電源電圧Vbの低下を招く事態が、考えられる。この場合、電源電圧Vbが閾電圧Vth以下に低下すると(図2のt3〜t6)、低電圧予測時期Tpが設定されて、メイン制御部340から電圧固定回路3420へ入力される予測信号Spの電圧レベルが、図2(b)の如くHレベルからLレベルへと切換わる。
その結果、電源電圧Vbが初期化電圧Viよりも大きい範囲で閾電圧Vth以下となった場合(図2のt3〜t4,t5〜t6)には、電源電圧Vbの低下前と同様、図2(c),(d)に示すLレベルの第一制御信号S1及びHレベルの第二制御信号S2が電圧固定回路3420及び電圧反転回路3421へ入力される。これにより、図4(c)に従うことになるラッチ部342では、図2(e),(f)に示すHレベルのリセット信号Sr及びLレベルのセット信号SsがRSフリップフロップ3422へ入力されることになるので、始動許否信号SoはLレベルにラッチされる。
また、電源電圧Vbが閾電圧Vthよりも小さな初期化電圧Vi以下まで低下した場合(図2のt4〜t5)には、回路3420,3421へ入力される制御信号S1,S2が共に、初期化によって図2(c),(d)の如きLレベルとなる。これにより、図4(d)に従うことになるラッチ部342では、図2(e),(f)に示すHレベルの信号Sr,SsがRSフリップフロップ3422へ入力されることになるので、始動許否信号Soは、電源電圧Vbが初期化電圧Viに達する直前のLレベルにラッチされる。
このような低電圧予測時期Tpにおいて、電圧固定回路3420はいずれの場合もLレベルの予測信号Spの入力を受けてリセット信号SrをHレベルに固定するので、始動許否信号SoのLレベルへのラッチ状態を強制的に継続させることができる。故に、低電圧予測時期Tpにおいては、Lレベルに強制ラッチされた始動許否信号Soがスイッチング素子344へ入力されることで、図2(h)の如くリレーコイル420が励磁状態に保たれることになる。したがって、スタータモータ48への電源電圧Vbの供給を継続させて、エンジン4の始動性を確保することができるのである。
さらに始動処理期間Ts中は、電源電圧Vbの回復により低電圧予測時期Tpが一旦終了した(図2のt6)後、電源電圧Vbの再低下によって低電圧予測時期Tpが繰返されたとしても(図2のt7〜t8,t9〜t10,t11〜t12)、その繰返し毎にリセット信号SrがHレベルに固定されることになる。したがって、電源電圧Vbの低下及び回復の繰返しにも拘らず、始動許否信号SoをLレベルに強制ラッチして、エンジン始動性を確実に且つ安定的に確保することができるのである。
以上に対し、始動処理期間Tsの開始時にレンジセンサ36の検出レンジRdがDレンジ又はRレンジである場合には、Hレベルの第一制御信号S1及びLレベルの第二制御信号S2がそれぞれ、メイン制御部340から電圧固定回路3420及び電圧反転回路3421へ入力される。またこのときには、電源電圧Vbが閾電圧Vthよりも大きな正常動作電圧Vn以上となっていることにより、Hレベルの予測信号Spがメイン制御部340から電圧固定回路3420へ入力される。このような信号入力により図4(b)に従うことになるラッチ部342では、Lレベルのリセット信号Sr及びHレベルのセット信号Ssがそれぞれ、電圧固定回路3420及び電圧反転回路3421からRSフリップフロップ3422へ入力される。その結果、Hレベルにラッチされた始動許否信号Soがラッチ部342からスイッチング素子344へ入力されるので、当該素子344のオフによりリレーコイル420が消磁されて、インヒビタリレー42の接点422及びスタータリレー46の接点462が開成状態に留められる。これにより、始動処理期間Ts中はスタータモータ48への電源電圧Vbの供給、ひいてはエンジン4の始動が禁止されることになるので、当該期間Tsの終了後における車両の急発進を未然に防止して、安全性を高めることができるのである。
ここまで説明したように第一実施形態によれば、エンジン4の始動性と共に車両の安全性を確保する車両用始動制御システム2を、提供することができる。
(第二実施形態)
図7に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、「制御手段」としてのメイン制御部540から、「ラッチ手段」としてのラッチ部542の電圧固定回路5420へ予測信号Spが出力される代わりに、始動ECU54から電圧固定回路5420へスタータ駆動信号Sdが出力されるようになっている。ここでスタータ駆動信号Sdは、始動処理期間Tsにおいて始動ECU54が当該期間Tsの全域を低電圧予測時期Tp(図8参照)に設定するのに伴い、電圧レベルがHレベルとされる信号である。尚、スタータ駆動信号Sdは、始動処理期間Tsの開始前においては、電圧レベルがLレベル(図8参照)に設定されるようになっている。
こうしたスタータ駆動信号Sdを受ける第二実施形態の電圧固定回路5420は、第一ゲート3420aの入力側と始動ECU54の出力端子54aとの間にインバータ5420dを電気接続してなる。電圧固定回路5420は、始動ECU54の出力端子54aから入力されるHレベルのスタータ駆動信号Sdをインバータ5420dにより反転させて、Lレベルの予測信号Spとして第一ゲート3420aへ入力することで、第一制御信号S1の電圧レベルに拘らずリセット信号SrをHレベルに固定する。
このような特徴の第二実施形態において、検出レンジRdがPレンジ又はNレンジである場合に始動処理期間Tsが開始される(図8のt2)と、低電圧予測時期Tpの設定により、図8(b)の如きHレベルのスタータ駆動信号Sdがインバータ5420dへ入力される。その結果、ラッチ部542では、図8(c)の如くLレベルの予測信号Spが第一ゲート3420aへ入力されることになる。またこのときには、図8(a)の如く初期化電圧Viよりも大きな正常動作電圧Vn以上の電源電圧Vbが供給されていることにより、図8(d),(e)に示すLレベルの第一制御信号S1及びHレベルの第二制御信号S2が電圧固定回路5420及び電圧反転回路3421へ入力される。このような信号入力によりラッチ部542では、図8(f),(g)に示すHレベルのリセット信号Sr及びLレベルのセット信号SsがRSフリップフロップ3422へ入力される。ここで、リセット信号Srは第一ゲート3420aによってHレベルへの固定状態にあることから、ラッチ部542からスイッチング素子344へ入力される始動許否信号Soは、図8(h)の如くLレベルへのラッチ状態に強制される。以上によれば、スイッチング素子344のオンによりリレーコイル420が図8(i)の如く励磁して、電源電圧Vbがスタータモータ48へと供給されるので、エンジン4のクランキングが開始されることとなる。
こうしてクランキングの開始された始動処理期間Tsにおいて、電源電圧Vbが初期化電圧Vi以下まで低下した場合(図8のt3〜t4,t5〜t6,t7〜t8、t9〜t10)、初期化によって回路5420,3421へ入力の制御信号S1,S2が、図8(d),(e)の如きLレベルとなる。このとき第一ゲート3420aは、図8(b),(c)の如くHレベルのスタータ駆動信号Sdを電圧反転させたLレベルの予測信号Spの入力状態となっている。これにより、図8(f),(g)に示すHレベルの信号Sr,SsがRSフリップフロップ3422へ入力されるので、図8(h)の如く始動許否信号Soは、電源電圧Vbが初期化電圧Viに達する直前のLレベルにラッチされる。ここでも、リセット信号SrはHレベルへの固定状態にあることから、始動許否信号SoはLレベルへのラッチ状態に強制されることになる。
したがって、低電圧予測時期Tpとされる始動処理期間Tsの全域においては、Lレベルにラッチされた始動許否信号Soをスイッチング素子344がラッチ部342から受けることにより、図8(i)の如くリレーコイル420が励磁状態に保たれる。故に、始動処理期間Ts中に電源電圧Vbの低下及び回復が繰返されたとしても、スタータモータ48への電源電圧Vbの供給を継続させて、エンジン始動性の確保効果を安定的に発揮させることができるのである。
以上に対し、検出レンジRdがDレンジ又はRレンジである場合の始動処理期間Tsにおいては、正常動作電圧Vn以上の電源電圧Vbが供給されていることにより、Hレベルの第一制御信号S1及びLレベルの第二制御信号S2が電圧固定回路5420及び電圧反転回路3421へ入力される。このとき、低電圧予測時期Tpの設定により、Hレベルのスタータ駆動信号Sdを反転させたLレベルの予測信号Spが第一ゲート3420aへの入力状態となっているので、Hレベルの信号Sr,SsがRSフリップフロップ3422へと入力される。その結果、始動処理期間Taの開始直前のHレベルにラッチされた始動許否信号Soが、ラッチ部542からスイッチング素子344へ入力されることになるので、当該素子344のオフによりリレーコイル420が消磁される。これにより、始動処理期間Ts中はスタータモータ48への電源電圧Vbの供給、ひいてはエンジン4の始動が禁止されることになるので、当該期間Tsの終了後における車両の急発進を未然に防止して、安全性を高めることができるのである。尚、上述したように第二実施形態では、始動処理期間Taの開始直前の始動許否信号Soは、第一実施形態のDレンジ又はRレンジの場合にに準じて、Hレベルにラッチされるようになっている。
ここまで説明したように第二実施形態によっても、エンジン4の始動性と共に車両の安全性を確保する車両用始動制御システム2を、提供することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば図9に示すように、「始動許否手段」としての始動制御装置60にインヒビタリレー42を設けず、始動ECU64にスイッチング素子344及びスタータリレー46のリレーコイル460を直接に電気接続することにより、スイッチング素子344のオンオフに応じてリレーコイル460の励消磁を始動ECU64で制御するようにしてもよい。
本発明の第一実施形態による車両用始動制御システムの基本的構成を示すブロック図である。 図1の車両用始動制御システムの作動を説明するための特性図である。 図1の車両用始動制御システムの詳細構成を示すブロック図である。 図3のメイン制御部の作動を説明するための特性図である。 図3のラッチ部の特徴的構成を示すブロック図である。 図5のラッチ部の特徴的作動を説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態による車両用始動制御システムのラッチ部の特徴的構成を示すブロック図である。 図7のラッチ部を備えた車両用始動制御システムの作動を説明するための特性図である。 本発明の第一実施形態による車両用始動制御システムの変形例を示すブロック図である。
符号の説明
2 車両用始動制御システム、3 自動変速機、4 エンジン、5 バッテリ電源、10 自動変速機制御装置、20 レンジセレクタ、30 シフト制御装置、32 シフトアクチュエータ、34 シフトECU、340 メイン制御部(制御手段)、3401,3402,3403 出力端子、342 ラッチ部(ラッチ手段)、3420 電圧固定回路、3420a 第一ゲート、3420b 接続経路、3420c プルダウン抵抗、3421 電圧反転回路、3421a インバータ、3421b 接続経路、3421c プルダウン抵抗、3422 RSフリップフロップ、3422a,3422b 第二ゲート、344 スイッチング素子、344a 接続経路、36 レンジセンサ、40 始動制御装置(始動許否手段)、42 インヒビタリレー、420 リレーコイル、422 接点、44 始動ECU、46 スタータリレー、460 リレーコイル、462 接点、48 スタータモータ、54 始動ECU、54a 出力端子、540 メイン制御部(制御手段)、542 ラッチ部(ラッチ手段)、5420 電圧固定回路、5420d インバータ、60 始動制御装置(始動許否手段)、64 始動ECU、Rd 検出レンジ、Sp 予測信号、S1 第一制御信号、S2 第二制御信号、Sr リセット信号、Ss セット信号、So 始動許否信号、Sd スタータ駆動信号、Ts 始動処理期間、Tp 低電圧予測時期、Vb 電源電圧、Vn 正常動作電圧、Vi 初期化電圧、Vth 閾電圧

Claims (6)

  1. 車両の自動変速機のシフトレンジを検出するレンジセンサと、
    供給される電源電圧が初期化電圧以下となるときに、出力する制御信号を初期化し、前記電源電圧が前記初期化電圧を超えるときに、前記レンジセンサによる検出レンジに応じて前記制御信号の電圧レベルを高低させる制御手段と、
    前記車両のエンジンをクランキングして始動するスタータモータへの前記電源電圧の供給を許否するための始動許否信号を出力し、当該始動許否信号の電圧レベルを前記制御信号に応じてラッチするラッチ手段と、
    前記エンジンの始動に伴う始動処理期間において、前記スタータモータへの前記電源電圧の供給を前記始動許否信号に応じて許否する始動許否手段と、
    を備え、
    前記ラッチ手段は、
    前記制御信号から生成されるリセット信号及びセット信号を入力とすることにより、前記始動許否信号の電圧レベルをラッチするリセットセットフリップフロップと、
    前記始動処理期間において前記初期化電圧以下の前記電源電圧が予測される場合に、前記リセット信号の電圧レベルを固定することにより前記始動許否信号の電圧レベルを前記リセットセットフリップフロップに強制的にラッチさせる電圧固定回路と、
    を有することを特徴とする車両用始動制御システム。
  2. 前記初期化電圧以下の前記電源電圧が予測される場合とは、前記電源電圧が前記初期化電圧よりも大きな閾電圧以下となる場合であることを特徴とする請求項1に記載の車両用始動制御システム。
  3. 前記初期化電圧以下の前記電源電圧が予測される場合とは、前記始動処理期間の全域であることを特徴とする請求項1に記載の車両用始動制御システム。
  4. 前記制御手段は、前記電源電圧が前記初期化電圧を超えるときに、前記制御信号としての第一制御信号及び第二制御信号の電圧レベルを、前記検出レンジに応じて互いに逆に高低させ、前記電源電圧が初期化電圧以下となるときに、それら第一制御信号及び第二制御信号を初期化し、
    前記リセットセットフリップフロップは、前記第一制御信号から生成されて、前記初期化電圧以下の前記電源電圧が予測される場合には前記電圧固定回路により電圧レベルが固定される前記リセット信号と、前記第二制御信号から生成される前記セット信号とを入力として、前記始動許否信号の電圧レベルをラッチすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用始動制御システム。
  5. 前記電圧固定回路は、前記初期化電圧以下の前記電源電圧が予測される場合において電圧レベルが低レベルとなる予測信号と、前記第一制御信号とを入力として、電圧レベルに関する否定論理積演算により前記リセット信号を生成する第一ゲートを有し、
    前記リセットセットフリップフロップは、前記電圧固定回路により生成された前記リセット信号と、前記第二制御信号の電圧レベルの反転により生成される前記セット信号とが入力される一対の第二ゲートをたすき掛けしてなり、それら各第二ゲートの電圧レベルに関する否定論理積演算により前記始動許否信号を生成することを特徴とする請求項4に記載の車両用始動制御システム。
  6. 前記第一ゲートは、前記初期化電圧以下の前記電源電圧が予測されない場合において電圧レベルが高レベルとなる前記予測信号と、前記第一制御信号とを入力として、電圧レベルに関する否定論理積演算により前記リセット信号を生成することを特徴とする請求項5に記載の車両用始動制御システム。
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