JP2015129558A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイアップによって減速力を増大させる制御を行った場合の変速の遅れを抑制できる変速制御装置を提供する。【解決手段】複数の係合要素の係合および解放の状態に応じて複数の変速段が設定され、所定の変速段を設定するために係合させられる係合要素に加えて他の変速段を設定するために係合させられる他の係合要素が係合するタイアップによって出力軸のトルクが減じられる自動変速機の変速制御装置であって、タイアップによって出力軸のトルクを減じる場合、前記所定の変速段から変速して設定される変速段で係合させられる係合要素を前記他の係合要素として係合させる(ステップS2)ように構成されている。【選択図】図1

Description

この発明は、複数の係合要素の係合および解放の状態に応じて変速段を設定するように構成された自動変速機の制御装置に関するものである。
有段式の車両用自動変速機は、クラッチやブレーキなどの複数の係合要素を備え、それらの係合要素の係合および解放の状態に応じて変速段が設定される。その一例が特許文献1に記載されており、その自動変速機は、それぞれ4つのクラッチおよびブレーキと、3つの一方向クラッチとを備え、前進6段・後進1段の変速段を設定するように構成されている。この種の自動変速機では、所定の変速段で解放させておくべき係合要素を係合させると、機構上の矛盾が生じて回転が止められてしまう。このような機能を利用して、特許文献1に記載された装置は、ダウンシフト判断の成立後、ダウンシフトが実行されるまでの間に、上記の機構上の矛盾が生じる係合要素を徐々に係合させて減速力を発生させ、ダウンシフトが開始されることによりその係合要素を速やかに解放させるように構成されている。
なお、駆動力あるいは制動力に応じて操舵輪の接地荷重が変化してステアー特性が変化するから、特許文献2に記載された装置では、旋回時にアンダーステア傾向が現れると、エンジン出力を低減し、また変速比を制御することにより、アンダーステア状態を解消することとしている。
特開2006−83970号公報 特開2002−114059号公報
上述した特許文献1に記載されているようないわゆる内部タイアップによって減速力を増大させる制御は過渡的な制御であり、したがって特許文献1に記載されているように、ダウンシフトの開始によって前記係合要素を速やかに解放させている。一方、車両の走行環境や運転者による加速要求あるいは減速要求などは時々刻々変化しているから、上記の内部タイアップによって減速力を一時的に増大させた後に、必ずしもダウンシフトが実行されるとは限られず、アップシフトする状態になったり、あるいはダウンシフトするとしても2段以上離れた変速段に変速することになるなど、内部タイアップによる減速力の増大の後に設定する変速段は区々である。そのため、上記の特許文献1に記載されているように、減速力の増大のために一時的に所定の係合要素を係合させるとすれば、その後に他の係合要素を係合させて所定の変速段に変速する場合、減速力の増大のための係合要素の解放を待つ必要があり、その結果、変速に遅れが生じる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、いわゆるタイアップによって減速力を生じさせた後の変速応答性を向上させることを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、複数の係合要素の係合および解放の状態に応じて複数の変速段が設定され、所定の変速段を設定するために係合させられる係合要素に加えて他の変速段を設定するために係合させられる他の係合要素が係合するタイアップによって出力軸のトルクが減じられる自動変速機の変速制御装置において、前記タイアップによって前記出力軸のトルクを減じる場合、前記所定の変速段から変速して設定される変速段で係合させられる係合要素を前記他の係合要素として係合させるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明において、前記所定の変速段から変速して設定される変速段は、既に設定されている前記所定の変速段に隣接する変速段であってよい。
あるいはこの発明において、前記所定の変速段から変速して設定される変速段は、前記タイアップの後に設定することが予想される変速段であってよい。
また、この発明は、前記タイアップの際に、既に設定されている前記所定の変速段で係合しかつ前記変速の後の変速段で解放させられる前記係合要素の伝達トルク容量を低下させるように構成することができる。
さらに、この発明は、所定の変速段からアップシフトを行うアップシフト線が車速に相当する所定の回転数と駆動要求量とによって定められ、かつ前記所定の変速段からダウンシフトを行うダウンシフト線が前記アップシフト線よりも低車速側かつ高駆動要求量側に定められたマップを備え、前記アップシフト線と前記ダウンシフト線との間の領域のうち前記アップシフト線に近い領域に前記所定の変速段より1段高速側の変速段で係合させるべき係合要素を前記タイアップのために係合させるアップシフト用タイアップ領域が設定され、かつ前記アップシフト線と前記ダウンシフト線との間の領域のうち前記ダウンシフト線に近い領域に前記所定の変速段より1段低速側の変速段で係合させるべき係合要素を前記タイアップのために係合させるダウンシフト用タイアップ領域が設定されていてよい。
その場合、前記アップシフト用タイアップ領域は、前記車速に相当する所定の回転数が高い側で前記ダウンシフト用タイアップ領域より広く、前記車速に相当する所定の回転数が低い側で前記ダウンシフト用タイアップ領域より狭く設定されていてよい。
また、この発明は、前記タイアップを生じさせて前記出力軸のトルクを減じている状態で、前記所定の回転数および駆動要求量によって定まる運転状態が前記アップシフト用タイアップ領域と前記ダウンシフト用タイアップ領域との間で変化した場合に、前記タイアップのために係合させる係合要素を、前記出力軸のトルクが変化しないように切り替えるように構成されていてよい。
この発明によれば、所定の変速段を設定している状態で他の変速段で係合させるべき他の係合要素を係合させるいわゆるタイアップによって出力軸のトルクを低下させる場合、当該他の係合要素はタイアップの後に設定される変速段で係合させるべき係合要素であるから、タイアップ後の変速段への変速の際に、タイアップのために係合させた係合要素を解放させる必要がなく、その結果、変速の遅れを回避もしくは抑制することができる。
タイアップの後に設定するべき変速段が、既に設定されている現在の変速段に隣接する変速段であっても、あるいは現在の変速段に対して2段以上離れた変速段であっても、タイアップのために係合させる係合要素が、それら設定するべき変速段に応じて選択されるので、変速の遅れを回避もしくは抑制することができる。
さらに、この発明では、タイアップのために係合させるべき係合要素を車両の運転状態に対応させた領域をマップとして定めることにより、タイアップのための制御およびタイアップに続く変速の制御を容易に行うことができる。
その場合、アップシフト線とダウンシフト線との間の領域に、アップシフト用タイアップ領域とダウンシフト用タイアップ領域とを設定するとともに、車速に相当する所定の回転数が高い側で、アップシフト用タイアップ領域を広くすることにより、アップシフトに先行して行うタイアップの際の係合要素がアップシフトに適したものとなり、係合要素の切替頻度を低下させ、また変速の遅れを回避もしくは抑制することができる。
また、運転状態が変化してもアップシフトやダウンシフトが生じないものの、その運転状態の変化が上記のアップシフト用タイアップ領域とダウンシフト用タイアップ領域とに亘った変化の場合、タイアップで使用する係合要素の切替が生じ、その場合、この発明では、出力軸のトルクが変化しないように、係合要素の切替が行われるので、違和感を防止もしくは抑制することができる。
この発明に係る変速制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 1段のダウンシフトおよび2段のダウンシフトが生じる状況を変速線図で説明するための説明図である。 タイアップで係合させる係合要素を定めたマップの一例を模式的に示す図である。 タイアップのための係合要素を切り替える場合の各係合要素の係合力もしくは各係合要素による制動力の変化の一例を示す模式的なタイムチャートである。 この発明で対象とすることのできる自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 その自動変速機で設定するための係合要素の係合および解放の状態をまとめて示す図表である。
この発明で対象とすることのできる自動変速機は、クラッチやブレーキなどの複数の係合要素の係合および解放の状態に応じてトルクの伝達経路が変化し、それぞれのトルク伝達経路に応じた変速比が設定されるいわゆる有段式の自動変速機である。それらの係合要素は、摩擦式あるいは噛み合い式の係合要素であってよいが、後述するタイアップによる減速力を制御するための係合要素は、伝達トルク容量が連続的に変化する摩擦式の係合要素であることが好ましい。この種の自動変速機は従来種々知られており、その一例を図5に示してある。ここに示す自動変速機は、特開2005−36934号公報に記載されている自動変速機であって、その構成を簡単に説明すると、この自動変速機は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車機構10と、シングルピニオン型の第2遊星歯車機構20および第3遊星歯車機構30とによって前進6段・後進1段の変速段を設定できるように構成されている。これらの遊星歯車機構10,20,30からなる歯車列はエンジン4と同一の軸線上に配置され、そのエンジン4と歯車列との間に、ロックアップクラッチを備えているトルクコンバータ5が配置されている。そのトルクコンバータ5から歯車列にトルクを伝達する係合要素として第1ないし第4の4つのクラッチC1〜C4が設けられている。なお、符号F0 は一方向クラッチであって、第1クラッチC1と直列に配置されている。また、歯車列における所定の回転要素を選択的に固定する第1ないし第4の4つのブレーキB1〜B4が設けられている。なお、符号F1 〜F3 は一方向クラッチであって、一方向クラッチF1 は第1ブレーキB1と並列に配置され、一方向クラッチF2 は第3ブレーキB3と直列に配置され、一方向クラッチF3 は第4ブレーキB4と並列に配置されている。
これらの遊星歯車機構10,20,30における各回転要素同士および他の部材との連結状態は特開2005−36934号公報で説明されているとおりであり、上記のクラッチC1〜C4およびブレーキB1〜B4の係合および解放の状態に応じて、6つの前進段および1つの後進段が設定され、また全ての係合要素を解放することによりニュートラル状態が設定される。図6には各変速段を設定するための係合要素の係合および解放の状態を図表にして示してある。
これらのクラッチC1〜C4やブレーキB1〜B4を電気的に制御して所定の変速段を設定し、またそれぞれの伝達トルク容量を制御するための電子制御装置(ECU)7が設けられている。この電子制御装置7はマイクロコンピュータを主体にして構成され、車速や、車速に相当する所定の回転部材の回転数、アクセル開度で代表される駆動要求量、旋回制御や登降坂制御などの他の制御の実行状態を示す信号などが入力され、その入力されたデータに基づいて、上記のクラッチC1〜C4やブレーキB1〜B4の係合および解放ならびにその係合力などの制御を行うように構成されている。
図6において「○」印は係合させていること、空欄は解放させていることをそれぞれ示している。図6に示すように、各変速段で係合させる係合要素は機構上、決まっており、これと異なる係合および解放の組み合わせでは、機構上の矛盾が生じていわゆる内部ロック状態となり、出力軸6のトルクが低下する。例えば、前進第5速は図6に示すように第1ないし第3のクラッチC1〜C3と、第1および第3のブレーキB1,B3を係合させて設定されるが、これに加えて第4クラッチC4もしくは第2ブレーキB2が伝達トルク容量を持つと、いわゆるタイアップ状態となって出力軸6のトルクが低下させられる。その場合のトルクの低下量は、タイアップ状態を生じさせる係合要素(例えば第4クラッチC4もしくは第2ブレーキB2)の伝達トルク容量およびギヤ比に応じた量となる。
このようなタイアップに基づく減速力を生じさせる制御は、制駆動力制御に用いられることがある。例えば、旋回時に前輪の接地荷重を一時的に増大させて旋回性を向上させたり、あるいは降坂路での加速を抑制するなどの制御に利用される。このような制駆動力制御は、路面勾配や旋回半径などの走行環境が変化しており、またそれに伴って運転者がアクセルペダルやブレーキペダルなどを操作して制駆動力が変化していることに伴って実行される場合が多いから、タイアップ制御に続いて変速を行うこ可能性が高い。そこで、この発明に係る変速制御装置は、変速応答性を向上させることを目的として以下に説明する制御を実行するように構成されている。
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、ここに示すルーチンは上記の自動変速機を搭載した車両が走行している場合に所定の短時間ごとに繰り返し実行される。先ず、ステップS1で、係合要素制御による減速度アップ制御すなわちタイアップにより出力軸6のトルクを低下させる制御が実施する状態になっているか否かが判断される。前述したように、タイアップによる減速力の増大制御は、旋回性を向上させるため、あるいは降坂路走行時の加速度を減じるなどのために実行される。したがって、ステップS1の判断は、そのような減速力の増大制御によるタイアップ要求の有無によって判断することができる。
このステップS1で否定的に判断された場合にはタイアップのための制御を実行する必要がないので、特に制御を行うことなく図1のルーチンを一旦終了する。これに対してステップS1で肯定的に判断された場合、すなわちタイアップ状態とするために現在の変速段を設定するために係合している係合要素に加えて他の係合要素の伝達トルク容量を増大させる要求がある場合、現在の変速段から変速して設定される変速段で係合させられる係合要素の伝達トルク容量(係合力)を制御して減速力を増大させる。言い換えれば、前記出力軸6のトルクを低下させる。
現在の変速段から変速して設定される変速段は、車両の運転状態に基づいて求めることができ、あるいは予測することができる。その一例を説明すると、自動変速機での変速制御は、車速(あるいは車速に相当する所定の回転部材の回転数)とアクセル開度(すなわち駆動要求量)とに基づいてアップシフト線およびダウンシフト線を定めた変速マップを使用して行われる。この変速マップによれば、車速が増大したり、あるいはアクセル開度が減じられることにより、車両の運転状態がアップシフト線を越えて変化すると、高車速側の変速段への変速の判断が成立する。反対に、車速が低下したり、あるいはアクセル開度が増大することにより、車両の運転状態がダウンシフト線を越えて変化すると、低車速側の変速段への変速の判断が成立する。したがって、既に設定されている現在の変速段でのアクセル開度や車速の変化の傾向などに基づいてアップシフトあるいはダウンシフトが予測され、その結果に基づいて、現在の変速段では解放させられていて隣接する変速段では係合させられる係合要素をタイアップのための係合要素として選択することができる。なお、現在の変速段での運転状態によっては、2段以上離れた変速段へのいわゆる飛び変速が生じることがあり、このような飛び変速が予想された場合には、当該飛び変速で設定される変速段で係合させられかつ現変速段では解放させられている係合要素が、タイアップのための係合要素として選択される。
これらの変速の予測の一例を図2を参照して説明すると、図2には第6速から第5速へのダウンシフト線と第5速から第4速へのダウンシフト線を模式的に示してあり、アクセルペダルを戻してある程度の高車速で走行していることにより運転状態が符号「A」で記す状態にあれば、アクセルペダルが踏み込まれることにより運転状態は破線で示すように変化することが十分考えられる。そうすると運転状態の変化に伴って第6速から第5速にダウンシフトすることになるから、第6速でタイアップによる減速力の増大制御を実行するとすれば、第6速で解放させられかつ第5速で係合させられるいずれかの係合要素(前述した第3クラッチC3)がタイアップのための係合要素として選択される。これに対して、車速が上記の場合より低車速であることにより、第6速が設定されているとしても運転状態が符号「B」で示す状態にあれば、アクセルペダルが踏み込まれることによる運転状態の変化は、図2に破線で示すように第6速から第4速へのダウンシフト線を横切る変化となることが十分考えられる。したがって、このような場合には、第6速でタイアップによる減速力の増大制御を実行するとすれば、第6速で解放させられかつ第4速で係合させられるいずれかの係合要素(前述した第3クラッチC3もしくは第4クラッチC4)がタイアップのための係合要素として選択される。
タイアップは、前述したように内部ロックを生じさせる状態であるから、タイアップ状態を生じさせるために付加的に係合させられる係合要素の伝達トルク容量およびその係合要素から出力軸6までの間のギヤ比に応じた制動力が生じる。したがって、旋回制御などの他の制御で要求されている駆動力もしくは制動力に基づいて上記の伝達トルク容量を制御することができる。また、伝達トルク容量は、係合要素が油圧式のものであれば、油圧を制御することにより目標とする伝達トルク容量を設定することができる。さらに、出力軸6などの所定の回転部材の目標回転数と実回転数との偏差に基づいて伝達トルク容量をフィードバック制御することもできる。
ステップS2で上述したようにタイアップのための係合要素を選択し、かつその伝達トルク容量を制御した後、あるいはその制御と並行して、変速後の変速段で解放させる係合要素の係合力をトルク容量を確保可能な範囲で低下させ(ステップS3)、その後、リターンする。この低下制御は変速応答性を向上させるための制御であり、タイアップの際に変速が開始しない程度にまで解放側係合要素の係合力を低下させておき、変速の開始にあたってその解放側係合要素の解放を迅速に生じさせることができるようにする制御である。その係合力の低下制御は、当該解放側係合要素に掛かっているトルクがアクセル開度やその時点の変速比などに基づいて算出できるから、そのトルクに基づいて係合力を求めることにより実行できる。
したがって図1に示す制御を実行するように構成されたこの発明に係る変速制御装置によれば、出力軸6のトルクを低下させて減速力を増大させるタイアップ制御を行い、その後に車速や駆動要求量に応じた変速段を設定する場合、タイアップのために伝達トルク容量を増大させていた係合要素を滑りのない状態に係合させればよいので、変速の遅れを回避もしくは抑制することができる。また、上記のステップS3による制御、すなわち解放させるべき係合要素の伝達トルク容量をタイアップの状態で低下させておけば、変速の実行によってその係合要素を直ちに解放させることができ、この点においても変速の遅れを回避もしくは抑制することができる。
ところで、この発明では、タイアップのために係合させる係合要素を予め選択する。その選択は前述した図2を参照して説明したように、基本的には、現在の運転状態に基づいて行うことになる。その係合要素の選択のための他の制御例を図3を参照して説明する。図3はタイアップ制御に使用する係合要素を選択するためのマップの一例を模式的に示しており、第5速が設定されている場合にタイアップで使用する係合要素を選択するためのものである。このマップは、通常の変速マップと同様に、車速に相当する所定の回転部材の回転数もしくは車速と、アクセル開度で代表される駆動要求量とで運転状態を定義し、その運転状態に応じてアップシフト線とダウンシフト線とを定めてある。図3には第5速から第6速へのアップシフト線と、第5速から第4速へのダウンシフト線とが示されており、第5速での運転状態はこれらの変速線の間の領域に入っており、車速が増大したり、あるいはアクセル開度が増大することにより、アップシフトもしくはダウンシフトが生じる。
したがって、第5速で走行している場合にタイアップ制御のために係合させる係合要素は、第5速で解放させられ、かつ第4速で係合させられる係合要素もしくは第6速で係合させられる係合要素である。すなわち、これらいずれかの係合要素を第5速の状態で選択することになるで、図3に示すマップでは、上記のアップシフト線とダウンシフト線との間の領域が高車速側と低車速側とに二分されている。その高車速側の領域(この発明のアップシフト用タイアップ領域)Au が第6速へのアップシフトに備えて係合要素を選択する領域であり、前述した図5に示す自動変速機を対象とする場合にはタイアップのための係合要素として第2ブレーキB2を選択する領域である。また、低車速側の領域(この発明のダウンシフト用タイアップ領域)Ad が第4速へのアップシフトに備えて係合操作を選択する領域であり、前述した図5に示す自動変速機を対象とする場合にはタイアップのための係合要素として第4クラッチC4を選択する領域である。
このようなマップを備えていることにより、所定の変速段で走行している状態でタイアップによって減速力を増大させる場合、車速が低いなどのことによって運転状態がダウンシフト線に近い状態になっていれば、加速のためにアクセルペダルを踏み込んだ場合にダウンシフトが生じる可能性が高く、そのダウシフトによって係合させられる係合要素がタイアップのために係合させる係合要素として選択される。また反対に、車速が高いなどのことによって運転状態がアップシフト線に近い状態になっていれば、車速の増大によってアップシフトが生じる可能性が高く、そのアップシフトによって係合させられる係合要素がタイアップのために係合させる係合要素として選択される。したがって、これらダウンシフトおよびアップシフトのいずれの場合であっても、その変速が係合させられる係合要素の係合力が、それに先行するタイアップ制御によって増大させられているので、ダウンシフトやアップシフトの変速応答性を良好なものにすることができる。
なお、上述した各領域Au ,Ad は、図3に示すように設定することが好ましい。すなわち、高車速側ではアップシフトによって係合させる係合要素を選択する領域Au の幅(特に車速の変化方向での幅)を広くし、低車速側ではその領域Au の幅を狭くする。これを、ダウンシフトによって係合させる係合要素を選択する領域Ad について言えば、高車速側で狭くし、かつ低車速側で広くする。このような構成とすれば、アップシフトが生じる頻度もしくは可能性が高い運転状態では、そのアップシフトで係合させる係合要素をタイアップ制御で係合させることになり、またダウンシフトが生じる頻度もしくは可能性が高い運転状態では、そのダウンシフトで係合させる係合要素をタイアップ制御で係合させることになるので、タイアップ制御や変速制御を行うにあたって係合させる係合要素を変更する事態を回避し、あるいは変更する頻度を低下させることができる。
タイアップのために係合させる係合要素を図3に示すマップを使用して選択するとした場合、ダウンシフトあるいはアップシフトが生じない範囲で車速やアクセル開度が変化すると、タイアップ制御で係合させる係合要素が切り替わることがある。例えば上記の符号「Ad 」で示す領域に入っている運転状態で走行している際にアクセルペダルが戻された場合、運転状態は符号「Au 」で示す領域に変化するから、タイアップ制御で係合させる係合要素が、ダウンシフトで係合させる係合要素からアップシフトで係合させる係合要素に切り替わる。前述した第5速で走行している場合には、第4クラッチC4から第2ブレーキB2に切り替えることになる。その場合、出力軸6のトルクが変化しないように係合要素を切り替える。例えば、第4クラッチC4の伝達トルク容量の低下に伴う出力軸6でのトルクの増大量と、第2ブレーキB2の伝達トルク容量の増大に伴う出力軸6でのトルクの低減量とが等しくなるように(均衡するように)、それぞれの係合力を制御する。これは、従来知られているいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速制御と同様の制御である。このように制御することにより、運転者が意図しない駆動力もしくは制動力の変化が体感されにくくなり、違和感を回避もしくは抑制することができる。
図4はそのような係合要素の切替を行った場合の制動力の変化を模式的に示すタイムチャートであって、第5速で走行中に第4クラッチC4を係合側に制御して上述したタイアップ状態とし、その走行状態でアクセル開度が減じられた場合の例である。ある程度アクセルペダルが踏み込まれていることにより車両の走行状態は図3に符号「Ad 」で示すダウンシフト側の領域に入っており、したがって第4クラッチC4によって制動力が発生させられ、アップシフト側の第2ブレーキB2は解放状態に制御されている。この状態でアクセル開度が減じられることにより車両の走行状態が上述した各領域Au ,Ad の境界線を越えて変化すると、タイアップに使用する係合要素の切替の判断が成立する(t1 時点)。その切替判断が成立することに伴って、ダウンシフト側の係合要素である第4クラッチC4の係合力が次第に低下させられ、第4クラッチC4による制動力が次第に低下する。これと並行して、アップシフト側の係合要素である第2ブレーキB2の係合力が次第に増大させられ、第4クラッチC4による制動力の低下を埋めるように第2ブレーキB2による制動力が次第に増大させられる。その場合、第4クラッチC4や第2ブレーキB2と出力軸6との間にはギヤなどが介在していて所定のギヤ比が設定されているので、第4クラッチC4や第2ブレーキB2の係合力はそのギヤ比を考慮した値に設定される。
なお、自動変速機もしくはその制御装置が、手動によって変速比を選択して設定できるように構成され、その手動変速モードが設定されている場合には、上述したタイアップによる減速力制御は禁止される。変速比を運転者が自由に選択することができることにより、変速後の変速段を予測することが困難であり、また減速力あるいは制動力は運転者が選択できるようにすることが好ましいなどの理由による。
以上、この発明を具体例に基づいて説明したが、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、対象とする自動変速機は上述した変速段数以上もしくは以下の変速段数を有する自動変速機であってもよく、またタイアップによって減速力を増大させる変速段は上述した第5速以外の変速段であってよい。さらに、タイアップのために係合させる係合要素を選択するためのマップは、前述した変速マップを模したものであってもよいが、これと同様の機能を備えたマップであればその形式は任意である。
10…第1遊星歯車機構、 20…第2遊星歯車機構、 30…第3遊星歯車機構、 4…エンジン、 5…トルクコンバータ、 C1〜C4…クラッチ、 F0 〜F3…一方向クラッチ、 B1〜B4…ブレーキ、 6…出力軸、 7…電子制御装置(ECU)。

Claims (7)

  1. 複数の係合要素の係合および解放の状態に応じて複数の変速段が設定され、所定の変速段を設定するために係合させられる係合要素に加えて他の変速段を設定するために係合させられる他の係合要素が係合するタイアップによって出力軸のトルクが減じられる自動変速機の変速制御装置において、
    前記タイアップによって前記出力軸のトルクを減じる場合、前記所定の変速段から変速して設定される変速段で係合させられる係合要素を前記他の係合要素として係合させるように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記所定の変速段から変速して設定される変速段は、既に設定されている前記所定の変速段に隣接する変速段であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記所定の変速段から変速して設定される変速段は、前記タイアップの後に設定することが予想される変速段であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 前記タイアップの際に、既に設定されている前記所定の変速段で係合しかつ前記変速の後の変速段で解放させられる前記係合要素の伝達トルク容量を低下させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 所定の変速段からアップシフトを行うアップシフト線が車速に相当する所定の回転数と駆動要求量とによって定められ、かつ前記所定の変速段からダウンシフトを行うダウンシフト線が前記アップシフト線よりも低車速側かつ高駆動要求量側に定められたマップを備え、
    前記アップシフト線と前記ダウンシフト線との間の領域のうち前記アップシフト線に近い領域に前記所定の変速段より1段高速側の変速段で係合させるべき係合要素を前記タイアップのために係合させるアップシフト用タイアップ領域が設定され、かつ前記アップシフト線と前記ダウンシフト線との間の領域のうち前記ダウンシフト線に近い領域に前記所定の変速段より1段低速側の変速段で係合させるべき係合要素を前記タイアップのために係合させるダウンシフト用タイアップ領域が設定されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 前記アップシフト用タイアップ領域は、前記車速に相当する所定の回転数が高い側で前記ダウンシフト用タイアップ領域より広く、前記車速に相当する所定の回転数が低い側で前記ダウンシフト用タイアップ領域より狭く設定されていることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 前記タイアップを生じさせて前記出力軸のトルクを減じている状態で、前記所定の回転数および駆動要求量によって定まる運転状態が前記アップシフト用タイアップ領域と前記ダウンシフト用タイアップ領域との間で変化した場合に、前記タイアップのために係合させる係合要素を、前記出力軸のトルクが変化しないように切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の自動変速機の変速制御装置。
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