JP2018112229A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダウンシフトの応答遅れによる違和感を回避もしくは抑制することのできる自動変速機の変速制御装置を提供する。
【解決手段】自動変速機の変速制御装置において、コントローラは、現時点での踏力が第1閾値以上であって、かつ、加速度が第2閾値に向けて増大している過程で第2閾値より小さい第3閾値以上となった場合に、第1係合機構の油圧を、トルクの伝達を維持することができる予め定めた第1油圧にまで低下させ(ステップS3)、第2係合機構の油圧を、第2係合機構でトルクを伝達し始める第2油圧より高くかつ他の変速段を設定することができない予め定めた第3油圧に設定し(ステップS4)、他の変速段より変速比の大きい更に他の変速段を設定する場合に係合される第3係合機構の油圧を、第3係合機構でトルクを伝達し始める第4油圧より低い予め定めた第5油圧に設定する(ステップS4)。
【選択図】図4

Description

この発明は、変速比を段階的に変化させることのできる自動変速機を対象とする変速制御装置に関するものである。
この種の装置の一例が特許文献1に記載されている。その装置は、ブレーキペダルの踏力が閾値以上である状態が予め定められた時間以上経過し、車両の加速度が加速判定値以上である場合には、加速判定フラグがオンにされて現時点での変速段よりも変速比の大きい変速段を設定するダウンシフトを行うように構成されている。
また、特許文献2に記載された変速機の制御装置は、アクセルペダルの操作量およびブレーキペダルの操作量が共に0である場合には、ニュートラル状態を設定して惰性によって走行するとともに、アクセル開度と車速とに基づいて再加速時における目標変速段を求めるように構成されている。そして例えば、目標変速段が第1速段から第3速段である場合には、第1速段から第3速段で共通して使用される係合機構を係合状態とし、共通していない他の係合機構を解放状態にする。そのため、再加速時に、第1速段もしくは第2速段あるいは第3速段を設定する場合には、他の係合機構を係合させるだけでよく、これにより目標とする変速段を速やかに設定できる、とされている。
特許文献3には、多段変速機構を有する車両用駆動装置の制御装置が記載されている。その制御装置は、現時点での車両の走行状態を数値化する。そして、走行状態についての数値の変化率と、現在の変速段から変更される可能性がある他の変速段の摩擦係合要素についての変速の準備に要する時間とに基づいて、前記他の変速段の摩擦係合要素の変速の準備が完了した後における車両の走行状態の数値を予測する。そして、予測された数値が各変速段毎に設定された変速の準備を開始する所定の範囲内にある場合には、現在の変速段から変更される可能性がある他の変速段の摩擦係合要素について、変速の準備を行うように構成されている。変速の準備とは、具体的には、摩擦係合要素における油圧を増大させることにより摩擦係合要素におけるクリアランスを詰めてトルク伝達し始める直前の状態としたり、摩擦係合要素における油圧を低下させることにより摩擦係合要素がスリップし始める直前の状態としたりすることである。
特許文献4に記載された自動変速機の制御装置は、クラッチ・ツウ・クラッチ変速によるパワーオンダウンシフトが予測された場合には、クラッチ・ツウ・クラッチ変速を実行する摩擦係合要素のうち、一方の摩擦係合要素に油圧を供給して係合を開始する直前の待機状態を設定するように構成されている。
特開2008−25609号公報 国際公開第2012/133666号 特開2013−155790号公報 特開2008−275001号公報
有段式の自動変速機においては、例えば、ダウンシフトを行う場合には、現時点での変速段を設定していたクラッチなどの係合機構のトルクを徐々に低下させるとともに、現時点での変速段より変速比の大きい低速側の変速段を設定するクラッチなどの他方の係合機構のトルクを徐々に増大させる。つまり、クラッチ・ツウ・クラッチ変速を所定の時間を掛けて行うため、ダウンシフトが終了するまでに時間が掛かってしまう。また、クラッチを掴み替えるまでの間は、ダウンシフト後の変速段の変速比より小さい変速比で走行しあるいは惰性によって走行することとなる。特許文献1に記載された構成では、加速判定フラグがオンにされてからダウンシフトが実行されるため、上述したように、ダウンシフトが終了するまでには時間が掛かってしまう。そのため、運転者の意図もしくは期待する減速を実現できずに運転者に違和感を抱かせる可能性がある。
特許文献2に記載された構成では、再加速時における目標変速段で共通して使用される係合機構を係合状態とし、他の係合機構を解放状態にしている。しかしながら、トルクの変化によるショックを回避もしくは抑制するために、他の係合機構のトルクを徐々に増大させて係合させることになる。したがって、ダウンシフトを開始してからダウンシフトが終了するまでには時間が掛かってしまう。特許文献3に記載された構成では、各係合機構のクリアランスはある程度詰められているものの、変速に伴うショックを低減するためには、解放側の摩擦係合要素のトルクを徐々に低下させて解放させ、係合側の摩擦係合要素のトルクを徐々に増大させて係合させることになる。特許文献4に記載された構成では、一方の摩擦係合要素のトルクを徐々に増大させて係合させることになる。つまり、特許文献3および特許文献4に記載された構成であっても、特許文献2と同様の課題がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ダウンシフトの応答遅れによる違和感を回避もしくは抑制することのできる自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、複数の係合機構を有しており、前記複数の係合機構のうちいずれかの前記係合機構を油圧によって選択的に係合・解放することにより複数の変速段を設定する有段式の自動変速機がエンジンの出力側に設けられ、アクセルペダルがオフであってかつブレーキペダルの踏力が第1閾値以上であるとともに加速度が第2閾値以上の場合に、現時点の変速段を設定するために係合されていて前記変速段より変速比の大きい他の変速段では解放される第1係合機構の油圧を低下させて前記第1係合機構を解放し、前記変速段では解放されていて前記他の変速段を設定するために係合される第2係合機構の油圧を増大させて前記第2係合機構を係合することにより前記変速段から前記他の変速段へのダウンシフトを行うように構成された自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機の変速を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記現時点での前記踏力が前記第1閾値以上であって、かつ、前記加速度が前記第2閾値に向けて増大している過程で前記第2閾値より小さい第3閾値以上となった場合に、前記第1係合機構の油圧を、前記トルクの伝達を維持することができる予め定めた第1油圧にまで低下させ、前記第2係合機構の油圧を、前記第2係合機構で前記トルクを伝達し始める第2油圧より高くかつ前記他の変速段を設定することができない予め定めた第3油圧に設定し、前記他の変速段より変速比の大きい更に他の変速段を設定する場合に係合される第3係合機構の油圧を、前記第3係合機構で前記トルクを伝達し始める第4油圧より低い予め定めた第5油圧に設定することを特徴としている。
この発明によれば、ブレーキペダルの踏力が第1閾値以上であって、かつ、加速度が第2閾値に向けて増大している過程で第2閾値より小さい第3閾値以上となった場合には、現時点では変速段を設定するために係合されていて、前記変速段より変速比の大きい他の変速段では解放される第1係合機構の油圧を、トルクの伝達を維持することができる予め定めた第1油圧にまで低下させる。また、現時点では解放されていて前記他の変速段では、当該他の変速段を設定するために係合される第2係合機構の油圧を、第2係合機構でトルクを伝達し始める第2油圧より高くかつ前記他の変速段を設定することができない予め定めた第3油圧に設定する。つまり、ダウンシフトを行う判断が成立する前の時点で、クラッチ・ツウ・クラッチ変速に向けて第1係合機構の油圧を低下させる制御、および、第2係合機構の油圧を増大させる制御などを行う。そのため、加速度が第2閾値以上となった場合には、直ちに、第1係合機構を解放しかつ第2係合機構を係合して、現時点の変速段から他の変速段へのダウンシフトを速やかに行うことができる。その結果、運転者の意図もしくは期待するダウンシフトによる加速度の低下、つまり減速感を得ることができ、運転者が違和感を抱くことを解消もしくは抑制することができる。また、ブレーキペダルを踏み増すことを防止もしくは抑制でき、車両の操作性や変速の応答性を向上することができる。さらに、変速に伴うショックを低減するために、第1係合機構および第2係合機構の油圧を徐々に変化させるとしても、ダウンシフトを終了するまでに掛かる時間を短縮することができる。そして、他の変速段より変速比の大きい更に他の変速段を設定する場合に係合される第3係合機構の油圧は、第3係合機構でトルクを伝達し始める第4油圧より低い第5油圧に設定され、第3係合機構のクリアランスが詰められている。そのため、連続してダウンシフトを行う場合であっても、変速に掛かる時間を短くすることができる。
この発明の実施形態における車両のパワートレーンの一例を模式的に示すブロック図である。 この発明の実施形態における自動変速機の一例を模式的に示すスケルトン図である。 図2に示す自動変速機における各ギヤ段を設定する各クラッチおよび各ブレーキの係合および解放の状態をまとめて示す図表である。 この発明の実施形態における制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図4に示す制御を行った場合の車両の加速度、解放側の係合機構の油圧指令値、係合側の他の係合機構の油圧指令値などの変化の一例を示すタイムチャートである。 前進第5速段から前進第4速段や前進第3速段へのダウンシフトを行う場合の第4クラッチC4の油圧、第3クラッチC3の油圧、第1ブレーキB1の油圧、エンジン回転数などの変化の一例を示すタイムチャートである。
図1は、この発明の実施形態で対象とすることのできる車両のパワートレーンの一例を模式的に示すブロック図である。駆動力源としてガソリンエンジンなどの内燃機関(以下、エンジンと記す)1を備えている。エンジン1は従来知られている車両用エンジンと同様の構成であり、アクセルペダルAがオンつまり踏み込むなどの加速操作によって吸入空気量や燃料噴射量が増大して、エンジン1の出力が加速操作に応じた値になるように構成されている。また、アクセルペダルAがオフとなることにより燃料の供給が停止されるように構成されている。エンジン1の出力側に有段式の自動変速機2が連結されている。自動変速機2は複数のギヤ段を設定することができ、かつ各ギヤ段はアクセルペダルAの踏み込み量などの要求駆動量と車速などの車両の走行状態とに基づいて設定されるように構成された従来知られている自動変速機である。また、自動変速機2はトルクコンバータ3と、複数のクラッチなどの係合機構4,5によってトルクの伝達経路が切り替えられる歯車機構6とを備えている。この自動変速機2では、ギヤ段を1段ずつ切り替えるだけでなく、所定のギヤ段から二段以上離れたギヤ段への変速が可能であり、その変速は例えば現在のギヤ段で係合している係合機構4のトルク容量を低下させて解放するとともに、他の係合機構5を係合させることにより実行される。自動変速機2の出力軸7は終減速機であるデファレンシャルギヤ8に連結され、デファレンシャルギヤ8から左右の駆動輪9にトルクが伝達される。
自動変速機2における変速を制御するための電子制御装置(ECU)10が設けられている。ECU10は、この発明の実施形態におけるコントローラに相当し、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されたデータや、予め記憶しているデータを使用して演算を行い、演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。入力されるデータは、各種のセンサによって得られたデータであって、荷重センサ11によって検出されたブレーキペダルBの踏力BPや、加速度センサ12によって検出された車両の前後方向の加速度G、車速V、アクセルペダルAの踏み込み量であるアクセル開度ACCなどがその例である。また、予め記憶しているデータは、変速比を段階的に変化させる変速マップである。変速マップは、従来の有段変速機の変速制御装置で採用されているものであってよく、車速Vとアクセル開度ACC(駆動要求量)とによってギヤ段が決められている。
図2は、この発明の実施形態における自動変速機の一例を模式的に示すスケルトン図である。トルクコンバータ3は、従来知られているものと同様の構成のものであって、エンジン1によって回転させられるポンプインペラ13と、ポンプインペラ13によって生じさせられたオイルの螺旋流を受けて回転するポンプインペラ14とを備え、これらポンプインペラ13とポンプインペラ14との間に、ワンウェイクラッチ15を介して所定の固定部16に取り付けられたステータ17が配置されている。トルクコンバータ3はロックアップクラッチ18を有しており、ロックアップクラッチ18は、ポンプインペラ13に一体化させてあるフロントカバー19と、タービンランナ14に一体に取付けたハブ20との間に設けられている。エンジン1のクランクシャフト(図示せず)はフロントカバー19に連結され、タービンランナ14は歯車機構6の入力軸21に連結されている。また、ポンプインペラ13にエンジン1のトルクによって駆動されるオイルポンプ22が連結されている。
歯車機構6は第1変速部23を構成するダブルピニオン型の第1遊星歯車機構と、第2変速部24を構成するラビニヨ型の遊星歯車機構とを備えている。第1変速部23は第1サンギヤ25と、第1サンギヤ25に対して同心円状に配置された第1リングギヤ26と、第1サンギヤ25に噛み合う第1ピニオンギヤ27と、第1ピニオンギヤ27および第1リングギヤ26に噛み合う第2ピニオンギヤ28と、第1ピニオンギヤ27および第2ピニオンギヤ28を保持する第1キャリヤ29とを備えている。第1サンギヤ25は歯車機構6のケースなどの固定部16に固定されている。第1キャリヤ29は入力軸21に連結されるとともに、第2変速部24における第1入力要素である第1中間軸30に第4クラッチC4を介して選択的に連結される。第1中間軸30は第1ブレーキB1を介して固定部16に選択的に固定される。第1リングギヤ26は第3クラッチC3を介して第1中間軸30に選択的に連結される。
第2変速部24は第2サンギヤ31と、第2サンギヤ31に対して同心円状に配置された第2リングギヤ32と、第2サンギヤ31に噛み合う第3ピニオンギヤ33とを備えている。また、第3サンギヤ34と、第3サンギヤ34および第3ピニオンギヤ33に噛み合う第4ピニオンギヤ35と、第3ピニオンギヤ33および第4ピニオンギヤ35を保持する第2キャリヤ36とを備えている。第3サンギヤ34は第2変速部24における第2入力要素である第2中間軸37に連結され、第2中間軸37と第1変速部23の第1リングギヤ26とは第1クラッチC1を介して選択的に連結される。第2キャリヤ36は第2ブレーキB2によって固定部16に選択的に固定されるとともに、第2クラッチC2によって入力軸21に選択的に連結される。第2リングギヤ32は出力軸7に連結されている。なお、上述した第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2がこの発明の実施形態における第1係合機構、第2係合機構、第3係合機構に相当している。
上記構成の自動変速機2では、各クラッチC1,C2,C3,C4および各ブレーキB1,B2の係合状態と解放状態とを、選択的に切り替えることによって変速比が互いに異なる複数のギヤ段を設定するように構成されている。それらのクラッチC1,C2,C3,C4およびブレーキB1,B2の係合状態と解放状態との切り替えを行う油圧制御装置38が設けられている。油圧制御装置38は、オイルポンプ22から吐出されたオイルを所定の圧力に調圧する図示しない調圧弁を備え、調圧されたオイルを各クラッチC1,C2,C3,C4およびブレーキB1,B2に供給するように構成されている。
図3は、図2に示す自動変速機2における各ギヤ段を設定する各クラッチC1,C2,C3,C4およびブレーキB1,B2の係合および解放の状態をまとめて示す図表である。図3に示す「○」は係合している状態を示し、「×」は解放している状態を示している。図3に示すように前進第1速段は第1クラッチC1と第2ブレーキB2とを係合させることにより設定され、前進第2速段は第1クラッチC1と第1ブレーキB1とを係合させることにより設定される。前進第3速段は第1クラッチC1と第3クラッチC3を係合させることにより設定され、前進第4速段は第1クラッチC1と第4クラッチC4とを係合させることにより設定される。前進第5速段は第1クラッチC1と第2クラッチC2とを係合させることにより設定され、前進第6速段は第2クラッチC2と第4クラッチC4とを係合させることにより設定される。前進第7速段は第2クラッチC2と第3クラッチC3とを係合させることにより設定され、前進第8速段は第2クラッチC2と第1ブレーキB1とを係合させることにより設定される。なお、各クラッチC1,C2,C3,C4およびブレーキB1,B2の全てを解放状態に設定することによってニュートラル状態やパーキング状態を成立させることができる。第3クラッチC3と第2ブレーキB2とを係合させることにより後進第1速段R1を設定することができ、第4クラッチC4と第2ブレーキB2とを係合させることにより後進第2速段R1を設定することができる。
この発明の実施形態における変速制御装置は、自動変速機2でのダウンシフトによる加速度の低下すなわち減速度の増大が、運転者に違和感を抱かせないように生じるように、変速を制御する。その制御の一例を図4にフローチャートで示してある。ここに示すルーチンは、車両が走行している状態でECU10によって所定の短時間毎に繰り返し実行される。先ず、ブレーキペダルBの踏力BPが閾値Bth以上である状態が、所定時間継続されたか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1での車両の走行状態は、例えば、アクセル開度ACCが0であることにより、車両が惰性によって走行しており、かつ、車両の加速度Gが増大していてブレーキペダルBが踏み込まれている状態である。ブレーキペダルBの踏力BPは、上述した荷重センサ11によって検出することができる。閾値Bthは、この発明の実施形態における第1閾値に相当する。閾値Bthや所定時間などは、車種ごとに、あるいは車両ごとに、実験などによって求めることができる。
踏力BPが閾値Bthより小さい、もしくは、踏力BPが閾値Bth以上となっている状態が所定時間経過していない場合には、ステップS1で否定的に判断される。この場合には、特に制御を行うことなく図4に示すルーチンを一旦終了する。これに対してステップS1で肯定的に判断された場合には、車両の前後方向の加速度Gが閾値α以上であるか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2は、将来におけるダウンシフトを予測するため判断ステップであり、いわゆるプレ加速判定を行う。閾値αは、以下に説明するダウンシフトの実行を判断するための閾値βよりも小さい値であって、この発明の実施形態における第3閾値に相当する。閾値αは実験などによって求めることができる。なお、加速度Gは、加速度センサ12によって検出することができる。
ステップS2で肯定的に判断された場合には、ダウンシフトを行うことにより解放される第1係合機構の油圧を低下させる制御が行われる(ステップS3)。ダウンシフトによって設定されるギヤ段つまり目標ギヤ段は前述した変速マップを利用して、現時点あるいはダウンシフトを実行する際の車速Vとアクセル開度ACCとから判定することができる。このステップS3での制御を前進第5速段から前進第4速段へダウンシフトする場合を例として説明する。前進第5速段では上述したように、第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合され、前進第4速段では第1クラッチC1および第4クラッチC4が係合される。そのため、前進第5速段から前進第4速段へのダウンシフトでは、第1クラッチC1を係合させた状態に維持し、第2クラッチC2から第4クラッチC4への掴み替えを行う。このステップS3では、第2クラッチC2から第4クラッチC4への掴み替えを行うための準備段階として、第2クラッチC2の伝達トルク容量を、滑りを伴わずにトルクを伝達する容量にまで低下させる。つまり、このステップS3では、ダウンシフトを行うことにより解放される第2クラッチC2の油圧を、上述した滑りを伴わずにトルクを伝達する容量に応じた油圧にまで低下させる。前進第5速段から前進第4速段へダウンシフトする場合における第2クラッチC2がこの発明の実施形態における第1係合機構に相当する。第2クラッチC2で設定される「滑りを伴わずにトルクを伝達する容量に応じた油圧」がこの発明の実施形態における第1油圧の相当し、これは実験などによって求めることができる。また、前進第5速段から前進第4速段へダウンシフトする場合における前進第5速段がこの発明の実施形態における現時点の変速段に相当し、前進第4速段がこの発明の実施形態における他の変速段に相当する。そして、前進第5速段から前進第4速段へダウンシフトする場合における第4クラッチC4がこの発明の実施形態における第2係合機構に相当する。
次いで、ダウンシフトを行うことにより係合される第2係合機構の油圧を増大させるとともに、現在のギヤ段を基準として低速側に二段もしくは三段、ダウンシフトを行う場合に係合される第3係合機構の油圧を増大させる制御が行われる(ステップS4)。前進第5速段から前進第4速段へのダウンシフトでは、第4クラッチC4で僅かにトルクを伝達するように、第4クラッチC4の油圧を、第4クラッチC4でトルクを伝達し始めるパックエンド圧より僅かに高くかつ前進第4速段を設定できない油圧に増大させる。すなわち、第4クラッチC4の油圧を一時的に急激に増大させた後、上述した第4クラッチC4でトルクを伝達し始めるパックエンド圧より僅かに高くかつ前進第4速段を設定できない油圧にまで低下させる。いわゆるクイックアプライ制御を行う。その結果、第4クラッチC4での伝達トルク容量は可及的に小さい容量となっており、前進第4速段は設定されない。この第4クラッチC4でのパックエンド圧がこの発明の実施形態における第2油圧に相当し、パックエンド圧より僅かに高く前進第4速段を設定することができない油圧がこの発明の実施形態における第3油圧に相当する。これらの油圧は実験などによって求めることができる。
また、前進第5速段から二段低速側の前進第3速段は、第1クラッチC1および第3クラッチC3を係合することによって設定される。そのため、前進第5速段から前進第4速段へのダウンシフトの終了後における前進第3速段へのダウンシフトに備えて、第3クラッチC3の油圧を増大して第3クラッチC3におけるクリアランスを詰めるパック詰め制御を行う。前進第5速段から三段低速側の前進第2速段は、第1クラッチC1および第1ブレーキB1を係合することによって設定される。そのため、前進第5速段から前進第4速段へのダウンシフトの終了後における前進第2速段へのダウンシフトに備えて、第1ブレーキB1の油圧を増大して第1ブレーキB1におけるクリアランスを詰めるパック詰め制御を行う。それらのパック詰め制御について簡単に説明すると、先ず、第3クラッチC3や第1ブレーキB1に対する油圧指令値を一時的に高めてそれらの油圧を増大し、第3クラッチC3や第1ブレーキB1におけるクリアランスを詰める。その後、各油圧指令値を前記クリアランスを維持できる程度の低い油圧の応じた値に低下させる。上述した第3クラッチC3や第1ブレーキB1がこの発明の実施形態における第3係合機構に相当する。また、第3クラッチC3や第1ブレーキB1で設定される「クリアランスを維持できる程度の低い油圧」は、それら第3クラッチC3や第1ブレーキB1でのパックエンド圧より僅かに低い油圧であり、これは実験などにより求めることができる。第3クラッチC3や第1ブレーキB1のパックエンド圧がこの発明の実施形態における第4油圧に相当し、「クリアランスを維持できる程度の低い油圧」がこの発明の実施形態における第5油圧に相当する。
ついで、車両の前後方向の加速度Gが閾値β以上であるか否かが判断される(ステップS5)。閾値βはステップS2での閾値αより大きい値となっている。このステップS5では、車両が加速しているか否かが判断される。このステップS5で肯定的に判断される場合としては、例えば、降坂路を走行している場合が挙げられる。ステップS5で肯定的に判断された場合には、ダウンシフトが実行される(ステップS6)。すなわち、第2クラッチC2の油圧を更に低下させて解放するとともに、第4クラッチC4の油圧を増大させて第4クラッチC4を完全に係合させる。その後、このルーチンを一旦終了する。一方、ステップS5で否定的に判断された場合には、ダウンシフトを行うことなく、このルーチンを一旦終了する。上述した閾値βがこの発明の実施形態における第2閾値に相当する。
上述したステップS2で否定的に判断された場合には、各係合機構に対して従来の変速制御が行われ、各係合機構の油圧は従来の変速制御での油圧に設定される(ステップS7)。その後、ステップS5に進む。
図4に示す制御を行った場合の車両の加速度G、第2クラッチC2などの解放側の係合機構の油圧指令値、第4クラッチC4などの係合側の他の係合機構の油圧指令値などの変化を図5にタイムチャートで示してある。t時点にブレーキペダルBが踏み込まれるものの、降坂路を走行していることにより、車両の加速度Gは徐々に増大する。所定時間が経過したt時点にプレ加速判定が行われる。t時点での加速度Gが閾値α以上である場合には、プレ加速判定の判定フラグがオンにされる。そして解放側の係合機構に対する油圧指令値を低下して、解放側の係合機構のトルク容量を、滑りを伴わずにトルクを伝達することができる程度の容量にまで低下させる制御が行われる。
また、係合側の他の係合機構に対する油圧指令値を増大させる。具体的には、前進第5速段から前進第4速段へのダウンシフトでは、図5に示すように、係合側の他の係合機構である第4クラッチC4の油圧指令値を一時的に急激に上昇させ、その後、第4クラッチC4で設定される油圧指令値を低下させる。いわゆるクイックアプライ制御を行うことにより、第4クラッチC4で設定される油圧を、第4クラッチC4でトルクを伝達し始めるパックエンド圧より僅かに高くかつ前進第4速段を設定できない油圧に速やかに設定する。
こうしてダウンシフトに備えた待機状態が設定される。その後、t時点に加速判定が行われる。現時点での加速度Gが閾値β以上である場合には、加速判定の判定フラグがオンにされ、直ちに、ダウンシフトが実行される。また、目標ギヤ段でトルクが伝達され始めるため、図5に示すように、t時点から直ちに加速度Gが低下し始める。その後、t時点で係合側の他の係合機構のトルク容量がライン圧などに応じた容量になることにより変速が終了し、変速後のギヤ段に応じたエンジン回転数、車両加速度になる。
図6は、前進第5速段から前進第4速段や前進第3速段へのダウンシフトを行う場合の第4クラッチC4の油圧、第3クラッチC3の油圧、第1ブレーキB1の油圧、エンジン回転数などの変化の一例を示すタイムチャートである。なお、図面を簡単にするため、上述したクイックアプライ制御による油圧の変化については、その記載を省略してある。また、図5に示すタイムチャートと同じ時点については、図5と同様の符号を付してある。t時点でプレ加速判定の判定フラグがオンにされると、上述したように、第2クラッチC2の油圧が低下され、第2クラッチC2の伝達トルク容量は滑りを伴わずにトルクを伝達する容量にまで低下される。また、図6に示すように、第4クラッチC4の油圧は、そのパックエンド圧より僅かに高くかつ前進第4変速段を設定することができない油圧に設定される。さらに、前進第3速段を設定する場合に係合される第3クラッチC3や、前進第2速段を設定する場合に係合される第1ブレーキB1の各クリアランスを詰めるパック詰め制御が行われる。第3クラッチC3や第1ブレーキB1は、パックエンド圧より僅かに低い油圧で待機させられる。
時点で加速判定の判定フラグがオンにされると、直ちに、第2クラッチC2は解放されるとともに第4クラッチC4の油圧は増大される。その後、t時点で前進第5速段から前進第4速段へのダウンシフトが終了する。なお、t時点での車両の加速度Gが閾値α以上であることにより前進第4速段から前進第3速段へのダウンシフトが予測される場合には、第3クラッチC3の油圧は、そのパックエンド圧より僅かに高い油圧に設定される。その後、t時点で時点で加速判定の判定フラグがオンにされると、直ちに、第4クラッチC4は解放されるとともに第3クラッチC3の油圧は増大される。t時点で前進第4速段から前進第3速段へのダウンシフトが終了する。
したがって、上述した変速制御では、ダウンシフトを行うことが予測されると、現在のギヤ段における解放側の係合機構は解放される直前の状態で待機し、目標ギヤ段における係合側の係合機構は微小トルクを伝達している状態で待機する。そのため、ダウンシフトを行うことの判断が成立することによりダウンシフトを開始してから、ダウンシフトが終了するまでに掛かる時間を短縮することができる。またダウンシフトが実行されると、直ちに目標ギヤ段でトルクが伝達され始めるため、車両の加速度Gが低下し始める。その結果、運転者の意図もしくは期待する加速度Gの低下と、運転者が実際に感じる加速度Gの低下との不一致もしくは乖離が少なくなり、運転者の抱く違和感や疲労感を解消しあるいは抑制することができる。また、ブレーキペダルBを踏み増すことを防止もしくは抑制することができ、車両の操作性や変速の応答性を向上することができる。
さらに、上述した変速制御では、現在のギヤ段から低速側に二段もしくは三段、連続してダウンシフトを行う場合に備えて、それらのギヤ段を設定する各係合機構に対してパック詰め制御を行って待機状態としている。そのため、連続してダウンシフトを行う場合であっても、速やかにダウンシフトを行うことができる。なお、係合側の係合機構は微小トルクを伝達している状態で待機することにより負荷が生じるとしても、惰性によって走行しているため、エンジンのトルクは可及的に小さくなっている。そのため、燃費や耐久性の低下を防止もしくは抑制することができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、上述した実施形態では係合機構をクラッチとしたが、この発明における係合機構はブレーキであってもよい。また、将来におけるダウンシフトの判断を加速度の変化に基づいて行うことに替えて、図示しないナビゲーションシステムの地図情報、サインポストや車車間通信などの外部から取得したいわゆるビッグデータなどを用いて、将来におけるダウンシフトを予測するように構成してもよい。
1…エンジン、 2…自動変速機、 4,5…係合機構、 10…ECU、 B…ブレーキペダル、 C1,C2,C3,C4,B1,B2…係合機構。

Claims (1)

  1. 複数の係合機構を有しており、前記複数の係合機構のうちいずれかの前記係合機構を油圧によって選択的に係合・解放することにより複数の変速段を設定する有段式の自動変速機がエンジンの出力側に設けられ、アクセルペダルがオフであってかつブレーキペダルの踏力が第1閾値以上であるとともに加速度が第2閾値以上の場合に、現時点の変速段を設定するために係合されていて前記変速段より変速比の大きい他の変速段では解放される第1係合機構の油圧を低下させて前記第1係合機構を解放し、前記変速段では解放されていて前記他の変速段を設定するために係合される第2係合機構の油圧を増大させて前記第2係合機構を係合することにより前記変速段から前記他の変速段へのダウンシフトを行うように構成された自動変速機の変速制御装置において、
    前記自動変速機の変速を制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記現時点での前記踏力が前記第1閾値以上であって、かつ、前記加速度が前記第2閾値に向けて増大している過程で前記第2閾値より小さい第3閾値以上となった場合に、
    前記第1係合機構の油圧を、前記トルクの伝達を維持することができる予め定めた第1油圧にまで低下させ、
    前記第2係合機構の油圧を、前記第2係合機構で前記トルクを伝達し始める第2油圧より高くかつ前記他の変速段を設定することができない予め定めた第3油圧に設定し、
    前記他の変速段より変速比の大きい更に他の変速段を設定する場合に係合される第3係合機構の油圧を、前記第3係合機構で前記トルクを伝達し始める第4油圧より低い予め定めた第5油圧に設定する
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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