JP2015129012A - レーザー印字紙容器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】医療・医薬業界向けの紙容器においては、レーザー印字の特性を生かして、製造ロットや有効期限などの情報を印字することへの強い要求がある。本発明においては、紙容器におけるレーザー印字ベタ印刷部分のムラを軽減し、良好なレーザー印字適性をもつ紙容器を提供することを目的とする。【解決手段】レーザー印字部を有するレーザー印字紙容器において、紙容器表面に下地インキ層と、ベタ印刷層がこの順に重ねて積層されており、レーザー印字部において印字形状に下地インキ層とベタ印刷層が除去されていることを特徴とするレーザー印字紙容器である。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー印字に適した紙容器およびその製造方法に関する。
レーザー印字はレーザーの照射によって、照射された部分の表面を変質、溶融、蒸発などさせて印字する方式であって、さまざまな素材や用途に広く用いられており、直接目で見る文字や記号のみならずCCDで読み取るバーコードなどの印字にも応用されている。
レーザー印字の特徴として、連番管理や写真画像の印字が可能であることのほか、非接触の印字方法であることから多様な材質への印字が可能であり、被印字物の形状の制限も少ないとされ、完成物への印字も可能である。
紙容器の場合には、印字用のスペースにベタ印刷を施しておきレーザー照射によって印字部分のベタ印刷インキを除去し、情報を表示することが行われている。
実用新案登録第3137881号公報
紙容器において、ベタインキ部分を設けレーザー印字を行う場合に、ベタ印刷部分に紙の凹凸や紙へのインキの浸透の不均一などでムラができてしまい、良好な印字適性が得られないことがあった。
一方で特に医療・医薬業界向けの紙容器においては、レーザー印字の特性を生かして、製造ロットや有効期限などの情報を鮮明に印字することへの強い要求がある。
本発明においては、紙容器におけるレーザー印字ベタ印刷部分のムラを軽減し、良好なレーザー印字適性をもつ紙容器およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、レーザー印字部を有するレーザー印字紙容器において、紙容器表面に下地インキ層と、ベタ印刷層がこの順に重ねて積層されており、レーザー印字部において印字形状に下地インキ層とベタ印刷層が除去されていることを特徴とするレーザー印字紙容器である。
また、請求項2に記載の発明は、下地インキ層に炭酸カルシウム系のマット剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー印字紙容器である。
また、請求項3に記載の発明は、ベタ印刷層にシリカ系の添加剤が配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー印字紙容器である。
また、請求項4に記載の発明は、レーザー印字部を有するレーザー印字紙容器の製造方法において、紙容器原紙に下地インキ層を設けた後、ベタ印刷層をこの順に重ねて設け、レーザー照射によりベタ印刷層および下地インキ層を除去し、紙地を露出させることで印字を行うことを特徴とするレーザー印字紙容器の製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、下地インキ層に炭酸カルシウム系のマット剤を配合したインキを用いることを特徴とする請求項4に記載のレーザー印字紙容器の製造方法である。
また、請求項6に記載の発明は、ベタ印刷層にシリカ系の添加剤を配合したインキを用いることを特徴とする請求項4または5に記載のレーザー印字紙容器の製造方法である。
本発明によれば、下地インキ層を設けることにより、ベタ印刷層のムラを軽減させることが可能になり、良好なレーザー印字適性を持つ紙容器およびその製造方法を提供することが可能になる。
本発明による、一実施形態の断面模式図である。
本発明の実施に関して、以下にその詳細を図1を参照して説明する。
レーザー印字紙容器(11)は紙を基材として表面に印刷部(5)を有し、またレーザー印字ベタ印刷部分(10)を有する。
紙基材(1)は通常紙容器に使用されるものであれば、特に種類を限定するものではない。
紙容器の場合には、内容物の表示や美粧性を付与するために印刷を施すことができる。
レーザー印字ベタ印刷部分(10)はまず紙基材(1)に下地インキ層(2)を設ける。
この下地インキ層(2)によって、紙の凹凸をカバーして平滑にすることができ、重ねて設けるベタ印刷層(3)への紙の凹凸の影響を排除することが可能になると同時にベタ印刷層(3)の紙への染み込みの不均一をなくすことができる。
すなわち下地インキ層(2)によって、ベタ印刷層(3)を均一な塗膜とすることが可能になる。
これら印刷部(5)、下地インキ層(2)、ベタ印刷層(3)を形成するには、グラビア印刷法をはじめオフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法など既知の印刷方法を用いて行うことができる。
印字はレーザーで照射してベタ印刷層(3)および下地インキ層(2)を除去して紙地を露出させ、印字部分(4)を形成する。
以下さらに発明を実施するための形態を詳しく説明する。
(印刷)
印刷に用いるインキは、用途に応じて安全性や臭気などの問題を考慮すれば、種類を限定する必要は無く、通常使用されているものを用いることができる。
(下地インキ層)
下地インキ層に用いるインキは、樹脂分に加えて炭酸カルシウム系のマット剤を配合したものが好ましく用いられる。
下地インキ層に用いるインキへの炭酸カルシウム系のマット剤の配合によって固形分が増し目止め効果によって、紙の凹凸をカバーすることができ、またベタ印刷層を均一な塗膜とすることができる。
さらに下地インキ層は白色のほか、用途や印字のデザインに応じて、着色することもでき
る。
(ベタ印刷層)
ベタ印刷層に用いるインキは、通常の着色インキにシリカ系の添加剤を配合したものが好ましく用いられる。
シリカ系の添加剤により紙への浸透を抑えることができ、ムラの解消に効果がある。
(紙基材)
医療・医薬用紙容器を想定して、一般に用いられる上質紙52.3g/mを用いた。
(印刷)
印刷はグラビア印刷機を用い、硝化綿系インキを用いた。
(レーザー印字ベタ印刷部分)
下地インキ層には硝化綿系の樹脂に炭酸カルシウム系のマット剤を配合して用い、淡色の藍で着色した。
ベタ印刷層は黒色の硝化綿系インキにシリカ系の添加剤を配合して用いた。
下地インキ層、ベタ印刷層ともにグラビア印刷機を用いて印刷を行った。
(印字)
印字は医療・医薬業界向けの紙容器の印字に用いられているレーザー印字機を用いて、ロットナンバーおよび有効期限の数字の印字を行った。
<比較例1>
(紙基材)
医療・医薬用紙容器を想定して、一般に用いられる上質紙52.3g/mを用いた。
(印刷)
印刷はグラビア印刷機を用い、硝化綿系インキを用いた。
(レーザー印字ベタ印刷部分)
下地インキ層は設けずに、レーザー印字ベタ印刷部分には通常の印刷層のまま淡色の藍色で形成されている。
ベタ印刷層は通常印刷で用いられる、濃藍色の硝化綿系インキを用いた。
通常の印刷層、ベタ印刷層ともにグラビア印刷機を用いて印刷を行った。
(印字)
印字は実施例1と同様に、医療・医薬業界向けの紙容器の印字に用いられているレーザー印字機を用いて、ロットナンバーおよび有効期限の数字の印字を行った。
(評価結果)
実施例1は比較例1に比べて、レーザー印字ベタ印刷部分のムラがなく、印字のコントラストもよく文字もはっきり読み取ることができ、印字品位が優れている結果であった。
これにより、本発明によって炭酸カルシウム系のマット剤を配合した下地インキ層を設けることにより、またベタ印刷層にシリカ系の添加剤を配合することにより、ベタ印刷層のムラを軽減させることが可能になり、良好なレーザー印字適性を持つ紙容器およびその製造方法を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・紙基材
2・・・下地インキ層
3・・・ベタ印刷層
4・・・印字部分
5・・・印刷部
10・・・レーザー印字ベタ印刷部分
11・・・レーザー印字紙容器

Claims (6)

  1. レーザー印字部を有するレーザー印字紙容器において、
    紙容器表面に下地インキ層と、ベタ印刷層がこの順に重ねて積層されており、
    レーザー印字部において印字形状に下地インキ層とベタ印刷層が除去されていることを特徴とするレーザー印字紙容器。
  2. 下地インキ層に炭酸カルシウム系のマット剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー印字紙容器。
  3. ベタ印刷層にシリカ系の添加剤が配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー印字紙容器。
  4. レーザー印字部を有するレーザー印字紙容器の製造方法において、
    紙容器原紙に下地インキ層を設けた後、ベタ印刷層をこの順に重ねて設け、
    レーザー照射によりベタ印刷層および下地インキ層を除去し、
    紙地を露出させることで印字を行うことを特徴とするレーザー印字紙容器の製造方法。
  5. 下地インキ層に炭酸カルシウム系のマット剤を配合したインキを用いることを特徴とする請求項4に記載のレーザー印字紙容器の製造方法。
  6. ベタ印刷層にシリカ系の添加剤を配合したインキを用いることを特徴とする請求項4または5に記載のレーザー印字紙容器の製造方法。
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