JP2015128378A - 水田作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】田面に種籾を供給又は苗を植え付ける複数の作業部20,48を左右方向に所定間隔を置いて並べて配置して、水田作業装置を構成する。右端部及び左端部の作業部20,48を作動させた状態で、右端部及び左端部の作業部20,48を除いた残りの作業部20,48のうちの特定の作業部20,48を、作動及停止状態に操作自在に構成する。
【選択図】図7
Description
本発明は、苗が発芽(成長)してからの中間作業が行い易いものとなる水田作業機を得ることを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
機体の後部に水田作業装置を備え、
田面に種籾を供給又は苗を植え付ける複数の作業部を左右方向に所定間隔を置いて並べて配置して、前記水田作業装置を構成し、
右端部及び左端部の前記作業部を作動させた状態で、右端部及び左端部の前記作業部を除いた残りの前記作業部のうちの特定の前記作業部を、作動及停止状態に操作自在な操作機構を備えている。
本発明の第1特徴によると、特定の作業部を停止状態に操作して直播作業(植付作業)を行うと、特定の作業部に対応する田面に種籾が供給されない状態で(苗が植え付けられない状態で)、残りの作業部から田面に種籾が供給される(苗が植え付けられる)。
この後に苗が発芽(成長)すると、特定の作業部に対応する田面の部分には苗が存在しないのであり、苗が存在しない田面の部分が一つの道のように水田に形成される。
乗用型管理機を水田に入れて中間作業を行う場合も同様に、乗用型管理機の車輪を苗が存在しない田面の部分に位置させることにより、乗用型管理機の車輪が苗を踏んだり倒したりすることを避けながら、乗用型管理機を容易に水田に入れて中間作業を行うことができる。
この場合、特定の作業部を停止状態に操作しておくと、苗が存在しない田面の部分が風の通り道となるので、水田の風通しを良いものにするこができる。
前項[I]−1に記載のように、特定の作業部を停止状態に操作して直播作業(植付作業)を行うと、苗が存在しない田面の部分が生じるので、収穫量という面で不利になることがある。
これにより、中間作業の必要性が少ない場合、特定の作業部を作動状態に操作して直播作業(植付作業)を行って、水田の全面に亘って種籾を供給するようにすればよい(苗を植え付けるようにすればよい)。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
右端部の前記作業部が機体の右の後輪の後方位置に対して右横外側に位置し、左端部の前記作業部が機体の左の後輪の後方位置に対して左横外側に位置しており、
機体の後輪の後方に位置する前記作業部を特定の前記作業部としている。
後輪の通過により溝が形成されたりして、後輪の後方位置の田面の部分は荒れていることが多いので、後輪の後方位置の田面の部分に種籾を供給することは(苗を植え付けることは)、この後の苗の発芽(成長)の面で不利になることがある。
これにより、特定の作業部を停止状態に操作することによって、後輪の後方位置という不利な部分に種籾の供給(苗の植え付け)が行われるという状態を少なくすることができて、苗の発芽(成長)の面で不利になる状態を少なくすることができる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記作業部に動力を伝動及び遮断自在なクラッチ部材を前記作業部の各々に備えて、
特定の前記作業部の前記クラッチ部材を遮断状態に操作することにより、特定の前記作業部を停止状態に操作するように構成している。
[III]−1
複数の作業部を左右方向に所定間隔を置いて並べて配置して水田作業装置を構成した場合、作業部に動力を伝動及び遮断自在なクラッチ部材を、作業部の各々に備えることがある。
従って、これまでのクラッチ部材の通常の使用形態では、水田の外形状等に応じて、例えば第1供給ライン(第1条)の作業部を停止状態に操作したり、第1及び第2供給ライン(第1及び第2条)の作業部を停止状態に操作したり、第1,2,3供給ライン(第1,2,3条)の作業部を停止状態に操作したり、第1,2,3,4供給ライン(第1,2,3,4条)の作業部を停止状態に操作したりすることがある(少数条クラッチとしての機能)。
前項[III]−1に記載の状態に対して、本発明の第3特徴によると、これまでのクラッチ部材の通常の使用形態(少数条クラッチとしての機能)において、既存の部材であるクラッチ部材を利用しているのであり、これまでのクラッチ部材の通常の使用形態(少数条クラッチとしての機能)に反する使用形態で、操作機構により特定の作業部を伝動及び停止状態に操作するように構成している。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
停止状態に操作された特定の前記作業部に対応する田面に位置するように、排水用の溝を形成する溝切り器を前記水田作業装置に設置可能に構成している。
本発明の第4特徴によれば、田面に排水用の溝を形成する場合、前項[I]−1に記載のように、特定の作業部を停止状態に操作すると(特定の作業部に対応する田面に種籾が供給されないようにすると(苗が植え付けられないようにすると))、停止状態に操作された特定の作業部に対応する田面に溝切り器を設置することにより、直播作業(植付作業)と同時に田面に排水用の溝を無理なく形成することができる。
図1及び図2に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3が上下揺動自在に支持されて、リンク機構3を上下に揺動駆動する油圧シリンダ4が備えられており、催芽状態で少し芽が出始めた状態の種籾や鉄コーティング処理された種籾を点播状態で田面Gに供給する15条型式の直播装置5(水田作業装置に相当)が、リンク機構3の後部に支持されて、水田作業機の一例である乗用型直播機が構成されている。
次に、直播装置5の全体のフレーム構成について説明する(その1)。
図5及び図9に示すように、左右方向の横フレーム6,8,9が備えられており、横フレーム6,8,9の右及び左端部に亘って前後方向の右及び左の縦フレーム16が連結され、横フレーム6に4個の前後方向の縦フレーム17が連結されて、平面視で枠状のフレームが構成されている。この枠状のフレームに各部が支持されて、直播装置5の全体が構成されている。
図5及び図9に示すように、横フレーム6においてローリング軸13の右及び左側部に右及び左の受け部6aが連結されており、リンク機構3を上限まで上昇させると、リンク機構3が横フレーム6の受け部6aに当たって、直播装置5がローリングしないように保持される。
次に、直播装置5の全体のフレーム構成について説明する(その2)。
図1,2,9に示すように、横フレーム6の右及び左端部にブラケット6bが連結されて、次の作業行程の目印を田面Gに形成する右及び左のマーカー18が、横フレーム6のブラケット6bの前後軸芯周りに上下に揺動自在に支持されている。これによって、田面Gに接地して田面Gに目印を形成する作用姿勢、及び田面Gから上方に位置した格納姿勢に、右及び左のマーカー18を操作する。
路上等においてガード部材19を下向き姿勢に変更して固定ピンにより固定すると、直播装置5を地面まで下降させた場合、ガード部材19を直播装置5のスタンドとして使用することができる。
整地部材67に4個の長孔67aが備えられている。これにより、整地部材67の長孔67aの範囲において、整地部材67のフレーム66への連結位置を上下に調節することができるのであり、整地部材67の4個の長孔67aのどの長孔67aを使用するかにより、整地部材67のフレーム66への連結位置を左右に調節することができる。
次に、直播装置5に支持されるフロート31,32及び昇降制御について説明する。
図1,2,7に示すように、中央側の右及び左のフロート31、外側の右及び左のフロート32の4個のフロート31,32が備えられており、4個のフロート31,32は同じものに構成されている。
これにより、直播装置5(縦フレーム17)とフロート31とが図12に示す基準姿勢に維持されるのであり、直播装置5が田面Gから設定高さに維持される(昇降制御)。
次に、前ホッパー23及び前繰り出し部20(作業部に相当)の支持構造について説明する。
図5,8,9に示すように、縦フレーム17の後部に上下向きのフレーム21が連結されて、フレーム21の上端部に亘って左右方向の横フレーム22が連結されており、8個の前繰り出し部20が左右方向に所定間隔を置いて並べて横フレーム22に連結されている。2個の前繰り出し部20の上部に亘って前ホッパー23が連結されており、8個の前繰り出し部20に対して4個の同一の前ホッパー23が備えられている。
この場合、8個の前繰り出し部20の上部に亘って、横長の単一の前ホッパー23を連結するように構成してもよい。
次に、後ホッパー46,47及び後繰り出し部48(作業部に相当)の支持構造について説明する。
図8,9,10,11に示すように、横フレーム8,9に亘って上下向きのフレーム30,44,45が連結されて、枠状のフレームが構成されている。フレーム44にボス部49が連結されており、ボス部49が左の縦フレーム16に連結された支持部材50の横軸芯P6周りに回転自在に支持されている。フレーム45に支持ピン51が連結されており、支持ピン51が右の縦フレーム16に連結された支持部材52の横軸芯P6周りに回転自在に支持されている。
この場合、7個の後繰り出し部48の上部に亘って、横長の単一の後ホッパー46を連結するように構成してもよい。
リンク機構3や直播装置5の全体のたわみ等により直播装置5が後下がり気味になり、作溝器55の高さが作溝器27の高さよりも低くなる傾向があるので、フロート31,32の底面よりも少し下方に作溝器27の下端部が位置するように、作溝器27の高さを設定した後、作溝器27と同じ高さになるように作溝器55の高さを設定する。このように作溝器27と同じ高さになるように作溝器55の高さを設定する際に、作溝器55の高さの調節範囲が大きいことが有効となる。
次に、後ホッパー46,47及び後繰り出し部48の姿勢変更について説明する。
図8,10,11に示すように、フレーム44に連結されたボス部49が、左の縦フレーム16に連結された支持部材50の横軸芯P6周りに回転自在に支持され、フレーム45に連結された支持ピン51が、右の縦フレーム16に連結された支持部材52の横軸芯P6周りに回転自在に支持されている(前項[6]参照)。
左の縦フレーム16の後端部に連結された支持板16cにフレーム44を当てて、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57の重量を左の縦フレーム16の支持板16cに支持させることにより、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を後方に倒れた非作業姿勢とすることができる。
図10に示すように、横フレーム8,9を図5及び図6の紙面反時計方向に付勢するバネ60が、ボス部49に外嵌されて支持部材50とフレーム44とに亘って取り付けられており、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を上方に持ち上げる際に、バネ60の付勢力が補助となる。
次に、前及び後繰り出し部20,48の配置について説明する(その1)。
図3,4,7に示すように、前後方向に沿った15個の第1〜15供給ラインL1〜L15が、左右方向に所定間隔W1を置いて田面Gに設定されており、左端部の供給ラインを第1供給ラインL1として、右側に第2〜15供給ラインL2〜L15が設定されている。この場合、隣接する供給ラインの間隔(所定間隔W1)は、150mm程度に設定されている。
前及び後繰り出し部20,48が前後方向視において左右方向にずれることになるのであり、前後方向視において前繰り出し部20の間に、後繰り出し部48が位置する状態となる。この場合に、前繰り出し部20の数と後繰り出し部48の数との差が1個であるので、前後方向視において隣接する前繰り出し部20の間の全てに、後繰り出し部48が配置されている。
これにより、中央の供給ライン(第8供給ラインL8)の右及び左側に同数の前繰り出し部20が左右対称に配置されるのであり、中央の供給ライン(第8供給ラインL8)に中央の後繰り出し部48が配置され、中央の後繰り出し部48の右及び左側に同数の後繰り出し部48が左右対称に配置される状態となる。
次に、前及び後繰り出し部20,48の配置について説明する(その2)。
図3及び図7に示すように、右の後輪2の後方に6番目の後繰り出し部48(第12供給ラインL12)(特定の作業部に相当)が位置しており、左の後輪2の後方に2番目の後繰り出し部48(第4供給ラインL4)(特定の作業部に相当)が位置している。
次に、前及び後繰り出し部20,48への伝動構造について説明する。
図4,5,9に示すように、横フレーム6の中央部の上部に、ボス部68が支持部材78を介して前後向きに連結されて、ボス部68の後端部にベベルギヤケース69が連結されており、横フレーム22の左端部及び支持部材50に亘って平板状の支持板70が連結されている。ボス部68に入力軸71が回転自在に支持されており、機体の前部に備えられたエンジン7の動力が伝動軸95を介して入力軸71に伝達されている。
図5,10,11に示すように、伝動軸75が横軸芯P6(ボス部49及び支持ピン51)と同芯状に配置されているので、前項[7]に記載のように後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を作業及び非作業姿勢に操作しても、伝動軸75等に無理は生じない。
伝動軸73,75のクラッチ部材73b,75bが出力ギヤ73a,75aに咬合した伝動状態において、伝動軸73,75の動力が伝動軸73,75の出力ギヤ73a,75aから前繰り出し部20の入力ギヤ20a(後繰り出し部48の入力ギヤ48a)に伝達されて、前繰り出し部20(後繰り出し部48)が作動する(作動状態)。
次に、前及び後繰り出し部20,48の作動及び停止状態に操作する構造について説明する(少数条クラッチとしての機能)。
図4に示すように、前繰り出し部20に亘って左右方向に1本の操作軸79が回転自在に架設されており、伝動軸73のクラッチ部材73bに対応するように、8個のカム部材79aが操作軸79に連結されている。操作軸79の右端部にレバー状の操作具80が連結されており、円板状の操作具ガイド81が横フレーム22の右端部に連結されている。
第1位置(全ての前繰り出し部20が作動状態)。
第2位置(1,2番目の前繰り出し部20(第1,3供給ラインL1,L3)が停止状態で、これ以外の前繰り出し部20が作動状態)。
第3位置(1〜4番目の前繰り出し部20(第1,3,5,7供給ラインL1,L3,L5,L7)が停止状態で、これ以外の前繰り出し部20が作動状態)。
第4位置(1〜6番目の前繰り出し部20(第1,3,5,7,9,11供給ラインL1,L3,L5,L7,L9,L11)が停止状態で、これ以外の前繰り出し部20が作動状態)。
第5位置(7,8番目の前繰り出し部20(第13,15供給ラインL13,L15)が停止状態で、これ以外の前繰り出し部20が作動状態)。
第6位置(5〜8番目の前繰り出し部20(第9,11,13,15供給ラインL9,L11,L13,L15)が停止状態で、これ以外の前繰り出し部20が作動状態)。
第7位置(3〜8番目の前繰り出し部20(第5,7,9,11,13,15供給ラインL5,L7,L9,L11,L13,L15)が停止状態で、これ以外の前繰り出し部20が作動状態)。
第8位置(全ての前繰り出し部20が停止状態)。
第1位置(全ての後繰り出し部48が作動状態)。
第2位置(1,2番目の後繰り出し部48(第2,4供給ラインL2,L4)が停止状態で、これ以外の後繰り出し部48が作動状態)。
第3位置(1〜4番目の後繰り出し部48(第2,4,6,8供給ラインL2,L4,L6,L8)が停止状態で、これ以外の後繰り出し部48が作動状態)。
第4位置(1〜5番目の後繰り出し部48(第2,4,6,8,10供給ラインL2,L4,L6,L8,L10)が停止状態で、これ以外の後繰り出し部48が作動状態)。
第5位置(6,7番目の後繰り出し部48(第12,14供給ラインL12,L14)が停止状態で、これ以外の後繰り出し部48が作動状態)。
第6位置(5〜7番目の後繰り出し部48(第10,12,14供給ラインL10,L12,L14)が停止状態で、これ以外の後繰り出し部48が作動状態)。
第7位置(3〜7番目の前繰り出し部20(第6,8,10,12,14供給ラインL6,L8,L10,L12,L14)が停止状態で、これ以外の後繰り出し部48が作動状態)。
第8位置(全ての後繰り出し部48が停止状態)。
次に、溝切り器87について説明する。
図5及び図7に示すように、右及び左の後輪2の後方位置で、且つ、平面視で特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)の前方位置(前繰り出し部20(前ホッパー23)よりも前側)に、溝切り器87が配置されている。
これにより、溝切り器87の中央部87aにより田面Gに排水用の溝Mを形成するのであり、排水用の溝Mの右及び左横側に盛り上がる泥を、溝切り器87の横側部87bで押圧して平滑にする。
次に、溝切り器87を作用及び退避姿勢に姿勢変更する構造について説明する。
図5,8,19に示すように、横フレーム12において溝切り器87の上方に位置する部分に、一対の支持板90が連結されて前方に延出されている。支持板90の前部の間に亘ってピン90aが連結されており、支持板90の前部の間に亘ってピン90bが挿入されて、ピン90bが支持板90の両方の横外側に突出している。
図17(B)に示す操作ロッド92の第1状態において、操作ロッド92により溝切り器87が横軸芯P7周りに上方に操作されて、田面Gから上方に離れた退避姿勢となる。
図17(A)に示す操作ロッド92の第2状態において、操作ロッド92により溝切り器87が横軸芯P7周りに下方に操作されて、特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)に対応する田面Gに接地して排水用の溝Mを形成する作用姿勢となる。
次に、特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)と溝切り器87との関係について説明する(その1)。
図4,7,10に示すように、横フレーム9において、特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)のクラッチ部材75bに対応する部分に、ガイド部材97が連結されている。丸棒材を折り曲げて構成された操作部材98が、ガイド部材97により伝動軸75と平行に左右方向に移動自在に支持されており、操作部材98の一端が特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)のクラッチ部材75bに係合している。
ワイヤ99は、操作ロッド92(横フレーム12の受け部材12a)から上方に延出されて、円弧状に曲がりながら下方に延出され、円弧状に曲がりながら左の横外側に延出されて、平面視で左の横向きに突出する円弧状となるように曲がりながら、1番目の前繰り出し部20(第1供給ラインL1)の左の横外側を通過して、特定の後繰り出し部48(第4供給ラインL4)のクラッチ部材75b(操作部材98)に接続されている。
ワイヤ99は、操作ロッド92(横フレーム12の受け部材12a)から上方に延出されて、円弧状に曲がりながら下方に延出され、円弧状に曲がりながら左の横外側に延出されて、平面視で左の横向きに突出する円弧状となるように曲がりながら、4番目及び5番目の前繰り出し部20(第7及び第9供給ラインL7,L9)の間を通過して、特定の後繰り出し部48(第12供給ラインL12)のクラッチ部材75b(操作部材98)に接続されている。
次に、特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)と溝切り器87との関係について説明する(その2)。
前項[13][14]に記載の構造により、図7及び図17(B)に示すように、操作ロッド92を第1状態に操作すると、操作ロッド92により溝切り器87が横軸芯P7周りに上方に操作されて退避姿勢となる。
第1状態において前項[11]に記載のように、操作具80,83を第1〜8位置に操作することにより、前項[11]に記載の第1〜8位置の状態が得られる。
操作ロッド92を第2状態に操作すると、これと同時にワイヤ99のインナー99aが操作ロッド92側に引き操作されて、特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)のクラッチ部材75bが遮断状態となる(特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)の停止状態)。
第2状態において前項[11]に記載のように、操作具80,83を第1〜8位置に操作すると、前項[11]に記載の第1〜8位置の各々の状態において、特定の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)が停止状態となる。
次に、前及び後繰り出し部20,48の繰り出し量の調節構造について説明する。
図4及び図8に示すように、前繰り出し部20の繰り出し量を調節する調節ギヤ20bが、前繰り出し部20の右側面に備えられている。前繰り出し部20に亘って左右方向に1本の操作軸85が回転自在及び軸芯方向にスライド自在に架設されており、前繰り出し部20の調節ギヤ20bに対応するように、8個の調節ギヤ85aが操作軸85に連結されている。操作軸85の右端部にハンドル部85bが備えられており、通常の状態では、前繰り出し部20の調節ギヤ20bと操作軸85の調節ギヤ85aとは咬合していない。
この後、操作軸85,86のハンドル部85b,86bにより操作軸85,86を回転操作して、前及び後繰り出し部20,48の調節ギヤ20b,48bを回転させて、前及び後繰り出し部20,48の繰り出し量を調節する。この場合、全ての前繰り出し部20の繰り出し量を同時に調節することができるのであり、全ての後繰り出し部48の繰り出し量を同時に調節することができる。
次に、乗用型直播機の作業形態について説明する。
例えば図20に示すように、平面視で四角形の水田において、乗用型直播機は以下のような作業形態を採用することがある。
作業行程L02において、右のマーカー18を格納姿勢に操作し、左のマーカー18を作用姿勢に操作して、作業行程L01において田面Gに形成された指標に沿って機体を走行させることにより、直播作業を行いながら、左のマーカー18により次の作業行程L03の指標を田面Gに形成する。
これにより、隣接する作業行程L01〜L06における排水用の溝の間隔W3は、第12〜第15供給ラインL12〜L15の2回分(第1〜第4供給ラインL1〜L4の2回分)に相当して、所定間隔W1(図3及び図4参照)の7倍となる。
この場合、右の溝切り器87を作用姿勢に操作して、左の溝切り器87を退避姿勢に操作すると(左の溝切り器87を作用姿勢に操作して、右の溝切り器87を退避姿勢に操作すると)、作業行程L01〜L06の各々において片側にだけ排水用の溝Mが形成されるので、田面Gに排水用の溝Mが不等間隔で形成されることになる。
前述の[発明を実施するための形態]において、右の後輪2の後方位置の溝切り器87を廃止して、左の後輪2の後方位置のみに溝切り器87を備えてもよく、このように構成すると、特定の作業部は2番目の後繰り出し部48(第4供給ラインL4)となる。
左の後輪2の後方位置の溝切り器87を廃止して、右の後輪2の後方位置のみに溝切り器87を備えてもよく、このように構成すると、特定の作業部は6番目の後繰り出し部48(第12供給ラインL12)となる。
右及び左の後輪2の後方位置の溝切り器87を廃止して、直播装置5の中心CLのみに溝切り器87を備えてもよく、このように構成すると、特定の作業部は4番目の後繰り出し部48(第8供給ラインL8)となる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、溝切り器87を全く備えないように構成してもよい。このように構成すると、特定の作業部を停止状態とすると、特定の作業部に対応する田面Gにおいて、種籾が供給されず且つ排水用の溝Mが形成されない状態が得られる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、操作ロッド92を廃止し、溝切り器87を作用及び退避姿勢に操作する電動モータ(図示せず)、特定の作業部を作動及び停止状態に操作する電動モータ(図示せず)(操作機構に相当)を備え、運転者が操作する操作スイッチ(図示せず)の操作信号に基づいて、電動モータにより溝切り器87が作用及び退避姿勢に操作され、電動モータにより特定の作業部が作動及び停止状態に操作されるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、鉄コーティング処理された種籾を田面Gに供給する場合、作溝器27,55を廃止して、前及び後繰り出し部20,48から繰り出された種籾が、溝の形成されていない田面Gに供給されるように構成してもよい。
カルパコーティング処理された種籾を田面Gに供給する場合、作溝器27,55により少し深い溝が田面Gに形成されるように構成して、溝に種籾が供給されるように構成し、溝を埋め戻す覆土部材(図示せず)を作溝器27,55の後方に備えるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、前及び後繰り出し部20,48を以下の(1)〜(9)に示すように配置してもよい。
このように構成すると、後輪2が第4及び第12供給ラインL4,L12に位置するとすれば、後輪2の後方位置の特定の作業部は、2番目及び6番目の前繰り出し部20(第4及び第12供給ラインL4,L12)となる。
このように構成すると、後輪2が第4及び第12供給ラインL4,L12に位置するとすれば、後輪2の後方位置の特定の作業部は、2番目及び6番目の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)となる。
このように構成すると、後輪2が第4及び第12供給ラインL4,L12に位置するとすれば、後輪2の後方位置の特定の作業部は、2番目及び6番目の前繰り出し部20(第4及び第12供給ラインL4,L12)となる。
このように構成すると、後輪2が第4及び第12供給ラインL4,L12に位置するとすれば、後輪2の後方位置の特定の作業部は、1番目及び5番目の後繰り出し部48(第4及び第12供給ラインL4,L12)となる。
このように構成すると、後輪2が第4及び第12供給ラインL4,L12に位置するとすれば、後輪2の後方位置の特定の作業部は、1番目及び5番目の前繰り出し部20(第4及び第12供給ラインL4,L12)となる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、前及び後繰り出し部20,48を前後に配置するのではなく、全ての繰り出し部を左右方向に一列に配置するように構成してもよい。
直播装置5に代えて、田面Gに苗を植え付ける苗植付装置(水田作業装置に相当)(図示せず)を機体の後部に備えた乗用型田植機にも、本発明は適用できる。この場合、苗植付装置において、田面Gに苗を植え付ける植付アーム(図示せず)が作業部となるのであり、隣接する植付アームの間隔(所定間隔)(条間)を一般的な300〜250mmとすればよい。
5 水田作業装置
20,48 作業部
75b クラッチ部材
87 溝切り器
92 操作機構
G 田面
M 排水用の溝
Claims (4)
- 機体の後部に水田作業装置を備え、
田面に種籾を供給又は苗を植え付ける複数の作業部を左右方向に所定間隔を置いて並べて配置して、前記水田作業装置を構成し、
右端部及び左端部の前記作業部を作動させた状態で、右端部及び左端部の前記作業部を除いた残りの前記作業部のうちの特定の前記作業部を、作動及停止状態に操作自在な操作機構を備えている水田作業機。 - 右端部の前記作業部が機体の右の後輪の後方位置に対して右横外側に位置し、左端部の前記作業部が機体の左の後輪の後方位置に対して左横外側に位置しており、
機体の後輪の後方に位置する前記作業部を特定の前記作業部としている請求項1に記載の水田作業機。 - 前記作業部に動力を伝動及び遮断自在なクラッチ部材を前記作業部の各々に備えて、
特定の前記作業部の前記クラッチ部材を遮断状態に操作することにより、特定の前記作業部を停止状態に操作するように構成している請求項1又は2に記載の水田作業機。 - 停止状態に操作された特定の前記作業部に対応する田面に位置するように、排水用の溝を形成する溝切り器を前記水田作業装置に設置可能に構成している請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
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