JP2015127367A - 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体チップと回路基板との間を毛細管現象によって封止する際に、シリカの沈降によるフローマークを抑制することができる半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】常温で液状のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填剤としてシリカを含有する半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤として、二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤とを65:55〜5:1の質量比で含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いて接着または封止した半導体装置に関する。
近年、樹脂封止型半導体装置は、高密度化、高集積化、および動作の高速化の傾向にあり、パッケージ形態はピン挿入型から表面実装型に移行するとともに小型、薄型化が積極的に行われてきた。
しかし樹脂封止型半導体装置は、半導体チップのサイズに比べてパッケージの外形がかなり大きく、高密度実装の観点からは非効率である。そのため、従来型のパッケージよりもさらに小型化、薄型化できる半導体チップのパッケージが要求されている。
そこで、パッケージ用基板に半導体チップを搭載する方法として、実装効率のほか電気特性、多ピン化対応に優れるフリップチップ実装の採用が増えている。
フリップチップ実装では、半導体チップの外部接続用パッドにバンプ電極を直接形成し、このバンプ電極を用いて回路基板にフェースダウンで接続、搭載する。そして半導体チップと回路基板との隙間には封止材料としてアンダーフィルが充填される。
アンダーフィルは、バンプを保護し、半導体チップと回路基板との熱膨張率の差異により発生するはんだ接合部の応力を緩和し、耐湿性、気密性を確保するなどの機能を有している。
フリップチップ実装に用いられる封止材料としては、常温で液状のエポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤、シリカ等の無機充填剤などを配合した液状のエポキシ樹脂組成物が代表的なものとして用いられている(特許文献1、2)。
従来、このエポキシ樹脂組成物には、回路基板との密着性や半導体装置の信頼性を高める等の目的でシランカップリング剤が配合されている。
特開2009−149820号公報 特開2007−091849号公報
しかしながら、アンダーフィルは、毛細管現象を利用しフリップチップと基板との間に浸透させるが、浸入距離が長くなると無機充填剤のシリカが沈降し、フローマークが発生してしまう。フローマークが発生すると、流動起因による巻き込みボイドの懸念や、硬化後の種々の環境試験中に不具合が生じる懸念がある。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、半導体チップと回路基板との間を毛細管現象によって封止する際に、シリカの沈降によるフローマークを抑制することができる半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供することを課題としている。
この課題を解決するために、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物は、常温で液状のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填剤としてシリカを含有する半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤として、二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤とを65:55〜5:1の質量比で含有することを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体チップと回路基板との間が封止されていることを特徴とする。
本発明によれば、半導体チップと回路基板との間を毛細管現象によって封止する際に、シリカの沈降によるフローマークを抑制することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂として、常温で液状のエポキシ樹脂が使用される。
なお、本明細書において「常温で液状」とは、大気圧下での5〜28℃の温度範囲、特に室温18℃前後において流動性を持つことを意味する。エポキシ樹脂の粘度は、25℃において250P以下であることが好ましく、1〜250Pであることがより好ましい。粘度をこの範囲にすると、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の作業性を良好なものとすることができる。
常温で液状のエポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば、その分子量、分子構造は特に限定されず各種のものを用いることができる。
具体的には、例えば、グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型、オレフィン酸化型(脂環式)などの各種の液状のエポキシ樹脂を用いることができる。
さらに具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂などの水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジル基含有シリコーン樹脂などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、官能基数が3個または4個の多官能エポキシ樹脂や、その他脂環式エポキシ樹脂やグリシジルアミン型エポキシ樹脂の3官能タイプ、4官能タイプなども用いることができる。
これらの中でも、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の低粘度化と硬化物の物性を考慮すると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、次式で表わされるエポキシ樹脂などが挙げられる。
Figure 2015127367
(式中、R1〜R8は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数6〜10のアラルキル基を示し、全てが同一でも互いに異なっていてもよい。pは0〜20、好ましくは0〜10の整数を示す。)
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物において、常温で液状のエポキシ樹脂との混合物全体として常温で液状となれば、常温で固形のエポキシ樹脂を配合してもよい。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂の硬化剤が配合される。このような他の硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、酸無水物類、アミン類、イミダゾール類、フェノール類、ヒドラジド類、ポリメルカプタン類、ルイス酸−アミン錯体などを用いることができる。中でも、低粘度化、保存安定性、硬化物の耐熱性などを考慮すると、酸無水物類、アミン類、イミダゾール類、フェノール類を用いることが好ましい。
酸無水物類としては、例えば、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1−イソプロピル−4−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミン類としては、分子内に1級または2級アミノ基を少なくとも一つ有している化合物を用いることができ、低アウトガス性、保存安定性、および硬化物の耐熱性の観点から芳香族アミン類が望ましい。芳香族アミン類としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルフィド、メタキシレンジアミン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルトルエンジアミン、アニリン類、アルキル化アニリン類、N−アルキル化アニリン類などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イミダゾール類としては、例えば、2MZ、C11Z、2PZ、2E4MZ、2P4MZ、1B2MZ、1B2PZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、2PZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CNS、C11Z−CNS、2MZ−A、C11Z−A、2E4MZ−A、2P4MHZ、2PHZ、2MA−OK、2PZ−OK(四国化成工業株式会社製、製品名)などや、これらのイミダゾール類をエポキシ樹脂と付加させた化合物などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これら硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質などで被覆してマイクロカプセル化したものを用いることもできる。
フェノール類としては、例えば、ビスフェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アリル化フェノールノボラック樹脂、ビフェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂、キシリレン変性フェノールノボラック樹脂、キシリレン変性ナフトールノボラック樹脂、各種多官能フェノール樹脂などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤の配合量は、好ましくは、硬化剤のエポキシ樹脂に対する化学量論上の当量比(硬化剤当量/エポキシ基当量)が0.6〜1.4となる量が好ましい。当量比がこの範囲内であると、エポキシ樹脂に対する硬化剤の適正な配合量とすることができ、硬化不足、硬化物の耐熱性低下、硬化物の強度低下、硬化物の吸湿量の増加等を抑制できる。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤が配合される。硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に封止材料に使用されているものを広く使用することができる。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などのシクロアミジン類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物における硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤の合計量に対して0.05〜5質量%が好ましい。硬化促進剤の配合量をこの範囲内にすると、硬化反応が促進され、かつ、ゲル化時間が短くなり過ぎることも抑制できる。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物には、無機充填剤としてシリカが配合される。シリカとしては、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、微粉シリカなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの形状は、破砕状、針状、リン片状、球状など特に限定されないが、分散性や粘度制御の観点から、球状のものを用いることが好ましい。
中でも、溶融シリカ、特に溶融球状シリカが好ましい。溶融シリカの平均粒子径は、フリップチップ接続した際の半導体チップと基板の間の空隙よりも平均粒径が小さいものであればよいが、充填密度や粘度制御の観点から、平均粒径50μm以下のものが好ましく、0.2〜50μmのものがより好ましく、10〜50μmのものがさらに好ましい。ここで平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法によってメジアン径(d50)として求めることができる。
さらに、粘度や硬化物の物性を調整するために、粒径の異なる無機充填剤を2種以上組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤としては、シリカに加えて、例えば、アルミナ、窒化珪素、マグネシアなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物における無機充填剤の配合量は、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の全量に対して5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。この範囲内であると、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を適正な粘度にすることができ、熱膨張係数を小さくすることができるため、取扱い性及び半導体装置の信頼性を高めることができる。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤として、二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤が配合される。
二量体以上のエポキシシランカップリング剤にてシリカ表面を処理し、単量体のシランカップリング剤にて更にシリカ表面に吸着させることでエポキシ樹脂とシリカとの親和性を高めることができる。そして分子量の異なる2種類以上のシランカップリング剤に効果的な相互作用を持たせることで、アンダーフィル充填の際に浸入距離が延びてもシリカの沈降を抑制することができる。
すなわち、シランカップリング剤を2種類以上用いることでシリカ表面への修飾がより効果的になり、更に二量体以上のエポキシシランを使用することでシリカ表面の空間に空隙を持たせ、その中に単量体のシランカップリング剤が効果的に存在することで、エポキシ樹脂組成物としてシリカ−エポキシ間の親和性が飛躍的に向上するため、アンダーフィルとして流動中にシリカが沈降してフローマークが発生することを抑制できる。
二量体以上のエポキシシランカップリング剤としては、シリコーンアルコキシオリゴマーと称されるもの、例えば信越化学工業株式会社製「X41−1056」などを用いることができる。例えば、有機置換基がエポキシ、又はエポキシ/メチルで、アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基であり、且つ、粘度10〜60mm2/s、アルコキシ基量15〜50質量%、エポキシ当量250〜850g/molのものが考慮される。
極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤としては、極性基としてアミノ基又はメルカプト基を含有するものが挙げられる。例えば、炭素数1〜4のアルキル基の末端に極性基を有する官能基がシリカに結合したものが挙げられる。
この単量体のシランカップリング剤としては、例えば、下記一般式(II)で表されるアミノシランカップリング剤を用いることができる。
Figure 2015127367
(式中、kは1〜9の整数、mは1〜3の整数、nは1〜9の整数、R1は水素原子または炭素数が9までのアルキル基またはフェニル基、R2は炭素数が9までのアルキル基またはフェニル基を示す。)
具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また極性基としてメルカプト基を含有する単量体のシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン等のメルカプトシランが挙げられる。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物は、二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤とを65:55〜5:1の質量比で含有する。質量比がこの範囲内であると、フローマークを抑制することができ、アンダーフィル充填の際の浸入性、硬化物のガラス転移温度、液状封止剤としての粘度も良好である。
二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤の配合量は、無機充填剤100質量部に対して0.2〜8.0質量%が好ましい。この範囲内であると、フローマークを抑制することができ、アンダーフィル充填の際の浸入性、硬化物のガラス転移温度、液状封止剤としての粘度も良好である。
二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤は、予め常法に従って無機充填剤のシリカに表面処理し、このシランカップリング剤で表面処理したシリカを配合して本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を調製する。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、さらに他の添加剤を配合することができる。このような他の添加剤としては、例えば、消泡剤、レベリング剤、低応力剤、着色剤などが挙げられる。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物は、例えば、次の手順で製造することができる。主剤、硬化剤、およびその他の添加剤を同時にまたは別々に配合し、必要に応じて加熱処理や冷却処理を行いながら、撹拌、溶解、混合、分散を行う。次に、この混合物に無機充填剤を加え、必要に応じて加熱処理や冷却処理を行いながら、再度、撹拌、混合、分散を行うことにより、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を得ることができる。この撹拌、溶解、混合、分散には、ディスパー、プラネタリーミキサー、ボールミル、3本ロールなどを組み合わせて用いることができる。
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物は、作業性や加工性の観点から、25℃で液状であることが好ましい。また、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において100Pa・s以下であることが好ましく、70Pa・s以下であることがより好ましく、50Pa・s以下であることがさらに好ましい。粘度をこの範囲にすると、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の注入を行う際の作業性の低下を抑制できる。
次に、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を用いて製造される半導体装置について説明する。
本発明の半導体装置は、複数のバンプが形成された半導体チップと、バンプと電気的に接続された複数の電極を有する基板と、基板と半導体チップとの間に配置された封止樹脂とを備えている。
封止樹脂は、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物から形成され、基板と半導体チップとの間の空隙を封止している。
基板は、インターポーザーなどの絶縁基板と、この基板の一方の面上に設けられた配線とを備える。基板の配線と半導体チップとは、複数のバンプによって電気的に接続されている。また、基板は、配線が設けられた面と反対側の面に電極パッドと、電極パッド上に設けられたはんだボールとを有しており、他の回路部材との接続が可能となっている。
基板は、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミックなどの絶縁基板上に、銅などの金属材料からなる金属層を形成し、金属層の不要な箇所をエッチングにより除去することによって配線パターンが形成されたもの、上記の絶縁基板表面に導電性物質を印刷して配線パターンを形成したものを用いることができる。配線の表面には、低融点はんだ、高融点はんだ、スズ、インジウム、金、ニッケル、銀、銅、パラジウムなどからなる金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。
半導体チップとしては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウムなどの元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体など、各種半導体を用いることができる。
バンプの材質としては、低融点はんだ、高融点はんだ、スズ、インジウム、金、銀、銅などが挙げられる。バンプは、単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、バンプは、これらの成分からなる金属層を含む積層構造を有してもよい。なお、バンプは半導体チップに形成されていてもよいし、基板に形成されていてもよいし、半導体チップと基板の両方に形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置として、具体的には、CSP(チップサイズパッケージ)やBGA(ボールグリッドアレイ)などが挙げられる。
本発明の半導体装置(半導体パッケージ)を搭載する基板としては、通常の回路基板が挙げられ、この基板は、インターポーザーに対してマザーボードと呼ばれるものを指す。
本発明の半導体装置は、例えば、次の方法で製造することができる。ロジン系フラックスを半導体チップに形成されたはんだバンプ表面に、フラックス塗布装置を用いて塗布した後、チップマウンターを用いて半導体チップと回路基板を位置合わせして、圧着することによって半導体チップを基板上の所定の位置に配置する。次に、リフロー装置を用いて、所定の加熱プロファイルにて加熱処理を行い、はんだバンプを溶解させて半導体チップと基板をフリップチップ接続する。次に、フラックスの残渣を溶剤で洗浄した後、100〜120℃に加熱した状態で、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を滴下し、半導体チップと基板の間の空隙に毛細管現象を利用して注入する。注入完了後、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を硬化させるため、120〜170℃に加熱した加熱オーブン中で0.5〜5時間加熱処理を行う。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
表1に示す配合成分として、以下のものを用いた。
(エポキシ樹脂)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)「828」、エポキシ当量189、常温で液状(粘度120〜150P/25℃)
(硬化剤)
・酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)「MH−700」、酸無水物当量166
(硬化促進剤)
イミダゾール類、四国化成工業(株)「1M2PZ」
(無機充填剤)
・シリカ、(株)トクヤマ「SE15」、平均粒径15μm
(シランカップリング剤)
・単量体エポキシシランカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)「KBM−403」
・二量体エポキシシランカップリング剤、信越化学工業(株)「X41−1056」
・N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)「KBM−573」
表1に示す配合量で各成分を配合し、常法に従って撹拌、溶解、混合、分散することにより半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
このようにして調製した実施例および比較例の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物について次の評価を行った。
[粘度]
半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を200ccのポリ瓶に秤量し、B型粘度計にて測定し(25℃)、粘度の測定値を以下の通り判別した。
○:10Pa・s以上30Pa・s未満
△:30Pa・s以上50Pa・s未満
×:50Pa・s以上
[Tg]
半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物をガラス板で挟みこみ、硬化させた後、長さ15mm、厚さ3mm、幅3mmの試験片を作製した。硬化条件は150℃/2hとした。TMAによりTgを測定し、次の基準により判別した。
○:80℃以上
△:50以上80℃未満
×:50℃未満
[浸入性]
予め50μmのギャップになるように2枚のガラスを重ねて、100℃に加熱し、高温の浸入性試験を行った。半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物が20mmに到達する時間を測定し、次の基準により判別した。
○:200s以下
△:200s超250s未満
×:250s以上
[フローマーク]
上記浸入性試験で、浸入の先端の形状をマイクロスコープにて観察し、フローマークの有無を確認し、次の基準により判別した。
○:フローマークなし
×:フローマークあり
評価結果を表1に示す。
Figure 2015127367
表1より、シランカップリング剤として、二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤とを特定の質量比で含有する実施例のエポキシ樹脂組成物は、フローマークが抑制され、粘度、Tg、浸入性も良好であった。

Claims (2)

  1. 常温で液状のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填剤としてシリカを含有する半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤として、二量体以上のエポキシシランカップリング剤と、極性基を含みシランに結合する官能基を有する単量体のシランカップリング剤とを65:55〜5:1の質量比で含有することを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体チップと回路基板との間が封止されていることを特徴とする半導体装置。
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