JP2015127103A - 光透過性導電材料積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】投影型静電容量方式を用いたタッチパネルに好適であり、優れた光透過性と導電性を有し、かつ長時間の使用による銀配線の色調や導電性の変動が改善された導電材料積層体を提供する。【解決手段】基材11上に銀配線パターン12を有する導電材料の銀配線パターンを有する側の面に、粘着剤層13および光透過性機能材料14を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体1であって、該銀配線パターン12は、線幅が15μm以下の細線と、線幅が25μm以上の細線を有し、該光透過性機能材料14の少なくとも一方の面に紫外線吸収層15を有する光透過性導電材料積層体1。【選択図】図1

Description

本発明は、光透過性導電材料積層体に関し、特に投影型静電容量方式を用いたタッチパネルに好適な光透過性導電材料積層体に関するものである。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。
タッチパネルには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などがある。抵抗膜方式のタッチパネルは、光透過性導電材料と透明導電体層付ガラスとがスペーサーを介して対向配置されており、光透過性導電材料に電流を流し光透過性導電層付ガラスに於ける電圧を計測するような構造となっている。一方、静電容量方式のタッチパネルは、基材上に透明導電体層を有するものを基本的構成とし、可動部分がないことが特徴であり、高耐久性、高透過率を有するため、例えば車載用途等において適用されている。
タッチパネル用途の透明電極(光透過性導電材料)としては、一般にITOからなる光透過性導電膜が基材上に形成されたものが使用されてきた。しかしながらITO導電膜は屈折率が大きく、光の表面反射が大きいため、全光線透過率が低下する問題や、可撓性が低いため屈曲した際にITO導電膜に亀裂が生じて電気抵抗値が高くなる問題があった。
また、光透過性導電膜を有する導電材料に求められる性能として導電性と光透過率があるが、ITO等の金属薄膜を形成させる場合、導電性を高くするにはある程度の膜厚の金属薄膜が必要であり、それによって透過率が低下するという問題がある。従って、導電性が高くかつ光透過率が高い光透過性導電材料を製造するため、近年は、基材上に金属細線をメッシュパターン状に形成し、金属細線の線幅や間隔、さらにはパターン形状などを調整することにより、高い光線透過率を維持し、高い導電性を付与した光透過性導電材料が知られている。
金属細線をメッシュパターン状に形成する光透過性導電材料として、基板上に薄い触媒層を形成し、その上にレジストパターンを形成した後、めっき法によりレジスト開口部に金属層を積層し、最後にレジスト層およびレジスト層で保護された下地金属を除去することにより、導電性パターンを形成するセミアディティブ方法が、例えば特開2007−287994号公報、特開2007−287953号公報などに開示されている。
また近年、銀塩拡散転写法を用いた銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用いる方法も提案されている。例えば特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報や特開2007−188655号公報等では、基材上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体に、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させて、金属銀パターンを形成させる技術が開示されている。この方式によるパターニングは均一な線幅を再現することができることに加え、銀は金属の中で最も導電性が高いため、他方式に比べ、より薄い膜厚で高い導電性を得ることができる。さらにこの方法で得られた銀パターン膜はITO導電膜よりも可撓性が高く折り曲げに強いという利点がある。
静電容量方式の中でも投影型静電容量方式を用いたタッチパネルは、複数の電極が同一平面上にパターニングされた光透過性導電材料を2枚の粘着剤で貼り合わせることでタッチセンサーを製造している。例えば、特開2008−310551号公報(特許文献1)では、金属細線パターンによって複数の光透過型電極が同一平面上にパターニングされた光透過性導電材料を、接着剤層を介して2枚貼り合わせることで、投影型静電容量方式を用いたタッチパネルのタッチセンサーが構成される。特開2002−311843号公報(特許文献2)、特開2010−153153号公報(特許文献3)等では、メッシュ状にパターニングされた金属部を有する光透過性導電材料を、接着剤層を介してディスプレイ上に直接積層することが記載される。また特開2011−204732号公報(特許文献4)では、光透過性保護部材と、金属細線パターンを有する光透過性導電材料とが接着剤層を介して貼り合わされることで、光透過型の電波吸収体が構成され、特開2006−352073号公報(特許文献5)では、銀配線パターン上に接着剤層を介して、剥離可能な保護フィルムを有する光透過性導電材料が記載される。
このようにして形成された光透過性導電材料積層体は様々な場所で用いられるが、光透過性導電材料の銀配線パターンを有する側の面と光透過性機能材料とが、接着層を介して貼合された光透過性導電材料積層体は、接着剤層の種類や、光透過性導電材料の構成によっては、銀画像の色調が長時間の使用により変化したり、あるいは銀配線パターンの抵抗値が変動するという問題があった。
国際公開第2008/114764号パンフレット(特許文献6)には、高温高湿条件下であっても白濁や剥離が生じず、また太陽光の紫外線に長期間曝されても黄変や剥離等が生じない光透過型電磁波シールド積層体が記載され、該積層体は電磁波シールド層を含む2層以上が、特定の化合物を含有するアクリレート系接着剤組成物によって積層される。しかしアクリレート系接着剤組成物を用いて、光透過性導電材料の銀配線パターンを有する側の面と、光透過性機能材料とが貼合された場合、長時間の使用により銀画像の色調が変化したり、銀配線パターンの抵抗値が変動し、十分満足できるものではなかった。
国際公開第2006/28131号パンフレット(特許文献7)には、紫外線吸収粘着層を設けることで、紫外線吸収粘着層より下層の素材を紫外線から守る抵抗膜式タッチパネルが記載されているが、紫外線吸収粘着層中の成分である紫外線吸収剤のブリーディングにより、プラスチックの素材の劣化や破壊が部分的にしか防止できなかったり、紫外線吸収粘着層の剥離が生じることにより、製品として十分満足出来るものではなかった。
特開2008−310551号公報 特開2002−311843号公報 特開2010−153153号公報 特開2011−204732号公報 特開2006−352073号公報 国際公開第2008/114764号パンフレット 国際公開第2006/28131号パンフレット
本発明の課題は、投影型静電容量方式を用いたタッチパネルに好適であり、優れた光透過性と導電性を有し、かつ長時間の使用による銀配線の色調や導電性の変動が改善された光透過性導電材料積層体を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)基材上に銀配線パターンを有する導電材料の銀配線パターンを有する側の面に、粘着剤層および光透過性機能材料を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体であって、該銀配線パターンは、線幅が15μm以下の細線と、線幅が25μm以上の細線を有し、該光透過性機能材料の少なくとも一方の面に紫外線吸収層を有する光透過性導電材料積層体。
本発明により、長時間の使用による銀配線の色調や導電性の変動が改善された、光透過性導電材料積層体を提供することができる。
本発明の光透過性導電材料積層体の一例を示す概略断面図。 本発明の光透過性導電材料積層体が有する銀配線パターンの一例。
以下、本発明について詳細に説明するにあたり図面を用いて説明するが、本発明はその技術的範囲を逸脱しない限り様々な変形や修正が可能であり、以下の実施形態に限定されない。図1は本発明の光透過性導電材料積層体の一例を示す概略断面図である。
図1において光透過性導電材料積層体1は、導電層として基材11上に銀配線パターン12を有し、該銀配線パターン12は、更に別の基材11と接着剤層13を介して積層され、別の基材11上には、銀配線パターン12が存在する。そして、別の基材11の銀配線パターン12が設けられた面上には、紫外線吸収層15を両面に有する光透過性機能材料14が順次積層されている。
本発明における銀配線パターン12は、銀を主成分として含み、金、銅、ニッケル、アルミニウム、およびこれらの複合材から形成することができる。これらを形成する方法としては、銀塩感光材料を用いる方法、同方法を用いさらに得られた銀画像に無電解めっきや電解めっきを施す方法、スクリーン印刷法を用いて銀ペーストなどの導電性インキを印刷する方法、銀インクなどの導電性インクをインクジェット法で印刷する方法など、公知の方法を用いることができる。中でも銀配線パターン部の厚みが薄くでき、さらに線幅を微細にすることが容易な銀塩拡散転写法を用いることが好ましい。銀塩拡散転写法としては例えば特開2003−77350号公報や特開2005−250169号公報に記載されている。なお、本発明において、銀を主成分とするとは、銀配線パターンを構成する素材の50質量%以上が、より好ましくは80質量%以上が銀であることを意味する。
図2に本発明の光透過性導電材料積層体が有する銀配線パターンの一例を示す。図2において、aは金属メッシュパターン部(導電部)、bは電極端子部、cはトレース部(金属メッシュパターン部と電極端子部を繋ぐ導電配線部)、dは非画像部(非導電部)である。本発明において線幅が15μm以下の細線は金属メッシュパターン部aを構成する細線であることが好ましく、線幅が25μm以上の細線はトレース部を構成する細線であることが好ましい。図2において、金属メッシュパターン部aを構成する細線の線幅は15μm以下であり、トレース部cを構成する細線の線幅は25μm以上であり、これらは電気的に接続されている。
本発明において金属メッシュパターン部aはいかなる幾何学形状を有することもできるが、本発明の目的を達するために、少なくともその一部において、極細線からなるメッシュ状やストライプ状の、全体として見た場合、光透過性と導電性を両方とも兼備する形状、パターンを有することが好ましい。かかる光透過性が得られる金属メッシュパターンaの形状としては例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた繰り返しパターンでありこれらの単位の単独の繰り返しあるいは2種類以上の組み合わせパターンなどを用いることができる。また、辺が直線でなくとも例えばジグザグ線、波線などで構成されていても良い。さらに特開2002−223095号公報で開示されているような、ストライプ状、煉瓦積み模様状のパターンも用いることができる。本発明ではこれらいずれの形状も用いることができるが、金属メッシュパターン部aは、好ましくは正方形、菱形であり、トレース部cは、好ましくは直線状の線で構成される。金属メッシュパターン部aを構成する細線の繰り返しパターンの繰り返し周期としては100〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜400μmである。金属メッシュパターン部aを構成する細線および電極端子部bとトレース部cを構成する細線の厚みとしては、厚すぎると粘着剤層11を設ける際に泡が入るなどのトラブルが発生しやすくなるが、一方で薄すぎると導電性が不足する。よって、好ましい厚みは0.01〜3μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。金属メッシュパターン部aは、前述の通り、いかなる幾何学形状を有することができる。図2に示すように、金属メッシュパターン部aとしての細かなメッシュパターンとトレース部cとしての直線状のパターンを組み合わせて構成することもできるし、この例に限らず様々なパターンを組み合わせることができる。例えば、電極端子部bや、トレース部cがメッシュパターンにより構成されていても良い。図2の光透過性導電材料積層体では、粘着剤層を介して2枚の導電材料が配置されるが、その際一方の導電材料が有する非画像部dに、もう一方の導電材料が有する金属メッシュパターン部aが位置するように配置される。図2では一方の導電材料が有する電極パターンの一例をパターンXとして、もう一方の導電材料が有する電極パターンの一例をパターンYとして示した。この例では、パターンXは7列の横方向の電極、パターンYは8列の縦方向の電極を有し、これらの電極は互いに直行する配列となっている。各電極ごとにトレース部cを介して電極端子部bに繋がっている。そして、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、各電極ごとの容量値を測定することで、どの電極部分に接触したかを検出できる仕組みとなっている。
図1の光透過性導電材料積層体1を構成する基材11としては、プラスチック、ガラス、ゴム、セラミックス等が好ましく用いられる。これら基材は全光線透過率が60%以上であるものが好ましい。プラスチックの中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。基材として使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、基材の厚さは、50〜300μmであることが好ましい。更に基材11上にはハードコート層、反射防止層、防眩層など公知の層がそのどちら側の面に設けられていても良い。
次に本発明の光透過性導電材料積層体における粘着剤層13について説明する。本発明における粘着剤層としては、粘着性を有する材料から構成される層を意味し、公知の材料を用いることができる。その中でも特に、接着力が強く、透明性が高い紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。紫外線硬化性樹脂を形成する紫外線重合性化合物としては、紫外線で重合、架橋などの反応により硬化するラジカル重合性のモノマー又はオリゴマーが用いられる。
上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートオリゴマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系オリゴマー、不飽和ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
粘着剤層に用いられる重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系などの化合物が挙げられるが、接着力や透明性の観点から、ベンゾフェノン系の重合開始剤が好ましく用いられる。しかし、本発明者らの注意深い検討によれば、ベンゾフェノン系の重合開始剤は、銀配線の色調や導電性の変動に、特に大きな影響を及ぼすことが判明し、本発明は、このようなケースにおいて、とりわけ有効に作用する。ベンゾフェノン系の重合開始剤としては、例えば、イルガキュア184、イルガキュア500などが市販されており、これらを入手して使用することが可能である。
粘着剤層には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、例えば、加硫剤、粘着付与剤、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。上述したベンゾフェノン系の光重合開始剤を含む紫外線硬化性樹脂を用いた粘着剤層としては、例えば、三菱樹脂(株)製の光学用透明粘着シートCLEARFIT Grade/G3.0などが市販されており、これらを入手して使用することも可能である。
図1における光透過性機能材料14としては、例えばハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、光透過性導電フィルム、カバーガラス、偏光フィルムなど各種公知の光透過性材料を用いることができる。光透過性機能材料14は、少なくとも一方の面に紫外線吸収層15を有する。
次に本発明の光透過性導電材料積層体が有する紫外線吸収層15について説明する。本発明の紫外線吸収層が含有する紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤などを挙げることができ、これらの中から選択される1種または2種以上のものを用いることができる。紫外線吸収層に含まれる紫外線吸収剤の含有量(質量比)としては特に制限無く含有することが出来るが、紫外線吸収層の全固形分に対して、0.05質量%以上が好ましい。また、上記紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーも好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。この紫外線吸収基としては、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン基、シアノアクリレート基、トリアジン基などが挙げられる。中でも、ベンゾトリアゾール基、トリアジン基が特に好ましい。上述した分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーとしては、例えば、一方社油脂工業(株)製のULS−935LH、ULS−700、ULS−1700、ULS−1383MAなどが市販されており、これらを入手して使用することも可能である。
紫外線吸収層は、光透過性導電材料積層体を作製するにあたり、あらかじめ、光透過性機能材料の少なくとも一方の面に塗設されることが好ましい。光透過性機能材料のどちらか片方の面に塗設することもできるし、両面に塗設することも可能である。前述の図1では、両面に塗設した例を示した。塗設する紫外線吸収層の厚みとしては、1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは2〜10μmである。紫外線吸収剤を光透過性機能材料面上に塗設する方法としては、例えばリバースコーター、コンマコーターやリップコーター、ダイコーターなどがあり、目的に応じて選択することができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<比較例1>
基材として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの基材の全光線透過率は91%であった。
次に下記処方に従い、物理現像核層塗液を作製し、基材上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調製>各1mあたり
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
(日本触媒(株)製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、基材に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び保護層を上記物理現像核層の上に塗設して、銀塩感光材料1を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
Figure 2015127103
Figure 2015127103
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 4.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た銀塩感光材料1と、図2のパターンXを同一平面上に有する透過原稿を密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。なお、金属メッシュパターン部aは、線幅7μm、細線間隔300μmの単位図形が正方形のメッシュからなる。また、トレース部cの細線幅は30μmであり、隣り合う細線間の間隔は300μmである。
その後、下記拡散転写現像液中に20℃で90秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、及び保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。こうして図2のパターンXの形状を有する導電層1−1を得た。なお、得られた線幅、細線間隔は透過原稿と同じである。金属パターンの膜厚は共焦点顕微鏡(レーザーテック社製、オプテリクスC130)で調べたところ、0.1μmであった。
導電層1−1と同様にして、図1のパターンYの形状を持つ金属メッシュパターンを有する導電層1−2を得た。なお、導電層1−2の金属メッシュパターン部aとトレース部cの細線幅、および細線間隔は、導電層1−1と同様である。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
次に、得られた導電層1−2の銀配線パターン面と導電層1−1の支持体面とを、CLEARFIT Grade/G3.0(三菱樹脂(株)製光学用透明粘着シート)の粘着シートを用いて貼合し、続けて、導電層1−1の銀配線パターン面と光透過性機能材料として、イーグル2000(コーニング社製無アルカリガラス)とを、CLEARFIT Grade/G3.0(三菱樹脂(株)製光学用透明粘着シート)の粘着シートを用いて貼合して、比較例1の光透過性導電材料積層体を得た。
<実施例1>
光透過性機能材料の粘着剤層と接しない面に、あらかじめULS−1383MA(一方社油脂工業(株)製水性コーティング用紫外線吸収剤)を5μmの乾燥厚みで塗設した光透過性機能材料を用いること以外は、比較例1と同様にして、光透過性導電材料積層体を作製した。
<実施例2>
光透過性機能材料の粘着剤層と接しない面に、あらかじめULS−1383MA(一方社油脂工業(株)製水性コーティング用紫外線吸収剤)を10μmの乾燥厚みで塗設した光透過性機能材料を用いること以外は、比較例1と同様にして、光透過性導電材料積層体を作製した
<実施例3>
光透過性機能材料の粘着剤層と接する面に、あらかじめULS−1383MA(一方社油脂工業(株)製水性コーティング用紫外線吸収剤)を5μmの乾燥厚みで塗設した光透過性機能材料を用いること以外は、比較例1と同様にして、光透過性導電材料積層体を作製した。
<実施例4>
光透過性機能材料の粘着剤層と接する面に、あらかじめULS−1383MA(一方社油脂工業(株)製水性コーティング用紫外線吸収剤)を10μmの乾燥厚みで塗設した光透過性機能材料を用いること以外は、比較例1と同様にして、光透過性導電材料積層体を作製した。
<実施例5>
光透過性機能材料の粘着剤層と接する面及び接しない面それぞれに、あらかじめULS−1383MA(一方社油脂工業(株)製水性コーティング用紫外線吸収剤)を5μmの乾燥厚みで塗設した光透過性機能材料を用いること以外は、比較例1と同様にして、光透過性導電材料積層体を作製した。
<比較例2>
導電層1−1及び1−2の金属メッシュパターン部とトレース部の線幅を、それぞれ23μmおよび30μmにすること以外は、実施例1と同様に作製した。
<比較例3>
導電層1−1及び1−2の金属メッシュパターン部とトレース部の線幅を、それぞれ7μmおよび20μmにすること以外は、実施例1と同様に作製した。
このようにして得られた光透過性導電材料積層体それぞれについて、JIS Z2381に従い、ガラス側を太陽光の照射を受けるように一週間アンダーグラス暴露装置中に入れ、暴露前後での色調の変化、導電層1−1の端子部bの間の抵抗の変化を調べた。抵抗値の変化については、抵抗値の上昇が初期値の5%未満に収まった極めて良好な場合を◎、抵抗値の上昇が初期値の5〜10%の範囲内に収まる良好な場合を○、抵抗値の上昇が10%より大きく、使用に問題がある場合を×とした。◎及び○が光透過性導電材料積層体として可、×が不可である。色調については目視で観察した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2015127103
表1の結果から、本発明の有効性が判る。なお、比較例2は、線幅が太すぎるために、透明度が不足し、光透過性導電材料積層体として使用することが出来なかった。また、比較例3はトレース部の線幅が細いために製作初期段階から抵抗値が高く、光透過性導電材料積層体として使用することが出来なかった。
以上の結果から、本発明により、優れた光透過性と導電性を有し、かつ長時間の使用に伴う銀配線の色調や導電性の変動が改善された光透過性導電材料積層体が得られることが判る。
1 光透過性導電材料積層体
11 基材
12 銀配線パターン
13 粘着剤層
14 光透過性機能材料
15 紫外線吸収層
a 金属メッシュパターン部
b 電極端子部
c トレース部
d 非画像部

Claims (1)

  1. 基材上に銀配線パターンを有する導電材料の銀配線パターンを有する側の面に、粘着剤層および光透過性機能材料を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体であって、該銀配線パターンは、線幅が15μm以下の細線と、線幅が25μm以上の細線を有し、該光透過性機能材料の少なくとも一方の面に紫外線吸収層を有する光透過性導電材料積層体。
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