JP2015124286A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分や酸素によって劣化し易い半導体素子を、バインダー樹脂としてフェニルスルフィド誘導体を含むフィル材を使用して封止する際にダム材として使用することができ、防湿性に優れたダムを形成することができる硬化性組成物を提供する。【解決手段】本発明の硬化性組成物は、下記式(a)で表される化合物(A)を95〜15重量%、重合開始剤(B)、及びシリカ、タルク、及び焼成カオリンから選択される少なくとも1種の充填材(C)を3〜83重量%含む硬化性組成物であって、該硬化性組成物の硬化物(厚さ:100μm、硬化度:50%以上)の水蒸気透過度(60℃、90%RHにおける)が25g/m2・24hrs・atm以下であることを特徴とする【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、低透湿性を有する硬化物を形成することができ、水分によって劣化し易い半導体素子を封止する用途に使用できる硬化性組成物に関する。
有機EL素子は、発光層を一対の対向電極で挟んだ構造体で構成されており、一方の電極から注入された電子と、他方の電極から注入された正孔が発光層内で再結合するときに発光が生ずる。前記有機EL素子を含む有機ELモジュールは、耐衝撃性や視認性の高さと発光色の多様性から、フルカラーのフラットパネルディスプレーとして、又はLEDに代わるものとして期待されている。
しかし、有機EL素子は他の電子部品に比べて水分や酸素の影響を受けやすく、有機EL素子内に浸入した水分や酸素によって電極の酸化や有機物の変性等が引き起こされ、発光特性が著しく低下することが知られている。このような発光特性の低下を防止する方法としては、素子をガラス層で覆う方法や、硬化性樹脂で封止する方法等が知られている。しかし、前記ガラス層で覆う方法では気体が素子と共に封じ込められ、その気体の屈折率がITO等の透明電極やガラスより低いため光取り出し効率が低下すること、及び大きなディスプレイの場合はガラスがたわみ、形状を保持することが困難となることが問題であった。
硬化性樹脂で封止する方法は、素子の周りに高粘度の硬化性樹脂(ダム材)によりダムを形成し、その中に低粘度の硬化性樹脂(フィル材)を流し込んで硬化させる方法であり、これにより気体を封じ込めることなく素子を水分や酸素から保護することができる。そして、高屈折率を有する硬化物を形成することができる硬化性樹脂を使用すると、光取り出し効率を低下させることなく素子を保護することができる。従来は、ダム材及びフィル材のバインダー樹脂としてエポキシ樹脂が多用されていた(特許文献1〜4)。しかし、エポキシ樹脂を使用した場合は未だ光取り出し効率の点で満足できるものではなかった。また、エポキシ樹脂のなかでも、2−(グリシジルオキシ)ビフェニル等のオルト位にグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、硬化させる際等にアクロレインガスが発生しやすく、そのガスによって素子が劣化することが問題であった。
一方、フェニルスルフィド誘導体は、高屈折率を有する硬化物を形成できることが知られている(特許文献5)。しかし、フェニルスルフィド誘導体の硬化物は、水蒸気透過率の点で満足できるものではなかった。
特開2011−225773号公報 特許第5153498号公報 特開2010−163566号公報 特開2011−14885号公報 特開2013−71959号公報
また、フェニルスルフィド誘導体をバインダー樹脂として含むフィル材を使用した場合、従来公知のエポキシ樹脂をバインダー樹脂して含むダム材を使用すると、フェニルスルフィド誘導体とエポキシ樹脂が接触し混ざり合う部分において硬化不良が生じてダムが決壊し、フィル材が漏れ出すことがわかった。
従って、本発明の目的は、水分や酸素によって劣化し易い半導体素子を、バインダー樹脂としてフェニルスルフィド誘導体を含むフィル材を使用して封止する際にダム材として使用することができ、防湿性に優れたダムを形成することができる硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、バインダー樹脂としてフェニルスルフィド誘導体を含み、更に重合開始剤と特定の充填材を含有する硬化性組成物は、バインダー樹脂としてフェニルスルフィド誘導体を含むフィル材と混ざり合っても硬化不良を起こすことなく硬化することができること、また得られる硬化物は水蒸気透過度が低く、防湿性に優れていることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(a)で表される化合物(A)を95〜15重量%、重合開始剤(B)、及びシリカ、タルク、及び焼成カオリンから選択される少なくとも1種の充填材(C)を3〜83重量%含む硬化性組成物であって、該硬化性組成物の硬化物(厚さ:100μm、硬化度:50%以上)の水蒸気透過度(60℃、90%RHにおける)が25g/m2・24hrs・atm以下であることを特徴とする硬化性組成物を提供する。
Figure 2015124286
(式中、Raは反応性官能基を示す。Rbはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。Rcは単結合又は連結基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。尚、2つのRaは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。また、Rb及びmが複数ある場合は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)
本発明は、また、25℃、せん断速度20(1/s)における粘度が10〜1000Pa・sである前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、充填材(C)の平均粒子径が0.1〜10μmである前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、更に、カルバゾール骨格を含有するモノマー単位を含む線状重合体(D)を、硬化性組成物全量の0.1〜50重量%含有する前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、前記重合開始剤(B)が、光カチオン重合開始剤である前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、ダム材とフィル材を用いた半導体素子封止において、ダム材として使用する前記の硬化性組成物を提供する。
本発明の硬化性組成物は上記構成を有するため、バインダー樹脂としてフェニルスルフィド誘導体を含むフィル材と混ざり合っても硬化不良を起こすことなく硬化することができ、水蒸気透過度が低く防湿性に優れ、更に低アウトガス性を併せて有する硬化物を形成することができる。また、適度な粘度を有し、取り扱い性に優れる。
そのため、本発明の硬化性組成物は、半導体素子封止においてダム材として好適に使用することができ、バインダー樹脂としてフェニルスルフィド誘導体を含むフィル材を使用する場合であっても硬化不良を起こすことはない。
そして、本発明の硬化性組成物をダム材として使用して封止された半導体素子は、本発明の硬化性組成物により形成されたダムがフィル材の漏出を堰き止めることができ、フィル材を素子の周囲の空間を充填させて、素子を完全に封止することができる。さらに、本発明の硬化性組成物の硬化物は低アウトガス性、低透湿性の特性を併せて有するため、半導体素子の劣化を防止することができ、長寿命で信頼性の高い半導体素子を提供することができる。
本発明の硬化性組成物をダム材として使用した有機EL素子の封止方法の一例を示す概略図である。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、下記式(a)で表される化合物(A)を95〜15重量%、重合開始剤(B)、及びシリカ、タルク、及び焼成カオリンから選択される少なくとも1種の充填材(C)を3〜83重量%含む硬化性組成物であって、該硬化性組成物の硬化物(厚さ:100μm、硬化度:50%以上)の水蒸気透過度(60℃、90%RHにおける)が25g/m2・24hrs・atm以下であることを特徴とする。
Figure 2015124286
式(a)中、Raは反応性官能基を示す。Rbはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。Rcは単結合又は連結基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。尚、2つのRaは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。また、Rb及びmが複数ある場合は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
(化合物(A))
本発明の化合物(A)は、上記式(a)で表される重合性化合物である。上記式(a)中の2つのRaは反応性官能基(重合性官能基)を示し、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基等を挙げることができる。本発明においては、なかでもビニル基、アリル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基から選択される基が好ましい。2つのRaは同一であっても異なっていてもよい。
上記式(a)中のRbは、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。また、mが2〜4の整数である場合、同一の芳香環に結合した2〜4個のRbが互いに結合して、芳香環を構成する炭素原子とともに環を形成していてもよい。更に、式(a)中の複数のRbはそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記Rbにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。上記Rbにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のC1-10(好ましくはC1-5)アルキル基等を挙げることができる。上記Rbにおけるハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1-10(好ましくはC1-5)ハロアルキル基等を挙げることができる。上記Rbにおけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。尚、上記アリール基の芳香環は、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基等のC1-4アルキル基、トリフルオロメチル基等のC1-5ハロアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基等のC1-4アルコキシ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基等のアシル基等の置換基を有していてもよい。
上記Rbにおけるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基等の、C1-10アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つがヒドロキシル基で置換されたC1-10(好ましくはC1-5)ヒドロキシアルキル基等を挙げることができる。上記Rbにおけるヒドロキシル基の保護基、ヒドロキシアルキル基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、t−ブチル基等のC1-4アルキル基等);アルケニル基(例えば、アリル基等);シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基等);アリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル基等);アラルキル基(例えば、ベンジル基等);置換メチル基(例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル基等)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、1−ヒドロキシアルキル基(例えば、1−ヒドロキシエチル基等)等のヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基;アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等のC1-6脂肪族アシル基;アセトアセチル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等);アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基等のC1-4アルコキシ−カルボニル基等);アラルキルオキシカルボニル基;置換又は無置換カルバモイル基;置換シリル基(例えば、トリメチルシリル基等);分子内にヒドロキシル基やヒドロキシメチル基が2以上存在するときには置換基を有していてもよい二価の炭化水素基(例えば、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、ベンジリデン基等)等]を挙げることができる。
上記Rbにおけるアミノ基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基(例えば、上記ヒドロキシル基の保護基として例示したアルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基等)を挙げることができる。
上記Rbにおけるカルボキシル基の保護基、スルホ基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基[例えば、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のC1-6アルコキシ基等)、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシカルボニルヒドラジノ基、アラルキルカルボニルヒドラジノ基等]を挙げることができる。
上記Rbにおけるアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等のC1-6脂肪族アシル基;アセトアセチル基、ベンゾイル基等の芳香族アシル基等を挙げることができる。上記アシル基の保護基としては、上記有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。上記アシル基が保護された形態としては、例えば、アセタール(ヘミアセタールを含む)等を挙げることができる。
上記Rbが芳香環1つあたりに2つ以上結合している場合(即ち、式(a)中のmが2〜4の場合)において、2つ以上のRbが互いに結合して式(a)中の芳香環を構成する炭素原子と共に形成する環としては、例えば、5員の脂環式炭素環、6員の脂環式炭素環、2以上の脂環式炭素環(単環)の縮合環等の脂環式炭素環;5員のラクトン環、6員のラクトン環等のラクトン環等を挙げることができる。
上記式(a)中のRcは、単結合又は連結基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。前記連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。上記連結基は、水酸基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよく、このような連結基としては、例えば、1以上の水酸基を有する二価の炭化水素基等を挙げることができる。
上記二価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の二価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
上記式(a)中のmは、同一又は異なって、0〜4の整数を示す。また、n(nが付された括弧内の構造単位の繰り返し数)は、0〜10の整数を示す。
化合物(A)の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば300〜10000程度であり、好ましくは300〜1000、特に好ましくは300〜500である。
上記式(a)中のnは、なかでも、硬化性組成物の粘度を広い範囲で調整することができる点で、0〜3が好ましく、特に好ましくは0である。即ち、化合物(A)としては、特に、下記式(a’)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015124286
(式中、Ra、Rb、mは、前記に同じ)
本発明における化合物(A)としては、下記式で示される化合物等を挙げることができる。尚、下記式におけるRは、水素原子又はメチル基である。
Figure 2015124286
Figure 2015124286
化合物(A)は、公知乃至慣用の方法によって製造することができる。例えば、式(a)中のRaが水素原子である化合物(例えば、4,4’−チオビスベンゼンチオール等)を原料とし、これに塩基の存在下でハロゲン化ビニル、ハロゲン化アリル、(メタ)アクリル酸のハロゲン化物、エピハロヒドリン等を反応させる方法等を挙げることができる。また、式(a)中のRaがビニル基である化合物は、式(a)中のRaが水素原子である化合物(例えば、4,4’−チオビスベンゼンチオール等)とジハロエタンとを反応させ、続いて、脱ハロゲン化水素する方法によっても製造することができる。
化合物(A)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の硬化性組成物全量(100重量%)における化合物(A)の含有量(配合量)は95〜15重量%であり、好ましくは85〜17重量%、特に好ましくは80〜18重量%、最も好ましくは75〜20重量%であり、使用する充填材(C)の形状によって適宜調整することが好ましい。例えば、真球状の充填材を使用する場合は、本発明の硬化性組成物全量(100重量%)における化合物(A)の含有量(配合量)は好ましくは15〜70重量%、特に好ましくは17〜60重量%、最も好ましくは20〜50重量%である。板状の充填材を使用する場合、本発明の硬化性組成物全量(100重量%)における化合物(A)の含有量(配合量)は、好ましくは40〜95重量%、特に好ましくは50〜85重量%、最も好ましくは55〜70重量%である。化合物(A)を上記範囲で含有すると、アウトガスが少ない硬化物が得られる。
また、化合物(A)はカチオンをトラップしてカチオン重合の進行を抑制する作用を有する。そのため、本発明の硬化性組成物が重合開始剤(B)として光カチオン重合開始剤を含有する場合は、光照射によりカチオンを発生させるのみでは完全に硬化せず、その後加熱処理を施してトラップされたカチオンを放出することにより硬化を進行させ、完全に硬化させることができる。そのため、一段階で硬化させたい場合は光ラジカル重合開始剤を使用して光照射を施すことにより速やかに硬化させることができ、段階的に硬化させたい場合は光カチオン重合開始剤を使用して、光照射と加熱処理を組み合わせて、光照射−加熱処理の順で施すことで段階的に硬化させることができる。
(重合開始剤(B))
本発明の硬化性組成物を構成する重合開始剤(B)としては、周知慣用の重合開始剤を使用することができる。本発明においては光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤には光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤が含まれる。本発明の硬化性組成物を段階的に硬化させたい場合は光カチオン重合開始剤を使用することが好ましい。尚、重合開始剤(B)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(光カチオン重合開始剤)
光カチオン重合開始剤は、光の照射によってカチオン種を発生してカチオン重合性化合物の硬化反応を開始させる化合物であり、光を吸収するカチオン部と酸の発生源となるアニオン部からなる。
本発明の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩系化合物、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、セレニウム塩系化合物、オキソニウム塩系化合物、アンモニウム塩系化合物、臭素塩系化合物等を挙げることができる。
なかでも、スルホニウム塩系化合物を使用することが、硬化性に優れた硬化物を形成することができる点で好ましい。スルホニウム塩系化合物のカチオン部としては、例えば、トリフェニルスルホニウムイオン、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムイオン、トリ−p−トリルスルホニウムイオン等のアリールスルホニウムイオン(特に、トリアリールスルホニウムイオン)を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤のアニオン部としては、例えば、BF4 -、B(C654 -、PF6 -、[(Rf)nPF6-n-(Rf:水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基、n:1〜5の整数)、AsF6 -、SbF6 -、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート等を挙げることができる。
本発明の光カチオン重合開始剤としては、例えば、4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファート、4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、商品名「サイラキュアUVI−6970」、「サイラキュアUVI−6974」、「サイラキュアUVI−6990」、「サイラキュアUVI−950」(以上、米国ユニオンカーバイド社製)、「イルガキュア250」、「イルガキュア261」、「イルガキュア264」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「SP−150」、「SP−151」、「SP−170」、「オプトマーSP−171」(以上、(株)ADEKA製)、「CG−24−61」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「DAICAT II」((株)ダイセル製)、「UVAC1590」、「UVAC1591」(以上、ダイセル・サイテック(株)製)、「CI−2064」、「CI−2639」、「CI−2624」、「CI−2481」、「CI−2734」、「CI−2855」、「CI−2823」、「CI−2758」、「CIT−1682」(以上、日本曹達(株)製)、「PI−2074」(ローディア社製、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、「FFC509」(3M社製)、「BBI−102」、「BBI−101」、「BBI−103」、「MPI−103」、「TPS−103」、「MDS−103」、「DTS−103」、「NAT−103」、「NDS−103」(以上、ミドリ化学(株)製)、「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」(米国、Sartomer社製)、「CPI−100P」、「CPI−101A」、「CPI−200K」(以上、サンアプロ(株)製)等の市販品を使用できる。
光カチオン重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その使用量(配合量)は硬化性組成物全量(100重量%)において、0.01〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%である。
(硬化促進剤)
本発明の硬化性組成物が光カチオン重合開始剤を含有する場合は、光カチオン重合開始剤と共に硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤は、本発明の硬化性組成物中の重合性化合物が光カチオン重合開始剤により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物であり、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ヨードニウム塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレート等のホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等の有機金属塩;金属キレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、商品名「U−CAT SA 506」、「U−CAT SA 102」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「12XD」(開発品)(以上、サンアプロ(株)製)、「TPP−K」、「TPP−MK」(以上、北興化学工業(株)製)、「PX−4ET」(日本化学工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
上記硬化促進剤の含有量としては、本発明の硬化性組成物全量(100重量%)の0.01〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.02〜3重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、最も好ましくは0.1〜2.5重量%である。硬化促進剤を上記範囲で含有すると、硬化物に着色を生じることなく硬化促進効果を発揮することができる。
(光ラジカル重合開始剤)
本発明の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノンベンジル、ベンジルジメチルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジメトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ジフェニルジサルファイト、オルトベンゾイル安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬(株)製、商品名「カヤキュアEPA」等)、2,4−ジエチルチオキサンソン(日本化薬(株)製、商品名「カヤキュアDETX」等)、2−メチル−1−[4−(メチル)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(チバガイギ−(株)製、商品名「イルガキュア907」等)、2−ジメチルアミノ−2−(4−モルホリノ)ベンゾイル−1−フェニルプロパン等の2−アミノ−2−ベンゾイル−1−フェニルアルカン化合物、テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンジル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゼン誘導体、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾ−ル(保土谷化学(株)製、商品名「B−CIM」等)等のイミダゾール化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−1,3,5−トリアジン等のハロメチル化トリアジン化合物、2−トリクロロメチル−5−(2−ベンゾフラン2−イル−エテニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。光ラジカル重合開始剤としては、感度及び耐薬品性等の観点から、イミダゾール化合物とアミノベンゼン誘導体の組合せ、2−アミノ−2−ベンゾイル−1−フェニルアルカン化合物、ハロメチル化トリアジン化合物、ハロメチルオキサジアゾール化合物等が好ましい。また、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、光増感剤を加えることができる。
上記光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その使用量(配合量)は、本発明の硬化性組成物全量(100重量%)の0.01〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%である。
(充填材(C))
充填材(C)としては、シリカ、タルク、及び焼成カオリンから選択される少なくとも1種の充填材を使用する。
前記充填材(C)は、例えば国際公開第96/31572号に記載されている火炎加水分解法や、火炎熱分解法、プラズマ法等の公知の方法で製造することができる。
また、シリカ、タルク、及び焼成カオリンから選択される少なくとも1種の充填材は、その表面を改質することにより粘度挙動を変化させたものであってもよい。これらの表面改質は、公知の表面改質剤を用いて行うことができる。前記表面改質剤としては、例えば、シリカ、タルク、又は焼成カオリンの表面に存在する官能基と共有結合や錯形成等の相互作用が可能な化合物を用いることができ、例えば、分子内にカルボキシル基、(第1級、第2級、第3級)アミノ基、第4級アンモニウム基、カルボニル基、グリシジル基、ビニル基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基等の官能基を有する化合物等を挙げることができる。また、前記表面改質剤は、通常、標準温度及び圧力条件下で液体であり、分子内の炭素数が15以下(好ましくは炭素数が10以下、特に好ましくは8以下)の低分子有機化合物(分子量:好ましくは500以下、特に好ましくは350以下、最も好ましくは200以下)が好ましい。
上記表面改質剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、シュウ酸、マレイン酸、及びフマル酸等のC1-12飽和または不飽和モノ及びポリカルボン酸類(好ましくは、モノカルボン酸類);及びこれらのエステル類(好ましくはメタクリル酸メチル等のC1-4アルキルエステル類);アミド類;アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、アセト酢酸及びC1-4アルキルアセト酢酸類等のβ−ジカルボニル化合物、シリル化剤(例えば、ビニルトリメトキシシラン)及びシランカップリング剤(例えば、ビニルトリメトキシシラン)等を挙げることができる。
充填材(C)の形状は、例えば、真球状、略真球状、板状(角板状、円板状)、角柱状、円柱状等の何れであってもよく、用途によって適宜選択して使用することが好ましい。例えば、優れた酸素バリア性を所望する場合は、シリカフィラーのような真球状のフィラーを使用することが好ましく、優れた防湿性を所望する場合には、焼成カオリンやタルクのような板状のフィラーを使用することが好ましい。
充填材(C)の平均粒子径は、例えば0.1〜10μm程度である。尚、本発明における平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定法等により求めた値である。
充填材(C)の含有量(配合量)は、硬化性組成物全量(100重量%)の3〜83重量%であり、好ましくは15〜83重量%、特に好ましくは25〜80重量%であり、その形状により適宜変更される。例えば、充填材(C)の形状が真球状である場合は、充填材(C)の含有量(配合量)は、硬化性組成物全量(100重量%)の30〜83重量%が好ましく、特に好ましくは40〜83重量%、最も好ましくは50〜80重量%である。また、充填材(C)の形状が板状である場合は、充填材(C)の含有量(配合量)は、硬化性組成物全量(100重量%)の5〜60重量%が好ましく、特に好ましくは15〜50重量%、最も好ましくは25〜45重量%である。充填材(C)を上記範囲で含有すると適度な粘度を有し、下記フィル材が漏れ出すことのないダムであって、防湿性に優れたダムを形成することができる。充填材(C)の含有量が多すぎると、粘度が高くなりすぎて、塗布し難くなる傾向がある。一方、充填材(C)が少なすぎると、十分な防湿性が得られにくく成る傾向がある。また、粘度が低くなり液ダレを起こし易くなる傾向がある。
(線状重合体(D))
本発明の硬化性組成物は、上記成分以外にも他の成分を含有していてもよく、例えば、カルバゾール骨格を含有するモノマー単位(繰り返し単位)を含む線状重合体(D)を1種又は2種以上含有していてもよい。
前記カルバゾール骨格を有するモノマー単位としては、例えば、下記式(d)で表されるモノマー単位を挙げることができる。式(d)中、R1〜R9は同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。Yは単結合又は連結基を示す。
Figure 2015124286
1〜R9における有機基としては、例えば、ハロゲン原子、炭化水素基、複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基等)、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等のC1-6アルコキシ基等)、N,N−ジ置換アミノ基(N,N−ジメチルアミノ基、ピペリジノ基等)等、及びこれらが2以上結合した基等を挙げることができる。前記カルボキシル基等は有機合成の分野で公知乃至慣用の保護基で保護されていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子を挙げることができる。
前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜20(好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜3)程度のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等の炭素数2〜20(好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜3)程度のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜20(好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜3)程度のアルキニル基等を挙げることができる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、特に好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、特に好ましくは5〜8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基等)等が含まれる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基等)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基等)等が含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等]を有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
前記複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ−ブチロラクトン環等の5員環;4−オキソ−4H−ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等を挙げることができる。上記複素環式基には、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等のC1-4アルキル基等)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)等の置換基を有していてもよい。
Yは単結合又は連結基を示す。前記連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。前記二価の炭化水素基としては、前記式(a)中のRcにおける例と同様の例を挙げることができる。
本発明の線状重合体(D)は上記カルバゾール骨格を含有するモノマー単位に対応する重合性単量体(例えば、N−ビニルカルバゾール、N−アクリロイルカルバゾール、N−(ビニルベンジル)カルバゾール等)を重合に付すことにより得ることができる。尚、重合の方式は、特に限定されず、溶液重合、溶融重合等の公知の方法を採用できる。
また、本発明の線状重合体(D)は、上記カルバゾール骨格を含有するモノマー単位以外にも他のモノマー単位を有する共重合体(例えば、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体等)であってもよい。前記共重合体は、前記上記カルバゾール骨格を含有するモノマー単位に対応する重合性単量体と、他のモノマー単位に対応する重合性単量体を重合に付すことにより製造することができる。
前記他のモノマー単位に対応する重合性単量体としては、例えば、オレフィン[例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン等の鎖状オレフィン(特に、C2-12アルケン);シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン等の環状オレフィン]、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α?メチルスチレン、1−プロペニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−ビニルピリジン、3−ビニルフラン、3−ビニルチオフェン、3−ビニルキノリン等のC6-14芳香族ビニル化合物)、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸C1-10アルキルエステル、及びこれらに対応するメタクリル酸エステル等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプロン酸ビニル等のC1-16脂肪酸ビニルエステル等)、マレイン酸エステル又はフマル酸エステル(例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸2−エチルへキシル等のマレイン酸ジC1-10アルキルエステル、及びこれらに対応するフマル酸エステル等)、カルボキシル基含有単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の多価カルボン酸又はその酸無水物;前記多価カルボン酸のモノアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル、ラウリルエステル等のC1-16アルキルエステル)、インデン類(例えば、インデン、メチルインデン、エチルインデン、ジメチルインデン等のアルキルインデン;クロロインデン、ブロモインデン等のハロゲン化インデン等)等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明においては、なかでも化合物(A)への溶解性に優れる点で、芳香族ビニル化合物(特に、スチレン類)及びインデン類から選択される少なくとも1種の重合性単量体由来のモノマー単位を有することが好ましい。
線状重合体(D)を構成する全モノマー単位に占めるカルバゾール骨格を含有するモノマー単位の割合としては、例えば30重量%以上、好ましくは30〜95重量%、特に好ましくは50〜90重量%である。カルバゾール骨格を含有するモノマー単位を上記範囲で含有する線状重合体は、化合物(A)に対する溶解性に優れる点で好ましい。一方、カルバゾール骨格を含有するモノマー単位の割合が上記範囲を下回ると、硬化物が白濁する傾向がある。
線状重合体(D)の重量平均分子量は、化合物(A)との相溶性に優れる点で、例えば500〜1000000程度、好ましくは3000〜500000である。尚、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の分子量である。線状重合体(D)の重量平均分子量が上記範囲を外れると、得られる硬化物の屈折率を高く維持しつつ、所望の粘度及び硬化収縮率を有する硬化性組成物を形成することが困難となる傾向がある。
本発明の線状重合体(D)としては、商品名「PVCZ 8K」、「PVCZ」、(以上、ポリ−N−ビニルカルバゾール、丸善石油化学(株)製)、「P0656」(ポリ−N−ビニルカルバゾール、東京化成(株)製)等の市販品を使用してもよい。
本発明の硬化性組成物全量(100重量%)における線状重合体(D)の含有量(配合量)は、例えば0.1〜50重量%程度であり、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。線状重合体(D)を上記範囲で添加すると、硬化性組成物を増粘させることができるため、フィル材の漏出を極めて低く抑制することができる点で好ましい。
(スペーサーフィラー)
また、本発明の硬化性組成物には、形成されるダムの膜厚の制御を容易とするために真球状のスペーサーフィラーを添加してもよい。
スペーサーフィラーの原料としては、例えば、アクリル重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、ジビニルベンゼン共重合体等のプラスチックを挙げることができる。
スペーサーフィラーの平均粒子径は、例えば0.5〜100μm程度であり所望するダムの膜厚に応じて適宜調整することができる。
スペーサーフィラーの含有量(配合量)は、硬化性組成物全量(100重量%)の0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.3〜3重量%である。
(他の添加剤)
本発明の硬化性組成物は、更に、必要に応じて、例えば、重合禁止剤、シランカップリング剤、有機フィラー、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、顔料、有機溶剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体、離型剤等の慣用の添加剤を含有していてもよいが、本発明の硬化性組成物全量に占める添加剤の割合は、例えば40重量%以下、好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。添加剤の含有量が上記範囲を上回ると、防湿性や低アウトガス性の効果を得難くなる傾向がある。また、本発明の硬化性組成物は上記化合物(A)以外にも他の重合性化合物(例えば、アクリル系化合物、オレフィン系化合物等)を含有していても良いが、本発明の硬化性組成物に含まれる全重合性化合物に占める化合物(A)の割合は、例えば70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。他の重合性化合物の含有量が上記範囲を上回ると、防湿性が低下する傾向がある。
本発明の硬化性組成物は、化合物(A)、重合開始剤(B)、充填材(C)、及び必要に応じて他の添加剤(例えば、線状重合体(D)等)を、自公転式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、3本ロールミル、ビーズミル等の一般的に知られる混合用機器を使用して均一に混合することにより製造することができる。尚、各成分は、同時に混合してもよいし、逐次混合してもよい。
そして、充填材(C)を添加する前の組成物[すなわち、化合物(A)、重合開始剤(B)、及び必要に応じて他の添加剤(例えば、線状重合体(D)等)を含む組成物]の粘度(25℃、せん断速度:20(1/s))としては、例えば10〜100000mPa・s程度(好ましくは20〜80000mPa・s、特に好ましくは1000〜50000mPa・s)であることが好ましく、充填材(C)を添加した後の粘度(すなわち、本発明の硬化性組成物の粘度)(25℃、せん断速度:20(1/s))としては、例えば10〜1000Pa・s程度(好ましくは20〜500Pa・s、特に好ましくは40〜300Pa・s)であることが好ましい。前記粘度を有する硬化性組成物は、フィル材の漏出を防止することができるダムであって、防湿性に優れたダムを形成することができる。
本発明の硬化性組成物は、(1)光照射のみ、又は(2)光照射と加熱処理をこの順で施すことにより硬化することができる。(1)光照射のみを行う場合は、厚み100μmの塗膜の場合、水銀ランプ等で500mJ/cm2以上の光を照射することが好ましい。また、(2)光照射と加熱処理を行う場合の光照射は、厚み100μmの塗膜の場合、水銀ランプ等で500mJ/cm2以上の光を照射することが好ましく、加熱処理は、オーブン等により、例えば40〜150℃(特に好ましくは60〜120℃、最も好ましくは80〜110℃)で、10〜200分間(特に好ましくは30〜120分間)加熱することが好ましい。
本発明の硬化性組成物はカチオントラップ作用を有する上記化合物(A)を含有するため、一段階で、若しくは二段階に分けて硬化させることができる。一段階で硬化させたい場合は、重合開始剤(B)として光ラジカル重合開始剤を使用して光照射を施すことにより行うことができる。二段階に分けて段階的に硬化させたい場合は、重合開始剤(B)として光カチオン重合開始剤を使用し、光照射と加熱処理をこの順で施すことにより行うことができ、光照射を施した段階では硬化の進行が抑制されて接着性が維持され、その後、加熱処理を施すことにより硬化を完了させることができる。
本発明の硬化性組成物の硬化物は防湿性に優れ、硬化物(厚さ:100μm、硬化度:50%以上)の水蒸気透過性は、例えば25g/m2・24hrs・atm以下、好ましくは20〜5g/m2・24hrs・atm、特に好ましくは15〜5g/m2・24hrs・atmである。尚、硬化物の透湿度は、JIS L 1099およびJIS Z 0208に準じて、厚み100μmに調整した硬化物の透湿量を、60℃、90%RHの条件下で測定することにより算出することができる。また、硬化物の硬化度は、DSCにより測定することができる。尚、前記「24hrs」は「24hours」の意味である。
また、硬化度はDSCにて250℃まで加熱したときの完全硬化の発熱量と、所定の硬化条件の発熱量から換算することが可能である。
更に、本発明の硬化性組成物の硬化物(60mg)のアウトガス量は1000ppm以下(好ましくは1〜100ppm、特に好ましくは1〜50ppm)程度であり、低アウトガス性を示す。尚、アウトガス量はヘッドスペースGC/MSにより測定することができる。
本発明の硬化性組成物は、バインダー樹脂としての化合物(A)と重合開始剤を含むフィル材を使用して封止する際にダム材として使用することが好ましい。
前記フィル材としては、上記式(a)で表される化合物(A)を、フィル材全量(100重量%)における化合物(A)の99.99〜50重量%程度(好ましくは99.9〜60重量%、特に好ましくは99.7〜70重量%、最も好ましくは99.5〜75重量%)含有することが好ましい。化合物(A)を上記範囲で含有するフィル材は流動性が高く充填性に優れているため、素子を水分から保護することができ、硬化することにより高い屈折率を有し光透過性に優れ、且つアウトガスが少ない硬化物が得られる。
前記重合開始剤としては、上記硬化性組成物に使用される重合開始剤(B)と同様の例を挙げることができる。例えば、重合開始剤として光カチオン重合開始剤を使用する場合、その使用量(配合量)はフィル材全量(100重量%)において、0.01〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%である。
前記フィル材には上記化合物(A)、及び重合開始剤以外にも必要に応じて他の成分を含有していても良い。他の成分としては、上記硬化性組成物に使用される充填材(C)や他の添加剤を挙げることができる。これら他の成分の含有量としては、フィル材全量(100重量%)の40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。他の成分の含有量が上記範囲を上回ると、得られる硬化物の屈折率が低下する傾向があり、光透過性が低下する傾向がある。また、フィル材は上記化合物(A)以外にも他の重合性化合物(例えば、アクリル系化合物、オレフィン系化合物等)を含有していても良いが、フィル材に含まれる全重合性化合物に占める化合物(A)の割合は、例えば70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。他の重合性化合物の含有量が上記範囲を上回ると、屈折率の低下により光透過性が低下する傾向がある。
前記フィル材の粘度(25℃、せん断速度:20(1/s))は、0.01〜20Pa・s程度(好ましくは0.015〜5Pa・s、特に好ましくは0.020〜1Pa・s)であることが、吐出性及び充填性に優れる点で好ましい。
本発明の硬化性組成物をダム材として使用すると、高い屈折率を有して光透過性に優れ、且つアウトガスが少ない硬化物を形成することができる上記フィル材を使用しても、硬化が阻害されることがなく、フィル材の漏出を堰き止めることができるダムを形成することができ、フィル材によって素子を完全に封止することができる。
そして、本発明の硬化性組成物で形成されたダムは、低アウトガス性、低透湿性の特性を有する。そのため、半導体素子の劣化を防止することができ、長寿命で信頼性の高い半導体素子を提供することができる。
更に本発明の硬化性組成物及び上記フィル材は、カチオントラップ作用を有する化合物(A)を含むため、重合開始剤として光カチオン重合開始剤を使用する場合は、光照射を施し、その後加熱処理を施すことにより硬化を完了させることができ、光照射を施した段階では硬化の進行が抑制されて、接着性が維持される。そのため、例えば、下記方法を採用することにより、光照射による素子の劣化を防止しつつ、素子を封止することができ、光取り出し効率に優れ、素子内への水分の浸入を防止することができる、長寿命で信頼性の高いモジュール[例えば、有機ELモジュール(トップエミッション方式、ボトムエミッション方式)、太陽電池モジュール、液晶モジュール等]を形成することができる(図1参照)。
工程1:防湿性を有するリッド(蓋)上に本発明の硬化性組成物を使用してダムを形成する
工程2:ダム内にフィル材を充填して光照射することにより、封止材/リッド(蓋)積層体を形成する
工程3:防湿性を有する基板上に素子を設置し、素子設置面に光照射後の封止材/リッド(蓋)積層体を封止材面が素子設置面に相対するように貼り合わせる
工程4:加熱処理を施すことにより本発明の硬化性組成物とフィル材を硬化させる
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
BSV(ビス(4−ビニルチオフェニル)スルフィド、住友精化(株)製)24重量部、重合開始剤(4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)1重量部、及び充填材として表面改質シリカフィラー(真球状)75重量部を、自転・公転ミキサー(商品名「あわとり練太郎 ARE−310」、(株)シンキー製)内に投入して撹拌して硬化性組成物(1)を得た。
ガラス基板上に、得られた硬化性組成物(1)を塗布し、200W/cmの水銀ランプで紫外線を照射(照射量:2000mJ/cm2)し、その後、100℃で1時間加熱して硬化物(1)(硬化度:90%)を得た。
得られた硬化物について、アウトガス、フィラー流出距離、水蒸気透過性、及び酸素透過性を評価した。
実施例2〜4、比較例1〜3
下記表に示すように、処方を変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、硬化物(実施例2:硬化度90%、実施例3:硬化度85%、実施例4:硬化度80%)を作製して評価した。
<粘度の測定>
粘度は、レオメーター(商品名「Physica MCR301」、Anton Paar社製)を使用して測定した、25℃、せん断速度が20(1/s)の時の値である。
<アウトガス>
実施例及び比較例で得られた硬化物のアウトガス量は、バイヤル瓶に硬化物60mgを入れ、UV照射(2000mJ/cm2)して100℃の条件下で1時間静置した後、バイヤル瓶中のアウトガス量を測定した。尚、トルエン標準液[標準物質としてのトルエン:100ppm(60μg)、溶媒:ヘキサン(60mg)]を用いて検量線を作成した。また、測定機器としては、商品名「HP−6890N」(ヒューレットパッカート社製)を使用し、カラムは商品名「DB−624」(アジレント社製)を使用した。
<フィラーの流出距離>
フィラーの流出距離は、CCDカメラを使用して500倍で観察することにより測定した。
<水蒸気透過性>
実施例及び比較例で得られた硬化物の透湿度は、硬化物(厚み:100μm)の透湿量を、JIS L 1099及びJIS Z 0208(カップ法)に準じて、60℃、90%RH条件下で測定した。
<酸素透過性>
実施例及び比較例で得られた硬化物の酸素透過性は、硬化物(厚み:500μm)の酸素透過性を、JIS K 7126−2に準じて、酸素透過率測定装置(商品名「OX−TRAN 2/21」、MOCON社製)を使用して測定した。
Figure 2015124286
実施例及び比較例で用いた化合物は、以下の通りである。
[重合性化合物]
BSV:ビス(4−ビニルチオフェニル)スルフィド、分子量:302、住友精化(株)製
YL−983U:4−(グリシジルオキシ)フェニル[4−(グリシジルオキシ)フェニル]メタン、三井化学(株)製
HRD−01:(2−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート、日本蒸溜工業(株)社製
[重合開始剤]
4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(光カチオン重合開始剤)
[その他]
PVCZ:ポリ−N−ビニルカルバゾール、重量平均分子量:40000、丸善石油化学(株)製
[充填材]
表面改質シリカフィラー(真球状):商品名「SE−2050GD」(平均粒子径:0.6μm、シリカフィラー+ジメチルジメトキシシラン、アドマテックス(株)製)
表面改質カオリンフィラー(板状):商品名「Translink77」(平均粒子径:0.8μm、焼成カオリンフィラー+ビニルトリメトキシシラン、BASF社製)
表面改質タルクフィラー(板状):タルク(平均粒子径:1μm、商品名「D−1000」、日本タルク(株)製)にKBM−1003(ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)を3重量%添加し、自転・公転ミキサー(商品名「あわとり練太郎 ARE−310」、(株)シンキー製)を使用して混練した後、真空乾燥機で100℃5時間乾燥して得られた、表面改質された板状のタルク
表面改質ジルコニアフィラー:ジルコニアのメチルエチルケトン分散液(12.6重量%、商品名「NZD−4E61−EE0」、住友大阪セメント(株)製)の溶剤をエバポレーターを使用して除去したもの
1 リッド(蓋)
2 ダム
3 ディスペンサー
4 硬化性組成物
5 基板
6 陰極
7 発光層
8 陽極

Claims (6)

  1. 下記式(a)で表される化合物(A)を95〜15重量%、重合開始剤(B)、及びシリカ、タルク、及び焼成カオリンから選択される少なくとも1種の充填材(C)を3〜83重量%含む硬化性組成物であって、該硬化性組成物の硬化物(厚さ:100μm、硬化度:50%以上)の水蒸気透過度(60℃、90%RHにおける)が25g/m2・24hrs・atm以下であることを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 2015124286
    (式中、Raは反応性官能基を示す。Rbはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。Rcは単結合又は連結基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。尚、2つのRaは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。また、Rb及びmが複数ある場合は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)
  2. 25℃、せん断速度20(1/s)における粘度が10〜1000Pa・sである請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 充填材(C)の平均粒子径が0.1〜10μmである請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 更に、カルバゾール骨格を含有するモノマー単位を含む線状重合体(D)を、硬化性組成物全量の0.1〜50重量%含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記重合開始剤(B)が、光カチオン重合開始剤である請求項1〜4の何れか1項に記載の硬化性組成物。
  6. ダム材とフィル材を用いた半導体素子封止において、ダム材として使用する請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性組成物。
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