JP2015123862A - タイヤバルブｉｄ登録システム - Google Patents

Abstract

【課題】登録ツールを使用せずにスペアタイヤのＩＤを受信機に簡単に登録することができるタイヤバルブＩＤ登録システムを提供する。【解決手段】スペアタイヤＩＤ収集部２０は、ある仮登録期間において、スペアタイヤ２ｅからと判定可能な条件で受信した電波Ｓvaに含まれるバルブＩＤを、スペアタイヤ２ｅの候補ＩＤとして収集する。スペアタイヤ２ｅから送信されたと判定可能な条件とは、車両１が走行中であるにもかかわらず、タイヤバルブ４が停止情報Ｄstを含む電波Ｓvaを送信してくることである。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、収集した候補ＩＤのうち、以降の本登録期間のフェーズ繰り返しにおいて、スペアタイヤ２ｅからと判定可能な条件で以降も継続して受信できるバルブＩＤを絞り込んでいくことにより、特定のバルブＩＤをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして確定する。【選択図】図１

Description

本発明は、タイヤバルブのＩＤを自車タイヤのＩＤとして受信機に登録するタイヤバルブＩＤ登録システムに関する。

従来、タイヤ空気圧監視システムの１機能として、イニシエータ等のトリガ発生装置を使用せずに、タイヤバルブのＩＤ（バルブＩＤ）を自車タイヤのＩＤとして受信機に自動で登録するタイヤバルブＩＤ登録システムが周知である（特許文献１等参照）。バルブＩＤを受信機に登録するにあたり、イニシエータが不要となれば、車両に搭載される部品の点数を少なく抑えることが可能になる。

特表２０１１−５２７９７１号公報

特許文献１は、走行タイヤのＩＤの特定についてのみ記載があり、スペアタイヤのＩＤの登録に言及がない問題があった。
本発明の目的は、登録ツールを使用せずにスペアタイヤのＩＤを受信機に簡単に登録することができるタイヤバルブＩＤ登録システムを提供することにある。

前記問題点を解決するタイヤバルブＩＤ登録システムは、各タイヤのタイヤバルブからタイヤ空気圧データを含む電波を送信させ、車体の受信機で前記電波を受信して各タイヤの空気圧を監視するのに必要であり、前記タイヤバルブのＩＤを前記受信機に登録する構成において、スペアタイヤからの電波と判定可能な条件で受信した電波に含まれるバルブＩＤを、スペアタイヤの候補ＩＤとして収集するスペアタイヤＩＤ収集部と、収集した前記スペアタイヤの候補ＩＤを以降も同条件で継続して受信できるか否かを確認することによって前記バルブＩＤを絞り込んでいくことにより、スペアタイヤのＩＤを確定するスペアタイヤＩＤ確定部とを備えた。

本構成によれば、スペアタイヤからと判定可能な条件で受信した電波に含まれるバルブＩＤをスペアタイヤの候補ＩＤとして収集する。そして、収集した候補ＩＤのうち、スペアタイヤからと判定可能な条件で以降も継続して受信できるバルブＩＤを絞り込んでいくことにより、特定のバルブＩＤをスペアタイヤのＩＤとして確定する。よって、登録ツールを使用せずにスペアタイヤのＩＤを受信機に簡単に登録することが可能となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記条件とは、前記タイヤバルブが車両走行中であると判定可能な車速となっているにもかかわらず、前記タイヤバルブが停止情報を含む電波を送信してくることであることが好ましい。この構成によれば、バルブＩＤがスペアタイヤのＩＤか否かを、電波に実際に含まれる停止情報で判定するので、スペアタイヤの可能性があるバルブＩＤを、より正しく特定するのに有利となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記スペアタイヤＩＤ確定部は、ある時間幅を持つフェーズにおいてスペアタイヤの候補ＩＤを前記同条件で再度受信できるか否か確認し、このフェーズ単位の動作を、候補ＩＤを必要数まで絞り込めるまで繰り返すことにより、スペアタイヤのＩＤを確定することが好ましい。この構成によれば、仮に１つのフェーズでスペアタイヤのＩＤを特定することができなくても、フェーズ繰り返しによって候補ＩＤを絞り込んでいくので、特定のバルブＩＤをスペアタイヤのＩＤとして確定することが可能となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記スペアタイヤＩＤ確定部は、特定できたスペアタイヤのＩＤを一旦仮確定とし、車両のイグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられた後、当該スペアタイヤのＩＤを継続して受信できたことを確認すると、当該ＩＤを自車のスペアタイヤのＩＤとして本確定することが好ましい。この構成によれば、候補ＩＤからスペアタイヤのＩＤを絞り込めても、これを一旦仮確定とし、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたときに、同一のバルブＩＤを受信することができた時点で、このバルブＩＤをスペアタイヤのＩＤとして本確定する。よって、スペアタイヤのＩＤをより正しく確定するのに一層有利となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記スペアタイヤＩＤ確定部は、スペアタイヤのＩＤ判定を制限時間内に終了できないとき、そのＩＤ判定の動作を強制終了することが好ましい。この構成によれば、例えば渋滞等により他車のバルブＩＤを受信し易くスペアタイヤのＩＤをなかなか確定することができない状況のとき、ある程度の時間で登録を切り上げることが可能となるので、スペアタイヤのＩＤの登録を効率よく行うことが可能となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記スペアタイヤＩＤ収集部は、あるバルブＩＤをスペアタイヤのＩＤの候補として一旦保持しても、以降、前記条件を満足しない電波で当該バルブＩＤを受信すると、該ＩＤを候補から除外することが好ましい。この構成によれば、スペアタイヤの候補ＩＤをより正しく収集することが可能となるので、スペアタイヤのＩＤを確定するのに要する時間を短くすることが可能となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、それぞれの前記タイヤバルブから送信されたバルブＩＤを受信して、走行タイヤのＩＤの候補を収集する走行タイヤＩＤ収集部と、収集した前記走行タイヤの候補ＩＤを以降も継続して受信できるか否かを確認することによってＩＤを絞り込んでいくことにより、走行タイヤのＩＤを特定する走行タイヤＩＤ確定部とを備え、走行タイヤのＩＤ登録動作とスペアタイヤのＩＤ登録動作とは、同期して実行されることが好ましい。この構成によれば、走行タイヤのＩＤ登録動作とスペアタイヤのＩＤ登録動作とを同期して実行するので、これらＩＤを効率よく確定することが可能となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記スペアタイヤＩＤ確定部は、走行タイヤのＩＤの確定が済んだ後も、前記スペアタイヤのＩＤが特定できるまで、当該スペアタイヤのＩＤの絞り込みを継続することが好ましい。この構成によれば、走行タイヤのＩＤ確定が済んでも、スペアタイヤのＩＤ判定は継続することが可能となる。また、スペアタイヤのＩＤ判定を、時間をかけて行うことも可能となるので、スペアタイヤのＩＤをより正しく判定するのに一層有利となる。

前記タイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、前記スペアタイヤＩＤ確定部は、前記走行タイヤＩＤ確定部による走行タイヤのＩＤ判定が制限時間内に終了できずにＩＤ判定の動作が強制終了されるとき、これに合わせ、スペアタイヤのＩＤ判定の動作を強制終了することが好ましい。この構成によれば、例えば渋滞等していて走行タイヤのＩＤをなかなか確定することができない状況のときは、同様にスペアタイヤのＩＤも直ぐには確定できる状況ではない可能性が高い。よって、走行タイヤのＩＤを制限時間内に確定できないときには、走行タイヤのＩＤ判定が終了された時点でスペアタイヤのＩＤ判定も終了するので、スペアタイヤのＩＤ判定を効率よく行うことが可能となる。

本発明によれば、登録ツールを使用せずにスペアタイヤのＩＤを受信機に簡単に登録することができる。

一実施形態のタイヤバルブＩＤ登録システムの構成図。 重力検出部の動作ロジックを示すシーケンス図。 タイヤバルブの送信モードを示すシーケンス図。 車両が停止から走行へ切り替わったときにタイヤバルブがとる動作の説明図。 車両が走行から停止へ切り替わったときにタイヤバルブがとる動作の説明図。 走行タイヤのＩＤを受信機に登録するときの動作ロジックを示す説明図。 スペアタイヤのＩＤを受信機に登録するときの動作ロジックを示す説明図。 スペアタイヤのＩＤの判定条件をまとめた表。 スペアタイヤのＩＤを受信機に登録するときの流れを示すフローチャート。

以下、タイヤバルブＩＤ登録システムの一実施形態を図１〜図９に従って説明する。
図１に示すように、車両１は、各タイヤ２（２ａ〜２ｄ）の空気圧等を監視するタイヤ空気圧監視システム（ＴＰＭＳ：Tire Pressure Monitoring System）３を備える。タイヤ空気圧監視システム３は、各タイヤ２に取り付けられたタイヤバルブ４（４ａ〜４ｄ）を備える。タイヤバルブ４は、タイヤ栓にセンサ及び通信機能を設けたタイヤバルブセンサである。タイヤ空気圧監視システム３は、これらタイヤバルブ４から、少なくともタイヤ２の圧力データ及びＩＤが紐付けされた電波（バルブ電波）Ｓvaを車体５に送信し、車体５において各タイヤ２ａ〜２ｄの空気圧を監視する。

タイヤバルブ４は、タイヤバルブ４の動作を制御するコントローラ６と、タイヤ空気圧を検出する圧力検出部７と、タイヤ２の温度を検出する温度検出部８と、タイヤバルブ４に発生する重力を検出する重力検出部９と、タイヤバルブ４からの電波送信を可能とする送信アンテナ１０とを備える。コントローラ６のメモリ１１には、各タイヤバルブ４の固有のＩＤとしてバルブＩＤが書き込み保存されている。圧力検出部７は、例えば圧力センサであることが好ましい。温度検出部８は、例えば温度センサであることが好ましい。重力検出部９は、例えば加速度センサ（Ｇセンサ）であることが好ましい。送信アンテナ１０は、例えばＵＨＦ（Ultra High Frequency）帯の電波を送信可能であることが好ましい。

車体５は、各タイヤバルブ４から送信された電波Ｓvaを受信することにより、各タイヤ２の空気圧を監視する受信機（以降、ＴＰＭＳ受信機１２と記す）を備える。ＴＰＭＳ受信機１２は、ＴＰＭＳ受信機１２の動作を制御するタイヤ空気圧監視ＥＣＵ（Electronic Control Unit）１３と、ＴＰＭＳ受信機１２において電波受信を可能とする受信アンテナ１４とを備える。タイヤ空気圧監視ＥＣＵ１３のメモリ１５には、各タイヤバルブ４から取得したバルブＩＤが書き込み保存されている。ＴＰＭＳ受信機１２は、空気圧の監視結果を表示する表示部１６に接続されている。表示部１６は、例えば車内のインストルメントパネルに設置されることが好ましい。

ＴＰＭＳ受信機１２は、あるタイミングにおいてタイヤバルブ４ａ〜４ｄから送信された電波Ｓvaを受信アンテナ１４で受信すると、電波Ｓva内のバルブＩＤを照合し、バルブＩＤ照合が成立すれば、この電波Ｓva内の圧力データ（空気圧データ）を確認する。ＴＰＭＳ受信機１２は、空気圧が低圧閾値以下であれば、タイヤ空気圧が低圧である旨を表示部１６に表示する。ＴＰＭＳ受信機１２は、このタイヤ空気圧判定を、受信する電波Ｓvaごとに行って、タイヤ２ａ〜２ｄの空気圧を逐次監視する。

タイヤ空気圧監視システム３は、各タイヤバルブ４のバルブＩＤを自車タイヤのＩＤとしてＴＰＭＳ受信機１２に自動で登録するタイヤバルブＩＤ登録機能（タイヤバルブＩＤ登録システム１７）を備える。タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、走行タイヤ（本例はタイヤ２ａ〜２ｄ）のバルブＩＤと、車載されたスペアタイヤ２ｅ（タイヤバルブ４ｅ）のバルブＩＤとを、所定のツールを使用せずにＴＰＭＳ受信機１２に登録することが可能なシステムである。タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、自車タイヤであるタイヤ２ａ〜２ｅの取付位置を識別せずに、単にバルブＩＤのみをＴＰＭＳ受信機１２に登録するものである。走行タイヤは、車体５の前後左右の車軸２２に連結されるとともに、走行時に回転するタイヤのことをいう。

タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、走行タイヤの各タイヤバルブ４ａ〜４ｄから送信されたバルブＩＤを受信することにより、走行タイヤのＩＤ（走行タイヤＩＤ）の候補を収集する走行タイヤＩＤ収集部１８を備えることが好ましい。走行タイヤＩＤ収集部１８は、例えばタイヤ空気圧監視ＥＣＵ１３に設けられることが好ましい。走行タイヤＩＤ収集部１８は、例えばある時間帯を区切り、その所定時間の間に受信できるバルブＩＤを候補ＩＤとして収集する。

タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、収集した走行タイヤの候補ＩＤを以降も継続して受信できるか否かを確認することによってＩＤを絞り込んでいくことにより、登録する走行タイヤのＩＤを確定する走行タイヤＩＤ確定部１９を備えることが好ましい。走行タイヤＩＤ確定部１９は、例えばタイヤ空気圧監視ＥＣＵ１３に設けられることが好ましい。走行タイヤＩＤ確定部１９は、候補ＩＤを必要数まで絞り込めると、これらＩＤを自車の走行タイヤのＩＤとして確定する。

タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ（スペアタイヤＩＤ）をＴＰＭＳ受信機１２に自動で登録可能なスペアタイヤＩＤ登録機能を備える。スペアタイヤＩＤ登録機能は、走行タイヤのＩＤを特定するときと同様の手法により、スペアタイヤ２ｅのＩＤを特定して、これをＴＰＭＳ受信機１２に登録するものである。スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定は、走行タイヤのＩＤ判定と同期（同時進行）して実行されることが好ましい。

タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、スペアタイヤ２ｅの条件を満足する電波Ｓvaを送信してきたタイヤバルブ４のＩＤを、スペアタイヤ２ｅのＩＤの候補ＩＤとして収集するスペアタイヤＩＤ収集部２０を備える。スペアタイヤＩＤ収集部２０は、例えばタイヤ空気圧監視ＥＣＵ１３に設けられることが好ましい。スペアタイヤＩＤ収集部２０は、ある時間幅のフェーズにおいて、例えばタイヤバルブ４が車両走行中であると判定可能な車速となっているにもかかわらず、停止情報Ｄstを含む電波Ｓvaを送信してくるタイヤバルブ４について、そのＩＤをスペアタイヤ２ｅのＩＤの可能性があるとして収集することが好ましい。すなわち、スペアタイヤ２ｅの条件とは、車両１が走行中（所定速度以上）であるにもかかわらず、タイヤバルブ４が停止情報Ｄstを含む電波Ｓvaを送信してくることであるとよい。

タイヤバルブＩＤ登録システム１７は、収集したスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤを以降も同条件で継続して受信できるか否かを確認することによってＩＤを絞り込んでいくことにより、スペアタイヤ２ｅのＩＤを確定するスペアタイヤＩＤ確定部２１を備える。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、例えばタイヤ空気圧監視ＥＣＵ１３に設けられることが好ましい。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、ある時間幅を持つフェーズにおいてスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤを同条件で再度受信できるか否か確認し、このフェーズ単位の動作を、候補ＩＤを必要数まで絞り込めるまで繰り返すことにより、スペアタイヤ２ｅのＩＤを確定することが好ましい。

次に、図２〜図９を用いて、タイヤバルブＩＤ登録システム１７の動作を説明する。
［タイヤバルブの動作］
図２に、重力検出部９の動作ロジックを図示する。重力検出部９は、タイヤ２の回転に応じた重力（重力加速度）を検出し、主としてタイヤ回転時にタイヤバルブ４に発生する遠心力に基づく加速度を検出する。タイヤバルブ４は、重力検出部９で検出される重力信号を基に、車両１が「走行」又は「停止」のいずれの状態であるかということや、タイヤ２の回転速度、すなわち車速を検出することが可能である。

重力検出部９は、ある一定のモニタリングタイミングで、タイヤバルブ４に発生する重力を繰り返し検出する。重力モニタリング間隔Ｔａは、例えば「１６ｓ」であることが好ましい。タイヤバルブ４は、重力モニタリングのタイミングが電波送信のタイミングにされ、走行中のとき、重力モニタリング間隔ＴａにＫ１を掛けた送信間隔「Ｔａ×Ｋ１」が電波送信のタイミングにされ、停止中のとき、重力モニタリング間隔ＴａにＫ２（＞Ｋ１）をかけた送信間隔「Ｔａ×Ｋ２」が電波送信のタイミングにされる。すなわち、走行中は電波Ｓvaの送信周期が短く設定され、停止中は電波Ｓvaの送信周期が長く設定されている。なお、係数のＫ１，Ｋ２は、例えば車速や、車両１の停止時間などに応じて可変するようにしてもよい。また、ここでいう車両１の「停止」は、エンジンをきって車両１を止める「駐車」、エンジンをかけたまま車両１を止める「停車」、ゆっくり走行する「低速走行（例えば５ｋｍ／ｈ未満）」の少なくともいずれか１つの状態を含む。

図３に、タイヤバルブ４がとる動作モードの具体例を図示する。タイヤバルブ４は、図中に示す「高頻度送信」、「中頻度送信」、「低頻度送信」の３モードをとることが好ましい。高頻度送信は、停止から走行に移行したとき、停止時間が所定時間以上であることを条件に入るモードであり、電波Ｓvaの送信回数が「高頻度」である。中頻度送信は、停止から走行に移行したとき、停止時間が所定時間未満であることを条件に入るモードであり、電波Ｓvaの送信回数が「中頻度」である。低頻度送信は、車両１が停止のときに入るモードであり、電波Ｓvaの送信回数が「低頻度」である。例えば、車両１が頻繁に走行と停止とを繰り返した場合には、低頻度送信と中頻度送信とが繰り返される。また、長い時間の停止の後、車両１が走行を開始すると、タイヤバルブ４は高頻度送信に設定される。

タイヤバルブ４は、重力検出部９の重力信号を基に判定した車両状態情報Ｄcrを電波Ｓvaに含ませて、送信アンテナ１０から送信する。車両状態情報Ｄcrは、いまタイヤ２がどのような回転状態にあるのかを表す情報である。このため、各電波Ｓvaは、例えばバルブＩＤ、車両状態情報Ｄcr、圧力データ等を含む信号であることが好ましい。車両状態情報Ｄcrは、例えば車両１が走行中であることを表す走行情報Ｄdrや、車両１が停止中であることを表す停止情報Ｄstなどがある。走行情報Ｄdr及び停止情報Ｄstは、例えば数ビットのデータから構築されることが好ましく、走行情報Ｄdrが「走行ビット」であり、停止情報Ｄstが「停止ビット」であるとよい。

図４に、車両１が停止から走行へ切り替わったときのタイヤバルブ４の動作を図示する。この場合、タイヤバルブ４は、走行に切り替わった後の最初の重力モニタリングタイミングのとき、重力検出部９の出力が変化することに基づき、車両１が走行に切り替わったと認識するので、同タイミングで電波Ｓvaの送信を実行する。すなわち、タイヤバルブ４は、車両１が停止から走行に切り替わったとき、重力モニタリング間隔Ｔａ相当の一定時間内に電波Ｓvaを送信する。本例の場合、タイヤバルブ４の電波送信タイミングが重力モニタタイミングにされ、かつ重力モニタリング間隔Ｔａが「１６ｓ」と設定されているので、車両１が停止から走行に切り替わったとき、少なくとも「１６ｓ」以内にタイヤバルブ４が電波Ｓvaを送信する。

図５に、車両１が走行から停止行へ切り替わったときのタイヤバルブ４の動作を図示する。この場合、タイヤバルブ４は、停止に切り替わった後の最初の重力モニタリングタイミングのとき、重力検出部９の出力が変化することに基づき、車両１が非走行に切り替わったと認識するので、同タイミングで電波Ｓvaの送信を実行する。すなわち、タイヤバルブ４は、車両１が走行から停止行に切り替わったとき、重力モニタリング間隔Ｔａ相当の一定時間内に電波Ｓvaを送信する。このときも、タイヤバルブ４は少なくとも「１６ｓ」以内に電波Ｓvaを送信する。

［走行タイヤのＩＤ登録動作］
図６に、走行タイヤのＩＤをＴＰＭＳ受信機１２に登録するときに実行する動作ロジックを図示する。ＴＰＭＳ受信機１２は、登録モード切り替え操作が実行されると、「登録モード」に入り、バルブＩＤの登録動作を開始する。このとき、まず走行タイヤＩＤ収集部１８は、ある所定時間幅の仮登録期間（一例は２分）ＮにおいてＴＰＭＳ受信機１２の受信アンテナ１４で受信できる電波Ｓvaを監視し、バルブＩＤを収集する。すなわち、走行タイヤＩＤ収集部１８は、走行タイヤのＩＤ登録動作の「第１フェーズ」である仮登録期間Ｎの間、受信できるバルブＩＤをＴＰＭＳ受信機１２のメモリ１５に仮登録する。走行タイヤの候補となったバルブＩＤは、「走行タイヤＩＤ候補とするフラグ」が立てられてメモリ１５に書き込まれる。仮登録期間Ｎは、例えばタイヤバルブ４における電波受信率を加味し、理論上のある一定以上の高い確率で電波Ｓvaを受信できるような時間幅に設定されることが好ましい。

走行タイヤＩＤ収集部１８は、仮登録期間Ｎにおいて一度でもバルブＩＤを受信できれば、そのバルブＩＤを走行タイヤの候補ＩＤとしてメモリ１５に仮登録する。もちろん、走行タイヤＩＤ収集部１８は、同一のバルブＩＤを複数受信できたときも、その１つを走行タイヤの候補ＩＤとしてメモリ１５に仮登録する。

仮登録の完了後、走行タイヤＩＤ確定部１９は、ある所定時間幅の本登録期間（一例は２分）Ｍにおいて候補ＩＤの絞り込みを開始する。このとき、走行タイヤＩＤ確定部１９は、走行タイヤのＩＤ登録動作の「第２フェーズ」である１回目の本登録期間Ｍにおいて、仮登録した候補ＩＤを再度受信できるか否かを確認する。すなわち、走行タイヤＩＤ確定部１９は、仮登録した候補ＩＤのうち、１回目の本登録期間Ｍにおいて再度受信でなかったものを除外していくことにより、候補ＩＤを絞り込む。本登録期間Ｍは、例えば仮登録期間Ｎに対し、別途設定されることが好ましい。走行タイヤの登録候補から除外されたバルブＩＤは、メモリ１５に残されるものの「走行タイヤＩＤ候補としないフラグ」が立てられることにより、候補から除外される。なお、例えば「ＩＤ１３」のように、仮登録期間Ｎで受信しておらず本登録期間Ｍで初めて受信したＩＤがあったときには、これを１回目の本候補に加えてもよい。走行タイヤＩＤ確定部１９は、１回目の本登録期間Ｍがタイムアップしたとき、バルブＩＤの個数が所定個（一例は走行タイヤ分の４つ）まで絞り込めていれば、本登録の動作を終了する。

一方、走行タイヤＩＤ確定部１９は、１回目の本登録期間Ｍがタイムアップしても、バルブＩＤの個数を所定個（一例は走行タイヤ分の４つ）まで絞り込めていなければ、本登録を再実行する。すなわち、走行タイヤＩＤ確定部１９は、走行タイヤのＩＤ登録動作の「第３フェーズ」である２回目の本登録期間Ｌにおいて、絞り込みを継続する。なお、例えば「ＩＤ１９」のように、１回目の本登録で除外されたにもかかわらず２回目の本登録で再度受信したＩＤがあったとしても、これを繰り返しの本登録で復帰させない。そして、走行タイヤＩＤ確定部１９は、バルブＩＤを所定個に絞り込めるまで、フェーズ単位の本登録を繰り返す。

走行タイヤＩＤ確定部１９は、候補ＩＤを走行タイヤの個数の所定個（一例は走行タイヤ分の４つ）まで絞り込むことができると、これらバルブＩＤを「走行タイヤのＩＤ」としてメモリ１５に書き込んで、ＴＰＭＳ受信機１２に登録されるバルブＩＤを更新する。ＴＰＭＳ受信機１２は、走行タイヤのＩＤ登録動作を、例えば車両１のイグニッションスイッチがオンされて車両１の走行が開始される度に実行することが好ましい。

［スペアタイヤのＩＤ登録動作］
図７に、スペアタイヤ２ｅのＩＤをＴＰＭＳ受信機１２に登録するときに実行する動作ロジックを図示する。なお、スペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作は、例えば走行タイヤのＩＤ登録動作と同期して実行されることが好ましい。もちろん、走行タイヤのＩＤ登録動作と別の時間帯でスペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作が実行されてもよい。

スペアタイヤＩＤ収集部２０は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定の「第１フェーズ」である仮登録期間（一例は数分）Ｎ’の間、車体５において取得できる車速情報Ｓｖを基に車両１が走行中と判断できている状態下において、受信したバルブＩＤのうち、電波Ｓva内の走行情報Ｄdrが「停止ビット」となっているバルブＩＤを選び出し、これらを「スペアタイヤ２ｅの候補ＩＤ」として仮登録する。これは、車両１の走行又は停止にかかわらず、スペアタイヤ２ｅからは常に「停止ビット」の電波Ｓvaが送信されることを利用してスペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を行うためである。スペアタイヤ２ｅの登録候補となったＩＤは、「スペアタイヤＩＤ候補とするフラグ」が立てられてメモリ１５に書き込まれる。なお、スペアタイヤ２ｅの仮登録期間Ｎ’は、走行タイヤの仮登録期間Ｎと同一としてもよいし、これに対し、別途設定されてもよい。

車速情報Ｓｖは、例えばメータＥＣＵ等の他の車載ＥＣＵから定期的に取得する車速データであることが好ましい。また、車速情報Ｓｖは、例えば車軸２２の回転位置（回転量）を検出可能な車軸回転検出部２３から出力されるパルス信号であってもよい。車軸回転検出部２３は、例えば各車軸に設けられたＡＢＳ（Antilock Brake System）センサが好ましい。その場合、ＴＰＭＳ受信機１２は、パルス信号のパルス数の変化（単位時間あたりの変化量）を確認することにより、車速を判断する。

図８に示すように、スペアタイヤ２ｅの候補としてフラグが立てられるバルブＩＤは、車体５において車速情報Ｓｖが規定速度Ｖr2（一例は３０ｋｍ／ｈ程度）以上と判定されている状況下のときに、停止ビットを含む電波Ｓvaで受信したバルブＩＤとすることが好ましい。これは、タイヤバルブ４の走行判定は低速下では不安定であるので、車体５において規定速度Ｖr2以上と判定されているときに停止ビットで受信できたバルブＩＤのみ候補ＩＤとして取得した方が、精度が確保されるからである。このため、停止ビットで受信できたバルブＩＤであっても、車速がＶr2未満であれば、スペアタイヤ２ｅの候補として取り込まない。

図７に示すように、スペアタイヤＩＤ収集部２０は、図中の例えば「ＩＤ５７」、「ＩＤ５８」、「ＩＤ５９」のように、スペアタイヤ２ｅの候補として取得したバルブＩＤであっても、仮登録期間Ｎ’の範囲内において、そのＩＤを１度でも「走行ビット」を含む電波で受信すると、それをスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤから外すようにしてもよい。スペアタイヤ２ｅの候補から除外されたＩＤは、メモリ１５に残されるものの「スペアタイヤＩＤ候補としないフラグ」が立てられることにより、候補から除外される。

仮登録の完了後、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、ある所定時間幅の本登録期間（一例は数分）Ｍ’において候補ＩＤの絞り込みを開始する。このとき、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定の「第２フェーズ」である１回目の本登録期間Ｍ’において、仮登録したスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤを、仮登録のときと同じ条件で、再度受信できるか否かを確認する。すなわち、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、仮登録した候補ＩＤのうち、１回目の本登録期間Ｍ’において、仮登録のときと同じ条件で再度受信できなかったＩＤを除外していくことにより、候補ＩＤを絞り込む。ここでいう同じ条件とは、ＴＰＭＳ受信機１２において車両１が走行中と判断できているときに、バルブＩＤを「停止ビット」で受信できることをいう。スペアタイヤ２ｅの１回目の本登録期間Ｍ’は、１回目の本登録期間Ｍと同一としてもよいし、これに対し、別途設定されてもよい。

候補から外されるバルブＩＤは、バルブＩＤを「走行ビット」が立ったＩＤ（一例は「ＩＤ５４」）で再受信したときである。また、候補から外されるバルブＩＤは、１回目の本登録期間Ｍ’において受信することができなかったＩＤ（一例は「ＩＤ５２」）である。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、図中の例えば「ＩＤ５５」、「ＩＤ５６」のように、スペアタイヤ２ｅの候補として取得したＩＤであっても、本登録期間Ｍ’の範囲内において、そのＩＤを１度でも「走行ビット」を含む電波で受信すると、それをスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤから外すようにしてもよい。なお、例えば「ＩＤ６０」のように、仮登録期間Ｎ’で受信しておらず本登録期間Ｍ’で初めて受信したＩＤがあったときには、仮登録時に課した受信の条件を満足する、または満足しないにかからわらず、これらを本候補から除外するとよい。

スペアタイヤ２ｅの登録候補から除外されたバルブＩＤは、メモリ１５に残されるものの「スペアタイヤＩＤ候補としないフラグ」が立てられることにより、候補から除外される。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、１回目の本登録期間Ｍ’がタイムアップしたとき、バルブＩＤの個数が所定個（１輪）まで絞り込めていれば、本登録の動作を終了する。

なお、１回目の本登録期間Ｍ’（第２フェーズ）のとき、バルブＩＤごとに受信状況をモニタし、タイヤバルブ４の送信周期を考慮して、一定時間以上又は所定回数以上受信できないＩＤを他車のＩＤとして除外してもよい。この場合、第１フェーズ及び第２フェーズの２つのフェーズでバルブＩＤを確定できるようになる。

一方、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、１回目の本登録期間Ｍ’がタイムアップしても、バルブＩＤの個数を所定個まで絞り込めていなければ、本登録を再実行する。すなわち、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定の「第３フェーズ」である２回目の本登録期間Ｌ’において、絞り込みを継続する。なお、第３フェーズにおいて、新たに受信したバルブＩＤについては、本登録の候補としないことが好ましい。そして、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、バルブＩＤを所定個に絞り込めるまで、フェーズ単位の本登録を繰り返す。

候補ＩＤの確定の仕方は、以下の２通りが考えられる。１つ目の考え方は、前述の条件以外の電波で受信したバルブＩＤ、及び未受信のバルブＩＤを、スペアタイヤ２ｅの候補から除外していき、所定時間（本登録期間Ｌ’）の経過後、候補ＩＤが１つのＩＤに絞り込めていれば、スペアタイヤ２ｅのＩＤを確定する。２つ目の考え方は、例えば所定時間の経過前に、登録モードを開始してから累積で所定の回数受信したバルブＩＤが現れれば、それをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして確定する。

スペアタイヤＩＤ確定部２１は、候補ＩＤをスペアタイヤ２ｅの個数の所定個まで絞り込むことができると、このバルブＩＤを「スペアタイヤ２ｅのＩＤ」としてメモリ１５に書き込んで、ＴＰＭＳ受信機１２に登録されるバルブＩＤを更新する。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を制限時間内に終了できないと、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定の動作を強制終了する。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、走行タイヤＩＤ確定部１９による走行タイヤのＩＤ判定が制限時間内に終了できずに走行タイヤのＩＤ判定が強制終了されるとき、これに合わせ、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を強制終了する。

次に、総括としてスペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作の流れをフローチャートに沿って説明する。
図９に示すように、ステップ１０１において、ＴＰＭＳ受信機１２は、ＴＰＭＳ受信機１２において登録モード切り替えの操作が実行されると、登録モード切替要求を入力する。登録モードへの切り替え操作としては、例えばＴＰＭＳ受信機１２に設けられたトリガスイッチを複数回押すなどの操作がある。

ステップ１０２において、ＴＰＭＳ受信機１２は、登録モード切替要求を入力すると、ＴＰＭＳ受信機１２の動作モードを登録モードに切り替える。
ステップ１０３において、ＴＰＭＳ受信機１２は、動作モードが登録モードに切り替わったこと、すなわち登録モードが開始されたことを表示部１６に表示する。登録モード実行中の表示としては、例えば表示部１６においてインジケータを点滅表示するなどがある。

ステップ１０４において、ＴＰＭＳ受信機１２は、登録モードのとき、他の車載ＥＣＵや各種センサ等から取得する車速情報Ｓｖを基に車速を監視し、車速が所定速度（例えば５ｋｍ／ｈ）以上となると、スペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作を開始する。

ステップ１０５において、スペアタイヤＩＤ収集部２０は、スペアタイヤ２ｅの可能性のある候補ＩＤを収集する仮登録の処理（仮登録期間Ｎ’の処理）を実行する。すなわち、スペアタイヤＩＤ収集部２０は、第１フェーズである仮登録期間Ｎ’において、車速情報Ｓｖに基づく速度判定で車速が規定値Ｖr2以上となっている状況下で「停止ビット」が立ったバルブＩＤの電波Ｓvaを収集する。

ステップ１０６において、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、候補ＩＤの中から特定の１つをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして確定する本登録（本登録期間Ｍ’，Ｌ’）の処理を実行する。すなわち、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、第２フェーズ以降も第１フェーズと同様の判定でバルブＩＤを取り込む本登録の動作を実行し、複数の候補ＩＤを特定の１つまで絞り込む。

ステップ１０７において、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、バルブＩＤを１つに絞り込めたか否かを判断する。バルブＩＤが１つに絞り込めていなければ、ステップ１０６に移行して絞り込みを継続する。バルブＩＤが１つに絞り込めれば、ステップ１０８に移行する。

ステップ１０８において、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、１つに絞り込まれたバルブＩＤを、スペアタイヤ２ｅのＩＤの可能性があるＩＤとしてメモリ１５に一旦仮確定する。

ステップ１０９において、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、オフされたイグニッションスイッチが再度オンされた後、所定時間内に、メモリ１５に保持された仮確定のバルブＩＤを再度受信できるか否かを確認する。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、イグニッションスイッチから入力するイグニッション信号Ｓigを基に、車両電源状態を判断する。再受信できたときには、ステップ１１０に移行し、再受信できなかったときは、ステップ１１１に移行する。

ステップ１１０において、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、メモリ１５に仮確定として記憶しておいたバルブＩＤを、自車のスペアタイヤ２ｅのＩＤとして本確定する。
ステップ１１１において、スペアタイヤＩＤ確定部２１は、メモリ１５に保持されたバルブＩＤを破棄する。そして、フローが強制終了され、次回のスペアタイヤ２ｅのＩＤ登録が開始されるまで待機される。

スペアタイヤＩＤ確定部２１は、走行タイヤＩＤ確定部１９により走行タイヤのＩＤが確定された後も、スペアタイヤ２ｅのＩＤが特定できるまで、スペアタイヤ２ｅのＩＤの絞り込みを継続する。すなわち、走行タイヤのＩＤの確定が完了して表示部１６のインジケータの点滅が消灯されても、ユーザが認識することはないバックグラウンドでスペアタイヤ２ｅのＩＤ判定が継続される。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を制限時間内に完了することができなければ、ユーザに別途通知等はせず、そのまま処理を終了する。

本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
（１）スペアタイヤＩＤ収集部２０は、ある仮登録期間Ｎ’において、スペアタイヤ２ｅからと判定可能な条件で受信した電波Ｓvaに含まれるバルブＩＤを、スペアタイヤ２ｅの候補ＩＤとして収集する。スペアタイヤＩＤ確定部２１は、収集した候補ＩＤのうち、以降の本登録期間Ｍ’，Ｌ’，…のフェーズ繰り返しにおいて、スペアタイヤ２ｅからと判定可能な条件で以降も継続して受信できるバルブＩＤを絞り込んでいくことにより、特定のバルブＩＤをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして確定する。よって、登録ツールを使用せずにスペアタイヤ２ｅのＩＤをＴＰＭＳ受信機１２に簡単に登録することができる。

（２）受信ＩＤがスペアタイヤ２ｅのＩＤか否かの判定の条件は、車両１が走行中であるにもかかわらず、タイヤバルブ４が停止情報Ｄstを含む電波Ｓvaを送信してくることとした。よって、バルブＩＤがスペアタイヤ２ｅのＩＤか否かを、電波Ｓvaに実際に含まれる停止情報Ｄstで判定するので、スペアタイヤ２ｅの可能性があるバルブＩＤを、より正しく特定するのに有利となる。

（３）スペアタイヤＩＤ確定部２１は、フェーズ繰り返しによってバルブＩＤを絞り込んでいくことにより、スペアタイヤ２ｅのＩＤを確定する。よって、仮に１つのフェーズでスペアタイヤ２ｅのＩＤを特定することができなくても、フェーズ繰り返しにより、特定のバルブＩＤをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして確定することができる。

（４）スペアタイヤＩＤ確定部２１は、候補ＩＤから所定のものをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして絞り込めても、これを一旦仮確定とし、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたとき、仮確定したバルブＩＤを受信することができた時点で、このバルブＩＤをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして本確定する。よって、スペアタイヤ２ｅのＩＤをより正しく確定するのに一層有利となる。

（５）スペアタイヤＩＤ確定部２１は、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を制限時間内に終了できないとき、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定の動作を強制終了する。よって、例えば渋滞等により、スペアタイヤ２ｅのＩＤをなかなか確定することができない状況のとき、ある程度の時間で登録を切り上げることが可能となるので、スペアタイヤ２ｅのＩＤ登録を効率よく行うことができる。

（６）仮登録期間Ｎ’のとき、スペアタイヤＩＤ収集部２０は、あるＩＤをスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤとして一旦保持しても、以降、このバルブＩＤを、スペアタイヤ２ｅから送信されたと判定可能な条件以外の電波Ｓvaで受信すると、これを候補ＩＤから除外する。よって、スペアタイヤ２ｅの候補ＩＤをより正しく収集することが可能となるので、スペアタイヤ２ｅのＩＤを確定するのに要する時間を短くすることができる。

（７）走行タイヤのＩＤ登録動作とスペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作とを同期して実行するので、これらＩＤを効率よく確定することができる。
（８）スペアタイヤＩＤ確定部２１は、走行タイヤのＩＤの確定が済んだ後も、スペアタイヤ２ｅのＩＤが特定できるまで、スペアタイヤ２ｅのＩＤの絞り込みを継続する。よって、走行タイヤのＩＤの確定が済んでも、スペアタイヤ２ｅのＩＤの判定を継続することができる。また、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を、時間をかけて行うことも可能となるので、スペアタイヤ２ｅのＩＤをより正しく判定するのに一層有利となる。

（９）スペアタイヤＩＤ確定部２１は、走行タイヤＩＤ確定部１９による走行タイヤのＩＤ判定が制限時間内に終了できずに走行タイヤのＩＤ登録動作が強制終了されたとき、これに合わせ、スペアタイヤ２ｅのＩＤ判定を強制終了する。ところで、例えば渋滞等していて走行タイヤのＩＤをなかなか確定することができない状況のときは、同様にスペアタイヤ２ｅのＩＤも直ぐには確定できる状況になっていないはずである。よって、走行タイヤのＩＤを制限時間内に確定できないときには、走行タイヤのＩＤ判定が終了された時点でスペアタイヤ２ｅのＩＤ判定も終了するので、スペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作を効率よく行うことができる。

なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・各フェーズの間に、バルブＩＤの判定を一時停止する中断期間を設けてもよい。中断期間の設定の仕方は、例えば以下の（I），（II），（III）の３例がある。
（I）ある車速以上で走行しているときの累積時間を計測し、累積時間が規定値以上となるまで登録の動作を中断すること
（II）フェーズが終了してからの経過時間をタイマで計測し、タイマがタイムアップするまで登録の動作を中断すること
（III）車速に応じてカウントの態様が変化するカウンタでカウント値を計測し、カウント値が規定値以上となるまで登録の動作を中断すること
このように、各フェーズの間に中断期間を設けるようにすれば、例えば渋滞等でスペアタイヤ２ｅのＩＤをなかなか確定することができない状況のとき、中断を挟んで、渋滞が解消した別の時間帯でスペアタイヤ２ｅのＩＤの判定を実行できることになる。よって、スペアタイヤ２ｅのＩＤを効率よく判定するのに有利となる。

・ＴＰＭＳ受信機１２を登録モードに切り替えるトリガは、直接又は間接を問わず、種々の態様が採用可能である。
・スペアタイヤ判定の第１フェーズ（仮登録期間Ｎ’）は、例えばタイマにより所定時間で終了するように時間管理を行ってもよい。

・スペアタイヤ判定の第１フェーズ（仮登録期間Ｎ’）は、例えば０〜１０ｋｍ／ｈのときに第１の時間、１０〜２０ｋｍ／ｈのときに第２の時間とするように、種々の走行条件に応じてフェーズ時間を可変としてもよい。

・スペアタイヤ判定の第１フェーズ（仮登録期間Ｎ’）は、例えば候補ＩＤの総数が所定数に到達したときに、フェーズを終了するようにしてもよい。
・第１フェーズと第２フェーズとを別々のフェーズにすることに限定されず、第１フェーズ及び第２フェーズを１つの処理期間として設定してもよい。すなわち、あるバルブＩＤをスペアタイヤ２ｅの候補ＩＤとして取得でき、同一フェーズ内において、そのＩＤを再度受信できたことをもって、候補ＩＤを絞り込んでいく処理としてもよい。

・本登録の絞り込みは、例えば所定期間を設定しておき、その期間内において、スペアタイヤ２ｅである条件を満足しない電波Ｓvaで受信したバルブＩＤを、候補から除外するようにしてもよい。すなわち、スペアタイヤ２ｅを満足する条件の電波でバルブＩＤを受信することで絞り込むのではなく、そのバルブＩＤは受信できなくてもよいので、スペアタイヤ２ｅを満足しない条件の電波Ｓvaで受信したバルブＩＤのみを、候補から除外する方式をとってもよい。

・本登録の処理は、フェーズを繰り返すことで候補ＩＤを絞り込む処理に限定されない。例えば、１度のフェーズで最初に所定回数受信できたバルブＩＤを、スペアタイヤ２ｅのＩＤとして本確定する処理としてもよい。

・本登録の処理は、例えばスペアタイヤ２ｅのＩＤを１つに絞り込めた段階から、そのＩＤを所定回数受信できたとき、これをスペアタイヤ２ｅのＩＤとして確定するようにしてもよい。

・スペアタイヤ２ｅのＩＤの確定は、イグニッションスイッチのオフ→オンの切り替え後の再受信を、複数回課すこととしてもよい。
・ＴＰＭＳ受信機１２は、走行／停止でタイヤバルブ４の送信頻度が切り替わることを利用して、送信頻度が低送信頻度に準ずる電波Ｓvaであることにより、スペアタイヤ２ｅから送信された電波Ｓvaであると判定してもよい。

・タイヤバルブ４は、各送信モードにおいて、電波Ｓvaの送信間隔を切り替えてもよい。例えば、高頻度送信のときには、電波Ｓvaの前後の送信間隔を短くし、中頻度送信のときには、電波Ｓvaの前後の送信間隔を長くしてもよい。

・スペアタイヤ２ｅは、２つ以上としてもよい。
・走行タイヤのＩＤ登録動作とスペアタイヤ２ｅのＩＤ登録動作とは、同期して実行されることに限らず、それぞれ別の時間帯に実施されてもよい。

・高頻度送信や中頻度送信において複数回送信される電波Ｓvaは、全てが同じ信号内容を有することに限らず、例えば１番目の電波Ｓvaと２番目以降の電波Ｓvaとで信号情報が異なるなど、適宜変更してもよい。

・スペアタイヤ２ｅのＩＤを確定できたとき、その旨を表示部１６で表示するようにしてもよい。

１…車両、２…タイヤ、２ａ〜２ｄ…走行タイヤ、２ｅ…スペアタイヤ、４（４ａ〜４ｅ）…タイヤバルブ、５…車体、１２…受信機（ＴＰＭＳ受信機）、１７…タイヤバルブＩＤ登録システム、１８…走行タイヤＩＤ収集部、１９…走行タイヤＩＤ確定部、２０…スペアタイヤＩＤ収集部、２１…スペアタイヤＩＤ確定部、Ｓva…電波、Ｄst…停止情報。

Claims (9)

1. 各タイヤのタイヤバルブからタイヤ空気圧データを含む電波を送信させ、車体の受信機で前記電波を受信して各タイヤの空気圧を監視するのに必要であり、前記タイヤバルブのＩＤを前記受信機に登録するタイヤバルブＩＤ登録システムにおいて、
   スペアタイヤからの電波と判定可能な条件で受信した電波に含まれるバルブＩＤを、スペアタイヤの候補ＩＤとして収集するスペアタイヤＩＤ収集部と、収集した前記スペアタイヤの候補ＩＤを以降も同条件で継続して受信できるか否かを確認することによって前記バルブＩＤを絞り込んでいくことにより、スペアタイヤのＩＤを確定するスペアタイヤＩＤ確定部と
   を備えたことを特徴とするタイヤバルブＩＤ登録システム。
2. 前記条件とは、前記タイヤバルブが車両走行中であると判定可能な車速となっているにもかかわらず、前記タイヤバルブが停止情報を含む電波を送信してくることである
   ことを特徴とする請求項１に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
3. 前記スペアタイヤＩＤ確定部は、ある時間幅を持つフェーズにおいてスペアタイヤの候補ＩＤを前記同条件で再度受信できるか否か確認し、このフェーズ単位の動作を、候補ＩＤを必要数まで絞り込めるまで繰り返すことにより、スペアタイヤのＩＤを確定する
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
4. 前記スペアタイヤＩＤ確定部は、特定できたスペアタイヤのＩＤを一旦仮確定とし、車両のイグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられた後、当該スペアタイヤのＩＤを継続して受信できたことを確認すると、当該ＩＤを自車のスペアタイヤのＩＤとして本確定する
   ことを特徴とする請求項１〜３のうちいずれか一項に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
5. 前記スペアタイヤＩＤ確定部は、スペアタイヤのＩＤ判定を制限時間内に終了できないとき、そのＩＤ判定の動作を強制終了する
   ことを特徴とする請求項１〜４のうちいずれか一項に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
6. 前記スペアタイヤＩＤ収集部は、あるバルブＩＤをスペアタイヤのＩＤの候補として一旦保持しても、以降、前記条件を満足しない電波で当該バルブＩＤを受信すると、該ＩＤを候補から除外する
   ことを特徴とする請求項１〜５のうちいずれか一項に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
7. それぞれの前記タイヤバルブから送信されたバルブＩＤを受信して、走行タイヤのＩＤの候補を収集する走行タイヤＩＤ収集部と、
   収集した前記走行タイヤの候補ＩＤを以降も継続して受信できるか否かを確認することによってＩＤを絞り込んでいくことにより、走行タイヤのＩＤを特定する走行タイヤＩＤ確定部とを備え、
   走行タイヤのＩＤ登録動作とスペアタイヤのＩＤ登録動作とは、同期して実行される
   ことを特徴とする請求項１〜６のうちいずれか一項に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
8. 前記スペアタイヤＩＤ確定部は、走行タイヤのＩＤの確定が済んだ後も、前記スペアタイヤのＩＤが特定できるまで、当該スペアタイヤのＩＤの絞り込みを継続する
   ことを特徴とする請求項７に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。
9. 前記スペアタイヤＩＤ確定部は、前記走行タイヤＩＤ確定部による走行タイヤのＩＤ判定が制限時間内に終了できずにＩＤ判定の動作が強制終了されるとき、これに合わせ、スペアタイヤのＩＤ判定の動作を強制終了する
   ことを特徴とする請求項７又は８に記載のタイヤバルブＩＤ登録システム。