JP2015123419A - 油水分離フィルター、油水分離エレメント、除水装置及び油水分離方法 - Google Patents
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Abstract
広範囲の粘度の油の除水に優れる油水分離フィルター、油水分離エレメント、除水装置及び油水分離方法を提供する。
【解決手段】
水分を含む油から水分を分離する、親水性繊維が集合した繊維集合体10−3を備え、繊維集合体10−3に水分10−10aを含む油10−9を通過させると、油10−9に含まれる水分10−10aが繊維集合体10−3の内部で凝集し、凝集した水分10−10aは繊維集合体10−3から離脱することなく親水性繊維を伝って繊維集合体10−3内を下方に移動する。
【選択図】 図3
Description
(a) 遠心分離方式は、比重差を利用して、遠心力により強制的に潤滑油と水分を分離する方式である。しかし、この遠心分離方式は、遠心分離機の高速運転、及び、汚染物(機器の損傷物や劣化物等)の自動排出機構、等のために定期的なメンテナンスを必要とする。
(b) コアレッサータイプ方式は、軽油等の燃料油やVG32のタービン油のように油の粘度が低く(通常2〜5cStで最大でも10cSt以下)、汚染物をほとんど含まない油の除水に適用されており、濾過精度の高い濾過層を有するフィルターを通すことにより、油中の水滴を粗大化して沈殿させて油から除去する方式である(特許文献1参照)。この方式の除水メカニズムとしては、水滴が微小な場合、油中の水滴間に静電反発力が働くことから、水滴が油中に分散するが、微細繊維からなるフィルターを通すことで、水滴同士が衝突したり、水滴がフィルター繊維に付着することで、微小水滴の凝集・粗大化が生じ、その粗大化した水滴が繊維から離脱し油の中に流出した後、粗大化した水滴が比重差から油中を落下し、容器底部に溜まる仕組みとなしたものである。一般に、多量の水の処理には不向きで、10000ppm(1%)以下程度の水分の除去に適用されており、多量の水が混入している場合は十分な粗大化効果が得られない。そのため、フィルターの材質、繊維径および密度等を最適化したフィルター素材が提案されている(特許文献2〜4)が、基本的に、繊維径をより細くし、密度を大きくする、つまり濾過精度を高くすることで除水効率を高めようとしている。
(c) 吸着方式は、吸水ポリマーや白土・ゼオライト等の吸着材を通過させ、水分のみを吸着除去する方式である。しかし、この方式においては、吸着材に吸着できる水分量が限られるため、高濃度の水の吸着には不向きであり、通常は2000ppm以下の水分を対象とする。又、吸着材の交換も必要であり、ランニングコストも高くつく。
例えば、圧延鋼材の製造規模にもよるが、潤滑油への水の混入量は、多い場合1000リットル/日に達し、これに対応する給油タンクの規模は、およそ15000〜35000リットルであり、潤滑油は設備の潤滑系と給油タンク間を循環する。このようなケースの場合、給油タンクから除水装置に送られる潤滑油は、ほとんどが水となる場合があり、このような多量の水を効果的に可能な限り除水して系外へ排出しなければならない。又、給油タンクから除水装置に送られる潤滑油が除水処理された後、除水が不十分で水分含有量の高い状態で戻り油として給油タンクに戻された場合、この水分含有量の高い潤滑油が潤滑系に給油されると、水分は潤滑系でエマルジョン化し除去されにくくなるため、エマルジョン化した水分も効率よく除去しなければならない。さらに、除水装置において分離排出される水に含まれる油分が多くなると、排水処理設備の油分分離装置や活性汚泥浄化装置の負荷が大きくなり、処理可能な排水量が減少するため、可能な限り油分の少ない状態で排出することが望まれる。
一般に、製鉄所の熱間圧延設備における熱間圧延ロールや搬送ロールの軸受装置においては、過酷な荷重を受けるために高い潤滑性能が要求され、150cSt以上の高粘度のギヤ油が用いられる。
(a) 遠心分離方式:
この方式は、潤滑油に含まれる水の割合が大きく変動すると、遠心分離機の可動部の負荷が高くなるため、故障が多くならざるを得なく、複雑な機構を有するためその修理には多大な時間を要する。その間は更油や手作業による潤滑油供給タンクの水切りで、潤滑油の水分含有量を管理限界内に保つことが要求されることから、コストや人件費の増加を伴うという問題が生じる。
(b) コアレッサータイプ方式:
この方式は、高粘度の油に適用すると、コアレッサーから排出される際の水滴の粗大化の効率が悪く、除水効率が低くなることが知られている。また、150cSt以上の高粘度の油に適用すると、濾過精度の高いフィルターでは油が通過せず、除水できない。油を通すため、単にフィルターの濾過精度を低くしても十分に除水できない。そこで、特許文献1では、油を加熱し、粘度を下げた状態で、コアレッサーを通して水を分離する方法も提案しているが、循環して使用する製鉄設備の潤滑油においては、加熱により粘度が下がった状態では所定の潤滑性能を発揮できない為、潤滑油を加熱して粘度を下げる方法は取ることができない。更に、加熱により油が劣化するおそれもある。また、大量の水が含まれる場合、フィルターが水で目詰まりして抵抗が大きくなり、油が通過しなくなったり、通過した水滴が沈降することなく、油と共に流出して除水効率が低くなる問題がある。
(c) 吸着方式:
この方式は、高粘度の油に分散した水は吸着材に吸着され難いことと、吸着材に吸着できる水分量が限られることから、製鉄所の熱間圧延設備における熱間圧延ロールや搬送ロールの軸受装置のような大量の水を含む潤滑油の水除去処理には全く適用できない。
なお、従来のコアレッサーと類似な構成であるが、異なる原理で除水するため、本発明ではコアレッサーを「除水エレメント」と呼ぶ。
ここで、前記親水性繊維の繊維径が10μm以上30μm以下であり、前記繊維集合体のかさ密度が0.08g/cm3以上0.16g/cm3以下であることを好ましい態様とするものであり、前記繊維集合体はシート状であり、厚みが4mm以上16mm以下であること、および前記繊維集合体が脱脂綿であることを更に好ましい態様とするものである。
本発明に係る油水分離フィルター適用する油としては、粘度150cSt以上の潤滑油が好適である。
次に、本発明に係る油水分離エレメントは、内側に前記水分を含む油が導入され、複数の貫通穴を有し、直立して設けられた筒体と、前記筒体の外表面に設けられた前記油水分離フィルターと、を備えることを特徴とするものである。
本発明に係る除水装置は、油水分離槽と、前記油水分離槽内に設けられた前記油水分離エレメントと、前記筒体内に前記水分を含む油を導入する導入手段と、前記油水分離エレメントによって分離された油分と水分をそれぞれ前記油水分離槽から排出する油分排出手段および水分排出手段と、を備えることを特徴とするものである。更に、前記除水装置は、前記油水分離槽内に設けられた除水エレメント取付台を備え、前記除水エレメント取付台と前記油水分離槽との間に貯水空間が形成され、前記除水エレメントは、前記除水エレメント取付台の上面上に設けられ、前記除水エレメント直下に空間を有さないことが望ましい。
本発明に係る油水分離方法は、水分を含む油を、親水性繊維が集合した繊維集合体を通過させて、前記油に含まれる水分を前記繊維集合体の内部で凝集させ、凝集した水分を前記繊維集合体から離脱させることなく前記親水性繊維を伝わせて前記繊維集合体内を重力により下方に移動させて、前記水分を含む油から水分を取り除くことを特徴とするものである。
本発明の特定の機能を有する油水分離フィルター、除水エレメント(油水分離エレメント)、及びこの除水エレメントを採用した潤滑油の除水装置は、除水エレメントから油の流れにまかせて水滴を離脱させることなく、除水エレメントの内部で重力により油水分離フィルター内の繊維を伝わせて下方に移動させ、エレメント式油水分離槽内に沈降させる方式を採用したことにより、多量の水分の混入が激しい環境下で使用される150cSt以上の高粘度の潤滑油の除水を効率的、経済的に行うことができる。従って、例えば製鉄所の熱間圧延設備における熱間圧延ロールや搬送ロールの軸受装置のような過酷な条件下で使用される150cSt以上の高粘度の潤滑油の除水装置として、極めて有用性に富むものである。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る潤滑油の除水装置のシステムは、大きく分けて除水エレメント式油水分離槽1、重力式油水分離槽2、潤滑油の給油タンク3、プレフィルター槽4、潤滑油の給油配管5−1及び戻り油配管5−2から成る循環経路により構成されている。図示しない圧延機の軸受け6とは、圧延機戻り油配管6−1、圧延機給油配管6−2、圧延機給油ポンプ6−3から成る循環経路により構成されている。
図示しない圧延機の軸受6から回収された含水潤滑油は配管6−1を介し給油タンク3に送られ、次いで、給油タンク3から給油配管5−1を介して循環ポンプPによりプレフィルター槽4を経由して除水エレメント式油水分離槽1に送られ、ここで除水された潤滑油は戻り油配管5−2を介して再び給油タンク3に循環移送され、圧延機給油ポンプ6−3により圧延機給油配管6−2を介して圧延機に供給される仕組みとなっている。なお、給油タンク3から潤滑油を循環させる循環ポンプPとしては、粘度の高い潤滑油から、潤滑性を有さない水や液体まで問題なく移送できること、及び、潤滑油と水の混合液を吸入しても、微細な水滴又は油滴にまで砕いて混和しないこと、等の観点から、スクリュウポンプ(モノーポンプ)が好適である。又、循環経路に配設されたプレフィルター槽4は、潤滑油中の大きな汚染物質(例えば、100μm以上の摩耗粒子等)をプレフィルター4−1により除去するためのものである。
ここで、油水分離フィルター10−3は繊維が集合した繊維集合体を備えたものであり、用いる繊維としては、水滴を捕獲しやすいように親水性の強い繊維が好適であることから、綿繊維、レーヨン、表面を給水処理したアクリル繊維等が望ましく、その中でも特に化学的、機械的に強い脱脂綿が望ましい。具体的には、繊維径が10μm以上30μm以下、繊維集合体のかさ密度が0.08g/cm3以上0.16g/cm3以下であることが望ましい。また、繊維集合体はシート状であり、その厚みが4mm以上16mm以下であることが望ましい。その理由は、繊維径が10μm未満では高粘度の油の流れで圧縮され、濾過精度が高くなり、油が流れなくなってしまうことと、繊維に捕獲された水滴が容易に脱落して油と共に流出し除水効率が下がるためである。
他方、30μmを超えると繊維集合体の単位体積当たりの繊維表面が小さくなるため繊維が水滴を捕獲する量が小さくなり、除水効率が下がるためである。又、繊維集合体のかさ密度が0.08g/cm3未満では水滴が繊維に捕獲されることなく流出し、他方、0.16g/cm3を超えると流体抵抗が大きくなりすぎるためである。さらに、繊維集合体の厚みは、4mm未満と薄すぎると繊維に捕獲された水滴が、油の流れにより脱落して油と共に流出してしまい、他方、16mmを超えると、流体抵抗のため繊維集合体が使用中に圧縮されてかさ密度が高くなり、流体抵抗が大きくなるためである。流体抵抗が大きくなることは、油が流れなくなることを意味し、結果として除水効率を低下させる。また、一般に繊維集合体は不織布とし、繊維を熱的又は機械的又は科学的な作用によって繊維同士を接着させるが、本発明では接着させないことが望ましい。繊維同士の接着部が、水滴が繊維を伝って下方に移動する際の抵抗となるためである。
なお、従来のコアレッサーはフィルター下部が空隙となり、水が溜まる空間が大きくなるように形成されているが、高粘度の潤滑油に適用する場合、水(水滴)が油の中で浮かぶ状況が生じると、油の流れにつられて水(水滴)が外部に流出し、除水効率を低下させる。このため、本発明では図1に示すように除水エレメント取付台10−11に除水エレメント10を備えることで、前記除水エレメント直下に空間をなくし、除水エレメント10からの分離水10−10を除水エレメント取付台10−11の上面から流下させて除水エレメント取付台と油水分離槽1との間の貯水空間に溜めることで、油の流れによる影響を受けないようにし、分離水の流出を防ぎ除水効率の向上をはかることができる。
例えば、絶縁材の表面に導電率もしくは誘電率の高い物質が多量に付着すると、水検知器1−1は油側にあっても水側にあるのと同様の出力を出してしまうことがある。このような場合、除水エレメント式油水分離槽1から重力式油水分離槽2へ油含有量の高い水分が移送され、結果的に工場内等での排水処理の負荷を高めてしまうことになる。このため、本発明のシステムでは、後述する重力式油水分離槽2側に設置する油検知器2−11により前記水検知器1−1の誤動作防止をはかることとした。
なお、除水エレメント式油水分離槽1で分離された水10−10の重力式油水分離槽2への移送は、以下の方法により行うことができる。
(1).水検知器1−1が油水境界面の上昇を検知したとき、電磁弁V1を設定時間(例えば、5秒)だけ開いて油水分離槽1の底部に溜まった水を重力式油水分離槽2へ移送する。
(2).水検知器1−1を上位検知器(図示せず)と下位検知器(図示せず)の二つで構成し、上位検知器が水を検知したとき(この時、下位検知器も水を検知していることはいうまでもない。)、電磁弁V1を開いて油水分離槽1内の水を重力式油水分離槽2へ移送し、下位検知器が水を検知しなくなったときに電磁弁V1を閉じて水の移送を停止する。
他方、油水分離槽1に配設されている水検知器1−1の性能の低下、誤動作は、油水分離槽1の運転時に正確かつ簡便に判定することを困難ならしめ、除水エレメント式油水分離槽1からの排水中の油分濃度もしくは戻り油中の水分濃度でしか正確に判定することができない上、分離排水中の油分が増えると工場排水等の浄化システムに負荷を与えることとなる。さらに、水検知器1−1の誤動作が著しい場合は、除水エレメント式油水分離槽1の分離水排出口から水分を含まない潤滑油を排出してしまうこともあり得る。このため、本発明に係るシステム構成においては、除水エレメント式油水分離槽1と重力式油水分離槽2を併設し、除水エレメント式油水分離槽1からの分離排水を外部に放出する前に、重力式油水分離槽2に導き、ここで油分の分離とともに除水エレメント式油水分離槽1の水検知器1−1の性能の劣化や誤動作を知るようにした。これによりメンテナンス(管理)フリーの実現が可能となる。
図6Aに示す試験装置を用い、除水エレメントのフィルター繊維の材質、繊維同士の状態、繊維径、フィルターのかさ密度、フィルターの厚みを変化させて水分離能力の関係を調べた。図6に示す試験装置において、21は油タンク、22は潤滑油循環ポンプ、23は潤滑油加熱器、24は温度調節器、25は撹拌機、26は定量注水ポンプ、27は水分離エレメント容器、28はサンプル口、29は水タンク、30は除水エレメント取付台A、31は除水エレメント取付台Bをそれぞれ示す。なお、フィルターの内径は直径30mm、フィルターの長さは450mmである。
本実施例では、潤滑油(粘度100〜680cSt)の温度を40℃に保ち、潤滑油の流量は24l/hとし、油タンクへの注水量は48ml/hとした。試験は50時間行い、50時間運転後にサンプル口28より採取した油の水分量を表1に示す。なお、潤滑油には5000ppm以上の水分量が含まれると、所定の潤滑性が得られないため、5000ppm以上の水分量は不良となる。
実施例1〜13と同じ試験装置を使用し、繊維径、フィルターかさ密度及びフィルター厚みが本発明の規定値より外れたフィルター繊維を用いて水分離能力の関係を調べた。その結果を表1に併せて示す。
(1).繊維径が10μm以上30μm以下、かさ密度が0.08g/cm3以上0.16g/cm3以下、フィルター厚みが4mm以上16mm以下である脱脂綿からなる本発明のフィルター繊維を用いた実施例1〜13の本発明の除水装置は、潤滑油の粘度に応じて適正なフィルターを選択することにより、高粘度の潤滑油(100〜680cSt)から効率よく除水が可能であることがわかる。
(2).フィルター繊維の繊維径、フィルターかさ密度及びフィルター厚みが本発明の規定値より外れた比較例1〜10において、繊維径が10μmより小さいフィルター繊維(繊維径5μm、8μm)を用いた比較例1及び比較例3、繊維径が30μmより大きいフィルター繊維(繊維径35μm)を用いた比較例2及び比較例4、フィルターかさ密度が0.08g/cm3未満のフィルター繊維(フィルターかさ密度0.05g/cm3)を用いた比較例5、フィルターかさ密度が0.16g/cm3を超えるフィルター繊維(フィルターかさ密度0.20g/cm3)を用いた比較例6、フィルター厚みが4mm未満のフィルター繊維(フィルター厚み3mm)を用いた比較例7、フィルター厚みが16mmを超えるフィルター繊維(フィルター厚み20mm)を用いた比較例8は、それぞれ水分量が過大(6000〜8000ppm)となるか、油の透過不良が生じることがわかる。又、接着剤により繊維同士を接着したフィルター繊維を用いた比較例9、脱脂綿を疎水処理したフィルターを用いた繊維を用いた比較例10の場合も、水分量が過大(9000〜10000ppm)となることがわかる。このように、フィルター繊維の繊維径、フィルターかさ密度及びフィルター厚みが本発明の規定値より外れた比較例のものは、いずれも高粘度の潤滑油(粘度100〜680cSt)の除水エレメント式油水分離槽のフィルター繊維としては採用し難い。
なお、従来のコアレッサーを用いて試験を行ったところ、いずれの場合も、150cStの潤滑油でさえ、油が透過せず、除水することができなかった。
実施例1〜13と同じ試験装置を使用し、除水エレメントの脱脂綿シート(平均繊維径18μm、厚み10mm)のかさ密度と目詰まりの関係を調べた。
本実施例では、潤滑油にVG680(密度:0.913g/cm3)を用い、潤滑油の温度を40℃に保って試験を実施した。その際、水分離エレメントに流す潤滑油の量は24l/hとし、油タンクへの注水量は48ml/hとした。試験は50時間行い、50時間運転後の油タンク内の油の含水率と脱脂綿シートのかさ密度の関係を調べた結果を図7に示す。
除水エレメントの脱脂綿シートのかさ密度と目詰まりの関係を調べるため、実施例1〜13と同じ試験装置を使用し、同実施例と同じ潤滑油にJISZ8901「試験用粉体2」のGBL100(直径100μmのガラスビーズ)を20g混入し、水分離エレメント容器に潤滑油を20時間流し、20時間運転後の水分離エレメント容器の入口の圧力を測定し、その圧力測定値と脱脂綿シートのかさ密度の関係を調べた結果を図8に示す。
前記表1の本発明の実施例2のフィルターを用い、図6Bの試験装置、即ち、図6Aの除水エレメント取付台A30に代えて、除水エレメント取付台B31に変更した試験装置を用いて試験した結果、フィルター下端から流出した水滴が油に巻込まれ、槽の下部に沈降する前に油の流れと共に流出してしまい、水分量が100000ppmを超えるという結果となった。
実施例1〜13と同じ試験装置を使用し、除水エレメントの脱脂綿シート(平均繊維径18μm)の厚みを変化させた場合の水分離能力の関係を調べた。
本実施例では、脱脂綿シートのかさ密度を0.1g/cm3一定として、実施例14と同様の試験を行った。得られた50時間運転後のタンク内油の含水率と脱脂綿シートの厚みの関係を調べた結果を図9に示す。
図1に示すシステム構成を有する除水装置を実設備に適用し、油量20000リットルの高粘度の潤滑油(VG680、密度:0.913g/cm3)の除水実験を行った。
本実施例では、除水エレメント式油水分離槽内の除水エレメントとして、平均繊維径18μm、かさ密度0.1g/cm3、厚み10mmの脱脂綿からなるフィルター繊維を用い、循環油量を360l/hとして実験を行った。
その結果、1週間後の除水エレメント式油水分離槽の入口部位の含水量は2700ppm、戻り油の含水量は310ppmと、高い油水分離効果が得られた。
実施例17と同じ実設備において、油量15000リットルの高粘度の潤滑油(VG320、密度:0.913g/cm3)の除水実験を行った。
本実施例では、除水エレメント式油水分離槽内の除水エレメントとして、実施例17と同じ平均繊維径18μm、かさ密度0.1g/cm3、厚み10mmの脱脂綿からなるフィルター繊維を用い、循環油量を600l/hとして実験を行った。
その結果、1週間後の除水エレメント式油水分離槽の入口部位の含水量は62000ppm、戻り油の含水量は1500ppmと、本実施例においても高い油水分離効果が得られた。
1−1 水検知器
2 重力式油水分離槽
2−1 隔壁
2−2 入口
2−3 油の層
2−4 水の層
2−5 水出口
2−6 油出口
2−7 水出口ポケット
2−8 油出口ポケット
2−9 水排出管
2−10 油排出管
2−11 油検知器
3 給油タンク
4 プレフィルター槽
4−1 プレフィルター
5−1 給油配管
5−2 戻り油配管
6 軸受
6−1 圧延機戻り油配管
6−2 圧延機給油配管
6−3 圧延機給油ポンプ
10 除水エレメント
10−1 筒体
10−2、10−6 細孔
10−3 油水分離フィルター
10−4 ステンレス金網
10−5 保護カバー
10−7 エレメント押え金具
10−8 センターポスト
10−9 潤滑油
10−10 水、分離水
10−10a 水分、水滴
10−11 除水エレメント取付台
21 油タンク
22 潤滑油循環ポンプ
23 潤滑油加熱器
24 温度調節器
25 撹拌機
26 定量注水ポンプ
27 水分離エレメント容器
28 サンプル口
29 水タンク
30 除水エレメント取付台A
31 除水エレメント取付台B
P 循環ポンプ
V1 電磁弁
V2 開閉弁
Claims (9)
- 水分を含む油から水分を分離する、親水性繊維が集合した繊維集合体を備える油水分離フィルターであって、前記繊維集合体に前記水分を含む油を通過させると、前記油に含まれる水分が前記繊維集合体の内部で凝集し、凝集した水分は前記繊維集合体から離脱することなく前記親水性繊維を伝って前記繊維集合体内を重力によって下方に移動することを特徴とする油水分離フィルター。
- 前記親水性繊維の繊維径が10μm以上30μm以下であり、前記繊維集合体のかさ密度が0.08g/cm3以上0.16g/cm3以下であることを特徴とする請求項1記載の油水分離フィルター。
- 前記繊維集合体はシート状であり、厚みが4mm以上16mm以下である請求項1または2記載の油水分離フィルター。
- 前記繊維集合体が脱脂綿である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の油水分離フィルター。
- 前記油が、粘度150cSt以上の潤滑油である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の油水分離フィルター。
- 内側に前記水分を含む油が導入され、複数の貫通穴を有し、直立して設けられた筒体と、前記筒体の外表面に設けられた請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の油水分離フィルターと、を備える油水分離エレメント。
- 油水分離槽と、前記油水分離槽内に設けられた請求項6記載の油水分離エレメントと、前記筒体内に前記水分を含む油を導入する導入手段と、前記油水分離エレメントによって分離された油分と水分をそれぞれ前記油水分離槽から排出する油分排出手段および水分排出手段と、を備える除水装置。
- 前記油水分離槽内に設けられた除水エレメント取付台を備え、前記除水エレメント取付台と前記油水分離槽との間に貯水空間が形成され、前記除水エレメントは前記除水エレメント取付台の上面上に設けられ、前記除水エレメント直下に空間を有さないことを特徴とする請求項7記載の除水装置。
- 水分を含む油を、親水性繊維が集合した繊維集合体を通過させて、前記油に含まれる水分を前記繊維集合体の内部で凝集させ、凝集した水分を前記繊維集合体から離脱させることなく前記親水性繊維を伝わせて前記繊維集合体内を重力によって下方に移動させて、前記水分を含む油から水分を取り除くことを特徴とする油水分離方法。
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