JP2591495B2 - 超精密濾過システム及び当該システムを用いた超精密濾過方法 - Google Patents

超精密濾過システム及び当該システムを用いた超精密濾過方法

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JP2591495B2
JP2591495B2 JP6249375A JP24937594A JP2591495B2 JP 2591495 B2 JP2591495 B2 JP 2591495B2 JP 6249375 A JP6249375 A JP 6249375A JP 24937594 A JP24937594 A JP 24937594A JP 2591495 B2 JP2591495 B2 JP 2591495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロンやエタンの代替
として使用される水系洗浄液の極精密濾過や油水分離、
あるいは非水系洗浄液からの水溶液の分離や純粋の再生
等に使用する超精密濾過システムと当該システムを用い
た超精密濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フロンやエタンの代替として使用される
水系洗浄液の極精密濾過や油水分離、あるいは非水系洗
浄液からの水溶液の分離や純粋の再生等に使用する超精
密濾過システムとしては、限外濾過膜(以下、UF膜と
称す)や逆浸透膜(以下、RO膜)を利用したものがよ
く知られている。これらUF膜やRO膜を利用したUF
膜・RO膜濾過装置は濾過精度が高いうえに上記対象液
以外の各種廃液の排水処理やリサイクル手段としても応
用でき、廃液削減や省資源、省エネルギーに貢献できる
ため、将来性が期待されている。
【0003】UF膜やRO膜等の極精密濾過膜を利用し
たUF膜・RO膜濾過装置の代表的一例は図12で示さ
れる。図中Aが汚染された被処理液が貯留された原液タ
ンクであり、図中BがUF膜・RO膜濾過装置である。
UF膜は最小20ミクロンの濾目を有し、また、RO膜
は数オングストロームの極微の濾目を有した極精密濾過
膜であり、極めて高い濾過精度が得られることで有名で
ある。UF膜・RO膜濾過装置Bは、UF膜やRO膜等
の極精密濾過膜を用いた極精密濾過ユニットB1とその
周辺の流体回路から構成されている。極精密濾過ユニッ
トB1内は極精密濾過膜によって一次側と二次側に仕切
られており、一次側に被処理液を圧入すると極精密濾過
膜を透過した透過水が二次側に排出される構造となって
いる。また容器内一次側に対応して、被処理液の導入路
100を備えた容器外一次側流路が形成されており、こ
の容器外一次側流路と前記容器外一次側流路とで一次側
循環路101が形成されている。原液タンクA内の汚染
された被処理液は導入路100を通じて一次側循環路1
01に供給される。一次側循環路101の往路にはポン
プ102、流量調整弁103、圧力計104が連設さ
れ、帰路には圧力計105、バルブ106が設けられる
とともに帰路から分岐してエアー抜きバルブ107が付
設されている。また容器内二次側は容器外二次側流路が
つながっており、当該容器外二次側流路には逆洗液タン
ク108、三方弁109、逆洗用エアー弁110、透過
流量計111、流量調整弁112がつながっている。そ
して流量調整弁112を通過した透過水は還流路50を
経由して原液タンクAに還流させられている。透過水は
原液タンクAに還流させることなく、図中51として示
す系外排出路を通じて本超精密濾過システム系外に排出
する場合もある。
【0004】このような構成の超精密濾過システムは、
原液タンクAから吸い上げた被処理液を流入口113を
通じて極精密濾過ユニットB1の一次側に流し込み、U
F膜・RO膜を透過した透過水を二次側排出口115か
ら排出する。他方、不純物粒子を含む残りの被処理液は
一次側排出口114から排出して一次側循環路101に
送り込み、導入路100を通じて連続的に送り込まれて
くる新たな被処理液と合流させて再び極精密濾過ユニッ
トB1の流入口113から流し込む。このようにして被
処理液は極精密濾過ユニットB1の一次側循環路101
を循環しながらUF膜・RO膜を通じて透過水のみが二
次側排出口115から排出される。二次側排出口115
から排出される透過水は還流路50を経て原液タンクA
に戻されたり、系外排出路51を経て本超精密濾過シス
テムの系外に排出されたりする。UF膜・RO膜濾過装
置によって濾過処理された透過水は極めて清澄であるた
め、そのまま再利用したり自然界に放出することができ
る。また原液タンクAには、廃液が流入されたり、原液
タンクA内における汚染部品の洗浄作業等によりタンク
内の被処理液の汚染が進行するが、透過水が原液タンク
Aに戻すことによって原液タンクA内の被処理液の汚染
の進行を防止できる。また原液タンクAが汚染源から隔
絶されていて新たな廃液の流入がない場合には、原液タ
ンクA内の被処理液は徐々に清澄化され、被処理液が超
精密濾過システムを繰返し循環することで最終的には原
液タンクA内に貯留されている被処理液全量が清澄水と
入れ代わることになる。
【0005】このような超精密濾過システムは純水の再
生に一般的に使用されるが、このシステムは純水の再生
に限らず、非水系洗浄液からの水溶液の分離や更にその
他、種々の液の再生にも使用され、その利用範囲は広範
囲にわたっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】上記の超精密濾過システムは高い濾過精度
が得られるものの、極精密濾過膜の濾目が極微であるた
め、使用途上でゴミや油による目詰まりが生じやすいこ
とに加えて一次側循環路101内では二次側に排出され
た透過水の分だけゴミ、油等の不純物が濃縮されること
になり、しかもこの濃縮循環液は超精密濾過システムの
系外に排出されることはないので、一次側循環路101
を繰り返し循環するうちに高濃度となった濃縮循環液中
の不純物が膜に再付着する事態が生じ、膜交換等の必要
性が頻繁に生じてランニングコストが嵩む問題があっ
た。
【0007】この問題を軽減させるために従来技術で
は、一次側循環液の流量を増やしたり、あるいは定期的
に逆洗を行う等の対策がとられているが、これら方法は
極精密濾過膜の濾過性能を一時的に回復させることはで
きるものの、ゴミ、油等の不純物が一次側循環路101
内に閉じ込められており、超精密濾過システム系外に排
出されないため、時間経過に伴って一次側循環路内で不
純物が濃縮されるという根本的問題を解消することはで
きず、したがって目詰まりの一時的解消がなされたとし
ても時間がたてば目詰まりが再発するという問題があっ
た。本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、
長期間の連続使用においてもUF膜・RO膜濾過装置が
目詰まりを起こすことがなく、長期間フリーメンテナン
スを実現でき、ランニングコストの低減がはかれる超精
密濾過システムとこのシステムを用いた超精密濾過方法
を提案せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者はUF膜・RO膜濾過装置と原液タンク
との間にゴミや油等の不純物を除去する前処理装置を介
在させることを着想した。そして、特にこの前処理装置
にUF膜・RO膜濾過装置の一次側循環液の一部を還流
させるとともに、且つ前処理装置に、回収した油分をシ
ステム系外に連続的に排出できる構成を付加することに
よって、UF膜・RO膜濾過装置の一次側循環液の濃縮
を抑制できることを考えついた。このような着想に基づ
き本発明者は次の超精密濾過システムを完成させた、そ
の超精密濾過システムとは、汚染した被処理液が貯留さ
れた原液タンクと、流入口と排出口を有する容器内に電
圧が印加された濾過層が配置され、前記流入口を通じて
濾過層に被処理液を送り込む送液手段を容器外部に付設
した粗ゴミ除去用の荷電濾過装置と、流入口と排出口を
有する容器内に、径方向内側から外側に向けて濾目を段
階的に小さくした筒状のコアレッサー型フィルターが電
圧を印加された状態で配置され、前記荷電濾過装置から
排出されたゴミ除去済液を前記流入口を通じてコアレッ
サー型フィルターに送り込む送液手段を容器外部に付設
するとともに、前記フィルターを囲む位置にはフィルタ
ーを通過した被処理液を上昇又は下降させて比重差によ
り被処理液から油分を分離させる迂回路が設けられ、分
離油及び分離水を別々の排出口から排出するようにした
荷電コアレッサー型油水分離装置と、UF膜又はRO膜
が容器内に配置され、当該極精密濾過膜を介して容器内
部が流入口と排出口を有する一次側と排出口のみを有す
る二次側に隔てられるとともに、容器外部には前記荷電
コアレッサー型油水分離装置から排出された分離水を受
け入れる導入路及び循環路を有する容器外一次側流路
と、極精密濾過膜を透過した透過液を排出する二次側排
出口が形成されたUF膜・RO膜濾過装置と、を具備
し、荷電濾過装置と荷電コアレッサー型油水分離装置と
を直列接続して構成した前処理装置を、原液タンクとU
F膜・RO膜濾過装置との間に介在させ、UF膜・RO
膜濾過装置の一次側循環路の途中部から当該一次側循環
路で濃縮された被処理液を逆止手段を介して前処理装置
の前段を構成する荷電濾過装置への送液路に戻す還流路
を設けてなる超精密濾過システムである。
【0009】UF膜・RO膜濾過装置の二次側排出口か
ら排出される透過水は極めて清澄であるので、そのまま
再利用したり自然界に放出することもできるが、透過水
を原液タンクに通ずる還流路を通じて原液タンクに戻し
て、原液タンク内の被処理液の汚染の進行を防止した
り、あるいは原液タンク内被処理液の清澄化をはかって
もよい。
【0010】また前処理装置の後段を構成する荷電コア
レッサー型油水分離装置からの排出液の一部を原液タン
クに戻す帰還路を設けることも好ましい。また前記排出
液の一部を原液タンクに戻す帰還路に代えて、排出液の
一部を前処理装置の前段を構成する荷電濾過装置への送
液路へ戻す帰還路を設けてもよい。
【0011】また、上記システムを用いて実行される超
精密濾過方法は次の内容を有している。原液タンクから
汚染した被処理液を荷電濾過装置に供給し、容器内に配
置された濾過層に被処理液を圧入させて液中のゴミを除
去するゴミ除去工程と、前記ゴミ除去工程を経たゴミ除
去済液を荷電コアレッサー型油水分離装置に供給し、容
器内に配置された径方向内側から外側に向けて濾目を段
階的に小さくした筒状のコアレッサー型フィルターの内
周面から外側に向かってゴミ除去済液を圧入して液中の
油分を凝集粗粒化させるとともに、この凝集油滴を含有
したゴミ除去済液をコアレッサー型フィルター外部に設
けた迂回路内を上昇又は下降させて比重差により油水分
離する油分除去工程と、前記油分除去工程を経た被処理
液を、UF膜・RO膜濾過装置の容器外一次側流路に接
続された導入路を通じて一次側循環路を循環させなが
ら、UF膜・RO膜を透過した透過水を容器内二次側を
通じて排水する極精密濾過工程と、を備え、且つ極精密
濾過装置の一次側循環路を循環する濃縮液の一部を、前
処理装置の前段を構成する荷電濾過装置への送液路に還
流させて、ゴミ除去工程と油分除去工程を繰り返すとと
もに、荷電コアレッサー型油水分離装置によって分離し
た油分を装置系外に連続的にあるいは定期的に排出して
極精密濾過装置の一次側循環液の濃縮を防止することに
より、極精密濾過膜に対する負荷を軽減させながら透過
水を連続的に生成する超精密濾過方法である。
【0012】極精密濾過工程を経た透過水を原液タンク
に戻す還流工程を付加する場合もある。
【0013】
【作用】このような超精密濾過システムによる被処理液
からの純水や洗浄液の回収手順は次のとおりである。先
ず原液タンクから汚染した被処理液が前処理装置の前段
部を構成する荷電濾過装置に供給される。荷電濾過装置
内に流入した被処理液は濾過層外周面から内側に向かっ
て通過する。濾過層には電界が作用しているので濾過層
を通過する過程で不純物がクーロン力によって濾過層に
捕捉される。また電界はクーロン力による直接吸引作用
をもたらすと同時に、不純物粒子の保有ゼータ電位の打
ち消し作用も有し、ゼータ電位を打ち消された不純物粒
子相互は凝集粗粒化して、より一層、濾過層に捕捉され
やすくなる。このようにして、液中の数十〜数百ミクロ
ンあるいはそれ以上の大きさの不純物粒子は除去され
て、被処理液は前処理装置の後段に配置された荷電コア
レッサー型油水分離装置に流入する。
【0014】荷電コアレッサー型油水分離装置に流入し
た被処理液は筒状のコアレッサー型フィルター内部を内
周面から外周面に向かって通過する。フィルター内を通
過する被処理液は、被処理液の通過方向上流側から下流
側に向かって段階的に小さくなる濾目を通過する過程で
エマルジョン破壊が起こって、これにより油分と水分と
の分離が行われたのちフィルター外に出る。フィルター
内では濾目による物理的濾過作用に加えて、電界作用に
より油滴粒子及び水分子のゼータ電位打ち消し作用に起
因する油滴粒子の凝集粗粒化現象も進行し、この結果、
油分の分離が一層促進される。フィルター外に出た凝集
油滴を含む被処理液はフィルター外部に設置された迂回
路内を上昇又は下降する過程で比重差により油分と水分
に分離され、分離油と分離水が別々の排出口から排出さ
れる。分離油は常時排出されることもあるし、また浮上
油が一定厚以上堆積する毎に排出する場合もある。この
ようにして前処理装置によってゴミ除去と油分除去が行
われるので、前処理装置から排出される分離水中には数
十〜数百μmあるいはそれ以上の大きさの不純物粒子や
油滴粒子はほとんど含まれていない状態となっている。
【0015】前処理装置から排出された分離水はUF膜
・RO膜濾過装置の容器外一次側流路に接続された導入
路を通じてUF膜・RO膜濾過装置の一次側循環路に導
入され、極精密濾過膜を透過した透過水のみが容器内二
次側を通じて排水される。一次側循環路に何らの工夫も
していない場合は、一次側循環液は二次側から排出した
透過水の分だけ不純物の濃度が濃くなっていくが、本発
明では一次側循環路を循環する濃縮液の一部を、荷電濾
過装置への送液路に還流させるようにしているので、濃
縮循環液は前処理装置に戻されて荷電濾過装置によるゴ
ミ除去処理と荷電コアレッサー型油水分離装置による油
分除去処理が繰り返される。そして荷電コアレッサー型
油水分離装置によって回収された油分は、装置系外に連
続的にあるいは定期的に本超精密濾過システムの系外に
排出され、これによってUF膜・RO膜濾過装置の一次
側循環液の濃縮が防止され、極精密濾過膜の目詰まり防
止がなされるとともに極精密濾過膜に対する負荷が軽減
される。
【0016】このようにして得られた透過水は充分浄化
されているのでそのまま再利用したりあるいは自然界に
放出することができる。また透過水を原液タンクに戻せ
ば、新たに原液タンクに流入する廃液による原液タンク
の汚染の進行が原液タンクへの透過水の還流分だけ抑制
される。
【0017】また荷電コアレッサー型油水分離装置の処
理済排出液の一部を原液タンクに戻す帰還路を設ける
と、前処理装置による処理液量がUF膜・RO膜濾過装
置の処理液量を上回っていても、過剰な被処理液は原液
タンクに戻されるので、前処理装置を一時停止させる等
の無駄を発生させることなく、前処理装置の処理能力を
最大限生かしながら原液タンク内の被処理液の浄化を効
率的に進めることができる。
【0018】また前記荷電コアレッサー型油水分離装置
の処理済排出液の一部を原液タンクに戻す帰還路を設け
る代わりに、排出液の一部を前処理装置の前段を構成す
る荷電濾過装置への送液路へ戻す帰還路を設けた場合
は、排出液は前処理装置を繰り返し通過するようにな
り、UF膜・RO膜濾過装置に送られる被処理液の浄化
度が高まり、極精密濾過膜の負担はより一層軽減する。
【0019】
【実施例】次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき
説明する。図1は本発明の第1実施例を示す説明図であ
る。本発明の超精密濾過システムは、原液タンクAとU
F膜・RO膜濾過装置B’との間にゴミ除去機能と油分
除去機能を有する前処理装置Cを介在させ、且つUF膜
・RO膜濾過装置の一次側の濃縮循環液の一部を前処理
装置Cに還流させて前処理装置Cによる再処理を繰り返
し行うようにしたことが特徴である。UF膜・RO膜濾
過装置B’の構成は一次側循環路の構成以外は図12で
説明した従来のものとほぼ同じ構成である。
【0020】前処理装置Cは荷電濾過装置C1が前段に
配置され、荷電コアレッサー型油水分離装置C2が後段
に配置された構成である。荷電濾過装置C1としては同
発明者による実願平3−98913号や特願平5−41
921号で開示した技術が利用でき、また荷電コアレッ
サー型油水分離装置C2としては特願平5−25142
0号で開示した技術が利用できる。いずれも濾過層やコ
アレッサー型フィルターに荷電したり、あるいはこれら
を電界中に配置して濾過層やフィルター表面に電位をあ
たえることにより、これらの中を通過するゴミ、油等の
不純物粒子が保有するゼータ電位に起因したクーロン力
による反発力を失わせしめ、これら不純物粒子間に自然
力として作用する粒子間引力を利用して、ゴミや油等の
不純物粒子を凝集粗大化させて液中から除去するもので
ある。特に荷電濾過装置C1では凝集粗粒化したゴミの
凝集体層が数ミクロンの濾目を有する濾過層の表面に堆
積してケーク層を作り、このケーク層も濾過層としての
機能を発揮するため極めて精密な濾過が可能となってい
る。
【0021】また荷電コアレッサー型油水分離装置C2
は径方向内側から外側に向けて濾目を段階的に小さくし
た筒状のコアレッサー型フィルターを用いており、油滴
粒子が保有するクーロン力による反発を電界作用により
打ち消したうえ、油滴粒子相互の粒子間引力の働きによ
り油滴粒子の凝集粗粒化をはかり油分を浮上させる構造
を有している。荷電濾過装置C1及び荷電コアレッサー
型油水分離装置C2の詳細は後述する。
【0022】前処理装置Cは、前段に配置した荷電濾過
装置C1と荷電コアレッサー型油水分離装置C2と、こ
れら両装置相互と原液タンクA及びUF膜・RO膜濾過
装置Bとを関係づける流体回路とから構成されている。
原液タンクAと荷電濾過装置C1の流入側は、ストレー
ナー1、ポンプ3、流量調整弁4、圧力計5を経由して
接続され、また荷電濾過装置C1からの排出液は荷電コ
アレッサー型油水分離装置C2に流入されるように構成
され、その流入路の途中部には圧力計6が配置されてい
る。また、荷電コアレッサー型油水分離装置C2には分
離した浮上油を排出するための自動弁7が設けられ、荷
電濾過装置C1及び荷電コアレッサー型油水分離装置C
2にはそれぞれ荷電源8,9が設けられている。
【0023】荷電コアレッサー型油水分離装置C2から
の排出液はUF膜・RO膜濾過装置Bの一次側循環路1
01につながる導入路100を経てUF膜・RO膜濾過
装置Bに供給され、UF膜・RO膜濾過装置Bから排出
された透過水は還流路50を経由して原液タンクAに戻
される。尚、透過水を原液タンクAに戻すことなく系外
排出路51を通じて本超精密濾過システムの系外に排出
してもよい。また、UF膜・RO膜濾過装置B’の処理
能力を超えて排出される排出液の余剰分を原液タンクA
に戻す帰還路30が、荷電コアレッサー型油水分離装置
C2と原液タンクAとの間に設けられている。
【0024】UF膜・RO膜濾過装置の一次側循環路1
01の途中部における圧力計104の接続箇所からは配
管を分岐して、この配管にバルブ113,114及び逆
止弁115を配したうえ、その終端が荷電濾過装置C1
への送液路途中に新たに設けた真空計2の接続箇所につ
ながる第2還流路40を設けている。またバルブ11
3,114の接続部には一次側循環液を採取する濃縮液
サンプル口116を設けている。第2還流路40は極精
密濾過ユニットB1の一次側循環路101で濃縮された
濃縮循環液の一部を前処理装置Cにおけるポンプ3の吸
引側に連続的に還流させて濃縮液の一部を前処理装置C
によって繰り返し再処理させるためのものであり、本願
発明の重要なポイントである。
【0025】図2は第2実施例である。この実施例では
前記第1実施例の構成に加えて、前処理装置Cの前段を
構成する荷電濾過装置C1から荷電コアレッサー型油水
分離装置C2に向かって排出される被処理液のうち、荷
電コアレッサー型油水分離装置C2の能力を超えて排出
される過剰分をゴミ取りフィルター10を経由させてポ
ンプ11で吸引し、この過剰分を原液タンクAに戻す構
成を付加している。尚、過剰分は原液タンクAに戻すこ
となく、図中仮想線で示すようにポンプ3の直前位置に
戻してもよい。
【0026】図3は第3実施例である。この実施例では
前記第2実施例の構成に加えて、次の構成が付加されて
いる。即ち、荷電コアレッサー型油水分離装置C2から
排出される分離水はUF膜・RO膜濾過装置Bの送液路
100に供給されると同時に第2還流路40に向かって
逆止弁12を通じて還流させている。また、原液タンク
Aの上層に存在する浮上油をフロートサクション13で
吸い上げたうえ、この浮上油をストレーナー14を通じ
てポンプ15で吸引し、逆止弁16を通じて荷電コアレ
ッサー型油水分離装置C2の入口又は図中仮想線で示さ
れる荷電濾過装置C1の入口に接続するようにしてい
る。このようにすることで原液タンクA上層に集積する
浮上油の自動排出が可能となる。しかもこの浮上油の排
出は荷電コアレッサー型油水分離装置の排油用の自動弁
7を通じて一括して系外に排出されるため、取扱いが容
易である。
【0027】また荷電濾過装置C1の入口側には圧力ス
イッチ17が真空計18と一緒に取付けられ、且つ荷電
濾過装置C1の入口側であって前記浮上油が供給される
位置を越えて圧力スイッチ17側との間には、浮上油の
原液タンクAへの戻りを防止するための逆止弁19を設
けている。
【0028】次に、荷電濾過装置C1と荷電コアレッサ
ー型油水分離装置C2の構成について簡単に説明する。
荷電濾過装置C1は同出願人による特開平5−3451
47号で示されたものなどが利用される。荷電濾過装置
C1は、図4及び図5に示すように、濾過対象流体の流
入口66を有する外筒67と、濾過後流体の流出路を兼
ね且つ下端に流出口68を開設したパイプ状の中心アー
ス電極69を有し、前記外筒67と中心アース電極69
間に形成される流体通過空間に前記フィルターエレメン
トF1を装着した構成である。
【0029】フィルターエレメントF1は円筒状であっ
て、図6で示されるような断面形状を有している。フィ
ルターエレメントF1は、流体通過用の多数の孔部61
を設けた巻き芯62に紐状あるいは糸状の炭素繊維を綾
巻状に巻き付けて導電性を有する濾過層63を形成し、
且つその上下端にシール材を兼ねた略リング状の絶縁パ
ッキン64,64を外嵌した構成である。巻き芯62及
び絶縁パッキン64,64はポリプロピレン等の耐蝕性
及び耐薬品性に優れた合成樹脂より構成されている。巻
き芯62は通常合成樹脂より形成されるが、本フィルタ
ーエレメントF1を濾過装置に組み込んだときに絶縁上
の問題が発生しないならば、金属素材を用いることも可
能である。
【0030】濾過層を形成する繊維状導電性素材は炭素
繊維以外のものを使用することも可能であり、更に濾過
層は繊維状導電性素材以外のものを用いて作製すること
も可能である。例えば孔部比率の比較的大きい焼結金属
や多孔性導電性セラミックス、更に活性炭を用いること
も可能である。このようにして構成されるフィルターエ
レメントの濾目は25〜50μm程度に設定され、従来
装置に用いられるフィルターエレメントよりも濾目が大
きく、除去対象である不純物粒子よりもはるかに大きく
設定されている。
【0031】フィルターエレメントF1は、上端及び下
端に外嵌された絶縁パッキン64,64を絶縁素材製の
上部フィルター押え70及び下部フィルター押え71に
よって押さえることによって所定位置に取り外し可能に
固定されている。フィルターエレメント上下端に絶縁パ
ッキン64,64を介在させることによって、上部フィ
ルター押え70、下部フィルター押え71とフィルター
エレメントF1間に間隙が発生することを完全に防止
し、流体が中心アース電極69を経て流出口68から装
置外部に排出されるためには、フィルターエレメントF
1内を必ず通過するようにしている。また流入口66は
外筒7の下部側に設け、且つ中心アース電極69の上端
を開口させることで、ポンプ等の圧力によって流入口6
6から流入した流体がフィルターエレメントF1内を上
方へ向かいながら横切って中心アース電極69の上端開
口部72に至り、当該中心アース電極69の中を通って
中心アース電極69下端に形成された流出口8から装置
外部に排出されるという迂回路を形成している。
【0032】外筒67と中心アース電極69は同電位で
あり、他方、フィルターエレメントF1に対しては電位
が与えられている。電位の与え方は外部設置された荷電
源8から引き込まれた導入線74,74の一方を外筒6
7に接続し、他方を導入線絶縁碍子75を用いて外筒6
7と電気的に絶縁した状態で外筒67内に導き、フィル
ターエレメントF1表面に圧接した荷電用スプリング7
6を介してフィルターエレメント全体に対して電位を与
えている。印加される電圧の種類及び大きさは処理対象
である流体の種類及び除去対象となる不純物粒子の種類
によって適宜選択され、例えば、0.1〜500V/cm
の直流又は交流電圧、あるいは直流と交流の複合電圧を
採用することができる。被処理液が水溶液である場合は
25V/cm以下の交流電圧を用いることが好ましい。
水溶液の場合、印加電圧を低く抑えているのは、水溶液
の絶縁性が低いために印加電圧があまり高いと絶縁破壊
の問題が発生するためであり、また直流電圧を用いてい
るのは荷電極の電蝕問題の発生や電気分解による水素ガ
スや酸素ガス等の引火性ガスの発生を防止するためであ
る。
【0033】非水系溶液の場合は直流電圧を用いること
ができるが、流体中の粒子は流体の性質や粒子自身の性
質によって、正負の帯電傾向が異なり、またその界面電
位(ゼーター電位)の大きさも流体の固有抵抗の大きさ
により相違するため、荷電圧の値と正負の極性は流体と
その粒子の性質によって決定する必要がある。具体的に
はスイッチによる正負の切替え、スライダックによる電
圧調整が採用できる。
【0034】このような構成の濾過装置は、ポンプ等を
用いて、外筒67下部側の流入口66より処理対象流体
が圧入される。流入口66より圧入された流体は、フィ
ルターエレメントF1内を上向きに横切って中心アース
電極69の上端開口部72に至り、中心アース電極69
内を上から下に向かって流れ、中心アース電極69下端
の流出口68から装置外部に排出される。
【0035】フィルターエレメントF1はその全体が炭
素繊維等の繊維状導電性素材より構成されているため、
フィルターエレメント全体が同電位に帯電し、フィルタ
ーエレメント内を通過する流体中の不純物微粒子は、フ
ィルターエレメントF1にクーロン力によって強く直接
引きつけられ、フィルターエレメントF1を構成する炭
素繊維に捕捉される。微粒子はクーロン力によって吸引
されることから、フィルターエレメントの濾目の大きさ
よりもはるかに小さな微粒子、例えば直径0.1μm程
度のカーボンブラックや数オングストローム程度の色素
が捕捉される。捕捉される微粒子は濾目の大きさよりも
はるかに小さいことから、フィルターエレメントは目詰
まりすることなく長期間にわたって濾過層としての機能
を発揮することができる。またフィルターエレメントに
電気的に付着した微粒子はフィルターエレメントと同電
位に帯電し、この付着した微粒子の帯電層がプレコート
層(ケーク層)を形成し、濾目の大きさを実質的に小さ
くしたのと同じ効果が発揮されて濾過精度はより高めら
れる。このような効果は活性炭を用いた場合にも同様に
発揮される。
【0036】また、微粒子はクーロン力によって直接吸
引されることに加えて、微粒子に作用する電界が微粒子
の保有するゼーター電位を打ち消す結果、分子間引力に
よる微粒子の凝集粗粒化が同時に進行し、微粒子の捕捉
はより効果的に行われる。
【0037】本実施例の流体濾過装置はフィルターエレ
メント全体が濾過層であると同時に荷電極としても機能
し、フィルターエレメント全体が同電位に帯電している
ために、このなかを通過する流体は常にクーロン力によ
る吸引作用を受ける。しかもフィルターエレメントは炭
素繊維より構成され、微視的には糸状繊維が至近距離で
集合した微細な構造を有し、流体中の不純物粒子に対し
て至近距離から電気的吸引力を発揮することから、その
濾過精度は極めて高い。しかも、繊維状間には実質的に
無数の流体通過空間が形成されているから、大量の流体
を高効率で処理できる。また不純物粒子はクーロン力に
よって捕捉するものであるから濾目の大きさを不純物粒
子の大きさよりもはるかに大きなものにすることが可能
で、優れた濾過精度を発揮しながらフィルターの目詰ま
りの発生が少なく寿命の長い流体濾過装置が得られる。
そして、長期間の連続使用の結果、フィルターエレメン
トが目詰まりしたときには、フィルターエレメントのみ
を取り替えることによって対処できる。
【0038】図7として示すものは、荷電濾過装置C1
の他の例である。この装置では導電性素材製の荷電極を
兼ねた濾過層63,63の間に活性炭等の吸着剤やイオ
ン交換樹脂等の濾過層77を介在させ、更に濾過層63
と巻き芯62との間に誘電体繊維糸等の誘電体素材より
なる濾過層78を介在させたフィルターエレメントF1
を組み込んでいる。このような濾過装置では、荷電板を
兼ねた濾過層63、63が発揮するクーロン力による不
純物粒子の吸引作用に加えて、活性炭による分子レベル
の吸着作用も同時進行することになる。また、濾過層7
8を構成する誘電体は電界中で分極してコンデンサー効
果を発揮し、あたかも多数の電極が存在するのと同じ効
果をもたらすことができる。
【0039】このような荷電濾過装置C1では、フィル
ターエレメントに流入する流体中の不純物粒子は、流体
の通過間隙を多設した荷電極を兼ねた濾過層内を通過す
る過程で、当該濾過層に直接印加された電圧によるクー
ロン力によって直接引きつけられ、濾過層に捕捉され
る。導電性素材はフィルターエレメントの全体又はフィ
ルターエレメント内に多層に設けられているので、濾過
層全体が帯電状態となるか、あるいは濾過層の広範囲に
わたる部分が帯電状態となるため、フィルター内を通過
する流体に対してフィルターを通過する全行程において
常時強いクーロン力を作用させることができ、フィルタ
ー深部においても不純物粒子に対する優れた捕捉効果が
発揮できる。そして、不純物粒子の捕捉はクーロン力に
より行われることから、導電性素材製濾過層の濾目より
もはるかに小さな不純物粒子も効率良く捕捉することが
できる。また、クーロン力による直接吸引作用に加え
て、電界作用により不純物粒子が保有するゼーター電位
が打ち消されて不純物粒子相互の凝集粗粒化が促進され
る結果、濾過層による不純物粒子の捕捉はより容易とな
る。
【0040】そして、特に荷電極を兼ねた濾過層を炭素
繊維、又は活性炭等の表面積の大きい導電性素材から形
成したときには、密集した微細な表面積部分の全てが荷
電極としての機能を発揮するので、処理流体中の不純物
粒子を効率良く捕捉することができ、しかも、繊維状間
又は活性炭間には実質的に無数の流体通過空間が形成さ
れているから、大量の流体を高効率で処理できる。
【0041】このようなフィルターエレメントを内装し
た濾過装置においては、外筒に形成した流入口から処理
対象流体を導入し、フィルターエレメントを径方向外側
から内側に向けて通過させることによって流体中の不純
物粒子は除去され、濾過後の流体を、アース電極を兼ね
たパイプ状電極の一端に開設した流出口を通じて装置外
部に排出する。
【0042】次に荷電コアレッサー型油水分離装置C2
ついて説明する。荷電コアレッサー型油水分離装置C2
は同出願人による特願平5−251420号で示された
ものなどが利用される。図8は荷電コアレッサー型油水
分離装置C2の一例の横断面図であり、図9は同装置の
縦断面図である。図中81は、本体容器を兼ねた外筒ア
ース電極である。外筒アース電極81は上部が開放した
有底の筒体であり、側壁上部には電磁弁84を装備した
分離油排出口82が形成され、他方、底壁には、容器内
に堆積したゴミや汚泥等を必要に応じて排出するドレン
83が形成され、また底壁における外周側には分離水排
出口85が開設されている。外筒アース電極81の上縁
にはフランジ86が形成され、外筒アース電極81の上
部開口に被蓋した蓋体87を前記フランジ86を貫通す
るボルト88によって固定している。また蓋体87から
は容器内部に向けて油水界面検知センサ89が垂下され
ている。
【0043】外筒アース電極81内部における径方向中
心位置には外筒アース電極81と同電位であって周面に
通液孔90を複数個開設した中心筒電極91が配置され
ている。中心筒電極91の下端は外筒アース電極81の
底壁を貫通して容器外部に露出しており、その露出した
一端開口部が被処理液の圧入口92となっている。
【0044】中心筒電極91の外側には、コアレッサー
型フィルターエレメントF2(以下、単にフィルターF
2と称す)が、その内面を中心筒電極91に近設又は接
触させて配置されている。フィルターF2は、図10及
び図11に示すように、径方向内側から外側に向けて濾
目を段階的に小さくした多層体であり、素材としては紙
や繊維が用いられる。フィルター素材は一般的には非導
電性素材が用いられるが、活性炭や炭素繊維等の導電性
素材を用いて、フィルター13に対する荷電効果の向上
をはかってもよい。また含油水を対象とした本実施例で
はフィルター素材としては発油性のものを用い、フィル
ター内に油分が残留しにくいように工夫している。
【0045】フィルターF2の外周面には金属多孔板又
は金属製網状体より構成された筒状荷電極94が接触状
態で配置されており、この筒状荷電極94と前記外筒ア
ース電極81及び中心筒電極91との間に所定電圧が印
加されている。フィルターF2は脱着可能であり、フィ
ルター受け絶縁物95とフィルター押え絶縁物96との
間に挟持させることで容器内所定位置に固定されてい
る。図中97はフィルター締付けネジ、図中98,99
はシール用のOリングである。
【0046】筒状荷電極94に対する荷電は、容器外部
に設置された荷電源7から導出されたアース線52を外
筒アース電極81に接続するとともに、外筒アース電極
81を貫通する絶縁碍子54の内部に挿通させた荷電線
53を筒状荷電極14に接続することで行っている。
【0047】印加電圧としては、液中不純物粒子が有す
るゼーター電位を低下若しくは消失できる電圧が選択さ
れる。この電圧は被処理液の種類によって適宜選択され
るものであり、一般的には被処理液が含油水のように水
溶性液である場合には絶縁性が低いことから印加電圧は
低い目に設定され、且つその電圧の種類も電蝕を避ける
目的で直流は避けられる。これに対して、被処理液が含
水油のように非水溶性液である場合には絶縁性が高いこ
とから印加電圧も高い目に設定される。含油水を対象と
した本実施例の場合、0.5V/cm〜30V/cmの
交流電圧又は高周波成分を含む交流電圧が用いられる。
【0048】筒状荷電極84と外筒アース電極81との
間には油水分離空間55が形成されており、この油水分
離空間55における径方向中間位置には迂回筒電極56
を、上端部を蓋体87から離間させた状態で外筒アース
電極81の底壁から立設している。迂回筒電極56は油
水分離空間55を通過する通液行路長を延長するための
ものであり、迂回筒電極56によって仕切られた内側の
空間を上昇空間となし、他方、外側の空間を下降空間と
なしている。図例の迂回筒電極56は通液を完全遮断す
るものを用いているが、迂回筒電極56の上半分を多孔
板と置き換えて通液量を制御してもよい。
【0049】そして本体容器内部空間における上部空間
部分は分離油排出口82に連通した分離油集積空間とな
し、他方、下部空間部分は分離水排出口85に連通した
分離水集積空間として機能させている。
【0050】このような荷電コアレッサー型油水分離装
置は、図中の実線矢印で示すように、容器外部からポン
プを用いて圧入した被処理液を中心筒電極91の内部空
間を通じてフィルターF2内側から外側に向けて流通さ
せて、濾過と予備凝集を同時に行って一次処理液を生成
し、この一次処理液を油水分離空間55に排出する。次
いでこの排出された一次処理液を油水分離空間55にお
いて、先ず上昇させたのち、降下させ、この上昇及び降
下の過程で油滴粒子の凝集粗粒化を更にはかる。そし
て、上昇及び降下の過程で分離油を図中破線矢印で示す
ように浮上させ、他方、分離水を図中一点鎖線矢印で示
すように沈降させて、それぞれ分離油排出口82及び分
離水排出口85を通じて回収するものである。
【0051】電界内に置かれたフィルターF2内を通過
する被処理液は、被処理液の通過方向上流側から下流側
に向かって段階的に小さくなる細穴を通過する過程でエ
マルジョン破壊が起こって油分と水分の分離が行われる
と同時に被処理液中のゴミ等の不純物粒子の除去が行わ
れる。フィルターF2内では濾目による物理的濾過作用
に加えて荷電による凝集粗粒化現象が同時に進行する。
【0052】フィルターF2外部に排出された一次処理
液は既に不純物粒子の除去と油滴粒子と水分子の分離が
はかられた状態となっているが、この一次処理液は電界
が印加された油水分離空間55を通過する過程で、電界
作用により油滴粒子の更なる凝集粗粒化現象が進行す
る。そして、油分は比重差により浮上して分離油集積空
間に集積したのち分離油排出口82を通じて容器外部に
排出され、他方水分は下降して分離水集積空間に集積し
たのち分離水排出口85を通じて容器外部に排出され
る。分離油の集積量は界面検知センサー89によって常
時監視されており、集積量が一定のレベルに達したなら
ば、電磁弁84を開放して排油が行われる。このように
して回収された分離油及び分離水は共に清浄であるため
に再利用することができる。
【0053】このような構成の超精密濾過システムの作
動態様は次の通りである。ここでは先ず図1で示した第
1実施例装置の作動態様を中心にして述べる。本装置に
導入された被処理液は次の一連の各工程を経て濾過さ
れ、且つこの一連の工程を繰り返すことで汚れた被処理
液から極めて清浄で再利用可能な透過水を得るものであ
る。 <ゴミ除去工程>原液タンクAには、廃油や各種廃液等
の被処理液が貯留されている。原液タンクAへの被処理
液の流入は定期的に行われる場合もあるし、常時連続的
に行われる場合もある。また原液タンクAそのものが洗
浄槽を兼ねている場合もある。先ずポンプ3で吸引され
た処理液は原液タンクAからストレーナー1を通り、流
量調整弁4で定流量に調整されて荷電濾過装置C1に圧
入される。このときのポンプ3による吸引状態は真空計
2によって、また荷電濾過装置C1のフィルターの目詰
まりは圧力計5によって監視されている。荷電濾過装置
C1内に圧入された被処理液は荷電極兼用フィルターF
1を外周面側から内周面に向かって流れ、軸心中空部か
ら容器外に排出される。荷電極兼用フィルターF1内を
通過する途上では、被処理液中のゴミ等は電界作用によ
り凝集粗粒化し、効率的にフィルターに捕捉され、被処
理液中の数十ミクロン以上のゴミ粒子はそのほとんどが
除去される。
【0054】<油分除去工程>荷電濾過装置C1から排
出された被処理液は荷電コアレッサー型油水分離装置C
2に圧入される。荷電コアレッサー型油水分離装置C2
内に入った被処理液はコアレッサー型フィルターF2内
に入り、フィルター内周面から外周面に向かって流れ、
フィルターを通過する過程で荷電効果による油滴粒子の
凝集粗粒化が促進されてエマルジョン状態が破壊され
る。粗粒化した油滴粒子を含む被処理液は環状の仕切り
板によって形成された迂回路を昇降し、この過程で油分
が比重差により浮上分離して容器内上層に浮上油層が形
成される。浮上油層と分離水層との界面レベルが自動弁
7の取付け位置よりも低くなると、この状態を検知した
油水界面センサー(図示せず)が自動弁7を開栓して分
離油の排出を行う。一方、分離水は容器底部から取り出
されて、UF膜・RO膜濾過装置B’に送られる。ここ
までが、前処理装置によって担われる前処理工程であ
り、この工程を経た被処理液中には数十ミクロン以上の
ゴミや油滴粒子はほとんど存在しない状態となってい
る。尚、上記説明では荷電濾過装置C1ではゴミ粒子の
凝集粗粒化について説明し、他方、荷電コアレッサー型
油水分離装置C2では油滴粒子の凝集粗粒化を中心にし
て説明したが、荷電濾過装置C1でも油滴凝集効果はあ
り、また荷電コアレッサー型油水分離装置C2でもゴミ
凝集効果はある。但し、荷電濾過装置C1はゴミ除去を
前提として製作されているため浮上油の排出手段を有し
ない点において油分除去能力に劣っている。
【0055】荷電コアレッサー型油水分離装置C2から
排出される被処理液のうち、一部は次段のUF膜・RO
膜濾過装置B’に送られるが、UF膜・RO膜濾過装置
B’の処理能力を超える残量分は帰還路30を通じて原
液タンクAに戻って原液タンクA内の被処理液の不純物
濃度を低下させる。そして帰還路30を通じた回収液に
よってその汚染濃度が若干低下した原液タンクA内の被
処理液は再びポンプ3によって吸引されて前記ゴミ除去
工程と油分除去工程を循環する。ここでは荷電コアレッ
サー型油水分離装置C2から排出される被処理液のうち
一部のみを次段のUF膜・RO膜濾過装置B’に送り込
んでいるが、UF膜・RO膜濾過装置B’の処理能力が
高い場合は荷電コアレッサー型油水分離装置C2から排
出される被処理液の全量をUF膜・RO膜濾過装置B’
に送り込んでもよい。
【0056】<超精密濾過工程>ポンプ102によって
荷電コアレッサー型油水分離装置C2の排出液から吸引
された被処理液はUF膜・RO膜濾過装置B’に導入さ
れる。UF膜・RO膜濾過装置B’への被処理液の導入
は導入路100を経て一次側循環路101に流入させら
れ、一次側循環路101途中に配置された流量調整弁1
03によって定流量に調整された後、極精密濾過ユニッ
トB1に圧入される。極精密濾過ユニットB1に圧入さ
れた被処理液は極精密濾過ユニットB1の容器内一次側
流路を経由して容器外に排出され、容器内を通過する過
程で容器内一次側と容器内二次側との間に配設されたU
F膜やRO膜を通じて被処理液の一部を容器内二次側に
透過させて排出する。
【0057】<還流工程I>極精密濾過ユニットB1の
容器外二次側流路を経てUF膜・RO膜濾過装置外に排
出された透過水は、還流路50を通じて原液タンクAに
戻され、原液タンクA内の不純物濃度を低下させる。透
過水は原液タンクAに戻すことなく、そのまま再利用し
たり、あるいは安全な水として系外排出路51を通じて
そのまま自然界に放流してもよい。
【0058】<還流工程II>極精密濾過ユニットB1の
一次側循環路101に何らの工夫も施さない場合には一
次側循環液は透過水が排出された分だけ濃縮される。本
発明では、この濃縮された一次側循環液の一部を第2還
流路40を通じて前処理装置Cのポンプ3の吸引側に連
続して還流させることによって、濃縮液を前処理装置C
により再処理し、荷電濾過装置C1及び荷電コアレッサ
ー型油水分離装置C2によるゴミ除去と油分除去を繰り
返すこととし、これによって一次側循環路101を循環
する一次側循環液の濃縮を可能な限り防止している。こ
の第2還流路40を設けたことにより一次側循環液の濃
縮が軽減されUF膜・RO膜濾過装置B’の負担が大幅
に軽減されて極精密濾過ユニットB1の濾過膜の寿命が
大幅に延びる。
【0059】図2で示した第2実施例は、荷電濾過装置
C1から排出される被処理液が荷電コアレッサー型油水
分離装置C2の処理能力を上回る場合を想定している。
この実施例では荷電濾過装置C1による濾過処理を終え
て荷電コアレッサー型油水分離装置C2に送られる被処
理液のうち、荷電コアレッサー型油水分離装置C2の処
理能力を上回る分量分をゴミ取りフィルター10を経由
させてポンプ11で吸引し、この余剰分を帰還路31を
通じて原液タンクAに戻している。尚、前記余剰分は図
中仮想線で示す帰還路32を通じてポンプ3の吸い込み
口に戻すこともできる。
【0060】上述した第1実施例及び第2実施例では、
荷電コアレッサー型油水分離装置C2から排出される分
離水は底部から次段のUF膜やRO膜に吸い込まれる量
の残りを、帰還路30を通じてそのまま無処理のまま原
液タンクAに戻し、且つ極精密濾過ユニットB1の一次
側循環路101を通過する濃縮された一次側循環液の一
部を前記第2還流路40を通じて前処理装置Cのポンプ
3の吸い込み口側に戻している。このような構成であれ
ば、第2還流路40によって戻された濃縮液は再び荷電
濾過装置C1及び荷電コアレッサー型油水分離装置C2
を通過するので、吸い込みと戻し分の油の全量が荷電コ
アレッサー型油水分離装置C2によって油水分離できる
ので、分離油は浮上油となって荷電コアレッサー型油水
分離装置C2の上層に集積するようになり、本超精密濾
過システム系内から排出される油分を荷電コアレッサー
型油水分離装置C2の自動弁7から集中排出することが
できる。そして自動弁7を通じて分離油を連続的にある
いは定期的に系外に排出している限り、原液タンクAの
油分濃度を低減させる効果が保証されている。
【0061】しかしながら、第1実施例及び第2実施例
では自動弁7からの分離油の系外への排出が連続的にあ
るいは定期的に行われない場合には、分離水の油分濃度
は徐々に濃くなり、この濃縮された分離水が原液タンク
Aに戻されるため、せっかくきれいになった透過水を原
液タンクAに戻しても原液タンクA内の油分があまり減
らないという欠点がある。しかも、荷電コアレッサー型
油水分離装置C2のフィルターの濾目は数ミクロンであ
るのに対し、UF膜やRO膜の濾目は数十オングストロ
ーム〜数オングストロームであって、その油水分離能力
に格段の差があるために、極精密濾過ユニットB1の一
次側循環液のみをポンプ3の吸い込み口に戻しても、こ
の戻された濃縮液中の不純物は前処理装置Cでは除去し
きれず、この濃縮液が帰還路30を通じて原液タンクA
に戻るため原液タンクA中の不純物濃度低減効果には限
界がある。図3で示す実施例ではこの問題を解決してい
る。即ち、荷電コアレッサー型油水分離装置C2から排
出される分離水を直接原液タンクAに戻すことをせず
に、荷電コアレッサー型油水分離装置C2から排出され
る分離水を、極精密濾過ユニットB1の一次側循環液を
前処理装置Cのポンプ3の吸い込み口に戻す第2還流路
40に接続して、全量を前処理装置Cに戻して循環処理
することとすれば、1回の前処理装置Cの通過では除去
できなかった液中の不純物が前処理装置Cのパス回数に
応じて除去できるようになり、油水分離効果も上昇し
て、荷電コアレッサー型油水分離装置C2の油水分離効
果が飛躍的に向上する。そして荷電コアレッサー型油水
分離装置C2の表層に集積した浮上油を排出することに
よって、原液タンクA内の不純物濃度を早期に低下させ
ることができる。
【0062】この場合、循環液は前処理装置Cと膜装置
の間を何パスも循環して再処理されながら自動排出され
る分だけ濃縮速度を落としながら濃縮されるが、一次側
循環液は原液タンクAには戻らないので本超精密濾過シ
ステムの系内に保持され清澄な透過水だけが原液タンク
Aに戻される。結局、UF膜又はRO膜を透過した膜透
過水と自動弁7から排出される分離油の量に相当する量
が原液タンクAから吸い上げられることとなり、この方
法ではUF膜又はRO膜の透過水量が本システムの装置
能力を決めることとなる。尚、原液タンクA表層に集積
している浮上油をフロートサクション13で吸い上げる
とともに、この浮上油をストレーナー14を経由させて
荷電濾過装置C1の吸い込み口又は荷電コアレッサー型
油水分離装置C2の吸い込み口に送り込むことにすれ
ば、原液タンクAの浮上油も自動弁7を通じて排出する
ことができる。
【0063】このように本発明は、UF膜・RO膜濾過
装置Bの前段に荷電濾過装置C1と荷電コアレッサー型
油水分離装置C2とより構成される前処理装置Cを配
し、且つこの前処理装置CにUF膜・RO膜濾過装置の
一次側循環液の一部を還流させるとともに、且つ荷電コ
アレッサー型油水分離装置C2によって回収した油分を
システム系外に連続的に排出することによって、一次側
循環液の濃縮を防ぐことにしたので、UF膜・RO膜濾
過装置BのUF膜やRO膜が不純物や油により目詰まり
を起こすことを防止でき、優れた濾過精度を有し、且つ
寿命の長い超精密濾過システムを得ることができる。
【0064】本発明システムは、UF膜・RO膜濾過装
置Bのみからなる超精密濾過システムに比べて濾過精度
及びUF膜・RO膜濾過装置Bの濾過膜の寿命において
優れていることは上述したとおりであるが、本発明シス
テムは荷電しない前処理装置とUF膜・RO膜濾過装置
との組み合わせたシステムに対しても優位性を有してい
る。本発明者は、同じ全体装置を用いて、前処理装置に
荷電を行った場合と荷電しなかった場合とにおける水溶
液からのゴミと油の除去効果を実験によって確かめたと
ころ次のような結果が得られた。
【0065】
【表1】 実験結果から明らかなように、前処理装置に荷電した本
システムは前処理装置に荷電しない場合に比べてゴミの
濾過及び油分除去の両方において共に格段に優れた性能
を有していることがわかる。またこのような優れた濾過
精度を発揮しながら、UF膜やRO膜の寿命も永くでき
ることも確かめられた。
【0066】
【発明の効果】本発明はUF膜・RO膜濾過装置と原液
タンクとの間に、荷電濾過装置と荷電コアレッサー型油
水分離装置とよりなる前処理装置を介在させて比較的大
きなゴミや油滴等の不純物を予め除去するとともに、こ
の前処理装置にUF膜・RO膜濾過装置の一次側循環液
の一部を還流させ、且つ前処理装置に回収した油分をシ
ステム系外に連続的に排出できる構成としたので、UF
膜・RO膜濾過装置の一次側循環液の濃縮が防止され、
UF膜・RO膜濾過装置のUF膜やRO膜が目詰まりを
起こすことが防止でき、長寿命で低コストであり且つ高
性能な超精密濾過システムが実現できる。そしてUF膜
・RO膜濾過装置から排出される透過水は極めて清澄で
あるからそのまま再利用したり自然界に放出することが
できる。
【0067】また、UF膜・RO膜濾過装置から排出さ
れる透過水を原液タンクに戻す還流路を設けたときに
は、新たに導入される廃液やタンク内での汚染部品の洗
浄等により原液タンク内の被処理液の不純物濃度が増大
することが抑止される。また原液タンクへ新たな廃液の
導入やタンク内での汚染部品の洗浄等を行わない場合に
は原液タンク内被処理液の清澄化を徐々に進行させるこ
とができる。
【0068】また荷電コアレッサー型油水分離装置の処
理済排出液の一部を原液タンクに戻す帰還路を設ける
と、前処理装置による処理液量がUF膜・RO膜濾過装
置の処理液量を上回っていても、過剰な被処理液は原液
タンクに戻されるので、前処理装置を一時停止させる等
の無駄を発生させることなく、前処理装置の処理能力を
最大限生かしながら原液タンク内の被処理液の浄化を効
率的に進めることができる。
【0069】また前記荷電コアレッサー型油水分離装置
の処理済排出液の一部を原液タンクに戻す帰還路を設け
る代わりに、排出液の一部を前処理装置の前段を構成す
る荷電濾過装置への送液路へ戻す帰還路を設ければ、排
出液は前処理装置を繰り返し通過するようになるので、
UF膜・RO膜濾過装置に送られる被処理液の浄化度が
高まり、極精密濾過膜の負担はより一層軽減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超精密濾過システムの第1実施例を
示す説明図
【図2】 本発明の超精密濾過システムの第2実施例を
示す説明図
【図3】 本発明の超精密濾過システムの第3実施例を
示す説明図
【図4】 荷電濾過装置の横断面説明図
【図5】 荷電濾過装置の縦断面説明図
【図6】 同荷電濾過装置に用いるフィルターエレメン
トの縦断面説明図
【図7】 荷電濾過装置の他の例を示す縦断面説明図
【図8】 荷電コアレッサー型油水分離装置の横断面説
明図
【図9】 荷電コアレッサー型油水分離装置の縦断面説
明図
【図10】 荷電コアレッサー型油水分離装置に用いる
フィルターエレメントの縦断面説明図
【図11】 (a)(b)(c)は、図10で示したフ
ィルターエレメントの各部分の濾目の大きさを模式的に
表現した拡大説明図
【図12】 従来の超精密濾過システムを示す説明図
【符号の説明】
A 原液タンク B,B’ UF膜・
RO膜濾過装置 B1 極精密濾過ユニット C 前処理装置 C1 荷電濾過装置 C2 荷電コアレッ
サー型油水分離装置 F1 フィルターエレメント F2 コアレッサー型フィルターエレメント 1 ストレーナー 2 真空計 3 ポンプ 4 流量調整弁 5 圧力計 6 圧力計 7 自動弁 8 荷電源 9 荷電源 10 ゴミ取りフィル
ター 11 ポンプ 12 逆止弁 13 フロートサクション 14 ストレーナー 15 ポンプ 16 逆止弁 17 圧力スイッチ 18 真空計 19 逆止弁 30 帰還路 31 帰還路 32 帰還路 40 第2還流路 50 還流路 51 系外排出路 52 アース線 53 荷電線 54 絶縁碍子 55 油水分離空間 56 迂回筒電極 61 孔部 62 巻き芯 63 濾過層 64 絶縁パッキン 66 流入口 67 外筒 68 流出口 69 中心アース電
極 70 上部フィルター押え 71 下部フィルタ
ー押え 72 上端開口部 74 導入線 75 導入線絶縁碍
子 76 荷電用スプリング 77 濾過層 78 濾過層 81 外筒アース電極 82 分離油排出口 83 ドレン 84 電磁弁 85 分離水排出口 86 フランジ 87 蓋体 88 ボルト 89 界面検知センサ 90 通液孔 91 中心筒電極 92 圧入口 94 筒状荷電極 95 フィルター受
け絶縁物 96 フィルター押え絶縁物 97 フィルター締付けネジ 98 Oリング 99 Oリング 100 導入路 101 一次側循環
路 102 ポンプ 103 流量調整弁 104 圧力計 105 圧力計 106 バルブ 107 エアー抜き
バルブ 108 逆洗液タンク 109 三方弁 110 逆洗用エアー弁 111 透過流量計 112 流量調整弁 113 バルブ 114 バルブ 115 逆止弁 116 濃縮液サンプル口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 17/06 502 B01D 17/06 502B 35/06 35/06 G 61/04 61/04 61/16 61/16 B03C 5/00 B03C 5/00 A B

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染した被処理液が貯留された原液タン
    クと、 流入口と排出口を有する容器内に電圧が印加された濾過
    層が配置され、前記流入口を通じて濾過層に被処理液を
    送り込む送液手段を容器外部に付設した粗ゴミ除去用の
    荷電濾過装置と、 流入口と排出口を有する容器内に、径方向内側から外側
    に向けて濾目を段階的に小さくした筒状のコアレッサー
    型フィルターが電圧を印加された状態で配置され、前記
    荷電濾過装置から排出されたゴミ除去済液を前記流入口
    を通じてコアレッサー型フィルターに送り込む送液手段
    を容器外部に付設するとともに、前記フィルターを囲む
    位置にはフィルターを通過した被処理液を上昇又は下降
    させて比重差により被処理液から油分を分離させる迂回
    路が設けられ、分離油及び分離水を別々の排出口から排
    出するようにした荷電コアレッサー型油水分離装置と、 UF膜又はRO膜が容器内に配置され、当該極精密濾過
    膜を介して容器内部が流入口と排出口を有する一次側と
    排出口のみを有する二次側に隔てられるとともに、容器
    外部には前記荷電コアレッサー型油水分離装置から排出
    された分離水を受け入れる導入路及び循環路を有する容
    器外一次側流路と、極精密濾過膜を透過した透過液を排
    出する二次側排出口が形成されたUF膜・RO膜濾過装
    置と、 を具備し、荷電濾過装置と荷電コアレッサー型油水分離
    装置とを直列接続して構成した前処理装置を、原液タン
    クとUF膜・RO膜濾過装置との間に介在させ、UF膜
    ・RO膜濾過装置の一次側循環路の途中部から当該一次
    側循環路で濃縮された被処理液を逆止手段を介して前処
    理装置の前段を構成する荷電濾過装置への送液路に戻す
    還流路を設けてなる超精密濾過システム。
  2. 【請求項2】 UF膜・RO膜濾過装置の二次側排出口
    から排出される透過液を原液タンクに通ずる還流路を設
    けてなる請求項1記載の超精密濾過システム。
  3. 【請求項3】 前処理装置の後段を構成する荷電コアレ
    ッサー型油水分離装置から排出される分離水の一部を原
    液タンクに戻す帰還路を設けてなる請求項1又は2記載
    の超精密濾過システム。
  4. 【請求項4】 前処理装置の後段を構成する荷電コアレ
    ッサー型油水分離装置から排出される分離水の一部を前
    処理装置の前段を構成する荷電濾過装置への送液路へ戻
    す帰還路を設けてなる請求項1又は2記載の超精密濾過
    システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の超精密濾過システムを用
    いた超精密濾過方法であって、その工程が、 原液タンクから汚染した被処理液を荷電濾過装置に供給
    し、容器内に配置された濾過層に被処理液を圧入させて
    液中のゴミを除去するゴミ除去工程と、 前記ゴミ除去工程を経たゴミ除去済液を荷電コアレッサ
    ー型油水分離装置に供給し、容器内に配置された径方向
    内側から外側に向けて濾目を段階的に小さくした筒状の
    コアレッサー型フィルターの内周面から外側に向かって
    ゴミ除去済液を圧入して液中の油分を凝集粗粒化させる
    とともに、この凝集油滴を含有したゴミ除去済液をコア
    レッサー型フィルター外部に設けた迂回路内を上昇又は
    下降させて比重差により油水分離する油分除去工程と、 前記油分除去工程を経た被処理液を、UF膜・RO膜濾
    過装置の容器外一次側流路に接続された導入路を通じて
    一次側循環路を循環させながら、UF膜・RO膜を透過
    した透過水を容器内二次側を通じて排水する極精密濾過
    工程と、 を備え、且つ極精密濾過装置の一次側循環路を循環する
    濃縮液の一部を、前処理装置の前段を構成する荷電濾過
    装置への送液路に還流させて、ゴミ除去工程と油分除去
    工程を繰り返すとともに、荷電コアレッサー型油水分離
    装置によって分離した油分を装置系外に連続的あるいは
    定期的に排出して極精密濾過装置の一次側循環液の濃縮
    を防止することにより、極精密濾過膜に対する負荷を軽
    減させながら透過水を連続的に生成する超精密濾過方
    法。
  6. 【請求項6】 極精密濾過工程を経た透過水を原液タン
    クに戻す還流工程を付加してなる請求項5記載の超精密
    濾過方法。
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