JP2015121599A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたカメラ - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】カメラ側のペンタプリズム部が配置される空間に対応するフォーカルプレンシャッタの上部の小型化を図っても、羽根部材の先端部の重なり量を確保して漏光を防ぐことが可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたカメラを提供する。【解決手段】後羽根のスリット形成羽根である羽根部材24は、そのスリット形成縁とは反対側の辺の中央部が先端部に比べて狭い幅となるように形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、一つ又は二つのシャッタ羽根を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたカメラに関する。
カメラ用フォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板,中間板,補助地板と称されている3枚の板部材の間に二つの羽根室を構成し、それらの羽根室に、先羽根,後羽根と称されている二つのシャッタ羽根を個別に配置するようにしたものと、シャッタ地板と補助地板との間に構成された羽根室に、一つのシャッタ羽根を配置するようにしたものとが知られている。
また、いずれのフォーカルプレンシャッタの場合でも、シャッタ羽根の構成は略同じであり、長さ方向の一端をシャッタ地板に対して回転可能に取り付けた複数のアームと、それらのアームに枢支された少なくとも1枚の羽根部材とで構成されている。また、それらのアームの一つは、シャッタ地板に回転可能に取り付けられた駆動部材の駆動ピンに連結されており、その駆動部材によって往復回転させられ、羽根部材によって露光開口を開閉させるようにしている。
このような構成のフォーカルプレンシャッタの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1の図2は、露光作動終了状態を示した図である。この状態からセット作動が開始されると、後羽根用駆動部材20はセット部材24によって後羽根用駆動ばね22の付勢力に抗して回転させられる。このとき、後羽根用駆動部材20は、露光作動終了位置から本来のセット位置を経て、オーバーチャージ状態となる位置まで回転させられる。このオーバーチャージ状態が特許文献1の図4に示されている。そして、オーバーチャージ状態となった後は、セット部材24が元の位置に復帰し、後羽根用駆動部材20は後羽根用駆動ばね22の付勢力により時計方向へ回転させられるが、このときには後羽根用電磁石11の鉄心11aが後羽根用駆動部材20に取り付けられている鉄片部材21を吸着しているため、その回転は途中で停止させられる。この位置が後羽根用駆動部材20のセット位置である。このセット状態が特許文献1の図5に示されている。
上記の一連のセット作動の際には、後羽根用駆動部材20の作動に伴い、後羽根も露光作動終了位置からセット位置を経てオーバーチャージ状態となる位置まで作動させられる。そして、セット部材が元の位置に復帰したとき、後羽根もオーバーチャージ状態となる位置からセット位置まで回転して停止する。このとき、後羽根のスリット形成羽根である羽根35は、セット状態においてそのスリット形成縁が羽根33,34とほぼ同位置にくるように配置されている。その一方で、オーバーチャージ状態においては、羽根35のスリット形成縁とは反対側の縁が羽根33,34よりも上側に飛び出している。これは、シャッタ羽根のアームの先端側に取り付けられている羽根部材の方が、根元側に取り付けられている羽根部材よりも大きく動かされることによる。
特開2011−113060号公報
近年、カメラの小型化に伴い、フォーカルプレンシャッタの小型化を求められている。ファインダ部を備えたカメラでは、その本体の上部にペンタプリズム部が配置されている。このペンタプリズム部の小型化をすればカメラ本体の上部の小型化が可能になるが、そのためには、カメラ側のペンタプリズム部に相当するフォーカルプレンシャッタの上部も小型化する必要がある。しかし、フォーカルプレンシャッタの上部には、シャッタ羽根が露光作動前のセット状態にあるときに、羽根部材が重畳して収容されるスペースが必要である。この部分を小型化するためには、羽根部材の幅を縮小する必要がある。
そこで、フォーカルプレンシャッタの上部に収納されるシャッタ羽根のスリット形成羽根だけ幅を小さくすることが考えられる。前述のように、スリット形成羽根は、他の羽根部材よりも大きく動かされるため、オーバーチャージ状態で最も上側に飛び出し、省スペース化の妨げとなるからである。オーバーチャージ状態で上側に飛び出す分だけスリット形成羽根の幅を予め縮小しておけば、その分の省スペース化が可能になる。
しかし、スリット形成羽根の幅を縮小してしまうと、別な問題が生じる。シャッタ羽根は露光作動の際に高速で作動するため、その先端部がばたついて隙間ができることにより漏光が生じることになる。通常は羽根部材の先端部に十分な重なり量をとることでこのようなばたつきによる漏光を防いでいるが、羽根部材の幅を縮小するとこのような問題が生じやすくなる。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、上部の小型化を図っても、羽根部材の先端部の重なり量を確保できるカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、
被写体光路用の開口部を有しているシャッタ地板と、
複数のアームとそれらのアームに枢支された複数枚の羽根部材とで構成されていて、前記シャッタ地板に立設されている複数の羽根取付軸に対してそれらのアームの一端を個別に回転可能に取り付けられているシャッタ羽根と、を備えていて、
前記複数のアームの最も先端側に取り付けられている羽根部材であるスリット形成羽根は、スリット形成縁とは反対側の辺の中央部が先端部に比べて狭い幅となるように形成されているようにする。
その場合、
被写体光路用の開口部を有していて、前記シャッタ地板に所定の間隔を空けて取り付けられている補助地板と、
前記二つの開口部とのうちの少なくとも一つによって方形の露光開口を形成する被写体光路用の開口部を有していて、前記二つの地板の間において所定の間隔を空けて配置されている中間板と、
複数のアームとそれらのアームに枢支された複数枚の羽根部材とで構成されていて、前記シャッタ地板に立設されている複数の羽根取付軸に対してそれらのアームの一端を個別に回転可能に取り付けられており、露光作動前のセット状態では展開した状態で前記露光開口を覆っている先羽根と、
露光作動前のセット状態では重畳した状態で前記露光開口から退いている後羽根である前記シャッタ羽根と、
を備えているようにしてもよい。
その場合、セット作動時に前記スリット形成羽根が近接する前記シャッタ地板の外周部は、前記スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部の形状に沿った外周形状をしていて、前記スリット形成羽根がセット作動時にオーバーチャージ状態にあるときは、前記スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の少なくとも中央部が該外周部に近接するようにしてもよい。
また、その場合、前記スリット形成羽根がセット作動時にオーバーチャージ状態にあるときは、前記スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部が、前記スリット形成羽根と同じアームに取り付けられている他の羽根部材の縁と略揃った状態となるようにしてもよい。
また、本発明のカメラは、上記のいずれかのカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えているようにする。
本発明によれば、カメラ用フォーカルプレンシャッタの上部のうちカメラ側のペンタプリズム部が配置される部分だけを小型化したので、カメラ本体の上部の小型化が可能になるとともに、シャッタ羽根の羽根部材の先端部の重なり量は確保されているため漏光を好適に防ぐことが可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタを得ることができる。
本発明の実施例を被写体側から視たときの平面図であって、露光作動終了状態を示したものである。 本発明の実施例の後羽根のスリット形成羽根を示した図である。 本発明の実施例を被写体側から視たときの平面図であって、セット作動の途中のオーバーチャージ状態を示したものである。 本発明の実施例を被写体側から視たときの平面図であって、セット作動終了状態を示したものである。
本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1,3,4は、本発明のフォーカルプレンシャッタを被写体側から視たときの平面図である。また、図2は本発明のフォーカルプレンシャッタの後羽根のスリット形成羽根の形状を示した図である。なお、図2においては、従来のスリット形成羽根の形状を一点鎖線で示している。以下の説明では、シャッタ地板の被写体側のことを表面側といい、撮像素子側のことを背面側という。
まず、図1,2を用いて、実施例の構成の説明をする。図1において、シャッタ地板1には、長方形の開口部1aが形成されている。また、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、適宜な手段によって、中間板2とカバー板3が順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板2との間に後羽根の羽根室を構成し、中間板2とカバー板3との間に先羽根の羽根室を構成している。そして、中間板2と補助地板3にも、開口部1aと類似の形状をした図示していない開口部が形成されている。そして、撮像素子は、補助地板3よりも更に背面側において、図示していないカメラ本体に取り付けられている。
図1において、開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが貫通孔として形成されており、それらの下方端には、平面形状がC字状をした周知のブチルゴム製の緩衝部材4,5が取り付けられている。シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1e,1fが立設され、背面側には軸1g,1h,1i,1jが立設されている。そして、それらのうち、軸1dと軸1g、及び軸1eと軸1jとは同心となるように配置されている。更に、周知であるため図示していないが、開口部1aの左側の領域において、シャッタ地板1の表面側に複数の軸が立設されており、それらの先端には、支持板と印刷配線板が、支持板をシャッタ地板1側にして重合され、シャッタ地板1と平行になるようにして取り付けられている。そして、支持板のシャッタ地板1側には、周知の先羽根用電磁石と後羽根用電磁石とが取り付けられていて、それぞれの電磁石は鉄心を有しているが、各図面上においては、先羽根用電磁石の鉄心6と後羽根用電磁石の鉄心7のみ図示している。
シャッタ地板1の軸1dには、先羽根用駆動部材8が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材8は、背面側に駆動ピン8aを有していて、図示していない先羽根用駆動ばねによって図1において時計方向へ回転するように付勢されている。この駆動ピン8aは、長孔1bを貫通し、先羽根の羽根室内に挿入されている。また、先羽根用駆動部材8は、表面側に図示していない圧縮ばねを介して鉄片部材9を取り付けており、セット作動時には、先羽根用電磁石の鉄心6と鉄片部材9とが接触するようになっている。
シャッタ地板1の軸1eには、後羽根用駆動部材10が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材10は、背面側に駆動ピン10aを有していて、図示していない後羽根用駆動ばねによって図1において時計方向へ回転するように付勢されている。この駆動ピン10aは、長孔1cを貫通し、後羽根の羽根室内に挿入されている。また、後羽根用駆動部材10は、表面側に図示していない圧縮ばねを介して鉄片部材11を取り付けており、セット作動時には、後羽根用電磁石の鉄心7と鉄片部材11とが接触するようになっている。
シャッタ地板1の軸1fには、セット部材12が回転可能に取り付けられている。このセット部材12は、セット作動時に、図示していないカメラ側の部材により回転させられ、先羽根用駆動部材8と後羽根用駆動部材10とをそれぞれの駆動ばねの付勢力に抗して回転させる。
シャッタ地板1の背面側に立設されている軸1g,1hには、先羽根用アーム13,14が回転可能に取り付けられている。そして、先羽根用アーム13,14には、羽根部材15,16,17,18が周知の鋲部材によって取り付けられていて、先羽根を構成している。このうち、最も先羽根用アーム13,14の先端側に取り付けられている羽根部材18が先羽根のスリット形成羽根である。この先羽根は、上記のように中間板2とカバー板3との間に構成されている先羽根の羽根室内に配置されている。この先羽根用アーム13には、孔13aが形成されていて、孔13aには先羽根用駆動部材8の駆動ピン8aが挿入されている。
シャッタ地板1の背面側に立設されている軸1i,1jには、後羽根用アーム19,20が回転可能に取り付けられている。そして、後羽根用アーム19,20には、羽根部材21,22,23,24が周知の鋲部材によって取り付けられていて、後羽根を構成している。このうち、最も後羽根用アーム19,20の先端側に取り付けられている羽根部材24が後羽根のスリット形成羽根である。この後羽根は、上記のようにシャッタ地板1と中間板2との間に構成されている後羽根の羽根室内に配置されている。この後羽根用アーム20には、孔20aが形成されていて、孔20aには後羽根用駆動部材10の駆動ピン10aが挿入されている。
ここで、図2を用いて、後羽根のスリット形成羽根である羽根部材24の形状を説明する。スリット形成羽根である羽根部材24は、その幅方向の一方の側にスリット形成縁を有している。そして、その幅方向の他方の側は、中央部が羽根部材21,22,23の幅よりも狭く形成されているとともに、先端部が中央部よりも広い幅で形成されている。そして、シャッタ地板1は、図1における上部、すなわちオーバーチャージ状態となったとき羽根部材24が近接する外周部の形状が、羽根部材24の中央部から先端部にかけての形状に沿った形状となっている。
次に、本実施例の作動を図1,3,4を用いて説明する。図1は、露光作動終了状態を示したものである。この状態では、先羽根はシャッタ地板の下方で重畳して収容されており、後羽根は展開して露光開口を覆っている。この状態から、次の撮影をするために、セット作動が開始される。セット部材12が回転すると、まず先羽根用駆動部材8がセット部材12に押されることにより先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して図1において反時計方向に回転させられる。そのため、先羽根用アーム13は駆動ピン8aにより反時計方向へ回転させられ、先羽根の4枚の羽根部材15,16,17,18は、相互の重なりを小さくしながら上方へ移動していく。
このようにして、先羽根のスリット形成羽根18が後羽根のスリット形成羽根24に所定量だけ重なると、その段階からは、セット部材12が後羽根用駆動部材10を押し、後羽根用駆動部材10は後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根用アーム20は駆動ピン10aにより反時計方向へ回転させられ、後羽根の4枚の羽根部材21,22,23,24は、相互の重なりを大きくしながら上方へ移動していく。
そして、先羽根用駆動部材8と後羽根用駆動部材10は、各々の駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられていく。そして、セット作動の途中で、先羽根用駆動部材8に取り付けられている鉄片部材9は先羽根用電磁石の鉄心6と接触し、後羽根用駆動部材10に取り付けられている鉄片部材11は後羽根用電磁石の鉄心7と接触する。この位置が本来のセット位置であるが、セット作動時にはこの状態から更にセット部材が各駆動部材を回転させるので、先羽根用駆動部材8は鉄片部材9を先羽根用電磁石の鉄心6に接触させたまま図示していない圧縮ばねを圧縮させながら更に回転させられていく。また、後羽根用駆動部材10も鉄片部材11を後羽根用電磁石の鉄心7に接触させたまま図示していない圧縮ばねを圧縮させながら更に回転させられていく。
そして、最終的にセット部材12の回転が停止すると、先羽根用駆動部材8と後羽根用駆動部材10はオーバーチャージ状態となり停止する。この状態が図3に示されている。
そして、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に通電してからセット部材12が元の位置に復帰すると、先羽根用駆動部材8と後羽根用駆動部材10は各駆動ばねの付勢力により時計方向に回転させられるが、各電磁石に鉄片部材が吸着されているため、僅かに回転したところで停止させられる。この位置が各駆動部材のセット位置となる。この状態が図4に示されている。
そして、露光作動の開始時には、まず先羽根用電磁石に対する通電が断たれ、所定時間後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれる。それにより、各駆動部材は、各駆動ばねの付勢力によって時計方向に回転させられ、露光作動を行っていく。そして、最終的に、先羽根用駆動部材8の駆動ピン8aが緩衝部材4に当接し、後羽根用駆動部材10の駆動ピン10aが緩衝部材5に当接する。このようにして露光作動が終了し、図1に示された状態に戻る。
ところで、セット作動においては、上記のように、後羽根の羽根部材21,22,23,24のうち最もアームの先端に取り付けられているスリット形成羽根24が、最も大きく動かされることになる。しかし、本発明においては、スリット形成羽根24のスリット形成縁とは反対側が、中央部は狭い幅となるように形成されていて、シャッタ地板1の外周形状もスリット形成羽根24の中央部から先端部にかけての形状に沿うように形成されている。図3では、比較のために、従来用いられてきた形状のスリット形成羽根を一点鎖線で示している。本発明においては、スリット形成羽根24がこのような形状に形成されているため、オーバーチャージ状態においても、従来用いられてきた形状のスリット形成羽根と比べて、カメラ側のペンタプリズム部が配置される部分の省スペース化を図ることが可能になっている。そして、スリット形成羽根24の先端部は、中央部よりも広い幅で形成されていて、他の羽根との重なり量が確保されている。そのため、露光作動の際に羽根部材が高速で作動させられ先端部がばたつくことがあっても、漏光を好適に防ぐことが可能になっている。
また、図3に示されているように、本発明では、オーバーチャージ状態となるときに、スリット形成羽根24のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部が後羽根の他の羽根部材21,22,23の縁と略揃っていて、後羽根の全ての羽根部材の縁がシャッタ地板1の外周部に近接している。このように配置すると、スペース効率は最も高くできる。しかし、本発明においては、スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部と他の羽根部材の縁を揃えることは必須ではなく、オーバーチャージ時において、スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部が他の羽根部材の縁よりもシャッタ地板の外周部に近接しているようにしてもよいし、他の羽根部材の縁がスリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部よりもシャッタ地板の外周部に近接しているようにしてもよい。
上記の実施例におけるフォーカルプレンシャッタは、駆動部材などを取り付けたシャッタ地板が被写体側となり補助地板が撮影者側となるようにして、カメラ内に取り付けられている場合で説明したが、本発明は、シャッタ地板を撮影者側にして取り付けても差し支えない。
また、上記の実施例は、先羽根及び後羽根の二つの遮光羽根を備えたフォーカルプレンシャッタであるが、本発明は、一つの遮光羽根を備えたフォーカルプレンシャッタとすることも可能である。その場合には、実施例における先羽根,先羽根用駆動部材,先羽根用電磁石等の部材と中間板を取り除き、シャッタ地板の下部の先羽根が重畳して収容されるスペースを減らすことで、更に省スペース化を図ることができる。
また、上記の実施例は、先羽根と後羽根を作動させる二つの駆動部材が、各々鉄片部材を備えており、セット部材は、セット作動によって、各鉄片部材が励磁されていない二つの電磁石に各々接触した状態になるまで、駆動部材を回転させる構成をしたダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタに適用したものとして説明をした。しかし、これに限定されることなく、本発明は、各駆動部材が、セット位置で各々の係止部材によって係止されているようにした係止タイプのフォーカルプレンシャッタに適用することもできる。
更に、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、駆動部材をセット位置まで作動させる駆動手段として、カメラ本体側の部材による場合や、フォーカルプレンシャッタに設けられた電磁駆動源による場合であっても適用できる。
また、本発明のカメラは、上記のいずれかのカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えている。
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
2 中間板
3 補助地板
4,5 緩衝部材
6,7 鉄心
8 先羽根用駆動部材
8a,10a 駆動ピン
9,11 鉄片部材
10 後羽根用駆動部材
12 セット部材
13,14 先羽根用アーム
15,16,17,18,21,22,23,24 羽根部材
19,20 後羽根用アーム

Claims (5)

  1. 被写体光路用の開口部を有しているシャッタ地板と、
    複数のアームとそれらのアームに枢支された複数枚の羽根部材とで構成されていて、前記シャッタ地板に立設されている複数の羽根取付軸に対してそれらのアームの一端を個別に回転可能に取り付けられているシャッタ羽根と、を備えていて、
    前記複数のアームの最も先端側に取り付けられている羽根部材であるスリット形成羽根は、スリット形成縁とは反対側の辺の中央部が先端部に比べて狭い幅となるように形成されていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 被写体光路用の開口部を有していて、前記シャッタ地板に所定の間隔を空けて取り付けられている補助地板と、
    前記二つの開口部とのうちの少なくとも一つによって方形の露光開口を形成する被写体光路用の開口部を有していて、前記二つの地板の間において所定の間隔を空けて配置されている中間板と、
    複数のアームとそれらのアームに枢支された複数枚の羽根部材とで構成されていて、前記シャッタ地板に立設されている複数の羽根取付軸に対してそれらのアームの一端を個別に回転可能に取り付けられており、露光作動前のセット状態では展開した状態で前記露光開口を覆っている先羽根と、
    露光作動前のセット状態では重畳した状態で前記露光開口から退いている後羽根である前記シャッタ羽根と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. セット作動時に前記スリット形成羽根が近接する前記シャッタ地板の外周部は、前記スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部の形状に沿った外周形状をしていて、前記スリット形成羽根がセット作動時にオーバーチャージ状態にあるときは、前記スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の少なくとも中央部が該外周部に近接することを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記スリット形成羽根がセット作動時にオーバーチャージ状態にあるときは、前記スリット形成羽根のスリット形成縁とは反対側の辺の中央部が、前記スリット形成羽根と同じアームに取り付けられている他の羽根部材の縁と略揃った状態となることを特徴とする請求項3に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするカメラ。
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JP2017045020A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 日本電産コパル株式会社 フォーカルプレンシャッタ、及びカメラ
JP2017045019A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 日本電産コパル株式会社 フォーカルプレンシャッタ、及びカメラ

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