JP2015121475A - 磁気ヨークアセンブリの取り付け方法および磁気ヨークアセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】トルク検出装置の検出精度の向上を図ることができる磁気ヨークアセンブリの取り付け方法および当該磁気ヨークアセンブリを提供すること。【解決手段】連結された2つの軸の間に入力される捩じれトルクを検出するためのトルク検出装置を構成する磁気ヨークアセンブリ26を、2つの軸における一方の軸に取り付ける。磁気ヨークアセンブリ26は、複数の磁極爪37,38が内周に等間隔で配置された一対のヨークリング34,35と、一対のヨークリング34,35を互いの磁極爪37,38が交互に並ぶように位置決めした状態で保持する円筒状の樹脂成形品である保持筒36とを含む。保持筒36の成形時に一対のヨークリング34,35同士を位置決めする治具の抜き痕として保持筒36に形成された凹部47を、磁気ヨークアセンブリ26を前記一方の軸に位置決めするための位置決め部として用いる。【選択図】図5
Description
この発明は、ステアリングの操舵トルクなどを検出するトルク検出装置の構成部品である磁気ヨークアセンブリの取り付け方法および当該磁気ヨークアセンブリに関する。
トルク検出装置の一例として特許文献1に開示されたトルクセンサは、トーションバーを介して連結された入力軸および出力軸を備えている。入力軸および出力軸のそれぞれの外周には、磁極が規則的に配置された検出リングが1つずつ圧入されている。入力軸および出力軸のそれぞれの外周にピンが設けられていて、このピンが検出リングの内周における溝状の係合部に係合することで、入力軸および出力軸のそれぞれに対する検出リングの相対位置が一定になる。トルクセンサは、入力軸と出力軸との相対回転に伴う検出リング同士のずれによって、入力軸から出力軸に伝達されるトルクを検出する。
また、入力軸の一端は、出力軸の凹部内に挿入されている。入力軸の一端の外周面と、出力軸の凹部の内周面とは、非円形部となっている。互いの非円形部が当接することによって、入力軸と出力軸との正逆転方向への相対回転可能量が一定範囲に規制されている。
特許文献2および3のトルク検出装置は、トーションバーを介して連結された第1軸および第2軸に加わるトルクを検出対象としており、第1軸と一体回転する円筒磁石と、第2軸と一体回転するヨーク組立体(磁気ヨークアセンブリに相当する)とを備えている。ヨーク組立体は、2個1組のヨークリングと、円筒形にモールド成形され、これらのヨークリングを保持する保持筒とで構成されている。各ヨークリングの内周には、複数の磁極爪が等間隔で設けられている。
特許文献2および3のトルク検出装置は、トーションバーを介して連結された第1軸および第2軸に加わるトルクを検出対象としており、第1軸と一体回転する円筒磁石と、第2軸と一体回転するヨーク組立体(磁気ヨークアセンブリに相当する)とを備えている。ヨーク組立体は、2個1組のヨークリングと、円筒形にモールド成形され、これらのヨークリングを保持する保持筒とで構成されている。各ヨークリングの内周には、複数の磁極爪が等間隔で設けられている。
特許文献2の場合、保持筒の成形型に設けられた共通の位置決めピンが、各ヨークリングに形成された位置決め孔に挿通されることで、ヨークリング同士が位置決めされる。特許文献3の場合、保持筒の成形型に設けられた位置決めピンが、2個のヨークリングにおいて交互に並んだ互いの磁極爪の間に差し込まれることで、ヨークリング同士が位置決めされる。
トルク検出装置の検出精度を向上するためには、トルク検出装置を構成する部品間の相対位置の精度が重要である。
特許文献1の場合、入力軸側の検出リングと出力軸側の検出リングとを精度よく位置合わせするために、入力軸と出力軸との相対位置の精度と、入力軸および出力軸のそれぞれに対する検出リングの位置決め精度とが重要である。入力軸と出力軸との相対位置については、入力軸と出力軸との相対回転可能量が正逆転方向のどちら側においても同じ範囲に規制されるように、中立状態における入力軸および出力軸の互いの非円形部の相対位置を考慮する必要もある。
特許文献1の場合、入力軸側の検出リングと出力軸側の検出リングとを精度よく位置合わせするために、入力軸と出力軸との相対位置の精度と、入力軸および出力軸のそれぞれに対する検出リングの位置決め精度とが重要である。入力軸と出力軸との相対位置については、入力軸と出力軸との相対回転可能量が正逆転方向のどちら側においても同じ範囲に規制されるように、中立状態における入力軸および出力軸の互いの非円形部の相対位置を考慮する必要もある。
特許文献2および3の場合、第1軸側の円筒磁石と第2軸側のヨーク組立体とを精度よく位置合わせするために、たとえば、第2軸に対するヨーク組立体の位置決め精度が重要であり、さらに、ヨーク組立体では、ヨークリング同士の位置決め精度が重要である。
特許文献2および3では、特許文献1における検出リングの内周における係合部に相当するものが、第2軸に対するヨーク組立体の位置決め部として、ヨーク組立体に設けられていると思われる。ヨークリング同士を位置決めするための位置決めピンが配置される部分と、当該位置決め部とが、互いに異なる箇所に設けられていると、それぞれの箇所における誤差が積み重なることで、これらの箇所の相対位置にずれが生じてしまう。これでは、当該位置決め部を基準として第2軸にヨーク組立体を取り付けても、先ほどの誤差によって円筒磁石とヨーク組立体との相対位置にずれが生じるため、トルク検出装置の検出精度の向上が困難になる虞がある。
特許文献2および3では、特許文献1における検出リングの内周における係合部に相当するものが、第2軸に対するヨーク組立体の位置決め部として、ヨーク組立体に設けられていると思われる。ヨークリング同士を位置決めするための位置決めピンが配置される部分と、当該位置決め部とが、互いに異なる箇所に設けられていると、それぞれの箇所における誤差が積み重なることで、これらの箇所の相対位置にずれが生じてしまう。これでは、当該位置決め部を基準として第2軸にヨーク組立体を取り付けても、先ほどの誤差によって円筒磁石とヨーク組立体との相対位置にずれが生じるため、トルク検出装置の検出精度の向上が困難になる虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、トルク検出装置の検出精度の向上を図ることができる磁気ヨークアセンブリの取り付け方法および当該磁気ヨークアセンブリを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、連結された2つの軸(14,15)の間に入力される捩じれトルクを検出するためのトルク検出装置(17)を構成する磁気ヨークアセンブリ(26)を、前記2つの軸における一方の軸(15)に取り付ける方法であって、前記磁気ヨークアセンブリは、複数の磁極爪(37,38)が内周に等間隔で配置された一対のヨークリング(34,35)と、前記一対のヨークリングを互いの前記磁極爪が交互に並ぶように位置決めした状態で保持する円筒状の樹脂成形品である保持筒(36)とを含み、前記保持筒の成形時に前記一対のヨークリング同士を位置決めする治具(48)の抜き痕として前記保持筒に形成された凹部(47,470)を、前記磁気ヨークアセンブリを前記一方の軸に位置決めするための位置決め部として用いることを特徴とする、磁気ヨークアセンブリの取り付け方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の方法によって前記一方の軸に取り付けられる磁気ヨークアセンブリであって、前記凹部は、前記保持筒において軸方向(X)における端面(36B)から前記軸方向に延び、前記凹部は、前記端面に向かってテーパ状に広がるテーパ部(47C)を含むことを特徴とする、磁気ヨークアセンブリである。
請求項3記載の発明は、前記凹部は、前記保持筒の内周面(36A)から露出されることを特徴とする、請求項2記載の磁気ヨークアセンブリである。
請求項3記載の発明は、前記凹部は、前記保持筒の内周面(36A)から露出されることを特徴とする、請求項2記載の磁気ヨークアセンブリである。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、磁気ヨークアセンブリにおける保持筒の成形時に一対のヨークリング同士を位置決めする治具の抜き痕が、凹部となって保持筒に形成されていて、この凹部が、磁気ヨークアセンブリを軸に位置決めするための位置決め部を兼ねる。つまり、ヨークリング同士の位置決めに関連する部分と、軸に対する磁気ヨークアセンブリの位置決め部とが一致している。そのため、ヨークリング同士の位置決めに関連する部分と、軸に対する磁気ヨークアセンブリの位置決め部とが互いに異なる箇所に設けられる場合に比べて、当該箇所に起因する誤差の影響を少なく抑え、磁気ヨークアセンブリを軸に精度よく取り付けることができる。よって、トルク検出装置の検出精度の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、軸に取り付けられる際の磁気ヨークアセンブリを支持するための治具を用いる場合において、当該治具に設けられた位置決め用の凸部を磁気ヨークアセンブリに凹部に嵌め込むと、当該凸部は、凹部のテーパ部における傾斜面に当接する。これによって、磁気ヨークアセンブリが、その周方向に位置決めされることから、その後、磁気ヨークアセンブリを軸に精度よく取り付けることができるので、トルク検出装置の検出精度の向上を図ることができる。
請求項3記載の発明のように、凹部は、保持筒の内周面から露出されてもよい。
本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
以下の実施形態では、トルク検出装置が自動車の電動パワーステアリング装置に適用された例に則して説明するが、本発明のトルク検出装置は、その他の装置に適用することもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るトルク検出装置17を備える電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
以下の実施形態では、トルク検出装置が自動車の電動パワーステアリング装置に適用された例に則して説明するが、本発明のトルク検出装置は、その他の装置に適用することもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るトルク検出装置17を備える電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1では、ステアリング2に連結されたステアリングシャフト3が、自在継手4、中間軸5および自在継手6を順に介してピニオン軸7に連結されていて、ピニオン軸7の先端部のピニオン8が、車両の左右方向に延びるラック軸9のラック10と噛み合っている。ラック軸9の両端部のそれぞれは、タイロッド11に連結されており、タイロッド11は、ナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪12に連結されている。
ステアリング2が操作されてステアリングシャフト3が回転すると、この回転は、ピニオン8およびラック10によってラック軸9の直線運動に変換され、転舵輪13の転舵が達成される。
ステアリングシャフト3は、ステアリング2に連なる入力側の第1軸14と、自在継手4に連なる出力側の第2軸15という2つの軸を有している。第1軸14と第2軸15とは、弾性部材であるトーションバー16を介して同軸状に互いに連結されている。第1軸14と第2軸15とは、互いの間でトルク伝達可能であり、所定の範囲内で相対回転可能である。ステアリング2の操舵によって、ステアリング2の操舵トルクに相当する捩じれトルクが第1軸14と第2軸15との間に入力されると、トーションバー16が捩じれ、その際、第1軸14と第2軸15とが相対回転する。
ステアリングシャフト3は、ステアリング2に連なる入力側の第1軸14と、自在継手4に連なる出力側の第2軸15という2つの軸を有している。第1軸14と第2軸15とは、弾性部材であるトーションバー16を介して同軸状に互いに連結されている。第1軸14と第2軸15とは、互いの間でトルク伝達可能であり、所定の範囲内で相対回転可能である。ステアリング2の操舵によって、ステアリング2の操舵トルクに相当する捩じれトルクが第1軸14と第2軸15との間に入力されると、トーションバー16が捩じれ、その際、第1軸14と第2軸15とが相対回転する。
電動パワーステアリング装置1は、前述した捩じれトルクを検出するためのトルク検出装置17と、車速を検出する車速センサ18と、電動モータ19と、トルク検出装置17および車速センサ18の検出結果に応じて電動モータ19の駆動を制御するマイクロコンピュータを含むECU(Electronic Control Unit)20とを備えている。
トルク検出装置17は、第1軸14と第2軸15との相対回転変位量に基づいて、前述した捩じれトルクを、ステアリング2の操舵トルクとして検出する。ECU20は、当該操舵トルクと現在の車速とに応じて算出した出力を発生するように電動モータ19を駆動する。電動モータ19の出力は、ウォーム21Aおよびウォームホイール21Bで構成された減速機構21を経由して、補助駆動力として第2軸15に伝達される。運転者のステアリング2の操舵する力は、この補助駆動力によって補助される。
トルク検出装置17は、第1軸14と第2軸15との相対回転変位量に基づいて、前述した捩じれトルクを、ステアリング2の操舵トルクとして検出する。ECU20は、当該操舵トルクと現在の車速とに応じて算出した出力を発生するように電動モータ19を駆動する。電動モータ19の出力は、ウォーム21Aおよびウォームホイール21Bで構成された減速機構21を経由して、補助駆動力として第2軸15に伝達される。運転者のステアリング2の操舵する力は、この補助駆動力によって補助される。
図2は、トルク検出装置17の分解斜視図である。
図2に示すように、トーションバー16は、実際に捩じれる部分である細い丸棒を備えていて、丸棒における第1軸14側の端部は、丸棒よりも太い連結部16Aであり、丸棒における第2軸15側の端部は、丸棒よりも太い連結部16Bである。第1軸14には、トーションバー16の連結部16Aが同軸状で挿入される連結孔14Aが形成されていて、第2軸15には、トーションバー16の連結部16Bが同軸状で挿入される連結孔15Aが形成されている。連結部16Aは、ピン23を用いて第1軸14に一体回転可能に結合されている。連結部16Bは、ピン24を用いて第2軸15に一体回転可能に結合されている。第1軸14、第2軸15およびトーションバー16の延びる方向を「軸方向X」といい、第1軸14、第2軸15およびトーションバー16を中心とする周方向を「周方向S」といい、以下では、軸方向Xおよび周方向Sを基準として説明する。
図2に示すように、トーションバー16は、実際に捩じれる部分である細い丸棒を備えていて、丸棒における第1軸14側の端部は、丸棒よりも太い連結部16Aであり、丸棒における第2軸15側の端部は、丸棒よりも太い連結部16Bである。第1軸14には、トーションバー16の連結部16Aが同軸状で挿入される連結孔14Aが形成されていて、第2軸15には、トーションバー16の連結部16Bが同軸状で挿入される連結孔15Aが形成されている。連結部16Aは、ピン23を用いて第1軸14に一体回転可能に結合されている。連結部16Bは、ピン24を用いて第2軸15に一体回転可能に結合されている。第1軸14、第2軸15およびトーションバー16の延びる方向を「軸方向X」といい、第1軸14、第2軸15およびトーションバー16を中心とする周方向を「周方向S」といい、以下では、軸方向Xおよび周方向Sを基準として説明する。
トルク検出装置17は、第1軸14と一体回転する多極磁石25と、多極磁石25を非接触で取り囲んだ状態で第2軸15と一体回転する磁気ヨークアセンブリ26と、一対の集磁リング27,28と、一対のホールIC29,30とを備えている。
多極磁石25は、円筒状で樹脂製の保持筒31と、保持筒31の外周面において周方向Sに交互に並べられた複数のN極32およびS極33とを一体化することで構成された円筒磁石であって、第1軸14の端部14Bに対して同軸状で固定されている。
多極磁石25は、円筒状で樹脂製の保持筒31と、保持筒31の外周面において周方向Sに交互に並べられた複数のN極32およびS極33とを一体化することで構成された円筒磁石であって、第1軸14の端部14Bに対して同軸状で固定されている。
磁気ヨークアセンブリ26は、一対のヨークリング34および35と、一対のヨークリング34および35を保持する円筒状の樹脂成形品である保持筒36とを含む。ヨークリング34および35のそれぞれは、軟磁性体を用いて形成された薄肉の円環である。ヨークリング34の内周には、径方向内側へ突出してから軸方向Xに折れ曲がって延びる複数の磁極爪37が周方向Sに等間隔で配置されている。ヨークリング35の内周には、径方向内側へ突出してから軸方向Xに折れ曲がって延びる複数の磁極爪38が周方向Sに等間隔で配置されている。
磁極爪37および38のそれぞれは、軸方向Xに向けて尖る略三角形状をなし、多極磁石25におけるN極32とS極33との組と、同数設けられている。ヨークリング34および35は、軸方向Xに所定間隔を隔てつつ同軸状で位置決めされた状態で保持筒36によって保持されている。この状態では、磁極爪37および38の互いの先端部37Aおよび38Aが軸方向Xにおいて逆向きになり、磁極爪37および38が周方向Sに等しい間隔を保って交互に並んでいる。磁極爪37および38のそれぞれは、保持筒36の内周面36Aと面一となった状態で内周面36Aから露出されている。
集磁リング27および28のそれぞれは、軟磁性体を用いて形成された環状の部材である。集磁リング27および28は、軸方向Xに所定間隔を隔て、同軸状で配置されている。集磁リング27は、ヨークリング34を径方向外側から非接触で取り囲んで、ヨークリング34に対して磁気的に結合されている。集磁リング28は、ヨークリング35を径方向外側から非接触で取り囲んで、ヨークリング35に対して磁気的に結合されている。
集磁リング27の周上1箇所には、径方向外側へ突出する1対の集磁板40が一体的に設けられている。集磁リング28の周上1箇所にも、集磁板40と同様の1対の集磁板41が一体的に設けられている。集磁板40と集磁板41とは、軸方向Xに離間していて、互いの間にホールIC29および30が挿入されている。
図3は、トルク検出装置17の要部についての模式的な断面図である。
図3は、トルク検出装置17の要部についての模式的な断面図である。
図3に示すように、第2軸15は、電動パワーステアリング装置1のハウジング39内で軸方向Xに離れて配置された2つの軸受42および43によって両持ち支持されている。軸受42が軸受43よりもステアリング2側(図3における上側)に位置している。2つの軸受42および43の間において、第2軸15に、前述したウォームホイール21Bが一体回転可能に連結されている。
第2軸15は、ウォームホイール21B側とは反対側(図3における上側)へ向けて軸受42から軸方向Xにはみ出た中空の連結筒44を一体的に有している。連結筒44の中空部分は、第2軸15における前述した連結孔15Aの一部である。連結筒44においてウォームホイール21Bから最も離れた端面に、符号「44A」を付している。連結孔15Aは、端面44A側から階段状に縮径されていて、連結孔15Aにおいて最も細い部分に、トーションバー16の連結部16Bが嵌め込まれている。第1軸14における第2軸15側の端部14Bは、端面44A側から連結孔15Aに挿入されている。端部14Bは、トーションバー16の連結部16Bよりも端面44A側において連結孔15Aに内嵌固定されたブッシュ45に挿通されていて、ブッシュ45によって、第2軸15と同軸を保って支持されている。
また、端部14Bにおいてブッシュ45よりも端面44A側には、第1規制部14Cが設けられていて、第2軸15において連結孔15Aを区画する内周面において軸方向Xで第1規制部14Cと一致する箇所には、第2規制部15Bが設けられている。第1規制部14Cおよび第2規制部15Bは、軸方向Xから見て、非円形である。そのため、第1軸14と第2軸15との相対回転は、第1規制部14Cと第2規制部15Bとが当接するまでの範囲(たとえば中立状態から±4度)に規制されているので、トーションバー16が過度に捩れることが防止されている。
また、磁気ヨークアセンブリ26は、ヨークリング34および35と同軸をなして配置される円筒状のカラー46をさらに有している。カラー46は、保持筒36によって保持されていて、ヨークリング34および35に対して軸方向Xにずれた位置において保持筒36の内周面36Aから全周に亘って露出されている。カラー46が連結筒44の外周に対して圧入されることによって、磁気ヨークアセンブリ26は、第2軸15に対して一体回転可能に取り付けられている。なお、連結筒44の外周面は、端面44A側の端部において一段縮径されていて、これにより、当該外周面には段部44Bが形成されている。カラー46および保持筒36が段部44Bに対して軸方向Xから接触することによって、磁気ヨークアセンブリ26は、第2軸15に対して軸方向Xに位置決めされている。
図4は、トルク検出装置17の動作を説明するための模式図であって、図4(a)は、操舵中立状態から一方向にトーションバー16が捩じれた状態を示し、図4(b)は、ステアリング2が操舵されていない操舵中立状態を示し、図4(c)は、操舵中立状態から図4(a)とは反対方向にトーションバー16が捩じれた状態を示している。
図4(b)に示す操舵中立状態では、ヨークリング34および35では、それぞれの磁極爪37,38の先端が、多極磁石25におけるN極32とS極33との境界を指すように配置されている。磁極爪37および38のそれぞれには、N極32およびS極33から同数の磁力線が出入りするため、ヨークリング34および35のそれぞれの内部で磁力線が閉じている。よって、ヨークリング34とヨークリング35との間に磁束が漏れることはなく、ヨークリング34とヨークリング35との間の磁束密度は零のままである。
図4(b)に示す操舵中立状態では、ヨークリング34および35では、それぞれの磁極爪37,38の先端が、多極磁石25におけるN極32とS極33との境界を指すように配置されている。磁極爪37および38のそれぞれには、N極32およびS極33から同数の磁力線が出入りするため、ヨークリング34および35のそれぞれの内部で磁力線が閉じている。よって、ヨークリング34とヨークリング35との間に磁束が漏れることはなく、ヨークリング34とヨークリング35との間の磁束密度は零のままである。
一方、ステアリング2の操舵によって第1軸14と第2軸15との間に捩じれトルクが入力されてトーションバー16が捩じれると、第1軸14に固定された多極磁石25と、第2軸15に固定されたヨークリング34および35との相対位置が周方向Sに変化する。これにより、図4(a)および図4(c)に示すように、それぞれの磁極爪37,38の先端がN極32とS極33との境界に一致しなくなるため、ヨークリング34および35のそれぞれでは、NまたはSの極性を有する磁力線が増加する。このとき、ヨークリング34および35では、互いに逆の極性を有する磁力線が増加するので、ヨークリング34とヨークリング35との間で磁束密度が発生する。この磁束密度は、トーションバー16の捩じれ量に略比例し、トーションバー16の捩じれ方向に応じて極性が反転する。
このようにヨークリング34とヨークリング35との間に磁束密度が発生したとき、集磁リング27および28は、ヨークリング34および35で発生した磁束を集磁板40,41まで導く。そのため、集磁板40と集磁板41との間に挿入されたホールIC29,30は、集磁リング27および28によって集められた磁束の磁束密度を検出し、電気信号として取り出す。前述したECU20は、ホールIC29,30からの電気信号に基づいて、トーションバー16の捩じれ量、換言すれば、第1軸14と第2軸15との間に入力された捩じれトルクを算出する。
次に、磁気ヨークアセンブリ26について、さらに詳しく説明する。
図5は、磁気ヨークアセンブリ26の斜視図である。図6は、磁気ヨークアセンブリ26の内周部分の斜視図である。
図5では、説明の便宜上、磁気ヨークアセンブリ26において、保持筒36を2点鎖線で示し、それ以外の部品を実線で示している。
図5は、磁気ヨークアセンブリ26の斜視図である。図6は、磁気ヨークアセンブリ26の内周部分の斜視図である。
図5では、説明の便宜上、磁気ヨークアセンブリ26において、保持筒36を2点鎖線で示し、それ以外の部品を実線で示している。
磁気ヨークアセンブリ26において、保持筒36に保持されたヨークリング34および35ならびにカラー46は、軸方向Xにおいて、この順番で並んでいる。保持筒36において、軸方向Xにおけるヨークリング34側の端面(図5では上端面)36Bには、カラー46側へ凹む凹部47が形成されている。凹部47は、図5では説明の便宜上1つしか図示していないが、保持筒36の周方向Sにおける複数箇所に等間隔で設けられていることが好ましい。
凹部47は、端面36Bからカラー46側へ向けて軸方向Xに延びている。
図6を参照して、凹部47は、ヨークリング34において隣り合う2本の磁極爪37の間を通っている。凹部47は、当該2本の磁極爪37の間に位置する(ヨークリング35側の)磁極爪38の先端部38Aを周方向Sにおける両側から挟むように、2つに分岐している。凹部47の最深部47Aは、磁極爪38における先端部38Aと基端部38Bとの間(軸方向Xにおける略中央)に位置している。凹部47において保持筒36の端面36Bから露出されている部分を入口部47Bということにすると、凹部47は、最深部47Aと入口部47Bとの間にテーパ部47Cを含んでいる。テーパ部47Cは、端面36Bに向かってテーパ状に広がっている。周方向Sにおける凹部47の最大幅Wは、入口部47Bでは一定であり、テーパ部47Cでは最深部47Aに向けて徐々に狭くなっており、テーパ部47Cと最深部47Aとの間では一定である。
図6を参照して、凹部47は、ヨークリング34において隣り合う2本の磁極爪37の間を通っている。凹部47は、当該2本の磁極爪37の間に位置する(ヨークリング35側の)磁極爪38の先端部38Aを周方向Sにおける両側から挟むように、2つに分岐している。凹部47の最深部47Aは、磁極爪38における先端部38Aと基端部38Bとの間(軸方向Xにおける略中央)に位置している。凹部47において保持筒36の端面36Bから露出されている部分を入口部47Bということにすると、凹部47は、最深部47Aと入口部47Bとの間にテーパ部47Cを含んでいる。テーパ部47Cは、端面36Bに向かってテーパ状に広がっている。周方向Sにおける凹部47の最大幅Wは、入口部47Bでは一定であり、テーパ部47Cでは最深部47Aに向けて徐々に狭くなっており、テーパ部47Cと最深部47Aとの間では一定である。
凹部47は、保持筒36の内周面36Aおよび端面36Bの両方を連続して切り欠いている。そのため、凹部47の全域が内周面36Aから露出されている。
磁極爪38の先端部38Aにおいて保持筒36の内周面36Aに交差して保持筒36の径方向外側へ延びる端面38Cが、凹部47内に露出されている。また、隣り合う2本の磁極爪37において周方向Sで対向する互いの対向面37Bでは、最も入口部47Bに近い部分が、保持筒36の径方向外側へ延びる筋状部分37Cとして、凹部47内に露出されている。
磁極爪38の先端部38Aにおいて保持筒36の内周面36Aに交差して保持筒36の径方向外側へ延びる端面38Cが、凹部47内に露出されている。また、隣り合う2本の磁極爪37において周方向Sで対向する互いの対向面37Bでは、最も入口部47Bに近い部分が、保持筒36の径方向外側へ延びる筋状部分37Cとして、凹部47内に露出されている。
このような凹部47は、保持筒36の成形時に一対のヨークリング34,35同士を位置決めする治具48(後述する)の抜き痕として保持筒36に形成される。
図7は、磁気ヨークアセンブリ26の製造工程を説明するための模式図である。
図7を参照して、保持筒36の成形型は、軸方向Xに分離可能な下型50および上型(図示せず)と、下型50および上型の間において軸方向Xとは直交する方向に分離可能な一対の中間型51(図7では一方のみ図示)とを含む。下型50は、厚肉の円板であり、上面50Aの中央に垂直に立設された円柱形の中芯52を備えている。中芯52の外径は、ヨークリング34および35のそれぞれの内径とほぼ同じである。下型50は、前述した治具48を備えている。治具48は、上面50Aにおいて中芯52の外周に近接する位置で垂直に立設されている。治具48は、凹部47と合致する形状および大きさを有する爪状であり、その上端部48Aが2つに分岐している。
図7は、磁気ヨークアセンブリ26の製造工程を説明するための模式図である。
図7を参照して、保持筒36の成形型は、軸方向Xに分離可能な下型50および上型(図示せず)と、下型50および上型の間において軸方向Xとは直交する方向に分離可能な一対の中間型51(図7では一方のみ図示)とを含む。下型50は、厚肉の円板であり、上面50Aの中央に垂直に立設された円柱形の中芯52を備えている。中芯52の外径は、ヨークリング34および35のそれぞれの内径とほぼ同じである。下型50は、前述した治具48を備えている。治具48は、上面50Aにおいて中芯52の外周に近接する位置で垂直に立設されている。治具48は、凹部47と合致する形状および大きさを有する爪状であり、その上端部48Aが2つに分岐している。
磁気ヨークアセンブリ26の製造工程として、まず、ヨークリング34を、磁極爪37の先端部37A側を上に向けて中芯52に対して外嵌し、下型50の上面50Aに載置する。このとき、ヨークリング34において隣り合ういずれか2つの磁極爪37の間に治具48が下から差し込まれ、治具48は、当該2つの磁極爪37における互いの対向面37Bの筋状部分37Cによって周方向Sから挟持される。そのため、下型50に載置されたヨークリング34は、治具48によって周方向Sに移動不能に拘束され、下型50の上に正しく位置決めされる。
個々の中間型51は、略C字状の割型である。一対の中間型51は、組み合わされることで円環状をなし、下型50の上面50Aに対して同軸状で載置される。これにより、下型50の中芯52の外周面と一対の中間型51の内周面との間に、保持筒36に相当する円筒状の空間54が形成される。空間54は、下型50の上面50Aによって下から塞がれている。また、中間型51の内周面の下端には、下型50に載置されたヨークリング34の外周縁を受け入れる係合溝51Aが形成されている。
そして、ヨークリング35を、磁極爪38の先端部38A側を下に向けて中芯52に対して外嵌する。このとき、前述したように2つの磁極爪37の間に差し込まれた治具48において2つに分岐した上端部48Aの間に、当該2つの磁極爪37の間に位置する磁極爪38の先端部38Aが上から差し込まれる。先端部38Aは、2つに分岐した上端部48Aによって下から支えられるとともに、周方向Sから挟持される。そのため、ヨークリング35は、治具48によって周方向Sおよび軸方向Xに移動不能に拘束され、ヨークリング34に対して適正な相対位置が確保された状態で、正しく位置決めされる。
このように、治具48は、ヨークリング34およびヨークリング35の両方を位置決めしていることから、一対のヨークリング34,35同士を位置決めし、ヨークリング34および35間の回転位相を一定にしている。なお、ヨークリング34とヨークリング35とを精度よく位置決めするために、治具48は、周方向Sにおける複数箇所に等間隔で設けられていることが好ましい。
また、中間型51の内周面の上端には、ヨークリング35の外周縁を受け入れる係合溝51Bが形成されている。
以上のようにヨークリング34,35を位置決めした後、中芯52においてヨークリング35から上方にはみ出た上端部にカラー46を外嵌する。中芯52の上端部は、一段縮径されていて、上端部より下側の外周面との間に段差52Aを構成している。段差52Aには、上向きに突出する凸部52Bが形成されている。カラー46の下端面には、凹部46Aが形成されている。カラー46の下端面が段差52Aに対して上から突き当り、凹部46Aに凸部52Bが嵌まり込むことによって、カラー46は、軸方向Xおよび周方向Sの両方において位置決めされる。
以上のようにヨークリング34,35を位置決めした後、中芯52においてヨークリング35から上方にはみ出た上端部にカラー46を外嵌する。中芯52の上端部は、一段縮径されていて、上端部より下側の外周面との間に段差52Aを構成している。段差52Aには、上向きに突出する凸部52Bが形成されている。カラー46の下端面には、凹部46Aが形成されている。カラー46の下端面が段差52Aに対して上から突き当り、凹部46Aに凸部52Bが嵌まり込むことによって、カラー46は、軸方向Xおよび周方向Sの両方において位置決めされる。
この後、中間型51の上部に、図示しない上型をセットし、前述した空間54を上から塞ぐ。この空間54内に、樹脂を充填して固化することで保持筒36を成形する。すると、ヨークリング34および35ならびにカラー46が保持筒36に保持された状態になり、磁気ヨークアセンブリ26が完成する。
そして、保持筒36の成形後に下型50、上型(図示せず)および中間型51を取り除くと、下型50の治具48が保持筒36から抜ける。保持筒36において治具48が位置していた部分には、前述した凹部47(図6参照)が残る。
そして、保持筒36の成形後に下型50、上型(図示せず)および中間型51を取り除くと、下型50の治具48が保持筒36から抜ける。保持筒36において治具48が位置していた部分には、前述した凹部47(図6参照)が残る。
図8は、磁気ヨークアセンブリ26の内周部分を径方向内側から見た図である。
完成した磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付ける際、たとえば、図8に示す治具55で磁気ヨークアセンブリ26を支持する。治具55には、先端がテーパ状に細くなった凸部56が設けられており、凸部56が磁気ヨークアセンブリ26の凹部47に対して、前述した入口部47Bから挿入される。凸部56の先端が、保持筒36において凹部47のテーパ部47Cを区画する一対の傾斜面36Cに当接すると、凸部56の挿入が停止される。この状態で、治具55を動かすことによって、第2軸15に対して磁気ヨークアセンブリ26を周方向Sに位置決めする。このとき、凹部47を、第2軸15の周上における所定箇所に設けられた基準溝57に合わせる。その後、治具55を軸方向Xに沿って第2軸15に接近させ、カラー46を第2軸15(詳しくは、前述した連結筒44)に圧入にすることによって磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付ける。
完成した磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付ける際、たとえば、図8に示す治具55で磁気ヨークアセンブリ26を支持する。治具55には、先端がテーパ状に細くなった凸部56が設けられており、凸部56が磁気ヨークアセンブリ26の凹部47に対して、前述した入口部47Bから挿入される。凸部56の先端が、保持筒36において凹部47のテーパ部47Cを区画する一対の傾斜面36Cに当接すると、凸部56の挿入が停止される。この状態で、治具55を動かすことによって、第2軸15に対して磁気ヨークアセンブリ26を周方向Sに位置決めする。このとき、凹部47を、第2軸15の周上における所定箇所に設けられた基準溝57に合わせる。その後、治具55を軸方向Xに沿って第2軸15に接近させ、カラー46を第2軸15(詳しくは、前述した連結筒44)に圧入にすることによって磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付ける。
このように、凹部47は、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付ける際に、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に位置決めするための位置決め部として用いられる。
比較例として、ヨークリング34,35同士の位置決めに関連する部分と、第2軸15に対する磁気ヨークアセンブリ26の位置決め部とが互いに異なる箇所に設けられる場合が考えられる。具体的には、治具55の凸部56が挿入される凹部(第2凹部という)が、凹部47とは別に設けられている場合である。凹部47が下型50の治具48の抜き痕として保持筒36に形成されるのに対し、第2凹部(図示せず)は、前述した上型(図示せず)に設けられた爪(図示せず)の抜き痕として保持筒36に形成される。この場合、下型50の寸法誤差と、上型の寸法誤差と、下型50と上型との相対位置(位相)についての誤差とが積み重なる。これでは、第2凹部を基準として第2軸15に磁気ヨークアセンブリ26を取り付けても、最終的に完成したトルク検出装置17では、当該誤差によって多極磁石25と磁気ヨークアセンブリ26との相対位置にずれが生じる。
比較例として、ヨークリング34,35同士の位置決めに関連する部分と、第2軸15に対する磁気ヨークアセンブリ26の位置決め部とが互いに異なる箇所に設けられる場合が考えられる。具体的には、治具55の凸部56が挿入される凹部(第2凹部という)が、凹部47とは別に設けられている場合である。凹部47が下型50の治具48の抜き痕として保持筒36に形成されるのに対し、第2凹部(図示せず)は、前述した上型(図示せず)に設けられた爪(図示せず)の抜き痕として保持筒36に形成される。この場合、下型50の寸法誤差と、上型の寸法誤差と、下型50と上型との相対位置(位相)についての誤差とが積み重なる。これでは、第2凹部を基準として第2軸15に磁気ヨークアセンブリ26を取り付けても、最終的に完成したトルク検出装置17では、当該誤差によって多極磁石25と磁気ヨークアセンブリ26との相対位置にずれが生じる。
このような比較例と比べて、本願発明では、ヨークリング34,35同士の位置決めに関連する部分と、第2軸15に対する磁気ヨークアセンブリ26の位置決め部とが、共通の凹部47として一致しているので、誤差の積み重ねが少ない。特に、比較例における下型50と上型との相対位置についての誤差による影響を少なくとも排除できる。そのため、当該箇所に起因する誤差の影響を少なく抑え、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に精度よく取り付けることができる。よって、トルク検出装置17の検出精度の向上を図ることができる。
また、前述した治具55に設けられた位置決め用の凸部56を磁気ヨークアセンブリ26に凹部47に嵌め込むと、凸部56が、凹部47のテーパ部47Cにおける傾斜面36Cに当接する。これによって、磁気ヨークアセンブリ26が、その周方向Sに位置決めされることから、その後、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に精度よく取り付けることができるので、トルク検出装置17の検出精度の向上を図ることができる。なお、凸部56が治具55でなく、第2軸15自体に設けられていて、凸部56が凹部47に嵌まり込むことで、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付けられてもよい。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述した実施形態では、第1軸14と第2軸15という2つの軸のうち第2軸15を一方の軸として、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付けていたが、第1軸14を当該一方の軸として、磁気ヨークアセンブリ26を第1軸14に取り付けてもよい。第1軸14を一方の軸とする場合、第2軸15に多極磁石25が取り付けられる。
たとえば、前述した実施形態では、第1軸14と第2軸15という2つの軸のうち第2軸15を一方の軸として、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に取り付けていたが、第1軸14を当該一方の軸として、磁気ヨークアセンブリ26を第1軸14に取り付けてもよい。第1軸14を一方の軸とする場合、第2軸15に多極磁石25が取り付けられる。
また、前述した凹部47は、図5に示すように、保持筒36の端面36Bから軸方向Xに延びつつ内周面36Aから露出された溝状であるが、別の構成であってもよい。別の構成の凹部47を「凹部470」ということにすると、凹部470は、図5に示すように、保持筒36の端面36Bから軸方向Xに延びつつ、一対のヨークリング34および35を軸方向Xに貫通する細長い穴である。ヨークリング34において凹部470に一致する部分には、貫通孔340が形成され、ヨークリング35において凹部470に一致する部分には、貫通孔350が形成されている。この場合、前述した下型50の上面50Aには、上方へ突出する細長いピン状の治具48(図示せず)が設けられていて、この治具48が貫通孔340および350の両方に挿入されることで、ヨークリング34および35が位置決めされる。そして、保持筒36の成形が完了した後に治具48を貫通孔340および350から引き抜くと、保持筒36には、凹部470が残る。この凹部470を、凹部47と同様に、磁気ヨークアセンブリ26を第2軸15に位置決めするための位置決め部として用いることができる。なお、凹部470も、保持筒36の端面36Bに向かってテーパ状に広がるテーパ部を含んでいてもよいし、凹部47と同様に、周方向Sにおける複数箇所に等間隔で設けられていてもよい。
14…第1軸、15…第2軸、17…トルク検出装置、26…磁気ヨークアセンブリ、34…ヨークリング、35…ヨークリング、36…保持筒、36A…内周面、36B…端面、37…磁極爪、38…磁極爪、47…凹部、47C…テーパ部、48…治具、470…凹部、X…軸方向
Claims (3)
- 連結された2つの軸の間に入力される捩じれトルクを検出するためのトルク検出装置を構成する磁気ヨークアセンブリを、前記2つの軸における一方の軸に取り付ける方法であって、
前記磁気ヨークアセンブリは、複数の磁極爪が内周に等間隔で配置された一対のヨークリングと、前記一対のヨークリングを互いの前記磁極爪が交互に並ぶように位置決めした状態で保持する円筒状の樹脂成形品である保持筒とを含み、
前記保持筒の成形時に前記一対のヨークリング同士を位置決めする治具の抜き痕として前記保持筒に形成された凹部を、前記磁気ヨークアセンブリを前記一方の軸に位置決めするための位置決め部として用いることを特徴とする、磁気ヨークアセンブリの取り付け方法。 - 請求項1記載の方法によって前記一方の軸に取り付けられる磁気ヨークアセンブリであって、
前記凹部は、前記保持筒において軸方向における端面から前記軸方向に延び、
前記凹部は、前記端面に向かってテーパ状に広がるテーパ部を含むことを特徴とする、磁気ヨークアセンブリ。 - 前記凹部は、前記保持筒の内周面から露出されることを特徴とする、請求項2記載の磁気ヨークアセンブリ。
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JP2013265591A JP2015121475A (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 磁気ヨークアセンブリの取り付け方法および磁気ヨークアセンブリ |
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JP2019200119A (ja) * | 2018-05-16 | 2019-11-21 | 株式会社東海理化電機製作所 | 磁場検出装置 |
JP2020076660A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 株式会社ジェイテクト | ヨーク組立体、及びトルク検出装置、並びにヨーク組立体の製造方法 |
-
2013
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