ところで、給湯器やファンヒータなどの燃焼装置においては、燃焼開始前に燃焼部の可燃性ガスを排出させることにより燃焼開始時における燃焼の安定性を向上させるためのプリパージ動作や、燃焼終了後に燃焼ガスを排出させるためのポストパージ動作を実施している。これらプリパージ動作中やポストパージ動作中は、燃焼用ファンモータのみが駆動されて燃料弁には駆動電力が供給されずに閉弁されている。燃焼用ファンモータと燃料弁はそれぞれの駆動回路からの駆動信号(駆動電力)によって駆動され、これら駆動回路はこの種の燃焼装置において最も消費電力の大きな機器の一つである。
上記従来のスイッチング電源の第1の電源出力部に駆動電圧が比較的小さい燃料弁駆動回路を接続し、第2の電源出力部に駆動電圧が比較的大きいファンモータ駆動回路を接続することによって、燃料弁駆動回路及びファンモータ駆動回路を適切な駆動電圧で動作させることが可能になる。
しかし、トランスの特性上、複数の出力コイルからの出力電圧は完全には比例せず、特に出力電流が小さい場合にクロスレギュレーションが悪化して複数の出力コイルからの出力電圧が不安定となることがある。すなわち、プリパージ動作中やポストパージ動作中には、第1の電源出力部からはマイコンなどの非常に低消費電力の負荷にのみ電源供給がなされ、第1の電源出力部に関連する出力コイルには殆ど電流が流れない状態となる一方、第2の電源出力部からファンモータに大電力が供給されるため、第1の電源出力部の出力電圧を安定化させようとするとファンモータへの電源供給が不足して、目標回転数までファンモータの回転数を上げることができず、適切なプリパージ動作及びポストパージ動作が実施できなくなる。その一方、第2の電源出力部の出力電圧を安定化させようとすると第1の電源出力部の出力電圧が過電圧状態となり、該第1の電源出力部の後段部品の耐電圧を向上させたり耐圧保護回路を設けたりする必要が生じてコスト向上の問題があるとともに、過電圧状態に起因する電力損失も大きくなり電力効率が低減するという問題もある。
そこで、プリパージ動作やポストパージ動作などを行う燃焼装置において、燃料弁を駆動させずに燃焼用ファンモータのみを駆動させる場合などに、燃料弁駆動回路に電源供給する電源出力部の出力電圧が過電圧状態となることなくファンモータ駆動回路に電源供給する電源出力部の出力電圧を安定化させることができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明の燃焼装置は、燃料弁と、該燃料弁に駆動信号を出力する燃料弁駆動回路と、燃焼用ファンモータと、該燃焼用ファンモータに駆動信号を出力するファンモータ駆動回路と、前記燃料弁駆動回路及び前記ファンモータ駆動回路に制御信号を出力する主制御回路と、スイッチング電源回路とを備え、前記スイッチング電源回路は、入力コイル並びに一又は複数の出力コイルを有するトランスと、前記一又は複数の出力コイルに整流器を介して接続された第1及び第2の電源ラインと、前記入力コイルの入力電流を高周波スイッチングする発振回路と、第1の電源ラインの電圧に基づくフィードバック信号を前記発振回路に供給する電圧安定化回路と、前記第1の電源ラインからブリーダ電流が出力されるブリーダ抵抗と、前記ブリーダ電流のオン/オフをスイッチングするスイッチング素子とを備え、第1の電源ラインから前記燃料弁駆動回路に電源供給され、第2の電源ラインから前記ファンモータ駆動回路に電源供給されることを特徴とするものである(請求項1)。
かかる本発明の燃焼装置によれば、電圧安定化回路から発振回路に供給されるフィードバック信号に基づいて発振回路がスイッチングデューティを制御することにより第1の電源ラインの電圧は所定電圧に安定化させることができる。一方、スイッチング素子を駆動させるか否かによって第1の電源ラインからのブリーダ電流の出力をオン/オフできるので、燃料弁駆動回路の消費電力が殆どないがファンモータ駆動回路の消費電力が大きくなる場合などの第1の電源ラインに接続された負荷が軽負荷となる場合に、第1の電源ラインから出力されるブリーダ電流を大きくすることによりクロスレギュレーションを改善して、燃料弁駆動回路の電力消費が殆どなくとも第2の電源ラインの電圧を安定化させることができ、該第2の電源ラインから電源供給される燃焼用ファンモータを目標回転数で安定的に駆動させることが可能となる。
なお、上記本発明の燃焼装置において、入力コイルはトランスの一次側に設けられ、出力コイルは一般的にはトランスの二次側にのみ設けられるが、第1の電源ラインに電源出力する第1の出力コイルをトランスの二次側に設ける一方、第2の電源ラインに電源出力する第2の出力コイルをトランスの一次側に設けてもよい。また、トランスの二次側に設けた一つの出力コイルの異なる巻数位置から第1及び第2の電源ラインが引き出されたものであってもよい。また、第1の電源ラインから燃料弁駆動回路に供給される電力は、燃料弁駆動回路自体の動作電力であってもよく、燃料弁に駆動信号として供給される駆動電力であってもよく、これら回路動作電力及び燃料弁駆動電力の双方であってもよい。また、第2の電源ラインからファンモータ駆動回路に供給される電力は、ファンモータ駆動回路自体の動作電力であってもよく、ファンモータに駆動信号として供給される駆動電力であってもよく、これら回路動作電力及びファンモータ駆動電力の双方であってもよい。ファンモータ駆動電力は、トランスの入力コイルへ電源供給する一次側電源回路から電源供給することもでき、この場合、トランスの一次側に設けた第2の出力コイルに接続された第2の電源ラインからファンモータ駆動回路動作電力を供給することで、ファンモータ駆動回路への回路動作電力及びファンモータ駆動電力の電源供給源を一次側に集約させ、二次側に設けた第1の出力コイルに接続された第1の電源ラインから電源供給される負荷との間で電気的に絶縁させることができる。
上記本発明の燃焼装置において、前記主制御回路は、前記燃料弁を駆動させずに前記燃焼用ファンモータを駆動させる排気運転制御を実行可能に構成されるとともに、少なくとも前記排気運転制御の実行中に前記ブリーダ電流をオンするように前記スイッチング素子が前記主制御回路により制御されるものであってよい(請求項2)。これによれば、プリパージ動作やポストパージ動作などの排気運転制御中に主制御回路がブリーダ電流をオンするようにスイッチング素子を制御することでブリーダ電流が第1の電源ラインから出力されるため、第2の電源ラインの電圧が安定化されて燃焼用ファンモータが安定的に駆動され、適切な排気運転を確実に行えるようになる。なお、主制御回路は、排気運転制御の実行中にのみブリーダ電流をオン制御するように構成することが好ましいが、他の制御モード時にブリーダ電流をオンするものであっても構わない。
さらに、前記主制御回路は所定の待機運転制御を実行可能に構成されて該待機運転制御実行中に前記スイッチング電源回路に待機信号を出力し、前記電圧安定化回路は、前記待機信号の入力時に未入力時よりも第1の電源ラインの電圧を低くするように前記発振回路へのフィードバック信号を調整するように構成され、前記スイッチング電源回路は、前記待機信号の未入力時に前記ブリーダ電流をオンするが入力時に前記ブリーダ電流をオフするように前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路を備えるものとすることができる(請求項3)。これによれば、待機運転制御中の第1の電源ラインの出力電圧を低くすることにより待機省電力化を図ることができ、かかる待機省電力化のための待機信号に基づいてドライブ回路を介してブリーダ電流のオン/オフを主制御回路により制御することができ、回路構成の簡素化を図りつつもプリパージ動作やポストパージ動作時にファンモータ駆動回路へ供給される電力を安定化させることができる。
なお、待機運転制御は、例えば、ガスファンヒータの電源コンセントが接続されているが運転スイッチがオフ状態の場合の待機運転制御であって、より具体的には、運転スイッチの操作監視や、各種表示パネルへの表示などを行うための制御とすることができるが、本発明は特に待機運転制御の具体的内容を限定するものではない。
また、上記本発明の燃焼装置において、前記主制御回路は、前記燃料弁及び前記燃焼用ファンモータの双方を駆動させる通常燃焼制御を実行可能に構成されるとともに、該通常燃焼制御の実行中は前記ブリーダ電流をオフするように前記スイッチング素子を制御するものとすることができる(請求項4)。これによれば、通常燃焼制御中にブリーダ電流による無駄な電力消費を回避してさらなる省電力化を図ることができる。
また、上記本発明の燃焼装置において、前記スイッチング電源回路は、第1の電源ラインからの出力電流が所定の閾値未満になると前記ブリーダ電流をオンするように前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路を備えることができる(請求項5)。これによれば、第1の電源ラインに接続された電気負荷の消費電力が小さいために第1の電源ラインからの出力電流が所定の閾値未満になると、ドライブ回路によってスイッチング素子が駆動されてブリーダ電流がオンし、第2の電源ラインの電圧を安定化させることができる。一方、第1の電源ラインからの出力電流が所定の閾値以上の場合にはスイッチング手段をオフすることによってブリーダ抵抗における無駄な電力消費を無くすことができる。なお、かかる構成において、制御部が待機運転制御を実行している場合にブリーダ抵抗を第1の電源ラインから切り離すスイッチング回路を設けておくことが好ましい。また、ブリーダ電流のオンにより出力電流が所定の閾値以上となってスイッチング素子にチャタリングが発生することを防止するため、出力電流が所定の閾値以上か否かの判定にヒステリシスコンパレータを用いて、ブリーダ抵抗に流れる電流分が増加してもスイッチング素子がオフしないように構成することが好ましい。
また、上記本発明の燃焼装置において、前記燃焼用ファンモータの回転数を検出する回転数検出手段をさらに備え、前記主制御回路は、前記回転数検出手段による検出回転数が目標回転数となるように前記燃焼用ファンモータをフィードバック制御するとともに、該フィードバック制御によっても前記検出回転数が前記目標回転数にならないと判定した場合に前記ブリーダ電流をオンするように前記スイッチング素子を制御するものとすることができる(請求項6)。これによれば、第2の電源ラインの電圧が不安定となることに起因して燃焼用ファンモータの回転数が目標回転数にならない場合に、ブリーダ電流をオンさせて第1の電源ラインからの出力電流を増加させ、これにより第2の電源ラインの電圧の上昇を試みることによって、燃焼用ファンモータを目標回転数で回転させることが可能になるとともに、ブリーダ電流のオン/オフの判定を主制御回路における制御により行うので回路構成の簡素化が図られ、部品点数の削減やコスト低減を図ることができる。
また、上記本発明の燃焼装置において、前記スイッチング電源回路は、第2の電源ラインの電圧が所定の閾値未満になると前記ブリーダ電流をオンするように前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路を備えるものとすることができる(請求項7)。これによれば、第1の電源ラインの電圧は帰還制御回路によって安定化制御されているが、第1の電源ラインからの出力電流が微弱であることに起因して第2の電源ラインの電圧が低下した場合に、該第2の電源ラインの電圧を監視して所定閾値未満になるとドライブ回路によってスイッチング素子が駆動されてブリーダ電流がオンされ、これによりクロスレギュレーションが改善して第2の電源ラインの電圧を所期の設計電圧で安定化させることができる。
本発明の請求項1に係る燃焼装置によれば、電圧安定化回路から発振回路に供給されるフィードバック信号に基づいて発振回路がスイッチングデューティを制御することにより第1の電源ラインの電圧は所定電圧に安定化させることができる。一方、スイッチング素子を駆動させるか否かによって第1の電源ラインからのブリーダ電流の出力をオン/オフできるので、燃料弁駆動回路の消費電力が殆どないがファンモータ駆動回路の消費電力が大きくなる場合などの第1の電源ラインに接続された負荷が軽負荷となる場合に、第1の電源ラインから出力されるブリーダ電流を大きくすることによりクロスレギュレーションを改善して、燃料弁駆動回路の電力消費が殆どなくとも第2の電源ラインの電圧を安定化させることができ、該第2の電源ラインから電源供給される燃焼用ファンモータを目標回転数で安定的に駆動させることが可能となる。
本発明の請求項2に係る燃焼装置によれば、プリパージ動作やポストパージ動作などの排気運転制御中に主制御回路がブリーダ電流をオンするようにスイッチング素子を制御することでブリーダ電流が第1の電源ラインから出力されるため、第2の電源ラインの電圧が安定化されて燃焼用ファンモータが安定的に駆動され、適切な排気運転を確実に行えるようになる。
本発明の請求項3に係る燃焼装置によれば、待機運転制御中の第1の電源ラインの出力電圧を低くすることにより待機省電力化を図ることができ、かかる待機省電力化のための待機信号に基づいてドライブ回路を介してブリーダ電流のオン/オフを主制御回路により制御することができ、回路構成の簡素化を図りつつもプリパージ動作やポストパージ動作時にファンモータ駆動回路へ供給される電力を安定化させることができる。
本発明の請求項4に係る燃焼装置によれば、通常燃焼制御中にブリーダ電流による無駄な電力消費を回避してさらなる省電力化を図ることができる。
本発明の請求項5に係る燃焼装置によれば、第1の電源ラインに接続された電気負荷の消費電力が小さいために第1の電源ラインからの出力電流が所定の閾値未満になると、ドライブ回路によってスイッチング素子が駆動されてブリーダ電流がオンし、第2の電源ラインの電圧を安定化させることができる。一方、第1の電源ラインからの出力電流が所定の閾値以上の場合にはスイッチング手段をオフすることによってブリーダ抵抗における無駄な電力消費を無くすことができる。
本発明の請求項6に係る燃焼装置によれば、第2の電源ラインの電圧が不安定となることに起因して燃焼用ファンモータの回転数が目標回転数にならない場合に、ブリーダ電流をオンさせて第1の電源ラインからの出力電流を増加させ、これにより第2の電源ラインの電圧の上昇を試みることによって、燃焼用ファンモータを目標回転数で回転させることが可能になるとともに、ブリーダ電流のオン/オフの判定を主制御回路における制御により行うので回路構成の簡素化が図られ、部品点数の削減やコスト低減を図ることができる。
本発明の請求項7に係る燃焼装置によれば、第1の電源ラインの電圧は帰還制御回路によって安定化制御されているが、第1の電源ラインからの出力電流が微弱であることに起因して第2の電源ラインの電圧が低下した場合に、該第2の電源ラインの電圧を監視して所定閾値未満になるとドライブ回路によってスイッチング素子が駆動されてブリーダ電流がオンされ、これによりクロスレギュレーションが改善して第2の電源ラインの電圧を所期の設計電圧で安定化させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃焼装置であるガスファンヒータ1の構造原理図を示しており、該ファンヒータ1は、筐体2内の燃焼空間内に配設されたガスバーナ3と、ガスバーナ3に燃料ガスを供給する燃料供給回路4と、ガスバーナ3に燃焼用空気を取り込むとともに燃焼ガスを排出させるための燃焼用ファン5と、燃料弁駆動回路6と、ファンモータ駆動回路7と、マイコンにより主構成される主制御回路8と、スイッチング電源回路9とを備えている。なお、バーナ3の上方には点火プラグ10及び熱電対11が配設されている。
燃料供給回路4は、燃料供給路を開閉する元ガス電磁弁41と、燃料の流量調整を行うための反発磁力式圧力比例弁42とを備えており、これら元ガス電磁弁41並びに圧力比例弁42は燃料弁駆動回路6によって駆動される。本実施形態では、これら元ガス電磁弁41及び圧力比例弁42のそれぞれが特許請求の範囲における燃料弁に相当する。燃料弁駆動回路11は、主制御回路8から供給される制御信号に基づいて元ガス電磁弁41及び圧力比例弁42に駆動信号(駆動電力)を出力する。元ガス電磁弁41及び圧力比例弁42は、燃料弁駆動回路11から駆動信号が供給されない場合には閉弁動作し、駆動信号が供給されることによって開弁動作する。なお、燃料弁駆動回路6は、適宜の制御ICによって構成することができる。
燃焼用ファン5は、燃焼用ファンモータ51の回転出力軸に取り付けられている。燃焼用ファンモータ51はファンモータ駆動回路7からの駆動信号(駆動電力)の供給によって回転駆動される。ファンモータ駆動回路7は、主制御回路8から供給される制御信号に基づいてファンモータ51の回転駆動を制御する。図示していないが、ファンモータ51には回転数検出センサ(回転数検出手段)が設けられ、該センサの回転数検出信号が主制御回路8に入力されて、主制御回路8からの制御信号によって指示された目標回転数となるようにファンモータ駆動回路7は該制御信号に基づいてファンモータ51へ出力する駆動信号をフィードバック制御するようになっている。なお、ファンモータ駆動回路7は、適宜のモータ制御ICによって構成できる。
スイッチング電源回路9は、商用電力系統から交流電力を入力して所定電圧の直流電力を出力する絶縁型AC/DCコンバータであり、主制御回路8に回路動作電力を供給するとともに、燃料弁駆動回路6には回路動作電力並びに燃料弁駆動電力を、ファンモータ駆動回路7には回路動作電力並びにファンモータ駆動電力を供給する。燃料弁駆動回路6に供給する回路動作電力と燃料弁駆動電力とは、同一の電源ラインによって供給してもよく、別の電源ラインで供給してもよいし、また、ファンモータ駆動回路7に供給する回路動作電力とファンモータ駆動電力も、同一の電源ラインによって供給してもよく、別の電源ラインで供給してもよい。例えば、ファンモータ駆動回路7及び燃料弁駆動回路6の回路動作電力及び元ガス電磁弁41の駆動電力は15V電源ライン(第1の電源ライン)から供給し、ファンモータ駆動電力及び圧力比例弁42の駆動電力は27V電源ライン(第2の電源ライン)から供給することができる。
図2は、スイッチング電源回路9の回路構成の一例としてフライバックコンバータにより構成したものを示しており、該電源回路9は、商用交流電力を整流して出力するダイオードブリッジなどからなる1次側電源回路12と、該1次側電源回路12の出力電圧を平滑化させる電解コンデンサからなる平滑回路13と、1次側電源回路12の出力を入力する1次側入力コイル14aを有するトランス14と、入力コイル14aの入力電流を高周波スイッチングするスイッチング素子15(図示例ではFET)とを備えている。
トランス14の1次側には、入力コイル14aとは別に帰還コイル14bが設けられており、該帰還コイル14bの出力電圧に応じてスイッチング素子15が発振回路16によって高周波スイッチングされるようになっている。発振回路16は、自励発振回路、疑似共振式発振回路若しくはPWM制御発振回路など従来公知の適宜の構成であってよい。また、発振回路16は、後述する電圧安定化回路19が出力するアナログ信号からなるフィードバック信号に基づいてスイッチング素子15のスイッチングデューティをフィードバック制御し、これにより第1の出力コイル14cの出力電圧を所定電圧(例えば15V)に制御する。
トランス14の2次側には第1及び第2の出力コイル14c,14dが設けられており、第1の出力コイル14cの一端はグラウンドに接続され、該出力コイル14cの他端に整流器D1を介して低圧出力用の直流15V電源ライン(第1の電源ライン)が接続されている。また、第2の出力コイル14dの一端は第1の出力コイル14cの他端に直結され、第1の出力コイル14cの出力電圧(15V)に第2の出力コイルの出力電圧(12V)を積み上げた電圧(27V)が第2の出力コイル14dの他端に出力されるようになっている。この第2の出力コイル14dの他端には、整流器D2を介して高圧出力用の直流27V電源ライン(第2の電源ライン)が接続されている。なお、15V電源ラインには3端子レギュレータ17(降圧回路)を介して5V電源ラインが接続され、該5V電源ラインに接続された負荷に対して15V電源ラインから3端子レギュレータ17を介して直流5Vの電力が供給される。また、27V電源ラインにも3端子レギュレータ18を介して22V電源ラインが接続され、該22V電源ラインに接続された負荷に対しては27V電源ラインから3端子レギュレータ18を介して直流22Vの電力が供給される。各電源ラインには電解コンデンサC1〜C4からなる平滑回路が設けられている。
また、スイッチング電源回路9は、15V電源ラインの電圧を15Vで安定化させるように15V電源ラインの電圧に基づくフィードバック信号を発振回路16に出力する電圧安定化回路19を備えている。図示例の電圧安定化回路19では、15V電源ラインの電圧が分圧抵抗R1,R2によって(後述する場合には、R3によっても)分圧されてシャントレギュレータ20の比較端子に与えられ、シャントレギュレータ20内の参照電圧と比較される。比較端子の電圧が参照電圧よりも高くなるとシャントレギュレータ20内の抵抗値が低下し、フォトカプラ21の発光ダイオードに流れる電流が増加してフォトカプラ21内のトランジスタの抵抗値が減少し、該抵抗値に応じたアナログ信号がフィードバック信号として発信回路16に供給される。そして、発振回路16が、フォトカプラ21内のトランジスタの抵抗値の減少に応じてスイッチング素子15に出力するオンパルス幅を狭くすることにより、第1の出力コイル14cの出力電圧が低下する。
一方、シャントレギュレータ20の比較端子の電圧が参照電圧よりも低くなると、シャントレギュレータ20の抵抗値が上昇し、フォトカプラ21の発光ダイオードを流れる電流が減少し、該発光ダイオードと光結合されているトランジスタの抵抗値が上昇し、該トランジスタの抵抗値の上昇に応じて発振回路16がスイッチング素子15に出力するオンパルス幅を広くすることにより第1の出力コイル14cの出力電圧が上昇する。これにより、第1の出力コイル14cの出力電圧、すなわち15V電源ラインの電圧が一定に保たれるようになっている。
また、スイッチング電源回路9は、主制御回路が待機運転制御中に待機信号出力ポートO1から出力する待機信号に基づいて15V電源ラインの電圧を降圧させる省電力回路21を備えている。この省電力回路21は、待機信号(High信号)の入力時にシャントレギュレータ20の比較端子間の分圧抵抗R2に直接に接続された加算抵抗R3を追加し、これにより比較端子の電圧を上昇させて、発振回路16に供給されるフィードバック信号が、第1の出力コイル14cの出力電圧が例えば8Vとなるように調整されるように構成されている。一方、主制御回路の待機信号出力ポートO1がオープンになると、加算抵抗R3に並列に設けられたバイパス回路のFET22(スイッチング素子)がオンして加算抵抗R3が無効となり、第1の出力コイル14cの出力電圧が15Vとなるように上記フィードバック信号が調整される。なお、FET22をオンさせる駆動電圧は、15V電源ラインからFET22のゲートに供給されている。
さらに、本実施形態のスイッチング電源回路9は、15V電源ラインに接続されたブリーダ抵抗23と、15V電源ラインからブリーダ抵抗23に流れる電流のオン/オフをスイッチングするFETからなるブリーダ電流スイッチング素子24とを備えている。該スイッチング素子24は上記省電力回路21のFET22の駆動電圧によって駆動されるように該スイッチング素子24のドライブ回路が構成されている。すなわち、本実施形態ではブリーダ電流スイッチング素子24のドライブ回路は上記省電力回路21におけるFET22のドライブ回路と共用となされており、待機信号の入力時にはブリーダ電流スイッチング素子24はオフしてブリーダ抵抗22の一端がオープンとなり、これによりブリーダ抵抗23を流れる電流が無くなる。一方、待機信号の未入力時にはブリーダ電流スイッチング素子24がオンしてブリーダ抵抗23がグラウンドに短絡され、15V電源ラインからブリーダ抵抗23を介して電流が流れるようになる。なお、ブリーダ電流スイッチング素子24のドライブ回路を、FET22のドライブ回路とは別に設けても良い。
上記主制御回路8は、運転制御モードとして、燃料弁41,42及び燃焼用ファンモータ51の双方を駆動させる通常燃焼制御と、燃料弁41,42を駆動させずに燃焼用ファンモータ51を駆動させる排気運転制御と、上記待機運転制御とを切替えて実行可能に構成されている。待機運転制御は、運転スイッチオフ時の制御モードであり、主として主制御回路8のみが動作して表示パネルへの表示制御や運転スイッチの操作の監視などを行う。運転スイッチが操作されると、主制御回路8はまず所定時間の排気運転制御を実行することによってプリパージを行い、その後通常燃焼制御を開始する。通常燃焼制御中に運転停止操作がなされるか、或いは、所定のエラー状態が生じると、所定時間の排気運転制御を実行することによりポストパージを行い、その後燃焼用ファンモータ51も停止させて待機運転制御を行うようになっている。
したがって、上記第1実施形態に係るガスファンヒータ1によれば、待機運転制御中は主制御回路8からスイッチング電源回路9に出力される待機信号によって第1及び第2の電源ラインの電圧が主制御回路8の動作に必要十分な程度にまで降圧され、これにより省電力化が図られるとともに、上記待機信号によってブリーダ抵抗23を流れるブリーダ電流もオフされるため、ブリーダ抵抗23を第1の電源ライン(15V電源ライン)に設けたものでありながら待機運転制御中の消費電力を抑えることができる。
一方、排気運転制御時は、スイッチング素子24がオンしてブリーダ抵抗23にブリーダ電流が流れるため、第1の電源ラインに接続された負荷の消費電力が殆どない場合でもブリーダ電流以上の電流出力が確保され、これによりクロスレギュレーションを改善して第2の電源ライン(27V電源ライン)への出力電圧を安定化させ、第2の電源ラインから燃焼用ファンモータ51に大電流が流れる場合でも当該第2の電源ラインの電圧が安定し、ファンモータ51を目標回転数で駆動させることが可能となる。
〔第2実施形態〕
図3は、本発明の第2実施形態に係るスイッチング電源回路9を示しており、上記第1実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
本実施形態では、ブリーダ電流スイッチング素子24のドライブ回路25が省電力回路21とは別に設けられており、主制御回路8の待機信号出力ポートO1とは別のブリーダ電流制御信号出力ポートO2からのブリーダ電流制御信号によってブリーダ電流スイッチング素子24がオン/オフ制御されるように構成されている。本実施形態では、排気運転制御時にのみ主制御回路8がブリーダ電流制御信号をドライブ回路25に出力しないように構成することができる。より詳細には、ブリーダ電流制御信号出力ポートO2は、排気運転制御時にのみオープン出力とされ、排気運転制御時以外はHIGH信号がブリーダ電流制御信号として出力される。一方、ドライブ回路25は、上記ブリーダ電流制御信号の入力時はスイッチング素子24をオフしてブリーダ電流が流れないようになり、ブリーダ電流制御信号の非入力時(出力ポートO2のオープン時)にスイッチング素子24をオンしてブリーダ電流が15V電源ラインから供給されるようになっている。
本実施形態によれば、燃焼用ファンモータ51や燃料弁41,42の駆動状態を主制御回路8のマイコンにより判断して、必要に応じてブリーダ電流のオン/オフを切替えることによって、トランスの各出力コイル14c,14d間のクロスレギュレーションを良好に維持して、燃焼用ファンモータ51を動作させるための電圧が不安定となることを回避することができるとともに、通常燃焼制御時にブリーダ電流が浪費されることを防止し、通常燃焼制御時の省電力化を図ることができる。
〔第3実施形態〕
図4は、本発明の第3実施形態に係るスイッチング電源回路9を示しており、上記第1実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
本実施形態では、ブリーダ電流スイッチング素子24はトランジスタにより構成され、該スイッチング素子24の制御を主制御回路8によって行うのではなく、15V電源ラインから出力される出力電流に基づいてスイッチング素子24を自律制御するドライブ回路26がスイッチング電源回路9に具備されている。該ドライブ回路26は、15V電源ラインとその平滑回路C1との間に設けた電流検出抵抗R4と、該電流検出抵抗R4の両端電圧を比較するコンパレータ27とを備え、該コンパレータ27の出力がブリーダ電流スイッチング素子24のベースに入力され、コンパレータ27がHIGH出力時にスイッチング素子24がオンしてブリーダ抵抗23にブリーダ電流が流れ、コンパレータ27がLOW出力時にスイッチング素子24がオフしてブリーダ電流が流れないようになっている。
15V電源ラインに接続された負荷の消費電力が殆どなく、これによりトランス14のクロスレギュレーションが悪化して27V電源ラインの電圧が確保できない場合に、燃焼用ファンモータ7を目標回転数で回転駆動させるための27V電源ラインの電圧を確保するに必要十分な電流が電流検出抵抗R4を流れるように該抵抗値が設定されている。
したがって、本実施形態によれば、15V電源ラインに接続された負荷が軽負荷の場合には、電流検出抵抗R4を流れる電流は殆どなく、該抵抗R4の両端の電位差も殆ど無いため、コンパレータ27の正負入力端子間の電位差も生じず、これによりコンパレータ27がHIGH出力となってブリーダ電流が15V電源ラインから出力され、これによりファンモータ7の駆動に必要な27V電源ラインの電圧が安定的に維持されるようになる。
一方、15V電源ラインに接続された燃料弁41,42が駆動される場合には電流検出抵抗R4に相応の電流が流れ、該抵抗R4の両端に電位差が生じ、コンパレータ27の正入力端子電圧が負入力端子電圧より低くなるため、該コンパレータ27はLOW出力となってブリーダ抵抗スイッチング素子24がオフし、ブリーダ電流が流れなくなる。
〔第4実施形態〕
図5は本発明の第4実施形態に係るスイッチング電源回路9を示しており、上記第2実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
本実施形態では、ブリーダ電流スイッチング素子24はバイポーラトランジスタからなり、主制御回路8のブリーダ電流制御信号出力ポートO2からHIGH信号が制御信号として出力されるときにスイッチング素子24がオン制御されてブリーダ電流が15V電源ラインから出力され、出力ポートO2がオープン出力になるとスイッチング素子24がオフ制御されてブリーダ電流が流れないようになっている。
また、主制御回路8は、通常燃焼制御時及び排気運転制御時に、目標回転数に応じた制御信号Vspをファンモータ駆動回路7に出力し、ファンモータ駆動回路7は、制御信号Vspに基づいて燃焼用ファンモータ51を回転駆動させる。一方、ファンモータ駆動回路7は、ホール素子出力信号や回生信号等の従来公知の適宜の手段によってファンモータ51の回転数を検出する回転数検出手段を備えており、検出された回転数情報が監視信号Fnとして主制御回路8にフィードバックされている。主制御回路8は、上記監視信号Fnに基づいて制御信号Vspを補正することによってファンモータ51の実回転数が目標回転数となるようにフィードバック制御する。
また、主制御回路8は、ファンモータ51の回転数低下を検出した時点や駆動開始時点などの所定の起点から所定時間経過してもファンモータ51の検出回転数が目標回転数範囲内とならないか否かを判定する判定プログラムなどからなる判定手段を備えており、該判定手段が上記フィードバック制御によっても検出回転数が目標回転数範囲内にならないと判定したときに、ブリーダ電流制御信号出力ポートO2からHIGH信号を出力して、ブリーダ電流が15V電源ラインから出力されるようにしている。なお、一旦ブリーダ電流制御信号が出力された後は、ファンモータ51の停止制御がなされるまでブリーダ電流を継続して出力するようにしてもよく、また、所定時間のブリーダ電流の出力後にブリーダ電流制御信号をリセットしてブリーダ電流をオフしてもよく、その他適宜の条件によってブリーダ電流をオフさせることができる。
本実施形態のスイッチング電源回路9によれば、トランス14の二次側に複数の出力コイル14c,14dを有するガスファンヒータのスイッチング電源装置9において、プリパージ或いはポストパージ動作時に、主制御回路8がファンモータ51の検出回転数の低下を検出した時点から所定時間の間ファンモータ制御信号Vspを調整してもファンモータ51の検出回転数が目標回転数範囲に復帰しない場合に、ブリーダ電流制御信号をスイッチング素子24に出力してブリーダ抵抗23に15V電源ラインからブリーダ電流を流すことにより該15V電源ラインの負荷電流を増加させ、これによりトランス14のクロスレギュレーションを改善して、ファンモータ51に駆動電力を供給する27V電源ラインの電圧を安定化させることができる。
なお、ブリーダ電流をオンさせた後も、上記監視信号に基づく制御信号Vspのフィードバック制御を継続させることが好ましい。また、ブリーダ電流をオンさせた時点から所定時間経過してもファンモータ51の検出回転数が目標回転数範囲に復帰しない場合には、エラー報知してその時点の制御モードの実行を停止させることが好ましい。
〔第5実施形態〕
図6は本発明の第5実施形態に係るスイッチング電源回路9を示しており、上記第1実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
本実施形態に係る電源回路9は、ガス給湯器などの燃焼装置に好適に用いることができるものであって、トランス14の二次側のみならず一次側にも燃焼装置を構成する各種電気負荷に電源供給するための直流電源ラインが設けられたものである。すなわち、一次側電源回路12の140V出力には降圧コンバータ30が接続され、該降圧コンバータ30によって一次側電源回路12の出力が40Vなどの所定電圧に降圧されて40V電源ライン(第2の電源ライン)に出力され、該40V電源ラインから例えばファンモータ駆動回路などにファンモータ駆動電力として供給される。なお、上記降圧コンバータ30も主制御回路8によって動作制御される。
また、トランス14の一次側には、上記入力コイル14a及び帰還コイル14bに加えて第3の出力コイル14e(一次側出力コイル)が設けられており、該第3の出力コイル14eの一端はグラウンドに接続され、他端から20Vの出力電圧が取り出されている。この第3の出力コイル14eの出力は、整流器D3によって整流され平滑回路C5によって平滑された後、3端子レギュレータ31によって降圧されて一次側15V電源ラインに出力されている。この一次側15V電源ラインの電圧は平滑回路C6によって平滑化され、上記40V電源ラインから駆動電力が供給される駆動回路ICに、そのIC動作用電力を一次側15V電源ラインから供給することができ、具体的には、ファンモータ駆動回路を構成する制御ICのVcc電圧端子などに電源供給することができる。また、一次側15V電源ラインには追い焚きポンプや上記降圧コンバータ30などの商用電力から絶縁不要となる適宜の機器を接続して電源を供給することができる。
なお、トランス14の二次側には単一の出力コイル14cが設けられ15V出力のみが引き出されて二次側15V電源ライン(第1の電源ライン)に接続されている。この二次側15V電源ラインは、上記一次側15V電源ラインから電気的に絶縁されており、該二次側15V電源ラインに、燃料弁駆動回路、主制御回路、ステッピングモータ、リモコンなどの負荷を接続することができる。
本実施形態の回路構成においても、二次側15V電源ラインに接続された負荷が軽負荷時にクロスレギュレーションが悪化して、一次側の第3の出力コイル3eの出力電圧が低下し、一次側15V電源ラインに接続した負荷の動作に支障をきたす場合がある。そのため、本実施形態では、第3の出力コイル3eの出力巻線電圧が所定の閾値以上であるか否かを監視する監視回路32と、第3の出力コイル3eの出力巻線電圧が所定の閾値未満になると二次側15V電源ラインからブリーダ抵抗23に流れるブリーダ電流をオンするようにブリーダ電流スイッチング素子24を駆動するドライブ回路33と、監視回路32とドライブ回路33とを電気的に絶縁しつつ監視回路32からドライブ回路33に信号伝達を行うフォトカプラ36とを設けている。
上記監視回路32は、上記出力巻線電圧に対して逆バイアスとなるように接続されたツェナーダイオード34と、該ツェナーダイオード34に直列に接続された負荷抵抗35とにより主構成されており、フォトカプラ36の入力側が負荷抵抗35に並列に接続されている。出力巻線電圧が所定の閾値以上であるときにはツェナーダイオード34が降伏電圧を超えて出力巻線電圧を定電圧に維持しつつフォトカプラ36を導通させるように負荷抵抗35の抵抗値などが設定されており、出力巻線電圧が所定の閾値未満になるとフォトカプラ36が導通しなくなる。
一方、ドライブ回路33にはフォトカプラ36の出力側が接続されており、フォトカプラ36が導通しているときはブリーダ電流スイッチング素子24がオフとなり、二次側15V電源ラインからブリーダ電流が出力されず、一方、フォトカプラ36が導通しなくなるとブリーダ電流スイッチング素子24がオンして、二次側15V電源ラインからブリーダ電流が出力されるように回路構成されている。
本実施形態によれば、二次側15V電源ラインに接続された負荷が軽負荷時に、一次側から電源供給が行われるファンモータや追い焚きポンプなどを駆動させた場合でも、一次側の出力コイル14eの出力巻線電圧が一次側15V電源ラインの電圧維持に必要な所定の閾値未満まで落ちると、通常時は導通しているフォトカプラ36が導通しなくなり、これによりブリーダ電流スイッチング素子24をオンして二次側15V電源ラインからブリーダ電流を出力してトランス14のクロスレギュレーションを改善し、一次側の出力巻線電圧を所定の電圧に維持することができる。一方、給湯器の通常の燃焼制御時など、二次側の出力電流が十分に大きい場合にはフォトカプラ36を導通させることによって上記ブリーダ電流が出力されないようにすることで、消費電力の低減を図ることができる。また、トランス14の各コイルの巻数を大きくすることなくクロスレギュレーションを改善でき、フォトカプラ36等における電力損失の増大や放熱板の大型化などの問題を回避することができる。
なお、上記監視回路32は上記の構成に限定されるものではなく、例えば図7に示す第6実施形態のように、ツェナーダイオードに代えてシャントレギュレータ37を用いて回路構成することにより、制御する電圧精度を向上することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、ブリーダ抵抗は、15V電源ラインの後段に設けた5V電源ラインに接続することもでき、この場合でも、ブリーダ抵抗に流れるブリーダ電流は15V電源ラインから3端子レギュレータを介して供給されるため、トランスの複数の出力コイル間のクロスレギュレーションの改善に有効である。