JP2015121201A - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブ特性を保持する保持区間でのカム面の局所的な摩耗を抑えることのできる可変動弁機構の制御装置を提供する。【解決手段】吸気バルブ31のバルブ特性を変更する可変機構部300と、可変機構部300を作動させるコントロールシャフト340と、コントロールシャフト340に当接してそのコントロールシャフト340を軸方向に移動させるカム530と、カム530を回動させるモータ210と、モータ210の回転をカム530に伝達する減速機構220と、を備えた可変動弁機構600を内燃機関は備えている。カム530のカム面には、コントロールシャフト340の変位量が一定であってバルブ特性が保持される保持区間が設けられている。モータ用制御装置150は、保持区間のカム面を使ってバルブ特性を保持するときには、モータ210への通電を行ってカム530を所定角度だけ回動させる。【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関のバルブ特性を変更する可変動弁機構の制御装置に関する。
例えば特許文献1に記載されているように、吸気バルブのバルブ特性を機関運転状態に応じて変更する可変動弁機構が知られている。
特許文献1に記載の可変動弁機構は、吸気バルブのバルブ特性を変更する可変機構部(同文献における仲介駆動機構)や、可変機構部を作動させるコントロールシャフト、コントロールシャフトを軸方向に移動させるカム、カムを回動させるモータ、モータの回転をカムに伝達する減速ギヤなどを備えている。そして、カムの回転位相を制御することによりバルブ特性の可変制御を行うようにしている。上記カムのカム面には、コントロールシャフトの変位量が一定であってバルブ特性が一定値に保持される保持区間と、コントロールシャフトの変位量が変わることでバルブ特性が変化する変化区間とが形成されている。この可変動弁機構では、変化区間のカム面を使用してコントロールシャフトの位置を変更することにより、バルブ特性が変更される。また、保持区間のカム面を使用してコントロールシャフトの位置を一定値に保持することにより、モータへの通電を停止してもバルブ特性を一定値に保持することが可能になっている。
特許文献1に記載の可変動弁機構は、吸気バルブのバルブ特性を変更する可変機構部(同文献における仲介駆動機構)や、可変機構部を作動させるコントロールシャフト、コントロールシャフトを軸方向に移動させるカム、カムを回動させるモータ、モータの回転をカムに伝達する減速ギヤなどを備えている。そして、カムの回転位相を制御することによりバルブ特性の可変制御を行うようにしている。上記カムのカム面には、コントロールシャフトの変位量が一定であってバルブ特性が一定値に保持される保持区間と、コントロールシャフトの変位量が変わることでバルブ特性が変化する変化区間とが形成されている。この可変動弁機構では、変化区間のカム面を使用してコントロールシャフトの位置を変更することにより、バルブ特性が変更される。また、保持区間のカム面を使用してコントロールシャフトの位置を一定値に保持することにより、モータへの通電を停止してもバルブ特性を一定値に保持することが可能になっている。
ところで、モータの回転をカムに伝達する減速機構の歯車には、バックラッシが設けられているため、振動やトルク変動等によってカムが揺動することがある。そのため、保持区間のカム面を使用してバルブ特性を保持し続ける場合には、コントロールシャフトに接触しているカムが揺動して、カム面が局所的に摩耗してしまうおそれがある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カムを使ってバルブ特性の変更及び保持を行う可変動弁機構において、バルブ特性を保持する保持区間でのカム面の局所的な摩耗を抑えることのできる可変動弁機構の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する可変動弁機構の制御装置は、内燃機関に設けられた機関バルブのバルブ特性を変更する可変機構部と、可変機構部を作動させるコントロールシャフトと、コントロールシャフトに当接して同コントロールシャフトを軸方向に移動させるカムと、カムを回動させるモータと、モータの回転をカムに伝達する歯車減速機構とを備えており、カムの回転位相を制御することによりバルブ特性の可変制御を行う。そして、カムのカム面には、コントロールシャフトの変位量が変化することでバルブ特性が変化する変化区間と、変位量が一定であってバルブ特性が保持される保持区間とが設けられている。このカムを使ってバルブ特性の変更及び保持が行われる。
そして、保持区間のカム面を使ってバルブ特性を保持するときには、モータへの通電を行ってカムを所定角度だけ回動させるようにしている。このようにしてモータへの通電を行ってカムを所定角度だけ回動させることにより、歯車減速機構の歯車に設けられたバックラッシは吸収される。そのため、バックラッシによるカムの揺動角は減少するようになり、バルブ特性を保持する保持区間でのカム面の局所的な摩耗を抑えることができるようになる。
以下、可変動弁機構の制御装置の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関1は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上方に載置されたシリンダヘッド20とを備えている。
図1に示すように、内燃機関1は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上方に載置されたシリンダヘッド20とを備えている。
シリンダブロック10の内部には、気筒数に応じた円筒状のシリンダ11が形成されており、各シリンダ11には、ピストン12が摺動可能に収容されている。シリンダブロック10の上部にはシリンダヘッド20が組み付けられており、シリンダ11の内周面、ピストン12の上面及びシリンダヘッド20の下面によって燃焼室13が区画形成されている。
シリンダヘッド20には、吸気通路30及び燃焼室13に連通する吸気ポート21や、排気通路40及び燃焼室13に連通する排気ポート22が形成されている。吸気ポート21には、燃焼室13と吸気ポート21とを連通及び遮断する機関バルブとしての吸気バルブ31が設けられている。排気ポート22には、燃焼室13と排気ポート22とを連通及び遮断する機関バルブとしての排気バルブ41が設けられている。吸気バルブ31や排気バルブ41は、バルブスプリング24によって閉弁方向に付勢されている。
また、シリンダヘッド20の内部には、各バルブ31、41に対応してラッシュアジャスタ25が設けられている。そして、このラッシュアジャスタ25と各バルブ31、41との間にはロッカアーム26が設けられている。ロッカアーム26は、一端がラッシュアジャスタ25に支持されており、他端が各バルブ31、41の端部に当接されている。
更に、シリンダヘッド20には、各バルブ31、41を駆動する吸気カムシャフト32及び排気カムシャフト42がそれぞれ回転可能に支持されている。吸気カムシャフト32には吸気カム32aが形成されており、排気カムシャフト42には排気カム42aが形成されている。排気カム42aの外周面は、排気バルブ41に当接しているロッカアーム26のローラ26aに当接されている。これにより、機関運転中に排気カムシャフト42が回転すると、排気カム42aの作用により、ラッシュアジャスタ25によって支持された部分を支点としてロッカアーム26が揺動する。そしてロッカアーム26の揺動により、排気バルブ41は開閉動作する。
一方、吸気バルブ31に当接するロッカアーム26と吸気カム32aとの間には、吸気バルブ31のバルブ特性を変更する可変機構部300が各気筒毎に設けられている。この可変機構部300は可変動弁機構600の一部を構成しており、入力アーム311と出力アーム321とを有している。これら入力アーム311及び出力アーム321はシリンダヘッド20に固定された支持パイプ330を中心に揺動可能に支持されている。ロッカアーム26は、バルブスプリング24の付勢力によって出力アーム321側に付勢され、ロッカアーム26の中間部分に設けられたローラ26aが出力アーム321の外周面に当接されている。
また、可変機構部300の外周面には突起313が設けられており、この突起313には、シリンダヘッド20内に固定されたスプリング50の付勢力が作用する。このスプリング50の付勢力により、入力アーム311の先端に設けられたローラ311aが吸気カム32aの外周面に当接している。これにより、機関運転中に吸気カムシャフト32が回転すると、吸気カム32aの作用により、可変機構部300は支持パイプ330を中心に揺動する。そして、出力アーム321によってロッカアーム26が押圧されることにより、ラッシュアジャスタ25によって支持されている部分を支点としてロッカアーム26が揺動する。このロッカアーム26の揺動により、吸気バルブ31は開閉動作する。
上記支持パイプ330には、その軸方向に沿って移動可能なコントロールシャフト340が挿入されている。可変機構部300は、コントロールシャフト340を軸方向に変位させることにより、支持パイプ330を中心とした入力アーム311と出力アーム321との相対位相差、即ち図1に示す角度θを変更する。
次に、図2を参照して、可変機構部300の構成を更に詳しく説明する。
この図2に示すように、可変機構部300には、入力部310を挟んで両側に出力部320が配設されている。
この図2に示すように、可変機構部300には、入力部310を挟んで両側に出力部320が配設されている。
入力部310のハウジング314や出力部320のハウジング323は、中空円筒形状に形成されており、各ハウジング314、323の内部には支持パイプ330が挿通されている。
入力部310のハウジング314の内周には、ヘリカルスプライン312が形成されている。一方、各出力部320のハウジング323の内周には、入力部310のヘリカルスプライン312に対して歯筋が逆向きのヘリカルスプライン322が形成されている。
入力部310及び2つの出力部320の各ハウジング314、323によって形成される一連の内部空間には、スライダギヤ350が配設されている。このスライダギヤ350は、中空円筒状に形成されており、支持パイプ330の外周面上において、支持パイプ330の軸方向に往復動可能、且つ支持パイプ330の軸回りに相対回動可能に配設されている。
スライダギヤ350の軸方向中央部の外周面には、入力部310のヘリカルスプライン312に噛み合うヘリカルスプライン351が形成されている。一方、スライダギヤ350の軸方向両端部の外周面には、出力部320のヘリカルスプライン322に噛み合うヘリカルスプライン352がそれぞれ形成されている。
支持パイプ330の内部には、同支持パイプ330の軸方向に移動可能なコントロールシャフト340が設けられている。このコントロールシャフト340とスライダギヤ350とはピンで係合されており、支持パイプ330に対してスライダギヤ350は回動可能、かつコントロールシャフト340の軸方向への移動に合わせてスライダギヤ350も軸方向に移動する。
このように構成された可変機構部300では、コントロールシャフト340が軸方向に移動すると、このコントロールシャフト340の移動に連動してスライダギヤ350も軸方向に移動する。このスライダギヤ350の外周面に形成されたヘリカルスプライン351、352は、歯筋の形成方向がそれぞれ異なっており、入力部310及び出力部320の内周面に形成されたヘリカルスプライン312、322とそれぞれ噛合している。そのため、スライダギヤ350が軸方向に移動すると、入力部310と出力部320はそれぞれ逆の方向に回動する。その結果、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差が変更され、吸気バルブ31のバルブ特性である最大リフト量及び開弁期間が変更される。具体的には、最大リフト量が多くなる方向にコントロールシャフト340を移動させると、コントロールシャフト340とともにスライダギヤ350も同じ方向に移動する。これに伴って入力アーム311と出力アーム321との相対位相差、即ち図1に示した角度θが大きくなり、吸気バルブ31の最大リフト量VL及び開弁期間がともに大きくなって吸入空気量が増大する。一方、最大リフト量が小さくなる方向にコントロールシャフト340を移動させると、コントロールシャフト340とともにスライダギヤ350も同じ方向に移動して、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差、即ち図1に示した角度θが小さくなる。これにより、吸気バルブ31の最大リフト量VL及び開弁期間がともに小さくなって吸入空気量は減少する。
次に、可変動弁機構600のコントロールシャフト340を軸方向に移動させる駆動部の構成を説明する。
図3に示すように、可変動弁機構600の駆動部は、モータ210、モータ210の回転速度を減速する減速機構220、コントロールシャフト340の端部に設けられたローラ341が当接するカム530などを備えている。モータ210は、デューティ駆動される電動モータであり、同モータ210には、回転角度を検出する回転角度センサ211が設けられている。
図3に示すように、可変動弁機構600の駆動部は、モータ210、モータ210の回転速度を減速する減速機構220、コントロールシャフト340の端部に設けられたローラ341が当接するカム530などを備えている。モータ210は、デューティ駆動される電動モータであり、同モータ210には、回転角度を検出する回転角度センサ211が設けられている。
減速機構220には、互いに噛み合う複数の歯車が備えられている。各歯車の歯には、噛み合う歯車を円滑に回転させるためのバックラッシが設けられている。減速機構220の入力軸は、モータ210の出力軸に接続されており、減速機構220の出力軸は、カム530の中心軸に接続されている。カム530が回動すると、カム径(カムの回転中心からカム面までの半径)の変化に合わせて、コントロールシャフト340は、コントロールシャフト340の中心軸が延びる方向である軸方向に変位する。また、減速機構220には、歯車の回転範囲を規制するストッパ機構も設けられている。
モータ210には、モータ210の駆動を制御するモータ用制御装置150が接続されている。モータ210は、モータ用制御装置150からの駆動信号に応じて回転角度が制御される。モータ用制御装置150は、内燃機関1の運転状態を制御する機関用制御装置100に接続されている。
機関用制御装置100には、アクセル操作量センサによって検出されるアクセル操作量や、クランク角センサによって検出されるクランク角などが入力される。そして、機関用制御装置100は、例えば、クランク角から算出される機関回転速度NE及びアクセル操作量ACCPなどに基づいて機関運転状態に応じた要求吸入空気量を算出し、要求吸入空気量が得られる吸気バルブ31の最大リフト量を算出する。そしてその算出された最大リフト量を目標リフト量VLpとして設定する。このようにして目標リフト量VLpが設定されると、モータ用制御装置150では、目標リフト量VLpに対応するカム530の目標回転位相Kpが算出され、その算出された目標回転位相Kpとなるようにモータ210の回転角度を制御する。
また、モータ用制御装置150は、回転角度センサ211にて検出されるモータ210の回転角度からカム530の実際の回転位相を算出し、その算出された回転位相Kから最大リフト量VLの現状値を算出する。そして、モータ用制御装置150は、算出された最大リフト量VLの現状値を機関用制御装置100に送信する。
次に、コントロールシャフト340を変位させるカム530について詳細に説明する。
図4に示すように、カム530のカム面には、一方向に向かってカム径が次第に大きくなることによりコントロールシャフト340の変位量が線形に増加する変化区間(図4に示す第2回転位相R2〜第3回転位相R3、及び第4回転位相R4〜第5回転位相R5の区間)が設けられている。また、カム530のカム面には、カム径が一定であってコントロールシャフト340の変位量が一定になる保持区間(図4に示す第1回転位相R1〜第2回転位相R2の区間、第3回転位相R3〜第4回転位相R4の区間、及び第5回転位相R5〜第6回転位相R6の区間)も設けられている。
図4に示すように、カム530のカム面には、一方向に向かってカム径が次第に大きくなることによりコントロールシャフト340の変位量が線形に増加する変化区間(図4に示す第2回転位相R2〜第3回転位相R3、及び第4回転位相R4〜第5回転位相R5の区間)が設けられている。また、カム530のカム面には、カム径が一定であってコントロールシャフト340の変位量が一定になる保持区間(図4に示す第1回転位相R1〜第2回転位相R2の区間、第3回転位相R3〜第4回転位相R4の区間、及び第5回転位相R5〜第6回転位相R6の区間)も設けられている。
なお、以下の説明では、カム530の回転位相について、第1回転位相R1から第2回転位相R2、第3回転位相R3へと変化させる方向(図4において右回り(時計回り)にカム530を回転させる方向)を、カム530の回転位相を大きくする方向と定義する。
カム530の回転位相が第1回転位相R1〜第2回転位相R2の区間では、コントロールシャフト340の変位量が「0」に維持される。また、カム530の回転位相が第3回転位相R3〜第4回転位相R4の区間では、コントロールシャフト340の変位量は、一定の値であって「0」よりも大きい「L1」に維持される。そして、カム530の回転位相が第5回転位相R5〜第6回転位相R6の区間では、コントロールシャフト340の変位量は一定の値であって上記「L1」よりも大きい「L2」に維持される。
カム530のカム面は、上述したカムプロファイルを有しているため、カム530の回転位相が第1回転位相R1から第6回転位相R6までの範囲内で回転すると、吸気バルブ31の最大リフト量VLは、図5に示すように変化する。
図5に示すように、モータ210の回転角度が大きくなるに伴って、カム530の回転位相も徐々に大きくなる。そして、カム530の回転位相が第1回転位相R1〜第2回転位相R2の区間では、コントロールシャフト340の変位量が「0」であり、このときの最大リフト量VLは、第1リフト量VL1に保持される。なお、この第1リフト量VL1は、最大リフト量VLの最小値である。そして、カム530の回転位相が、第2回転位相R2から第3回転位相R3へと変化する過程では、コントロールシャフト340の変位量が徐々に増大するため、最大リフト量VLは、第1リフト量VL1から徐々に大きくなっていく。
カム530の回転位相が第3回転位相R3〜第4回転位相R4の区間では、コントロールシャフト340の変位量が一定の「L1」に維持されるため、このときの最大リフト量VLは、第1リフト量VL1よりも大きい第2リフト量VL2に保持される。そして、カム530の回転位相が、第4回転位相R4から第5回転位相R5へと変化する過程では、コントロールシャフト340の変位量が徐々に増大するため、最大リフト量VLは、第2リフト量VL2から徐々に大きくなっていく。
カム530の回転位相が第5回転位相R5〜第6回転位相R6の区間では、コントロールシャフト340の変位量が上記「L1」よりも大きい「L2」に維持されるため、このときの最大リフト量VLは、第2リフト量VL2よりも大きい第3リフト量VL3に保持される。なお、この第3リフト量VL3は、最大リフト量VLの最大値である。
吸気バルブ31の最大リフト量VLが、第1リフト量VL1→第2リフト量VL2→第3リフト量VL3の順に大きくなるにつれて、吸気バルブ31の開弁時期は進角方向に変化するとともに閉弁時期は遅角方向に変化することにより、開弁期間は長くなる。
本実施形態の可変動弁機構600では、吸気バルブ31の目標リフト量VLpとして、上述した第1リフト量VL1、第2リフト量VL2、及び第3リフト量VL3のいずれかが機関運転状態に応じて選択される。そして、選択された最大リフト量を保持することにより、吸気バルブ31の最大リフト量VLは機関運転状態に応じて3段階に変更される。このように本実施形態では、可変動弁機構600を、バルブ特性を多段階に変更する多段可変式の可変動弁機構として利用している。
上述した保持区間を使って吸気バルブ31のバルブ特性を保持すると、変化区間を使ってバルブ特性を保持する場合と比較して、例えば次のような利点などがある。
まず、上記可変機構部300の出力部320には、バルブスプリング24からの反力が作用するため、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差を小さくしようとする力がかかる。従って、スライダギヤ350やコントロールシャフト340には、吸気バルブ31の最大リフト量VLが小さくなる方向(図2や図3に示す矢印Lo方向)に軸力が作用する。この軸力が、カム530において、コントロールシャフト340の変位量を変化させる上記変化区間のカム面に作用すると、その軸力からの分力が発生し、発生した分力により、カム530には、最大リフト量VLが小さくなる方向に作用する回転トルクが働くようになる。そのため、コントロールシャフト340の変位量が変化する変化区間内で最大リフト量VLを保持しようとすると、上記回転トルクに抗する力をモータ210から発生させる必要があり、モータ210に対して比較的大きな保持電流を供給する必要がある。
まず、上記可変機構部300の出力部320には、バルブスプリング24からの反力が作用するため、入力アーム311と出力アーム321との相対位相差を小さくしようとする力がかかる。従って、スライダギヤ350やコントロールシャフト340には、吸気バルブ31の最大リフト量VLが小さくなる方向(図2や図3に示す矢印Lo方向)に軸力が作用する。この軸力が、カム530において、コントロールシャフト340の変位量を変化させる上記変化区間のカム面に作用すると、その軸力からの分力が発生し、発生した分力により、カム530には、最大リフト量VLが小さくなる方向に作用する回転トルクが働くようになる。そのため、コントロールシャフト340の変位量が変化する変化区間内で最大リフト量VLを保持しようとすると、上記回転トルクに抗する力をモータ210から発生させる必要があり、モータ210に対して比較的大きな保持電流を供給する必要がある。
他方、カム530において上述した保持区間のカム面に上記軸力が作用するとき、つまりカム径が一定であってコントロールシャフト340の変位量が一定になる保持区間のカム面に上記軸力が作用するときには、そうした軸力がカム面に作用したとしても、軸力からの分力の発生は抑えられる。そのため、軸力に起因した上記回転トルクの発生が抑制される。従って、コントロールシャフト340の変位量が一定になる保持区間において最大リフト量VLを保持する場合には、上記変化区間において最大リフト量VLを保持する場合と比較して、モータ210に供給する保持電流を大幅に低減することが可能であり、基本的には保持電流を「0」にすることも可能である。ただし、保持電流を「0」にすると、減速機構220の歯車に設けられたバックラッシにより、次のような不都合の発生が懸念される。
図6に示すように、保持電流を「0」にすると、モータ210からカム530に伝達される回転トルクは「0」になる。また、上述したように、保持区間では軸力に起因した回転トルクの発生が抑えられる。そのため、カム530は、内燃機関1の振動や、カム530に作用する各種トルクの変動等に起因して、バックラッシの隙間分に相当する角度の範囲内で揺動することがある。このように、保持区間のカム面を使用して最大リフト量VLを保持し続ける場合において、コントロールシャフト340の端部(ローラ341)に接触しているカム530が、バックラッシの隙間に相当する分だけ揺動してしまうと、コントロールシャフト340が接触している保持区間のカム面は、局所的に摩耗してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、カム530の保持区間を使って最大リフト量VLを保持するときには、モータ210への通電を行ってカム530を所定角度だけ回動させるようにしている。
図7に示すように、カム530の保持区間を使って最大リフト量VLを、第1リフト量VL1及び第2リフト量VL2及び第3リフト量VL3のいずれかに保持する場合に、モータ210への通電を停止してしまうと、上述したように、カム530は、減速機構220でのバックラッシによって振幅Aにて揺動する(二点鎖線L1にて図示)。
一方、本実施形態のモータ用制御装置150は、カム530の保持区間を使って最大リフト量VLを、第1リフト量VL1及び第2リフト量VL2及び第3リフト量VL3のいずれかに保持する場合、モータ210への通電を行ってカム530を所定の回転角度θ1だけ回動させる。この回転角度θ1は、上述したバックラッシの隙間分を無くすために必要なカム530の回転角度であり、予めの実験等によりその値が定められている。また、その回転角度θ1は、コントロールシャフト340のローラ341が保持区間のカム面に接触している状態を維持できる範囲内の値となっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
先の図7に示したように、カム530の保持区間を使って最大リフト量VLを保持する場合、モータ210への通電が行われて、カム530は回転角度θ1だけ回動した状態に維持される。これにより減速機構220の歯車に設けられたバックラッシは吸収され、カム530は、回転角度θ1の分だけ回動した状態を中心に、振幅Bにて揺動する(実線L2にて図示)。このときの振幅Bは、バックラッシが吸収されているため、上記振幅Aよりも小さくなる。
先の図7に示したように、カム530の保持区間を使って最大リフト量VLを保持する場合、モータ210への通電が行われて、カム530は回転角度θ1だけ回動した状態に維持される。これにより減速機構220の歯車に設けられたバックラッシは吸収され、カム530は、回転角度θ1の分だけ回動した状態を中心に、振幅Bにて揺動する(実線L2にて図示)。このときの振幅Bは、バックラッシが吸収されているため、上記振幅Aよりも小さくなる。
ちなみに、こうした揺動を抑えるためのモータ210の消費電力は、変化区間において最大リフト量VLを保持する場合の消費電力よりも十分に小さい。そのため、保持区間において最大リフト量VLを保持する場合において、モータ210に供給する保持電流を「0」にすることはできないものの、そうした保持電流を十分に小さくすることは可能であり、モータ210の消費電力を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)保持区間のカム面を使って最大リフト量VLを保持するときには、モータ210への通電を行ってカム530を所定の回転角度θ1だけ回動させるようにしている。このようにしてモータ210への通電を行ってカム530を所定角度だけ回動させることにより、減速機構220の歯車に設けられたバックラッシは吸収されるようになる。そのため、バックラッシによるカム530の揺動角は減少するようになり、最大リフト量VLを保持する保持区間でのカム面の局所的な摩耗を抑えることができる。
(1)保持区間のカム面を使って最大リフト量VLを保持するときには、モータ210への通電を行ってカム530を所定の回転角度θ1だけ回動させるようにしている。このようにしてモータ210への通電を行ってカム530を所定角度だけ回動させることにより、減速機構220の歯車に設けられたバックラッシは吸収されるようになる。そのため、バックラッシによるカム530の揺動角は減少するようになり、最大リフト量VLを保持する保持区間でのカム面の局所的な摩耗を抑えることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・可変動弁機構600は、吸気バルブ31の最大リフト量を3段階に変更する装置であったが、そうした最大リフト量の変更段数は適宜変更することができる。
・可変動弁機構600は、吸気バルブ31の最大リフト量を3段階に変更する装置であったが、そうした最大リフト量の変更段数は適宜変更することができる。
・上記カム530の形状は一例であり、コントロールシャフト340を軸方向に移動させることが可能なカムであれば、他の形状でもよい。
・上記可変機構部300は、吸気バルブ31の最大リフト量及び開弁期間を変更可能な機構であった。この他、最大リフト量のみを変更可能な機構、あるいは開弁期間のみを変更可能な機構であってもよい。また、最大リフト量や開弁期間とは異なるバルブ特性(例えば開弁時期や閉弁時期など)を変更する可変機構部でもよい。
・上記可変機構部300は、吸気バルブ31の最大リフト量及び開弁期間を変更可能な機構であった。この他、最大リフト量のみを変更可能な機構、あるいは開弁期間のみを変更可能な機構であってもよい。また、最大リフト量や開弁期間とは異なるバルブ特性(例えば開弁時期や閉弁時期など)を変更する可変機構部でもよい。
・上記可変機構部300は、吸気バルブ31の動弁系に設けられていたが、排気バルブ41の動弁系に設けられていてもよい。
1…内燃機関、10…シリンダブロック、11…シリンダ、12…ピストン、13…燃焼室、20…シリンダヘッド、21…吸気ポート、22…排気ポート、24…バルブスプリング、25…ラッシュアジャスタ、26…ロッカアーム、26a…ローラ、31…吸気バルブ、32…吸気カムシャフト、32a…吸気カム、30…吸気通路、40…排気通路、41…排気バルブ、42…排気カムシャフト、42a…排気カム、50…スプリング、100…機関用制御装置、150…モータ用制御装置、210…モータ、211…回転角度センサ、220…減速機構、300…可変機構部、310…入力部、311…入力アーム、311a…ローラ、312…ヘリカルスプライン、313…突起、314…ハウジング、320…出力部、321…出力アーム、322…ヘリカルスプライン、323…ハウジング、330…支持パイプ、340…コントロールシャフト、341…ローラ、350…スライダギヤ、351…ヘリカルスプライン、352…ヘリカルスプライン、530…カム、600…可変動弁機構。
Claims (1)
- 内燃機関に設けられた機関バルブのバルブ特性を変更する可変機構部と、前記可変機構部を作動させるコントロールシャフトと、前記コントロールシャフトに当接して同コントロールシャフトを軸方向に移動させるカムと、前記カムを回動させるモータと、前記モータの回転を前記カムに伝達する歯車減速機構とを備えており、前記カムの回転位相を制御することにより前記バルブ特性の可変制御を行う可変動弁機構の制御装置であって、
前記カムのカム面には、前記コントロールシャフトの変位量が変化することで前記バルブ特性が変化する変化区間と、前記変位量が一定であって前記バルブ特性が保持される保持区間とが設けられており、
前記保持区間のカム面を使って前記バルブ特性を保持するときには、前記モータへの通電を行って前記カムを所定角度だけ回動させる
ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013266728A JP2015121201A (ja) | 2013-12-25 | 2013-12-25 | 可変動弁機構の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013266728A JP2015121201A (ja) | 2013-12-25 | 2013-12-25 | 可変動弁機構の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015121201A true JP2015121201A (ja) | 2015-07-02 |
Family
ID=53533020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013266728A Pending JP2015121201A (ja) | 2013-12-25 | 2013-12-25 | 可変動弁機構の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015121201A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9458742B2 (en) | 2014-07-16 | 2016-10-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Variable valve mechanism for internal combustion engine |
JP2018097066A (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-21 | 株式会社リコー | カム駆動装置及び画像形成装置 |
-
2013
- 2013-12-25 JP JP2013266728A patent/JP2015121201A/ja active Pending
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