JP2008286120A - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変動弁機構を駆動する回転直動変換機構のねじ部について局部的な摩耗を抑えることのできる可変動弁機構の制御装置を提供する。
【解決手段】外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、サンシャフトのねじ及びナットのねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを有し、ナットの回転運動をサンシャフトの直線運動に変換する回転直動変換機構100で可変動弁機構20は駆動される。ナットは電動モータ62にて回転され、そのナットの回転に伴って変化するサンシャフトの位置に応じて吸気バルブ10の最大リフト量は変更される。制御装置200は、最大リフト量が機関運転状態に基づいて設定される目標値となるように電動モータ62を制御する。そして、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量の変更が終了したときの当該最大リフト量の値が所定値を超えている場合には、電動モータ62を往復動させる。
【選択図】図2
【解決手段】外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、サンシャフトのねじ及びナットのねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを有し、ナットの回転運動をサンシャフトの直線運動に変換する回転直動変換機構100で可変動弁機構20は駆動される。ナットは電動モータ62にて回転され、そのナットの回転に伴って変化するサンシャフトの位置に応じて吸気バルブ10の最大リフト量は変更される。制御装置200は、最大リフト量が機関運転状態に基づいて設定される目標値となるように電動モータ62を制御する。そして、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量の変更が終了したときの当該最大リフト量の値が所定値を超えている場合には、電動モータ62を往復動させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、可変動弁機構の制御装置に関する。
従来、内燃機関に設けられた吸気バルブや排気バルブといった機関バルブについてその最大リフト量を可変とする可変動弁機構が種々提案されている。
例えば、特許文献1に記載の可変動弁機構では、カムシャフトのカムに当接する第1部材と、機関バルブ用のロッカアームに当接する第2部材とを備え、それら第1部材と第2部材との相対位相を変更することにより、機関バルブの最大リフト量及び開弁期間を変更するようにしている。また、この可変動弁機構は、第1部材と第2部材との相対位相を変更するための制御軸を備えており、この制御軸をその軸方向に直線運動させることにより上記相対位相が変更される。
例えば、特許文献1に記載の可変動弁機構では、カムシャフトのカムに当接する第1部材と、機関バルブ用のロッカアームに当接する第2部材とを備え、それら第1部材と第2部材との相対位相を変更することにより、機関バルブの最大リフト量及び開弁期間を変更するようにしている。また、この可変動弁機構は、第1部材と第2部材との相対位相を変更するための制御軸を備えており、この制御軸をその軸方向に直線運動させることにより上記相対位相が変更される。
他方、上記制御軸を直線運動させるための機構としては、例えば特許文献2に記載されるような回転直動変換機構を採用することができる。
この機構は、外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、サンシャフトの外周面及びナットの内周面との間に介在されて上記各ねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを備えている。そして、上記ナットを回転させるとプラネタリシャフトは自転するとともにサンシャフトの周りを公転し、すなわちプラネタリシャフトはサンシャフトの周りを遊星運動し、同プラネタリシャフトのねじに螺合したサンシャフトがその軸方向に直線運動するようになっている。
この機構は、外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、サンシャフトの外周面及びナットの内周面との間に介在されて上記各ねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを備えている。そして、上記ナットを回転させるとプラネタリシャフトは自転するとともにサンシャフトの周りを公転し、すなわちプラネタリシャフトはサンシャフトの周りを遊星運動し、同プラネタリシャフトのねじに螺合したサンシャフトがその軸方向に直線運動するようになっている。
こうした遊星運動を利用した機構では、ラックアンドピニオンのような回転直動変換機構と比較して、減速比を大きくすることができるため、サンシャフトの移動量を微細に調整することができる。そこで、上記サンシャフトを上記制御軸に接続し、上記ナットの回転量をアクチュエータで制御するようにすれば、上述したような可変動弁機構による最大リフト量の変更を精密に行うことが可能になる。
特開2001−263015号公報
特開平10−196757号公報
上述したような可変動弁機構では、機関運転中において、バルブスプリングの反力が第2部材を介して制御軸に作用する。そのため、上述したような回転直動変換機構を組み合わせる場合には、バルブスプリングの反力が制御軸を介してサンシャフトに作用し、同サンシャフトにはその反力に起因する軸方向の力が付与される。従って、機関運転中にあっては、サンシャフトのねじがプラネタリシャフトのねじに押し付けられ、それら各ねじの接触部には押圧力が働くことになる。
ところで、最大リフト量が一定の値に保持されているときには、サンシャフトのねじとプラネタリシャフトのねじとの接触箇所が変化しないため、同一の接触箇所に対して上記押圧力が継続して作用するようになる。
ここで、可変動弁機構によって可変とされる最大リフト量が大きくされるほど上記反力は増大して上記押圧力も増大する。そのため、ある程度大きな一定の値に最大リフト量が保持されると、サンシャフトのねじとプラネタリシャフトのねじとが接触する箇所であってその位置が変化しない接触箇所に対して大きな押圧力が継続して作用するようになり、その接触箇所のねじ部に局部的な摩耗が発生してしまうおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変動弁機構を駆動する回転直動変換機構のねじ部についてその局部的な摩耗を抑えることのできる可変動弁機構の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、前記サンシャフトの外周面と前記ナットの内周面との間に介在されて前記サンシャフトのねじ及び前記ナットのねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを有し、前記ナットの回転運動を前記サンシャフトの直線運動に変換する回転直動変換機構と、前記ナットを回転させるアクチュエータと、前記ナットの回転に伴って変化する前記サンシャフトの位置に応じて機関バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構とを備え、前記最大リフト量が機関運転状態に基づいて設定される目標値となるように前記アクチュエータの駆動を制御する制御装置であって、機関運転状態の変化に伴う前記最大リフト量の変更が終了したときの当該最大リフト量の値が所定値を超えている場合には前記アクチュエータを往復動させることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、前記サンシャフトの外周面と前記ナットの内周面との間に介在されて前記サンシャフトのねじ及び前記ナットのねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを有し、前記ナットの回転運動を前記サンシャフトの直線運動に変換する回転直動変換機構と、前記ナットを回転させるアクチュエータと、前記ナットの回転に伴って変化する前記サンシャフトの位置に応じて機関バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構とを備え、前記最大リフト量が機関運転状態に基づいて設定される目標値となるように前記アクチュエータの駆動を制御する制御装置であって、機関運転状態の変化に伴う前記最大リフト量の変更が終了したときの当該最大リフト量の値が所定値を超えている場合には前記アクチュエータを往復動させることをその要旨とする。
同構成によれば、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量の変更が終了したときの同最大リフト量の値が所定値を超えている場合には、回転直動変換機構を駆動するアクチュエータが往復動される。従って、バルブスプリングの反力が比較的大きくなる状態において、サンシャフトのねじとプラネタリシャフトのねじとの接触箇所が変化しなくなる状態になるときには、その接触箇所が変化するようにアクチュエータが駆動される。そのため、大きな押圧力が同一の接触箇所に付与されることを抑えることができ、これにより可変動弁機構を駆動する回転直動変換機構のねじ部についてその局部的な摩耗を抑えることができるようになる。なお、同構成における上記所定値としては、回転直動変換機構のねじ部に局部的な摩耗が発生する程度にバルブスプリングの反力が大きくなる最大リフト量を設定することが望ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記往復動の実行に際しては、前記目標値が周期的に増減されることをその要旨とする。
同構成によれば、最大リフト量の目標値が周期的に増減されることにより、その目標値の変化に追従して最大リフト量が増減するようにアクチュエータは往復動される。従って、同構成によれば、目標値の増減量に合わせてアクチュエータを往復動させることができるようになる。
同構成によれば、最大リフト量の目標値が周期的に増減されることにより、その目標値の変化に追従して最大リフト量が増減するようにアクチュエータは往復動される。従って、同構成によれば、目標値の増減量に合わせてアクチュエータを往復動させることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記アクチュエータは電動モータであって、前記往復動の実行に際しては、前記最大リフト量を前記目標値に保持するために前記電動モータに供給される保持電力が周期的に増減されることをその要旨とする。
同構成によれば、最大リフト量を目標値に保持するために電動モータに供給される保持電力が周期的に増減される。従って、同構成によっても、アクチュエータを往復動させることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記往復動は、前記目標値を中心にして前記最大リフト量が大きくなる側と小さくなる側とに交互に変化するように行われることをその要旨とする。
同構成によれば、アクチュエータの往復動に伴って変化する吸入空気量についてその平均値を、そうした往復動を行わない場合にあって最大リフト量が一定の目標値に保持されるときに得られる吸入空気量に極力近づけることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記往復動は、前記プラネタリシャフトが少なくとも1回転以上自転するように行われることをその要旨とする。
同構成によれば、アクチュエータが往復動されることにより、プラネタリシャフトの外周がサンシャフトに対して少なくとも1周以上回転するようになる。そのため、プラネタリシャフトのねじに生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記往復動は、前記プラネタリシャフトが少なくとも1回転以上公転するように行われることをその要旨とする。
同構成によれば、アクチュエータが往復動されることにより、サンシャフトの外周をプラネタリシャフトが少なくとも1周以上回転するようになる。そのため、サンシャフトのねじに生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記プラネタリシャフトは、前記サンシャフトの円周方向に等角度にて複数配設されており、その配設本数を「n」とした場合に、前記往復動は、前記プラネタリシャフトの公転角度が少なくとも「360/n」°以上となるように行われることをその要旨とする。
同構成によれば、アクチュエータの往復動によって、個々のプラネタリシャフトが少なくとも「360/n」°以上公転されることにより、サンシャフトのねじと個々のプラネタリシャフトのねじとが接触する接触箇所は、サンシャフトのねじの外周全体において変化するようになる。従って、サンシャフトのねじに生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。また、同構成によれば、請求項6に記載の構成、すなわちプラネタリシャフトを少なくとも1回転以上公転させる場合と比較して、アクチュエータの往復動の量が小さくなる。そのため、同アクチュエータの往復動に伴う最大リフト量の変化量も小さくなり、これによりアクチュエータを往復動させたときの吸入空気量の変化量をより小さくすることも可能になる。
以下、本発明にかかる可変動弁機構の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図8を併せ参照して説明する。
図1及び図2に示すように、車両に搭載される内燃機関は4つの気筒を有しており、そのシリンダヘッド2には、それら気筒に対応した機関バルブである一対の吸気バルブ10及び排気バルブ15が往復動可能にそれぞれ設けられている。シリンダヘッド2には、それら吸気バルブ10と排気バルブ15とに対応して吸気弁駆動機構40と排気弁駆動機構45とがそれぞれ設けられている。
図1及び図2に示すように、車両に搭載される内燃機関は4つの気筒を有しており、そのシリンダヘッド2には、それら気筒に対応した機関バルブである一対の吸気バルブ10及び排気バルブ15が往復動可能にそれぞれ設けられている。シリンダヘッド2には、それら吸気バルブ10と排気バルブ15とに対応して吸気弁駆動機構40と排気弁駆動機構45とがそれぞれ設けられている。
排気弁駆動機構45には、各排気バルブ15に対応してラッシュアジャスタ17が設けられるとともに、このラッシュアジャスタ17と排気バルブ15との間にはロッカアーム18が架設されている。ロッカアーム18は、その一端がラッシュアジャスタ17に支持されるとともに他端が排気バルブ15の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド2に回転可能に支持された排気カムシャフト7には複数の排気用カム8が形成されており、それら排気用カム8の外周面はロッカアーム18に設けられたローラ18aに当接されている。排気バルブ15にはリテーナ15aが設けられるとともに、このリテーナ15aとシリンダヘッド2との間にはバルブスプリング16が設けられている。このバルブスプリング16の付勢力によって排気バルブ15は閉弁方向に付勢されている。そしてこれにより、ロッカアーム18のローラ18aは排気用カム8の外周面に押圧されている。機関運転時に排気用カム8が回転すると、ロッカアーム18はラッシュアジャスタ17により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ15はロッカアーム18によって開閉駆動されるようになる。
一方、吸気弁駆動機構40には、排気側と同様にバルブスプリング11、リテーナ10a、ロッカアーム12、ローラ12a及びラッシュアジャスタ13が設けられている。また、シリンダヘッド2に回転可能に支持された吸気カムシャフト5には複数の吸気用カム6が形成されている。
一方、吸気弁駆動機構40には、排気弁駆動機構45とは異なり、吸気用カム6とロッカアーム12との間に吸気バルブ10のバルブ特性を変更する可変動弁機構20が設けられている。この可変動弁機構20は入力部23と一対の出力部24とを有しており、これら入力部23及び出力部24はシリンダヘッド2に固定された支持パイプ22に揺動可能に支持されている。ロッカアーム12は、吸気バルブ10の基端部及びラッシュアジャスタ13によって出力部24側に付勢されており、そのローラ12aが出力部24の外周面に当接されている。また、入力部23とシリンダヘッド2との間には、スプリング14が設けられており、このスプリング14の付勢力によって入力部23に設けられたローラ23bが吸気用カム6に付勢されている。
機関運転時に吸気用カム6が回転すると、同吸気用カム6はローラ23bに摺接しつつ入力部23を押圧し、これにより出力部24が支持パイプ22の周方向に揺動するようになる。そして出力部24が揺動すると、ロッカアーム12はラッシュアジャスタ13により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ10はロッカアーム12によって開閉駆動されるようになる。
次に、図3を参照して可変動弁機構20の構造について詳述する。
同図3に示されるように、入力部23は各出力部24の間に設けられており、これら入力部23と出力部24との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部23の内周面にはヘリカルスプライン23aが形成されるとともに、出力部24の内周面にはこの入力部23のヘリカルスプライン23aと逆向きに傾斜するヘリカルスプライン24aが形成されている。
同図3に示されるように、入力部23は各出力部24の間に設けられており、これら入力部23と出力部24との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部23の内周面にはヘリカルスプライン23aが形成されるとともに、出力部24の内周面にはこの入力部23のヘリカルスプライン23aと逆向きに傾斜するヘリカルスプライン24aが形成されている。
入力部23と出力部24との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア26が設けられている。このスライダギア26の外周面の中央部分には、入力部23のヘリカルスプライン23aに噛合するヘリカルスプライン26aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部24のヘリカルスプライン24aに噛合するヘリカルスプライン26bが形成されている。
また、この略円筒状のスライダギア26の内壁には、その円周方向に沿って延びる溝29が形成されており、この溝29にはブッシュ28が嵌合されている。尚、このブッシュ28は、溝29の伸びる方向に沿って同溝29の内周面を摺動することができるであるが、スライダギア26の軸方向における変位は規制されている。
スライダギア26の内部に形成された貫通空間には、支持パイプ22が挿入されている。また、上記支持パイプ22には、その軸方向に沿って駆動可能なコントロールシャフト21が挿入されている。支持パイプ22の管壁にはその軸方向に延びる長孔22aが形成されている。また、スライダギア26とコントロールシャフト21との間には、長孔22aを通じてスライダギア26とコントロールシャフト21とを連結する係止ピン27が設けられている。この係止ピン27の一端がコントロールシャフト21に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ28に形成された貫通孔28aに挿入されている。
こうした可変動弁機構20にあって、コントロールシャフト21がその軸方向に沿って一方の方向に変位すると、これに連動してスライダギア26も軸方向に変位する。スライダギア26の外周面に形成されたヘリカルスプライン26a、26bは、入力部23及び出力部24の内周面に形成されたヘリカルスプライン23a、24aとそれぞれ噛合っているため、スライダギア26がその軸方向に駆動すると、入力部23と出力部24とは逆の方向に回転する。その結果、入力部23と出力部24との相対位相差が大きくなって、ロッカアーム12の揺動量が増大することにより、吸気バルブ10の最大リフト量及び開弁期間が増大し、内燃機関の吸入空気量は増量される。逆に、コントロールシャフト21がその軸方向に沿って他方の方向に変位すると、入力部23と出力部24との相対位相差が小さくなって、ロッカアーム12の揺動量が減少することにより、吸気バルブ10の最大リフト量及び開弁期間は減少し、内燃機関の吸入空気量は減量される。
先の図2に示すように、コントロールシャフト21の基端部(図2の右側)には、回転直動変換機構100が接続されており、この回転直動変換機構100には、アクチュエータである電動モータ62が接続されている。この電動モータ62には、同電動モータ62に供給される電力を制御する駆動回路63が接続されており、この駆動回路63は、制御装置200に接続されている。
回転直動変換機構100は、電動モータ62の回転運動をコントロールシャフト21の軸方向への直線運動に変換する機構であり、電動モータ62を正回転させたり、逆回転させたりすると、その回転が回転直動変換機構100によってコントロールシャフト21の往復動に変換される。
図4に、回転直動変換機構100の破断斜視図を示す。また、図5に、回転直動変換機構についてその軸方向に直交する断面図を示す。この回転直動変換機構100は、外周面にねじが設けられたサンシャフト110、サンシャフト110の外側に配設されて内周面にねじが設けられたナット120を備えている。また、サンシャフト110の外周面とナット120の内周面との間に介在されてサンシャフト110のねじ及びナット120のねじに螺合するねじが設けられた複数のプラネタリシャフト130等も配設されている。
上記サンシャフト110の一端は前記ナット120から突出しており、同ナット120の回転運動がサンシャフト110の直線運動に変換されることにより、その突出量は変化する。
サンシャフト110の外周面には、互いに離間した平歯車111及び平歯車112が設けられている。さらに、サンシャフト110の外周面にあって平歯車111及び平歯車112の間には、同サンシャフト110の軸方向に伸びる雄ねじ113が形成されている。この雄ねじ113は、例えば多条の右ねじとされている。
前記プラネタリシャフト130は円柱形状をなしており、その軸方向にはサンシャフト110の雄ねじ113と螺合するねじ133が形成されている。このねじ133は、例えば1条の左ねじとされている。また、図5に示すように、プラネタリシャフト130はサンシャフト110の外周面を囲むようにその円周方向に等角度にて複数(本実施形態では9本)配設されている。また、このプラネタリシャフト130の両端には、上記平歯車111に噛み合う平歯車131と、上記平歯車112に噛み合う平歯車132とがそれぞれ設けられている。
前記ナット120の内周面にはプラネタリシャフト130のねじ133に螺合する雌ねじ123が形成されており、その雌ねじ123は、例えば雄ねじ113とは異なる条数であって多条の左ねじとされている。
また、同ナット120の内周面には、上述した平歯車131に噛み合うリングギア121と平歯車132に噛み合うリングギア122とが設けられている。これらリングギア121、122は環状に形成されており、それらの外周面はナット120の内周面に固定されている。また、リングギア121の内周面には上記平歯車131に噛み合う平歯の内歯が、リングギア122の内周面には上記平歯車132に噛み合う平歯の内歯がそれぞれ形成されている。
このように構成された回転直動変換機構100では、ナット120を回転可能且つ軸方向への移動が不可となるように支持し、サンシャフト110を回転不能且つ軸方向への移動が可能なように支持することで次のような作動態様が得られる。
すなわち、ナット120を回転させると、プラネタリシャフト130はナット120の雌ねじ123及びサンシャフト110の雄ねじ113と螺合しながら、サンシャフト110の周りを自転及び公転する。こうしたプラネタリシャフト130の遊星運動により、サンシャフト110は、同回転直動変換機構100の減速比及び各ねじの条数に応じて決定されるリードにて、その軸方向に直線運動する。
また、上記回転直動変換機構100では、ナット120に固定されたリングギア121がプラネタリシャフト130に設けられた平歯車131にかみ合い、同平歯車131がサンシャフト110に設けられた平歯車111にかみ合うようになっている。また、ナット120に固定されたリングギア122がプラネタリシャフト130に設けられた平歯車132にかみ合い、同平歯車132がサンシャフト110に設けられた平歯車112にかみ合うようになっている。そのため、当該回転直動変換機構100の減速比は、サンシャフト110、ナット120、及びプラネタリシャフト130に設けられた各歯車同士の噛み合いによって決定される。従って、サンシャフト110、ナット120、あるいはプラネタリシャフト130に設けられた各ねじの実際の有効径が、ねじの加工精度に起因してばらついたり、螺合するねじ同士の接触面の摩耗等によって変化したりする場合であっても、そうした有効径の影響を受けることなく、当該回転直動変換機構100の減速比は安定した一定の値に維持される。そのためナット120が1回転したときのサンシャフト110のストローク量、すなわちリードも安定した一定の値に維持されるようになり、高いリード精度が確保される。また、ねじの螺合による駆動力伝達のみならず、歯車同士の噛み合いによっても駆動力の伝達が行われるため、同駆動力の伝達効率は高くなる。
また、こうした遊星運動を利用した回転直動変換機構100では、ラックアンドピニオンのような回転直動変換機構と比較して、減速比を大きくすることができるため、サンシャフト110の移動量を微細に調整することができるため、可変動弁機構20によるバルブ特性の変更を精密に行うことも可能になる。
この回転直動変換機構100のサンシャフト110が、上記コントロールシャフト21に接続されており、ナット120が上記電動モータ62に接続されている。これにより、ナット120は電動モータ62によって回転されるとともに、上記可変動弁機構20は、ナット120の回転に伴って変化するサンシャフト110の位置に応じて吸気バルブ10のバルブ特性(最大リフト量及び開弁期間)を変更する機構となっている。
上記電動モータ62には、位置センサ64が設けられている。この位置センサ64は、電動モータ62のロータと一体回転する多極マグネットの磁気変化を利用してそのロータの回転位相変化に応じた信号を出力する。ここで、上記コントロールシャフト21は、電動モータ62のロータの回転により往復動されるため、ロータの回転位相変化を示す位置センサ64の出力信号は、コントロールシャフト21の位置情報である移動量を示すものになる。また、コントロールシャフト21が移動することで吸気バルブ10の最大リフト量及び開弁期間は変更される。従って、位置センサ64の出力信号に基づいて吸気バルブ10の最大リフト量についてその実値(以下、最大リフト量VLという)が検出される。
上記制御装置200には、上記位置センサ64や、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ70、及びクランクシャフトの回転位相を検出するクランク角センサ71等、機関運転状態を検出する各種センサが接続されている。そして、制御装置200は、そうした各種センサによって検出される運転状態に基づいて上記最大リフト量の目標値(以下、目標最大リフト量VLpという)を設定し、最大リフト量VLが目標最大リフト量VLpと一致するように電動モータ62の駆動を制御する。なお、本実施形態では、電動モータ62に対して電圧をパルス状に供給するようにしており、基本的には、パルス状に供給される電圧のデューティ比を変更することにより電動モータ62の発生トルクが変更され、パルスの発生周期を変更することにより電動モータ62の回転速度が変更される。
ところで、上記可変動弁機構20では、機関運転中において、バルブスプリング11の反力が出力部24及びスライダギア26を介してコントロールシャフト21に作用する。そのため、バルブスプリング11の反力がコントロールシャフト21を介してサンシャフト110にも作用し、同サンシャフト110にはその反力に起因する軸方向の力が付与される。従って、機関運転中にあっては、サンシャフト110の雄ねじ113がプラネタリシャフト130のねじ133に押し付けられ、それら各ねじの接触部には押圧力が働くようになる。
ここで、吸気バルブ10の最大リフト量が一定の値に保持されているときには、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化しないため、同一の接触箇所に対して上記押圧力が継続して作用するようになる。また、最大リフト量が大きくなるほどバルブスプリング11の圧縮量が増大して上記反力は増加することから、上記押圧力は、最大リフト量が大きくされるほど大きくなる。そのため、最大リフト量がある程度大きな一定の値に保持されると、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133とが接触する箇所であってその位置が変化しない接触箇所に対して大きな押圧力が継続して作用するようになり、その接触箇所のねじ部に局部的な摩耗が発生してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、機関運転状態が変化して目標最大リフト量VLpが変更され、その変更された目標最大リフト量VLpに向けての最大リフト量VLの変更が終了したときの当該最大リフト量VLの値に対して、図6に示すような判定値αを予め設定するようにしている。この判定値αは、プラネタリシャフト130のねじ133に局部的な摩耗が発生する程度にバルブスプリング11の反力が大きくなる最大リフト量VLの値とされている。
そして、最大リフト量VLの変更が終了したときの当該最大リフト量VLの値が判定値αに満たない値になっている場合には(時刻t1)、その最大リフト量VLが保持されるように電動モータ62の駆動を制御する。
一方、最大リフト量VLの変更が終了したときの当該最大リフト量VLの値が判定値α以上の値になっている場合には(時刻t2)、その最大リフト量VLが周期的に変動するように電動モータ62を往復動させる揺らぎ制御を実行する。
このように、バルブスプリング11の反力が比較的大きくなる状態において、最大リフト量VLの変更が終了してサンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化しなくなる状態になるときには、その接触箇所が変化するように電動モータ62を往復動させるようにしている。こうした往復動により、大きな押圧力が同一の接触箇所に付与されることが抑えられ、これによりプラネタリシャフト130のねじ133についてその局部的な摩耗が抑えられることとなる。
なお、電動モータ62が往復動されて最大リフト量VLが増減されると内燃機関の吸入空気量は変化するが、最大リフト量VLが上記判定値α以上になっているときには吸入空気量がある程度以上多くなっており、そうした状態においては最大リフト量VLの変化に対する吸入空気量の変化割合は少なくなる。従って、電動モータ62の往復動によって吸入空気量が変化するとしても、その変化量が機関運転状態に悪影響を与えない程度の量となるように電動モータ62を往復動させることは可能である。
図7に、上記揺らぎ制御の処理手順を示す。なお、この処理は上記制御装置200によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量VLの変更途中であるか否かが判定される(S100)。ここでは、機関運転状態が変化して目標最大リフト量VLpが変更され、その変更された目標最大リフト量VLpに向けて最大リフト量VLが変更されている最中であるか否かが判断される。
本処理が開始されるとまず、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量VLの変更途中であるか否かが判定される(S100)。ここでは、機関運転状態が変化して目標最大リフト量VLpが変更され、その変更された目標最大リフト量VLpに向けて最大リフト量VLが変更されている最中であるか否かが判断される。
そして、最大リフト量VLの変更途中である場合には(S100:YES)、現在の可変動弁機構20の作動状態が最大リフト量VLの変更途中であり、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所は、電動モータ62の回転によって変化している。そのため、ねじ133に局部的な摩耗が生じるおそれはないとして、本処理は一旦終了される。
一方、最大リフト量VLの変更途中ではない場合には(S100:NO)、目標最大リフト量VLpに向けての最大リフト量VLの変更は終了しているため、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化しなくなる状態となっていると判断される。
次に、変更の完了した最大リフト量VLが上記判定値α以上であるか否かが判定される(S110)。そして、最大リフト量VLが判定値αに満たない場合には(S110:NO)、現在発生している反力程度では、ねじ133に摩耗が生じるおそれはないとして、本処理は一旦終了される。
一方、最大リフト量VLが判定値α以上である場合には(S110:YES)、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化しなくなる状況にあって、バルブスプリング11の反力が大きくなっているため、ねじ133に局部的な摩耗が生じるおそれがある。そこで、電動モータ62を往復動させるための上記揺らぎ制御が行われて(S120)、本処理は一旦終了される。
この揺らぎ制御が実行されると、図8に示すように、目標最大リフト量VLpが周期的に増減される。このように目標最大リフト量VLpが増減されると、その目標最大リフト量VLpの変化に追従して最大リフト量VLが変化するように電動モータ62は駆動される。この場合、電動モータ62は、最大リフト量VLが増減するように往復動されるため、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化するようになる。従って、バルブスプリング11の反力に起因する大きな押圧力が同一の接触箇所に付与されるといったことが抑えられ、これによりねじ133における局部的な摩耗の発生が抑えられるようになる。
上記揺らぎ制御による目標最大リフト量VLpの周期的な増減に際しては、機関運転状態に基づいて設定された目標最大リフト量VLpを中心にして、最大リフト量VLが大きくなる側と小さくなる側とに交互に変化するように、目標最大リフト量VLpは増減される。より具体的には、目標最大リフト量VLpを振幅量AMをもって変動させるようにしており、最大リフト量VLが大きくなる側に目標最大リフト量VLpを変化させるときの最大変更量は「振幅量AM/2」とされている。同様に、最大リフト量VLが小さくなる側に目標最大リフト量VLpを変化させるときの最大変更量も「振幅量AM/2」とされている。このようにして目標最大リフト量VLpが増減されることにより、電動モータ62の往復動に伴って変化する吸入空気量についてその平均値は、揺らぎ制御を行わない場合にあって最大リフト量VLが一定の目標最大リフト量VLpに保持されるときに得られる吸入空気量に極力近づくようになる。
また、上記振幅量AMは、次のような値に設定されている。すなわち、電動モータ62の往復動によって、プラネタリシャフト130が同一方向に少なくとも1回転以上自転するようにすれば、プラネタリシャフト130の外周はサンシャフト110に対して少なくとも1周以上回転するようになり、プラネタリシャフト130のねじ133に生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができる。そこで、上記振幅量AMとしては、プラネタリシャフト130が1回転自転するのに要する値に若干の余裕代を加算した量が設定されている。
また、目標最大リフト量VLpを周期的に増減させるときの変動周期fは、次のような点を考慮して設定されている。まず、目標最大リフト量VLpの変動に追従するように最大リフト量VLは変更されるのであるが、変動周期fが速すぎると電動モータ62の往復動の速度が速くなるため、電動モータ62自体や電動モータ62に供給される電力を制御する装置等の温度が過度に上昇してしまうおそれがある。逆に、変動周期fが遅すぎると、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化する速度は過度に遅くなり、ねじ133の局部的な摩耗を十分に抑えることができなくなるおそれがある。従って、上記変動周期fとしては、上述したような電動モータ62等の過熱を抑えつつ、ねじ133の局部的な摩耗を十分に抑えることができる程度の周期に設定されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
(1)外周面に雄ねじ113が設けられたサンシャフト110と、内周面に雌ねじ123が設けられたナット120と、上記雄ねじ113及び上記雌ねじ123に螺合するねじ133が設けられたプラネタリシャフト130とを有し、ナット120の回転運動をサンシャフト110の直線運動に変換する回転直動変換機構100を備えるようにしている。また、ナット120を回転させる電動モータ62を備えるとともに、そのナット120の回転に伴って変化するサンシャフト110の位置に応じて吸気バルブ10の最大リフト量VLを変更する可変動弁機構20を備えるようにしている。そして、最大リフト量VLが機関運転状態に基づいて設定される目標最大リフト量VLpとなるように電動モータ62の駆動を制御するようにしている。こうした構成を備える可変動弁機構20の制御装置において、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量VLの変更が終了したときの当該最大リフト量VLの値が判定値αを超えている場合には、電動モータ62を往復動させるようにしている。従って、バルブスプリング11の反力が比較的大きくなる状態において、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化しなくなる状態になるときには、その接触箇所が変化するように電動モータ62が駆動される。そのため、大きな押圧力が同一の接触箇所に付与されることを抑えることができ、これにより可変動弁機構20を駆動する回転直動変換機構100のねじ部についてその局部的な摩耗を抑えることができるようになる。
(1)外周面に雄ねじ113が設けられたサンシャフト110と、内周面に雌ねじ123が設けられたナット120と、上記雄ねじ113及び上記雌ねじ123に螺合するねじ133が設けられたプラネタリシャフト130とを有し、ナット120の回転運動をサンシャフト110の直線運動に変換する回転直動変換機構100を備えるようにしている。また、ナット120を回転させる電動モータ62を備えるとともに、そのナット120の回転に伴って変化するサンシャフト110の位置に応じて吸気バルブ10の最大リフト量VLを変更する可変動弁機構20を備えるようにしている。そして、最大リフト量VLが機関運転状態に基づいて設定される目標最大リフト量VLpとなるように電動モータ62の駆動を制御するようにしている。こうした構成を備える可変動弁機構20の制御装置において、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量VLの変更が終了したときの当該最大リフト量VLの値が判定値αを超えている場合には、電動モータ62を往復動させるようにしている。従って、バルブスプリング11の反力が比較的大きくなる状態において、サンシャフト110の雄ねじ113とプラネタリシャフト130のねじ133との接触箇所が変化しなくなる状態になるときには、その接触箇所が変化するように電動モータ62が駆動される。そのため、大きな押圧力が同一の接触箇所に付与されることを抑えることができ、これにより可変動弁機構20を駆動する回転直動変換機構100のねじ部についてその局部的な摩耗を抑えることができるようになる。
(2)電動モータ62を往復動させる際には、目標最大リフト量VLpを周期的に増減させるようにしている。従って、そうした目標最大リフト量VLpの増減量に合わせて電動モータ62を往復動させることができるようになる。
(3)機関運転状態に基づいて設定された目標最大リフト量VLpを中心にして最大リフト量VLが大きくなる側と小さくなる側とに交互に変化するように電動モータ62を往復動させるようにしている。従って、電動モータ62の往復動に伴って変化する吸入空気量についてその平均値を、そうした往復動を行わない場合にあって最大リフト量VLが一定の目標最大リフト量VLpに保持されるときに得られる吸入空気量に極力近づけることができるようになる。
(4)電動モータ62を往復動させる際には、プラネタリシャフト130が少なくとも1回転以上自転するようにその往復動の量を設定するようにしている。従って、プラネタリシャフト130のねじ133に生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。
なお、上実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、揺らぎ制御の実行時にあって電動モータ62を往復動させるために、目標最大リフト量VLpを周期的に増減させるようにした。この他、目標最大リフト量VLpについては機関運転状態に基づいて設定された一定の値に維持しつつ、最大リフト量VLを目標最大リフト量VLpに保持するために電動モータ62に供給される保持電力を周期的に増減させるようにしてもよい。例えば、図9に示すように、最大リフト量VLを目標最大リフト量VLpに保持するために必要な保持デューティ比HDを、所定値Aだけ増加させた後、所定値Bだけ減少させるといった処理を繰り返し行うようにしてもよい。この場合にも、揺らぎ制御の実行時にあって電動モータ62を往復動させることができる。
・上記実施形態では、揺らぎ制御の実行時にあって電動モータ62を往復動させるために、目標最大リフト量VLpを周期的に増減させるようにした。この他、目標最大リフト量VLpについては機関運転状態に基づいて設定された一定の値に維持しつつ、最大リフト量VLを目標最大リフト量VLpに保持するために電動モータ62に供給される保持電力を周期的に増減させるようにしてもよい。例えば、図9に示すように、最大リフト量VLを目標最大リフト量VLpに保持するために必要な保持デューティ比HDを、所定値Aだけ増加させた後、所定値Bだけ減少させるといった処理を繰り返し行うようにしてもよい。この場合にも、揺らぎ制御の実行時にあって電動モータ62を往復動させることができる。
ちなみに、電動モータ62に供給される電圧や電流を変更することで同電動モータ62の駆動を制御する場合には、揺らぎ制御の実行時にあって、電圧や電流を周期的に増減させることにより、電動モータ62を往復動させることができる。
・上記実施形態では、上記揺らぎ制御の実行条件として、最大リフト量の実値(最大リフト量VL)が判定値α以上であることを条件の1つにした。ここで、機関運転状態の変化に伴う最大リフト量の変更が終了したときには、最大リフト量の実値がその目標値である目標最大リフト量VLpと一致する。そこで、最大リフト量の実値に代えて、目標最大リフト量VLpが上記判定値α以上であることを、揺らぎ制御の実行条件の1つにするようにしてもよい。
この場合には、例えば、図10に示す揺らぎ処理のように、まず、機関運転状態に基づいて設定された目標最大リフト量VLpが上記判定値α以上であるか否かを判定する(S200)。そして、目標最大リフト量VLpが判定値α以上である場合には(S200:YES)、上記ステップS100と同様な処理、すなわち機関運転状態の変化に伴う最大リフト量VLの変更途中であるか否かを判定する(S210)。そして、最大リフト量VLの変更途中ではない場合には(S210:NO)、上記揺らぎ制御を実行する(S220)、といった処理手順を採用することも可能である。
・揺らぎ制御により目標最大リフト量VLpを周期的に増減させる際には、最大リフト量VLが大きくなる側に目標最大リフト量VLpを変化させるときの最大変更量と、最大リフト量VLが小さくなる側に目標最大リフト量VLpを変化させるときの最大変更量とが同じになるようにした。この他、最大リフト量VLが大きくなる側に目標最大リフト量VLpを変化させるときの最大変更量と、最大リフト量VLが小さくなる側に目標最大リフト量VLpを変化させるときの最大変更量とを異ならせるようにしてもよい。この場合でも、少なくともねじ133の局部的な摩耗の発生についてはこれを抑えることができる。
・揺らぎ制御の実行に際しては、プラネタリシャフト130が少なくとも1回転以上自転するように電動モータ62を往復動させるようにした。
この他、プラネタリシャフト130が少なくとも1回転以上公転するように電動モータ62を往復動させるようにしてもよい。すなわち、上記振幅量AMとして、プラネタリシャフト130が1回転公転するのに要する値に若干の余裕代を加算した量を設定するようにしてもよい。この場合には、電動モータ62が往復動されることにより、サンシャフト110の外周をプラネタリシャフト130が少なくとも1周以上回転するようになる。そのため、サンシャフト110の雄ねじ113に生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。
この他、プラネタリシャフト130が少なくとも1回転以上公転するように電動モータ62を往復動させるようにしてもよい。すなわち、上記振幅量AMとして、プラネタリシャフト130が1回転公転するのに要する値に若干の余裕代を加算した量を設定するようにしてもよい。この場合には、電動モータ62が往復動されることにより、サンシャフト110の外周をプラネタリシャフト130が少なくとも1周以上回転するようになる。そのため、サンシャフト110の雄ねじ113に生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。
また、上記実施形態のように、サンシャフト110の円周方向に等角度にてプラネタリシャフト130が複数配設されている場合には、図11に示すように、プラネタリシャフト130の配設本数を「n」として、プラネタリシャフト130の公転角度が少なくとも「360/n」°以上となるように電動モータ62を往復動させるようにしてもよい。すなわち、上記振幅量AMとして、個々のプラネタリシャフト130が「360/n」°以上公転するのに要する値に若干の余裕代を加算した量を設定するようにしてもよい。例えば、上記実施形態においては、プラネタリシャフト130が少なくとも(360/9=40°)以上公転するように電動モータ62を往復動させるようにしてもよい。この場合には、電動モータ62が往復動されて、個々のプラネタリシャフト130が少なくとも「360/n」°以上公転されることにより、サンシャフト110の雄ねじ113と個々のプラネタリシャフト130のねじ133とが接触する接触箇所は、同雄ねじ113の外周全体において変化するようになる。従って、サンシャフト110の雄ねじ113に生じる局部的な摩耗を適切に抑えることができるようになる。また、この場合には、上述したようにプラネタリシャフト130を少なくとも1回転以上公転させる場合と比較して、振幅量AMが小さくなるため、揺らぎ制御実行中の最大リフト量VLの変化量も小さくなる。従って、揺らぎ制御実行中の吸入空気量の変化量をより小さくすることも可能である。
・上記回転直動変換機構100が備えるプラネタリシャフト130の本数は、適宜変更することができる。
・上記回転直動変換機構100では、ナット120とプラネタリシャフト130とが噛み合う歯車と、プラネタリシャフト130とサンシャフト110とが噛み合う歯車とをそれぞれ設けるようにしたが、そうした歯車を省略するようにしてもよい。
・上記回転直動変換機構100では、ナット120とプラネタリシャフト130とが噛み合う歯車と、プラネタリシャフト130とサンシャフト110とが噛み合う歯車とをそれぞれ設けるようにしたが、そうした歯車を省略するようにしてもよい。
・上記位置センサ64は、磁気変化を利用して電動モータ62のロータの回転位相変化を検出する磁気センサであったが、この他のセンサ(例えば光学式のセンサ等)を用いるようにしてもよい。
・電動モータ62のロータの回転位相変化に基づいてコントロールシャフト21の移動量を検出するようにしたが、コントロールシャフト21の移動量を直接検出するようにしてもよい。
・上記可変動弁機構20は、電動モータ62で駆動される機構であったが、この他のアクチュエータで可変動弁機構20が駆動される場合であっても、本発明は同様に適用することができる。
・上記実施形態では、可変動弁機構20にて吸気バルブ10のバルブ特性を変更するようにしたが、排気バルブ15のバルブ特性を変更する場合、あるいは吸気バルブ10及び排気バルブ15のバルブ特性を変更する場合にも同様に適用することができる。
2…シリンダヘッド、5…吸気カムシャフト、6…吸気用カム、7…排気カムシャフト、8…排気用カム、10…吸気バルブ、10a…リテーナ、11…バルブスプリング、12…ロッカアーム、12a…ローラ、13…ラッシュアジャスタ、14…スプリング、15…排気バルブ、15a…リテーナ、16…バルブスプリング、17…ラッシュアジャスタ、18…ロッカアーム、18a…ローラ、20…可変動弁機構、21…コントロールシャフト、22…支持パイプ、22a…長孔、23…入力部、23a…ヘリカルスプライン、23b…ローラ、24…出力部、24a…ヘリカルスプライン、26…スライダギア、26a…ヘリカルスプライン、26b…ヘリカルスプライン、27…係止ピン、28…ブッシュ、28a…貫通孔、29…溝、40…吸気弁駆動機構、45…排気弁駆動機構、62…電動モータ、63…駆動回路、64…位置センサ、70…アクセルセンサ、71…クランク角センサ、100…回転直動変換機構、110…サンシャフト、111…平歯車、112…平歯車、113…雄ねじ、120…ナット、121…リングギア、122…リングギア、123…雌ねじ、130…プラネタリシャフト、131…平歯車、132…平歯車、133…ねじ、200…制御装置。
Claims (7)
- 外周面にねじが設けられたサンシャフトと、内周面にねじが設けられたナットと、前記サンシャフトの外周面と前記ナットの内周面との間に介在されて前記サンシャフトのねじ及び前記ナットのねじに螺合するねじが設けられたプラネタリシャフトとを有し、前記ナットの回転運動を前記サンシャフトの直線運動に変換する回転直動変換機構と、前記ナットを回転させるアクチュエータと、前記ナットの回転に伴って変化する前記サンシャフトの位置に応じて機関バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構とを備え、前記最大リフト量が機関運転状態に基づいて設定される目標値となるように前記アクチュエータの駆動を制御する制御装置であって、
機関運転状態の変化に伴う前記最大リフト量の変更が終了したときの当該最大リフト量の値が所定値を超えている場合には前記アクチュエータを往復動させる
ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。 - 前記往復動の実行に際しては、前記目標値が周期的に増減される
請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。 - 前記アクチュエータは電動モータであって、
前記往復動の実行に際しては、前記最大リフト量を前記目標値に保持するために前記電動モータに供給される保持電力が周期的に増減される
請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。 - 前記往復動は、前記目標値を中心にして前記最大リフト量が大きくなる側と小さくなる側とに交互に変化するように行われる
請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置。 - 前記往復動は、前記プラネタリシャフトが少なくとも1回転以上自転するように行われる
請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置。 - 前記往復動は、前記プラネタリシャフトが少なくとも1回転以上公転するように行われる
請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置。 - 前記プラネタリシャフトは、前記サンシャフトの円周方向に等角度にて複数配設されており、その配設本数を「n」とした場合に、前記往復動は、前記プラネタリシャフトの公転角度が少なくとも「360/n」°以上となるように行われる
請求項1から4のいずれか1項に記載の可変動弁機構の制御装置。
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