以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A1は、台材1、包装フィルム体2、接合体3、被包装体4および補強部材5を備えている。図1は、包装体A1を示す斜視図である。図2は、包装体A1を示す平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図および要部拡大断面図である。なお、図1および図2においては、理解の便宜上、包装フィルム体2にハッチングを付している。
台材1は、包装フィルム体2および接合体3を介して被包装体4を保持するものであり、主面1aを有している。台材1としては、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、あるいは合成樹脂シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。本実施形態においては、台材1として厚紙からなる略長矩形状の台紙を用いる場合を例として説明する。
包装フィルム体2は、第一包装部21および第二包装部22によって構成されている。第一包装部21および第二包装部22は、互いに別体とされた筒状フィルムからなる。第一包装部21は、後述する被包装体4の第一被包装部41を密着状態で覆い、第二包装部22は、被包装体4の第二被包装部42を密着状態で覆っている。第一包装部21および第二包装部22は、各々が所謂シュリンクフィルムと称される収縮性フィルムであり、たとえば熱収縮によって被包装体4を密着状態で包装する部材である。本実施形態においては、第一包装部21および第二包装部22は、両端が開口しており、被包装体4を挿入可能な筒状体である。なお、第一包装部21および第二包装部22は、例えば上下両端の少なくとも一方が開口しているものであればよい。本実施形態においては、第一包装部21の両端開口と第二包装部22の両端開口とが、同じ方向を向くように配置されている。
第一包装部21および第二包装部22を構成する樹脂フィルムの具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、ならびにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリ塩化ビニル等のビニル系の樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。特に、熱収縮性であるシュリンクフィルムとしては、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、主として周方向に収縮する一軸延伸フィルムを好ましく使用できるが、軸方向にも収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。なお、一軸延伸フィルムとは、実質的に一軸延伸されているフィルムをいい、周方向(所謂TD方向)と軸方向(所謂MD方向)との収縮率が大きく異なるフィルムのことを意味するのであって、いずれかの方向に全く収縮しない(所謂収縮率がゼロである)フィルムのみをいうものではない。具体的には、例えば、90℃、10秒(温水処理)における周方向の熱収縮率が35〜80%、軸方向の熱収縮率が−5〜10%のフィルムが挙げられる。
第一包装部21および第二包装部22の厚みとしては、特に限定されないが、8〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜80μm、特に好ましくは15〜60μmである。また、第一包装部21および第二包装部22としては、着色された樹脂筒状フィルム、あるいは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることができる。
本実施形態においては、第一包装部21および第二包装部22は、熱収縮性一軸延伸フィルムである。図4は、包装体A1の製造に用いられる包材B1を示している。包材B1は、台材1の主面1aに包装フィルム体2が接合体3によって接合されたものである。包材B1においては、第一包装部21および第二包装部22は、たとえば平らに折り畳まれている。第一包装部21および第二包装部22の主延伸方向Sは、上述した両端開口が離間する方向に対して直角であり、それぞれの幅方向に沿っている。第一包装部21および第二包装部22は、主延伸方向Sに沿った熱収縮が他の方向に沿った熱収縮よりも顕著に大である性質を有する。
接合体3は、台材1の主面1aと包装フィルム体2とを接合しており、第一接合部31および第二接合部32を有している。第一接合部31は、包装フィルム体2の第一包装部21を台材1の主面1aに接合している。第二接合部32は、包装フィルム体2の第二包装部22を台材1の主面1aに接合している。第一接合部31および第二接合部32は帯状とされているが、これは一例であり、第一接合部31および第二接合部32の形状は種々に設定される。
なお、接合体3は、第一包装部21を台材1の主面1aに接合する機能を果たす第一接合部31と第二包装部22を台材1の主面1aに接合する機能を果たす第二接合部32を有することにより包装フィルム体2を台材1に接合する構成であればよく、第一接合部31と第二接合部32とが別体とされた構成に限定されず、たとえば第一接合部31と第二接合部32とを含んで全体が一体的に形成されている構成であってもよい。さらに、接合体3は、第一接合部31および第二接合部32以外にこれらとは別体とされた部分を有する構成であってもよい。
接合体3は、たとえば台材1および包装フィルム体2との接着強度が強く、被包装体4の荷重に耐えて、流通過程や陳列過程における長時間の接着状態を維持できる種々の接着剤(粘着剤を含む)によって構成することができる。このような接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等の感圧性接着剤や感熱性接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工して包装フィルム体2を張り合わせた後、常温に冷却されたときに強い接着強度を発現するホットメルト接着剤が好適であり、中でも湿気反応型ホットメルト接着剤がより好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。また、接合体3は、接着剤に代えて、所謂両面テープによって構成してもよい。
被包装体4は、第一被包装部41および第二被包装部42を有している。本実施形態においては、第一被包装部41および第二被包装部42は、互いに別体とされた物品であるが、被包装体4は、第一被包装部41および第二被包装部42を繋ぐ部分を有するものであってもよい。第一被包装部41および第二被包装部42の具体的構成は何ら限定されないが、その一例としては、入浴用あるいは洗濯用の洗剤容器とその詰替え容器との組み合わせが挙げられる。また、本実施形態においては、図3に示すように、第一被包装部41および第二被包装部42の断面形状は、円形状または楕円形状である。第一被包装部41と第二被包装部42とは、たがいの間に若干の隙間をおいて配置されている。さらに、第一被包装部41および第二被包装部42は、各々が単体の要素によって構成されるものに限定されず、双方またはいずれかが複数の要素によって構成されていてもよい。たとえば、第一被包装部41が互いに隣接するように配置された複数の容器(要素)によって構成されていてもよい。
補強部材5は、第一被包装部41および第二被包装部42を挟んで台材1の主面1aとは反対側に位置しており、第一被包装部41および第二被包装部42を連結している。本実施形態においては、補強部材5の片面全体が接着面とされている、所謂タックシールと称されるものが使用される。そして、補強部材5の一部が第一被包装部41を覆う第一包装部21に接合されており、他の一部が第二被包装部42を覆う第二包装部22に接合されている。補強部材5のうち第一包装部21に接合された部分が第一接合部51であり、第二包装部22に接合された部分が第二接合部52である。このように、本実施形態においては、補強部材5は、第一被包装部41および第二被包装部42には直接接合されていないが、第一被包装部41を密着状態で覆う第一包装部21と第二被包装部42を密着状態で覆う第二包装部22とに接合されていることにより、第一被包装部41と第二被包装部42とを連結しているといえる。なお、被包装体4は、第一被包装部41および第二被包装部42以外に、他の被包装部を有する構成であってもよい。この場合、後述する台材1の折れ曲がり防止機能を発揮させる意図で、複数の補強部材5を適宜設ければよい。
補強部材5の層構成は、図3の要部拡大図に示すように、基材5aと、前記接着面を構成すべく該基材5aの裏面全体に積層された接着剤層5bを有する。なお、基材5aの表面(及び/又は裏面)には、種々の意匠印刷が施されていてもよい。また、基材5aの表面にオーバーコートニスやマットニスなどの層を設けたり、基材5aにエンボス(凹凸)を設けることにより、補強部材5に滑り止め加工を施してもよい。さらには、補強部材5の層構成は、2層以上の基材が積層された複層構造でもよく、またそれらの層が剥離可能に構成されていてもよい。
基材5a(補強部材5)の平面視形状は、特に限定されず、例えば、図2に示すような平面視略円形状の他、平面視略楕円形状(図10)、平面視略長方形状(図11)などでもよい。
基材5aは、柔軟なシート(シートとは、一般にフィルムと呼ばれるものを含む意味である)から形成されており、例えば、各種紙(合成紙)や各種樹脂フィルムを使用することができる。紙基材としては、上質紙、アート紙、和紙、グラフト紙、及びボイル紙などが挙げられる。樹脂フィルムとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、ならびにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリメチルメタクリレート(PMMA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のビニル系の樹脂から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが挙げられる。また、樹脂フィルムは、発泡させたものであってもよい。基材5aの厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜200μm程度である。
接着剤層5bは、基材5aの裏面全体に接着剤を従来公知の手法を用いて塗布(印刷)することにより設けられている。なお、前記接着剤は、基材5aの裏面全体にベタ状に設けてもよいし、或いは、網目状に設けても良い。接着剤としては、例えば、エラストマー系(アクリルゴム、二トリルゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム等)、熱硬化性樹脂系(ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等)、熱可塑性樹脂系(アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)などの接着剤を使用することができる。特に、常温で粘着性を有する、溶剤型、エマルジョン型またはホットメルト型の感圧性接着剤を使用することが好ましい。
次に、包装体A1の製造方法について説明する。まず、図4に示す包材B1を用意する。次いで、第一包装部21および第二包装部22をそれぞれ拡開する。続いて、第一被包装部41を第一包装部21に挿入し、第二被包装部42を第二包装部22に挿入する。次いで、たとえば所定温度に設定されたスチームトンネル設備や熱風トンネル設備等を用いて第一包装部21および第二包装部22を熱収縮させる。これにより、第一包装部21および第二包装部22が第一被包装部41および第二被包装部42に密着する。そして、補強部材5の一部を第一包装部21に接合し、他の一部を第二包装部22に接合する。以上の工程を経ることにより、包装体A1が得られる。
次に、包装体A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、図3に示すように、第一被包装部41および第二被包装部42が台材1の主面1aの反対側において補強部材5によって保持された格好となる。このため、第一被包装部41および第二被包装部42の自重や購入者が包装体A1を手にとった際の力などによって台材1が図中下方に折れ曲げられることを防止することができる。したがって、第一被包装部41および第二被包装部42からなる被包装体4を適切に包装することができる。このような台材1の折り曲がりを防止できる利点は、店頭等での陳列時だけでなく、製造後から店頭等への搬送時、あるいは購入後に購入者の手に渡った際においても享受される。
筒状フィルムからなる第一包装部21および第二包装部22によって第一被包装部41および第二被包装部42を密着状態で覆い、第一包装部21および第二包装部22を接合体3によって台材1に接合することにより、第一被包装部41および第二被包装部42を台材1に確実に保持させることができる。図4に示すように、第一包装部21および第二包装部22の開口部分が同じ方向を向いていることにより、全体として筒状の第一被包装部41および第二被包装部42を互いに干渉すること無く第一包装部21および第二包装部22に挿入することができる。
片面全体が接着面とされた補強部材5を用いることにより、第一包装部21および第二包装部22を第一被包装部41および第二被包装部42に密着させた後に、第一包装部21および第二包装部22の適所に補強部材5の所望の部分を貼り付ければ、第一被包装部41および第二被包装部42を適切に連結し、保持することができる。
図5は、包装体A1の変形例を示している。本変形例においては、第一被包装部41は、断面略矩形状であり、第二被包装部42は、断面略三角形状である。図3に示す例および本変形例から理解されるとおり、第一被包装部41および第二被包装部42は様々な形状を取りうる。この点は、後述する実施形態においても同様である。
図6は、本発明の第2実施形態に基づく包装体を示している。本図は、図3と同様の断面図である。本実施形態の包装体A2は、補強部材5の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、補強部材5は、第一接合部51、第二接合部52および非接合部53を有している。第一接合部51および第二接合部52は、補強部材5の片面のうち接着面とされた部分である。非接合部53は、第一接合部51および第二接合部52に挟まれており、非接着面とされた部分である。このような非接合部53は、補強部材5の片面のうち第一接合部51および52となるべき部分にのみ接着剤層5bを設け、非接合部53となるべき部分に接着剤層5bを設けないことによって形成することができる。あるいは、補強部材5の片面全体に接着剤層5bを設けた後に、非接合部53となるべき部分に接着剤層5bの接着力を無効化するコート層を設けることによって非接合部53を形成してもよい。
図7は、包装体A2の製造に用いられる包材B2を示している。包材B2は、補強部材5をすでに備えている点が、上述した包材B1と異なっている。補強部材5の第一接合部51は、包装フィルム体2の第一包装部21に接合されており、第二接合部52は、第二包装部22に接合されている。非接合部53は、非接着面とされているため、第一包装部21および第二包装部22に接しうるものの、第一包装部21および第二包装部22に接合されることはない。
包材B2を用いた包装体A2の製造方法においては、第一包装部21および第二包装部22を拡開させ、第一被包装部41および第二被包装部42を挿入する。この際、図8に示すように、補強部材5の非接合部53と包装フィルム体2(第一包装部21および第二包装部22)との隙間に指などを挿入して非接合部53を持ち上げたり、あるいは図9に示すように補強部材5に上述した滑り止め加工が施されている場合は、その表面に指をあてて動かしたりすることで、補強部材5とともに第一包装部21および第二包装部22に空間が生じ、第一包装部21および第二包装部22をスムーズに拡開することができる。なお、包装体A2の製造は包材B2を用いた製造に限定されない。上述した包装体A1の製造方法と同様に、包材B1と同構成の包材を用い、第一包装部21および第二包装部22を収縮させた後に、補強部材5を接合する手順で包装体A2を製造してもよい。
このような実施形態によっても、第一被包装部41および第二被包装部42からなる被包装体4を適切に包装することができる。また、非接合部53を有する補強部材5を採用する事により、図7に示すように、包材B2に補強部材5を備えさせておくことが可能であり、第一包装部21および第二包装部22を第一被包装部41および第二被包装部42に密着させた後に補強部材5を貼り付ける必要がない。さらに、図8に示すように、補強部材5の非接合部53と包装フィルム体2との隙間が確保されることを利用して、折り畳まれた第一包装部21および第二包装部22をスムーズかつ確実に拡開させることが可能である。これにより、包材B2への被包装体4の挿入作業の効率を高めることができる。
図10は、本発明の第三実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A3は、補強部材5によって第一被包装部41および第二被包装部42を連結する態様が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、補強部材5の第一接合部51は、第一包装部21ではなく第一被包装部41のうち第一包装部21から露出した部分に直接接合されている。また、補強部材5の第二接合部52は、第二包装部22ではなく第二被包装部42のうち第二包装部22から露出した部分に直接接合されている。補強部材5は、片面全体が接着面とされた構成であってもよいし、上述した非接合部53を有する構成であってもよい。
このような実施形態によっても、補強部材5によって第一被包装部41および第二被包装部42を連結することが可能であり、第一被包装部41および第二被包装部42を有する被包装体4を適切に包装することができる。なお、第一接合部51および第二接合部52のいずれか一方が第一包装部21および第二包装部22のいずれか一方に接合され、第一接合部51および第二接合部52の他方を第一被包装部41および第二被包装部42の他方に接合された構成であってもよい。
図11および図12は、本発明の第四実施形態に基づく包装体を示している。図11は、本実施形態の包装体A5を示す平面図であり、図12は、図11のXI−XI線に層断面図である。包装体A5は、補助部材5の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、補助部材5は、第一補助接合部54および第二補助接合部55を有している。第一補助接合部54および第二補助接合部55は、片面に上述した接着剤層5bが設けられた部位であり、ともに台材1の主面1aに接合されている。第一補助接合部54は、主面1aのうち第一被包装部41に対して図中左方に隣接する部位に接合されており、第二補助接合部55は、主面1aのうち第二被包装部42に対して図中右方に隣接する部位に接合されている。補助部材5のうち第一補助接合部54と第二補助接合部55との間に位置する部分は、被包装体4を挟んで台材1(主面1a)とは反対側に位置しており、その一部が包装フィルム体2に接している。補助部材5のうち包装フィルム体2に接する部分は、本実施形態においては、非接着面とされているが、上述した接着剤層5bが設けられていてもよい。
このような実施形態においては、第一補助接合部54および第二補助接合部55の接合力によって、補助部材5が被包装体4を保持固定する。この結果、第一被包装部41と第二被包装部42とが、補助部材5によって連結された格好となる。このように、補助部材5が第一被包装部41および第二被包装部42や包装フィルム体2に直接接合されていない構成であっても、台材1が折り曲げられることを防止することができる。したがって、第一被包装部41および第二被包装部42を有する被包装体4を適切に包装することができる。
図13は、本発明の第五実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A6は、補助部材5の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、補助部材5は、たとえば樹脂などの弾性変形可能な部材からなるブラケットとして構成されており、第一係合部56および第二係合部57を有している。第一係合部56および第二係合部57は、補助部材5の両端に設けられた円弧形状部分である。第一係合部56は、第一包装部21を介して断面円形状の第一被包装部41に嵌り込むように係合する部分であり、第二係合部57は、第二包装部22を介して断面円形状の第二非舗装部42に嵌り込むように係合する部分である。なお、第一係合部56および第二係合部57は、第一被包装部41および第二被包装部42の外形に対応して、これらと係合関係を維持しうる構成であればよく、その形状や係合形態は適宜設定される。このような実施形態によっても、第一被包装部41および第二被包装部42を有する被包装体4を適切に包装することができる。また、本実施形態の補強部材5には、接着面を有する必要がない。
さらに、本発明の補助部材5の変形例としては、台材1、包装フィルム体2および被包装体4を一括して覆う筒状フィルムなどであってもよい。また、台材1の一部を延長し、この延長部分を補強部材5として用いてもよい。具体的例としては、前記延長部分を折り返して、第一被包装部41および第二被包装部42を挟んで主面1aとは反対側に位置させ、この延長部分を第一包装部21および第二包装部22あるいは第一被包装部41および第二被包装部42に接合すればよい。
図14〜図16は、本発明の第六実施形態に基づく包装体を製造するための包材を示している。本実施形態の包材B6は、台材1、包装フィルム材料2A、接合体3および補強部材5を備えている。図14は、包材B6の平面図であり、図1は、図14のXI−XI線に沿う断面図であり、図16は、図14のXII−XII線に沿う断面図である。また、図17〜図19は、包材B6を用いた包装体の製造方法を示している。図17は、包材B6に被包装体4を収容した状態を示す斜視図であり、図18は、図17のXIV−XIV線に沿う断面図であり、図19は、図17のXV−XV線に沿う断面図である。図17および図20においては、理解の便宜上、包装フィルム材料2Aを透過体として扱い、その背後にある要素または収容された要素などが視認されうる前提で記載している。
台材1は、上述した材質からなるものであり、本実施形態においては、台材1として厚紙からなる略長矩形状の台紙を用いる場合を例として説明する。本実施形態の台材1には、店頭においてフックに掛けるための貫通孔が形成されている。
包装フィルム材料2Aは、所謂シュリンクフィルムと称される収縮性フィルムであり、たとえば熱収縮によって被包装体4を密着状態で包装する部材である。本実施形態においては、包装フィルム材料2Aは、両端が開口しており、被包装体4を挿入可能な筒状体である。なお、包装フィルム材料2Aは、例えば上下両端の少なくとも一方が開口しているものであればよい。包装フィルム材料2Aは、上述した包装フィルム体2と同様の材質からなる。
本実施形態においては、包装フィルム材料2Aは、熱収縮性一軸延伸フィルムである。包装フィルム材料2Aは、本実施形態において台材1と長手方向が一致する略長矩形状であり、長手方向両端に2つの端縁2Aaを有している。端縁2Aaは、被包装体4を挿入するための開口部分となっている。包装フィルム材料2Aの主延伸方向Sは、2つの端縁2Aaが離間する方向に対して直角であり、包装フィルム材料2Aの幅方向に沿っている。包装フィルム材料2Aは、加熱されると主延伸方向Sに沿った熱収縮が他の方向に沿った熱収縮よりも顕著に大である性質を有する。
包装フィルム材料2Aは、第一包装部21A、第二包装部22Aおよび切断予定部23を有している。図14、図2、図17および図19に示すように、第一包装部21Aは、被包装体4の第一被包装部41を包装するための部分である。第二包装部22Aは、被包装体4の第二被包装部42を包装するための部分である。なお、包装フィルム材料2Aは、第一包装部21Aおよび第二包装部22A以外の部分を有する構成であってもよい。
切断予定部23は、第一包装部21Aと第二包装部22Aとの少なくとも一部同士を区画するものであり、本実施形態においては、第一包装部21Aと第二包装部22Aとの全部同士を区画している。すなわち、切断予定部23は、主延伸方向Sに沿って包装フィルム材料2Aの全周にわたって設けられており、包装フィルム材料2Aを第一包装部21Aと第二包装部22Aとに二分している。切断予定部23の位置は、包装フィルム材料2Aの長手方向中央から離れており、一方の端縁2Aa寄りに位置している。これにより、第一包装部21Aに対して第二包装部22Aが小となっている。
また、切断予定部23は、包装フィルム材料2Aが被包装体4を収容した状態で熱収縮することにより切断される部分である。このように熱収縮によって切断可能である切断予定部23の一例としては、たとえばミシン目線からなるものが挙げられる。ミシン目線は、複数の貫通部と複数の非貫通部とが交互に配置された構成とされる。前記貫通部の長さと前記非貫通部の長さとの比率は特に限定されないが、熱収縮時にスムーズに切断させることを意図した場合、前記貫通部の長さと前記非貫通部の長さとの比が、1:1〜7:1であることが好ましく、1.5:1〜5:1であることがより好ましい。ただし、切断予定部23は、ミシン目線に限定されず、たとえば包装フィルム材料2Aの一部が局所的に薄肉とされた構成、あるいは局所的に屈曲させられた構成など、熱収縮により切断可能とされていればよい。
接合体3は、台材1と包装フィルム材料2Aとを接合しており、第一接合部31および第二接合部32を有している。図14に示すように、第一接合部31は、台材1の厚さ方向視、すなわち平面視において包装フィルム材料2Aの第一包装部21Aと重なっており、第一包装部21Aを台材1の主面1aに接合している。第二接合部32は、平面視において第二包装部22Aと重なっており、第二包装部22Aを台材1の主面1aに接合している。本実施形態においては、第一接合部31と第二接合部32とは、互いに離間した別体とされている。第一接合部31と第二接合部32とが離間する方向は、主延伸方向Sと交差する方向、より具体的には主延伸方向Sに対して直角である方向であり、台材1の長手方向に沿っている。図14に示すように、第一接合部31と第二接合部32とは、切断予定部23を挟んで互いに離間している。すなわち、接合体3は、平面視において切断予定部23を避けた位置に設けられている。また、包装フィルム材料2Aの第一包装部21Aと第二包装部22Aとの大小関係に対応して、第一接合部31よりも第二接合部32が小とされている。第一接合部31および第二接合部32は矩形状とされているが、これは一例であり、第一接合部31および第二接合部32の形状は種々に設定される。
なお、接合体3は、第一包装部21Aを台材1に接合する機能を果たす第一接合部31と第二包装部22Aを台材1に接合する機能を果たす第二接合部32を有することにより包装フィルム材料2Aを台材1に接合する構成であればよく、第一接合部31と第二接合部32とが別体とされた構成に限定されず、たとえば第一接合部31と第二接合部32とを含んで全体が一体的に形成されている構成であってもよい。さらに、接合体3は、第一接合部31および第二接合部32以外にこれらとは別体とされた部分を有する構成であってもよい。接合体3は、上述した材質を適宜用いればよい。
本実施形態の補強部材5は、上述した包装体A2における補強部材5と類似の構成であり、第一接合部51、第二接合部52および非接合部53を有している。第一接合部51は、包装フィルム材料2Aの第一包装部21Aに接合されており、第二接合部52は、第二包装部22Aに接合されている。非接合部53は、包装フィルム材料2Aと接しうるものの、包装フィルム材料2Aとは接合されていない。また、非接合部53は、平面視において、包装フィルム材料2Aの切断予定部23と重なっている。補強部材5は、上述した材質を適宜用いればよい。
次に、包材B6を用いた包装体A6の製造方法の一例について、以下に説明する。なお、以下の説明においては、1つの包材B6を用いて後述する包装体A6を製造する場合を例に説明するが、たとえば、複数の包材B6を一体的に接続された包材B6の集合体を用いて、複数の包装体A6を一括して製造してもよい。
図17〜図19は、包材B6を用いた包装体A6の製造工程の一工程を示している。これらの図においては、包材B6の包装フィルム材料2Aに被包装体4が収容された状態を示している。本実施形態においては、被包装体4は、互いに別体とされた第一被包装部41および第二被包装部42からなる。第一被包装部41をいずれかの端縁2Aaから包装フィルム材料2Aに挿入し、第一包装部21Aによって第一被包装部41を収容する。また、第二被包装部42をいずれかの端縁2Aaから包装フィルム材料2Aに挿入し、第二包装部22Aによって第二被包装部42を収容する。
なお、被包装体4は、包装フィルム材料2Aの第一包装部21Aに収容される第一被包装部41および第二包装部22Aに収容される第二被包装部42を有する構成であればよく、第一被包装部41と第二被包装部42とが互いに別体とされた構成に限定されない。たとえば被包装体4は、第一被包装部41と第二被包装部42とが互いに連結されている構成であってもよい。さらに、被包装体4は、第一被包装部41および第二被包装部42以外にこれらとは別体とされた部分を有する構成であってもよい。
本実施形態においては、第一被包装部41が複数の乾電池41aと複数の予備包装フィルム41bとからなり、第二被包装部42が複数の乾電池42aと予備包装フィルム42bとからなる構成を例として説明する。なお、理解の便宜上、図17および図20においては、予備包装フィルム41bおよび予備包装フィルム42bを省略している。乾電池41aおよび乾電池42aは、典型的には略円柱状の単三形乾電池あるいは単四形乾電池である。予備包装フィルム41bおよび予備包装フィルム42bは、包材B6に被包装体4を挿入する前に、予め所定個数の乾電池41aおよび予備包装フィルム41bを一体品として包装するものである。
本実施形態においては、2つの乾電池41aが一組として1つの予備包装フィルム41bによって包装されており、2つの乾電池42aが1組として1つの予備包装フィルム42bに包装されている。そして、第一被包装部41は、4組(8個)の乾電池41aと4つの予備包装フィルム41bとからなり、第二被包装部42は、1組(2個)の乾電池42aと1つの予備包装フィルム42bとからなる。このような形態とすることにより、包装フィルム材料2Aに第一被包装部41および第二被包装部42を挿入する際やその後に、乾電池41aや乾電池42aが単体で意図せず転がってしまうことを防止することが可能であり、第一被包装部41および第二被包装部42を所望の位置に容易かつ正確に配置することができる。
次いで、たとえば所定温度に設定されたスチームトンネル設備や熱風トンネル設備等を用いて包装フィルム材料2Aを熱収縮させる。これにより、図20〜図22に示すように、熱収縮した包装フィルム材料2Aが包装フィルム体2となる。なお、図22においては、熱収縮する前の包装フィルム材料2Aを想像線で示している。
図22に示すように、包装フィルム材料2Aが熱収縮する際には、上述した主延伸方向Sに沿って主に収縮する。また、主延伸方向Sと直角である長手方向においても若干の収縮を示すことが一般的であり、この場合、包装フィルム材料2Aは長手方向にも若干収縮する。ここで、包装フィルム材料2Aの第一包装部21Aは、第一接合部31によって台材1に接合されており、第二包装部22Aは第二接合部32によって台材1に接合されている。したがって、第一包装部21Aが第一接合部31をおおよその中心として収縮する挙動を示し、第二包装部22Aが第二接合部32をおおよその中心として収縮する挙動を示す。このため、主延伸方向Sに沿って延びる切断予定部23には、包装フィルム材料2Aの長手方向(主延伸方向Sと直角な方向)に引っ張る力が作用し、これによって切断予定部23が切断させる。この結果、包装フィルム材料2Aの第一包装部21Aであった部分が第一包装部21となり、第二包装部22Aであった部分が第二包装部22となる。第一包装部21は、第一被包装部41を密着状態で包み、第二包装部22は第二被包装部42を密着状態で包む。すなわち、包装フィルム材料2Aが熱収縮することによって形成される包装フィルム体2は、互いに別体として離間した第一包装部21および第二包装部22からなるものとして構成される。また、補強部材5は、第一接合部51が第一包装部21Aに接合され、第二接合部52が第二包装部22Aに接合されているものの、包装フィルム材料2Aに接合されていない非接合部53を有する。非接合部53が切断予定部23と重なる位置に設けられていることにより、包装フィルム材料2Aが切断予定部23において切断される際には、補強部材5はこの切断を妨げるおそれがない。
また、包装フィルム材料2Aの2つの端縁2Aaは、一方が第一包装部21の端縁21aとなり、他方が第二包装部22の端縁22aとなる。切断予定部23が切断することによって現れた2つの端縁は、一方が第一包装部21の端縁21bとなり、他方が第二包装部22の端縁22bとなる。包装フィルム材料2Aにおける端縁2Aaが意図的な凹凸形状を有さないスムーズな線状であった場合、端縁21aおよび端縁22aは、顕著な凹凸形状を有さないスムーズな線状となり、収縮の具合によって全体としてたとえば楕円形状を呈する。一方、ミシン目線からなる切断予定部23が切断されることによって現れた端縁21bおよび端縁22bは、図20に示すように若干の凹凸を有するものとなる。端縁21bおよび端縁22bの全体形状は、端縁21aおよび端縁22aと同様に収縮の度合いによってたとえば楕円形状を有する。
以上の工程を経ることにより、図20〜図22に示す包装体A6が得られる。包装体A6は、台材1、包装フィルム体2、接合体3、被包装体4および補強部材5を備えて構成されている。包装フィルム体2は、上述した通り互いに離間した別体である第一包装部21および第二包装部22からなる。接合体3は、第一接合部31および第二接合部32からなり、第一接合部31が包装フィルム体2の第一包装部21を台材1の主面1aに接合しており第二接合部32が第二包装部22を台材1の主面1aに接合している。被包装体4は、互いに離間した別体である第一被包装部41および第二被包装部42を有している。第一被包装部41は、第一包装部21によって密着状態で包まれており、第二被包装部42は、第二包装部22によって密着状態で包まれている。補強部材5は、第一接合部51、第二接合部52および非接合部53を有している。第一接合部51が第一包装部21に接合されており、第二接合部52が第二包装部22に接合されている。これにより、補強部材5は、第一被包装部41と42とを連結している。
このような実施形態によっても、第一被包装部41および第二被包装部42からなる被包装体4を適切に包装することができる。また、包材B6の包装フィルム材料2Aに設けられた切断予定部23が収縮過程において切断されることにより、第一包装部21Aを第一被包装部41の形状やサイズに応じて独立して収縮させ、第二包装部22Aを第二被包装部42の形状やサイズに応じて独立して収縮させることができる。したがって、より多様な形態の被包装体4を適切に包装することができる。
接合体3を構成する第一接合部31および第二接合部32は、互いに離間した別体とされている。このため、第一接合部31によって台材1に接合された第一包装部21Aは、第一接合部31を中心として収縮する。この第一接合部31が平面視において第一被包装部41と重なっていれば、第一包装部21Aが第一被包装部41を中心としてバランスよく収縮する。また同様に、第二包装部22Aも第二被包装部42を中心としてバランスよく収縮する。したがって、第一包装部21および第二包装部22によって第一被包装部41および第二被包装部42を適切に包装することができる。また、第一接合部31および第二接合部32が主延伸方向Sと直角である方向に離間し、その間に切断予定部23が位置していることにより、切断予定部23が設けられている包装フィルム材料2Aの部位が接合体3により阻害されることなく熱収縮することが可能であり、切断予定部23の切断が良好になされる。また、切断予定部23が切断された後に第一包装部21Aと第二包装部22Aとをバランスよく安定して収縮させることができる。
図23および図24は、本発明の第七実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A7は、所謂スキンパック包装体と呼ばれるものであり、上述した包装体A1〜A4とは、基本的な包装形態が異なる。包装体A7は、台材1、包装フィルム体20、被包装体4および補強部材5を備えている。図23は、包装体A7を示す斜視図であり、図24は、図23のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
本実施形態で言う台材としては、被包装体4を適切に保持しつつ、後述する脱気を適切に行いうるものであればよく、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、一部に切り欠き(単なる孔やミシン目などを含み、その形状は特に限定されない)が設けられた、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、合成樹脂シート、発泡シート、あるいは多孔質シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。台紙として厚紙が用いられる場合、その厚みは、特に限定されないが、たとえば、0.5mm〜1.0mmである。また、台紙として普通紙、合成紙、コート紙が用いられる場合、その目付量は、特に限定されないが、たとえば、好ましくは50g/m2〜600g/m2であり、さらに好ましくは270g/m2〜500g/m2である。台紙として合成樹脂シートまたは発泡シートが用いられる場合、その厚みは、特に限定されないが、たとえば、40μm〜200μm程度である。本実施形態においては、台材1として矩形状の厚紙からなる台紙を用いる場合を例として説明する。
本実施形態の包装フィルム体20は、1つのフィルム材料からなり、台材1および被包装体4を覆っている。包装フィルム体20と台材1との間が脱気されていることにより、包装フィルム体20は、台材1および被包装体4と、略密着している。包装フィルム体20は、第一包装部25、第二包装部26および接合部27を有している。第一包装部25は、被包装体4の第一被包装部41を密着状態で覆っている。第二包装部26は、被包装体4の第二被包装部42を密着状態で覆っている。接合部27は、包装フィルム体20のうち第一包装部25および第二包装部26以外の部分であり、台材1の主面1aに接合されている。
本実施形態の包装フィルム体20としては、単層構成または一種あるいは二種以上の複層構成の合成樹脂製フィルムが用いられる。また、適宜必要に応じて、ガスバリアー性や遮光性等の各種機能を有する周知のフィルムを用いることもできる。包装フィルム体20の厚みは、通常30μm〜300μm、好ましくは60μm〜200μmである。なお、図23においては、透明な包装フィルム体20が台材1および被包装体4を覆っている状態を示しており、台材1および被包装体4が包装フィルム体20を透して視認可能となっている。
包装フィルム体20の材質としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられ、好ましくは、ポリエチレン系樹脂であり、特に好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレンである。これらは単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド重合体、ナイロン6−66(ナイロン6とナイロン66の共重合体を表す。以下同様に表記する)、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン6−69、ナイロン6−610、ナイロン66−69などの脂肪族ポリアミド共重合体を例示することができる。なかでも、脂肪族ポリアミド共重合体が好ましく、特にナイロン6−66、ナイロン6−10またはナイロン6−12が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロへキサンジメタノール/テレフタレート)などが代表格としてあげられ、更にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどのジオール類、あるいはイソフタール類、ベンゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、サバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたものが使用できる。
本実施形態においては、包装フィルム体20として、融点の異なる樹脂を少なくとも二層以上有する複層構成のフィルムが好ましい。具体的には、たとえば、高融点の樹脂(即ち耐熱性を有し、低融点の樹脂よりも強度のある樹脂)を中間層とし、該中間層の樹脂よりも低融点の樹脂を表裏層とする二種三層で構成されたフィルムや、高融点の樹脂と低融点の樹脂とが交互に複数積層された積層部(通常、高融点の樹脂と低融点の樹脂が一層ずつ積層された複層部を3以上含む)を有するフィルム等が挙げられる。台材1への接着に寄与する低融点の樹脂よりも耐熱性を有する樹脂を積層することにより、スキンパックフィルムの特性として必要な延伸性を低融点の樹脂である程度担保しつつ、高融点の樹脂で包装フィルム体20の強度を向上することができる。また、低融点の樹脂を供えることで台材1と包装フィルム体20の接着性を強固にしつつ、高融点の樹脂によりフィルムの強度を向上できる。
二種三層で構成されたフィルムとしては、たとえば、ポリオレフィン系樹脂(低融点)/ポリオレフィン系樹脂(高融点)/ポリオレフィン系樹脂(低融点)、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、等が挙げられ、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂である。なかでも、ポリオレフィン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレンのいずれかであり、ポリアミド系樹脂が脂肪族ポリアミド共重合体であることが特に好ましい。また、積層部を有するフィルムとしては、上記二種三層で構成されたフィルムと同様の高融点の樹脂および低融点の樹脂が用いられるが、たとえば、ポリアミド系樹脂(高融点)/ポリオレフィン系樹脂(低融点)からなる複層部を4〜8含む積層部を中間層とし、表層にポリアミド系樹脂を、裏層に直鎖状低密度ポリエチレンを積層したフィルムが好適に用いられる。本実施形態においては、直鎖状低密度ポリエチレン/脂肪族ポリアミド共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンから構成される二種三層のフィルムを使用した。
台材1と包装フィルム体20とを接合するために、図24の要部拡大図に示すように、たとえば台材1の片面に接着剤層30が設けられている。この接着剤層30は、ベタ状に設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。また、この接着剤層30が、包装フィルム体20の裏面に設けられていてもよい。包装フィルム体20の裏面に接着剤層30が設けられている場合、台材1側には接着剤層30を設ける必要性はない。接着剤層30の厚みは、特に限定されないが、たとえば、10μm〜30μmである。本実施形態においては、台材1の片面に接着剤層30が設けられている場合を例として説明する。
接着剤層30を形成する接着剤としては、特に限定されず、通常公知の感熱性の接着剤や粘着剤、あるいは感圧性の接着剤や粘着剤が挙げられるが、不必要時に接着性を示さず且つ必要時に接着性を発現させることができることから、感熱性の接着剤や粘着剤(以下、これらを総称して「感熱性接着剤等」という)を用いることが好ましい。
感熱性接着剤は、室温では固化しており且つ加熱されることによって活性化して接着性を発現し、冷却によって固化して部材間を接着する接着剤である。感熱性粘着剤は、室温では固化しており且つ加熱されることによって活性化して接着性を発現して部材間を接着し、冷却後も粘着性が持続する接着剤である。
感熱性接着剤等の種類としては、たとえば、ディレードタック型、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型などが挙げられる。
ディレードタック型は、室温で接着性を示さず、加熱することによって接着性を示し且つ冷却後長時間に亘ってその接着性が持続するものであり、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能なものである。ディレードタック型としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、合成ゴムなどのベース樹脂に粘着付与剤及び固体可塑剤が配合されたものなどが例示される。
エマルジョン型または溶剤型は、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを、水または有機溶剤などに溶解または分散させた溶液を、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能であり、塗工後乾燥して使用するものである。これらも、乾燥後は接着性を示さず、加熱することによって接着性を示すものである。
ホットメルト型は、ホットメルトコーター、エクストルージョンラミネーターなどによって加熱溶融して塗工するものである。この例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが挙げられる。
使用される感熱性接着剤等は、通常、軟化点60℃〜180℃のものが用いられ、好ましくは、軟化点70℃〜140℃である。このような軟化点の接着剤を用いることにより、包装フィルム体20を軟化させるために加熱した際に、その熱で接着剤層30の接着剤を活性化させることができる。なお、前記軟化点は、JIS K 6863に準じて測定できる。
被包装体4は、台材1および包装フィルム体20の間に介在しており、台材1の主面1aによって支持されるとともに、包装フィルム体20によって台材1の主面1aへの固定および保護がなされている。本実施形態においては、平面視矩形状の第一被包装部41および平面視円形状の第二被包装部42からなる被包装体4が、台材1に支持されている。なお、第一被包装部41および第二被包装部42の形状は、図示されたものに限定されず、様々な形状とされる。
補強部材5は、第一接合部51および第二接合部52を有している。第一接合部51は、包装フィルム体20の第一包装部25に接合されており、第二接合部52は、包装フィルム体20の第二包装部26に接合されている。図示された補強部材5は、非接合部53を有するものを例として示されているが、非接合部53を形成しうる非接着面を有さない片面全体が接着面とされた補強部材5であってもよい。さらに、補強部材5は、上述した包装体A1〜A6における補強部材5を適宜採用してもよい。
包装体A7の製造方法を例示すると、まず複数の台材1を形成しうる厚紙材料を用意する。この厚紙材料には、複数個の包装体A7に対応して複数の被包装体4を載置する領域が確保されている。次いで、前記厚紙材料の上面に、複数の被包装体4を載置する。そして、複数の包装フィルム体20となるフィルム材料を前記厚紙材料と複数の被包装体4とに被せる。この際、フィルム材料は、適度な変形を促進するとともに、前記厚紙材料との接着力を発揮させるべく、適切な温度に加熱しておく。
次いで、前記厚紙材料の下面からの吸引、すなわち脱気工程を行う。これにより、前記厚紙材料を通して、前記厚紙材料と前記フィルム材料との間の空気が脱気される。そして、前記フィルム材料が伸展しながら前記厚紙材料および複数の被包装体4に密着する。この後は、各個片が第一被包装部41および第二被包装部42からなる被包装体4を含むように、前記厚紙材料と前記フィルム材料とを切断することにより複数の個片に分割する。また、この切断に先立って、あるいはこの切断の後に、補強部材5の第一接合部51を第一包装部25に接合し、第二接合部52を第二包装部26に接合する。これにより、複数の包装体A7が得られる。
このような実施形態によっても、第一被包装部41および第二被包装部42からなる被包装体4を適切に包装することができる。また、1つのフィルム材料からなる包装フィルム体20によって第一被包装部41および第二被包装部42を一括して包装することが可能である。このため、包装体A7の製造工程において、第一被包装部41や第二被包装部42を個別に筒状フィルムに挿入する手間を省くことができる。
図25は、包装体A7の変形例を示している。本変形例においては、被包装体4は、第一被包装部41および第二被包装部42に加えて連結部43を有している。連結部43は、第一被包装部41および第二被包装部42を連結する部材である。ただし、連結部43は、これのみによって第一被包装部41および第二被包装部42を支持しうるような剛性を有するものではなく、典型的には、比較的軟質な材料からなる帯または紐などである。特に、本実施形態においては、連結部43は、第一被包装部41と第二被包装部42との間において直線状には配置されておらず、迂回するように配置されている。連結部43は、包装フィルム体20のうち第一包装部25および第二包装部26以外の部分によって覆われている。本変形例から理解されるように、本発明においては、被包装体4は、互いに完全に分離された第一被包装部41および第二被包装部42のみからなるものに限定されず、互いに離間した第一被包装部41および第二被包装部42が連結部43によって連結された構成であってもよい。このような被包装体4は、上述した包装体A1〜A6に適宜適用してもよい。
本発明に係る包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る包装体の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。