JP2015120375A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができる車両の制動制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、回生制動装置と液圧制動装置とを備える車両に適用され、要求制動力BPTに基づき回生制動装置及び液圧制動装置を制御する。こうした制御装置は、回生制動装置が車両に付与する実行回生制動力BPRを変化させるに際し、回生制動力の単位時間あたりの変化量である変化勾配の制限値を、液圧制動装置の作動状態に応じた値に設定する。【選択図】図10

Description

本発明は、回生制動装置と液圧制動装置とを備える車両に適用される車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、回生制動装置と液圧制動装置とを協調させて車両全体の制動力を制御する制動制御装置の一例が記載されている。この装置では、回生制動装置が車両に付与する回生制動力の単位時間あたりの変化量である変化速度が予め設定された制限値を超えないように、回生制動装置を制御するようにしている。
液圧制動装置の作動に基づく液圧制動力の応答速度は、回生制動装置の作動に基づく回生制動力の応答速度よりも小さい。そのため、上記の制限値は、回生制動力の変化に対して液圧制動力が十分に追従できるように設定されている。
特開平11−115744号公報
ところで、回生制動装置は、車両に付与する回生制動力に応じた電力を発電し、当該電力をバッテリに蓄電させるようになっている。そして、こうした回生制動装置を備える車両にあっては、車両制動時におけるエネルギ(電力)の回収効率の更なる向上が求められている。
本発明の目的は、車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができる車両の制動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための車両の制動制御装置は、車両に回生制動力を付与する回生制動装置と、車輪に対して設けられているホイールシリンダ内の液圧を調整することにより、車両に液圧制動力を付与する液圧制動装置と、を備える車両に適用され、車両に要求されている要求制動力に基づき、回生制動装置及び液圧制動装置を制御する装置を前提としている。そして、この制動制御装置は、回生制動装置が車両に付与する回生制動力を変化させるに際し、同回生制動力の単位時間あたりの変化量である変化勾配の制限値を、液圧制動装置の作動状態に応じた値に設定する制限値設定部を備える。
液圧制動装置の作動に基づく液圧制動力の応答速度は、小さいときもあれば大きいときもある。そして、液圧制動力の応答速度は、液圧制動装置の作動状態から予測することが可能である。そこで、上記構成では、回生制動力を変更させるに際し、液圧制動力の応答速度が大きくなりやすいと予測できるときには回生制動力の変化勾配の制限値を大きくし、液圧制動力の応答速度が小さくなりやすいと予測できるときには回生制動力の変化勾配の制限値を小さくするようにした。これにより、回生制動力の変化勾配の制限値を、液圧制動力の応答速度が小さいときに合わせた値に固定する場合と比較して、回生制動力を速やかに増大させる機会が増えることとなる。したがって、車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができるようになる。
なお、上記車両の制動制御装置において、制限値設定部は、液圧制動装置の作動状態と相関する要求制動力が大きいほど、回生制動力の変化勾配の制限値を大きくするようにしてもよい。この構成によれば、要求制動力の大きさによって、回生制動力の変化勾配を変更することができる。したがって、回生制動力の変化勾配の制限値を、要求制動力の小さいときの値で固定する場合と比較して、回生制動力を速やかに増大させる機会が増えるため、車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができるようになる。
また、例えば、ホイールシリンダ内の液圧を規定圧だけ増圧(又は減圧)させるために必要な液の流入量(又は流出量)は、その時点の液圧である基準液圧が高いほど少ない。すなわち、ホイールシリンダ内に一定速度で液が流入(又は流出)する場合、基準液圧が高いほど、ホイールシリンダ内の液圧に相当する液圧制動力の応答速度が大きくなりやすい。そこで、制限値設定部は、ホイールシリンダ内の液圧が高いほど、回生制動力の変化勾配の制限値を大きくすることが好ましい。この構成によれば、ホイールシリンダ内の液圧が高く、液圧制動力の応答速度が大きいほど、回生制動力が速やかに変化される。そのため、回生制動力を増大させる場合、ホイールシリンダ内の液圧が高いほど回生制動力を速やかに増大させることができる。したがって、回生制動力の変化勾配の制限値を、ホイールシリンダ内の液圧が低いときの値で固定する場合と比較して、回生制動力を速やかに増大させる機会が増えるため、車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができるようになる。
また、上記車両の制動制御装置は、液圧制動装置に対する要求値である要求液圧制動力と液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力との差分が不感帯相当値を超えているときに、液圧制動装置を制御して液圧制動力を目標液圧制動力に近づける液圧制御部を備えるようにしてもよい。この場合、要求液圧制動力が変更され、上記の差分が不感帯相当値よりも大きくなると液圧制動装置の作動によって液圧制動力が目標液圧制動力に近づくようになる。
また、要求制動力を保持するモードを保持モードとし、要求制動力を大きくするモードを増大モードとし、要求制動力を小さくするモードを減少モードとする。モードが保持モードであり、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が保持されている場合、液圧制動力と要求液圧制動力との差分は不感帯相当値以下となっている。そして、保持モードから増大モードへの移行によって液圧制動力を増大させる場合にあっては、要求液圧制動力が大きくなり、要求液圧制動力が液圧制動力よりも大きい状態で且つ上記の差分が不感帯相当値を超えてから、液圧制動装置の作動によって液圧制動力の増大が開始される。
また、モードが減少モードであり、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が減少されている場合、液圧制動力は要求液圧制動力よりも大きい。そのため、減少モードから増大モードへの移行によって液圧制動力を増大させる場合にあっては、要求液圧制動力が大きくなって同要求液圧制動力が液圧制動力よりも大きくなり、その後、上記の差分が不感帯相当値を超えてから、液圧制動装置の作動によって液圧制動力の増大が開始される。
すなわち、モードの切り替わりによって液圧制動力を増大させる場合、増大モードへの移行時点と、液圧制動装置の作動によって実際に液圧制動力の増大が開始される時点との間にはタイムラグが生じる。
また、車両全体の制動力を増大させる方法としては、液圧制動力のみを増大させる方法(第1の方法)、回生制動力のみを増大させる方法(第2の方法)、液圧制動力及び回生制動力の双方を増大させる方法(第3の方法)が挙げられる。そして、回生制動力の増大を含まない第1の方法で車両全体の制動力を増大させる場合の増大態様と、回生制動力の増大を含む第2の方法や第3の方法で車両全体の制動力を増大させる場合の増大態様とが異なっていると、車両の減速態様が、選択された方法によって変わることとなる。この場合、車両乗員に違和感を与えてしまうおそれがある。こうした違和感を車両乗員に与えにくくするためには、車両全体の制動力を増大させる方法として第1〜第3の方法の何れが選択されても、車両全体の制動力の増大態様が一様であることが好ましい。
そこで、上記車両の制動制御装置において、制限値設定部は、保持モード又は減少モードから増大モードに移行するとき、モードの切り替わる時点から規定時間が経過する時点までの期間である規定期間内での回生制動力の変化勾配の制限値を、同規定期間を過ぎた後での回生制動力の変化勾配の制限値よりも小さくすることが好ましい。
上記構成によれば、増大モードへの移行によって回生制動力を増大させる場合、上記の規定期間内では、同規定期間を過ぎた後よりも回生制動力が緩やかに増大される。このように規定期間内であるか同規定期間を過ぎたかによって、回生制動力の増大勾配を変更することにより、第1〜第3の方法のうち何れの方法が選択されても、車両全体の制動力の増大態様に相違が生じにくくなる。すなわち、選択される増大方法が異なっても、車両の減速態様に相違が生じにくい。そのため、車両の減速態様の相違に起因する違和感を車両乗員に与えにくくすることができるようになる。
また、上記のタイムラグの長さは、その時々によって変わる。例えば、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力未満である状態でモードが増大モードに移行される場合、上記のタイムラグは、液圧制動力が要求液圧制動力以上である状態でモードが増大モードに移行される場合よりも短くなる。そこで、上記車両の制動制御装置は、規定期間の長さを設定する期間長設定部をさらに備えてもよい。そして、期間長設定部は、保持モード又は減少モードから増大モードに移行するに際し、モードの切り替わる時点で液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力未満であるときには、規定期間を、モードの切り替わる時点で液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力以上であるときよりも短くすることが好ましい。
上記構成によれば、増大モードに移行させるに際し、上記のタイムラグが短いと予測されるときには、回生制動力が緩やかに増大される規定期間が短くされる。その結果、上記の第2の方法や第3の方法で回生制動力を増大させた場合の車両全体の制動態様を、第1の方法で液圧制動力を増大させる場合の車両全体の制動態様により近づけることができる。すなわち、選択される増大方法が異なっても、車両の減速態様に相違が生じにくいため、車両の減速態様の相違に起因する違和感を車両乗員に与えにくくすることができるようになる。
また、増大モードによって液圧制動力を増大させる場合、要求液圧制動力の増大勾配が大きいほど、要求液圧制動力と液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力との差分が早期に不感帯相当値以上になりやすい。すなわち、上記のタイムラグは、増大モードでの要求液圧制動力の増大勾配が大きいほど短くなる。そこで、上記車両の制動制御装置において、期間長設定部は、保持モード又は減少モードから増大モードに移行するときに、同増大モードでの要求制動力の増大勾配が大きいほど規定期間を短くすることが好ましい。この構成によれば、上記のタイムラグが短いと予測されるときには、回生制動力が緩やかに増大される規定期間が短くなる。このように規定時間の長さの適正化を図ることにより、増大態様の相違に起因する違和感を車両乗員にさらに与えにくくすることができるようになる。
また、規定期間を、上記のタイムラグが最長となる状況に応じた値で固定する場合と比較して、回生制動力の増大勾配を早期に大きくすることができる分、車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができるようになる。
なお、上記車両の制動制御装置は、ブレーキ操作部材の操作量が多いほど要求制動力を大きくする要求制動力演算部を備えることが好ましい。この構成によれば、運転者がブレーキ操作部材を操作しているときには、運転者によるブレーキ操作部材の操作量に応じて、車両に対する要求制動力を演算することができる。
車両の制動制御装置の一実施形態である制御装置を備えるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図。 ブレーキ操作が行われているときのタイミングチャートであって、(a)は車体速度の推移を示し、(b)は実行制動力及び実行回生制動力の推移を示し、(c)は実行液圧制動力の推移を示す。 ホイールシリンダ圧とホイールシリンダ圧を変動させるために必要なブレーキ液の量との関係を示すグラフ。 液圧制動力を増大させる途中でその増大勾配が変化する場合のホイールシリンダ圧の推移を示すタイミングチャート。 減少状態から増大状態に移行した場合のホイールシリンダ圧の推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(c)は、保持状態から増大状態に移行した場合のホイールシリンダ圧の推移を示すタイミングチャート。 ブレーキ操作が行われているときに実行される処理ルーチンを説明するフローチャート。 要求回生制動力を演算するために実行される処理ルーチンを説明するフローチャート。 回生制動力の増大勾配の制限値を決定するために実行される処理ルーチンを説明するフローチャート。 車両制動時のタイミングチャートであって、(a)は要求制動力の推移を示し、(b)は実行回生制動力の推移を示し、(c)は実行液圧制動力の推移を示す。
以下、車両の制動制御装置を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1には、本実施形態の車両の制動制御装置である制御装置100を備えるハイブリッド車両が図示されている。図1に示すように、ハイブリッド車両には、2モータ方式のハイブリッドシステム10と、全ての車輪FL,FR,RL,RRに対して制動力(液圧制動力)を付与する液圧制動装置20とが設けられている。
ハイブリッドシステム10は、ガソリンなどの燃料の供給によって運転されるエンジン11を備えている。このエンジン11のクランク軸11aには、遊星歯車機構などを有する動力伝達機構12を通じて第1のモータ13及び第2のモータ14が連結されている。動力伝達機構12は、エンジン11からの動力を第1のモータ13及び駆動輪である前輪FL,FRに分割して伝達する。また、第2のモータ14の駆動時では、動力伝達機構12は、第2のモータ14からの動力を前輪FL,FRに伝達する。
第1のモータ13は、動力伝達機構12を介して伝達された動力によって発電する。そして、第1のモータ13で発電された電力は、インバータ15を介してバッテリ16に供給されて蓄電される。
第2のモータ14は、運転者がアクセルペダル18を操作する場合には車両の駆動源として機能する。このとき、第2のモータ14には、インバータ15を介してバッテリ16から電力が供給される。すると、第2のモータ14で発生した動力は、動力伝達機構12及びディファレンシャル17を介して前輪FL,FRに伝達される。なお、アクセルペダル18の近傍には、アクセルペダル18の操作量であるアクセル操作量に応じた信号を制御装置100に出力するアクセル開度センサSE1が設けられている。
一方、第2のモータ14には、運転者がブレーキ操作部材としてのブレーキペダル21を操作するブレーキ操作時、前輪FL,FRの回転に伴う動力がディファレンシャル17及び動力伝達機構12を通じて伝達される。このとき、第2のモータ14は発電機として機能し、この第2のモータ14で発電された電力は、インバータ15を介してバッテリ16に供給されて蓄電される。そして、このように発電する第2のモータ14は、第2のモータ14での発電量に応じた回生制動力を車両に対して付与する。したがって、本実施形態では、第2のモータ14により、「回生制動装置」の一例を構成される。
液圧制動装置20は、ブレーキペダル21が駆動連結されている液圧供給装置22と、車輪FL,FR,RL,RRに対する液圧制動力を自動調整可能なブレーキアクチュエータ23とを備えている。また、液圧制動装置20には、ブレーキペダル21の操作量を検出するブレーキ操作量検出センサSE2が設けられている。
こうした液圧制動装置20は、車輪FL,FR,RL,RR毎に設けられているブレーキ機構のホイールシリンダ24a,24b、24c,24d内にブレーキ液を供給すべく動作する供給ポンプを有している。また、液圧制動装置20は、ホイールシリンダ24a〜24d内へのブレーキ液の流入速度を調整するための弁及びホイールシリンダ24a〜24d内からのブレーキ液の流出速度を調整するための弁などを有している。
ブレーキ機構は、車輪FL,FR,RL,RRと一体回転する回転体(例えば、ディスク)と、車体に支持されている摩擦材(例えば、ブレーキパッド)とを備えている。そして、摩擦材は、ホイールシリンダ24a〜24d内の液圧であるホイールシリンダ圧(以下、「WC圧」ともいう。)に応じた力で回転体に押しつけられる。すなわち、ブレーキ機構は、WC圧に応じた液圧制動力を車輪FL,FR,RL,RRに付与するようになっている。なお、本実施形態では、運転者によるブレーキ操作時に液圧制動力が車両に付与される場合、各ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧はほぼ同圧とされる。
次に、制御装置100について説明する。
図1に示すように、制御装置100には、アクセル開度センサSE1及びブレーキ操作量検出センサSE2に加え、車両の車体速度VSを検出するための車速センサSE3が電気的に接続されている。そして、制御装置100は、各センサSE1〜SE3などの各種検出系からの検出信号に基づき車両制御を統括的に行う。
こうした制御装置100は、パワーマネージメントコンピュータ101と、エンジン11を制御するエンジン制御ユニット102と、第1及び第2の各モータ13,14を制御するモータ制御ユニット103と、液圧制動装置20を制御するブレーキ制御ユニット104とを備えている。
パワーマネージメントコンピュータ101は、運転者がアクセル操作を行う場合、車両の走行状態に基づき、エンジン11に要求する要求動力及び第2のモータ14に要求する要求動力を演算する。そして、パワーマネージメントコンピュータ101は、演算した要求動力に基づいた制御指令をエンジン制御ユニット102及びモータ制御ユニット103に個別に送信する。
また、パワーマネージメントコンピュータ101は、運転者がブレーキ操作を行う場合、ブレーキ制御ユニット104から受信した要求回生制動力に関する情報をモータ制御ユニット103に送信する。また、パワーマネージメントコンピュータ101は、第2のモータ14によって車両に付与されている回生制動力である実行回生制動力に関する情報をモータ制御ユニット103から受信し、同実行回生制動力に関する情報をブレーキ制御ユニット104に送信する。
モータ制御ユニット103は、運転者によるブレーキ操作に伴う車両減速時には、パワーマネージメントコンピュータ101から要求回生制動力に関する情報を受信する。また、モータ制御ユニット103は、その時点でのバッテリ16の蓄電量及び前輪FL,FRの車輪速度(すなわち、車両の車体速度VS)に基づき、前輪FL,FRに付与することのできる回生制動力の最大値を演算する。そして、モータ制御ユニット103は、その時点の回生制動力の最大値が要求回生制動力以上である場合、要求回生制動力と等しい実行回生制動力が前輪FL,FRに付与されるように第2のモータ14に発電させる。一方、モータ制御ユニット103は、その時点の回生制動力の最大値が要求回生制動力未満である場合、回生制動力の最大値と等しい実行回生制動力が前輪FL,FRに付与されるように第2のモータ14に発電させる。また、モータ制御ユニット103は、実行回生制動力に関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する。
ブレーキ制御ユニット104は、運転者がブレーキ操作を行う場合、ブレーキ操作量検出センサSE2からの信号に基づき、車両に対する要求制動力を演算する。このとき、要求制動力は、ブレーキ操作量が多いほど大きくされる。そして、ブレーキ制御ユニット104は、演算した車両に対する要求制動力などに基づき要求回生制動力を演算し、該要求回生制動力に関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する。
このとき、ブレーキ制御ユニット104は、車両に対する要求制動力を回生制動力だけで賄うことができると判断した場合、すなわち要求制動力と実行回生制動力とが等しい場合、液圧制動装置20を作動させない。つまり、ブレーキ制御ユニット104は、液圧制動装置20から車両に対して液圧制動力を付与させない。一方、ブレーキ制御ユニット104は、車両に対する要求制動力を回生制動力だけで賄うことができない場合、すなわち実行回生制動力が要求制動力未満である場合、車両に対して液圧制動力を付与させる。なお、液圧制動装置20によって車両に付与されている液圧制動力のことを、「実行液圧制動力」ともいう。
次に、図2に示すタイミングチャートを参照して、ブレーキ操作に伴う車両制動時における回生制動力と液圧制動力との協調制御の一例について説明する。なお、ここでの説明において、実行回生制動力BPRと実行液圧制動力BPPとの和を「実行制動力BPA」というものとする。
図2(a),(b),(c)に示すように、第1のタイミングt11でブレーキ操作が開始されると、ブレーキ操作量の増大に合わせて要求制動力BPTが次第に大きくなり、要求制動力BPTの増大に合わせて実行制動力BPAが大きくなる。なお、第1のタイミングt11から第2のタイミングt12までの期間では、実行液圧制動力BPPが車両に付与されていないため、実行制動力BPAは実行回生制動力BPRと等しい値となる。
そして、第2のタイミングt12以降からは、要求制動力BPTと実行回生制動力BPRとの間にずれが生じるようになる。そのため、第2のタイミングt12以降では、要求制動力BPTから実行回生制動力BPRを減じた差に実行液圧制動力BPPを近づけるべく液圧制動装置20が作動する。すなわち、車両には、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧に応じた実行液圧制動力BPPが付与される。よって、第2のタイミングt12から第3のタイミングt13までの期間では、実行制動力BPAは、実行回生制動力BPRと実行液圧制動力BPPとの和と等しくなる。そして、第3のタイミングt13に達すると、実行回生制動力BPRが要求制動力BPTに達したと見なされ、実行液圧制動力BPPが「0(零)」となる。すなわち、第3のタイミングt13以降では、実行制動力BPAは、実行液圧制動力BPPと等しい値となる。
なお、詳しくは後述するが、液圧制動装置20の制御特性の関係上、第2のタイミングt12から第3のタイミングt13までの期間においては、実行液圧制動力BPPは、要求制動力BPTから実行回生制動力BPRを減じた差と等しい値であるとは限らない。言い換えると、実行制動力BPAは、要求制動力BPTとは多少ずれた値となる。
ところで、液圧制動装置20によって車両に付与される液圧制動力の応答速度は、回生制動装置である第2のモータ14によって車両に付与される回生制動力の応答速度よりも小さい。そのため、回生制動力と液圧制動力との双方を付与することのできる車両にあっては、回生制動力の応答速度を、液圧制動力の応答速度に応じた速度に設定することが好ましい。すなわち、液圧制動力の応答速度が大きいと想定されている状況下で回生制動力を変動(増大や減少)させる場合には、回生制動力の応答速度を大きくすることが好ましい。反対に、液圧制動力の応答速度が小さいと想定されている状況下で回生制動力を変動させる場合には、回生制動力の応答速度を小さくすることが好ましい。これにより、液圧制動力のみを調整する場合、回生制動力のみを調整する場合、液圧制動力及び回生制動力の双方を調整する場合の何れであっても、車両全体の制動力の変動態様のばらつきを抑えることができる。すなわち、運転者によるブレーキ操作によって要求制動力が変動する場合において、ブレーキペダル21を操作する運転者に違和感を与えにくくすることができる。
なお、液圧制動装置20によって車両に付与される液圧制動力の応答速度は、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧の大きさ、及び液圧制動力の増大が開始される前の状態によって変わりうる。
図3を参照して、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcに応じた液圧制動力の応答速度の変化について説明する。
図3には、WC圧Pwcと、WC圧Pwcを変更(増圧や減圧)させるために必要なブレーキ液の液量Yとの関係を示している。図3に示すように、WC圧Pwcを増圧させるために必要なブレーキ液の液量Yは、WC圧Pwcが低いときほど多くなる。例えば、WC圧Pwcを、第11の液圧Pwc11から、第11の液圧Pwc11よりも所定量ΔPwc1だけ高い第12の液圧Pwc12まで増圧させるための液量は、第1の液量ΔY1である。これに対し、WC圧Pwcを、第12の液圧Pwc12よりも高い第21の液圧Pwc21から、第21の液圧Pwc21よりも所定量ΔPwc1だけ高い第22の液圧Pwc22まで増圧させる場合に必要な液量は、第1の液量ΔY1よりも少ない第2の液量ΔY2である。
すなわち、WC圧Pwcが低い状態で同WC圧Pwcを増圧させたり減圧させたりする場合は、WC圧Pwcが高い状態で同WC圧Pwcを増圧させたり減圧させたりする場合よりも、ホイールシリンダ24a〜24d内へのブレーキ液の流入量又はホイールシリンダ24a〜24dからのブレーキ液の流出量が多くなる。そのため、WC圧Pwcが高いほど、WC圧Pwcの変化勾配が急勾配になりやすい分、液圧制動力の応答速度が大きくなる。
図4〜図6を参照して、液圧制動装置20の作動によって液圧制動力が増大される前の状態に応じた液圧制動力の応答速度の変化について説明する。
始めに、要求液圧制動力としての目標液圧制動力BPPTの変動に合わせた実行液圧制動力BPPの制御について説明する。すなわち、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPP(=|BPPT−BPP|)が所定の不感帯相当値D1以下である場合、目標液圧制動力BPPTが変動(増大又は減少)しても、実行液圧制動力BPPは保持される。すなわち、目標液圧制動力BPPTに不感帯相当値D1を加算した和と、目標液圧制動力BPPTから不感帯相当値D1を減じた差との間が、制御の不感帯領域DZに設定される。そして、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1よりも大きいと、液圧制動装置20は、目標液圧制動力BPPTに実行液圧制動力BPPを近づけるべく作動される。
次に、図4を参照して、目標液圧制動力BPPTの増大途中でその増大速度が変わる場合について説明する。図4に示すように、増大速度が切り替わるタイミングt21よりも以前では、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1以下とならない範囲で、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTの増大に応じて増大される。このときの実行液圧制動力BPPの増大速度は、目標液圧制動力BPPTの増大速度とほぼ等しい。そして、上記のタイミングt21に達し、目標液圧制動力BPPTの増大速度が大きくされる。このとき、上記の差分ΔBPPは不感帯相当値D1よりも大きい。そのため、タイミングt21で目標液圧制動力BPPTの増大速度が大きくなっても、実行液圧制動力BPPは、変更後における目標液圧制動力BPPTの増大速度とほぼ等しい速度で増大される。
すなわち、目標液圧制動力BPPTの増大途中でその増大速度が変更される場合にあっては、実行液圧制動力BPPの応答速度は比較的大きい。
次に、図5を参照して、目標液圧制動力BPPTを減少させる減少状態から目標液圧制動力BPPTを増大させる増大状態に移行させる場合について説明する。図5に示すように、第1のタイミングt31までの減少状態では、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTに不感帯相当値D1を加算した和よりも僅かに大きい状態で、目標液圧制動力BPPTの減少に合わせて減少される。
そして、第1のタイミングt31で増大状態に移行されると、目標液圧制動力BPPTが増大されることにより、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPPが不感帯相当値D1以下となる。そのため、第1のタイミングt31からは実行液圧制動力BPPは保持される。そして、第2のタイミングt32で実行液圧制動力BPPが目標液圧制動力BPPTと等しくなり、その後の第3のタイミングt33で実行液圧制動力BPPが目標液圧制動力BPPTよりも小さい状態で上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1と等しくなる。すると、第3のタイミングt33の経過を契機に、実行液圧制動力BPPの増大が開始される。
すなわち、目標液圧制動力BPPTの増大開始(第1のタイミングt31)と、実行液圧制動力BPPの増大開始(第3のタイミングt33)との間に、タイムラグTLが生じる。そして、このようにタイムラグTLが生じる分、液圧制動力の応答速度が小さくなる。
次に、図6(a),(b),(c)を参照して、目標液圧制動力BPPTを保持する保持状態から増大状態に移行させる場合について説明する。
図6(a)には、保持状態では目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとがほぼ等しい場合、すなわち差分ΔBPPがほぼ「0(零)」である場合が図示されている。この場合、第1のタイミングt41で保持状態から増大状態になっても、第1のタイミングt41から、差分ΔBPPが不感帯相当値D1と等しい第2のタイミングt42までは、実行液圧制動力BPPの保持が継続される。すなわち、第1のタイミングt41から第2のタイミングt42までの期間が、タイムラグTLとなる。そして、第2のタイミングt42が経過すると、実行液圧制動力BPPが増大され始める。
なお、この場合、目標液圧制動力BPPTの増大の開始時点では、図5に示す減少状態から増大状態に移行させる場合と比較して、上記の差分ΔBPPが小さい。そのため、液圧制動力の応答速度は、減少状態から増大状態に移行させる場合よりも大きい。
ただし、保持状態から増大状態への移行時に発生するタイムラグTLの長さは、保持状態時における目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの大小関係によっても変わる。すなわち、図6(b)に示すように、第1のタイミングt51で実行液圧制動力BPPの減少状態から保持状態に移行された場合、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTよりも大きい状態で保持される。その後の第2のタイミングt52で保持状態から増大状態に移行されると、目標液圧制動力BPPTの増大は開始されるものの、上記の差分ΔBPPは不感帯相当値D1以下となるため、実行液圧制動力BPPの保持は継続される。そして、第3のタイミングt53で差分ΔBPPが不感帯相当値D1よりも大きくなると、実行液圧制動力BPPの増大が開始される。
この場合、第2のタイミングt52から第3のタイミングt53までの期間がタイムラグTLとなるが、この場合のタイムラグTLは、図6(a)に示す場合のタイムラグTLよりも長い。すなわち、液圧制動力の応答速度は、図6(a)に示す場合よりも小さい。
また、図6(c)に示すように、第1のタイミングt61で増大状態から保持状態に移行された場合、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTよりも小さい状態で保持される。その後の第2のタイミングt62で保持状態から増大状態に移行されると、目標液圧制動力BPPTの増大が開始されると直後の第3のタイミングt63で、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1よりも大きくなる。そのため、第3のタイミングt63で、実行液圧制動力BPPの増大が開始される。
この場合、第2のタイミングt62から第3のタイミングt63までの期間がタイムラグTLとなるが、この場合のタイムラグTLは、図6(a)に示す場合及び図6(b)に示す場合よりも短くなる。すなわち、液圧制動力の応答速度は、図6(a)に示す場合及び図6(b)に示す場合よりも大きい。
次に、図7〜図9に示すフローチャートを参照して、運転者のブレーキ操作時にブレーキ制御ユニット104が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、運転手のブレーキ操作中において予め設定された制御サイクル毎に実行される。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、ブレーキ制御ユニット104は、ブレーキ操作量検出センサSE2によって検出されたブレーキ操作量に基づいて要求制動力BPTを演算する(ステップS11)。この点で、ブレーキ制御ユニット104により、「要求制動力演算部」の一例が構成される。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、要求回生制動力BPRTを演算し、この要求回生制動力BPRTに関する情報をモータ制御ユニット103に送信する(ステップS12)。なお、このステップS12の処理については、後述する。
そして、ブレーキ制御ユニット104は、現時点で第2のモータ14が車両に付与している回生制動力である実行回生制動力BPRをモータ制御ユニット103から取得する(ステップS13)。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS11で演算した要求制動力BPTからステップS13で取得した実行回生制動力BPRを減じた差(=BPT−BPR)を目標液圧制動力BPPTとする(ステップS14)。そして、ブレーキ制御ユニット104は、演算した目標液圧制動力BPPTに実行液圧制動力BPPを近づけるように液圧制動装置20を制御する(ステップS15)。この点で、本実施形態では、ブレーキ制御ユニット104により、「液圧制御部」の一例が構成される。その後、ブレーキ制御ユニット104は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、上記ステップS12の要求回生制動力BPRTを演算するための処理ルーチンについて説明する。
図8に示すように、本処理ルーチンにおいて、ブレーキ制御ユニット104は、暫定要求回生制動力BPRT1を演算する(ステップS21)。暫定要求回生制動力BPRT1は、液圧制動力の応答速度などとは関係なく、モータ制御ユニット103に対して要求する回生制動力のことである。そして、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS21で演算した暫定要求回生制動力BPRT1から上記のステップS13で取得した実行回生制動力BPRを減じた差(=BPRT1−BPR)を、回生勾配ΔBPRとする(ステップS22)。
続いて、ブレーキ制御ユニット104は、回生制動力の増大要求があるか否かを判定する(ステップS23)。例えば、ステップS23では、ステップS22で演算した回生勾配ΔBPRが正の値である場合に、回生制動力の増大要求があると判定するようにしてもよい。そして、回生制動力の増大要求がない場合(ステップS23:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、要求回生制動力BPRTを、ステップS21で演算した暫定要求回生制動力BPRT1に決定し(ステップS24)、その処理を後述するステップS27に移行する。
一方、回生制動力の増大要求がある場合(ステップS23:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、回生制動力の増大勾配(変化勾配の一例)の制限値ΔLimを演算する(ステップS25)。この制限値ΔLimは、そのときの液圧制動力の応答速度が大きいほど大きい値に決定される。この点で、本実施形態では、ブレーキ制御ユニット104により、「制限値設定部」の一例が構成される。なお、この制限値ΔLimの演算方法については、後述する。
続いて、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS22で演算した回生勾配ΔBPR又はステップS25で演算した制限値ΔLimに基づき、要求回生制動力BPRTを演算する(ステップS26)。すなわち、上記のステップS13で取得した実行回生制動力BPRに、回生勾配ΔBPR及び制限値ΔLimのうち小さい方の値を加算し、その和を要求回生制動力BPRTとする。例えば、制限値ΔLimが回生勾配ΔBPRよりも小さい場合、実行回生制動力BPRと制限値ΔLimとの和が要求回生制動力BPRTとされる。そして、ブレーキ制御ユニット104は、その処理を次のステップS27に移行する。
ステップS27において、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS24又はステップS26で演算した要求回生制動力BPRTに関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する。その後、ブレーキ制御ユニット104は、本処理ルーチンを終了する。なお、ブレーキ制御ユニット104から情報を受信したパワーマネージメントコンピュータ101は、同情報をモータ制御ユニット103に送信する。
次に、図9に示すフローチャートを参照して、上記ステップS25の回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimを演算するための処理ルーチンについて説明する。
図9に示すように、本処理ルーチンにおいて、ブレーキ制御ユニット104は、現時点のホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcを取得する(ステップS31)。このステップS31で取得するWC圧Pwcは、WC圧を検出するセンサが車両に設けられている場合には同センサによって検出されたセンサ値であってもよいし、液圧制動装置20の作動態様に基づいて演算する推定値であってもよい。
そして、ブレーキ制御ユニット104は、取得したWC圧Pwcに基づき、WC圧補正値K1を決定する(ステップS32)。このWC圧補正値K1は、現時点のWC圧Pwcに基づき回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimを決定する際に用いられる補正値である。なお、上述したように、液圧制動装置20の作動に基づく液圧制動力の応答速度は、WC圧Pwcが高いほど大きい(図3参照)。そのため、WC圧補正値K1は、現時点のWC圧Pwcが高いほど大きい値に決定される。
続いて、ブレーキ制御ユニット104は、車両に対する制動力を制御するためのモードが、要求制動力BPTを増大させる増大モードに移行されたか否かを判定する(ステップS33)。すなわち、このステップS33では、前回の本処理ルーチンの実行時には要求制動力BPTを保持する保持モード又は要求制動力BPTを減少させる減少モードであり、今回の本処理ルーチンの実行時には増大モードである場合には、肯定判定(YES)とされる。一方、現時点のモードが増大モードではない場合、現時点のモードが増大モードであっても前回の本処理ルーチンの実行時のモードが増大モードである場合には、否定判定(NO)とされる。
保持モード又は減少モードから増大モードへの移行時ではない場合(ステップS33:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、増大モードに移行した直後と見なせるか否かを判別するための増大モードフラグFLGがオンであるか否かを判定する(ステップS34)。増大モードフラグFLGがオンである場合には、増大モードに移行した直後であると見なすことができる一方、増大モードフラグFLGがオフである場合には、増大モードに移行した直後ではない(すなわち、保持モード又は減少モードである場合、増大モードに移行してからある程度時間が経過している場合)と見なすことができる。
そして、増大モードフラグFLGがオンである場合(ステップS34:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、その処理を後述するステップS43に移行する。一方、増大モードフラグFLGがオフである場合(ステップS34:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、その処理を後述するステップS47に移行する。
一方、保持モード又は減少モードから増大モードへの移行時である場合(ステップS33:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、増大モードフラグFLGをオンとする(ステップS35)。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、現時点の目標液圧制動力BPPTを取得し(ステップS36)、液圧制動装置20によって車両に付与されている実行液圧制動力BPPを取得する(ステップS37)。なお、ここで取得される実行液圧制動力BPPは、ステップS31で取得したWC圧Pwcに応じた値である。
そして、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS36で取得した目標液圧制動力BPPTとステップS37で取得した実行液圧制動力BPPとがほぼ等しいか否かを判定する(ステップS38)。例えば、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPPが、上記の不感帯相当値D1よりも小さい誤差判断値以下であるときには、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとがほぼ等しいと判定するようにしてもよい。
目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとがほぼ等しい場合(ステップS38:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、規定期間Xを、規定時間の一例である第1の時間X1に決定する(ステップS39)。この点で、本実施形態では、ブレーキ制御ユニット104により、規定期間の長さを設定する「期間長設定部」の一例が構成される。その後、ブレーキ制御ユニット104は、その処理を後述するステップS43に移行する。なお、規定期間Xは、上述したタイムラグTL(図5及び図6参照)に応じた期間である。目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとがほぼ等しい場合としては、例えば、図6(a)に示す状態を挙げることができる。そして、第1の時間X1は、この図6(a)に示す状態でのタイムラグTLの長さに応じた時間に設定されている。
図9に戻り、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPPが大きい場合(ステップS38:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、目標液圧制動力BPPTが実行液圧制動力BPPよりも小さいか否かを判定する(ステップS40)。目標液圧制動力BPPTが実行液圧制動力BPPよりも小さい場合(ステップS40:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、規定期間Xを、規定時間の一例である第2の時間X2に決定する(ステップS41)。その後、ブレーキ制御ユニット104は、その処理を後述するステップS43に移行する。なお、目標液圧制動力BPPTが実行液圧制動力BPPよりも小さい場合としては、例えば、図6(b)に示す状態を挙げることができる。そして、第2の時間X2は、第1の時間X1よりも長く、図6(b)に示す状態でのタイムラグTLの長さに応じた時間に設定されている。
図9に戻り、目標液圧制動力BPPTが実行液圧制動力BPPよりも大きい場合(ステップS40:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、規定期間Xを、規定時間の一例である第3の時間X3に決定する(ステップS42)。その後、ブレーキ制御ユニット104は、その処理を後述するステップS43に移行する。なお、目標液圧制動力BPPTが実行液圧制動力BPPよりも大きい場合としては、例えば、図6(c)に示す状態を挙げることができる。そして、第3の時間X3は、第1の時間X1よりも短く、図6(c)に示す状態でのタイムラグTLの長さに応じた時間に設定されている。
ステップS43において、ブレーキ制御ユニット104は、現時点が規定期間X内に含まれているか否かを判定する。そして、規定期間X内である場合(ステップS43:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、モード補正値K2を第1補正候補値K21に決定し(ステップS44)、その処理を後述するステップS47に移行する。このモード補正値K2は、液圧制動力の応答遅れを考慮して回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimを決定する際に用いられる補正値である。例えば、第1補正候補値K21は、「0(零)」又は「0(零)」に近い値としてもよい。
一方、規定期間Xの経過後である場合(ステップS43:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、増大モードフラグFLGにオフをセットする(ステップS45)。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、モード補正値K2を、第1補正候補値K21よりも大きい第2補正候補値K22に決定し(ステップS46)、その処理を次のステップS47に移行する。
ステップS47において、ブレーキ制御ユニット104は、制限基準値ΔLimBに、決定したWC圧補正値K1及びモード補正値K2を加算した和(=ΔLimB+K1+K2)を、回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimとする。そして、ブレーキ制御ユニット104は、本処理ルーチンを終了する。なお、制限基準値ΔLimBは、液圧制動力の応答速度が最小となる場合における制限値又は同制限値に応じた値に決定されている。
次に、図10を参照して、運転者のブレーキ操作中における作用について説明する。
図10(a),(b),(c)に示すように、運転者によるブレーキ操作量が一定であるために要求制動力BPTが一定である状態で、回生制動力を増大させることができるようになったとする。この場合、第1のタイミングt71以降のように、実行回生制動力BPRの増大に連動して実行液圧制動力BPPを減少させることとなる。
第1のタイミングt71では、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcが比較的高く、実行液圧制動力BPPが比較的大きいものとする。この場合、WC圧補正値K1が大きい値に決定されることにより(ステップS32)、実行液圧制動力BPPの応答速度は比較的大きい。そのため、回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimは大きくされ、図10(b)に実線で示すように、実行回生制動力BPRは早期に増大される。すなわち、第2のタイミングt72で、実行回生制動力BPRは、その時点で車両に付与することのできる回生制動力の最大値に応じた値BPR_Maxになる。
ここで、図10(b)には、回生制動力の増大開始時点である第1のタイミングt71におけるWC圧Pwcの大きさに関係なく、制限値ΔLimをWC圧Pwcが低い状態に応じた値で固定される比較例が図示されている。例えば、この比較例では、制限値ΔLimが制限基準値ΔLimBとされているものとする。この場合、比較例では、図10(b)に破線で示すように、実行回生制動力BPRは緩やかに増大される。そのため、第2のタイミングt72よりも後の第3のタイミングt73で、実行回生制動力BPRが、その時点で車両に付与することのできる回生制動力の最大値に応じた値BPR_Maxになる。
これに対し、本実施形態では、実行回生制動力BPRは、その時点の実行液圧制動力BPPの応答速度が大きいほど早期に増大される。そのため、本実施形態では、比較例の場合よりも、実行回生制動力BPRの増大勾配が大きくなり、実行回生制動力BPRが値BPR_Maxで保持され始める時期が早くなる。したがって、車両制動時における電力の回収効率が高くなる。しかも、実行回生制動力BPRの増大勾配は、その時点の実行液圧制動力BPPの応答速度に応じた勾配であるため、実行回生制動力BPRと実行液圧制動力BPPとの和と要求制動力BPTとのずれが生じにくい。
また、第4のタイミングt74で、運転者によるブレーキ操作量が多くなり、要求制動力BPTが大きくなる。このとき、例えば、要求制動力BPTの増大に基づき、実行液圧制動力BPPのみを増大させるものとする。すると、保持状態から増大状態への移行であるため、図10(c)に破線で示すように、第4のタイミングt74から第5のタイミングt75までの期間では、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPPが不感帯相当値D1以下であるため、実行液圧制動力BPPが増大されない。そして、第5のタイミングt75になると、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1と等しくなるため、実行液圧制動力BPPが増大され始める。
これに対し、要求制動力BPTの増大に基づき、実行回生制動力BPRを増大させる場合、第4のタイミングt74から第5のタイミングt75までの期間が規定期間Xとされる。そして、この規定期間X内(ステップS43:YES)では、モード補正値K2が第1補正候補値K21に決定されるため(ステップS44)、制限値ΔLimが小さくされる(ステップS47)。その結果、規定期間X内では、実行回生制動力BPRが非常に緩やかに増大される。
その後、規定期間Xが経過した以降(ステップS43:NO)では、モード補正値K2が第2補正候補値K22(>K21)に決定されるため(ステップS46)、制限値ΔLimが大きくなる(ステップS47)。すると、第5のタイミングt75で、実行回生制動力BPRの増大勾配が急勾配に変更される。その結果、車両全体の制動力の増大態様は、液圧制動力のみを増大させる場合(すなわち、図10(c)に破線で示す増大態様)に近づく。
以上、上記構成及び作用によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)実行回生制動力BPRを増大させるに際し、液圧制動力の応答速度が大きくなりやすいと予測できるときには回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimを大きくし、液圧制動力の応答速度が小さくなりやすいと予測できるときには制限値ΔLimを小さくするようにした。これにより、制限値ΔLimを、液圧制動力の応答速度が小さいときに合わせた値に固定する場合と比較して、実行回生制動力BPRを速やかに増大させる機会が増えることとなる。したがって、車両制動時におけるエネルギ(電力)の回収効率を向上させることができる。
(2)液圧制動力の応答速度は、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcが高いほど大きい。そのため、本実施形態では、実行回生制動力BPRを増大させるに際し、WC圧Pwcが高いほど、回生制動力の増大勾配の制限値ΔLimが大きくされる。これにより、実行回生制動力BPRは、WC圧Pwcが高いほど速やかに増大される。その結果、制限値ΔLimを、液圧制動力の応答速度が小さいときに合わせた値に固定する場合と比較して、実行回生制動力BPRが大きくなりやすいため、車両制動時におけるエネルギ(電力)の回収効率を向上させることができる。
(3)また、実行回生制動力BPRの増大を伴う車両全体の制動力の増大態様を、実行液圧制動力BPPのみを増大させる場合の車両全体の制動力の増大態様に近づけることができる。その結果、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する車両の減速態様の相違が生じにくくなる。したがって、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する違和感を車両乗員(特に、運転者)に与えにくくすることができる。
(4)保持モード又は減少モードから増大モードに移行させる際には、上記のタイムラグTLが生じやすい。そこで、本実施形態では、タイムラグTLと相関する期間として規定期間Xを設け、この規定期間Xでは、規定期間Xを過ぎた後よりも実行回生制動力BPRが緩やかに増大される。すなわち、規定期間X内であるか同規定期間Xを過ぎたかによって、実行回生制動力BPRの増大勾配が変更される。これにより、実行回生制動力BPRの増大を伴う車両全体の制動力の増大態様を、実行液圧制動力BPPのみを増大させる場合の車両全体の制動力の増大態様に近づけることができる。その結果、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する車両の減速態様の相違が生じにくくなる。したがって、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する違和感を車両乗員(特に、運転者)に与えにくくすることができる。
(5)また、本実施形態では、増大モードに移行させるに際し、上記のタイムラグTLが短いと予測されるときには規定期間Xが短くされる。これにより、実行回生制動力BPRの増大を伴う車両全体の制動力の増大態様を、実行液圧制動力BPPのみを増大させる場合の車両全体の制動力の増大態様にさらに近づけることができる。その結果、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する車両の減速態様の相違が生じにくくなり、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する違和感を車両乗員(特に、運転者)に与えにくくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・増大モードに移行させるに際し、目標液圧制動力BPPTの増大勾配が大きいほど、上記の差分ΔBPP(=|BPPT−BPP|)が不感帯相当値D1よりも早期に大きくなりやすい。すなわち、タイムラグTLが短くなりやすい。そこで、タイムラグTLと相関する規定期間Xを、増大モード時における要求制動力BPTの増大勾配が大きいほど短くするようにしてもよい。例えば、増大モード時における目標液圧制動力BPPTの増大勾配が大きいほど大きくなるゲインを設定する。そして、ステップS39,S41,S42の処理で設定した規定期間Xにゲインを乗算し、その積を補正後の規定期間としてもよい。この場合、補正後の規定期間内では、同補正後の規定期間を過ぎた後よりも実行回生制動力BPRを緩やかに増大させるようにしてもよい。これによれば、実行回生制動力BPRの増大を伴う車両全体の制動力の増大態様を、実行液圧制動力BPPのみを増大させる場合の車両全体の制動力の増大態様に近づけることができる。その結果、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する車両の減速態様の相違が生じにくくなる。したがって、車両全体の制動力の増大方法の相違に起因する違和感を車両乗員(特に、運転者)に与えにくくすることができる。
・保持モード又は減少モードから増大モードへの移行に際して設定される規定期間Xの長さが「0(零)」よりも大きいのであれば、規定期間Xの長さを固定値としてもよい。この場合であっても、上記(4)と同等の効果を得ることができる。
・ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcに応じて制限値ΔLimを決定するのであれば、規定期間Xを設定しなくてもよい。この場合、制限値ΔLimは、制限基準値ΔLimBとWC圧補正値K1との和とされる。このような制御構成を採用しても、上記(2)と同等の効果を得ることができる。
・保持モード又は増大モードから減少モードに移行させる場合でも、タイムラグTLが生じることがある。そのため、減少モードに移行させるに際し、タイムラグTLと相関する規定期間Xを設け、回生制動力の減少勾配の制限値を、規定期間X内では小さくし、規定期間Xの経過後では大きくするようにしてもよい。これによれば、実行回生制動力BPRの減少を伴う車両全体の制動力の減少態様を、実行液圧制動力BPPのみを減少させる場合の車両全体の制動力の減少態様に近づけることができる。その結果、車両全体の制動力の減少方法の相違に起因する車両の減速態様の相違が生じにくくなる。したがって、車両全体の制動力の減少方法の相違に起因する違和感を車両乗員(特に、運転者)に与えにくくすることができる。
なお、この場合、規定期間Xを、タイムラグTLが長いと予測されるときほど長くするようにしてもよい。これによれば、実行回生制動力BPRの減少を伴う車両全体の制動力の減少態様を、実行液圧制動力BPPのみを減少させる場合の車両全体の制動力の減少態様にさらに近づけることができる。
また、規定期間Xを、減少モード時における要求制動力BPTの減少勾配が大きいほど短くするようにしてもよい。これによれば、実行回生制動力BPRの減少を伴う車両全体の制動力の減少態様を、実行液圧制動力BPPのみを減少させる場合の車両全体の制動力の減少態様にさらに近づけることができる。
・実行回生制動力BPRを減少させるに際し、回生制動力の減少勾配(変化勾配の一例)の制限値を、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcが高いほど大きくするようにしてもよい。この場合、WC圧Pwcが高いときほど、実行回生制動力BPRが早期に減少されるようになる。この場合でも、上記(3)と同等の効果を得ることができる。
・増大モードに移行させるに際し、規定期間Xを設け、規定期間X内であるのか規定期間Xを経過した後であるのかによって制限値ΔLimを変更するのであれば、制限値ΔLimを、ホイールシリンダ24a〜24d内のWC圧Pwcに応じて変更しないようにしてもよい。このような制御構成であっても、上記(4)と同等の効果を得ることができる。
・WC圧補正値K1を、WC圧Pwcの替わりに、液圧制動装置20の作動状態と相関する要求制動力が大きいほど大きくするようにしてもよい。この場合であっても、制限値ΔLimは、要求制動力が大きいほど大きくなる。そのため、制限値ΔLimを、要求制動力の小さいときの値で固定する場合と比較して、実行回生制動力BPRを速やかに増大させる機会が増えるため、車両制動時におけるエネルギの回収効率を向上させることができる。
・車両として、運転者による車両操作を介することなく自動的に制動力を付与する機能を有する車両がある。こうした車両にあっては、自動制動によって設定された要求制動力BPTに基づいて、第2のモータ14及び液圧制動装置20が制御されることとなる。そこで、こうした自動制動時でも、液圧制動装置20の作動状態に応じて、回生制動力の変化勾配の制限値ΔLimを可変とするようにしてもよい。
・回生制動装置は、車両に付与する回生制動力を調整することのできるものであれば、モータ以外の他のアクチュエータであってもよい。例えば、回生制動装置は、駆動源としては機能しない単なる発電機であってもよい。
・車両は、エンジン11を備える車両であれば、2モータ方式のハイブリッド車両の他、1モータ方式のハイブリッド車両であってもよい。また、回生制動装置として発電機を備える場合、車両は、駆動源としてエンジン11のみを備えるものであってもよい。
・車両は、エンジン11を備えない車両であってもよい。例えば、車両は、電気自動車であってもよい。
・ブレーキ操作部材は、運転者に操作されるものであればブレーキペダル21以外の他の任意のもの(例えば、ブレーキレバー)であってもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記制限値設定部は、前記保持モード又は前記増大モードから前記減少モードに移行されるとき、モードの切り替わる時点から規定時間が経過する時点までの期間である規定期間内での回生制動力の減少勾配の制限値を、同規定期間を過ぎた後での前記減少勾配の制限値よりも小さくするようにしてもよい。
上記構成によれば、規定期間内では、同規定期間を過ぎた後よりも回生制動力が緩やかに減少される。このように規定期間内であるか同規定期間を過ぎたかによって、回生制動力の減少勾配を変更することにより、回生制動力の減少を伴う車両全体の制動力の減少態様を、液圧制動力のみを減少させる場合の車両全体の制動力の減少態様に近づけることができる。すなわち、選択される減少方法が異なっても、車両の減速態様の相違が生じにくい。そのため、車両の減速態様の相違に起因する違和感を車両乗員に与えにくくすることができるようになる。
(ロ)前記期間長設定部は、前記保持モード又は前記増大モードから前記減少モードに移行されるに際し、モードの切り替わる時点で前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が前記要求液圧制動力以上であるときには、前記規定期間を、モードの切り替わる時点で前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が前記要求液圧制動力未満であるときよりも短くするようにしてもよい。
上記構成によれば、減少モードに移行させるに際し、上記のタイムラグが短いと予測されるときには、回生制動力が緩やかに減少される規定期間が短くされる。その結果、回生制動力の減少を伴う車両全体の制動力の減少態様を、液圧制動力のみを減少させる場合の車両全体の制動力の減少態様にさらに近づけることができる。すなわち、選択される減少方法が異なっても、車両の減速態様の相違が生じにくいため、車両の減速態様の相違に起因する違和感を車両乗員に与えにくくすることができるようになる。
(ハ)前記期間長設定部は、前記保持モード又は前記増大モードから前記減少モードに移行されるときに、同減少モードでの前記要求制動力の減少勾配が大きいほど前記規定期間を短くするようにしてもよい。
上記構成によれば、上記のタイムラグが短いと予測されるときには、回生制動力が緩やかに減少される規定期間が短くなる。このように規定時間の長さの適正化を図ることにより、減少態様の相違に起因する違和感を車両乗員にさらに与えにくくすることができるようになる。
14…回生制動装置の一例である第2のモータ、20…液圧制動装置、21…ブレーキ操作部材の一例であるブレーキペダル、22a〜22d…ホイールシリンダ、100…制動制御装置としての制御装置、104…ブレーキ制御ユニット(制限値設定部の一例、液圧制御部の一例、期間長設定部の一例、要求制動力演算部の一例)、FL,FR,RL,RR…車輪、BPP…実行液圧制動力、BPPT…要求液圧制動力としての目標液圧制動力、BPR…実行回生制動力、BPT…要求制動力、D1…不感帯相当値、X…規定期間、X1…規定時間の一例である第1の時間、X2…規定時間の一例である第2の時間、X3…規定時間の一例である第3の時間、ΔBPP…差分、ΔLim…制限値。

Claims (7)

  1. 車両に回生制動力を付与する回生制動装置と、
    車輪に対して設けられているホイールシリンダ内の液圧を調整することにより、車両に液圧制動力を付与する液圧制動装置と、を備える車両に適用され、
    車両に要求されている要求制動力に基づき、前記回生制動装置及び前記液圧制動装置を制御する車両の制動制御装置において、
    前記回生制動装置が車両に付与する回生制動力を変化させるに際し、同回生制動力の単位時間あたりの変化量である変化勾配の制限値を、前記液圧制動装置の作動状態に応じた値に設定する制限値設定部を備える
    ことを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記制限値設定部は、前記液圧制動装置の作動状態と相関する前記要求制動力が大きいほど、前記変化勾配の制限値を大きくする
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記制限値設定部は、前記ホイールシリンダ内の液圧が高いほど、前記変化勾配の制限値を大きくする
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記液圧制動装置に対する要求値である要求液圧制動力と同液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力との差分が不感帯相当値を超えているときに、同液圧制動装置を制御して液圧制動力を前記要求液圧制動力に近づける液圧制御部を備えており、
    前記要求制動力を保持するモードを保持モードとし、前記要求制動力を大きくするモードを増大モードとし、前記要求制動力を小さくするモードを減少モードとした場合、
    前記制限値設定部は、前記保持モード又は前記減少モードから前記増大モードに移行するとき、モードの切り替わる時点から規定時間が経過する時点までの期間である規定期間内での前記変化勾配の制限値を、同規定期間を過ぎた後での前記変化勾配の制限値よりも小さくする
    請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  5. 前記規定期間の長さを設定する期間長設定部をさらに備え、
    前記期間長設定部は、
    前記保持モード又は前記減少モードから前記増大モードに移行するに際し、モードの切り替わる時点で前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が前記要求液圧制動力未満であるときには、前記規定期間を、モードの切り替わる時点で前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が前記要求液圧制動力以上であるときよりも短くする
    請求項4に記載の車両の制動制御装置。
  6. 前記期間長設定部は、前記保持モード又は前記減少モードから前記増大モードに移行するときに、同増大モードでの前記要求制動力の増大勾配が大きいほど前記規定期間を短くする
    請求項5に記載の車両の制動制御装置。
  7. ブレーキ操作部材の操作量が多いほど要求制動力を大きくする要求制動力演算部を備える
    請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
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