JP2015118774A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の劣化に伴う輝度・発光効率の低下や、電極表面へのパーティクルの付着に伴うリークの発生を防止することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基材に第1電極を形成する第1電極形成工程S3と、前記第1電極に積層するように発光層を含む有機機能層を形成する有機機能層形成工程S4と、前記有機機能層に積層するように第2電極を形成する第2電極形成工程S5と、を含み、前記第1電極形成工程S3から前記第2電極形成工程S5までの工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および当該製造方法で製造された有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、自発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、適宜「有機EL素子」という)が注目されている。
この有機EL素子については、これまで様々な発明が創出されており、例えば、有機EL素子の基材として、軽量であるとともに、形状の自由度が高い可撓性の樹脂を用いた基材が創出されている。そして、このような可撓性の基材の登場により、有機EL素子の製造方法として、ロールツーロール方式の製造方法が採用されるようになってきた。
このロールツーロール方式の有機EL素子の製造方法は、有機EL素子の連続生産が可能であり、生産効率を向上させることができることから、当該製造方法に関する研究開発が進められてきている。
具体的には、ロールツーロール方式の有機EL素子の製造方法について、以下のような提案がなされている。
例えば、特許文献1には、ロールツーロール方式による有機EL素子の製造方法として、あらかじめ陽極がパターニングされた基材に、発光層および陰極を真空下で形成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、基材や有機EL積層体へのキズの発生を防止するための有機EL素子の製造方法として、所定の構造を有するガイドロール機構を用いる方法が開示されている。
国際公開第01/005194 特開2009−256709号公報
特許文献1または特許文献2に開示された技術は、あらかじめ陽極(第1電極)が形成された基材に、有機機能層、陰極(第2電極)等を真空雰囲気下においてロールツーロール方式により形成させている。つまり、基材に対して陽極を形成する工程と、有機機能層、陰極等を形成する工程とが別の製造ラインで行われている。
したがって、特許文献1または特許文献2に開示された技術によると、基材に対して第1電極(電極)を形成する工程の後において、電極が大気環境中に曝されることから、電極が劣化する可能性や電極表面にパーティクルが付着する可能性があった。その結果、電極の劣化に伴う輝度・発光効率の低下や、電極表面へのパーティクルの付着に伴うリークの発生を招く虞があった。
このような事情を鑑み、本発明は、電極の劣化に伴う輝度・発光効率の低下や、電極表面へのパーティクルの付着に伴うリークの発生を防止することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の構成により解決される。
1.基材に第1電極を形成する第1電極形成工程と、前記第1電極に積層するように発光層を含む有機機能層を形成する有機機能層形成工程と、前記有機機能層に積層するように第2電極を形成する第2電極形成工程と、を含み、前記第1電極形成工程から前記第2電極形成工程までの工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記第1電極形成工程の前に、前記第1電極および前記第2電極の其々に通電するための取出電極を前記基材に形成する取出電極形成工程をさらに含み、前記取出電極形成工程以降の工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.前記取出電極形成工程の前に、前記基材をドライ洗浄および乾燥する洗浄乾燥工程をさらに含み、前記洗浄乾燥工程以降の工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする前記2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
4.前記第2電極形成工程の後に、前記基材上に形成したものを封止する封止工程をさらに含み、前記封止工程までの工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする前記1乃至前記3のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
5.前記第1電極と前記取出電極とは、スパッタリングにより形成され、形成時にマスクを用いてパターニングされることを特徴とする前記2又は前記3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
6.前記1乃至前記5のいずれか1つの有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法で製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、電極の劣化に伴う輝度・発光効率の低下や、電極表面へのパーティクルの付着に伴うリークの発生を防止することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法のフローチャートである。 前処理工程を実施するための前処理ラインの模式図である。 (a)および(b)は、洗浄乾燥工程から封止工程までの工程を実施するための真空ラインの模式図である。
まず、本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について、適宜、図面を参照しながら説明する。
[有機EL素子の製造方法]
本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、図1に示すように、第1電極形成工程S3と、有機機能層形成工程S4と、第2電極形成工程S5とを含み、第1電極形成工程S3から第2電極形成工程S5までの工程が、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、図1に示すように、洗浄乾燥工程S1や取出電極形成工程S2をさらに含み、洗浄乾燥工程S1や取出電極形成工程S2以降の工程が、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることが好ましい。また、封止工程S6をさらに含み、封止工程S6までの工程が、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることが好ましい。
つまり、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、少なくとも第1電極形成工程S3から第2電極形成工程S5までの工程(好ましくは、洗浄乾燥工程S1もしくは取出電極形成工程S2以降、または封止工程S6まで)を、大気環境下に曝すことなく、一つのライン(プラントまたは装置)内において真空雰囲気下で一連に行うという製造方法である。
そして、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、真空雰囲気下で行われる前記した一連の工程の前に、前処理工程S0を含んでもよく、前記した一連の工程の後に後処理工程S7を含んでもよい。
ここで、「ロールツーロール方式」とは、ロール状に巻いた可撓性を有する基材を送り出して、間欠的あるいは連続的に搬送しながら、洗浄乾燥等の所定の処理を施したり、電極や所定の層を積層したりした後、再び基材をロールに巻き取る方式である。
また、工程の構成によっては、可撓性を有する基材を巻き取らずシート状に切断して次工程に送る場合も考えられるが、それも「ロールツーロール方式」に含まれるとする。
また、「真空雰囲気下」とは、大気圧より低い圧力雰囲気下のことであり、好ましくは1×10−3Pa以下、さらに好ましくは、1×10−5Pa以下である。
次に、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法の各工程について説明する。
(前処理工程)
前処理工程とは、電極・有機機能層等が形成される前の基材に対し、ドライ洗浄・ウエット洗浄、乾燥、保護シートのラミネート処理等の前処理を施す工程である。
この前処理工程における各処理の方法については、公知の処理方法を用いればよい。
なお、前処理工程は、大気圧雰囲気下で行えばよい。
そして、図2に示すように、前処理工程S0は、前処理ライン100で行われる。
詳細には、この前処理工程S0では、まず、送り出し室101において、ロール11aから帯状の基材11(ガスバリア膜形成済み)が送り出される。なお、送り出し室101において、保護シート12が貼り付けられている場合には、基材11から保護シート12が剥がされる。そして、送り出された基材11は、ドライ洗浄室102において、UV(紫外線)照射や酸素プラズマ照射によりドライ洗浄される。そして、基材11は、ウエット洗浄室103において、超純水を用いたスクラブ洗浄等を用いてウエット洗浄される。そして、基材11は、乾燥室104において、IR(赤外線)照射や温風の吹き付け等により乾燥される。そして、基材11は、ラミネート室105において、保護シート13が貼り付けられる。そして、保護シート13が貼り付けられた基材11bは、巻き取り室106において、ロール11cに巻き取られる。
(洗浄乾燥工程)
洗浄乾燥工程とは、基材表面についてドライ洗浄を行うとともに、基材中の水分を除去する工程である。
この洗浄乾燥工程における基材表面の洗浄方法については、公知の洗浄方法、例えば、UV(紫外線)照射や酸素プラズマ照射により洗浄(ドライ洗浄)すればよい。また、洗浄乾燥工程における基材の乾燥方法についても、公知の乾燥方法、例えば、IR(赤外線)照射等により乾燥すればよい。
なお、この洗浄乾燥工程において基材を水分濃度が約500ppm以下になるまで乾燥させることが好ましい。この後の工程において真空状態が悪化(真空度が低下)するという事態を確実に回避することができるからである。
そして、図3に示すように、洗浄乾燥工程S1は、真空ライン200の洗浄乾燥室203で行われる。
詳細には、まず、真空ライン200の送り出し室201において、ロール11cから基材11が送り出される。なお、送り出し室201において、基材11から保護シート13が剥がされる。そして、送り出された基材11は、洗浄乾燥室202において、上記した洗浄乾燥工程S1の洗浄処理および乾燥処理が施される。
洗浄処理および乾燥処理は、加熱処理やウエット洗浄の容易性を考慮した場合、大気下での連続処理が望ましい。
なお、洗浄乾燥室202は、洗浄室と乾燥室に分離していてもよい。
(取出電極形成工程)
取出電極形成工程とは、第1電極に通電するための取出電極および第2電極に通電するための取出電極のうちの少なくとも1つを基材に形成する工程である。
この取出電極形成工程における取出電極の形成方法(成膜方法)については、公知の成膜方法を用いればよい。ただし、取出電極の成膜方法は、スパッタリングまたは蒸着が好ましく、成膜する取出電極の材料にもよるが、一般的に成膜を精密に行うことができるという観点から、スパッタリングが特に好ましい。
なお、取出電極を所定のパターンに成膜するために、成膜時に所定のマスクを用いるのが好ましい。この点については、後記する各種電極、有機機能層についても同様である。
そして、図3に示すように、取出電極形成工程S2は、真空ライン200の取出電極形成室204で行われる。
詳細には、洗浄乾燥工程S1の後、洗浄乾燥室202から送り出された基材11は、間欠的な搬送が可能となるように設けられた補助搬送室203を経由し、取出電極形成室204において、上記した取出電極形成工程S2の処理が施される。
(第1電極形成工程)
第1電極形成工程とは、基材上に第1電極を形成する工程である。
この第1電極形成工程における第1電極の形成方法(成膜方法)については、公知の成膜方法を用いればよい。ただし、第1電極の成膜方法は、取出電極の成膜方法と同様、スパッタリングまたは蒸着が好ましく、成膜する第1電極の材料にもよるが、一般的に成膜を精密に行うことができるという観点から、スパッタリングが特に好ましい。
そして、図3に示すように、第1電極形成工程S3は、真空ライン200の第1電極形成室206で行われる。
詳細には、取出電極形成工程S2の後、取出電極形成室204から送り出された基材11は、前後の処理速度の差を吸収する様に設けられた補助搬送室205を経由し、第1電極形成室206において、上記した第1電極形成工程S3の処理が施される。
(有機機能層形成工程)
有機機能層形成工程とは、基材(第1電極)に積層するように発光層を含む有機機能層を形成する工程である。
この有機機能層形成工程における有機機能層の形成方法については、公知の形成方法、例えば、蒸着、塗布で形成すればよい。
そして、図3に示すように、有機機能層形成工程S4は、真空ライン200の有機機能層形成室208で行われる。
詳細には、第1電極形成工程S3の後、第1電極形成室206から送り出された基材11は、前後の処理速度の差を吸収する様に設けられた補助搬送室207を経由し、有機機能層形成室208において、上記した有機機能層形成工程S4の処理が施される。
なお、後述するように、有機機能層は通常、複数層で構成されることから、複数の有機機能層を積層させるため、有機機能層形成室208も複数存在する。そして、各室208において、正孔注入層・正孔輸送層・発光層・電子輸送層・電子注入層といった有機機能層が積層するように形成されることとなる。なお、各有機機能層形成室で有機機能層1層を成膜するのではなく、複数の有機機能層の積層を1つの有機機能層形成室で形成しても構わない。
(第2電極形成工程)
第2電極形成工程とは、基材(有機機能層)に積層するように第2電極を形成する工程である。
この第2電極形成工程における第2電極の形成方法については、特に限定されず、公知の形成方法、例えば、蒸着で形成すればよい。
そして、図3に示すように、第2電極形成工程S5は、真空ライン200の第2電極形成室210で行われる。
詳細には、有機機能層形成工程S4の後、有機機能層形成室208から送り出された基材11は、前後の処理速度の差を吸収する様に設けられた補助搬送室209を経由し、第2電極形成室210において、上記した第2電極形成工程S5の処理が施される。
(封止工程)
封止工程とは、水分等の影響を受けない様に基材上に形成した少なくとも第1電極、有機機能層、第2電極の一部を封止する工程である。
この封止工程における封止方法は、公知の封止方法、例えば、封止樹脂(接着剤)が塗布されているガスバリア層付きPETフィルム等の封止部材を第2電極の上から貼付すればよい。
そして、図3に示すように、封止工程S6は、真空ライン200のラミネート室212で行われる。
詳細には、第2電極形成工程S5の後、第2電極形成室210から送り出された基材11は、前後の処理速度の差を吸収する様に設けられた補助搬送室211を経由し、ラミネート室212において、封止部材14を貼付する等の処理が施される。
(後処理工程)
後処理工程とは、封止工程の後に、封止部材に塗布された封止樹脂(接着剤)を本硬化させるための加熱処理や、基材を所定サイズの枚葉の状態にカットする裁断処理といった後処理を施す工程である。そして、後処理工程は、加熱処理の容易性や断裁処理で発生するゴミ対策の容易性から大気下での処理が望ましい。
[変形例]
本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、以上説明したとおりであるが、本発明を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。
例えば、第2電極形成工程S5と封止工程S6との間に、水分等の影響を受けない様に基材上に形成した少なくとも第1電極、有機機能層、第2電極の一部に化学気相成長法(CVD)等により無機膜等を成膜させる膜封止工程を行ってもよい。
また、図3に示すように、真空ライン200には、間欠的な搬送が可能となるように補助搬送室203、205、207、209、211、213が複数設けられているが、当該補助搬送室の数や規模(内部のローラー数等)は、適宜、変更してもよい。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法について、1スタックの有機機能層を備える有機EL素子の製造方法を例示して説明したが、複数のスタックの有機機能層を備える有機EL素子の製造方法にも当然適用できる。この場合、スタック間に中間電極層が形成されるよう、有機機能層形成工程S4の後に、中間電極層形成工程を設け、さらに、2スタック目の有機機能層形成工程を設けるというような構成にすればよい。
また、第1電極形成工程S3の後に、取出電極形成工程S2を行ってもよい。なお、この場合についても、取出電極形成工程S2は、第1電極形成工程S3と第2電極形成工程S5との間の工程であることから、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることとなる。
また、前記した後処理工程についても、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行ってもよい。
なお、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法の前記各工程において、明示していない条件については、従来公知の条件を用いればよく、得られる効果を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、第1電極形成工程から第2電極形成工程までの工程が、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることから、第1電極が形成された基材が、大気環境下に曝されることを回避することができる。したがって、大気環境下に曝されることに伴う、第1電極の劣化を防止することができるとともに、第1電極にパーティクルが付着することも防止することができる。
その結果、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、第1電極の劣化に伴う輝度・発光効率の低下や、第1電極表面へのパーティクルの付着に伴うリークの発生を防止することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を製造することができる。
なお、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、第1電極として、大気環境下に曝されることにより酸化し易いような材料(金属、合金等)を使用する場合は、従来の有機EL素子の製造方法と比べて、特に顕著な劣化防止効果を発揮することとなる。
なお、従来の有機EL素子の製造方法によると、あらかじめ第1電極が形成された基材が大気環境下に曝されることにより、第1電極表面にパーティクルが付着する可能性があるが、当該パーティクルを除去しようとした場合、第1電極表面に対するハードな(強力な)洗浄が必要となる。一方、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、第1電極表面にパーティクルが付着する可能性は非常に低いため、前記のハードな洗浄は必要ない。また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、前処理工程において洗浄(ドライ洗浄、ウエット洗浄)を行うのが好ましいが、当該洗浄は、第1電極ではなく基材に対する洗浄であるとともに、前記のようなハードな洗浄でなく、ソフトな洗浄である。
したがって、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、第1電極にダメージを与える可能性のあるようなハードな洗浄作業は必要なくなる。よって、ハードな洗浄作業を除外できる点を考慮しても、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法は、第1電極の劣化の防止の点で優れているといえる。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、取出電極形成工程についてもロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることから、取出電極の劣化に伴う輝度・発光効率の低下や、取出電極表面へのパーティクルの付着に伴うリークの発生を防止することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を製造することができる。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、洗浄乾燥工程についてもロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることから、基材表面の塵挨等(例えば、前処理工程で貼付した保護シートを剥がした後に、基材表面に残ってしまった糊等)を除去することができる。加えて、基材中の水分をある程度除去することにより、基材中に含まれる水分によって、真空状態が悪化(真空度が低下)するという事態を回避することができる。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、封止工程についてもロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることから、第2電極形成工程までの工程において基材上に形成された電極や有機機能層を真空雰囲気下で確実に封止することができる。よって、電極や有機機能層の保護を確実なものとすることができる。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法によると、第1電極と取出電極とは、スパッタリングにより形成されることから、第1電極と取出電極とは非常に精緻に形成することができる。
次に、本発明の実施形態に係る有機EL素子の製造方法で製造される有機EL素子を説明する。
[有機EL素子]
有機EL素子は、基材上に、第1電極(陽極)、発光層を含む有機機能層、第2電極(陰極)等を積層して構成される。
そして、有機機能層としては、発光層という発光に直接関与する基本的な有機機能層のほかに、例えば、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の各種機能を有する有機機能層を備えていてもよい。
有機EL素子において、有機機能層の好ましい積層例は以下の通りである。なお、以下の(1)〜(6)において、通常は、先に記載された層が第1電極(陽極)側に設けられ、以下、記載の順番で第2電極(陰極)側に積層される。
(1)発光層/電子輸送層
(2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層
(3)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層(陰極バッファー層)(5)正孔注入層(陽極バッファー層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
以下、有機EL素子を構成する各部を説明する。ただし、有機EL素子の構成は、以下の内容に何ら限定されるものではない。
(基材)
基材は、樹脂等の可撓性のある基材で構成されることが好ましい。なお、基材として樹脂を用いる場合、樹脂シートの表面には、次に記載するガスバリア層が形成されることが好ましい。
(ガスバリア層)
基材と有機機能層との間には、防湿の観点から、1層又は2層以上のガスバリア層が形成されることが好ましい。
ガスバリア層を形成する材料としては、特に制限はされないものの、例えば、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料が好ましく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素等の金属酸化物、窒化珪素等の金属窒化物等を用いることができる。さらに、ガスバリア層の強度をより向上させるために、無機層と有機層とからなる層の積層構造とすることが好ましい。無機層と有機層との積層順は特に制限されないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
(第1電極)
第1電極(陽極)は、有機機能層(具体的には発光層)に正孔を供給(注入)する電極膜である。第1電極の材料の種類や物性は特に制限されず、任意に設定できる。例えば、第1電極は、仕事関数の大きい(4eV以上)材料、例えば、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物等の電極材料で形成可能である。また、第1電極は、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する材料(透明電極)により構成されていてもよい。
第1電極(陽極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(有機機能層)
有機機能層を構成する各種有機機能層について以下に説明するが、これらの有機機能層の各有機機能層の具体的な材料等は公知の材料等を適用することが可能であるため、その説明を省略する。
《発光層》
発光層は、第1電極から直接、又は第1電極から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、第2電極(陰極)から直接、又は第2電極から電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合することにより、発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層とそれに隣接する層との間の界面であってもよい。
発光層は、ホスト化合物(ホスト材料)と、発光材料(発光ドーパント化合物)とを含む有機発光性材料で形成することが好ましい。発光層をこのように構成すると、発光材料の発光波長や含有させる発光材料の種類等を適宜調整することにより、任意の発光色を得ることができる。また、発光層をこのように構成することにより、発光層中の発光材料において発光させることができる。
発光層の膜厚の総和は、所望の発光特性等に応じて適宜設定することができる。例えば、発光層の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止、及び駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点から、発光層の膜厚の総和は、1nm以上200nm以下とすることが好ましい。特に、低駆動電圧の観点からは、発光層の膜厚の総和は、30nm以下とすることが好ましい。
発光層に含まれるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率として、0.1以下である化合物が好ましく、0.01以下の化合物がより好ましい。また、発光層中のホスト化合物の体積比は、発光層に含まれる各種化合物うち、50%以上とすることが好ましい。
発光層に含まれる発光材料としては、例えば、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物)、蛍光発光材料等を用いることができる。なお、一つの発光層には、一種類の発光材料を含有させてもよいし、発光極大波長が互いに異なる複数種の発光材料を含有させてもよい。複数種の発光材料を用いることにより、発光波長の異なる複数の光を混合させて発光させることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。具体的には例えば、青色発光材料、緑色発光材料及び赤色発光材料(3種類の発光材料)を発光層に含有させることにより、白色光を得ることができる。
《注入層(正孔注入層、電子注入層)》
注入層は、駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るための層である。注入層は、通常は、電極及び発光層の間に設けられる。注入層は、通常は2つに大別される。即ち、注入層は、正孔(キャリア)を注入する正孔注入層、及び電子(キャリア)を注入する電子注入層に大別される。正孔注入層(陽極バッファー層)は、第1電極と、発光層又は正孔輸送層との間に設けられる。また、電子注入層(陰極バッファー層)は、第2電極と、発光層又は電子輸送層との間に設けられる。
《阻止層(正孔阻止層、電子阻止層)》
阻止層は、キャリア(正孔、電子)の輸送を阻止するための層である。阻止層は、通常は2つに大別される。即ち、阻止層は、正孔(キャリア)の輸送を阻止する正孔阻止層と、電子(キャリア)の輸送を阻止する電子阻止層とに大別される。
正孔阻止層は、広い意味で、後記する電子輸送層の機能(電子輸送機能)を有する層である。正孔阻止層は、電子輸送機能を有しつつ、正孔の輸送能力が小さい材料で形成される。このような正孔阻止層が設けられることにより、発光層に対する正孔及び電子間の注入バランスを好適なものにすることができる。また、これにより、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。
なお、正孔阻止層としては、必要に応じて、後記する電子輸送層の構成が同様に適用可能である。さらに、正孔阻止層が設けられる場合、正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられることが好ましい。
一方、電子阻止層は、広い意味で、後記する正孔輸送層の機能(正孔輸送機能)を有する層である。電子阻止層は、正孔輸送機能を有しつつ、電子の輸送能力が小さい材料で形成される。このような電子阻止層が設けられることにより、発光層に対する正孔及び電子間の注入バランスを好適なものにすることができる。また、これにより、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。なお、電子阻止層としては、必要に応じて、後記する正孔輸送層の構成が同様に適用可能である。
阻止層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上であり、また好ましくは100nm以下、より好ましくは30nm以下である。
《輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)》
輸送層は、キャリア(正孔及び電子)を輸送する層である。輸送層は、通常は2つに大別される。即ち、輸送層は、正孔(キャリア)を輸送する正孔輸送層と、電子(キャリア)を輸送する電子輸送層とに大別される。
正孔輸送層は、第1電極から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。正孔輸送層は、第1電極又は正孔注入層と発光層との間に設けられる。また、正孔輸送層は、第2電極側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層及び/又は電子阻止層を含む意味で用いられることもある。なお、正孔輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
電子輸送層は、第2電極から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。電子輸送層は、第2電極又は電子注入層と発光層との間に設けられる。また、電子輸送層は、第1電極側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層及び/又は正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。なお、電子輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
電子輸送層(電子輸送層を一層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねることがある)は、特に制限されない。ただし、電子輸送層に用いられる電子材料は、通常は、第2電極より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料を適用可能である。
(第2電極)
第2電極(陰極)は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜である。第2電極を構成する材料は特に制限されないが、通常は、仕事関数の小さい(4eV以下)材料、例えば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等の電極材料で形成される。
有機EL素子において、第2電極側から光を取り出す場合、第2電極は、第1電極と同様に、光透過性を有する電極材料で形成可能である。この場合、例えば1nm以上20nm以下の膜厚になるように陰極形成用電極材料からなる金属膜を形成した後、この金属膜上に、第1電極で説明した導電性透明材料からなる膜を形成することにより、透明又は半透明の第2電極を形成することができる。
(取出電極)
取出電極は、第1電極や第2電極に通電(給電)するための電極である。そして、取出電極を構成する材料は特に制限されないが、通常は、第1電極に通電するための第1電極用の取出電極は、第1電極と同一または同質の材料、第2電極に通電するための第2電極用の取出電極は、第2電極と同一または同質の材料で形成される。
なお、取出電極は、必須の構成ではなく、例えば、第1電極用の取出電極が第1電極と一体に形成されていてもよく、第2電極用の取出電極が、第2電極と一体に形成されていてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
≪サンプルの作製≫
<サンプル1:実施例>
バリア膜(SiOC:80nm)付きポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム:厚さ100μm、幅700mm)を巻き取ったロール11cを、図3の真空ライン200の送り出し室201に取り付けた。そして、送り出し室201から搬送されるフィルム(基材)に対し、第1電極形成室206においてITO膜(130nm)を、スパッタリングによりマスクを用いてパターン成膜した。なお、このITO膜の表面比抵抗は30Ω/□であった。
そして、有機機能層形成室208において、α−NPD(40nm)、CBP(共蒸着成分としてIr(ppy)3を6%含有:35nm)、BAlq(5nm)、Alq3(40nm)、フッ化リチウム(0.5nm)を、蒸着によりマスクを用いてパターン成膜した。そして、第2電極形成室210においてアルミニウム(110nm)を、蒸着によりマスクを用いてパターン成膜した。そして、ラミネート室212において、封止樹脂(接着剤)が40μm塗布されているガスバリア層形成済みのPETフィルム(80μm)をラミネートし、巻き取り室214においてロール11eに巻き取った。そして、大気雰囲気下において、このロール11eから、有機EL素子を切り出し、サンプル1とした。
なお、サンプル1は、上記のとおり、ITO膜の成膜から封止までを、1つの真空ライン200(1つの装置内)において真空雰囲気下で行った。
<サンプル2:比較例>
バリア膜(SiOC:80nm)付きポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム:厚さ100μm、幅700mm)を巻き取ったロールを、陽極を形成するために真空チャンバー内に取り付けた。そして、ITO膜(130nm)を、スパッタリングにより成膜した。そして、大気下に取出してITO膜の形成された面に、幅方向670mm、長手方向720mmの長方形の領域に紫外光で重合するフォトリソグラフ用の樹脂をパターン塗布し、90℃の乾燥炉を通過させ、位置合わせ露光後、搬送しながら、現像、エッチング、アルカリ処理を経てパターニングし、超純水シャワー洗浄で洗浄後、清浄な空気を吹き付けて、十分乾燥させた後、巻き取った。なお、このITO膜の表面比抵抗は40Ω/□であった。
そして、ITO膜がパターン成膜されたフィルムを巻き取ったロールを、図3の送り出し室201に取り付けた(なお、既に陽極が形成されているため、サンプル1とは異なり第1電極形成室206で成膜は行わない)。その後、サンプル1と同じ条件で、有機機能層形成室208、第2電極形成室210、ラミネート室212において、パターン成膜、ラミネートを行いロールに巻き取った。そして、大気雰囲気下において、このロール11eから、有機EL素子を切り出し、サンプル2とした。
<サンプル3:比較例>
サンプル3は、サンプル2とは異なり、ITO膜パターニング後のITO膜(電極)表面のパーティクルの除去を目的として、超純水シャワー洗浄での洗浄の前に、スクラブ洗浄を行った。なお、スクラブ洗浄とは、金属芯金にウレタンフォームの多孔質スポンジを配置したスクラブローラを超純水槽内で搬送するフィルムに回転させながら押し付け洗浄する洗浄方法である。
その他の製造条件は、サンプル2と同じであった。
≪サンプルの評価≫
作製したサンプル1〜3について、下記のようにして「発光輝度ムラ」および「リーク電流」を評価した。
<発光輝度ムラ耐性値>
上記作製した有機EL素子をサンプル毎に50個、ランダムに選択した。そして、直流電圧5V印加した時の発光輝度を、CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)により、1個の有機EL素子に対して100点測定した。次いで、各有機EL素子の発光輝度の測定値100点の中での最大値と最小値を求め、下記式に従って、発光輝度ムラ耐性値を算出した。そして、測定した50個の発光輝度ムラ耐性値の最小値(一番バラツキが大きいもの)で評価を行った。
なお、この発光輝度ムラ耐性値が大きいほど、発光輝度にバラツキがないとともに、発光の効率にもバラツキがないと判断できる。つまり、発光輝度ムラ耐性値が大きいサンプルほど、「輝度・発光効率の低下」を防止できると判断できる。
発光輝度ムラ耐性値(%)=(発光輝度最小値/発光輝度最大値)×100
そして、発光輝度ムラ耐性値の評価基準は以下のとおりである。
○:発光輝度ムラ耐性値の最小値が90%以上
△:発光輝度ムラ耐性値の最小値が80%以上、90%未満
×:発光輝度ムラ耐性値の最小値が80%未満
<リーク電流>
上記作製した有機EL素子をサンプル毎に50個、ランダムに選択した。そして、定電圧電源を用いて、逆方向の電圧(逆バイアス)5Vを5秒間印加し、その際、有機EL素子に流れる電流を測定した。そして、測定した50個の有機EL素子のうち、最も大きな値を最大電流値とした。
なお、この最大電流値が小さいサンプルほど、「リークの発生」を防止できると判断できる。
リーク電流(最大電流値)の評価基準は以下のとおりである。
○:最大電流値が1×10−5A未満
△:最大電流値が1×10−5A以上、1×10−3A未満
×:最大電流値が1×10−3A以上
Figure 2015118774
≪結果の検討≫
表1に記載の結果より明らかなように、サンプル1は本発明の有機EL素子の製造方法で製造したものであったため、発光輝度ムラ耐性値およびリーク電流の評価がいずれも「○」であり、「輝度・発光効率の低下」および「リークの発生」を防止できることがわかった。
一方、サンプル2は、ITO膜の成膜とパターニング処理とを、別のライン(別の装置内)で行ったことから、発光輝度ムラ耐性値の評価が「△」であり、リーク電流の評価が「×」となった。特に、リーク電流の評価が悪くなった原因は、ITO膜表面にパーティクルが付着したためであると判断する。
そして、サンプル3は、サンプル2と同様、ITO膜の成膜とパターニング処理とを、別のライン(別の装置内)で行ったことから、発光輝度ムラ耐性値の評価が「×」であり、リーク電流の評価が「△」となった。
なお、サンプル2と異なり、スクラブ洗浄を施すことにより、ITO膜表面のパーティクルを除去できたため、サンプル2と比較し、リーク電流の評価が若干良くなった。しかし、スクラブ洗浄を施すことにより、ITO膜にダメージを与えてしまったと考えられ、その結果、サンプル2と比較し、発光輝度ムラ耐性値の評価が悪くなってしまった。
11 基材
200 真空ライン
202 洗浄乾燥室
204 取出電極形成室
206 第1電極形成室
208 有機機能層形成室
210 第2電極形成室
212 ラミネート室
S1 洗浄乾燥工程
S2 取出電極形成工程
S3 第1電極形成工程
S4 有機機能層形成工程
S5 第2電極形成工程
S6 封止工程

Claims (6)

  1. 基材に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記第1電極に積層するように発光層を含む有機機能層を形成する有機機能層形成工程と、
    前記有機機能層に積層するように第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    を含み、
    前記第1電極形成工程から前記第2電極形成工程までの工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記第1電極形成工程の前に、前記第1電極に通電するための取出電極および前記第2電極に通電するための取出電極のうちの少なくとも1つを前記基材に形成する取出電極形成工程
    をさらに含み、
    前記取出電極形成工程以降の工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記取出電極形成工程の前に、前記基材をドライ洗浄および乾燥する洗浄乾燥工程
    をさらに含み、
    前記洗浄乾燥工程以降の工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記第2電極形成工程の後に、前記基材上に形成したものを封止する封止工程
    をさらに含み、
    前記封止工程までの工程は、ロールツーロール方式により真空雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記第1電極と前記取出電極とは、スパッタリングにより形成され、形成時にマスクを用いてパターニングされることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法で製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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