JP2015118017A - 物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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勇介 松澤
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Abstract

【課題】検出特性の製造ばらつきを低減することができる物理量センサーを提供すること、また、この物理量センサーを備える信頼性に優れた圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】物理量センサー1は、受圧により撓み変形するダイヤフラム部64を含んでいる基板6と、ダイヤフラム部64に配置されているセンサー素子7と、基板6に対してセンサー素子7側に配置されていてセンサー素子7を収納している空洞部5を形成している素子周囲構造体8と、を備え、基板6のセンサー素子7とは反対側の面には、凹部65が設けられ、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部が凹部65の底面の縁部652よりもダイヤフラム部64の中心側に位置している。【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
受圧により撓み変形するダイヤフラムを備えた圧力センサーが広く用いられている。このような圧力センサーでは、ダイヤフラム上に例えばピエゾ抵抗素子、振動素子等のセンサー素子が配置されており、ダイヤフラムの撓みをセンサー素子で検出することにより、ダイヤフラムに加わった圧力を検出することができる。
例えば、特許文献1に記載の圧力センサーでは、基板の一方の面に凹部が形成されており、その基板の凹部により薄肉化された部分がダイヤフラムとなり、その基板の他方の面側にてダイヤフラム上にピエゾ抵抗素子が配置されている。
しかし、特許文献1に記載の圧力センサーでは、基板の凹部により薄肉化された部分全体がダイヤフラムとなるため、基板に形成された凹部の位置、形状および大きさに応じてダイヤフラムの位置、形状および大きさが決まってしまう。そして、凹部およびピエゾ抵抗素子は互いに基板の反対の面側に形成されるため、凹部とピエゾ抵抗素子との位置合わせが難しく、その結果、ダイヤフラムとピエゾ抵抗素子との間の位置ずれが生じやすい。ダイヤフラムは部位によって撓み量が異なるため、ダイヤフラムとピエゾ抵抗素子との間の位置ずれが生じると、所望の検出特性を得ることができない。そのため、検出特性の製造ばらつきが生じてしまう。
特開2011−75400号公報
本発明の目的は、検出特性の製造ばらつきを低減することができる物理量センサーを提供すること、また、この物理量センサーを備える信頼性に優れた圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[適用例1]
本発明の物理量センサーは、受圧により撓み変形するダイヤフラム部を有する基板と、
前記ダイヤフラム部に配置されているセンサー素子と、
前記基板に対して前記センサー素子側に配置されていて、前記センサー素子を収納している空洞部を構成している壁部と、
前記基板の前記センサー素子側とは反対の面側にある凹部と、を備え、
前記壁部の内壁面の前記基板側の端部が前記凹部の底面の縁部よりも前記ダイヤフラム部の中心側に位置していることを特徴とする。
このような物理量センサーによれば、壁部の内壁面の基板側の端部が凹部の底面の縁部よりもダイヤフラム部の中心側に位置しているため、基板に凹部を形成する際にその凹部の位置、大きさおよび形状に多少のずれが生じたとしても、壁部の内壁面の基板側の端部の位置、大きさおよび形状に応じた位置、大きさおよび形状のダイヤフラム部を形成することができる。また、センサー素子が基板に対して壁部と同じ面側に設けられているため、センサー素子および壁部を形成する際にこれらの位置ずれを低減し、ひいては、センサー素子とダイヤフラム部との位置ずれを低減することができる。その結果、物理量センサーの検出特性の製造ばらつきを低減することができる。
[適用例2]
本発明の物理量センサーでは、前記凹部の底面の一部が前記ダイヤフラム部の受圧面を構成していることが好ましい。
これにより、空洞部を封止することができる。
[適用例3]
本発明の物理量センサーでは、前記空洞部が封止されていることが好ましい。
これにより、センサー素子を外部から保護し、センサー素子の劣化や特性変動を低減することができる。また、空洞部を圧力基準室として用いることができ、特に、空洞部を真空状態とすることにより、物理量センサーを用いて絶対圧センサーを実現することができる。
[適用例4]
本発明の物理量センサーでは、前記センサー素子は、ピエゾ抵抗素子を有していることが好ましい。
ピエゾ抵抗素子は、CMOSプロセスを用いて壁部と一括して形成することができる。また、ピエゾ抵抗素子は、ダイヤフラム部の厚さが極めて薄い場合においても、振動素子のような振動漏れに起因するQ値の低下の問題がない。そのため、ダイヤフラム部の厚さを極めて薄くして、物理量センサーの感度を極めて高くすることができる。
[適用例5]
本発明の物理量センサーでは、前記センサー素子は、前記ダイヤフラム部に設けられている固定電極と、前記固定電極と離間して対向配置されている可動部を有する可動電極と、を有していることが好ましい。
このようないわゆるレゾナント型のセンサー素子は、CMOSプロセスを用いて壁部と一括して形成することができる。
[適用例6]
本発明の物理量センサーでは、前記壁部は、成膜により形成されていることが好ましい。
このような壁部は、CMOSプロセスを用いて形成することができる。
[適用例7]
本発明の物理量センサーでは、前記基板の前記センサー素子側の面上に積層されている複数の層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を貫通している配線層と、を有しており、
前記壁部の内壁面は、前記配線層と同一材料で構成されていることが好ましい。
これにより、CMOSプロセスで形成した層間絶縁膜の一部をエッチングにより除去して空洞部を形成する際、壁部(配線層と同一材料で構成された部分)をエッチングストップ層として利用することができる。また、基板のセンサー素子と同一面上に集積回路をセンサー素子と一括して形成することができる。
[適用例8]
本発明の物理量センサーでは、前記壁部の内壁面は、金属を含んで構成されていることが好ましい。
これにより、CMOSプロセスで形成した層間絶縁膜の一部をエッチングにより除去して空洞部を形成する際、壁部をエッチングストップ層として利用することができる。
[適用例9]
本発明の圧力センサーは、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する圧力センサーを提供することができる。
[適用例10]
本発明の高度計は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する高度計を提供することができる。
[適用例11]
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
[適用例12]
本発明の移動体は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する移動体を提供することができる。
本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。 図1中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大断面図である。 図1に示す物理量センサーのダイヤフラム部およびセンサー素子を説明するための平面図(図2中の矢印B方向から見た図)である。 図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、(a)は自然状態を示す図、(b)は加圧状態を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの壁部の変形例を説明するための平面図である。 本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。 図10に示す物理量センサーのダイヤフラム部およびセンサー素子を説明するための平面図である。 本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す各実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
1.物理量センサー
図1は、本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図、図2は、図1中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大断面図である。また、図3は、図1に示す物理量センサーのダイヤフラム部およびセンサー素子を説明するための平面図(図2中の矢印B方向から見た図)である。また、図4は、図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、図4(a)は自然状態を示す図、図4(b)は加圧状態を示す図である。なお、図2および図4では、説明の便宜上、固定電極および可動電極の配線部の図示を省略している。
図1に示す物理量センサー1は、基板6と、センサー素子7と、素子周囲構造体8(壁部)と、空洞部5と、半導体回路(図示せず)とを有している。以下これらの各部について順次説明する。
−基板6−
基板6は、板状をなしており、シリコン等の半導体で構成された半導体基板61と、半導体基板61の一方の面に設けられたシリコン酸化膜62と、シリコン酸化膜62上に設けられたシリコン窒化膜63とで構成されている。このような基板6の平面視形状は、特に限定されず、例えば略正方形または略長方形等の矩形や、円形とすることができる。ここで、シリコン酸化膜62およびシリコン窒化膜63は、いずれも、絶縁膜として用いることができる。なお、これらの絶縁膜のうちの一方は、素子周囲構造体8の形成方法等によっては省略することができる。
また、基板6には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイヤフラム部64が設けられている。ダイヤフラム部64は、基板6の下面に有底の凹部65を設けることで形成された薄肉な部分の一部で構成されている。このようなダイヤフラム部64は、その下面が受圧面641となっている。図3では、ダイヤフラム部64は、略長方形の平面視形状である。
本実施形態の基板6では、凹部65が半導体基板61を貫通しておらず、ダイヤフラム部64が半導体基板61の薄肉部分、シリコン酸化膜62およびシリコン窒化膜63の3層で構成されている。
−センサー素子7−
センサー素子7は、図2に示すように、基板6のダイヤフラム部64上に設けられている固定電極71と、可動電極72とを有している。また、図3に示すように、固定電極71は、電極部711と、電極部711から引き出された配線部712とを有し、これらが基板6上に設けられている。また、図2に示すように、可動電極72は、基板6上に設けられている支持部721(配線部)と、固定電極71と空隙を隔てて対向配置された可動部722と、支持部721と可動部722とを連結する弾性変形可能な連結部723とを有している。
また、固定電極71の膜厚は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上、1.0μm以下とすることができる。また、可動電極72の膜厚は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上、1.0μm以下とすることができる。
−素子周囲構造体8−
図1に示すように、素子周囲構造体8は、センサー素子7が配置されている空洞部5を画成するように形成されている。この素子周囲構造体8は、基板6上にセンサー素子7を取り囲むように形成された層間絶縁膜81と、層間絶縁膜81上に形成された配線層82と、配線層82および層間絶縁膜81上に形成された層間絶縁膜83と、層間絶縁膜83上に形成され、複数の細孔(開孔)を備えた被覆層841を有する配線層84と、配線層84および層間絶縁膜83上に形成された表面保護膜85と、被覆層841上に設けられた封止層86とを有している。ここで、素子周囲構造体8が空洞部5を形成している「壁部」を構成している。なお、配線層82、84が「壁部」を構成しているということもできる。
半導体基板61上およびその上方には、図示しない半導体回路が作り込まれている。この半導体回路は、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ等の能動素子、コンデンサ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線(固定電極71に接続されている配線や可動電極72に接続されている配線、配線層82、84を含む)等の回路要素を有している。
−空洞部5−
基板6と素子周囲構造体8とによって画成された空洞部5は、センサー素子7を収容する収容部(キャビティ)として機能している。また、空洞部5は、密閉された空間である。この空洞部5は、物理量センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。本実施形態では、空洞部5が真空状態(300Pa以下)となっている。空洞部5を真空状態とすることによって、物理量センサー1を、真空状態を基準として圧力を検出する「絶対圧センサー」として用いることができ、その利便性が向上する。
ただし、空洞部5は、真空状態でなくてもよく、大気圧であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、空洞部5には、窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
以上、物理量センサー1の構成について簡単に説明した。
このような構成の物理量センサー1は、図4(a)および(b)に示すように、ダイヤフラム部64の受圧面641が受ける圧力に応じて、ダイヤフラム部64が変形し、これにより、可動電極72の可動部722と固定電極71とのギャップ(離間距離)Gが変化する。ここで、物理量センサー1は、受圧面641に圧力Pが加わると、ダイヤフラム部64が、空洞部5側に撓み変形する。なお、図4(a)では、ダイヤフラム部64と厚肉部66とが一直線状をなしているが、前述したように、空洞部5が真空状態となっているため、大気圧中では、ダイヤフラム部64は、空洞部5側(図4中上側)に突出するように若干撓むこととなる。
ギャップGが変化すると、固定電極71および可動電極72で構成される振動系の共振周波数が変化するため、この共振周波数の変化から、受圧面641で受けた圧力の大きさ(絶対圧)を求めることができる。
物理量センサー1では、前述したように、基板6の下面に凹部65が形成されており、その基板6の凹部65により薄肉化された部分の一部がダイヤフラム部64となっている。以下、この点を詳述する。
ダイヤフラム部64を含んでいる基板6のセンサー素子7とは反対側の面には、凹部65が設けられ、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部(以下、単に「内壁面87の端部」ともいう)が凹部65の底面の縁部652よりもダイヤフラム部64の中心側に位置している。言い換えると、基板6の厚さ方向から見た平面視(以下、単に「平面視」ともいう)において、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部が凹部65の底面の縁部652の内側に包含されている。
ここで、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部は、配線層82の内周面821の基板6側の端部である。また、凹部65の底面の縁部652は、凹部65の底面と側面との接続部である。なお、本実施形態では、凹部65の開口縁部651は、縁部652よりも外側(ダイヤフラム部64の中心とは反対側)に位置しているが、縁部652との位置関係は、前述したような内壁面87の端部と縁部652との位置関係を有していれば、これに限定されず、例えば、平面視で縁部652と一致する部分を有していてもよいし、縁部652に対して内側となる部分を有していてもよい。
このような内壁面87の端部と縁部652との位置関係により、基板6の凹部65により薄肉化された部分のうち、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部よりも外側に部分は、素子周囲構造体8により補強され、撓み変形が実質的に不可能であり、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部よりも内側の部分が撓み変形可能なダイヤフラム部64となる。すなわち、基板6の凹部65により薄肉化された部分のうち、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部よりも外側に部分の撓み変形が素子周囲構造体8により規制または制限され、平面視にて凹部65と空洞部5とが重なる領域に対応する部分がダイヤフラム部64となる。
このように、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部が凹部65の底面の縁部652よりもダイヤフラム部64の中心側に位置している限り、凹部65の位置、大きさおよび形状に関係なく、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部の位置、大きさおよび形状に応じてダイヤフラム部64を形成することができる。したがって、基板6に凹部65を形成する際にその凹部65の位置、大きさおよび形状に多少のずれが生じたとしても、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部の位置、大きさおよび形状に応じた位置、大きさおよび形状のダイヤフラム部64を形成することができる。
また、センサー素子7が基板6に対して素子周囲構造体8と同じ面側に設けられているため、後に詳述するようにセンサー素子7および素子周囲構造体8を形成する際にこれらの位置ずれを低減し、ひいては、センサー素子7とダイヤフラム部64との位置ずれを低減することができる。その結果、物理量センサー1の検出特性の製造ばらつきを低減することができる。
本実施形態では、前述したように、凹部65の底面の一部がダイヤフラム部64の受圧面を構成しており、空洞部5が封止されている。これにより、センサー素子7を外部から保護し、センサー素子7の劣化や特性変動を低減することができる。また、空洞部5を圧力基準室として用いることができ、特に、空洞部5を真空状態とすることにより、物理量センサー1を用いて絶対圧センサーを実現することができる。
また、センサー素子7が前述したように固定電極71および可動電極72を有する。このようないわゆるレゾナント型のセンサー素子7(振動素子)は、CMOSプロセスを用いて素子周囲構造体8と一括して形成することができる。
また、素子周囲構造体8は、成膜により形成されており、CMOSプロセスを用いて形成することができる。
また、前述したように、基板6のセンサー素子7側の面上に、配線層82、84が貫通している複数の層間絶縁膜81、83が積層されており、素子周囲構造体8の内壁面87は、配線層82、84の内周面である。そのため、素子周囲構造体8の内壁面87は、配線層82、84と同一材料で構成されている。具体的には、素子周囲構造体8内壁面87は、金属を含んで構成されている。一般に、層間絶縁膜81、83はシリコン酸化膜で構成されるため、内壁面87は、アルカリエッチング液に対するエッチングレートが層間絶縁膜81、83よりも低い。したがって、後述するようにCMOSプロセスで形成した層間絶縁膜81、83の一部をエッチングにより除去して空洞部5を形成する際、配線層82、84をエッチングストップ層として利用することができる。また、基板6のセンサー素子7と同一面上に半導体回路(集積回路)をセンサー素子7と一括して形成することができる。
内壁面87を構成する金属は、CMOSプロセスとの親和性の観点から、アルミニウム、銅等の配線材料を用いることが好ましい。また、基板6との熱膨張係数差を小さくする観点から、内壁面87を構成する材料として、コバール等のFe−Ni系合金、Ti、Ti−N系合金、W、Pt、または珪酸ガラス等のガラス材料を用いることもできる。
また、平面視にて縁部652が配線層82の基板6側の端面に重なることが好ましい。これにより、配線層82の熱膨張係数と基板6の熱膨張係数との差が大きくても、これらの熱膨張差に起因するダイヤフラム部64の変形を低減することができる。
また、平面視における内壁面87の端部と縁部652との間の距離Dは、基板6の厚肉部66やダイヤフラム部64の厚さ等に応じて決められるものであり、特に限定されないが、1nm以上300μm以下であることが好ましく、10nm以上100μm以下であることがより好ましく、100nm以上50μm以下であることがさらに好ましい。これにより、基板6に凹部65を形成する際にその凹部65の位置、大きさおよび形状に多少のずれが生じたとしても、平面視にて内壁面87の端部を縁部652の内側に配置することができる。
また、基板6の厚肉部66の厚さは、特に限定されないが、例えば、100μ以上1000μm以下程度とされる。
また、ダイヤフラム部64の厚さTは、特に限定されないが、本実施形態では、センサー素子7が振動素子であるため、例えば、5μm以上100μm以下程度とされる。
また、本実施形態では、ダイヤフラム部64の平面視形状は、長方形である。また、固定電極71および可動部722の平面視形状は、それぞれ、ダイヤフラム部64の長手方向に沿って延在している長方形である。可動部722は、平面視において、その先端部(自由端部)が固定電極71に内包されている。固定電極71の短手方向、および可動部722の短手方向は、ダイヤフラム部64の短手方向と平行になっている。そのため、固定電極71の長手方向、および可動部722の長手方向は、当然、ダイヤフラム部64の長手方向と平行になっている。
前述したように、支持部721の端725が中心O上に設けられており、固定電極71が支持部721よりも厚肉部66側に設けられているため、ダイヤフラム部64が撓むと、ギャップGは増大する。
また、前述したように、固定電極71と支持部721とは、ダイヤフラム部64の短手方向に沿って並んで設置されているため、ダイヤフラム部64が撓んだときの支持部721と固定電極71との変位量の差を、より大きくすることができる。これは、ダイヤフラム部64が撓み変形した際に、ダイヤフラム部64の長手方向よりも、ダイヤフラム部64の短手方向の方が、基板6に対して急峻な角度で変位するためである。
特に、固定電極71の短手方向、および支持部721の短手方向と、ダイヤフラム部64の短手方向とが平行である。すなわち、固定電極71の短手方向とダイヤフラム部64の短手方向とが、同じ方向であるため、上述した効果が顕著に発揮される。
また、ダイヤフラム部64の中央部、特に中心Oは、圧力が加わることで大きく撓む部分である。このため、ダイヤフラム部64の中央部にセンサー素子7を配置することで、支持部721をより大きく変位させることができるため、ギャップ変動量(離間距離Gの変動量)をより大きくすることができる。
また、ダイヤフラム部64の中央部、特に中心Oは、ダイヤフラム部64の長手方向の長さL1が、短手方向の長さL2に対して長くなるほど、より大きく撓む傾向がある。したがって、長さL2に対して長さL1をより長くすることで、ギャップ変動量をより大きくすることができ、よって、特に感度のよい物理量センサー1を得ることができる。
ダイヤフラム部64の短手方向の長さL2と、長手方向の長さL1との関係は、特に限定されないが、L1/L2は、1.2以上、3.0以下であることが好ましく、1.7以上、2.8以下であることがより好ましく、1.8以上、2.5以下であることがさらに好ましい。これにより、ギャップ変動量を特に大きくすることができ、物理量センサー1の小型化と高感度化の両立を図ることができる。なお、本実施形態では、L1/L2は、略2.0となっている。
また、ダイヤフラム部64の長手方向の長さL1としては、50μm以上、200m以下であることが好ましく、ダイヤフラム部64の短手方向の長さL2としては、特に限定されないが、10μm以上、160μm以下であることが好ましい。
また、本実施形態では、このようなダイヤフラム部64の平面視形状、すなわち内壁面87の端部の平面視形状に対応して、凹部65の底面の縁部652の平面視形状も長方形(相似形)である。これにより、凹部65の無駄な部分を小さくし、物理量センサー1の必要な機械的強度を確保したり、物理量センサー1の大型化を防止したりすることができる。なお、縁部652の平面視形状は、ダイヤフラム部64の平面視形状と異なる形状であってもよい。
このような観点から、平面視における縁部652の短手方向の長さL4と、長手方向の長さL3との関係は、特に限定されないが、L3/L4は、1.2以上、3.0以下であることが好ましく、1.7以上、2.8以下であることがより好ましく、1.8以上、2.5以下であることがさらに好ましい。
同様に、平面視における開口縁部651の短手方向の長さL6と、長手方向の長さL5との関係は、特に限定されないが、L5/L6は、1.2以上、3.0以下であることが好ましく、1.7以上、2.8以下であることがより好ましく、1.8以上、2.5以下であることがさらに好ましい。
次に、物理量センサー1の製造方法を簡単に説明する。
図5〜図8は、物理量センサーの製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づいて説明する。
[機能素子形成工程]
まず、図5(a)に示すように、シリコン基板等の半導体基板61を用意する。次に、用意した半導体基板61の上面を熱酸化することによりシリコン酸化膜(絶縁膜)62を形成し、さらに、シリコン酸化膜62上にシリコン窒化膜63をスパッタリング法、CVD法等により形成する。
シリコン酸化膜62は、半導体基板61およびその上方に半導体回路を形成する際の素子間分離膜として機能する。また、シリコン窒化膜63は、後に行われるリリース工程において実施されるエッチングに対する耐久性を有しており、いわゆるエッチングストップ層として機能する。なお、シリコン窒化膜63は、パターニング処理によって、センサー素子7を形成する平面範囲を含む範囲と半導体回路内の一部の素子(コンデンサ)などの範囲に限定して形成する。これにより、半導体基板61およびその上方に半導体回路を形成する際の障害となることがなくなる。
次に、図5(b)に示すように、シリコン窒化膜63上に、固定電極71を形成するための多結晶(またはアモルファス)シリコン膜20をスパッタリング法、CVD法等により形成し、この多結晶(またはアモルファス)シリコン膜20にリンイオン等の不純物イオンをドープして導電性を付与する。そして、多結晶(またはアモルファス)シリコン膜20上からフォトレジストを塗布し、固定電極71の形状(平面視形状)にパターニングしフォトレジスト膜21を形成する。
次に、図5(c)に示すように、パターニングしたフォトレジスト膜21をマスクとして多結晶(またはアモルファス)シリコン膜20をエッチングした後、フォトレジスト膜21を除去する。これにより、固定電極71が形成される。
次に、図5(d)に示すように、固定電極71を覆うようにシリコン酸化膜やPSG(リンドープガラス)等からなる犠牲層22を、熱酸化法、スパッタリング法またはCVD法等により形成する。
次に、図5(e)に示すように、シリコン窒化膜63および犠牲層22上に、可動電極72を形成するための多結晶(またはアモルファス)シリコン膜23をスパッタリング法、CVD法等により形成し、形成した多結晶(またはアモルファス)シリコン膜23にリンイオン等の不純物イオンをドープして導電性を付与する。そして、多結晶(またはアモルファス)シリコン膜23上からフォトレジストを塗布し、可動電極72の形状(平面視形状)にパターニングしフォトレジスト膜24を形成する。
次いで、図5(f)に示すように、フォトレジスト膜24をマスクとして多結晶(またはアモルファス)シリコン膜23をエッチングした後、フォトレジスト膜24を除去する。これにより、可動電極72が形成され、固定電極71と可動電極72とを有するセンサー素子7が形成される。
[絶縁膜形成工程]
まず、図6(a)に示すように、シリコン窒化膜63およびセンサー素子7上に、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜81をスパッタリング法、CVD法等により形成する。また、層間絶縁膜81に、半導体基板61の平面視にてセンサー素子7を取り巻く環状の開口部30をパターニング処理等により形成する。なお、図6では、層間絶縁膜81の形成により層間絶縁膜81と一体化している犠牲層22の一部の図示を省略している。
次に、図6(b)に示すように、層間絶縁膜81上に、例えばアルミニウムよりなる層をスパッタリング法、CVD法等により形成した後、パターニング処理することにより配線層82を形成する。配線層82は、開口部30に対応するように、半導体基板61の平面視にて環状をなしている。また、配線層82の一部は、開口部30を通して半導体基板61上およびその上方に形成された配線(例えば、図示しない半導体回路の一部を構成する配線)に電気的に接続される。なお、配線層82は、シリコン窒化膜63およびセンサー素子7を取り巻く部分にのみ存在するように形成されているが、一般的には、図示しない半導体回路の一部を構成する配線層の一部が、配線層82を構成している。
次に、図6(c)に示すように、層間絶縁膜81および配線層82上に、シリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜83をスパッタリング法、CVD法等により形成する。また、層間絶縁膜81に、半導体基板61の平面視にてシリコン窒化膜63およびセンサー素子7を取り巻く環状の開口部32をパターニング処理等により形成する。なお、開口部32は、開口部30と同様に、半導体基板61の平面視にて、環状をなしてなくてもよく、その一部が欠損していてもよい。
このような層間絶縁膜と配線層との積層構造は、通常のCMOSプロセスにより形成され、その積層数は、必要に応じて適宜に設定される。すなわち、必要に応じてさらに多くの配線層が層間絶縁膜を介して積層される場合もある。
[被覆層形成工程]
まず、図7(a)に示すように、層間絶縁膜83上に、例えばアルミニウムよりなる層をスパッタリング法、CVD法等により形成した後、パターニング処理することにより配線層84を形成する。この配線層84の一部は、開口部32を通して配線層82に電気的に接続される。また、配線層84の一部は、シリコン窒化膜63およびセンサー素子7の上方に位置し、複数の細孔842が形成された被覆層841を構成している。このような配線層84も、前述した配線層82と同様に、一般的には、図示しない半導体回路の一部を構成する配線層の一部で構成されている。
次に、図7(b)に示すように、配線層84および層間絶縁膜83上に、例えばシリコン窒化膜、レジストその他の樹脂材料よりなる表面保護膜85をスパッタリング法、CVD法等により形成する。また、この表面保護膜85は、一種類以上の材料を含む複数の膜層で構成され、被覆層841の細孔842を封止してしまわないように形成する。なお、表面保護膜85の構成材料としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するもので形成される。
[リリース工程]
まず、図7(c)に示すように、リリースエッチング用のフォトレジストなどの保護膜形成工程を行なった後に、被覆層841に形成された複数の細孔842を通して、センサー素子7上にある層間絶縁膜81、83を除去するとともに、固定電極71と可動部722との間にある犠牲層22を除去する。これにより、センサー素子7が配置された空洞部5が形成されるとともに、固定電極71と可動部722とが離間し、センサー素子7が駆動し得る状態となる。
このとき、配線層82、84がエッチングストップ層として機能する。そのため、配線層82、84の内側に空洞部5が形成される。よって、内壁面87の基板6側の端部とセンサー素子7との位置ずれを低減することができる。
層間絶縁膜81、83および犠牲層22の除去は、例えば、複数の細孔842からエッチング液としてのフッ酸、緩衝フッ酸等を供給するウェットエッチングや、複数の細孔842からエッチングガスとしてフッ化水素酸ガス等を供給するドライエッチングにより行うことができる。
[封止工程]
次に、図8(a)に示すように、被覆層841上に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、AL、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜等からなる封止層86をスパッタリング法、CVD法等により形成し、各細孔842を封止する。
[ダイヤフラム形成工程]
最後に、図8(b)に示すように、半導体基板61の空洞部5と反対側の面から、例えば、ドライエッチングを行い、半導体基板61の一部を除去する。これにより、ダイヤフラム部64が形成される。
なお、半導体基板61の一部を除去する方法としては、ドライエッチングに限らず、ウェットエッチング等であってもよい。
以上のような工程により、物理量センサー1を製造することができる。なお、物理量センサー1が有する半導体回路が有するMOSトランジスタ等の能動素子、コンデンサ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線等の回路要素は、上述した適宜の工程中(例えば、機能素子形成工程、絶縁膜形成工程、被覆層形成工程、封止層形成工程)途中において作り込んでおくことができる。例えば、シリコン酸化膜62とともに回路素子間分離膜を形成したり、固定電極71や可動電極72とともにゲート電極、容量電極、配線等を形成したり、犠牲層22、層間絶縁膜81、83とともにゲート絶縁膜、容量誘電体層、層間絶縁膜を形成したり、配線層82、84とともに回路内配線を形成したりすることができる。
以上本発明の物理量センサー1の第1実施形態を説明したが、空洞部5の平面視形状は、前述したような長方形に限らず、例えば、正方形、円形、長円形等であってもよい。
図9に示すダイヤフラム部64の平面視形状は、長円形である。
ここで、図9に示す例では、内壁面87の端部の平面視形状が長円形であり、凹部65の底面の縁部652の平面視形状が長方形である。このような場合であっても、内壁面87の端部が凹部65の底面の縁部652よりもダイヤフラム部64の中心側に位置していることにより、前述したのと同様の効果を奏することができる。
<第2実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す断面図、図11は、図10に示す物理量センサーのダイヤフラム部およびセンサー素子を説明するための平面図である。
以下、この図を参照して本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態では、センサー素子の種類およびダイヤフラム部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10に示す物理量センサー1Aでは、シリコン酸化膜62およびシリコン窒化膜63の2層で構成されているダイヤフラム部64Aと、ダイヤフラム部64A上に配置されているセンサー素子7Aと、を有している。
ダイヤフラム部64Aは、基板6に半導体基板61を貫通する凹部65Aを設けることにより形成された薄肉な部分の一部で構成されている。このようなダイヤフラム部64Aは、極めて薄くすることができる。そのため、物理量センサー1Aの感度が極めて高くなる。また、これらの膜は、物理量センサー1Aを製造する際に用いるエッチングのエッチングストップ層として利用することができ、ダイヤフラム部64Aの厚さの製品ごとのバラツキを少なくすることができる。本実施形態では、シリコン酸化膜62の下面が受圧面641Aとなる。
また、ダイヤフラム部64Aの厚さは、特に限定されないが、本実施形態では、センサー素子7Aがピエゾ抵抗素子を用いているため、例えば、1μm以上20μm以下程度とされる。なお、前述した第1実施形態のようにダイヤフラム部64Aを半導体基板61の薄肉部分、シリコン酸化膜62およびシリコン窒化膜63の3層で構成する場合、ダイヤフラム部64Aの厚さは、例えば、1μm以上100μm以下程度とされる。
センサー素子7Aは、図11に示すように、ダイヤフラム部64A上に設けられている複数(本実施形態では4つ)のピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dで構成されている。
ピエゾ抵抗素子7a、7bは、平面視で四角形をなすダイヤフラム部64の互いに対向する(図11にて左右方向に並んでいる)1対の辺(以下、「第1の辺」ともいう)に対応して設けられ、ピエゾ抵抗素子7c、7dは、平面視で四角形をなすダイヤフラム部64の他の互いに対向する(図11にて上下方向に並んでいる)1対の辺(以下、「第2の辺」ともいう)に対応して設けられている。
ピエゾ抵抗素子7aは、ダイヤフラム部64Aの外周部近傍(より具体的には図11にて右側の第1の辺近傍)に設けられたピエゾ抵抗部71aを有している。ピエゾ抵抗部71aは、第1の辺に平行な方向に沿って延びている長手形状をなしている。このピエゾ抵抗部71aの両端部には、それぞれ、配線41aが接続されている。
同様に、ピエゾ抵抗素子7bは、ダイヤフラム部64の外周部近傍(より具体的には図11にて左側の第1の辺近傍)に設けられたピエゾ抵抗部71bを有している。このピエゾ抵抗部71bの両端部には、それぞれ、配線41bが接続されている。
一方、ピエゾ抵抗素子7cは、ダイヤフラム部64の外周部近傍(より具体的には図11にて上側の第2の辺近傍)に設けられた1対のピエゾ抵抗部71cと、1対のピエゾ抵抗部71c同士を接続している接続部73cと、を有している。この1対のピエゾ抵抗部71cは、互いに平行であり、かつ、第2の辺に対して垂直な方向(すなわち第1の辺に平行な方向)に沿って延びている長手形状をなしている。この1対のピエゾ抵抗部71cの一端部(ダイヤフラム部64の中心側の端部)同士は、接続部73cを介して接続されており、1対のピエゾ抵抗部71cの他端部(ダイヤフラム部64の外周側の端部)には、それぞれ、配線41cが接続されている。
同様に、ピエゾ抵抗素子7dは、ダイヤフラム部64の外周部近傍(より具体的には図11にて下側の第2の辺近傍)に設けられた1対のピエゾ抵抗部71dと、1対のピエゾ抵抗部71d同士を接続している接続部73dと、を有している。この1対のピエゾ抵抗部71dの一端部(ダイヤフラム部64の中心側の端部)同士は、接続部73dを介して接続されており、1対のピエゾ抵抗部71dの他端部(ダイヤフラム部64の外周側の端部)には、それぞれ、配線41dが接続されている。
このようなピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dのピエゾ抵抗部71a、71b、71c、71dは、それぞれ、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)したポリシリコン(多結晶シリコン)で構成されている。また、ピエゾ抵抗素子7c、7dの接続部73c、73dおよび配線41a、41b、41c、4dは、それぞれ、例えば、ピエゾ抵抗部71a、71b、71c、71dよりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)したポリシリコン(多結晶シリコン)で構成されている。なお、接続部73c、73dおよび配線41a、41b、41c、4dは、それぞれ、金属で構成されていてもよい。
また、ピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dは、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。そして、これらのピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dは、配線41a、41b、41c、41d等を介して、互いに電気的に接続され、図示しないブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路には、駆動電圧を供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路は、ピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dの抵抗値に応じた信号(電圧)を出力する。
このようなピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dは、抵抗値が互いに等しいため、受圧によるダイヤフラム部64Aの変形が生じる前の自然状態では、ピエゾ抵抗素子7a、7bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子7c、7dの抵抗値の積とが等しく、ブリッジ回路の出力(電位差)はゼロとなる。
一方、受圧によりダイヤフラム部64Aの変形が生じると、ピエゾ抵抗素子7a、7bのピエゾ抵抗部71a、71bにその長手方向に沿って引張歪みが生じるとともに、ピエゾ抵抗素子7c、7dのピエゾ抵抗部71c、71dにその長手方向に沿って圧縮歪みが生じる。
ここで、ピエゾ抵抗部71a、71bは、その幅方向の圧縮力を受けるが、ピエゾ抵抗部71a、71bのポアソン比に応じて、ピエゾ抵抗部71a、71bにその長手方向に沿って引張歪みが、およびその幅方向に沿って圧縮歪みが生じることとなる。また、前述したダイヤフラム部64の変形により、ピエゾ抵抗部71c、71dは、その長手方向の圧縮力を受け、その圧縮力に応じて、ピエゾ抵抗部71c、71dにその長手方向に沿って圧縮歪みが、およびその幅方向に沿って引張歪みが生じることとなる。
このようなピエゾ抵抗部71a、71b、71c、71dの歪みにより、ピエゾ抵抗素子7a、7bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子7c、7dの抵抗値の積との差が生じ、その差に応じた出力(電位差)がブリッジ回路から出力される。このブリッジ回路からの出力に基づいて、受圧面641で受けた圧力の大きさ(絶対圧)を求めることができる。
ここで、受圧によりダイヤフラム部64Aの変形が生じたとき、ピエゾ抵抗素子7a、7bの抵抗値は増加し、ピエゾ抵抗素子7c、7dの抵抗値は減少するため、ピエゾ抵抗素子7a、7bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子7c、7dの抵抗値の積との差の変化を大きくすることができ、それに伴って、ブリッジ回路からの出力を大きくすることができる。その結果、圧力の検出感度を高めることができる。また、ブリッジ回路を構成するピエゾ抵抗素子7a、7b、7c、7dのすべて温度条件がほぼ同一であるため、外部の温度変化に対する特性変化を低減することもできる。
また、このようなセンサー素子7(ピエゾ抵抗素子)は、CMOSプロセスを用いて素子周囲構造体8と一括して形成することができる。また、ピエゾ抵抗素子は、ダイヤフラム部64Aの厚さが極めて薄い場合においても、振動素子のような振動漏れに起因するQ値の低下の問題がない。そのため、ダイヤフラム部64Aの厚さを極めて薄くして、物理量センサー1Aの感度を極めて高くすることができる。
このような物理量センサー1Aにおいても、素子周囲構造体8の内壁面87の基板6側の端部が凹部65Aの底面の縁部652Aよりもダイヤフラム部64Aの中心側に位置している。なお、本実施形態では、凹部65Aの開口縁部651Aは、縁部652Aよりも外側(ダイヤフラム部64Aの中心とは反対側)に位置しているが、縁部652Aとの位置関係はこれに限定されず、例えば、平面視で縁部652Aと一致する部分を有していてもよいし、縁部652Aに対して内側となる部分を有していてもよい。
以上説明したような第2実施形態によっても、検出特性の製造ばらつきを低減することができる。
2.圧力センサー
次に、本発明の物理量センサーを備える圧力センサー(本発明の圧力センサー)ついて説明する。図12は、本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。
図12に示すように、本発明の圧力センサー100は、物理量センサー1と、物理量センサー1を収納する筐体101と、物理量センサー1から得た信号を圧力データに演算する演算部102とを備えている。物理量センサー1は、配線103を介して演算部102と電気的に接続されている。
物理量センサー1は、筐体101の内側に、図示しない固定手段により固定されている。また、筐体101には、物理量センサー1のダイヤフラム部64が、例えば大気(筐体101の外側)と連通するための貫通孔104を有している。
このような圧力センサー100によれば、貫通孔104を介してダイヤフラム部64が圧力を受ける。この受圧した信号を配線103を介して演算部に送信し、圧力データに演算する。この演算された圧力データは、図示しない表示部(例えば、パーソナルコンピューターのモニター等)を介して表示することができる。
3.高度計
次に、本発明の物理量センサーを備える高度計(本発明の高度計)の一例について説明する。図13は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1(圧力センサー100)が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
4.電子機器
次に、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図14は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
5.移動体
次いで、本発明の物理量センサーを適用した移動体(本発明の移動体)について説明する。図15は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図15に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、センサー素子の数、位置、大きさおよび形状等は、前述した実施形態のものに限定されない。
また、前述した実施形態では、センサー素子としてフラップ型の振動子、ピエゾ抵抗素子を用いた場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振動子等の振動素子を用いることもできる。
1‥‥物理量センサー 1A‥‥物理量センサー 5‥‥空洞部 6‥‥基板 7‥‥センサー素子 7A‥‥センサー素子 7a‥‥ピエゾ抵抗素子 7b‥‥ピエゾ抵抗素子 7c‥‥ピエゾ抵抗素子 7d‥‥ピエゾ抵抗素子 8‥‥素子周囲構造体 20‥‥シリコン膜 21‥‥フォトレジスト膜 22‥‥犠牲層 23‥‥シリコン膜 24‥‥フォトレジスト膜 30‥‥開口部 32‥‥開口部 41a‥‥配線 41b‥‥配線 41c‥‥配線 41d‥‥配線 61‥‥半導体基板 62‥‥シリコン酸化膜
63‥‥シリコン窒化膜 64‥‥ダイヤフラム部 64A‥‥ダイヤフラム部 65‥‥凹部 65A‥‥凹部 66‥‥厚肉部 71‥‥固定電極 71a‥‥ピエゾ抵抗部 71b‥‥ピエゾ抵抗部 71c‥‥ピエゾ抵抗部 71d‥‥ピエゾ抵抗部 72‥‥可動電極 73c‥‥接続部 73d‥‥接続部 81‥‥層間絶縁膜 82‥‥配線層 83‥‥層間絶縁膜 84‥‥配線層 85‥‥表面保護膜 86‥‥封止層 87‥‥内壁面 100‥‥圧力センサー 101‥‥筐体 102‥‥演算部 103‥‥配線 104‥‥貫通孔 200‥‥高度計 201‥‥表示部 300‥‥ナビゲーションシステム 301‥‥表示部 400‥‥移動体 401‥‥車体 402‥‥車輪 641‥‥受圧面 641A‥‥受圧面 651‥‥開口縁部 651A‥‥開口縁部 652‥‥縁部 652A‥‥縁部 711‥‥電極部 712‥‥配線部 721‥‥支持部 722‥‥可動部 723‥‥連結部 725‥‥端 821‥‥内周面 841‥‥被覆層 842‥‥細孔 D‥‥距離 G‥‥ギャップ O‥‥中心 P‥‥圧力 L1‥‥長さ L2‥‥長さ L3‥‥長さ L4‥‥長さ L5‥‥長さ L6‥‥長さ

Claims (12)

  1. 受圧により撓み変形するダイヤフラム部を有する基板と、
    前記ダイヤフラム部に配置されているセンサー素子と、
    前記基板に対して前記センサー素子側に配置されていて、前記センサー素子を収納している空洞部を構成している壁部と、
    前記基板の前記センサー素子側とは反対の面側にある凹部と、を備え、
    前記壁部の内壁面の前記基板側の端部が前記凹部の底面の縁部よりも前記ダイヤフラム部の中心側に位置していることを特徴とする物理量センサー。
  2. 前記凹部の底面の一部が前記ダイヤフラム部の受圧面を構成している請求項1に記載の物理量センサー。
  3. 前記空洞部が封止されている請求項1または2に記載の物理量センサー。
  4. 前記センサー素子は、ピエゾ抵抗素子を有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  5. 前記センサー素子は、前記ダイヤフラム部に設けられている固定電極と、前記固定電極と離間して対向配置されている可動部を有する可動電極と、を有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  6. 前記壁部は、成膜により形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 前記基板の前記センサー素子側の面上に積層されている複数の層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を貫通している配線層と、を有しており、
    前記壁部の内壁面は、前記配線層と同一材料で構成されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  8. 前記壁部の内壁面は、金属を含んで構成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする圧力センサー。
  10. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする高度計。
  11. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする移動体。
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