JP2015179000A - 物理量センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた検出精度を有する物理量センサー、この物理量センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供する。
【解決手段】物理量センサー1は、撓み変形可能なダイアフラム24と、ダイアフラム24に設けられ、ダイアフラム24の撓み量を検出する撓み量検出素子としてのピエゾ抵抗素子31、32、33、34と、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34よりもダイアフラム24の中央部側に設けられている温度検知素子としてのピエゾ抵抗素子61と、を有している。また、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、ダイアフラム24の外縁部に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、物理量センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、圧力センサーとして、受圧によって撓み変形するダイアフラムと、ダイアフラムに設けられているピエゾ抵抗素子と、を有し、ダイアフラムの撓み変形に基づくピエゾ抵抗素子の抵抗値変化からダイアフラムが受けた圧力の大きさを検出する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の圧力センサーでは、さらに、ピエゾ抵抗素子の温度補償(環境温度の変化に伴うピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化の補正)を行うために、ピエゾ抵抗素子の近傍であってダイアフラムの外縁部に温度検知用の熱電対が設けられている。しかしなら、ダイアフラムの外縁部は、ダイアフラムの他の部分と比較して、ダイアフラムが撓み変形した際に発生する応力が大きいため、熱電対にも大きな応力が加わってしまう。熱電対に前記応力が加わってしまうと、熱電対が変形してしまい、その分、熱電対の温度検知精度が低下する。
すなわち、特許文献1の圧力センサーでは、ピエゾ抵抗素子の温度補償の精度が低下してしまい、優れた圧力検出精度を発揮することができないという問題がある。
特開2007−271379号公報
本発明の目的は、優れた検出精度を有する物理量センサー、この物理量センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の物理量センサーは、撓み変形可能なダイアフラムと、
前記ダイアフラムに配置され、前記ダイアフラムの撓み量を検出する撓み量検出素子と、
前記撓み量検出素子よりも前記ダイアフラムの中央部側に配置されている温度検知素子と、を有することを特徴とする。
これにより、温度検知素子に加わる応力を低減することができ、撓み量検出素子の温度補償を精度よく行うことができる。そのため、優れた検出精度を有する物理量センサーとなる。
[適用例2]
本適用例の物理量センサーでは、前記撓み量検出素子は、前記ダイアフラムの外縁部に配置されていることが好ましい。
ダイアフラムの外縁部は、その他の領域と比較して、ダイアフラムが撓み変形したときに発生する応力が大きいので、このような位置に撓み量検出素子を設けることで、検出感度をより高めることができる。
[適用例3]
本適用例の物理量センサーでは、前記温度検知素子は、前記ダイアフラムが撓み変形することにより発生する応力が前記中央部および前記外縁部よりも小さい領域に配置されていることが好ましい。
これにより、ダイアフラムの撓み変形によって温度検出素子に発生する応力を効果的に低減することができる。そのため、物理量検出センサーの検出精度がより優れたものとなる。
[適用例4]
本適用例の物理量センサーでは、前記ダイアフラムの中心から前記ダイアフラムの外縁までの距離をLとしたとき、
前記温度検知素子は、前記ダイアフラムの中心からの距離が0.4L以上0.78L以下の範囲内に配置されていることが好ましい。
これにより、ダイアフラムの撓み変形によって温度検出素子に発生する応力をより効果的に低減することができる。
[適用例5]
本適用例の物理量センサーでは、前記撓み量検出素子は、複数配置されていることが好ましい。
これにより、物理量センサーの検出精度がより向上する。
[適用例6]
本適用例の物理量センサーでは、前記ダイアフラムに配置され、前記温度検知素子に対して撓み補正を行う補正用撓み量検出素子を有することが好ましい。
これにより、温度検出素子の撓み補償(応力が加わることに伴う温度検出素子の出力信号の変化の補正)を行うことができる。そのため、物理量センサーの検出精度がより向上する。
[適用例7]
本適用例の物理量センサーでは、前記ダイアフラムが撓み変形により前記温度検知素子に発生する応力と前記補正用撓み量検出素子に発生する応力との差は、10%以下であることが好ましい。
これにより、温度検出素子の撓み補償をより精度よく行うことができる。
[適用例8]
本適用例の物理量センサーでは、前記補正用撓み量検出素子は、ピエゾ抵抗素子であることが好ましい。
これにより、補正用撓み量検出素子の構成が簡単となる。また、補正用撓み量検出素子を半導体プロセスによって形成することができるので、物理量センサーの製造も簡単となる。
[適用例9]
本適用例の物理量センサーでは、前記撓み量検出素子および前記温度検知素子は、それぞれ、ピエゾ抵抗素子であることが好ましい。
これにより、撓み量検出素子および温度検知素子の構成が簡単となる。また、撓み量検出素子および温度検知素子を半導体プロセスによって形成することができるので、物理量センサーの製造も簡単となる。
[適用例10]
本適用例の物理量センサーでは、圧力を検出する圧力センサーであることが好ましい。
これにより、ダイアフラムが受けた圧力を検出することができる。
[適用例11]
本適用例の高度計は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
[適用例12]
本適用例の電子機器は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例13]
本適用例の移動体は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す物理量センサーが有する撓み量センサーおよび温度センサーを示す平面図である。 図2に示す撓み量センサーを含んだ回路を説明する図である。 撓み変形によってダイアフラムに発生する応力の大きさを示すグラフである。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。 本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す平面図である。 本発明の物理量センサーの第3実施形態を示す平面図である。 本発明の物理量センサーの第4実施形態を示す平面図である。 図14に示す温度センサーを含んだ回路を説明する図である。 本発明の物理量センサーの第5実施形態を示す平面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.物理量センサー
<第1実施形態>
図1は、本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す物理量センサーが有する撓み量センサーおよび温度センサーを示す平面図である。図3は、図2に示す撓み量センサーを含んだ回路を説明する図である。図4は、撓み変形によってダイアフラムに発生する応力の大きさを示すグラフである。図5ないし図12は、それぞれ、図1に示す物理量センサーの製造方法を説明する断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
物理量センサー1は、圧力を検出することのできる圧力センサーである。物理量センサー1を圧力センサーとすることで、例えば、高度を計測する用途として種々の電子機器に搭載することのできるセンサーとなり、その利便性が向上する。
図1に示すように、物理量センサー1は、基板2と、撓み量センサー3と、温度センサー6と、素子周囲構造体4と、空洞部7と、半導体回路9と、を有している。以下、これら各部について順に説明する。
≪基板≫
基板2は、板状をなし、SOI基板(第1のSi層211、SiO層212、第2のSi層213がこの順で積層している基板)で構成された半導体基板21上に、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成された第1絶縁膜22と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜23と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板21としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることができる。また、第1絶縁膜22および第2絶縁膜23の材料としては、製造時に半導体基板21を保護することと、半導体基板21、撓み量センサー3および温度センサー6の間を絶縁することができれば、特に限定されない。また、基板2の平面視形状は、特に限定されず、例えば、略正方形または略長方形等の矩形や、円形とすることができ、本実施形態では、略正方形となっている。
また、基板2には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム24が設けられている。このダイアフラム24は、基板2の下面(第2のSi層213)に有底の凹部25を設けることで形成され、その下面(凹部25の底面)が受圧面24aとなっている。このようなダイアフラム24の平面視形状は、特に限定されず、例えば略正方形または略長方形等の矩形や、円形とすることができるが、本実施形態では略正方形となっている。また、ダイアフラム24の幅は、特に限定されないが、400μm以上600μm以下程度とすることができる。また、ダイアフラム24の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上50μm以下であるのが好ましく、15μm以上25μm以下であるのがより好ましい。これにより、ダイアフラム24を十分に柔らかくすることでき、十分に撓み変形することができる。
また、半導体基板21上およびその上方には半導体回路(回路)9が作り込まれている。この半導体回路9には、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ91等の能動素子、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線等の回路要素が含まれている。このように、基板2に半導体回路9を作り込むことで、半導体回路9を別体として設ける場合と比較して、物理量センサー1の小型化を図ることができる。なお、図1では、説明の便宜上、MOSトランジスタ91のみを図示している。
≪撓み量センサー≫
撓み量センサー3は、図2に示すように、ダイアフラム24に配置されている4つのピエゾ抵抗素子(撓み量検出素子)31、32、33、34を有している。このうち、ピエゾ抵抗素子31、32は、平面視で四角形をなすダイアフラム24の互いに対向する1対の辺241、242に対応して配置され、ピエゾ抵抗素子33、34は、平面視で四角形をなすダイアフラム24の他の互いに対向する1対の辺243、244に対応して配置されている。
ピエゾ抵抗素子31は、ダイアフラム24の外縁部(辺241近傍)に配置されたピエゾ抵抗部311を有している。ピエゾ抵抗部311は、辺241に平行な方向に沿って延びている長手形状をなしている。また、このピエゾ抵抗部311の両端部にはそれぞれ配線313が接続されている。
同様に、ピエゾ抵抗素子32は、ダイアフラム24の外縁部(辺242近傍)に配置されたピエゾ抵抗部321を有している。ピエゾ抵抗部321は、辺242に平行な方向に沿って延びている長手形状をなしている。また、このピエゾ抵抗部321の両端部にはそれぞれ配線323が接続されている。
一方、ピエゾ抵抗素子33は、ダイアフラム24の外縁部(辺243近傍)に配置された1対のピエゾ抵抗部331と、1対のピエゾ抵抗部331同士を接続している接続部332とを有している。1対のピエゾ抵抗部331は、互いに平行であり、かつ、辺243に対して垂直な方向(ピエゾ抵抗部311、321と同じ方向)に沿って延びている長手形状をなしている。このような1対のピエゾ抵抗部331の一端部同士は、接続部332を介して接続されており、1対のピエゾ抵抗部331の他端部にはそれぞれ配線333が接続されている。
同様に、ピエゾ抵抗素子34は、ダイアフラム24の外縁部(辺244近傍)に配置された1対のピエゾ抵抗部341と、1対のピエゾ抵抗部341同士を接続している接続部342とを有している。1対のピエゾ抵抗部341は、互いに平行であり、かつ、辺244に対して垂直な方向(ピエゾ抵抗部311、321と同じ方向)に沿って延びている長手形状をなしている。このような1対のピエゾ抵抗部341の一端部同士は、接続部342を介して接続されており、1対のピエゾ抵抗部341の他端部にはそれぞれ配線343が接続されている。
以上のようなピエゾ抵抗部311、321、331、341は、それぞれ、例えば、半導体基板21の第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線313、323、333、343および接続部332、342は、それぞれ、例えば、第1のSi層211に、ピエゾ抵抗部311、321、331、341よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
ただし、ピエゾ抵抗部311、321、331、341は、この他、例えば、ダイアフラム24上に多結晶シリコン膜をスパッタリング法、CVD法等により形成し、その多結晶シリコン膜をエッチングによりパターンニングし、そこにリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されていてもよい。配線313、323、333、343および接続部332、342についても同様である。
また、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。そして、これらのピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、配線313、323、333、343等を介して、互いに電気的に接続され、図3に示すように、ブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路30には、駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路30は、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値に応じた信号(電圧)を出力する。
このような撓み量センサー3は、極めて薄いダイアフラム24を用いても、共振子のような振動素子をセンサー素子として用いた場合のようにダイアフラム24への振動漏れによってQ値が低下するという問題がない。また、第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープしてピエゾ抵抗素子31、32、33、34を構成するとで、例えば、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34をダイアフラム24の上面に重ねて設ける場合に比較して、物理量センサー1の低背化(薄型化)を図ることができる。
≪温度センサー≫
温度センサー6は、図2に示すように、ダイアフラム24に設けられているピエゾ抵抗素子(温度検知素子)61を有している。ピエゾ抵抗素子61は、ダイアフラム24の中央部S1に配置されたピエゾ抵抗部611を有している。すなわち、ピエゾ抵抗部611は、撓み量センサー3(ピエゾ抵抗部311、321、331、341)よりもダイアフラム24の中央側(中心O側)に位置している。また、ピエゾ抵抗部611は、ピエゾ抵抗部311と並んで配置されており、ピエゾ抵抗部611と平行となるように辺241に沿って延びている長手形状をなしている。また、ピエゾ抵抗部611の両端部にはそれぞれ配線613が接続されている。
このようなピエゾ抵抗素子61は、温度によって抵抗値が変化する性質を有しているため、ピエゾ抵抗素子61の抵抗値変化に基づいて、その近傍に位置する撓み量センサー3の温度を検知することができる。特に、ピエゾ抵抗素子61をダイアフラム24に設けることで、温度センサー6を撓み量センサー3のより近傍に、かつ、撓み量センサー3と同じく空洞部7内に配置することができる。すなわち、温度センサー3を撓み量センサー3とより近い環境下に置くことができ、撓み量センサー3の温度をより精度よく検知することができる。なお、中央部S1とは、例えば、ダイアフラム24の中心Oから外縁までの距離をLとしたとき、中心Oから0.4L未満の距離の間に位置する領域と定義することができる。
このようなピエゾ抵抗部611は、例えば、第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線613は、例えば、第1のSi層211に、ピエゾ抵抗部611よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープしてピエゾ抵抗素子61を構成するとで、温度センサー6を簡単に設けることができるとともに、例えば、熱伝対などの別部材をダイアフラム24の上面に重ねて設ける場合に比較して、物理量センサー1の低背化(薄型化)を図ることができる。
ただし、ピエゾ抵抗部611、621、631、641は、この他、例えば、ダイアフラム24上に多結晶シリコン膜をスパッタリング法、CVD法等により形成し、その多結晶シリコン膜をエッチングによりパターンニングし、そこにリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されていてもよい。配線313、323、333、343および接続部332、342についても同様である。
≪素子周囲構造体4≫
素子周囲構造体4は、空洞部7を画成するように形成されている。この素子周囲構造体4は、基板2上に撓み量センサー3および温度センサー6を取り囲むように形成された環状の壁部51と、壁部51の内壁に囲まれている空洞部7の開口を塞ぐ被覆部52とを有している。
このような素子周囲構造体4は、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に形成された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に形成された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に形成された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に形成された表面保護膜45と、封止層46とを有している。配線層44は、空洞部7の内外を連通する複数の細孔442を備えた被覆層441を有しており、被覆層441上に配置されている封止層46が細孔442を封止している。このような素子周囲構造体4では、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43、配線層44(ただし、被覆層441を除く部分)および表面保護膜45で前述した壁部51が構成され、被覆層441および封止層46で前述した被覆部52が構成されている。
なお、配線層42、44は、空洞部7を囲むように形成されている配線層42a、44aと、半導体回路9の配線を構成する配線層42b、44bと、を含んでいる。したがって、半導体回路9は、配線層42b、44bによって物理量センサー1の上面に引き出されている。また、配線層42aと第2絶縁膜23との間には、例えば、多結晶シリコン膜からなる膜49が設けられている。
層間絶縁膜41、43としては、特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層42、44としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層46としては、特に限定されないが、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜を用いることができる。また、表面保護膜45としは、特に限定されないが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものを用いることができる。
≪空洞部≫
基板2と素子周囲構造体4とで画成された空洞部7は、密閉された空間であり、物理量センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。空洞部7は、ダイアフラム24と重なるように配置されており、ダイアフラム24が空洞部7を画成する壁部の一部を構成している。空洞部7内の状態は、特に限定されないが、真空状態(例えば10Pa以下)であることが好ましい。これにより、物理量センサー1を、真空状態を基準として圧力を検出する「絶対圧センサー」として用いることができる。そのため、物理量センサー1の利便性が向上する。ただし、空洞部7内の状態は、真空状態でなくてもよく、例えば、大気圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、空洞部7内には窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
以上、物理量センサー1の構成について簡単に説明した。
このような物理量センサー1は、ダイアフラム24の受圧面24aが受ける圧力に応じてダイアフラム24が撓み変形し、これにより、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34が歪み、その撓み量に応じてピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値が変化する。それに伴って、ブリッジ回路30の出力が変化する。ここで、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、自身の撓みのほかにも、自身の温度(環境温度)によっても抵抗値が変化する性質(抵抗値の温度依存性)を有している。そのため、ブリッジ回路30の出力の変化は、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34の撓みとピエゾ抵抗素子31、32、33、34の温度とに起因したものとなり、このような出力(信号)からは、受圧面24aで受けた圧力(絶対圧)の大きさを精度よく求めることができない。そこで、物理量センサー1では、温度センサー6で撓み量センサー3の温度を検知し、検知した温度に基づいて、ブリッジ回路30から得られる信号を補正(ピエゾ抵抗素子31、32、33、34の温度に起因する変化分を除去)し、補正後の信号に基づいて、受圧面24aで受けた圧力(絶対圧)の大きさを求める。これにより、受圧面24aで受けた圧力を精度よく求めることができる。
ここで、図4に、受圧によってダイアフラム24が撓み変形したときに、ダイアフラム24に発生する応力の大きさを示したグラフを示す。図4では、縦軸(応力値)が大きいほど、ダイアフラム24の変形によるピエゾ抵抗素子の抵抗値変化が大きくなることを意味している。なお、図4に示すグラフは、ダイアフラム24の幅を500μmとした場合のシミュレーション結果であるが、ダイアフラム24の幅を変化させても図4に示すグラフの傾向は同様であることが確認されている。図3からわかるように、ダイアフラム24が撓み変形した際にはダイアフラム24の外縁部に大きな応力が加わる。そのため、本実施形態のように、ダイアフラム24の外縁部に各ピエゾ抵抗素子31、32、33、34(各ピエゾ抵抗部311、321、331、341)を設けることで、受圧によるピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値変化をより大きくすることができる。その結果、ブリッジ回路30の出力変化を大きくすることができ、受圧面24aで受けた圧力をより精度よく求めることができる。
一方、ダイアフラム24の中央部S1は、外縁部と比較してダイアフラム24の撓み変形により発生する応力が小さい。そのため、本実施形態のように、ダイアフラム24の中央部S1にピエゾ抵抗素子61を設けることで、ダイアフラム24の撓み変形に伴うピエゾ抵抗素子61の抵抗値変化を小さく抑えることができる。加えて、ピエゾ抵抗素子61をダイアフラム24に設けることで、外部の熱(使用環境の熱)が受圧面24aからダイアフラム24を介して、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34、61にほぼ等しく伝達される。そのため、温度センサー6によって、撓み量センサー3の温度をより正確に検知することができ、前述したブリッジ回路30からの出力(信号)の補正をより精度よく行うことができる。したがって、受圧面24aで受けた圧力を精度よく求めることができる。
以上のような物理量センサー1では、空洞部7および半導体回路9が半導体基板21の同じ面側に設けられているため、空洞部7を形成している素子周囲構造体4が半導体基板21の半導体回路9とは反対側から張り出すことがなく、低背化を図ることができる。その上で、素子周囲構造体4は、層間絶縁膜41、43および配線層42、44のうちの少なくとも一方と同一の成膜により形成されている。これにより、CMOSプロセス(特に、層間絶縁膜41、43や配線層42、44を形成する工程)を利用して、素子周囲構造体4を半導体回路9と一括して形成することができる。そのため、物理量センサー1の製造工程が簡略化され、その結果、物理量センサー1の低コスト化を図ることができる。また、本実施形態のように空洞部7を封止する場合であっても、成膜法を用いて空洞部7を封止することができ、従来のような基板を貼り合わせてキャビティを封止する必要がなく、この点でも、物理量センサー1の製造工程が簡略化され、その結果、物理量センサー1の低コスト化を図ることができる。
また、前述したように撓み量センサー3がピエゾ抵抗素子31、32、33、34を含み、温度センサー6がピエゾ抵抗素子61を含み、かつ、撓み量センサー3、温度センサー6および半導体回路9が半導体基板21の同じ面側にあるため、CMOSプロセスを利用して、撓み量センサー3および温度センサー6を半導体回路9と一括して形成することができる。そのため、この点でも、物理量センサー1の製造工程をより簡略化することができる。
また、撓み量センサー3および温度センサー6がダイアフラム24の素子周囲構造体4側に配置されているため、撓み量センサー3および温度センサー6を空洞部7内に収納することができ、そのため、撓み量センサー3および温度センサー6の劣化を防止したり、撓み量センサー3および温度センサー6の特性低下を低減したりすることができる。
次に、物理量センサー1の製造方法を簡単に説明する。
図5ないし図11は、それぞれ、図1に示す物理量センサー1の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づいて説明する。
[撓み量センサー・温度センサー形成工程]
まず、図5に示すように、SOI基板(第1のSi層211、SiO層212、第2のSi層213がこの順で積層している基板)からなる半導体基板21を用意し、表面を熱酸化することで第1絶縁膜(シリコン酸化膜)22を形成する。次に、図6に示すように、図示しないマスクを介して第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープ(イオン注入)することで撓み量センサー3および温度センサー6や、MOSトランジスタ91のソース電極およびドレイン電極を形成する。なお、第1絶縁膜22は薄く形成されているため、前記不純物は、第1絶縁膜22を通過して第1のSi層211にドープされる。イオン注入では、ピエゾ抵抗部311、321、331、341、611への不純物のドープ量が接続部332、342および配線313、323、333、343、613よりも多くなるようにイオン注入条件等を調整する。
次に、図7に示すように、第1絶縁膜22上に第2絶縁膜(シリコン窒化膜)23をスパッタリング法、CVD法等により形成する。第2絶縁膜23は、後に行われる空洞部形成工程において実施されるエッチングに対する耐性を有しており、いわゆるエッチングストップ層として機能する。次に、図8に示すように、基板2の上面に、多結晶シリコン膜(またはアモルファスシリコン膜)をスパッタリング法、CVD法等により形成し、その多結晶シリコン膜をエッチングによりパターンニングすることで、MOSトランジスタ91のゲート電極911および膜49を形成する。
[層間絶縁膜・配線層形成工程]
図9に示すように、基板2の上面に、層間絶縁膜41、43および配線層42、44を形成する。これにより、撓み量センサー3、温度センサー6およびMOSトランジスタ91等が層間絶縁膜41、43および配線層42、44で覆われた状態となる。層間絶縁膜41、43の形成は、シリコン酸化膜をスパッタリング法、CVD法等により形成し、そのシリコン酸化膜をエッチングによりパターンニングすることにより行う。層間絶縁膜41、43のそれぞれの厚さは、特に限定されないが、例えば、1500nm以上5000nm以下程度とされる。また、配線層42、44の形成は、層間絶縁膜41、43上に、例えばアルミニウムよりなる層をスパッタリング法、CVD法等により形成した後、パターニング処理することにより行う。ここで、配線層42、44のそれぞれの厚さは、特に限定されないが、例えば、300nm以上900nm以下程度とされる。
また、配線層42a、44aは、平面視で撓み量センサー3および温度センサー6を囲むように環状をなしている。また、配線層42b、44bは、半導体基板21上およびその上方に形成された配線(例えば、半導体回路9の一部を構成する配線)に電気的に接続される。
このような層間絶縁膜41、43と配線層42、44との積層構造は、通常のCMOSプロセスにより形成され、その積層数は、必要に応じて適宜に設定される。すなわち、必要に応じてさらに多くの配線層が層間絶縁膜を介して積層される場合もある。
[空洞部形成工程]
図10に示すように、スパッタリング法、CVD法等により表面保護膜45を形成した後、エッチングにより空洞部7を形成する。表面保護膜45は、一種類以上の材料を含む複数の膜層で構成され、被覆層441の細孔442を封止してしまわないように形成する。なお、表面保護膜45の構成材料としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するもので形成される。表面保護膜45の厚さは、特に限定されないが、例えば、500nm以上2000nm以下程度とされる。
また、空洞部7の形成は、被覆層441に形成された複数の細孔442を通じたエッチングにより、層間絶縁膜41、43の一部を除去することにより行う。ここで、かかるエッチングとしてウェットエッチングを用いる場合、複数の細孔442からフッ酸、緩衝フッ酸等のエッチング液を供給し、ドライエッチングを用いる場合、複数の細孔442からフッ化水素酸ガス等のエッチングガスを供給する。
[封止工程]
次に、図11に示すように、被覆層441上に、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜等からなる封止層46をスパッタリング法、CVD法等により形成し、各細孔442を封止する。これより、空洞部7が封止層46により封止され、また、被覆部52が形成される。封止層46の厚さは、特に限定されないが、例えば、1000nm以上5000nm以下程度とされる。
[ダイアフラム形成工程]
最後に、図12に示すように、半導体基板21の下面(第2のSi層213)の一部をウェットエッチングによって除去する。この際、SiO層212がエッチングストップ層として機能する。これにより、周囲よりも薄肉なダイアフラム24が形成された物理量センサー1を得る。なお、半導体基板21の下面の一部を除去する方法としては、ウェットエッチングに限らず、ドライエッチング等であってもよい。
以上のような工程により、物理量センサー1を製造することができる。なお、半導体回路が有するMOSトランジスタ以外の能動素子、コンデンサ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線等の回路要素は、上述した適宜の工程中(例えば、振動素子形成工程、絶縁膜形成工程、被覆層形成工程、封止層形成工程)途中において作り込んでおくことができる。
<第2実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態は、温度センサーの配置が異なること意外は、前述した第1実施形態と同様である。
図13に示すように、本実施形態の温度センサー6では、ピエゾ抵抗素子61がダイアフラム24の外縁部と中央部S1との間に位置している。具体的には、ピエゾ抵抗素子61は、ダイアフラム24の中心Oから外縁までの距離をLとしたとき、中心Oから0.4L以上0.78L以下の範囲内に位置していることが好ましく、0.58L以上0.78L以下の範囲内に位置していることがより好ましく、0.63L以上0.73L以下の範囲内に位置していることがさらに好ましい。このような領域は、図4から分かるように、ダイアフラム24が撓み変形することにより発生する応力が中央部および外縁部よりも小さい。このように、ダイアフラム24が撓み変形することにより発生する応力が中央部および外縁部よりも小さい領域にピエゾ抵抗素子61を設けることで、ダイアフラム24の撓み変形に伴うピエゾ抵抗素子61の抵抗変化を小さく抑えることができる。そのため、温度センサー6によって、撓み量センサー3の温度をより正確に検知することができ、前述したブリッジ回路30からの出力(信号)の補正をより精度よく行うことができる。したがって、より精度よく受圧面24aで受けた圧力を精度よく求めることができる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第3実施形態について説明する。
図14は、本発明の物理量センサーの第3実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の物理量センサーの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態は、温度センサーの構成が異なること以外は、前述した第2実施形態と同様である。
図14に示すように、本実施形態の温度センサー6は、2つ(複数)のピエゾ抵抗素子61、62を有している。ピエゾ抵抗素子61と同様に、ピエゾ抵抗素子62は、ピエゾ抵抗部621を有し、ピエゾ抵抗部621の両端部にはそれぞれ配線623が接続されている。
このような温度センサー6では、ピエゾ抵抗部611、621がダイアフラム24の中央部S1を挟んで対向配置されている。すなわち、ピエゾ抵抗部611、621は、中央部S1の周囲に沿って配置されている。このように、複数のピエゾ抵抗素子61、62を用いることで、温度センサー6による温度検知精度をより高めることができる。特に、ピエゾ抵抗部611、621を共に中央部S1を避けて配置することで、ダイアフラム24の撓み変形に伴うピエゾ抵抗素子61、62の抵抗変化をより小さく抑えることができる。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第4実施形態について説明する。
図15は、本発明の物理量センサーの第4実施形態を示す平面図である。図16は、図15に示す温度センサーを含んだ回路を説明する図である。
以下、本発明の物理量センサーの第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第4実施形態は、温度センサーの構成が異なること意外は、前述した第3実施形態と同様である。
図15に示すように、本実施形態の温度センサー6は、ダイアフラム24に配置されている4つのピエゾ抵抗素子(温度検知素子)61、62、63、64を有している。具体的には、ピエゾ抵抗素子61は、中心Oとピエゾ抵抗素子31との間に設けられ、ピエゾ抵抗素子62は、ピエゾ抵抗素子62は、中心Oとピエゾ抵抗素子32との間に設けられ、ピエゾ抵抗素子63は、中心Oとピエゾ抵抗素子33との間に設けられ、ピエゾ抵抗素子64は、中心Oとピエゾ抵抗素子34との間に位置している。
ピエゾ抵抗素子63は、中心Oとピエゾ抵抗素子33との間に配置された1対のピエゾ抵抗部631と、1対のピエゾ抵抗部611同士を接続している接続部632とを有している。1対のピエゾ抵抗部631は、互いに平行であり、かつ、辺243に対して垂直な方向に沿って延びている長手形状をなしている。この1対のピエゾ抵抗部631の一端部(ダイアフラム24の中心側の端部)同士は、接続部632を介して接続されており、1対のピエゾ抵抗部631の他端部(ダイアフラム24の外周側の端部)にはそれぞれ配線633が接続されている。同様に、ピエゾ抵抗素子64は、中心Oとピエゾ抵抗素子34との間に配置された1対のピエゾ抵抗部641と、1対のピエゾ抵抗部641同士を接続している接続部642とを有している。1対のピエゾ抵抗部641の一端部(ダイアフラム24の中心側の端部)同士は、接続部642を介して接続されており、1対のピエゾ抵抗部641の他端部(ダイアフラム24の外周側の端部)にはそれぞれ配線643が接続されている。
このようなピエゾ抵抗部631、641は、それぞれ、例えば、第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線633、643および接続部632、642は、それぞれ、例えば、第1のSi層211に、ピエゾ抵抗部631、641よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
また、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。そして、これらのピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、配線613、623、633、643等を介して、互いに電気的に接続され、図16に示すように、ブリッジ回路60(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路60には、駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路60は、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗値に応じた信号(電圧)を出力する。このような温度センサー6によれば、より精度よく温度を検知することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第5実施形態について説明する。
図17は、本発明の物理量センサーの第5実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の物理量センサーの第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第5実施形態は、さらに、補正用撓み量センサーを有している以外は、前述した第2実施形態と同様である。
図17に示すように、本実施形態の物理量センサー1は、温度センサー6を補正するための補正用撓み量センサー8を有している。このような補正用撓み量センサー8は、ダイアフラム24に作り込まれているピエゾ抵抗素子(補正用撓み量検出素子)81を有している。また、ピエゾ抵抗素子81は、ピエゾ抵抗部811を有しており、ピエゾ抵抗部811の両端部にはそれぞれ配線813が接続されている。
このようなピエゾ抵抗部811は、例えば、第1のSi層211にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線813は、例えば、第1のSi層211に、ピエゾ抵抗部811よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
また、ピエゾ抵抗部811は、温度センサー6が有するピエゾ抵抗部611と、ダイアフラム24の撓み変形により発生する応力がほぼ等しくなる箇所(すなわち、中心Oからの離間距離がほぼ等しい箇所)に設けられている。具体的には、ダイアフラム24の撓み変形によりピエゾ抵抗部611に発生する応力とピエゾ抵抗部811に発生する応力との差が10%以下となるように、ピエゾ抵抗部811が配置されている。これにより、補正用撓み量センサー8は、ピエゾ抵抗素子81の抵抗値変化に基づいて、ピエゾ抵抗素子61に加わった応力を精度よく検知することができる。そのため、補正用撓み量センサー8の出力に基づいて温度センサー6の出力を補正(温度センサー6の出力から、撓みに起因する出力を除去)することで、温度センサー6による温度検知をより高精度に行うことができる。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
2.高度計
次に、本発明の物理量センサーを備える高度計の一例について説明する。図18は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
3.電子機器
次に、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図19は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
4.移動体
次いで、本発明の物理量センサーを備える移動体について説明する。図19は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図20に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の物理量センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、センサー素子としてピエゾ抵抗素子を用いた場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、フラップ型の振動子、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振動子等の振動素子を用いることもできる。
また、前述した実施形態では、撓み量センサーが4つのピエゾ抵抗素子を有する場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、ピエゾ抵抗素子の数は、1つ以上3つ以下、または、5つ以上であってもよい。
1……物理量センサー
2……基板
21……半導体基板
211……第1のSi層
212……SiO
213……第2のSi層
22……第1絶縁膜
23……第2絶縁膜
24……ダイアフラム
24a……受圧面
241、242、243、244……辺
25……凹部
3……撓み量センサー
30……ブリッジ回路
31、32、33、34……ピエゾ抵抗素子
311、321、331、341……ピエゾ抵抗部
313、323、333、343……配線
332、342……接続部
4……素子周囲構造体
41……層間絶縁膜
42、42a、42b……配線層
43……層間絶縁膜
44、44a、44b……配線層
441……被覆層
442……細孔
45……表面保護膜
46……封止層
49……膜
51……壁部
52……被覆部
6……温度センサー
60……ブリッジ回路
61、62、63、64……ピエゾ抵抗素子
611、621、631、641……ピエゾ抵抗部
613、623、633、643……配線
632、642……接続部
7……空洞部
8……補正用撓み量センサー
81……ピエゾ抵抗素子
811……ピエゾ抵抗部
813……配線
9……半導体回路
91……MOSトランジスタ
911……ゲート電極
200……高度計
201……表示部
300……ナビゲーションシステム
301……表示部
400……移動体
401……車体
402……車輪
L……離間距離
O……中心
S1……中央部

Claims (13)

  1. 撓み変形可能なダイアフラムと、
    前記ダイアフラムに配置され、前記ダイアフラムの撓み量を検出する撓み量検出素子と、
    前記撓み量検出素子よりも前記ダイアフラムの中央部側に配置されている温度検知素子と、を有することを特徴とする物理量センサー。
  2. 前記撓み量検出素子は、前記ダイアフラムの外縁部に配置されている請求項1に記載の物理量センサー。
  3. 前記温度検知素子は、前記ダイアフラムが撓み変形することにより発生する応力が前記中央部および前記外縁部よりも小さい領域に配置されている請求項1または2に記載の物理量センサー。
  4. 前記ダイアフラムの中心から前記ダイアフラムの外縁までの距離をLとしたとき、
    前記温度検知素子は、前記ダイアフラムの中心からの距離が0.4L以上0.78L以下の範囲内に配置されている請求項3に記載の物理量センサー。
  5. 前記撓み量検出素子は、複数配置されている請求項3または4に記載の物理量センサー。
  6. 前記ダイアフラムに配置され、前記温度検知素子に対して撓み補正を行う補正用撓み量検出素子を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 前記ダイアフラムが撓み変形により前記温度検知素子に発生する応力と前記補正用撓み量検出素子に発生する応力との差は、10%以下である請求項6に記載の物理量センサー。
  8. 前記補正用撓み量検出素子は、ピエゾ抵抗素子である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  9. 前記撓み量検出素子および前記温度検知素子は、それぞれ、ピエゾ抵抗素子である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  10. 圧力を検出する圧力センサーである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする高度計。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする電子機器。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする移動体。
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