JP2015152459A - 物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度化および高レンジ化を図ることができる物理量センサーを提供すること、また、この物理量センサーを備える圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を提供すること。
【解決手段】本発明の物理量センサーは、半導体基板6と、受圧により撓み変形するダイヤフラム部24と、半導体基板6とダイヤフラム部24との間に配置されているキャビティSと、ダイヤフラム部24に配置されている歪検出素子221と、を備え、ダイヤフラム部24は、半導体基板6に対して離間していて屈曲または湾曲している肩部243を含み、歪検出素子221は、肩部243に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
受圧により撓み変形するダイヤフラムを備えた圧力センサーが広く用いられている。このような圧力センサーでは、ダイヤフラム上に例えばピエゾ抵抗素子、振動素子等の歪検出素子が配置されており、ダイヤフラムの撓みを歪検出素子で検出することにより、ダイヤフラムに加わった圧力を検出することができる。
例えば、特許文献1に記載の圧力センサーは、基板の一方の面に凹部が形成されており、それにより基板の薄くなった平坦な部分がダイヤフラムを構成している。そして、その平坦なダイヤフラムの外周部にピエゾ抵抗素子が配置されている。
しかし、特許文献1に記載の圧力センサーでは、ダイヤフラムが全域にわたって平坦であるため、高感度化と高レンジ化とを両立することができないという問題があった。
特開平8−097439号公報
本発明の目的は、高感度化および高レンジ化を図ることができる物理量センサーを提供すること、また、この物理量センサーを備える圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[適用例1]
本発明の物理量センサーは、基板と、
受圧により撓み変形し、屈曲または湾曲している肩部を有し、前記基板に対して離間しているダイヤフラム部と、
前記肩部に配置されている歪検出素子と、
前記基板と前記ダイヤフラム部との間に配置されているキャビティと、
を備えていることを特徴とする。
このような物理量センサーによれば、受圧によりダイヤフラム部の肩部に応力が集中するため、肩部に歪検出素子を配置することにより、物理量センサーの高感度化を図ることができる。また、ダイヤフラム部に肩部を設けることにより、ダイヤフラム部の小型化を図りつつ、ダイヤフラム部の撓み変形可能な量を大きくして、検出可能な物理量の範囲を広くすること(高レンジ化を図ること)ができる。
[適用例2]
本発明の物理量センサーでは、前記歪検出素子は、前記ダイヤフラム部の前記キャビティとは反対の面側に偏在していることが好ましい。
受圧によりダイヤフラム部に生じる応力は、ダイヤフラム部の表裏で互いに逆方向となる。したがって、歪検出素子をダイヤフラム部の一方の面側に偏在させることにより、物理量センサーの感度を向上させることができる。また、ダイヤフラム部のキャビティとは反対の面側に偏在していると、ダイヤフラム部を単層で構成した場合においても、製造時に容易に、歪検出素子をダイヤフラム部の一方の面側に偏在させて形成することができる。
[適用例3]
本発明の物理量センサーでは、前記ダイヤフラム部は、前記基板から離間している天板部と、前記天板部と前記基板との間にある側壁部と、を有し、
前記肩部は、前記天板部と前記側壁部との間に配置されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単かつ高精度に、肩部を含むダイヤフラム部を形成することができる。
[適用例4]
本発明の物理量センサーでは、前記歪検出素子は、前記肩部と前記側壁部とに沿って配置されていることが好ましい。
これにより、受圧によりダイヤフラム部が撓み変形した際に歪検出素子に生じる応力を大きくすることができる。その結果、物理量センサーの感度を高めることができる。
[適用例5]
本発明の物理量センサーでは、前記歪検出素子は、前記肩部と前記天板部とに沿って配置されていることが好ましい。
これにより、受圧によりダイヤフラム部が撓み変形した際に歪検出素子に生じる応力を大きくすることができる。その結果、物理量センサーの感度を高めることができる。
[適用例6]
本発明の物理量センサーでは、前記歪検出素子は、前記肩部を介して前記天板部と前記側壁部とに跨っていることが好ましい。
これにより、受圧によりダイヤフラム部が撓み変形した際に歪検出素子に生じる応力を大きくすることができる。その結果、物理量センサーの感度を高めることができる。
[適用例7]
本発明の物理量センサーでは、前記天板部、前記側壁部および前記肩部が同一層を有することが好ましい。
[適用例8]
本発明の物理量センサーでは、前記キャビティは、前記基板および前記ダイヤフラム部により囲まれている密閉空間であることが好ましい。
これにより、成膜法を用いて簡単かつ高精度にダイヤフラム部を形成することができる。
[適用例9]
本発明の物理量センサーでは、前記歪検出素子は、ピエゾ抵抗素子であることが好ましい。
これにより、半導体プロセスを用いて歪検出素子を製造することができる。また、ダイヤフラム部を薄くしても、振動素子のようなQ値の低下が生じないため、ダイヤフラム部の薄肉化により感度を向上させることができる。
[適用例10]
本発明の物理量センサーでは、前記基板の前記キャビティ側に配置されている回路部を備えていることが好ましい。
これにより、基板の一方の面側に対して半導体製造プロセスと同様の製造プロセスを用いて、キャビティおよび回路部を形成することができる。すなわち、物理量センサーを構成する主要部と回路部とを1チップ化した小型な物理量センサーを比較的簡単に実現することができる。
[適用例11]
本発明の圧力センサーは、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する圧力センサーを提供することができる。
[適用例12]
本発明の高度計は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する高度計を提供することができる。
[適用例13]
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
[適用例14]
本発明の移動体は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する移動体を提供することができる。
本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す物理量センサーが備える歪検出素子の配置を説明するための拡大平面図である。 図1に示す物理量センサーが備える温度検出素子の配置を説明するための拡大平面図である。 図1に示す物理量センサーが備える歪検出素子および温度検出素子を含む回路を説明するための図である。 図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、(a)は加圧状態のダイヤフラム部を示す断面図、(b)は加圧状態の歪検出素子を示す平面図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。 本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す各実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
1.物理量センサー
図1は、本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。
図1に示す物理量センサー1は、半導体基板6と、半導体基板6の一方の面側に設けられた膜体2および積層構造体8と、を備えている。そして、膜体2と半導体基板6との間には、膜体2の一部が半導体基板6に対して離間してキャビティSが形成されているとともに、膜体2の半導体基板6と離間した部分がダイヤフラム部24を構成している。このダイヤフラム部24には、複数の歪検出素子221が形成されている。また、半導体基板6のキャビティS内に面する部分には、複数の温度検出素子61が形成されている。また、物理量センサー1は、半導体回路9(回路部)を備えており、積層構造体8が半導体回路9の少なくとも一部を構成している。
まず、物理量センサー1を構成する各部の構成を簡単に説明する。
半導体基板6は、例えばシリコン等の半導体で構成されている。なお、以下では、半導体基板6がシリコンで構成されている場合、すなわち半導体基板6が単結晶シリコン基板である場合を例に説明する。また、半導体基板6の上面には、エピタキシャル成長させた単結晶シリコンの層が形成されていてもよい。この場合、高精度な温度検出素子61を形成することができる。
この半導体基板6の一方の面(図1にて上側の面)には、温度検出素子61および絶縁層62が形成されている。
温度検出素子61は、成膜法を用いて形成されており、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)した単結晶シリコンで構成されている。また、絶縁層62は、本実施形態では、半導体回路9の素子分離層として機能するものであり、例えば、シリコン酸化膜で構成されている。
また、半導体基板6の一方の面(図1にて上側の面)には、温度検出素子61を覆うように膜体2が接合されているとともに、絶縁層62を覆うように積層構造体8が接合されている。
この膜体2は、シート状をなしており、その一部(外周部以外の部分)が半導体基板6に対して離間している。これにより、膜体2と半導体基板6との間には、キャビティSが形成されている。
キャビティSは、密閉された空間である。このキャビティSは、物理量センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。本実施形態では、キャビティSが真空状態(300Pa以下)となっている。キャビティSを真空状態とすることによって、物理量センサー1を、真空状態を基準として圧力を検出する「絶対圧センサー」として用いることができ、その利便性が向上する。
ただし、キャビティSは、真空状態でなくてもよく、大気圧であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、キャビティSには、窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
本実施形態では、キャビティSおよびダイヤフラム部24の平面視形状がそれぞれ四角形である(図2および図3参照)。なお、かかる平面視形状は、四角形に限定されず、例えば、五角形、六角形等の他の多角形、円形、長円形等であってもよい。
また、膜体2の半導体基板6と離間した部分は、受圧により撓み変形するダイヤフラム部24を構成している。
このダイヤフラム部24は、半導体基板6とは反対側に突出した形状(トレイ状)をなしている。すなわち、ダイヤフラム部24は、半導体基板6の上面に沿って離間している天板部241と、天板部241の外周部側から半導体基板6側に向けて延びている側壁部242と、天板部241と側壁部242との間で屈曲している肩部243(角部)と、を有している。ここで、ダイヤフラム部24の半導体基板6とは反対側の面、すなわち、天板部241、側壁部242および肩部243の外表面は、受圧面を構成している。
また、ダイヤフラム部24の幅(半導体基板6の面に沿った長さ)は、ダイヤフラム部24の高さ(半導体基板6の厚さ方向に沿った長さ)よりも大きい。すなわち、天板部241の長さは、側壁部242の長さよりも大きい。これにより、ダイヤフラム部24の小型化を図りつつ、ダイヤフラム部24の撓み変形可能な量を大きくして、検出可能な物理量の範囲を広くすることができる。このような観点から、ダイヤフラム部24の幅をAとし、ダイヤフラム部24の高さをBとしたとき、A/Bは、2以上10以下であることが好ましく、3以上8以下であることがより好ましい。
また、膜体2は、保護層21、ベース層22および保護層23がこの順に半導体基板6上に積層されて構成されている。すなわち、膜体2は、ベース層22と、ベース層22の半導体基板6側の面に接合されている保護層21と、ベース層22の半導体基板6とは反対側の面に接合されている保護層23と、を有している。
ベース層22は、歪検出素子221と、歪検出素子221と同一の主成分で構成されている周辺部222とが同一層内に形成されている。
このベース層22の構成材料としては、温度変化によるダイヤフラム部24の不本意な変形を防止する観点から、前述した半導体基板6を構成する材料との線熱膨張係数差が少ない材料を用いることが好ましい。このような観点から、ベース層22は、シリコンを主成分として構成されている。また、ベース層22の主成分がシリコンであると、ベース層22の同一層内に、歪検出素子221および周辺部222を比較的簡単に形成することができる。また、シリコンは、化学的安定性に優れるとともに、金属のような疲労が少ないため、シリコンを主成分とするベース層22を有するダイヤフラム部24は、優れた信頼性を有する。
また、ベース層22は、ポリシリコンを主成分として構成されていることが好ましい。これにより、成膜法を用いてベース層22を形成することができる。そのため、ベース層22の厚さの制御が容易となり、その結果、ダイヤフラム部24の厚さの制御も容易となる。
歪検出素子221は、ベース層22の選択的な不純物のドープが行われた部分(ピエゾ抵抗部)であり、周辺部222は、不純物がドープされていないか、または、不純物の濃度が歪検出素子221よりも低い。これにより、歪検出素子221および周辺部222を同一層内に有するベース層22を簡単に形成することができる。なお、周辺部222を省略してもよい。この場合、保護層21、23が主にダイヤフラム部24を構成することとなる。
このようなベース層22の両面には、保護層21、23が形成されている。
保護層21、23は、それぞれ、ベース層22を保護する機能を有している。より具体的には、保護層21は、主に、物理量センサー1を製造する際に、エッチング液等からベース層22を保護する。したがって、保護層21は、エッチング液等に対する耐性を有する。また、保護層23は、主に、物理量センサー1の使用時に、外部からの光、酸素および水分等からベース層22を保護する。したがって、保護層23は、遮光性や、酸素、水分等に対するバリア性を有する。また、ベース層22の両面に保護層21、23を設けることにより、ベース層22と保護層21、23との間に線熱膨張係数差が生じていたとしても、ベース層22と保護層21との間の線熱膨張係数差と、ベース層22と保護層23との線熱膨張係数差とで互いに相殺させることができる。
また、保護層21、23は、いずれも、絶縁性を有している。これにより、ベース層22に形成されている歪検出素子221の各部が短絡するのを防止することができる。
このような保護層21、23の構成材料としては、保護層21、23が上述したような特性を発揮し得るものであればよいが、半導体基板6やベース層22との線熱膨張係数差が小さい材料を用いることが好ましい。したがって、保護層21、23は、ベース層22と同一の主成分で構成されていること、例えば、半導体基板6がシリコン基板である場合、シリコンを主成分とするSiN、SiON、SiAlN等を用いることが好ましい。これにより、ベース層22と保護層21、23との線熱膨張係数差を小さくし、その結果、物理量センサー1の温度特性を優れたものとする(温度変化に伴う特性変化を小さくする)ことができる。
ここで、受圧によりダイヤフラム部24に生じる応力は、ダイヤフラム部24の表裏で互いに逆方向となる。したがって、前述した歪検出素子221をダイヤフラム部24の一方の面側に偏在させることが好ましい。これにより、物理量センサー1の感度を向上させることができる。また、歪検出素子221がダイヤフラム部24のキャビティとは反対の面側に偏在していると、ダイヤフラム部24を単層で構成した場合においても、製造時に容易に、歪検出素子221をダイヤフラム部24の一方の面側に偏在させて形成することができる。
同様の観点から、2つの保護層21、23の厚さが互いに異なることが好ましい。これにより、歪検出素子221および周辺部222を同一層内に有するベース層22をダイヤフラム部24の一方の面側に偏在させることができる。そのため、ダイヤフラム部24の撓み変形を歪検出素子221により効率的に検出することができる。
なお、保護層21、23の少なくとも一方を省略することができる。例えば、保護層21、23の一方を省略した場合、前述したような保護層21、23の厚さを異ならせるのと同様の効果を奏することができる。また、保護層21、23の双方を省略した場合、ダイヤフラム部24をベース層22のみで構成することができ、ダイヤフラム部24の厚さを極めて薄くすることができ、その結果、物理量センサー1の感度を極めて高めることが可能となる。
また、保護層21、23の具体的な厚さは、それぞれ、特に限定されないが、0.01μm以上1μm以下程度とされる。
また、ベース層22の具体的な厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上3μm以下程度とされる。
また、ダイヤフラム部24または膜体2には、受圧面側とキャビティS側とを繋ぐ孔25が形成されている。この孔25は、封止部材26で封止されている。これにより、歪検出素子221および周辺部222を同一層内に有するベース層22を成膜法で形成した後に、キャビティSを形成することができる。
本実施形態では、孔25および封止部材26がダイヤフラム部24の中央部に設けられている。これにより、孔25および封止部材26がダイヤフラム部24の撓み変形に悪影響を与えるのを低減することができる。なお、孔25および封止部材26の配置は、これに限定されず、例えば、ダイヤフラム部24の外周部に設けられていてもよい。また、孔25および封止部材26をダイヤフラム部24の外側に設けてもよく、この場合、孔25とキャビティと連通する孔や溝を膜体2と半導体基板6との間や半導体基板6の膜体2側の面に形成すればよい。
また、封止部材26は、シリコンを主成分とすることが好ましい。これにより、ベース層22と封止部材26との主成分が同一となることから、ダイヤフラム部24内の線熱膨張係数差を小さくし、その結果、物理量センサー1の温度特性を優れたものとする(温度変化に伴う特性変化を小さくする)ことができる。
ダイヤフラム部24の具体的な厚さは、特に限定されないが、1μm以上5μm以下程度とされる。
このような膜体2の線熱膨張係数は、半導体基板6の線熱膨張係数とできるだけ近いことが好ましく、具体的には、半導体基板6がシリコン基板である場合、2×10−6/deg以上3×10−6/deg以下であることが好ましい。
積層構造体8は、半導体基板6上に形成された層間絶縁膜81と、層間絶縁膜81上に形成された配線層82と、配線層82および層間絶縁膜81上に形成された層間絶縁膜83と、層間絶縁膜83上に形成された表面保護膜85と、を有している。ここで、配線層82、84は、半導体回路9の配線を構成する配線層82b、84bを含んでいる。
半導体基板6上およびその上方には、半導体回路9が作り込まれている。したがって、半導体回路9は、半導体基板6の積層構造体8と同じ面側に設けられている。この半導体回路9は、MOSトランジスタ87等の能動素子、その他必要に応じて形成されたコンデンサ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線(歪検出素子221に接続されている配線、配線層82b、84bを含む)等の回路要素を有している。ここで、MOSトランジスタ87は、半導体基板6の上面にリン、ボロン等の不純物をドープして形成されたソースおよびドレイン(図示せず)と、そのソースとドレインと間に形成されるチャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜(図示せず)と、そのゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極871と、を有している。
以上、物理量センサー1の全体構成を簡単に説明した。
次に、図2ないし図4に基づいて、歪検出素子221および温度検出素子61について詳述する。
図2は、図1に示す物理量センサーが備える歪検出素子の配置を説明するための拡大平面図である。
図2に示すように、歪検出素子221は、複数(本実施形態では4つ)のピエゾ抵抗型の歪検出素子221a、221b、221c、221d(ピエゾ抵抗素子)で構成されている。これらの歪検出素子221a、221b、221c、221dは、それぞれ、ダイヤフラム部24の外周部、より具体的には、肩部243に設けられている。
歪検出素子221a、221b、221c、221dは、それぞれ、受ける応力に応じて抵抗値が変化するように構成されている。また、歪検出素子221a、221b、221c、221dは、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。
本実施形態では、歪検出素子221a、221bは、平面視において、四角形をなすダイヤフラム部24の互いに対向する1対の辺に対応して配置され、歪検出素子221c、221dは、ダイヤフラム部24の互いに対向する他の1対の辺に対応して配置されている。
歪検出素子221a、221bは、それぞれ、平面視においてダイヤフラム部24の外周部側から中央部側に延びている長手形状をなしている。この歪検出素子221aの両端部には、それぞれ、配線222aが接続されている。同様に、歪検出素子221bの両端部には、それぞれ、配線222bが接続されている。
一方、歪検出素子221c、221dは、それぞれ、平面視においてダイヤフラム部24の外周部に沿って延びている長手形状をなしている。この歪検出素子221cの両端部には、配線222cが接続されている。同様に、歪検出素子221dの両端部には、配線222dが接続されている。
このような歪検出素子221a、221b、221c、221dは、それぞれ、前述したように、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)したポリシリコン(多結晶シリコン)で構成されている。また、配線222a、222b、222c、222dは、それぞれ、例えば、歪検出素子221a、221b、221c、221dよりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)したポリシリコン(多結晶シリコン)で構成されている。なお、配線222a、222b、222c、222dは、膜体2上に形成された金属配線で構成されていてもよい。
図3は、図1に示す物理量センサーが備える温度検出素子の配置を説明するための拡大平面図である。
図3に示すように、温度検出素子61は、複数(本実施形態では4つ)のピエゾ抵抗型の温度検出素子61a、61b、61c、61d(ピエゾ抵抗素子)で構成されている。これらの温度検出素子61a、61b、61c、61dは、それぞれ、平面視において、ダイヤフラム部24と重なる位置に設けられている。
温度検出素子61a、61b、61c、61dは、それぞれ、温度に応じて抵抗値が変化するように構成されている。また、温度検出素子61a、61bおよび温度検出素子61c、61dは、温度が上昇するにつれて一方(例えば温度検出素子61a、61b)の抵抗値が増加し他方(例えば温度検出素子61c、61d)の抵抗値が減少するように構成されている。また、温度検出素子61a、61b、61c、61dは、所定の温度下における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。
本実施形態では、温度検出素子61a、61bは、平面視において、四角形をなすダイヤフラム部24の互いに対向する1対の辺に対応して配置され、温度検出素子61c、61dは、ダイヤフラム部24の互いに対向する他の1対の辺に対応して配置されている。なお、温度検出素子61a、61b、61c、61dの配置は、温度を検出することができれば、図示のものに限定されない。
温度検出素子61a、61bは、それぞれ、平面視においてダイヤフラム部24の外周部側から中央部側に延びている長手形状をなしている。この温度検出素子61aの両端部には、それぞれ、配線63aが接続されている。同様に、温度検出素子61bの両端部には、それぞれ、配線63bが接続されている。
一方、温度検出素子61c、61dは、それぞれ、平面視においてダイヤフラム部24の外周部に沿って延びている長手形状をなしている。この温度検出素子61cの両端部には、配線63cが接続されている。同様に、温度検出素子61dの両端部には、配線63dが接続されている。
このような温度検出素子61a、61b、61c、61dは、それぞれ、前述したように、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)した単結晶シリコンで構成されている。これにより、前述したような温度変化に対する抵抗値変化の特性を有する温度検出素子61a、61b、61c、61dを実現することができる。また、配線63a、63b、63c、63dは、それぞれ、例えば、温度検出素子61a、61b、61c、61dよりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)した単結晶シリコンで構成されている。なお、配線63a、63b、63c、63dは、半導体基板6上に形成された金属配線で構成されていてもよいし、半導体基板6上に形成されたポリシリコンに不純物をドープして形成されていてもよい。
図4は、図1に示す物理量センサーが備える歪検出素子および温度検出素子を含む回路を説明するための図である。
前述したように構成されている歪検出素子221a、221b、221c、221dおよび温度検出素子61a、61b、61c、61dは、それぞれ、図4に示すように、半導体回路9が有する補正回路91に電気的に接続されている。
ここで、歪検出素子221a、221b、221c、221dは、配線222a、222b、222c、222d等を介して、互いに電気的に接続され、ブリッジ回路31(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路31は、駆動電圧AVDCが供給され、歪検出素子221a、221b、221c、221dの抵抗値に応じた信号(電位差V1)を出力する。
また、温度検出素子61a、61b、61c、61dは、配線63a、63b、63c、63d等を介して、互いに電気的に接続され、ブリッジ回路32(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路32は、駆動電圧AVDCが供給され、温度検出素子61a、61b、61c、61dの抵抗値に応じた信号(電位差V2)を出力する。
補正回路91は、ブリッジ回路32からの信号(電位差V2)に基づいて、ブリッジ回路31からの信号(電位差V1)を補正する機能を有する。この補正回路91は、例えば、差動増幅回路で構成することができる。
図5は、図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、図5(a)は加圧状態のダイヤフラム部を示す断面図、図5(b)は加圧状態の歪検出素子を示す平面図である。
前述したように構成されている物理量センサー1は、図5(a)に示すように、ダイヤフラム部24の受圧面が受ける圧力に応じて、ダイヤフラム部24が変形し、これにより、図5(b)に示すように、歪検出素子221a、221b、221c、221dが歪み、歪検出素子221a、221b、221c、221dの抵抗値が変化する。それに伴って、歪検出素子221a、221b、221c、221dが構成するブリッジ回路31(図4参照)の出力が変化し、その出力に基づいて、ダイヤフラム部24の受圧面で受けた圧力の大きさを求めることができる。このとき、ブリッジ回路32からの信号(電位差V2)に基づいて、ブリッジ回路31からの信号(電位差V1)を補正することにより、ダイヤフラム部24や歪検出素子221a、221b、221c、221dが有する温度特性をキャンセルすることができる。
より具体的に説明すると、前述したように、歪検出素子221a、221b、221c、221dの抵抗値が互いに等しいため、前述したようなダイヤフラム部24の変形が生じる前の自然状態では、歪検出素子221a、221bの抵抗値の積と歪検出素子221c、221dの抵抗値の積とが等しく、ブリッジ回路31の出力(電位差V1)はゼロとなる。
一方、前述したようなダイヤフラム部24の変形が生じると、図5(b)に示すように、歪検出素子221a、221bにその長手方向に沿った引張歪みおよび幅方向に沿った圧縮歪みが生じるとともに、歪検出素子221c、221dにその長手方向に沿った圧縮歪みおよび幅方向に沿った引張歪みが生じる。
ここで、ダイヤフラム部24は、受圧により天板部241だけでなく側壁部242も撓み変形する。また、応力が集中する肩部243に歪検出素子221a、221b、221c、221dが配置されているため、ダイヤフラム部24の変形による歪検出素子221a、221b、221c、221dの歪みを大きくすることができる。
このような歪検出素子221a、221b、221c、221dの歪みにより、歪検出素子221a、221bの抵抗値の積と歪検出素子221c、221dの抵抗値の積との差が生じ、その差に応じた出力(電位差)がブリッジ回路31から出力される。このブリッジ回路31からの出力に基づいて、ダイヤフラム部24の受圧面で受けた圧力の大きさ(絶対圧)を求めることができる。
ここで、前述したようなダイヤフラム部24の変形が生じたとき、歪検出素子221a、221bの抵抗値は増加し、歪検出素子221c、221dの抵抗値は減少するため、歪検出素子221a、221bの抵抗値の積と歪検出素子221c、221dの抵抗値の積との差の変化を大きくすることができ、それに伴って、ブリッジ回路31からの出力を大きくすることができる。その結果、圧力の検出感度を高めることができる。
以上説明したような物理量センサー1によれば、受圧によりダイヤフラム部24の肩部243に応力が集中するため、肩部243に歪検出素子221を配置することにより、物理量センサー1の高感度化を図ることができる。また、ダイヤフラム部24に肩部243を設けることにより、受圧により天板部241だけでなく側壁部242も撓み変形するため、ダイヤフラム部24の平面視での面積を小さくすることができる。そのため、ダイヤフラム部24の小型化を図りつつ、ダイヤフラム部24の撓み変形可能な量を大きくして、検出可能な物理量の範囲を広くすることができる。
また、前述したような天板部241、側壁部242および肩部243を含むダイヤフラム部24は、後述するように、半導体プロセスと同様のプロセスを用いて、比較的簡単かつ高精度に形成することができる。
本実施形態では、歪検出素子221は、側壁部242に配置されている部分と、肩部243に設けられている部分とを有し、これらの部分が繋がっている。すなわち、歪検出素子221は、肩部243と天板部241とに跨っている。これにより、受圧によりダイヤフラム部24が撓み変形した際に歪検出素子221に生じる応力を大きくすることができる。その結果、物理量センサー1の感度を高めることができる。
また、ダイヤフラム部24を構成する天板部241、側壁部242および肩部243が同一層で繋がっている。また、キャビティSは、半導体基板6およびダイヤフラム部24により区画形成されている密閉空間である。このようなダイヤフラム部24は、後述するように成膜法を用いて簡単かつ高精度に形成することができる。
また、歪検出素子221がピエゾ抵抗素子であるため、半導体プロセスを用いて歪検出素子221を製造することができる。また、ダイヤフラム部24を薄くしても、振動素子のようなQ値の低下が生じないため、ダイヤフラム部24の薄肉化により感度を向上させることができる。
また、半導体基板6のキャビティS側に半導体回路9が配置されているため、半導体基板6の一方の面側に対して半導体製造プロセスと同様の製造プロセスを用いて、キャビティSおよび半導体回路9を形成することができる。すなわち、物理量センサー1を構成する主要部と半導体回路9とを1チップ化した小型な物理量センサー1を比較的簡単に実現することができる。
次に、物理量センサー1の製造方法の一例を簡単に説明する。
図6〜図8は、図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づいて説明する。なお、図6〜図8では、積層構造体8および半導体回路9の図示を省略しており、以下では、物理量センサー1の積層構造体8および半導体回路9を除く部分の構成の製造方法を代表的に説明するが、積層構造体8および半導体回路9は、公知のCMOSプロセスにより製造することができ、その製造における各工程は、後述する製造方法の前または後であってもよいし、後述する製造方法の任意の工程間または工程中に行ってもよい。
物理量センサー1の製造方法は、[1]温度検出素子61の形成工程と、[2]キャビティS形成用犠牲層の形成工程と、[3]保護層21の形成工程と、[4]ベース層22の形成工程と、[5]歪検出素子221の形成工程と、[6]保護層23の形成工程と、[7]孔25の形成工程と、[8]キャビティSの形成工程と、[9]封止部材26の形成工程と、を有している。以下、各工程を順次説明する。
[1]温度検出素子61の形成工程
まず、図6(a)に示すように、シリコン基板6Xを用意し、シリコン基板6Xの一方の面に対して選択的(部分的)にリン、ボロン等の不純物をドープ(イオン注入または拡散)することにより、図6(b)に示すように、温度検出素子61を形成する。これにより、温度検出素子61を有する半導体基板6が得られる。
[2]キャビティS形成用犠牲層の形成工程
次に、図6(c)に示すように、半導体基板6の温度検出素子61側の面上に、CVD方等の気相成膜法を用いて、シリコン酸化膜40を形成する。
このシリコン酸化膜40は、キャビティSとなる領域に形成され、後述する工程[8]のエッチングにより除去されるキャビティS形成用犠牲層である。
また、シリコン酸化膜40の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5μm以上5μm以下程度とされる。
なお、温度検出素子61が半導体基板6の上面に形成されていない場合には、シリコン酸化膜40の形成は、LOCOS法、STI法を用いてもよい。
また、この工程は、積層構造体8の層間絶縁膜81または層間絶縁膜83の形成と一括して行うことができる。
[3]保護層21の形成工程
次に、シリコン酸化膜40を覆うようにシリコン窒化膜をスパッタリング法、CVD法等により形成する。これにより、図6(d)に示すように、保護層21を形成する。
保護層21は、後に行われるキャビティSの形成工程において実施されるエッチングに対する耐性を有しており、いわゆるエッチングストップ層として機能する。
また、保護層21の形成は、応力緩和の観点から、プラズマCVDを用いて行うことが好ましい。
[4]ベース層22の形成工程
次に、図7(a)に示すように、保護層21の上面に、多結晶シリコン膜22Xをスパッタリング法、CVD法等により形成する。
[5]歪検出素子221の形成工程
その後、多結晶シリコン膜22Xに対して選択的(部分的)にリン、ボロン等の不純物をドープ(イオン注入または拡散)することにより、図7(b)に示すように、歪検出素子221を形成する。これにより、ベース層22が形成される。
この不純物のドープは、例えば、イオン注入濃度を1×1013atoms/cm以上5×1014atoms/cm程度とする。なお、図示しないが、配線222a、222b、222c、222dも同様に形成するが、そのイオン注入濃度は、例えば、1×1015atoms/cm以上5×1015atoms/cm以下程度とする。
[6]保護層23形成用膜の形成工程
次に、ベース層22上に、シリコン窒化膜をスパッタリング法、CVD法等により形成する。これにより、図7(c)に示すように、保護層23を形成する。また、保護層21、ベース層22および保護層23がこの順に積層された膜体2が得られる。
また、保護層23の形成は、保護層21と同様、応力緩和の観点から、プラズマCVDを用いて行うことが好ましい。
[7]孔25の形成工程
次に、膜体2の一部をドライエッチング等により貫通させ、図8(a)に示すように、孔25を形成する。
[8]キャビティSの形成工程
次に、シリコン酸化膜40を除去することにより、図8(b)に示すように、キャビティSを形成する。
キャビティSの形成は、孔25を通じたエッチングにより、シリコン酸化膜40を除去することにより行う。ここで、かかるエッチングとしてウェットエッチングを用いる場合、孔25からフッ酸、緩衝フッ酸等のエッチング液を供給し、ドライエッチングを用いる場合、孔25からフッ化水素酸ガス等のエッチングガスを供給する。
[9]封止部材26の形成工程
最後に、図8(c)に示すように、孔25を封止する封止部材26を形成する。
封止部材26の形成は、膜体2上に、Si、SiNをスパッタリング法等により成膜することにより形成する。これにより、キャビティSを密閉空間とすることができる。
また、真空下で封止部材26を形成することにより、得られるキャビティSを真空状態とすることができる。
以上のような工程により、物理量センサー1を製造することができる。
このような物理量センサー1の製造方法は、以下の(1)〜(5)のような効果がある。
(1)シリコン基板6Xの一方の面側のみに成膜や加工を行うだけでよいため、製造工程の簡略化を図ることができる。(2)シリコン基板6Xの一方の面側のみに成膜や加工を行ってキャビティSおよびダイヤフラム部24を形成するため、キャビティSとダイヤフラム部24との位置合わせを高精度に行うことができる。また、ウエハーを薄肉化してダイヤフラム部24を形成する場合に比し、小型化を図ることができる。(3)ダイヤフラム部24が成膜により形成されるため、ダイヤフラム部24の薄膜化が容易であるとともに、ダイヤフラム部24の厚さを高精度に制御することができる。(4)一般的なCMOSプロセスとの親和性が高いため、集積回路を半導体基板6上に一括して形成することができる。(5)ダイヤフラム部24の厚さを均一にすることができる。
<第2実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態は、ダイヤフラム部の形状が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図9に示す物理量センサー1Aが備えるダイヤフラム部24Aは、半導体基板6の上面に沿っている天板部241と、天板部241の外周部側から半導体基板6側に向けて延びている側壁部242Aと、天板部241と側壁部242Aとの間で湾曲している肩部243Aと、を有している。
ここで、側壁部242Aおよび肩部243Aは、それぞれ、キャビティSとは反対側が凸となるように湾曲している。そして、歪検出素子221は、肩部243Aに設けられている。
また、本実施形態では、歪検出素子221は、天板部241に配置されている部分と、側壁部242Aに配置されている部分と、肩部243Aに配置されている部分と、を有し、これらが繋がっている。このように、歪検出素子221が肩部243と側壁部242とに跨っていると、受圧によりダイヤフラム部24Aが撓み変形した際に歪検出素子221に生じる応力を大きくすることができる。特に、歪検出素子221が肩部243Aを介して天板部241と側壁部242とに跨っているため、受圧によりダイヤフラム部24Aが撓み変形した際に歪検出素子221に生じる応力を大きくすることができる。その結果、物理量センサー1Aの感度を高めることができる。
また、側壁部242Aが傾斜しているため、肩部243Aを介して天板部241と側壁部242とに跨って配置された歪検出素子221をイオンドープ等により容易に形成することができる。
以上説明したような物理量センサー1Aによっても、高感度化および高レンジ化を図ることができる。
2.圧力センサー
次に、本発明の物理量センサーを備える圧力センサー(本発明の圧力センサー)ついて説明する。図10は、本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。
図10に示すように、本発明の圧力センサー100は、物理量センサー1と、物理量センサー1を収納する筐体101と、物理量センサー1から得た信号を圧力データに演算する演算部102とを備えている。物理量センサー1は、配線103を介して演算部102と電気的に接続されている。
物理量センサー1は、筐体101の内側に、図示しない固定手段により固定されている。また、筐体101には、物理量センサー1のダイヤフラム部24が、例えば大気(筐体101の外側)と連通するための貫通孔104を有している。
このような圧力センサー100によれば、貫通孔104を介してダイヤフラム部24が圧力を受ける。この受圧した信号を配線103を介して演算部に送信し、圧力データに演算する。この演算された圧力データは、図示しない表示部(例えば、パーソナルコンピューターのモニター等)を介して表示することができる。
以上説明したような圧力センサーによれば、優れた信頼性を有する。
3.高度計
次に、本発明の物理量センサーを備える高度計(本発明の高度計)の一例について説明する。図11は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1(圧力センサー100)が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
以上説明したような高度計によれば、優れた信頼性を有する。
4.電子機器
次に、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図12は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
以上説明したような電子機器によれば、優れた信頼性を有する。
5.移動体
次いで、本発明の物理量センサーを適用した移動体(本発明の移動体)について説明する。図13は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図13に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上説明したような移動体によれば、優れた信頼性を有する。
以上、本発明の物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、歪検出素子としてピエゾ抵抗素子を用いた場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、フラップ型の振動子、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振動子等の振動素子を用いることもできる。
また、前述した実施形態では、歪検出素子および温度検出素子がそれぞれ4つずつ設けられている場合を例に説明したが、これらの数は、それぞれ、1つ以上3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。例えば、歪検出素子または温度検出素子の数が1つ以上3つ以下である場合、感圧または温度検出に寄与しない抵抗素子を組み合わせることによってブリッジ回路を構成することができる。
また、前述した実施形態では、温度検出素子がピエゾ抵抗型の温度検出素子である場合を例に説明したが、温度検出素子は、ピエゾ抵抗型の温度検出素子に限定されず、例えば、半導体型、熱電対型等の他の各種温度検出素子を用いることができる。
また、前述した実施形態では、キャビティを介してダイヤフラム部に対向する基板の部分に温度検出素子を配置した場合を例に説明したが、温度検出素子の設置位置は、これに限定されず、例えば、キャビティの外側の基板上、あるいは、物理量センサー以外の部品上であってもよい。また、歪検出素子の出力を温度検出素子の出力に基づいて補正する必要がなければ、温度検出素子を省略してもよい。
1‥‥物理量センサー 1A‥‥物理量センサー 2‥‥膜体 6‥‥半導体基板 6X‥‥シリコン基板 7‥‥歪検出素子 8‥‥積層構造体 9‥‥半導体回路 21‥‥保護層 22‥‥ベース層 22X‥‥多結晶シリコン膜 23‥‥保護層 24‥‥ダイヤフラム部 24A‥‥ダイヤフラム部 25‥‥孔 26‥‥封止部材 31‥‥ブリッジ回路 32‥‥ブリッジ回路 40‥‥シリコン酸化膜 61‥‥温度検出素子 61a‥‥温度検出素子 61b‥‥温度検出素子 61c‥‥温度検出素子 61d‥‥温度検出素子 62‥‥絶縁層 63a‥‥配線 63b‥‥配線 63c‥‥配線 63d‥‥配線 81‥‥層間絶縁膜 82‥‥配線層 82b‥‥配線層 83‥‥層間絶縁膜 84‥‥配線層 84b‥‥配線層 85‥‥表面保護膜 87‥‥トランジスタ 91‥‥補正回路 100‥‥圧力センサー 101‥‥筐体 102‥‥演算部 103‥‥配線 104‥‥貫通孔 200‥‥高度計 201‥‥表示部 221‥‥歪検出素子 221a‥‥歪検出素子 221b‥‥歪検出素子 221c‥‥歪検出素子 221d‥‥歪検出素子 222‥‥周辺部 222a‥‥配線 222b‥‥配線 222c‥‥配線 222d‥‥配線 241‥‥天板部 242‥‥側壁部 242A‥‥側壁部 243‥‥肩部 243A‥‥肩部 300‥‥ナビゲーションシステム 301‥‥表示部 400‥‥移動体 401‥‥車体 402‥‥車輪 871‥‥ゲート電極 S‥‥キャビティ

Claims (14)

  1. 基板と、
    受圧により撓み変形し、屈曲または湾曲している肩部を有し、前記基板に対して離間しているダイヤフラム部と、
    前記肩部に配置されている歪検出素子と、
    前記基板と前記ダイヤフラム部との間に配置されているキャビティと、
    を備えていることを特徴とする物理量センサー。
  2. 前記歪検出素子は、前記ダイヤフラム部の前記キャビティとは反対の面側に偏在している請求項1に記載の物理量センサー。
  3. 前記ダイヤフラム部は、前記基板から離間している天板部と、前記天板部と前記基板との間にある側壁部と、を有し、
    前記肩部は、前記天板部と前記側壁部との間に配置されている請求項1または2に記載の物理量センサー。
  4. 前記歪検出素子は、前記肩部と前記側壁部とに沿って配置されている請求項3に記載の物理量センサー。
  5. 前記歪検出素子は、前記肩部と前記天板部とに沿って配置されている請求項3または4に記載の物理量センサー。
  6. 前記歪検出素子は、前記肩部を介して前記天板部と前記側壁部とに跨っている請求項3ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 前記天板部、前記側壁部および前記肩部が同一層を有する請求項3ないし6のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  8. 前記キャビティは、前記基板および前記ダイヤフラム部により囲まれている密閉空間である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  9. 前記歪検出素子は、ピエゾ抵抗素子である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  10. 前記基板の前記キャビティ側に配置されている回路部を備えている請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする圧力センサー。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする高度計。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする電子機器。
  14. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする移動体。
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