JP2017227596A - 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力検知特性の低下を低減することのできる圧力センサー、この圧力センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】ダイアフラムを有する基板と、前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、前記ダイアフラムの前記一方の面側に配置されており、前記基板の平面視で前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲むように配置されている囲み部と、前記ダイアフラムに配置されているピエゾ抵抗素子を有するセンサー部と、前記基板の前記一方の面側に配置されており、前記センサー部と電気的に接続されている配線部と、前記囲み部と前記配線部とを電気的に接続し、前記囲み部の電位を前記センサー部の駆動電位、グランド電位または前記駆動電位と前記グランド電位の中間電位とする接続部と、を有することを特徴とする圧力センサー。【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、圧力センサーとして、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、基板上に配置された周囲構造体と、を有し、これらの間に圧力基準室が形成されている。また、圧力基準室の周囲には製造時のエッチングに対する耐性を有するガードリング(囲み部)が設けられている。
しかしながら、このような構成の圧力センサーでは、ガードリングが電気的に浮いているため(すなわち電位が固定されていないため)、ガードリングの電位が周囲の環境によって変化してしまう。このようなガードリングは、センサー部の直ぐ近くに配置されているため、ガードリングの電位変化によってセンサー部の圧力検知特性が低下するおそれがある。
本発明の目的は、圧力検知特性の低下を低減することのできる圧力センサー、この圧力センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、
前記ダイアフラムの前記一方の面側に配置されており、前記基板の平面視で前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲むように配置されている囲み部と、
前記ダイアフラムに配置されているピエゾ抵抗素子を有するセンサー部と、
前記基板の前記一方の面側に配置されており、前記センサー部と電気的に接続されている配線部と、
前記囲み部と前記配線部とを電気的に接続し、前記囲み部の電位を前記センサー部の駆動電位、グランド電位または前記駆動電位と前記グランド電位の中間電位とする接続部と、を有することを特徴とする。
これにより、圧力検知特性の低下を低減することのできる圧力センサーが得られる。
前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、
前記ダイアフラムの前記一方の面側に配置されており、前記基板の平面視で前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲むように配置されている囲み部と、
前記ダイアフラムに配置されているピエゾ抵抗素子を有するセンサー部と、
前記基板の前記一方の面側に配置されており、前記センサー部と電気的に接続されている配線部と、
前記囲み部と前記配線部とを電気的に接続し、前記囲み部の電位を前記センサー部の駆動電位、グランド電位または前記駆動電位と前記グランド電位の中間電位とする接続部と、を有することを特徴とする。
これにより、圧力検知特性の低下を低減することのできる圧力センサーが得られる。
本発明の圧力センサーでは、前記囲み部、前記配線部および前記接続部は、一体であることが好ましい。
これにより、圧力センサーの構成が簡単となる。また、囲み部、配線部および接続部の電気的な接続をより確実に行うことができる。
これにより、圧力センサーの構成が簡単となる。また、囲み部、配線部および接続部の電気的な接続をより確実に行うことができる。
本発明の圧力センサーでは、前記囲み部、前記配線部および前記接続部は、同一層で構成されていることが好ましい。
これにより、囲み部、配線部および接続部の形成が容易となる。
これにより、囲み部、配線部および接続部の形成が容易となる。
本発明の圧力センサーでは、前記基板の平面視にて、前記接続部は、前記囲み部の外周の一部に接続されていることが好ましい。
これにより、例えば、熱応力が囲み部に伝わり難くなる。また、囲み部内の応力の不均一性を低減することができる。これらから、圧力検知精度の低下を低減することができる。
これにより、例えば、熱応力が囲み部に伝わり難くなる。また、囲み部内の応力の不均一性を低減することができる。これらから、圧力検知精度の低下を低減することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記接続部は、前記囲み部および前記配線部と別体であることが好ましい。
これにより、配線部や接続部の配置の自由度が増す。
これにより、配線部や接続部の配置の自由度が増す。
本発明の圧力センサーでは、前記基板の平面視で、前記接続部に前記囲み部および前記配線部の少なくとも一部が重なって配置されていることが好ましい。
これにより、囲み部、配線部および接続部の電気的な接続をより確実に行うことができる。
これにより、囲み部、配線部および接続部の電気的な接続をより確実に行うことができる。
本発明の高度計は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
以下、本発明の圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーが有するセンサー部を示す平面図である。図3は、図2に示すセンサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図4は、図1に示す圧力センサーの製造方法を示すフローチャートである。図5ないし図10は、それぞれ、図1に示す圧力センサーの製造方法を説明する断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図1や図2に示すように、圧力センサー1は、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有する基板2と、ダイアフラム25の一方の面側(上側)に配置されている圧力基準室Sと、ダイアフラム25の一方の面側(上側)に配置されており、基板2の平面視(基板2の一方の面の法線方向から見たとき)で圧力基準室Sの周囲の少なくとも一部を囲むように配置されている囲み部としてのガードリング421と、ダイアフラム25に配置されているピエゾ抵抗素子31、32、33、34を有するセンサー部3と、基板2の一方の面側(上側)に配置されており、センサー部3と電気的に接続されている配線部429と、ガードリング421と配線部429とを電気的に接続し、ガードリング421の電位をセンサー部3の駆動電位、グランド電位または駆動電位とグランド電位の中間電位とする接続部5と、を有している。このような構成によれば、センサー部3を利用して比較的簡単な構成でガードリング421の電位を固定することができる。そして、このようにガードリング421の電位を固定することで、ガードリング421の電位の揺らぎに起因したノイズの発生を抑えることができ、圧力センサー1の圧力検知精度の低下を低減することができる。
以下、このような特徴を有する圧力センサー1について詳細に説明する。図1に示すように、圧力センサー1は、主に、基板2と、センサー部3と、周囲構造体4と、圧力基準室Sと、を有している。
[基板]
図1に示すように、基板2は、半導体基板であり、第1シリコン層21と、第1シリコン層21の上側に配置された第2シリコン層23と、第1、第2シリコン層21、23の間に配置された酸化シリコン層22と、を有するSOI基板で構成されている。なお、基板2としてはSOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板を用いることもできる。
図1に示すように、基板2は、半導体基板であり、第1シリコン層21と、第1シリコン層21の上側に配置された第2シリコン層23と、第1、第2シリコン層21、23の間に配置された酸化シリコン層22と、を有するSOI基板で構成されている。なお、基板2としてはSOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板を用いることもできる。
また、基板2には周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム25が設けられている。ダイアフラム25は、基板2の下面に開放する有底の凹部26を設けることで凹部26の底部として形成されている。そして、ダイアフラム25の下面が圧力を受ける受圧面251となっている。このようなダイアフラム25の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、1.0μm以上、2.0μm以下程度とすることが好ましい。これにより、機械的強度を保ちつつ、十分に薄く撓み易いダイアフラム25となる。
ここで、本実施形態の基板2では、ダイアフラム25は、第2シリコン層23からなる単層構造となっている。そのため、ダイアフラム25を薄肉化することが容易となる。また、ダイアフラム25を単一の層で構成することにより、次のような効果を発揮することもできる。すなわち、ダイアフラム25が材料の異なる複数の層で構成されている場合、各層の線膨張係数の差に起因して、環境温度によってダイアフラム25の内部応力が変化するおそれがある。そのため、同じ圧力を受けても環境温度によって測定値が異なってしまうというヒステリシスが生じるおそれがある。これに対して、本実施形態のようにダイアフラム25を単一の層で構成することで、上述のようなヒステリシスの問題が生じ難くなり、圧力検知精度の低下を効果的に低減することができる。ただし、圧力センサー1は、ダイアフラム25が材料の異なる複数の層で構成されている場合を除外する必要はなく、ダイアフラム25が材料の異なる複数の層で構成されていてもよい。
以上、基板2について説明した。なお、このような基板2にはセンサー部3と電気的に接続される半導体回路(MOSトランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードトランジスタ等の回路要素)が作り込まれていてもよい。
また、図1に示すように、基板2の上面にはダイアフラム25と重ならないように、かつ、ダイアフラム25の周囲を囲むように中間層6が配置されている。中間層6は、基板2の上面に配置され、酸化シリコンで構成された第1中間層61と、第1中間層61の上面に配置され、窒化シリコンで構成された第2中間層62と、第2中間層62の上面に配置され、ポリシリコンで構成された第3中間層63と、を有している。なお、第1、第2、第3中間層61、62、63の材料としては特に限定されない。また、第1、第2、第3中間層61、62、63の少なくとも1層を省略してもよい。
[センサー部]
図2に示すように、センサー部3は、ダイアフラム25に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34と、これらに電気的に接続された配線35と、を有している。ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、配線35等を介して、互いに電気的に接続され、図3に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。
図2に示すように、センサー部3は、ダイアフラム25に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34と、これらに電気的に接続された配線35と、を有している。ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、配線35等を介して、互いに電気的に接続され、図3に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。
ブリッジ回路30には駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路30は、ダイアフラム25の撓みに基づくピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値変化に応じた信号(電圧)を出力する。なお、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、それぞれ、例えば、基板2(第2シリコン層23)にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線35は、例えば、基板2(第2シリコン層23)に、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
[圧力基準室]
図1に示すように、圧力基準室Sは、基板2と周囲構造体4とに囲まれることで画成されている。このような圧力基準室Sは、密閉された空間(空洞)であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる。また、圧力基準室Sは、ダイアフラム25の上方(受圧面251とは反対側に位置し、ダイアフラム25と重なって配置されている。なお、圧力基準室Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
図1に示すように、圧力基準室Sは、基板2と周囲構造体4とに囲まれることで画成されている。このような圧力基準室Sは、密閉された空間(空洞)であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる。また、圧力基準室Sは、ダイアフラム25の上方(受圧面251とは反対側に位置し、ダイアフラム25と重なって配置されている。なお、圧力基準室Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
[周囲構造体]
図1に示すように、基板2と共に圧力基準室Sを画成する周囲構造体4は、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有している。
図1に示すように、基板2と共に圧力基準室Sを画成する周囲構造体4は、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有している。
配線層42は、基板2の平面視で、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング421(囲み部)と、センサー部3の配線35と接続されている配線部429と、を有している。同様に、配線層44は、基板2の平面視で、圧力基準室Sを囲んで配置されると共に、ガードリング421上に電気的に接続した状態で配置された枠状のガードリング441と、配線部429と電気的に接続された配線部449と、を有している。ガードリング421、441は、後述する製造方法でも説明するように、圧力基準室Sを埋める犠牲層をエッチング除去する際のストッパーとして機能する。また、配線部429、449は、センサー部3を周囲構造体4の上面に引き出す機能を有する。
配線層44は、さらに、圧力基準室Sの天井に位置し、ガードリング441から延出して設けられた被覆層444を有している。また、被覆層444には圧力基準室Sの内外を連通する複数の貫通孔445が設けられている。後述する製造方法でも説明するように、複数の貫通孔445は、圧力基準室Sにエッチング液を侵入させるためのリリースエッチング用の孔である。このような被覆層444上には封止層46が配置されており、封止層46によって貫通孔445が封止され、圧力基準室Sが気密的な空間となっている。
表面保護膜45は、周囲構造体4を水分、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。このような表面保護膜は、被覆層444の貫通孔445を塞がないように、層間絶縁膜43および配線層44上に配置されている。
層間絶縁膜41、43としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層42、44としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層46としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、表面保護膜45としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
以上、周囲構造体4について説明した。なお、周囲構造体4の構成としては、本実施形態の構成に限定されず、例えば、配線層や層間絶縁膜を3層以上有する構成となっていてもよい。また、本実施形態では、ガードリング421、441が、基板2の平面視で圧力基準室Sを囲む枠状をなしているが、ガードリング421、441は、基板2の平面視で圧力基準室の少なくとも一部を囲むように配置されていればよい。
[接続部]
接続部5は、ガードリング421と配線部429とを電気的に接続し、ガードリング421の電位をセンサー部3の駆動電位、グランド電位、若しくは駆動電位とグランド電位の中間電位の何れかとする機能を有している。このような構成によれば、ガードリング421の電位を固定することができるため、ガードリング421の電位の揺らぎに起因したノイズの発生を抑えることができ、圧力センサー1の圧力検知精度の低下を低減することができる。特に、センサー部3を利用して比較的簡単な構成でガードリング421の電位を固定することができる点で有効である。
接続部5は、ガードリング421と配線部429とを電気的に接続し、ガードリング421の電位をセンサー部3の駆動電位、グランド電位、若しくは駆動電位とグランド電位の中間電位の何れかとする機能を有している。このような構成によれば、ガードリング421の電位を固定することができるため、ガードリング421の電位の揺らぎに起因したノイズの発生を抑えることができ、圧力センサー1の圧力検知精度の低下を低減することができる。特に、センサー部3を利用して比較的簡単な構成でガードリング421の電位を固定することができる点で有効である。
なお、ガードリング421をセンサー部3のグランド電位とする場合には、センサー部3の配線35に含まれるグランド用の配線351(図2、図3参照)と接続された配線部429とガードリング421とを接続部5によって接続すればよい。また、ガードリング421をセンサー部3の駆動電位とする場合には、センサー部3の配線35に含まれる駆動電位(駆動電圧AVDC)用の配線352(図2、図3参照)に接続された配線部429とガードリング421とを接続部5によって接続すればよい。図1では、代表して、ガードリング421をセンサー部3のグランド電位とする場合について図示している。
図1に示すように、このような接続部5は、周囲構造体4の配線層42から形成されている。そのため、ガードリング421、配線部429および接続部5が同一層(配線層42)で構成され、これらガードリング421、配線部429および接続部5が一体となっている。これにより、例えば、接続部5を別体として配置する場合と比較して、圧力センサー1の構成が簡単となると共に、圧力センサー1の製造(ガードリング421、配線部429および接続部5の形成)が容易となる。また、ガードリング421と接続部5との電気的な接続および接続部5と配線部429との電気的な接続をより確実に行うことができる(すなわち、ガードリング421と接続部5および接続部5と配線部429の接続不良が生じ難くなる)。
また、図2に示すように、基板2の平面視にて、接続部5は、ガードリング421の外周の一部に接続されている。言い換えると、接続部5は、図2に示すように、基板2の平面視で、ガードリング421の一辺の長さに対して十分に細い幅で形成されている。このように、接続部5をなるべく細い幅で形成することで、ガードリング421の周囲に生じた応力がガードリング421に伝わり難くなる。具体的に説明すると、前述したように、層間絶縁膜41、43が酸化シリコン等で構成され、配線層42、44がアルミニウム等で構成されているため、これらの線膨張係数の異なりに起因して周囲構造体4内に熱応力が生じてしまう。接続部5を細い幅とすることで、接続部5付近に生じる熱応力を小さく抑えることができ、熱応力がガードリング421に伝わり難くなる。そのため、ガードリング421の近傍に位置するダイアフラム25へも熱応力が伝わり難くなり、圧力センサー1の圧力検知精度の低下を低減することができる。また、接続部5をなるべく細い幅で形成することで、ガードリング421に加わる熱応力の不均一性を低減することができる。すなわち、ガードリング421内では接続部5との接続部に前述した熱応力が最も大きく加わるため、ガードリング421内に熱応力の不均一性が生じるが、接続部5の幅を細くしてガードリング421に伝わる熱応力自体を小さくすることで、ガードリング421内に生じる熱応力の不均一性を低減することができる。ガードリング421内に不均一な熱応力が生じると、センサー部3の圧力検知特性のばらつきの要因となるため好ましくない。
以上、接続部5について説明した。なお、上述の構成では、1本の接続部5が配置されているが、接続部5の配置数としては特に限定されず、2本以上であってもよい。また、接続部5は、ガードリング421の一辺の長さよりも十分に小さい幅を有しているが、接続部5の幅としては、特に限定されず、ガードリング421の一辺の長さと等しくてもよいし、一辺の長さよりも大きくてもよい。また、接続部5は、例えば、ガードリングの二辺に跨って接続されていてもよいし、ガードリング421の角部に接続されていてもよい。
次に、圧力センサー1の製造方法について簡単に説明する。図4に示すように、圧力センサー1の製造方法は、基板2にセンサー部3を形成するセンサー部形成工程と、基板2上に周囲構造体4を形成する周囲構造体形成工程と、基板2にダイアフラム25を形成するダイアフラム形成工程と、を有している。
[センサー部形成工程]
まず、図5に示すように、ダイアフラム25が形成されていない基板2を用意し、基板2にセンサー部3を形成する。次に、図6に示すように、基板2上に第1中間層61、第2中間層62および第3中間層63を成膜する。なお、この際、第1中間層61は、ダイアフラム25となる部分の上面を覆うように配置しておく。
まず、図5に示すように、ダイアフラム25が形成されていない基板2を用意し、基板2にセンサー部3を形成する。次に、図6に示すように、基板2上に第1中間層61、第2中間層62および第3中間層63を成膜する。なお、この際、第1中間層61は、ダイアフラム25となる部分の上面を覆うように配置しておく。
[周囲構造体形成工程]
次に、図7に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42(接続部5を含む)、層間絶縁膜43、配線層44および表面保護膜45を順に形成する。次に、図8に示すように、レジストマスクMで表面保護膜45を保護した上で、ウェットエッチングによって、貫通孔445を介して犠牲層(ガードリング421、441で囲まれた層間絶縁膜41、43)および第1中間層61の一部を除去して、圧力基準室Sを形成する。この際、ガードリング421、441は、エッチングのストッパーとして機能する。次に、図9に示すように、圧力基準室Sを真空状態とした状態で、封止層46を成膜して圧力基準室Sを封止する。
次に、図7に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42(接続部5を含む)、層間絶縁膜43、配線層44および表面保護膜45を順に形成する。次に、図8に示すように、レジストマスクMで表面保護膜45を保護した上で、ウェットエッチングによって、貫通孔445を介して犠牲層(ガードリング421、441で囲まれた層間絶縁膜41、43)および第1中間層61の一部を除去して、圧力基準室Sを形成する。この際、ガードリング421、441は、エッチングのストッパーとして機能する。次に、図9に示すように、圧力基準室Sを真空状態とした状態で、封止層46を成膜して圧力基準室Sを封止する。
[ダイアフラム形成工程]
次に、図10に示すように、基板2の下面に、ドライエッチングによって凹部26を形成してダイアフラム25を形成する。凹部26は、例えば、シリコンディープエッチング装置を用いて形成することができる。以上により、圧力センサー1が得られる。
次に、図10に示すように、基板2の下面に、ドライエッチングによって凹部26を形成してダイアフラム25を形成する。凹部26は、例えば、シリコンディープエッチング装置を用いて形成することができる。以上により、圧力センサー1が得られる。
このような製造方法によれば、半導体プロセスを用いて圧力センサー1を製造することができる。
<第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。
図11は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。
以下、第2実施形態の圧力センサーについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る圧力センサーは、接続部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図11に示すように、本実施形態の圧力センサー1では、接続部5は、ガードリング421および配線部429と別体である。具体的には、ガードリング421および配線部429は、配線層42から構成されているのに対して、接続部5は、第3中間層63から構成されている。このように、接続部5をガードリング421および配線部429と別体とすることで、配線部429や接続部5の配置の自由度が増し、装置の設計がしやすくなる。なお、上述したように、第3中間層63で接続部5を構成しているため、第3中間層63に導電性を付与する必要がある。そのため、本実施形態では、第3中間層63を構成するポリシコン層に、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)している。
また、接続部5が第3中間層63(配線層42よりも基板2側の層)で構成されているため、基板2の平面視で、接続部5にガードリング421および配線部429の少なくとも一部が重なって配置されている。そのため、前述した半導体プロセスを用いた製造方法によって、接続部5とガードリング421および接続部5と配線部429を簡単かつ確実に電気的に接続することができる。
なお、ガードリング421の電位をセンサー部3のグランド電位とする場合には、センサー部3の配線35に含まれるグランド用の配線351と接続された配線部429とガードリング421とを接続部5によって接続すればよい(図11ではこの状態を示す)。また、ガードリング421の電位をセンサー部3の駆動電位とする場合には、センサー部3の配線35に含まれる駆動電位用の配線352に接続された配線部429とガードリング421とを接続部5によって接続すればよい。また、ガードリング421の電位を駆動電位とグランド電位の中間電位とする場合には、センサー部3の配線35に含まれる駆動電位用の配線352に接続された配線部429とガードリング421とを接続部5によって接続し、かつ、ガードリング421と接続部5の間、接続部5の途中、接続部5と配線部429との間の少なくともどこかに所定の中間電位となるような抵抗を介在させればよい。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る高度計について説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る高度計について説明する。
図12は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
図12に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
図12に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
このような高度計200は、圧力センサー1を有しているため、上述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る電子機器について説明する。
図13は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
次に、本発明の第4実施形態に係る電子機器について説明する。
図13は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
本実施形態の電子機器は、圧力センサー1を備えたナビゲーションシステム300である。図13に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。
そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサー1を搭載し、高度情報を圧力センサー1によって取得することで、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
このようなナビゲーションシステム300は、圧力センサー1を有しているため、上述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、上記のナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る移動体について説明する。
図14は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
次に、本発明の第5実施形態に係る移動体について説明する。
図14は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
本実施形態の移動体は、圧力センサー1を備えた自動車400である。図14に示すように、自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300(圧力センサー1)が内蔵されている。
このような自動車400は、圧力センサー1を有しているため、上述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサー、2…基板、21…第1シリコン層、22…酸化シリコン層、23…第2シリコン層、25…ダイアフラム、251…受圧面、26…凹部、3…センサー部、30…ブリッジ回路、31、32、33、34…ピエゾ抵抗素子、35、351、352…配線、4…周囲構造体、41…層間絶縁膜、42…配線層、421…ガードリング、429…配線部、43…層間絶縁膜、44…配線層、441…ガードリング、444…被覆層、445…貫通孔、449…配線部、45…表面保護膜、46…封止層、5…接続部、6…中間層、61…第1中間層、62…第2中間層、63…第3中間層、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、M…レジストマスク、S…圧力基準室
Claims (9)
- 受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、
前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、
前記ダイアフラムの前記一方の面側に配置されており、前記基板の平面視で前記圧力基準室の周囲の少なくとも一部を囲むように配置されている囲み部と、
前記ダイアフラムに配置されているピエゾ抵抗素子を有するセンサー部と、
前記基板の前記一方の面側に配置されており、前記センサー部と電気的に接続されている配線部と、
前記囲み部と前記配線部とを電気的に接続し、前記囲み部の電位を前記センサー部の駆動電位、グランド電位または前記駆動電位と前記グランド電位の中間電位とする接続部と、を有することを特徴とする圧力センサー。 - 前記囲み部、前記配線部および前記接続部は、一体である請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記囲み部、前記配線部および前記接続部は、同一層で構成されている請求項2に記載の圧力センサー。
- 前記基板の平面視にて、前記接続部は、前記囲み部の外周の一部に接続されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 前記接続部は、前記囲み部および前記配線部と別体である請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記基板の平面視で、前記接続部に前記囲み部および前記配線部の少なくとも一部が重なって配置されている請求項5に記載の圧力センサー。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする高度計。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする移動体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016125608A JP2017227596A (ja) | 2016-06-24 | 2016-06-24 | 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 |
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JP (1) | JP2017227596A (ja) |
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2016
- 2016-06-24 JP JP2016125608A patent/JP2017227596A/ja active Pending
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