JP2015117908A - モータの制御装置 - Google Patents

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【課題】製造コストの低減化を図ることができるモータの制御装置を提供すること。
【解決手段】モータ1に適用され、かつ常態においてはモータ1に対する出力電圧値及び出力周波数を調整することによりモータ1を所望の回転数で駆動させる制御部13を備えた制御装置10であって、制御部13は、与えられた信号によりモータ1が過負荷になると判断した場合には、自身に入力する電流値が所定レベル以下となるよう算出された回転数上限値を設定し、かつモータ1の回転数が回転数上限値以下となるようモータ1を抑制駆動させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの制御装置に関し、より詳細には、例えば自動販売機等の冷凍サイクルを構成する圧縮機に適用されるモータの制御装置に関するものである。
従来、例えば自動販売機等の冷凍サイクルを構成する圧縮機のモータとしてブラシレスモータが用いられており、モータに対する出力電圧値及び出力周波数をインバータ等により調整することによってモータの回転数を負荷に応じて増減させるようにしている。そのため、モータの起動時において該モータに対する負荷が過大なものとなる場合には、インバータやモータに流れる電流値は大きいものとなってしまう。
ところで、上記モータが適用される自動販売機等においては、電源から供給される電流容量は所定値(例えば15A等)に制限されている。そのため、上述したようなモータの起動時においてモータの負荷が過大なものとなる場合、インバータやモータに無制限に電流を流してしまうと、自動販売機の他の機器に電流を供給できずに不具合が生ずる虞れがある。そこで、インバータの入力電流を検知するセンサを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−281236号公報
ところが、例えば特許文献1に提案されているようなものでは、インバータの入力電流を検知するセンサを必要としているために、製造コストの増大化を招来している。
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの低減化を図ることができるモータの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るモータの制御装置は、モータに適用され、かつ常態においては該モータに対する出力電圧値及び出力周波数を調整することにより該モータを所望の回転数で駆動させる制御手段を備えた制御装置であって、前記制御手段は、与えられた信号により前記モータが過負荷になると判断した場合には、自身に入力する電流値が所定レベル以下となるよう算出された回転数上限値を設定し、かつ前記モータの回転数が前記回転数上限値以下となるようモータを抑制駆動させることを特徴とする。
また本発明は、上記モータの制御装置において、前記制御手段は、予め決められた抑制駆動時間が経過するまで前記モータを抑制駆動させることを特徴とする。
また本発明は、上記モータの制御装置において、前記モータは、自動販売機の内部雰囲気を冷却する冷凍サイクルを構成する圧縮機に適用されるものであり、前記制御手段は、前記自動販売機の周囲温度が予め設定された温度閾値以上となる場合、前記自動販売機の内部に対する商品の搬入が完了した場合及び供給される電圧が予め決められた電圧閾値以下となる場合の少なくとも1つが成立するときに、前記モータを抑制駆動させることを特徴とする。
本発明によれば、制御手段が、与えられた信号によりモータが過負荷になると判断した場合には、回転数上限値を設定し、かつモータの回転数が回転数上限値以下となるようモータを抑制駆動させるので、自身に入力する電流値を所定レベル以下にすることができる。つまり、従来のように入力電流を検知するセンサを必要としなくとも、過負荷であるか否かを判断することで該センサの代替を行うことができ、電流容量が不足する事態を回避することができる。従って、部品点数の削減することで製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態である制御装置の特徴的な構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示した制御部が実施する回転数設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るモータの制御装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である制御装置の特徴的な構成を示すブロック図である。ここで例示する制御装置10は、モータ1の駆動を制御するものである。モータ1は、ブラシレスモータと称されるものであり、自動販売機2の圧縮機3の駆動源となるものである。
圧縮機3は、図示せぬ凝縮器、膨張機構及び蒸発器とともに冷凍サイクルを構成するものであり、蒸発器が配設される自動販売機2の内部に画成された商品収容庫の内部雰囲気を冷却するものである。
制御装置10は、電源入力部11、インバータ回路12及び制御部13を備えて構成されている。
電源入力部11は、交流電源4に接続されており、交流を直流に変換する整流回路を内蔵するものである。この電源入力部11には、インバータ回路12に供給する電圧を検知する素子が設けられており、該素子の検知結果が電圧信号として制御部13に出力される。
インバータ回路12は、電源入力部11から直流が供給され、モータ1のU相、V相、W相の各相へ所定の出力電圧値及び出力周波数にて駆動電力を供給するものである。このインバータ回路12には、インバータ回路12より出力する電流値を検知する素子が設けられており、該素子の検知結果が電流信号として制御部13に出力される。
制御部13は、メモリ14に記憶されたプログラムやデータに従って制御装置10の動作を統括的に制御する制御手段であり、入力処理部131、回転数設定処理部132、出力処理部133、入力電流推定部134を備え、自販機制御部20と通信可能なものである。
ここで自販機制御部20は、自動販売機2の動作(商品搬出動作、金銭処理動作)を統括的に制御するものである。この自販機制御部20は、外気温度センサ21及びリセットスイッチ22と電気的に接続されている。外気温度センサ21は、自動販売機2の外気温度(周囲温度)を検知するものであり、その検知結果は温度信号として自販機制御部20に出力される。リセットスイッチ22は、自動販売機2に対する商品の搬入作業等が終了した場合に作業者がリセットスイッチボタンを押下操作することによりオンとなるものであり、オンとなった旨がオン信号として自販機制御部20に出力される。
入力処理部131は、電源入力部11から与えられる電圧信号や自販機制御部20から与えられる温度信号及びオン信号の入力処理、並びにインバータ回路12から与えられる電流信号の入力処理を行うものである。
回転数設定処理部132は、回転数上限値を設定する処理を行うものである。本発明の実施の形態においては、回転数設定処理部132は、入力処理部131を通じて入力処理された各信号に含まれる要素と、メモリ14から読み出した過負荷条件とを対比して過負荷状態にあると判断した場合に、第1回転数上限値(例えば4200rpm等)と第2回転数上限値(例えば3300rpm等)とのいずれかを択一的に選択して設定するものである。
第1回転数上限値及び第2回転数上限値について説明する。これら回転数上限値は、それぞれ制御装置10に入力する電流値が所定レベル以下となるよう算出されたものであり、モータ1が過負荷となる判断された場合に適用される第2回転数上限値の方が、電流容量の不足を回避するために第1回転数上限値よりも低くなっている。
また過負荷条件であるが、本発明の実施の形態においては、(1)外気温度が38℃以上で、かつリセットスイッチ22がオンとなる場合、(2)電圧信号に含まれる電圧値が交流電源4の電圧の90%以下となる場合の2つであり、これら(1)及び(2)のいずれか一方を具備するときに、回転数設定処理部132はモータ1が過負荷になると判断する。
出力処理部133は、回転数設定処理部132を通じて設定した回転数上限値以下となるよう所定のモータ駆動信号(PWM制御信号)を生成し、インバータ回路12へモータ駆動信号を出力するものである。
入力電流推定部134は、モータ1を駆動させている間に、入力処理部131を通じて入力された電流信号を下記式(1)に当てはめて制御装置10に入力される電流値を推定するものである。
式(1)
Iac=k×PWMDuty×Idc
(Iacは推定入力電流値、kは係数、PWMDutyはPWM出力のオンデューティ比、Idcは出力電流平均値である。)
この式(1)の導出について説明する。制御装置10における入出力の電力の関係は下記式(2)で表すことができる。
式(2)
Pdc=Pac×(1−η)
(Pacは入力電力、Pdcは出力電力、ηはインバータ損失である。)
そして、出力電力は下記式(3)、入力電力は下記式(4)で表される。
式(3)
Pdc=VPA×PWMDuty×Idc
(VPAは電源電圧である。)
式(4)
Pac=(VPA÷2√2)×(Iac)′×φ
(φは力率である。)
上記式(2)〜(4)からIacを求めると、
(Iac)′=(Pdc÷(1−η))÷((VPA÷2√2)×φ)
=(VPA×PWMDuty×Idc)÷((1−η)×(VPA÷2√2)×φ)
=(2√2×PWMDuty×Idc)÷((1−η)×φ)
=(2√2÷((1−η)×φ))×PWMDuty×Idc
=λ×PWMDuty×Idc・・・(5)
(λは定数である。)
そして、(Iac)′はこの導出過程で近似を行った結果であり、実際に流れている入力電力に近づけるために、実験的に求めた係数ξをかけたものを推定入力電力とすると、
Iac=ξ(Iac)′
=(ξ×λ)×PWMDuty×Idc
=k×PWMDuty×Idcとなり、上記式(1)を得ることができる。
このように上記式(1)はその導出過程においてインバータ損失等が考慮されているので、かかる式(1)に出力電流値を代入することで入力電力を推定することができる。
図2は、図1に示した制御部が実施する回転数設定処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる回転数設定処理の処理内容を述べつつ、本発明の実施の形態である制御装置10の動作について説明する。
回転数設定処理において制御部13は、入力処理部131を通じて信号を入力処理した場合(ステップS101:Yes)、すなわち電源入力部11から電圧信号、自販機制御部20から温度信号及びオン信号が与えられた場合、回転数設定処理部132を通じて過負荷条件を具備するか否かを判断する(ステップS102)。つまり、制御部13は、回転数設定処理部132を通じて上記(1)及び上記(2)のいずれかを具備するか否かを判断する。
過負荷条件を具備しないと判断した場合(ステップS102:No)、制御部13は、回転数設定処理部132を通じて第1回転数上限値を選択して設定する(ステップS103)。設定された第1回転数上限値はメモリ14等に適宜記憶される。
回転数設定処理部132を通じて第1回転数上限値を設定した制御部13は、第1回転数上限値以下となるよう出力処理部133を通じてインバータ回路12へモータ駆動信号を出力し(ステップS104)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、回転数設定処理部132を通じて設定した第1回転数上限値以下となるようインバータ回路12へモータ駆動信号を出力するので、モータ1を第1回転数上限値以下で駆動させることができる。
一方、上記ステップS102において過負荷条件を具備すると判断した場合(ステップS102:Yes)、制御部13は、回転数設定処理部132を通じて第2回転数上限値を選択して設定する(ステップS105)。設定された第2回転数上限値はメモリ14等に適宜記憶される。
回転数設定処理部132を通じて第2回転数上限値を設定した制御部13は、第2回転数上限値以下となるよう出力処理部133を通じてインバータ回路12へモータ駆動信号を出力し(ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、回転数設定処理部132を通じて設定した第2回転数上限値以下となるようインバータ回路12へモータ駆動信号を出力するので、モータ1を第2回転数上限値以下で抑制駆動することができる。かかるモータ1の抑制駆動は、予め設定された時間(例えば25分間)が経過するまで行うようにしている。
以上説明したように本発明の実施の形態である制御装置10によれば、制御部13が、与えられた信号によりモータ1が過負荷になると判断した場合には、予め設定された時間が経過するまでモータ1を抑制駆動させるので、自身に入力する電流値を所定レベル以下にすることができる。つまり、従来のように入力電流を検知するセンサを必要としなくとも、過負荷条件を判断することで該センサの代替を行うことができ、電流容量が不足する事態を回避することができる。従って、部品点数の削減することで製造コストの低減化を図ることができる。
また上記制御装置10によれば、制御部13が、入力電流推定部134を通じて出力電流より制御装置10の入力電流を推定することができるので、これによっても従来のように入力電流を検知するセンサを必要とせず、製造コストの低減化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、(1)外気温度が38℃以上で、かつリセットスイッチ22がオンとなる場合、(2)電圧信号に含まれる電圧値が交流電源4の電圧の90%以下となる場合の2つを過負荷条件とし、これら(1)及び(2)のいずれか一方を具備するときにモータ1が過負荷になると判断していたが、本発明においては、(1)外気温度が38℃以上である場合、(2)リセットスイッチ22がオンとなる場合、(3)電圧信号に含まれる電圧値が交流電源4の電圧の90%以下となる場合の3つを過負荷条件とし、これら(1)〜(3)のいずれか一方を具備するときにモータ1が過負荷になると判断してもよい。また本発明においては、過負荷条件はこれらに限られるものではなく、商品収容庫の庫内温度等を過負荷条件に含めてもよい。更に、上述した実施の形態では、回転数の上限値は、第1回転数上限値と第2回転数上限値とのいずれかを択一的に選択するようにしているが、例えば外気温度、交流電源の電圧値、商品収容庫の庫内温度等に応じて第1回転数上限値と第2回転数上限値との間でランプ関数状に変化するようにしてもよい。
1 モータ
2 自動販売機
3 圧縮機
4 交流電源
10 制御装置
11 電源入力部
12 インバータ回路
13 制御部(制御手段)
131 入力処理部
132 回転数設定処理部
133 出力処理部
134 入力電流推定部
14 メモリ
20 自販機制御部
21 外気温度センサ
22 リセットスイッチ

Claims (3)

  1. モータに適用され、かつ常態においては該モータに対する出力電圧値及び出力周波数を調整することにより該モータを所望の回転数で駆動させる制御手段を備えた制御装置であって、
    前記制御手段は、与えられた信号により前記モータが過負荷になると判断した場合には、自身に入力する電流値が所定レベル以下となるよう算出された回転数上限値を設定し、かつ前記モータの回転数が前記回転数上限値以下となるようモータを抑制駆動させることを特徴とするモータの制御装置。
  2. 前記制御手段は、予め決められた抑制駆動時間が経過するまで前記モータを抑制駆動させることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記モータは、自動販売機の内部雰囲気を冷却する冷凍サイクルを構成する圧縮機に適用されるものであり、
    前記制御手段は、前記自動販売機の周囲温度が予め設定された温度閾値以上となる場合、前記自動販売機の内部に対する商品の搬入が完了した場合及び供給される電圧が予め決められた電圧閾値以下となる場合の少なくとも1つが成立するときに、前記モータを抑制駆動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータの制御装置。
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