JP2015116954A - 車両の車体パネル構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな重量増加を伴うことなく、車体パネル材の変形をより十分かつ確実に防止できるようにする。
【解決手段】車体パネル材としての例えばフロアパネル1の下方に、フロアパネル1に沿って張力部材Gが配設される。張力部材Gは、高張力の紐状材を環状に形成してなる環状部材21と、環状部材21が巻回されると共にフロアパネル1への取付部位となる一対のボビン部材22と、を有するものとしてある。張力部材Gは、例えばX字状に交差するようにしてフロアパネル1に配設することにより、フロアパネル1の変形、特に膜変形が防止される。
【選択図】 図6

Description

本発明は、車両の車体パネル構造に関するものである。
車両としての特に自動車にあっては、大型となる車体パネル材として、例えばフロアパネル、ボンネット、トランクリッド、ルーフパネル等がある。このような大型の車体パネル材は変形されやすく、特に膜変形(面外変形)と呼ばれるように板面の中央部が周縁部に対して上下方向に変形することや、ダイアゴナル変形(面内変形)と呼ばれるように左右方向あるいは前後方向にずれる変形を生じやすいものとなる。特に、車両においては、上記膜変形を防止(抑制)することが強く望まれるものである。
特許文献1には、フロアパネルの下面に接合された左右のフロアフレーム同士を金属製のブレースで連結するものが開示されている。また、特許文献2には、1本のワイヤをフロアパネルに形成された開口部の前後に連結すると共に、その中間部分を順次右、左、右、左・・・へとジグザグに掛け渡したものが開示されている。
特開2009−120100号公報 実開昭64−50171号公報
前記特許文献1のものでは、金属製のブレースを用いることから重量増加となり、好ましくないものとなる。また、特許文献2のものでは、軽量化の点では好ましいものの、1本のワイヤをジグザグに掛け渡すことから、車体パネル材の膜変形を十分に防止することが難しいものとなる。特に、特許文献2のものでは、1本のワイヤをジグザグに掛け渡すことから、その全長に渡って均一に張力を確保することが難しいものとなり、車体パネル材の変形防止機能が場所によって相違してしまう原因ともなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、大きな重量増加を伴うことなく、車体パネル材の変形をより十分かつ確実に防止できるようにした車両の車体パネル構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、車体パネル材の板面に沿って配設される張力部材として、高張力の紐状材を環状に形成してなる環状部材と、該環状部材が巻回されると共に車体パネル材への取付部位となる一対のボビン部材と、を有するものとしてある。このような張力部材を、例えば交差するようにして車体パネル材に配設することにより、車体パネル材の変形、特に膜変形が防止される。
具体的には、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
車体パネル材に対して、該車体パネル材の板面に沿って伸びるように張力部材が張設され、
前記張力部材は、高張力の紐状材を環状に形成してなる環状部材と、該環状部材が巻回されると共に車体パネル材への取付部位となる一対のボビン部材と、を有している、
ようにしてある。上記解決手法によれば、張力部材は、高張力の紐状部材を環状に形成してなる環状部材を一対のボビン部材間掛け渡した構造とされているので、張力を受け持つ環状部材の張力が一定となり、安定して車体パネル材の変形(特に膜変形)を防止あるいは抑制することができる。また、ボビン部材を利用して張力部材を車体パネル材に取付けるので、張力部材を車体パネル材に取付けることが容易であり、また環状部材の張力をボビン部材で分散して支持することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記張力部材が、互いに交差するように配設された少なくとも一対設けられている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、一対の張力部材によって一種の筋交いの構造を形成して、車体パネル材の変形をより効果的に防止する上で好ましいものとなる。
前記車体パネル材をそれぞれ方形の複数の領域に分けたとき、該各複数の領域についてそれぞれその対角線を形成するように前記一対の張力部材が配設されている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、車体パネル材を複数の方形領域毎に張力部材による補強を行って、車体パネル材の変形を方形の領域毎に効果的に防止することができる。また、車体パネル材が、例えば中央部が周縁部に対して上方へかなり大きく脹らんでいるようなときに、張力部材と車体パネル材の中央部との間の間隔を極力小さくして張力部材を配設する上で好ましいものとなる。
前記車体パネル材に強度部材が接合されており、
前記ボビン部材は、前記強度部材に取付けられている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、張力部材の車体パネル材への取付けをしっかりと行って、張力部材の張力を利用した車体パネル材の変形防止機能を十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
前記車体パネル材を補強している前記強度部材は、前後方向に伸びる前後方向強度部材と車幅方向に伸びる車幅方向強度部材とを有し、
前記前後方向強度部材と前記車幅方向強度部材とによって仕切られる方形の領域を想定したとき、該方形の領域の対角線を形成するよう一対の前記張力部材が配設されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、前後方向強度部材と車幅方向強度部材とによって車体パネル材を補強しつつ、その対角線上に筋交いを構成するように一対の張力部材を配設することにより、車体パネル材の変形を極めて効果的に防止することができる。
前記車体パネル材が、車幅方向中央部において前後方向に伸びると共に上方へ膨出されたトンネル部を有するフロアパネルとされ、
前記張力部材が、前記フロアパネルの下方において、前記トンネル部を跨ぐようにしてかつ互いに交差するように斜めに伸ばして配設されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、トンネル部の下方開口部分が車幅方向に広がろうとするのを張力部材によって防止して、フロアパネルの変形防止を効果的に行うことができる。
前記車体パネル材に対する前記ボビン部材の取付構造が、前記環状部材に張力を付与する張力付与機構を有している、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、取付け構造を有効に利用して、張力部材に張力付与することができる。
前記張力部材の前記車体パネル材への取付け後に、該張力部材へ張力付与を行う張力調整手段を有している、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、張力が過大になったり、張力不足となってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
前記張力調整手段は、前記ボビン部材から延設されて前記環状部材を案内する一対のガイド部によって構成され、
前記一対のガイド部は、互いに略平行に伸びると共に、外力が作用しない状態では先端に向かうにつれて互いの間隔が大きくなるようにされており、
前記一対のガイド部材は、互いに接近・離間する方向に弾性変形可能とされている、
ようにしてある(請求項9対応)。この場合、一対のガイド部材の弾性変形を利用するという簡単な構成によって、張力調整を行うことができる。
本発明によれば、車体パネル材の変形防止を、大幅な重量増加を伴うことなく十分かつ確実に行うことができる。
本発明が適用されるフロアパネルをその前側部分および後側部分の構造を含めて下方から見た底面図。 フロアパネルと複数の張力部材とを示す分解斜視図。 張力部材を構成する環状部材を示す平面図。 ボビン部材の側面図。 ボビン部材の側面断面図。 図2に示す複数の張力部材のフロアパネルに対する配設例を示す底面図。 図6の簡略正面断面図。 張力部材の取付け例を示す側面図。 同一箇所に2つの張力部材を取付けた例を示す側面図。 張力部材の第2の配設例を示す底面図。 張力部材の第3の配設例を示す底面図。 張力部材に張力付与する第1の取付機構例を示す側面断面図。 張力部材に張力付与する第2の取付機構例を示す側面断面図。 張力部材に張力付与する第3の取付機構例を示す要部側面断面図。 図14に示す取付機構を用いて取付ける途中状態を示す側面断面図。 図14に示す取付機構を用いて取付け完了した状態を示す側面断面図。 張力調整機構の一例を示す斜視図。 図17に示す張力付与機構の側面図。 張力部材に張力付与する第4の取付機構例を示すもので、取付け途中状態を示す要部側面断面図。 図19に示す取付機構を用いて取付け完了した状態を示す側面断面図。
図1は、車両としての自動車におけるモノコック式ボディを下方から見た図であり、細かい部分を省略して要部のみを示してある。図1中、1はフロアパネル、2はリアパネル、3は左右一対のフロントサイドフレーム、4は左右一対のリヤサイドフレームである。
フロアパネル1の車幅方向端部には、前後方向に伸びる左右一対のサイドシル10が接合されている。フロアパネル1の下面には、前後方向に伸びる第1フロアフレーム11と第2フロアフレーム12が接合されている。
図2に示すように、フロアパネル1は、その車幅方向中央部において、前後方向に伸びるトンネル部13が上方に膨出形成されている。フロアパネル1の上面には、その前後方向略中間部において、車幅方向に伸びる中央クロスメンバ14が接合されている。中央クロスメンバ14は、トンネル部13とサイドシル10とを連結している。
前記第2フロアフレーム12は、トンネル部3近傍に配設されている。そして、第1フロアフレーム11は、サイドシル10と第2フロアフレーム12との間に配設されている。
フロアパネル1の左右前端部には、トルクボックス15が構成されて、このトルクボックス15に対して、フロントサイドフレーム3の後端部が連結される一方、サイドシル10と第1フロアフレーム11の各前端部とが連結されている。そして、各フロアフレーム11と12の前端部同士が、フロアパネル1の下面に接合された短い前クロスメンバ16により連結されている。フロントサイドフレーム3のほぼ後方延長線上に、第1フロアフレームが位置するようにされている。
サイドシル10の後端に対して、リヤサイドフレーム4の前端部が連結されている。また、サイドシル10の後端部とトンネル部13の後端部とが、フロアパネル1の下面に接合された後クロスメンバ17によって連結されている。この後クロスメンバ17に対して、各フロアフレーム11と12の後端が連結されている。
図1において、後述する張力部材の取付部位あるいは取付部位候補が、符号T1〜T8とT11〜T18で示される。右側の取付部位T1〜T8と左側の取付部位T11〜T18とは左右対称位置となるように位置選定されている。取付部位T1、T4、T7、T11、T14、T17は、サイドシル10への取付部位とされている。なお、後の説明において、取付部位を区別する必要のないときは、取付部位を単にTの符号のみでもって示すこともある。
取付部位Tは、実施形態では、強度部材(剛性部材)としてのサイドシル10、フロアフレーム11、12あるいはクロスメンバ14、16、17となるように位置選定されている。特に、フロアパネル1を上方から見た平面視において、取付部位Tとして、前後方向に伸びる強度部材と車幅方向に伸びる強度部材との交差部(つまり角部)を選定するようにしてある。
図2には、フロアパネル1の下方に配設されて当該フロアパネル1に取付けられる合計12個の張力部材G1〜G12が示される。なお、以下の説明において、各張力部材G1〜G12を区別する必要のないときは、張力部材を単にGの符号のみをもって示すこともある。
張力部材Gについて、図3〜図5を参照しつつ説明する。まず、張力部材Gは、図3に示す環状部材21と、図4、図5に示すボビン部材22とから構成されている.環状部材21は、紐状の高張力材を環状にすることにより形成されており、実施形態では、紐状に多数本束ねられた炭素繊維(特に長繊維の炭素繊維)そのもので形成してあるが、その保護のために合成樹脂の薄いカバー部材で被覆したものを用いてもよい。なお、環状部材21は、炭素繊維を主成分とするもの(例えば炭素繊維に合成樹脂を含浸させたもの)やピアノ線等の金属線(金属線を複数本撚り合わせたものであってもよい)で形成する等、適宜の材質のものを用いることができる。
ボビン部材22は、一種のプーリ形状とされて、中心に取付孔22aが形成されている。また、ボビン部材22は、取付孔22aの軸方向に一対のフランジ部22bを有し、この一対のフランジ部22bの間に断面略半円弧状に凹んだガイド溝面22cを有する。ガイド溝22cは、取付孔22aを中心とする円形にとされている。そして、一対のボビン部材22(のガイド溝22c)間に環状部材21が巻回されて、張力部材Gが構成される。
一対のボビン部材22間に巻回された環状部材21によって、一対のボビン部材22間には、図3に示すように互いに平行に伸びる第1連結線部21aと第2連結線部21bとが構成される。そして、この各連結線部21aと21bとがぴんと張った張力が付与されるように一対のボビン部材22の間隔を調整したときに、その張力が互いに等しくされる。特に、後述するようにボビン部材22をフロアパネル1に対して取付けたときに、ボビン部材22がフロアパネル1に対してその取付孔22aを中心に回転可能としたときは、両連結線部21aと21bとの張力がより確実に等しくされる。
図6は、図2に示す合計12個の張力部材G1〜G12をフロアパネル1に取付けた場合の配設例が示される。なお、張力部材Gは、ボビン部材22(の取付孔22a)を利用してフロアパネル1の取付部位Tに取付けられる。
図6において、中央クロスメンバ14の前側部分での張力部材Gのフロアパネル1に対する取付け(配設)について説明する。なお、各張力部材Gの取付けは、後述するように、環状部材21に張力付与された状態で行われる。
張力部材G1が、取付部位T1とT6とを連結している。張力部材G2が、取付部位T3とT4とを連結している。張力部材G3が、取付部位T3とT16とを連結している。張力部材G4が、取付部位T13とT6とを連結している。張力部材G5が、取付部位T13とT14とを連結している。張力部材G6が、取付部位T11とT16とを連結している。
張力部材G1とG2との組が、中央クロスメンバ14を含むその前側部分において、右側の方形となる格子状領域(前右側領域)の対角線を形成するように配設されている。張力部材G3とG4との組が、上記前側領域のうちトンネル部13を跨ぐようにして、前中央領域の対角線を形成するように配設されている。張力部材G5とG6との組が、上記前側領域のうち左側領域の対角線を形成するように配設されている。このように、2個一対の張力部材Gによって、平面視で方形の領域、つまり強度部材によって格子状に画成された面領域が、その対角線を形成するように(X字形状を構成するように)張力部材Gで補強されるので、各領域の膜変形やダイアゴナル変形が確実に防止されることになる。なお、この面領域について、当該面領域とほぼ同じ面積を有する金属製の板材を固定することによっても膜変形等を防止できるが、この場合は重量が大幅に増加してしまうことになる。
再び図6において、中央クロスメンバ14の後側部分での張力部材Gのフロアパネル1に対する取付け(配設)について説明する。なお、各張力部材Gの取付けは、後述するように、環状部材21に張力付与された状態で行われる。張力部材G7が、取付部位T4とT8とを連結している。張力部材G8が、取付部位T6とT7とを連結している。
張力部材G9が、取付部位T6とT18とを連結している。張力部材G10が、取付部位T16とT8とを連結している。張力部材G11が、取付部位T16とT17とを連結している。張力部材G12が、取付部位T14とT18とを連結している。
張力部材G7とG8との組が、中央クロスメンバ14を含むその後側部分において、右側の方形となる格子状領域(後右側領域)の対角線を形成するように配設されている。張力部材G9とG10との組が、上記後側領域のうちトンネル部13を跨ぐようにして、後中央領域の対角線を形成するように配設されている。張力部材G11とG12との組が、上記後側領域のうち左側領域の対角線を形成するように配設されている。この後側領域でも、前側領域と同様に、2個一対の張力部材Gによって、平面視で方形の領域、つまり強度部材によって格子状に画成された面領域が、その対角線を形成するように張力部材Gで補強されるので、各領域の膜変形やダイアゴナル変形が確実に防止されることになる。
図7には、フロアパネル1の下方に張力部材Gが配設、固定された状態の簡略正面図が示される。1つの取付部位Tに対して2個の張力部材Gが取付けられる場合は、そのボビン部材22を上下にずらしての取付けが行われる(図9をも参照)。
図8、図9には、張力部材Gの取付け例が示される。図8では、張力部材Gのうち一方のボビン部材22が、その取付孔22aに挿通されるねじ部材としてのボルト25によってサイドシル10に取付けられ、他方のボビン部材22が、ボルト26によって第2フロアフレーム12に取付けられる例が示される。勿論、サイドシル10やフロアフレーム12には、ボルト25あるいは26が螺合されるねじ孔が、例えばこれらに溶接等により固定されたナット部材によって構成されている。なお、サイドシル10への取付け位置が、やや傾斜している関係上、上記一方のボビン部材22の上面(サイドシル10への取付け面)も若干傾斜されている。
図9は、第2フロア12の同一箇所に対して、2つのボビン部材22を取付ける場合が示される。すなわち、1つのボルト27が、2つのボビン部材22の各取付孔22aを挿通された状態で、第2フロアフレーム12(のねじ孔)に螺合される。
図10は、フロアパネル1に対する張力部材Gの第2の配設例(取付け例)を示すものである。本例では、中央クロスメンバ14より後側については、図6の配設と同じである。そして、本例では、中央クロスメンバ14の前側の領域について、図6よりもさらに領域を左右方向に細かく仕分けして、用いる張力部材Gの数を多くしてある。すなわち、図6においてG1とG2が配設された領域をさらに左右2つに分けて、G21とG22とで対角線を形成すると共に、G23とG24とで対角線を形成するようにしてある。また、図6においてG5とG6が配設された領域をさらに左右2つに分けて、G25とG26とで対角線を形成すると共に、G27とG28とで対角線を形成するようにしてある。
図11は、フロアパネル1に対する張力部材Gの第3の配設例(取付け例)を示すものである。本例では、取付部位T1、T11、T17、T7で囲まれたフロアパネル1のほぼ全面積範囲に近い大きな領域について、その対角線を形成するように一対の張力部材G31とG32とを配設してある。また、フロアパネル1をトンネル部13を境に左側領域と右領域とに仕分けして、右側領域には、G33とG34によって対角線を形成するように配設し、同様に左側領域にはG35とG36とを対角線を形成するように配設してある。
前述した図6、図10、図11は、張力部材Gの配設例を示すもので、これ以外に適宜張力部材Gの配設を行うことができる。特に、フロアパネル1においては、その中央部が下方に向けて変形する膜変形がもっとも問題となるので、フロアパネル1の車幅方向端部に接合された強度部材(剛性部材)としてのサイドシル10を有効に利用すべく、張力部材Gによって左右のサイドシル10同士を連結するのが好ましく、この場合、1つの張力部材Gで左右のサイドシル10同士を連結してもよく((図11の配設例)、また複数の張力部材Gによって結果として左右のサイドシル10同士を連結してもよい(図6、図10の配設例)。
張力部材Gは、対角線を形成するように配設するのではなく、例えば、前後方向や車幅方向に伸びるように十字形状に配設することもできる。もっとも、一対の張力部材Gを、前後方向に伸びる強度部材と車幅方向に伸びる強度部材とで形成される領域について、その対角線を形成するように配設するのが、膜変形の防止に加えて、ダイアゴナル変形を防止する上で極めて好ましいものである。
次に、張力部材G(における環状部材21の各連結線部21a、21b)に対して所望の張力を付与するための取付機構(構造)例について説明する。
まず、図12に示す第1の取付け例は、張力部材Gを取付けるためのボルト41とナット42をそのまま有効に利用して張力付与する場合が示される。具体的には、張力部材Gの一方のボビン部材22を例えば第2フロアフレーム12に取付け、他方のボビン部材22をサイドシル10に取付ける場合が示される。この図12において、第2フロアフレーム12には、取付け用ねじ部材となるボルト41が、張力部材Gの配設方向に傾斜された状態であらかじめ固定されている。また、ボビン部材22には、ボルト41が摺動可能に挿通されるガイド筒部23が一体化されている。
ボルト41にガイド筒部23およびボビン部材22を挿通した状態で、ボルト41に螺合したナット42を締め付けていくと、ボルト41が傾斜されていることから、ボルト41が挿通されたボビン部材22は、徐々にサイドシル10から離間する方向へと変位されて、これが張力部材G(の環状部材21)に対する張力付与となる。
サイドシル10側の取付け態様も、第2フロアフレーム12側の取付け態様と同じである。すなわち、ボルト42に螺合されたナット44を締め付けていくことにより、ボルト42が挿通されたボビン部材22が第2フロアフレーム12から離間する方向に変位されて、これが張力部材Gに対する張力付与となる。なお、張力付与の取付け構造は、1つの張力部材Gについて、一方のボビン部材22に対してのみ採択することもできる。
図13は、張力部材Gの取付け機構が張力付与の機能を有するようにした第2の例を示すもので、図12の変形例を示すもので、第2フロアフレーム12に対する取付部位を例としてある。本例では、図12に示すガイド筒部23の代わりに、張力部材Gの配設方向に伸びる細長いブラケット24をボビン部材22に一体化して、このブラケット24にボルト41(あるいは42)を挿通させたものである。本例における張力付与は、図12の場合と同様に、ボルト41に対してナット43の螺合をすすめていくことにより行われる。
図14は、張力部材Gの取付け機構が張力付与の機能を有するようにした第3の例を示すものであり、第2フロアフレーム12に対する取付部位を示す。本例では、カム作用を利用して張力付与するようにしたもので、このため、第2フロアフレーム12の下面に傾斜面12aを形成してある。また、張力部材Gのボビン部材22には、傾斜面12aに対応した傾斜面25aを有するカム部材25を一体化してある。
張力部材Gの取付は、ボルト47を、第2フロアフレーム12に固定されたナット48に螺合することにより行われる。このボルト47が、ボビン部材22の取付孔22aおよび取付孔22aに連なるようにしてカム部材25に形成された挿通孔25bに挿通される。この取付孔22aおよび挿通孔25bは、張力部材Gの配設方向に長く伸びる長孔形状とされている。
取付に際しては、まず、図15に示すように、ボルト47に対して、ボビン部材22(の取付孔22a)とカム部材25(の挿通孔25b)を挿通させて、傾斜面12aと25aとが浅く係合された状態とされる。この後、ボルト47を締め付けていくと、カム部材25が第2フロアフレーム12に接近されていき(傾斜面25aが傾斜面12aに対して深く係合されていく)、これに伴ってボビン部材22およびカム部材25は、図15中左方へと変位されていく(長孔形状とされた取付孔22a、挿通孔25b内をボルト47がその径方向に相対変位される)。このようにして、張力部材Gに張力付与されるが、十分に張力付与される取付完了の状態が、図16に示される。
図17、図18は、張力部材Gの取付後にその張力調整を行って、張力が過不足しないようにした張力調整機構の一例を示す。すなわち、ボビン部材22には、環状部材21の各連結線部21a、21bを案内する断面略半円弧状の一対のガイド部材51、52が一体的に形成されている。一対のガイド部材51と52とは、略平行とされているが、外力が作用しない自由状態では、一対のガイド部材51と52とは、その先端に向かうにつれて徐々に間隔が大きくなるように拡開状態とされている。この一対のガイド部材51と52とは、互いに接近、離間する方向に弾性変形可能とされている。
張力部材Gを取付けた際に、張力が過大であるときは、一対のガイド部材51と52の先端部同士が接近する方向に弾性変形されて張力が弱められて、張力が過大になることが防止される。逆に、張力が不足するときは、一対のガイド部材51と52とが拡開する方向に弾性変形されて張力が強められ、張力が不足してしまうことが防止される。
上記ガイド部材51、52は、ボビン部材22と一体成形してもよいが、ガイド部材51、52を含むと共にボビン部材22の略半周を巻回可能な半円弧状の連結部分を有するガイド用部材を別部材として用意し、このガイド用部材をあらかじめボビン部材22に巻回しておいて、その後にガイド用部材の上から環状部材21を巻回するようにしてもよい。
図19、C図20は、張力部材Gの取付機構によって張力付与を行う第4の取付例が示される。本例では、略L字状のブラケット60を用いて、てこの原理によって張力付与を行うようになっている。まず、ブラケット60は、第1部分60aと該第1部分60aと略直角をなす第2部分60bを有して、第1部分60aに形成された挿通孔60cに、ボルト61が挿通される。ボルト61は、第2フロアパネル12に固定されたナット62に螺合されるものである。また、第2部分60bにボビン部材22が取付けられている。
第2フロアフレーム12の下面に、第1部分60aと第2部分60bとの境界部位60dが係合(当接)される段差部12cが形成されている。取付に際しては、図19に示すように、挿通孔60cに挿通されたボルト61をナット62に浅く螺合させて、境界部位60dを段差部12c直近に位置させる。この後、ボルト6を締め付けていくと、ブラケット60は、境界部位60dを支点として図19中時計方向に揺動されて、やがて、図20に示すように、第1部分60aが第2フロアフレーム12の下面に密着した取付完了状態となる。図19の状態から図20への状態へと移行することにより、第2部分60bに取付けられたボビン部材22が環状部材21を引張する方向に変位されて、張力付与が行われることになる。
ここで、車体パネル材を全体的に方形の1つの領域として想定したとき、この1つの領域の対角線を形成するように一対の張力部材Gを配設することにより、車体パネル材を一対の張力部材で全体的に補強してその変形を防止する上で好ましいものとなる。
張力部材Gを、フロアパネル1の下方において、トンネル部13を跨ぐようにしてかつ互いに交差するように斜めに伸ばして配設することにより、トンネル部13の下方開口部分が車幅方向に広がろうとするのを張力部材Gによって防止して、フロアパネル1の変形防止を効果的に行うことができる。
張力部材Gを、フロアパネル1の下方に配設して、サイドシル10とトンネル部13近傍の第2フロアフレーム12に対してそれぞれ傾斜するようにしてサイドシル10と第2フロアフレーム12とを連結することにより、フロアパネル1を強度部材としてのサイドシル10や第2フロアフレーム12で補強しつつ、張力部材Gによってフロアパネル1の変形を効果的に防止することができる。
極めて強度(剛性)の優れた左右一対のサイドシル10同士を、フロアパネル1の下方に配設された張力部材Gを介して連結することにより、フロアパネル1を強度部材としてのサイドシル10によって補強しつつ、フロアパネル1の変形を効果的に防止することができる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。特に、張力部材Gが配設される車体パネル材としては、フロアパネル1に限らず、特に膜変形が問題となりやすいボンネット、トランクリッド、ルーフパネル等、適宜のパネル材とすることができる。ボビン部材22は、取付状態において回転可能としておくのが、環状部材21の第1連結線部21aと第2連結線部21bとの張力をより一層均一にする上で好ましいものとなる。ボビン部材22は、環状部材21を巻回できるものであれば、例えば円柱状に形成する(円形の被巻回部分を有する形状とする)等、適宜の形状を採択できる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、大幅な重量増加を伴うことなく車体パネル材の変形を防止することができる。
1:フロアパネル(車体パネル材)
10:サイドシル
11:第1フロアフレーム
12:第2フロアフレーム
12a:傾斜面(図15、図16)
13:トンネル部
14:中央クロスメンバ
21:環状部材
21a:第1連結線部
21b:第2連結線部
22:ボビン部材
22a:取付孔
25:カム部材(図14〜図16)
25a:傾斜面(図14〜図16)
41:ボルト(図12、図13)
42:ナット(図12、図13)
43:ボルト(図12)
44:ナット(図12)
51:ガイド部材(図17、図18)
52:ガイド部材(図17、図18)
60:ブラケット(図19、図20)
61:ボルト(図19、図20)
62:ナット(図19、図20)
G:張力部材
T:取付部位(ボビン部材の取付位置)

Claims (9)

  1. 車体パネル材に対して、該車体パネル材の板面に沿って伸びるように張力部材が張設され、
    前記張力部材は、高張力の紐状材を環状に形成してなる環状部材と、該環状部材が巻回されると共に車体パネル材への取付部位となる一対のボビン部材と、を有している、
    ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  2. 請求項1において、
    前記張力部材が、互いに交差するように配設された少なくとも一対設けられている、ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  3. 請求項2において、
    前記車体パネル材をそれぞれ方形の複数の領域に分けたとき、該各複数の領域についてそれぞれその対角線を形成するように前記一対の張力部材が配設されている、ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記車体パネル材に強度部材が接合されており、
    前記ボビン部材は、前記強度部材に取付けられている、
    ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  5. 請求項4において、
    前記車体パネル材を補強している前記強度部材は、前後方向に伸びる前後方向強度部材と車幅方向に伸びる車幅方向強度部材とを有し、
    前記前後方向強度部材と前記車幅方向強度部材とによって仕切られる方形の領域を想定したとき、該方形の領域の対角線を形成するよう一対の前記張力部材が配設されている、
    ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記車体パネル材が、車幅方向中央部において前後方向に伸びると共に上方へ膨出されたトンネル部を有するフロアパネルとされ、
    前記張力部材が、前記フロアパネルの下方において、前記トンネル部を跨ぐようにしてかつ互いに交差するように斜めに伸ばして配設されている、
    ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記車体パネル材に対する前記ボビン部材の取付構造が、前記環状部材に張力を付与する張力付与機構を有している、ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記張力部材の前記車体パネル材への取付け後に、該張力部材へ張力付与を行う張力調整手段を有している、ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
  9. 請求項8において、
    前記張力調整手段は、前記ボビン部材から延設されて前記環状部材を案内する一対のガイド部によって構成され、
    前記一対のガイド部は、互いに略平行に伸びると共に、外力が作用しない状態では先端に向かうにつれて互いの間隔が大きくなるようにされており、
    前記一対のガイド部材は、互いに接近・離間する方向に弾性変形可能とされている、
    ことを特徴とする車両の車体パネル構造。
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