JP3170924U - 太陽電池パネル支持用架台 - Google Patents

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威彦 木谷
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裕紀 才田
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博俊 岡内
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Abstract

【課題】軽量化可能で耐食性に優れ、かつ十分な剛性を有する太陽電池パネル支持用架台を提供することを目的とする。【解決手段】繊維強化プラスチック(FRP)製で、かつ、互いに対向する対向面16を有する、角筒材及び/又はチャンネル材からなる一又は二以上のFRP部材を備え、前記FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面16の間に補強材5が設けられた構成とする。【選択図】図4

Description

本考案は、ビルの屋上等に設置され、太陽電池パネルを支持するための架台に関する。
従来、太陽電池パネルを支持するための架台としては、特許文献1に示すように、金属製のものが一般的に使用されていた。しかしながら、金属製の架台は、剛性が高く、強度に優れているものの、重量が重いために架台設置面への負荷が大きいという問題があった。また、海岸沿いの地域では塩害による金属の腐食が生じ、耐用年数が短くなるという問題が生じていた。
特開2004−6566号公報
上記問題を解決するため、架台を塩害による腐食のおそれがない繊維強化プラスチック製とすることも考えられる。この場合、架台の構成部材としては、架台の軽量化を考慮すると、角筒材や、チャンネル材が使用される。しかしながら、構成部材として、繊維強化プラスチック製の角筒材や、チャンネル材(以下、FRP部材という)を使用すると、耐食性及び軽量化の面で有利であるものの、剛性に関しては金属製の角筒材や、チャンネル材よりも小さくなる。
したがって、架台に長期間太陽電池パネルの荷重がかかった場合、FRP部材が変形するおそれが生じていた。また、FRP部材と、FRP部材とは別に設けられた他の部材とを固定するために、FRP部材において互いに対向する対向面を挟み込むように締結部材を設ける場合には、締結部材を締め込みすぎることによって対向面が変形したり、破損したりするおそれがあり、また、FRP部材の変形により締結部材の締結力が経時的に弱くなるという問題があった。すなわち、繊維強化プラスチック製の架台は、金属製架台に比べて撓みやすい一方で、剛性を高めるために材料を厚肉化すると軽量化のメリットが小さくなるといった問題があった。
そこで、本考案は、軽量化可能で耐食性に優れ、かつ十分な剛性を有する太陽電池パネル支持用架台を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案に係る太陽電池パネル支持用架台(以下、支持用架台と略する)は、繊維強化プラスチック(FRP)製で、かつ、互いに対向する対向面を有する、角筒材及び/又はチャンネル材からなる一又は二以上のFRP部材を備え、前記FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面の間に補強材が設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、FRP部材を補強することで架台としての剛性を向上させることができ、撓みを抑制することが可能となる。したがって、軽量化可能で耐食性に優れ、長期にわたり、太陽電池パネルを安定的に支持可能な架台を提供することができる。補強材はFRP部材の対向面の間に設けることにより、外観の変化を小さくしつつ、FRP部材が撓むのを効果的に抑制することができる。補強材は、FRP部材の任意の場所に設置することができ、さらに、FRP部材の対向面の間に嵌合固定してもよいし、接着剤や固定部材等の適当な手段によって固定することも可能である。
支持用架台としては、たとえば、複数の縦桟と、これら縦桟上に太陽電池パネルを保持するために横架される横架材と、前記縦桟から垂設される脚部と、支持用架台を設置する被設置面に予め設けられ、脚部を取付けて固定する脚部取付部とを備えた構成を採用することができる。この場合、縦桟は、複数が間隔をおいて平行に設置され、その上に複数の横架材が横架される。縦桟は、水平方向に設置してもよいが、太陽高度に合わせてできる限り太陽光が太陽電池パネルに直角に当たるように、水平面に対して傾斜するように設置するのが好ましい。
本考案では、上記構成部材のうち少なくとも一部を、繊維強化プラスチック(FRP)で構成する。FRP製の構成部材のうち、互いに対向する対向面を有する、角筒材及び/又はチャンネル材がFRP部材とされる。互いに対向する対向面を有するチャンネル材(溝形材)としては、C型(コ字型)チャンネル材、I型チャンネル材又はH型チャンネル材等を挙げることができる。
支持用架台の全ての構成部材のうちの一又は二以上の部材をFRP部材から構成することができる。そして、そのFRP部材の少なくとも一部材に補強材を設ければよい。すなわち、各FRP部材に要求される剛性に応じて補強が必要とされるFRP部材に補強材を設置すればよい。
また、上記構成に加えて、二以上のFRP部材同士又は前記FRP部材と他の部材とを締結する締結部材とを備え、前記締結部材は、前記FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面を挟み込むように取り付けられ、前記補強材が前記締結部材の締結力による前記対向面の変形を規制するようにすることも可能である。
上記構成によれば、補強材によってFRP部材の剛性を高めるのみならず、締結部材の締め込みすぎによる対向面の変形を規制することができる。すなわち、補強材が締結部材のストッパーとして機能し、FRP部材の破損を未然に防止するとともに、締結部材の締結力の経時的変化を抑制することが可能となる。従って、軽量化可能で耐食性に優れ、締結部材が緩みにくく、長期にわたり太陽電池パネルを安定的に支持可能な架台を提供することができる。
ここで、他の部材とは、FRP部材以外の部材であって、FRP部材に固定する部材を意味する。たとえば、FRP製であってもアングル材のように対向面を有しない形状の部材や、対向面を有する、角筒材及び/又はチャンネル材であっても、FRP製でなく金属製の部材などが他の部材となり得る。
締結部材をFRP部材に取付けるには、FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面の一面と対向面の他面とに貫通孔を形成し、締結部材を両方の貫通孔に挿通し、補強材を締結部材の近傍に配置するようにすればよい。すなわち、締結部材は両方の貫通孔に挿通した状態で対向面の両外側から締め込むようにする。このとき、締結部材によって挟み込まれたFRP部材の対向面は互いに近づく方向に撓もうとする。そこで、補強材を締結部材の近傍に配置することで、締結部材の締め込みすぎによる対向面の変形を規制し、これによってFRP部材の破損を未然に防止することが可能となる。
補強材としては、たとえば、FRP部材の対向面の両面に形成された貫通孔をつなぐ筒状部材を用い、この筒状部材に締結部材を挿通させるようにすることができる。具体的な態様としては、筒状部材をFRP部材の対向面の両方の面に形成された貫通孔に挿通させる。すなわち、筒状部材の長さを対向面間の内寸よりも長くなるように形成する。筒状部材は、金属やFRPのように剛性の高い材料で形成する。
上記構成によれば、締結部材を締め込みすぎたとしても、締結部材の両端が筒状部材に接触するとそれ以上のFRP部材の対向面の変形は規制される。すなわち、筒状部材がストッパーとして機能し、FRP部材が過度に変形するのを未然に防止するとともに、締結部材の締結力の経時的変化を抑制することが可能となる。また、筒状部材は、対向面の両面に形成された貫通孔に締結部材を挿通させる際にガイドとしても機能するため、締結部材をスムーズにFRP部材にセットすることができる。上記筒状部材は、貫通孔の壁面に対して摩擦力や接着剤の接着力等により固着されることが好ましい。すなわち、筒状部材をFRP部材に対して一体的に固着することでFRP部材自体の剛性を高めることが可能となる。
FRP部材の対向面の両面に形成された貫通孔をつなぐ筒状部材の別の態様としては、筒状部材の外径が貫通孔の内径よりも大きくなるように筒状部材を形成し、筒状部材を前記対向面に形成された貫通孔を囲むようにして前記対向面の間に嵌合するようにしてもよい。これにより、締結部材を締め込むことによって、FRPの対向面が互いに近づく方向に若干撓むため、筒状部材は対向面間に強固に固定される。その結果、筒状部材をFRP部材に対して一体的に固着することができ、FRP部材自体の剛性を高めることが可能となる。さらに、筒状部材がストッパーとして機能するため、締結部材を締め込む際に、FRP部材が破損するのを未然に防止することが可能となる。
さらに、補強材の別の態様として、FRP部材の対向面の一面と対向面の他面とに形成した貫通孔の両方に締結部材を挿通し、補強材を締結部材の近傍の対向面の間に嵌合するようにしてもよい。上記構成によれば、締結部材を締め込むことによって、FRPの対向面が互いに近づく方向に若干撓む。したがって、上記と同様に、FRP部材の剛性を高めることができるとともに、締結部材を締め込む際に、FRP部材の破損を未然に防止することができる。なお、この場合、補強材の材質及び形状については、剛性を有し且つ対向面の間に嵌合可能な形状であれば特に制限はなく、たとえば、ブロック形状とすることができる。
以上の説明から明らかな通り、本考案によれば、繊維強化プラスチック製で、対向面を有する、角筒材及び/又はチャンネル材からなる一又は二以上のFRP部材を備え、前記FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面の間に補強材が設けられたため、軽量化可能で耐食性に優れ、かつ長期にわたって十分な剛性を有する支持用架台を提供することが可能となる。
本考案に係る支持用架台の実施形態を示す外観斜視図 上記架台の側面図 上記架台の正面図 縦桟の要部断面図 図2のA-A断面図 図2のB-B断面図 図4における補強材とは別の第二の態様を示す縦桟の要部断面図 補強材の第三の態様を示す縦桟の要部拡大図で一部を切り欠いて示す。 補強材の第四の態様を示す縦桟の要部拡大図で一部を切り欠いて示す。 補強材の第五の態様を示す縦桟の要部拡大図
以下、本考案の支持用架台を図面に基づいて説明する。図1は、本考案に係る支持用架台の実施形態を示す外観斜視図であり、図2は支持用架台の側面図を、図3は支持用架台の正面図をそれぞれ示す。
図1〜3に示すように、本実施形態における支持用架台は、構成部材として、2本の縦桟1,1と、縦桟1の下部に取付けられた脚部2と、縦桟1,1上に横架される横架材4とを備えており、横架材4上に太陽電池パネル3が載置される。なお、本実施形態の支持用架台は、被設置面に形成された脚部取付部17に脚部2を取付けることによって固定される。上記構成部材は、軽量化を考慮してすべてFRPによって形成されている。すなわち、全ての構成部材はFRP部材から構成されているが、一部の部材を金属製とすることも可能である。
縦桟1及び脚部2は、断面矩形形状の角筒材から構成されており、横架材4は、C型チャンネル材によって構成される。縦桟1,1は間隔をおいて平行に配置される。本実施形態では、縦桟1は2本用いられているが、これに限らず、たとえば、図1に示す縦桟1,1の間にさらに複数本の縦桟1を、間隔をおいて設置することも可能である。
縦桟1,1は、太陽電池パネル3が太陽光に対してできるだけ直角に近い角度になるように、水平面に対して傾斜するように設置される。支持用架台は、縦桟1の各面が上下左右に向くようにして組み立てられる。本実施形態では太陽電池パネル3は平面視で矩形状に形成される。
横架材4は、2本を一組として太陽電池パネル3の寸法に合わせて間隔をおいて配置される。一組の横架材4,4は、チャンネル材の開放面が側方を向くようにして縦桟1,1上に横架され、固定される。太陽電池パネル3の周縁部には、図8に示すように、枠部3aが形成されている。そして、枠部3aがボルト・ナット等の締結部材によって横架材4の上面に固定される。
本考案の支持用架台に用いるFRP製の角筒材やチャンネル材は、たとえば、ガラス繊維や炭素繊維に不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を含浸し、引抜き成形法によって連続成形することができる。
上述のごとく、本実施形態では、FRP部材である縦桟1及び横架材4を、締結部材8(本実施形態ではボルト9及びナット10)によって固定している。具体的には、図4に示すように、FRP部材である縦桟の上面1aと下面1bとが一対の対向面16とされ、縦桟の上面1a及び縦桟の下面1bにボルトが挿通可能な貫通孔11及び12が形成される。貫通孔11及び12の位置関係については、両方の貫通孔の中心線が一直線上に重なるように形成される。また、横架材4の下面4aにも貫通孔15が設けられる。
そして、横架材の下面4aと縦桟の上面1aとが接した状態で、各貫通孔15,11及び12にボルト9を挿通し、ボルト9の先端にナット10を螺合させることによって、横架材4と対向面16とを締結部材8に挟み込んで固定している。さらに、対向面16の変形を規制する補強材5が締結部材8の近傍に配置される。補強材5は円筒状のFRP製の筒状部材からなり、これを貫通孔11及び12に挿通することで、両貫通孔をつなぐように設置される。従って、ボルト9は、実際には補強材5に挿通されている。これによって、ボルト9が、貫通孔11及び12を挿通するようにしている。
上記構成によれば、締結部材8を締め込みすぎたとしても、補強材5がストッパーとして機能するため、FRP部材の対向面16の変形は規制され、対向面16の破損を未然に防止することができる。補強材の長さは、対向面16の内寸よりも長ければよいが、対向面16の外寸以下の長さになるように形成するのが好ましい。なお、本実施形態では、補強材5は、貫通孔11及び12の壁面に対して接着剤によって固着されている。
これにより、FRP部材である縦桟の剛性をより高めることができる。また、支持用架台のなかには、太陽を追尾して縦桟1の角度や架台の向きを自動的に変えるものが知られているが、縦桟の剛性をより高めることで、縦桟1や支持用架台全体が移動する場合に不要の揺れや振動を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、縦桟1と脚部2とが、さらに、脚部2と脚部取付部17とが、それぞれボルト9及びナット10からなる締結部材8によって固定されている。以下、これらの部位の取付構造について説明する。なお、図5は、図2のA−A断面図で縦桟1と脚部2との取付構造を示しており、図6は図2のB−B断面図で脚部2と脚部取付部17との取付構造を示している。
縦桟1と脚部2との取付構造については、図5に示すように、縦桟1の下面1bには脚部2の上端部が嵌入可能な開口部1cが形成されている。そして、脚部2の上端部を縦桟1に形成した開口部1cに嵌入した状態で、縦桟1及び脚部2を支持用架台の左右方向に貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔にFRP製の円筒状部材である補強材5が嵌入される。
そして、補強材5にボルト9が挿通され、その状態でボルト9の先端にナット10が螺合され、縦桟1と脚部2とを締結部材8に挟み込んで固定している。この場合、縦桟1及び脚部2のいずれのFRP部材の対向面にも貫通孔が形成される。すなわち、脚部の右側面2a及び脚部の左側面2bが一対の対向面となり、その外側に配された縦桟の右側面1d及び縦桟の左側面1eも一対の対向面となる。
脚部2と脚部取付部17との取付構造について、脚部取付部17はFRP製で四角筒状に形成され、図6に示すように、脚部2が脚部取付部17内に挿入可能とされている。そして、脚部2を脚部取付部17に挿入した状態で、脚部取付部17及び脚部2を支持用架台の左右方向に貫通する貫通孔が形成される。
すなわち、図5と同様に、脚部2及び脚部取付部17のいずれのFPR部材の対向面にも貫通孔が形成され、その貫通孔にFRP製の円筒状部材である補強材5が嵌入される。そして、補強材5にボルト9が挿通され、その状態でボルト9の先端にナット10が螺合され、脚部取付部17と脚部2とを締結部材8に挟み込んで固定している。
補強材5の別の態様としては、図7に示すように、第一筒状体6及び第二筒状体7という二つの部材から構成することも可能である。本態様において、第一筒状体6の筒状部6aは第二筒状体7の筒状部7aよりも長くなるように形成される。各筒状部6a,7aの一端側にはフランジ部6b,7bが形成されており、各筒状部6a,7aの他端側は筒状部7aの径よりも筒状部6aの径の方がひとまわり大きくなるように形成されている。これにより、筒状部7aの他端に筒状部6aの他端が嵌合可能とされている。
第一筒状体6は、筒状部6aを貫通孔12から挿入したときに、筒状部6aの先端が貫通孔11に達する長さとされる。そして、第一筒状体6を貫通孔12から縦桟1内に挿入し、第一筒状体6の筒状部6a先端が貫通孔11に嵌合した状態で、第二筒状体7を貫通孔11に挿入する。これにより、第二筒状体7の筒状部7aが第一筒状体6の筒状部6aに嵌入され、筒状部6aの先端がフランジ部7bに当接する。これにより筒状部材である補強材5の長さが一定に固定される。
締結部材8を構成するボルト9が、横架材4に形成された貫通孔15と補強材5とに挿通される。そして、第二筒状体7から突出したボルト9の先端にナット10を螺合させて締め込むことにより、横架材4が縦桟1上に固定される。
なお、補強材5は、縦桟1の上面1a及び下面1bにおいて固着されているのが好ましい。これにより縦桟1の剛性をより高めることが可能となる。具体的には、第一筒状体6と、貫通孔11及び12との間の摩擦力によって補強材5を固着することができるほか、接着剤の接着力等を利用することも可能である。
さらに、補強材5の別の態様としては、図8に示すように、例えばブロック形状とし、これをボルト13及びナット14からなる締結部材の近傍で、FRP部材の対向面16(ここでは縦桟1の上面1aと下面1bとする)の間に嵌合するように設置することもできる。なお、補強材5を縦桟1の上面1aと下面1bとの間に設置するには、縦桟1の側面に開口部を形成し、そこから補強材5を縦桟1内部に導入すればよい。
上記補強材5は中実とすることもできるが、補強材5の剛性が低下しない範囲で中空にしたり、内部を格子状あるいはハニカム状とすることも可能である。また、補強材5の外観形状としてはブロック形状のみならず、H型、I型等にすることも可能である。さらに、補強材5はFRP製とするのが好ましい。これにより、支持用架台の軽量化を一層図ることができる。
図8に示すように、FRP部材の対向面16の間に嵌合するタイプの補強材5は、接着剤やビス等によって別途固定することなく、締結部材8の締付力によってFRP部材に簡単かつ確実に固定することができ、FRP部材の剛性をより高めることができる。
次に、図8における補強材5や横架材等のセッティング方法について説明する。先ず、横架材4を縦桟1の所定位置に配した状態で、横架材4と、FRP部材の対向面16としての縦桟の上面1a及び縦桟の下面1bとに形成した貫通孔(図示せず)に、横架材4側からボルト13を挿通させる。そして、縦桟の下面1bから突出したボルト13の先端にナット14を螺合させる。本態様においては、ボルト13及びナット14が締結部材とされる。ナット14を締め込むことにより、横架材4と縦桟1とを挟み込んで横架材4を縦桟1に固定することができる。
上記補強材5を使用する場合、締結部材を緩めた状態で、締結部材の近傍で、補強材5をFRP部材の対向面16(縦桟の上面1aと縦桟の下面1b)の間に嵌合させる。その後に、締結部材を締め込むことにより、横架材4が縦桟1に固定されると共に、締結部材の締結力によって縦桟1が若干内側に撓むことで補強材5が縦桟の上面1aと下面1bとの間に強固に固定される。これにより、FRP部材である縦桟1の剛性をより高くすることが可能となる。それとともに、補強材5は、ストッパーとして機能するため、締結部材を締め込む際に、縦桟1が過度に変形して破損するのを未然に防止することが可能となる。
上記態様においては、補強材5はブロック形状とされているがこれに限らず、前述のごとく、種々の形状とすることができる。また、最初に図4で示した補強材5と同じ筒状とし、ボルト13を囲むように配置することもできる。この場合、図9に示すように、補強材5の外径を縦桟の上面1aと下面1bに形成された貫通孔の内径よりも大径の筒状に形成する。そして、縦桟の上面1aと下面1bに形成された貫通孔を囲むようにして補強材5を縦桟の上面1aと下面1bとの間に嵌合させる。そして、ボルト13を補強材5に挿通させる。その後は、上記と同様、縦桟の下面1bから突出したボルト13の先端にナット14を螺合させて締め込めばよい。
以上、締結部材8の近傍に補強材5を設置する場合の態様について種々説明したが、これに限らず、補強材5をFRP部材の任意の場所で対向面の間に設置することも可能である。たとえば、図10に示すように、FRP部材である縦桟1の上面1aと下面1bを対向面とし、この間にブロック形状の補強材5を設置することができる。これにより、縦桟1の上下方向の変形を規制することができ、その結果、特に縦桟1の上下方向の剛性を高めることができる。このとき、補強材5と縦桟の上面1a、及び、補強材5と縦桟の下面1bとを接着剤やビス等によって固定すれば、縦桟1の剛性をより高めることができる点で好ましい。
本実施形態では、縦桟1及び脚部2として断面矩形形状のFRP製角筒材を用いているがこれに限らず、他の断面形状の角筒材を使用することもできるし、また、C型チャンネル材、I型チャンネル材又はH型チャンネル材等の対向面を有するチャンネル材を用いることも可能である。縦桟1にチャンネル材を用いる場合には、開放面が側方(左右方向)を向くように配置し、上面及び下面を対向面としてその間に補強材5を設置すれば、縦桟1の剛性をより高めることができる点で好ましい。
1 縦桟
2 脚部
3 太陽電池パネル
4 横架材
5 補強材
6 第一筒状体
7 第二筒状体
8 締結部材
9、13 ボルト
10、14 ナット
11、12、15 貫通孔
16 FRP部材の対向面
17 脚部取付部

Claims (7)

  1. 繊維強化プラスチック製で、かつ、互いに対向する対向面を有する、角筒材及び/又はチャンネル材からなる一又は二以上のFRP部材を備え、前記FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面の間に補強材が設けられたことを特徴とする太陽電池パネル支持用架台。
  2. 二以上のFRP部材同士又は前記FRP部材と他の部材とを締結する締結部材とを備え、前記締結部材は、前記FRP部材の少なくとも一部材において、その対向面を挟み込むように取り付けられ、前記補強材が前記締結部材の締結力による前記対向面の変形を規制することを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネル支持用架台。
  3. 前記対向面の一面と対向面の他面とに貫通孔が形成され、前記締結部材が、前記両方の貫通孔に挿通され、前記補強材が前記締結部材の近傍に配置されたことを特徴とする請求項2記載の太陽電池パネル支持用架台。
  4. 前記補強材として、前記両方の貫通孔をつなぐ筒状部材が設けられ、前記筒状部材に前記締結部材が挿通されたことを特徴とする請求項3記載の太陽電池パネル支持用架台。
  5. 前記筒状部材が、前記両方の貫通孔に挿通されたことを特徴とする請求項4記載の太陽電池パネル支持用架台。
  6. 前記筒状部材の外径が前記貫通孔の内径よりも大きくなるように形成され、前記筒状部材が前記対向面に形成された貫通孔を囲むようにして前記対向面の間に嵌合されたことを特徴とする請求項4記載の太陽電池パネル支持用架台。
  7. 前記補強材が、前記対向面の間に嵌合されたことを特徴とする請求項3記載の太陽電池パネル支持用架台。
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JP2019199920A (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 サクラ化学工業株式会社 架台
KR102267727B1 (ko) * 2020-09-11 2021-06-22 나무에스코 주식회사 태양광 발전 모듈 소켓 겸용 건축물 외장재 패널 시스템

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7139562B2 (ja) 2018-05-17 2022-09-21 株式会社竹中工務店 架台
KR102267727B1 (ko) * 2020-09-11 2021-06-22 나무에스코 주식회사 태양광 발전 모듈 소켓 겸용 건축물 외장재 패널 시스템

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