JP2015116014A - 回転電機用ステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータコアの磁束経路に影響を与えることなく、バスバーモジュールをがたつきなく安定して固定することである。
【解決手段】ステータ2は、バックヨーク7および複数のティース8を有するステータコア5と、ティース8の周囲にそれぞれ巻装されるコイル6と、ティース8に巻装された複数のコイル6を電気的に接続するバスバーモジュール30とを備える。バスバーモジュール30の保持部材31は、アミン基と結合する官能基を所定量だけ含有する絶縁性樹脂により形成され、ステータコア5の軸方向端面に当接する固定部36を有する。固定部36に当接するステータコア5の軸方向端面にはアミン基を含有する樹脂層22が付着されている。そして、バスバーモジュール30は、固定部36に含まれる官能基と樹脂層22に含まれるアミン基との加熱による化学反応によってステータコア5に接合されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転電機用ステータに関する。
従来、ステータコアの複数のティースにコイルがそれぞれ巻装されて構成されるステータと、このステータに対してギャップを介して回転可能に設けられたロータとを備える回転電機が知られている。このような回転電機において、ステータコアのティースに巻装された複数のコイルは、円環状をなすバスバーによって相互に電気接続されている。
これに関連する先行技術文献として、例えば特許文献1には、バスバーの固定構造であって、環状のバスバーを保持するバスバー保持部材に複数のピンを形成するとともに、ステータコアに前記ピンに嵌合する複数の孔を形成し、それぞれのピンとそのピンに対応関係にある孔とを1組の嵌合組として、それぞれの嵌合組の締め代が異なる値とし、これによりバスバーとステータコアの位置決めを容易に行うことができると記載されている。
特開2009−159764号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されるバスバーの固定構造では、ステータコアに嵌合孔を予め形成しておく必要があることから、その形成位置、形状、深さ等によってはステータコア内部の磁束経路に影響を及ぼすことがある。
また、バスバー保持部材にピンが形成されていると、バスバー保持部材をステータコアに組み付けるときに、ピンが引っ掛かることによって破損することが起こり得る。
さらに、バスバー保持部材のピンとステータコアの孔との間に寸法誤差に起因する隙間が形成される場合、バスバーの固定状態が不安定になる可能性がある。
本発明の目的は、回転電機用ステータにおいて、ステータコアの磁束経路に影響を与えることなく、バスバーモジュールの組付時に固定用ピンが破損するのを防止でき、かつ、バスバーモジュールをがたつきなく安定して固定することである。
本発明に係る回転電機用ステータは、環状をなすバックヨークと該バックヨークから径方向に突出する複数のティースとを有するステータコアと、前記ティースの周囲にそれぞれ巻装されるコイルと、前記ティースに巻装された複数のコイルを電気的に接続するバスバーおよび該バスバーを保持して前記ステータコアに固定される保持部材を含むバスバーモジュールと、を備える回転電機用ステータであって、前記バスバーモジュールの保持部材はアミン基と結合する官能基を所定量だけ含有する絶縁性樹脂により形成されるとともに前記ステータコアに組み付けられた状態で前記ステータコアの軸方向端面に当接する固定部を有し、前記固定部のステータコア当接面または前記固定部に当接する前記ステータコアの軸方向端面に前記アミン基を含有する樹脂層が付着されており、前記バスバーモジュールは前記保持部材の固定部に含まれる官能基と前記樹脂層に含まれるアミン基との加熱による化学反応によって前記ステータコアに接合されているものである。
本発明に係る回転電機用ステータによれば、ステータコアにバスバーモジュール固定用の孔を形成する必要がなく、ステータコアの磁気特定に影響を与えることがない。また、バスバーモジュールの保持部材には固定用ピンが形成されておらず、ステータコアへの組み付け時に固定用ピンが引っ掛かって破損するがなく、組付性が向上する。さらに、バスバーモジュールの保持部材の固定部が樹脂層との化学反応によって隙間なく強固に接合されるため、バスバーモジュールをステータコアにがたつきなく安定して固定することができる。
本発明の実施形態であるステータを備える回転電機の軸方向から見た部分端面図であり、バスバーモジュールの図示が省略されている。 ステータコアのティースに装着されるインシュレータの(a)上面図、(b)正面図、および、(c)側面図である。 本実施形態のステータでバスバーモジュールを組み付けた状態を示す軸方向断面図と、その一部拡大図である。 図3におけるB−B断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の実施形態であるステータを備える回転電機1を軸方向から見た部分端面図である。図1では、ステータのコイルおよびインシュレータを見やすくするために、バスバーモジュールを組付け前の状態で示されている。
回転電機1は、略円筒状をなすステータ2と、ステータ2の径方向内側にギャップ3を介して設けられたロータ4とを備える。ロータ4は、回転電機1を収容するケース(図示せず)に回転可能に支持されている。ロータ4は、永久磁石を内蔵する回転子であってもよいし、または、永久磁石を含まないタイプの回転子であってもよい。
ステータ2は、ステータコア5およびインシュレータ12と、ステータコア5に巻装されたコイル6とを有する。本実施形態では、ステータコア5、コイル6およびインシュレータ12によってインシュレータ固定構造10が構成されている。
ステータコア5は、例えば電磁鋼板を略円環状に打ち抜き加工したものを多数枚積層して、カシメ、溶接等によって一体に連結されて構成される磁性板材の積層体である。ステータコア5は、略円環状をなすバックヨーク7と、バックヨーク7の内周側に径方向内方へ突出するとともに周方向に所定ピッチで形成された複数のティース8とを有する。これにより、周方向に隣接するティース8の間には、溝状のスロット9が軸方向両側および径方向内側に開口して形成されている。また、本実施形態では各ティース8は軸方向から見て略台形状に形成されている。
なお、本実施形態ではステータコア5は、環状の磁性板材積層体として一体に形成されているものとして説明するが、図1中に一点鎖線Dで示すように、バックヨーク7がティース8の両側で周方向に所定間隔に分断された分割コアからなってもよい。この場合、分割コアは、略円弧状のバックヨークとティースとで平面視が略T字状をなす。このような分割コアを環状に配列し、その外周側に円筒状ケースを焼嵌め、圧入等によって外装することにより一体に連結されステータコアが構成されてもよい。また、ステータコア5は、磁性粉末を樹脂コーティングしたものを成形型で圧縮成形した圧粉磁心として形成されてもよい。
コイル6は、例えば銅線に絶縁被覆された巻線がインシュレータ12に巻回されて構成されている。本実施形態ではコイル6は、各ティース8に集中巻き方式でそれぞれ巻装されている。また、コイル6を構成する巻線の断面は、円形であってもよいし(図4参照)、あるいは、角形であってもよい。
インシュレータ12は、ステータコア5とコイル6との間を電気的に絶縁する機能を有する。また、本実施形態ではインシュレータ12は、コイル6をステータコア5に固定する機能も有する。
インシュレータ12は、アミン基と結合する官能基を所定量だけ含有する絶縁性樹脂によって形成されている。これにより、ステータコア5とコイル6間を良好に絶縁することができる。具体的には、インシュレータ12は、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)等の熱可塑性樹脂に、例えばエポキシ基、改質されたエポキシ基、またはアルコキシシリル等の官能基を10重量%だけ含有する絶縁性樹脂によって形成することができる。
図2は、インシュレータ12の(a)上面図、(b)正面図、および(c)側面図である。インシュレータ12は、矩形筒状をなす本体部14と、本体部14の径方向の両端部において周方向へ突出して形成された第1および第2フランジ部16,18と、第2フランジ部18の外側面に突設された固定部20とを備える。インシュレータ12は、熱可塑性樹脂を用いて成形型で一体成形することができる。インシュレータ12の本体部14は、第1および第2フランジ部16,18とともに、コイル6をティース8の周囲に絶縁状態で巻装するためのボビンを構成するものである。
インシュレータ12の本体部14の内部空間15は、軸方向から見て略台形状をなすティース8を略隙間無く収容可能な形状および大きさに形成されている。これにより、インシュレータ12がティース8の周囲に配置されたとき、ティース8の外周面に本体部14の内周面が密着して配置することができる。また、図1に示すように、本体部14の径方向寸法はティース8よりも若干短く形成されている。これにより、インシュレータ12がティース8に嵌め込まれたときティース8の先端が本体部14から少し突出した状態となるようにしてある。
インシュレータ12の第1および第2フランジ部16,18は、図2(b)に示すように、平面視で長方形状の枠をなすようにそれぞれ形成されている。また、第1および第2フランジ部16,18の周方向両側の端縁部は、本体部14の軸方向断面に対して所定角度をなすように屈曲して形成されている。これにより、インシュレータ12がティース8に組み付けられたとき、径方向外側の第2フランジ部18がティース8間に位置するバックヨーク7の内周側湾曲面に沿って当接した状態となり、インシュレータ12の配置を安定したものにできる。また、第1フランジ部16が第2フランジ部18と略平行となるように屈曲していることで、第1および第2フランジ部16,18間のコイル巻回スペースを大きく確保することが可能になる。その結果、スロット9内でコイル6が占める占積率を向上させ、コイル6の銅損を低下させることができる。
インシュレータ12の固定部20は、図1および図2に示すように、第2フランジ部18の径方向外側の表面に略半円状に突出した鍔部として形成されている。固定部20は、インシュレータ12の軸方向の一方側に1つだけ形成されている。これにより、インシュレータ12がティース8に組み付けられたとき、固定部20がステータコア5の軸方向一方側の端面上に略当接した状態に配置されるようになっている。
また、インシュレータ12の固定部20の厚さtは、本体部14や第1および第2フランジ部16,18と略同じ厚さに形成されている。これにより、インシュレータ12の成形性および寸法精度が向上する。ただし、固定部20は、コイル6およびインシュレータ12をステータコア5に固定する機能を有するため、十分な固定強度を確保できるように他の部分14,16,18よりも厚く形成されてもよい。
さらに、インシュレータ12の固定部20は、図1に示されるように、ティース8の周方向中心位置を通って径方向に延びる周方向中心線C上に位置するように配置されている。好ましくは、インシュレータ12の固定部20は、上記周方向中心線Cに関して対称となる形状に形成されている。このように配置および形成することによって、ステータコア5に対するインシュレータ12の固定状態(または座り具合)がより安定したものになるという利点がある。
図3は、本実施形態のステータ2においてバスバーモジュール30を組み付けた状態を示す軸方向断面図と、その一部拡大図である。また、図4は、図3におけるB−B断面図である。
図4で一点鎖線で囲まれた2つの拡大図に示すように、ステータコア5において、バックヨーク7の軸方向両側の端面上には、樹脂層22が付着されている。樹脂層22は、後述するバスバーモジュール30がステータコア5に組み付けられたときに、バックヨーク7の軸方向端面のうち少なくともバスバーモジュール30の固定部36が当接する表面に付着されている。
ステータコア5のバックヨーク7の軸方向端面上に形成された樹脂層22は、アミン基を含有する樹脂材料によって形成されており、具体的には例えばポリアリルアミンを好適に用いることができる。また、樹脂層22は、例えば、塗布、噴き付け、成膜等の手法によってステータコア5に付着されている。
図3および図4に示すように、本実施形態のステータ2は、バスバーモジュール30を更に備える。バスバーモジュール30は、ステータコア5の複数のティース8にそれぞれ巻装された複数のコイル6を電気的に接続する部材である。バスバーモジュール30は、複数のコイル6を電気接続する導電部材であるバスバー40と、バスバー40を支持する保持部材31とから構成される。
バスバー40は、環状に形成されており、周方向に離れたコイル6に例えば溶接等によって接続されている。本実施形態では、4本のバスバー40が環状をなして配置されている。回転電機1が三相交流モータである場合、3本のバスバー40はU相、V相、W相の各相コイル6同士を接続する部材を構成し、残る1本のバスバー40は各相コイル6を互いに接続する中性点を構成する部材を構成する。
バスバー40には、例えば、角形断面を有する銅線、アルミニウム線などを好適に用いることができる。また、4本のバスバー40は、後述するように絶縁性樹脂材料で形成された保持部材31の一部分によって互いに絶縁されることから、絶縁被覆されていない導線で構成されてよい。
図4を参照すると、バスバーモジュール30は、ステータ2の軸方向一方端側において、コイル6およびインシュレータ12を軸方向外側(図4中の右側)および径方向外側(図4中の上側)で覆うように設けられている。そして、バスバーモジュール30は固定部36によってステータコア5の軸方向端面に固定されている。
保持部材31は、4本のバスバー40を保持する保持部32と、保持部32の径方向外側に連設された側壁部34と、側壁部34の軸方向端部に形成される固定部36とを有する。保持部材31は、絶縁性樹脂材料を用いて成形型で一体成形することができる。
保持部材31は、上記インシュレータ12と同様に、アミン基と結合する官能基を所定量だけ含有する絶縁性樹脂によって形成されている。これにより、バスバー40とステータコア5およびコイル6とを良好に絶縁することができる。具体的には、インシュレータ12は、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)等の熱可塑性樹脂に、例えばエポキシ基、改質されたエポキシ基、またはアルコキシシリル等の官能基を10重量%だけ含有する絶縁性樹脂によって形成することができる。
保持部32には4本の環状溝38が周方向に延びて形成されており、各バスバー40は環状溝38の底部にそれぞれ配置されている。各環状溝38は、仕切壁42によって仕切られている。したがって、各環状溝38内に配置されたバスバー40は、互いに絶縁された状態になっている。
保持部材31の側壁部34は、軸方向に延びるとともに周方向に湾曲した壁を形成している。側壁部34は、軸方向一端側で保持部32に連結されるとともに、軸方向他端側が固定部36によってステータコア5に固定されるように構成されている。
保持部材31の端部に設けられる固定部36は、図3および図4に示すように、周方向に外径側へ略半円状に突出する鍔部として形成されている。また、固定部36は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。この間隔は、ステータコア5のティース8の間隔に等しく設定されてもよい。
なお、保持部材31の固定部36は、半円状以外の他の形状(例えば、矩形、台形、三角形など)の鍔部として形成されてもよい。また、固定部36は、必ずしも周方向に間隔をおいて複数形成される必要はなく、周方向に連なった鍔部として形成されてもよい。このようにすれば、固定部が補強リブとして機能し、側壁部34の強度アップを図れる利点がある。
続いて、ステータ2の組立てについて説明する。ここでは、まずコイル6が巻回されたインシュレータ12を組み付けてから、バスバーモジュール30の組み付けを行う場合について説明する。
まず、上記のように樹脂層22がバックヨーク7の軸方向端面に付着されたステータコア5と、コイル6が本体部14に予め巻回されているインシュレータ12と、バスバー40が保持されたバスバーモジュール30とを準備する。
次に、インシュレータ12をステータコア5のティース8に径方向先端側から嵌め込んで組み付ける。このとき、第2フランジ部18がスロット9の底面すなわち径方向内周面に当接した状態に配置する。
そして、インシュレータ12の固定部20を加熱する。具体的には、例えば、固定部20に図示しない加熱部材を軸方向両側から押し付けて加熱する。これにより、固定部20を構成する樹脂材料に含まれるエポキシ基等の官能基がステータコア5のバックヨーク7の軸方向端面上に形成された樹脂層22に含まれるアミン基と化学反応することによって、ステータコア5に対して隙間無く強固に接合される。その結果、インシュレータ12およびこれに巻回されたコイル6は、固定部20によってステータコア5に固定される。
次に、バスバー40が環状溝38内に保持された保持部材31をインシュレータ12およびコイル6を覆うようにして配置する。このとき、保持部材31の固定部36がステータコア5の軸方向端面上に当接して配置される。また、この場合、固定部36がステータコア5のティース8に対応する位置となるよう配置されてもよい。
そして、インシュレータ12の場合と同様に、保持部材31の固定部36を加熱する。具体的には、例えば、保持部材31の固定部36に図示しない加熱部材を軸方向外側(図4中の左側)から押し付けて加熱する。これにより、固定部36は、保持部材31を構成する樹脂材料に含まれるエポキシ基等の官能基がステータコア5のバックヨーク7の軸方向端面上に形成された樹脂層22に含まれるアミン基と化学反応することによって、ステータコア5に対して隙間無く強固に接合される。その結果、バスバーモジュール30が、固定部36によってステータコア5に固定される。
最後に、各バスバー40をコイル6に溶接等で接続することで、ステータ2の組立てが終了する。
このように本実施形態の回転電機1では、バスバーモジュール30を官能基とアミン基の化学反応による結合よってステータコア5に固定することができ、ステータコア5へのバスバーモジュール30の組付けおよび固定を容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、バスバーモジュール30の固定部36と樹脂層22との化学反応によって隙間なく強固に接合される。これにより、バスバーモジュール30をステータコア5にがたつきなく安定して固定することができる。その結果、バスバーモジュール30を例えばワニス、接着剤等の硬化性部材を用いることなく、ステータコア5に固定することができる。
ワニスや接着剤等の硬化性部材でバスバーモジュール30(およびコイルが巻回されたインシュレータ12)をステータコア5に固定する場合には固定部20からはみ出した硬化性部材を除去する必要があった。これは、はみ出した硬化性部材が回転電機1の作動時の振動等によって異物として脱落すると、ステータ2とロータ4間のギャップ3に噛み込まれて出力低下をもたらすことがあるためである。これに対し、本実施形態では、そのような硬化性部材を用いることなくバスバーモジュール30(およびコイルが巻回されたインシュレータ12)を固定できるので、はみ出した硬化性部材の除去作業が不要になるとともに、異物脱落による噛み込みを防止することができる。
また、本実施形態のステータ2では、バスバーモジュール30とステータコア5とはエポキシ基等の官能基と樹脂層22のアミン基との化学反応による結合によって強固に接合されるため、硬化性部材のように温度変化による固着力の変化が生じることがなく、固定信頼性が向上する。
また、本実施形態のステータ2では、バスバーモジュール30の固定部36が、加熱および押圧によって化学反応が促進されて短時間で接合される。したがって、長時間の硬化時間を必要とする硬化性部材を用いてバスバーモジュール30を固定する場合に比べて、ステータ2の生産性が向上する。
また、本実施形態のステータ2では、バスバーモジュール30がステータコア5に強固に固定されるため、外部ストレス(例えば、振動、温度変化等)によってバスバーモジュール30がステータコア5に対して動く(又はがたつく)ことがなくなる。したがって、バスバー40によるコイル6同士の電気接続部の破断やコイル6が擦れることによる絶縁皮膜の破損等を抑制することができる。
また、本実施形態のステータ2では、バスバーモジュール30をステータコア5に固定するための嵌合構造が不要であるため、ステータコア5のバックヨーク7およびティース8に嵌合孔や嵌合溝を形成しなくてもよい。これにより、ステータコア5内における磁束経路に影響を与えることがなく、嵌合孔等の形成時の加工歪を抑制できる。その結果、回転電機1の損失低減および出力性能の向上を図ることができる。
なお、本発明に係る回転電機用ステータは、上述した実施形態およびその変形例の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲内で種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記においては樹脂層22をステータコア5の軸方向端面上に付着させるとして説明したが、これに限定されるものではなく、バスバーモジュール30の固定部36のステータコア当接面に付着させておいてもよい。
また、上記では、バスバー40を保持部材31に組み付けた状態でステータコア5に固定すると説明したが、保持部材31をステータコア5に固定した後にバスバー40の組付けおよびコイル6への接続を行ってもよい。
また、上記では、ステータコア5にインシュレータ12を固定してからバスバーモジュール30を固定すると説明したが、これらを1つの工程で同時に行ってもよい。そうすれば、ステータの生産性がさらに向上する。
さらに、バスバーモジュール30の固定部36やインシュレータ12の固定部20をステータコア5の軸方向端面に当接させて配置する際、接着剤等を用いて仮留めしてもよい。これにより、バスバーモジュール30やインシュレータ12の位置ずれが防止され、その後の加熱押圧工程の作業性が良くなる。
1 回転電機、2 ステータ、3 ギャップ、4 ロータ、5 ステータコア、6 コイル、7 バックヨーク、8 ティース、9 スロット、10 インシュレータ固定構造、12 インシュレータ、14 本体部、15 内部空間、16 第1フランジ部、18 第2フランジ部、20 (インシュレータの)固定部、22 樹脂層、30 バスバーモジュール、31 保持部材、32 保持部、34 側壁部、36 (保持部材の)固定部、38 環状溝、40 バスバー、42 仕切壁、C 周方向中心線。

Claims (1)

  1. 環状をなすバックヨークと該バックヨークから径方向に突出する複数のティースとを有するステータコアと、
    前記ティースの周囲にそれぞれ巻装されるコイルと、
    前記ティースに巻装された複数のコイルを電気的に接続するバスバーおよび該バスバーを保持して前記ステータコアに固定される保持部材を含むバスバーモジュールと、を備える回転電機用ステータであって、
    前記バスバーモジュールの保持部材はアミン基と結合する官能基を所定量だけ含有する絶縁性樹脂により形成されるとともに前記ステータコアに組み付けられた状態で前記ステータコアの軸方向端面に当接する固定部を有し、
    前記固定部のステータコア当接面または前記固定部に当接する前記ステータコアの軸方向端面に、前記アミン基を含有する樹脂層が付着されており、
    前記バスバーモジュールは前記保持部材の固定部に含まれる官能基と前記樹脂層に含まれるアミン基との加熱による化学反応によって前記ステータコアに接合されている、
    回転電機用ステータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018068068A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 トヨタ自動車株式会社 回転電機用端末モジュール

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