JP6241332B2 - 固定子巻線、固定子巻線の製造方法、固定子、回転電機および車輪 - Google Patents

固定子巻線、固定子巻線の製造方法、固定子、回転電機および車輪 Download PDF

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Description

本発明は、固定子鉄心に設けられる複数のスロットに対して巻き回される固定子巻線、固定子巻線の製造方法、固定子、回転電機および車輪に関する。
従来では、内径側に位置するスロット収容部及びターン部の良好な位置精度や整列精度を確保し得ることを目的とする回転電機のコイル組立体製造方法に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。この回転電機のコイル組立体製造方法では、複数のコイル線材を、スロット収容部同士の間隔が狭い側となる一端側から他端側に向かって編み込んで帯状の線材集積体を成形する。編み込みは、複数のコイル線材を1スロットピッチずつずらして巻き始め、固定子コアの一方側から突出するターン部(具体的には頂部のクランク部)で交差させ、他方側から突出する次のターン部で再び交差させて同一層に戻す工法である。
特開2012−110106号公報
しかし、編み込んだ複数のコイル線材は、さらに渦巻き状に巻き付けて円筒状の成形体を成形する必要がある。成形体を成形する際には、編み込みが崩れないように渦巻き状に巻き付けなければならないため、手間と時間を要していた。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、上述した編み込むことなく重ねて巻くだけで、編み込んだ複数の固定子巻線(上記したコイル線材に相当する)と同等の構造,精度,性能等を得ることができる固定子巻線、固定子巻線の製造方法、固定子、回転電機および車輪を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、固定子鉄心(70)に設けられる複数のスロット(31)に対して巻き回される固定子巻線(10,10A,10B,10L)において、前記スロットに収容されるスロット収容部(11)と、前記スロットに収容されずに前記固定子鉄心(70)の端面から突出し、所定幅(La)でクランク状に曲げ成形されるクランク部位(13)を備えるコイルエンド部(14)と、前記スロット収容部と前記コイルエンド部の両端との境界部位にそれぞれ備えられ、前記所定幅以内でシフトさせるように曲げ成形されるシフト部(12)とを有し前記シフト部は、第1シフト部と、第2シフト部とを有し、前記第1シフト部は、前記クランク部位を挟んで前記コイルエンド部の両端に連なる前記スロット収容部が同じ層に収容されるとき、双方ともに前記クランク部位の曲げ方向とは逆方向に曲げてシフトされ、前記第2シフト部は、前記クランク部位を挟んで前記コイルエンド部の一端に連なる前記スロット収容部と他端に連なる前記スロット収容部とが異なる層に収容されるとき、双方ともに前記クランク部位の曲げ方向と同じ方向に曲げてシフトされていることを特徴とする。
この構成によれば、スロット収容部やコイルエンド部を備える点は従来の固定子巻線と変わらないが、さらに第1シフト部と第2シフト部とを有するシフト部が成形される点が相違する。当該シフト部は所定幅以内でシフトさせるように曲げ成形されるので、渦巻き状に重ねて巻くだけでよくなる。よってスロットに固定子巻線を巻き回したり、円筒状の成形体を成形してスロットに収容したりするにあたって編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。従来の編み込んだ複数の固定子巻線と同等の構造や精度(位置精度や整列精度)になるので、同等の性能(例えば磁束やトルク等)を得ることができる。
第2の発明は、固定子鉄心(70)に設けられる複数のスロット(31)に対して巻き回される固定子巻線(10,10A,10B,10L)の製造方法において、前記スロットに収容されるスロット収容部(11)を成形するスロット収容部成形工程と、第1成形型(21)に線材を1周以上巻き付けてプレスすることで、前記スロットに収容されずに前記固定子鉄心の端面から突出するコイルエンド部(14)を成形するコイルエンド部成形工程と、前記コイルエンド部に所定幅(La)でクランク状に曲げてクランク部位(13)を成形するクランク部位成形工程と、前記スロット収容部と前記コイルエンド部との境界部位に備えられ、前記所定幅以内でシフトさせるように曲げられるシフト部(12)を成形するシフト部成形工程とを有し前記スロット収容部成形工程は、前記第1成形型のうちで一部の第1成形型を移動させることで前記スロット収容部を成形することを特徴とする。
この構成によれば、スロット収容部成形工程によって、スロット収容部が成形される。コイルエンド部成形工程によって、第1成形型に線材を1周以上巻き付けてプレスすることでコイルエンド部が成形される。シフト部成形工程によって、スロット収容部とコイルエンド部との境界部位にシフト部が成形される。当該シフト部は所定幅以内でシフトさせるように曲げ成形されるので、渦巻き状に重ねて巻くだけでよくなる。よってスロットに固定子巻線を巻き回したり、円筒状の成形体を成形してスロットに収容したりするにあたって編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。従来の編み込んだ複数の固定子巻線と同等の構造や精度(位置精度や整列精度)になるので、同等の性能(例えば磁束やトルク等)を得ることができる。
第3の発明は、固定子(40)において、請求項1または2に記載の固定子巻線(10,10A,10B,10L)を有し、複数の前記固定子巻線は、所定の前記スロット(31)ごとにピッチ(P)をずらし、重ねながら前記スロットに対して巻き回されることを特徴とする。
この構成によれば、複数の固定子巻線を所定のスロットごとにピッチをずらし、渦巻き状に重ねながらスロットに対して巻き回したり、円筒状の成形体を成形してスロットに収容したりするだけでよい。編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。従来の編み込んだ複数の固定子巻線と同等の構造や精度(位置精度や整列精度)になるので、同等の性能(例えば磁束やトルク等)を得ることができる。
第4の発明は、回転電機(100)において、請求項に記載の固定子(40)と、回転子(80,80A,80B)と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、固定子の製造に従来よりも手間と時間を低減できるので、回転電機の製造も従来よりも手間と時間を低減できる。
第5の発明は、車輪(200)において、請求項またはに記載の回転電機(100)を有することを特徴とする。
この構成によれば、固定子の製造に従来よりも手間と時間を低減できるので、車輪の製造も従来よりも手間と時間を低減できる。
なお、「固定子巻線(線材)」は、所定長で一本の線状部材でもよく、スロット収容部とコイルエンド部からなるコイルを複数接続して一本状にした所定長の部材でもよい。導電材を絶縁性被膜で覆うが、これ以外の形態であってもよい。断面形状は問わない。スロット収容部、コイルエンド部、クランク部位およびシフト部の成形順は問わず、結果として成形されていればよい。「クランク部位」と「シフト部」は、曲げ形状が異なるに過ぎない。所定幅は任意に設定してよく、固定子巻線(線材)の太さ(径)や固定子コアの大きさ等に応じて設定してもよい。「所定のスロット」は、0以上スロット数以下の範囲内で任意に設定してよい。「回転電機」は、回転する部位(例えば軸やシャフト等)を有する機器であれば任意である。例えば、発電機,電動機,電動発電機等が該当する。「車輪」は、回転電機やリムを含み、タイヤの有無は問わない。
巻線の構成例を模式的に示す斜視図である。 巻線の構成例を模式的に示す三面図である。 巻線の通常部を模式的に示す斜視図である。 図3の矢印Da方向からみる側面図である。 巻線の層変わり部を模式的に示す斜視図である。 図5の矢印Db方向からみる側面図である。 通常部と層変わり部が隣り合う構成例を模式的に示す斜視図である。 図7の矢印Dc方向からみる側面図である。 第1成形型の構成例を模式的に示す平面図である。 第1成形型に対して巻線を取り付ける例を模式的に示す斜視図である。 第1成形型による第1成形後の状態を模式的に示す平面図である。 図11を部分的に拡大して示す平面図である。 第1成形型による第2成形後の状態を模式的に示す平面図である。 第1成形型による成形後の巻線を模式的に示す平面図である。 第2成形型の構成例を模式的に示す斜視図である。 第2成形型による成形後の状態を模式的に示す斜視図である。 第2成形型による成形後の状態を模式的に示す斜視図である。 巻線を重ねる過程を模式的に示す斜視図である。 巻線を重ねる過程を模式的に示す斜視図である。 巻線を重ねる過程を模式的に示す斜視図である。 全ての巻線を重ねた後の状態を模式的に示す斜視図である。 第3成形型の構成例を模式的に示す平面図である。 ティース部とピース本体を収容した状態を模式的に示す平面図である。 さらに巻線を収容した状態を模式的に示す斜視図である。 図24を部分的に拡大して示す平面図である。 固定子鉄心の構成例を模式的に示す断面図である。 回転子の構成例を模式的に示す平面図である。 回転電機を含む車輪の構成例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。
〔巻線の構成例〕
巻線の構成例について図1〜図8を参照しながら説明する。図1と図2に示す巻線10は、固定子巻線の一部(コイル部やコイルとも呼ぶ)であって、固定子の両端面からそれぞれコイルエンド部が突出する部位を示す。巻線10は、電流を流すことができれば材料を問わず、スロット収容部11,シフト部12,コイルエンド部14などを有する。
スロット収容部11は、ティース部30相互間に設けられるスロット31に収容される部位である(図24,図25を参照)。コイルエンド部14は、スロット31に収容されずに固定子鉄心70(図26を参照)の端面から突出する部位であって、クランク部位13を備える。クランク部位13は、所定幅La(図2を参照)でクランク状に成形される部位である。シフト部12は、スロット収容部11とコイルエンド部14との境界部位に備えられ、シフト幅Lb,Lc(所定幅La以内;Lb≦La,Lc≦La)でシフトさせるように曲げ成形される部位である。
図2の例では、シフト幅Lbとシフト幅Lcでシフトさせている。所定幅Laとシフト幅Lb,Lcは任意に設定してよい。例えば、シフト幅Lb,Lcを所定幅Laの1/2となるように設定すると、図2の右下側に示すようにコイルエンド部14の両端から延びる2つのスロット収容部11を同じ層で維持される。「層」は、スロット31内に重ねて収容される巻線10の階層(周回)である。層数は、内径側から外径側に向かって増やしたり、外径側から内径側に向かって増やしたりする。2つのスロット収容部11について、「同じ層」はともにN層に収容されることを意味し、「異なる層」はN層とN±1層で異ならせて収容されることを意味する。なお、所定幅Laに対するシフト幅Lb,Lcの比は、1/2以外の比(例えば1/4,1/3,2/3等)でもよい。
巻線10には、コイルエンド部14から延びるスロット収容部11が同じ層になるようにシフト部12が成形されるコイル部10Aや、コイルエンド部14から延びるスロット収容部11が異なる層になるようにシフト部12が成形されるコイル部10Bを含む。コイル部10Aの一例を図3と図4に示し、コイル部10Bの一例を図5と図6に示す。
図4に示すコイル部10Aは、コイルエンド部14の両端に設けられるシフト部12の曲げ方向(矢印D1方向)、クランク部位13の曲げ方向(矢印D2方向)と逆方向に曲げて成形される。矢印D1方向や矢印D2方向は、図26,図28に示す軸線方向AXに相当する。この成形によって、スロット収容部11はスロット31の同じ層(N層)に収容することができる。すなわち、巻き回しを同じ層で維持することができる。図4において、クランク部位13を挟んでコイルエンド部14の両端に連なるシフト部12は「第1シフト部」に相当する。
図6に示すコイル部10Bは、コイルエンド部14の両端に設けられるシフト部12の曲げ方向(矢印D3方向)、クランク部位13の曲げ方向(矢印D4方向;矢印D3方向とは逆方向)と同じ方向に曲げて成形される。矢印D3方向や矢印D4方向は、図26,図28に示す軸線方向AXに相当する。この成形によって、一方のスロット収容部11をスロット31のN層に収容し、他方のスロット収容部11をスロット31のN±1層に収容することができる。すなわち、巻き回しの層を変えることができる。図6において、クランク部位13を挟んでコイルエンド部14の両端に連なるシフト部12は「第2シフト部」に相当する。
図5と図6に示すコイル部10Bの両端に、図3と図4に示すコイル部10Aを成形する例を図7と図8に示す。図8に示すように、左側のコイル部10AはN層であるが、中側のコイル部10BによってN層からN±1層に変わり、右側のコイル部10AはN±1層になる。なお、図6と図8に示すN層とN±1層は、分かり易くするために所定の間隔を設けているが、当該所定の間隔はゼロ(すなわち密着)を含む。
次に上述した巻線10(コイル部10Aやコイル部10Bを含む)の製造について、図9〜図17を参照しながら説明する。巻線10の製造は、図9に示す第1成形型21や、図15に示す第2成形型22を含む製造装置で行う。当該製造装置は、スロット収容部成形工程、コイルエンド部成形工程、クランク部位成形工程、シフト部成形工程による製造方法を実現する装置でもある。各工程は順不同で行ってよいが、順番に説明する。
〔スロット収容部成形工程とコイルエンド部成形工程〕
本形態では、第1成形型21を用いて、スロット収容部成形工程とコイルエンド部成形工程を行う。スロット収容部成形工程はスロット収容部11を成形する工程であり、コイルエンド部成形工程はコイルエンド部14を成形する工程である。
図9に示す第1成形型21は、外周側成形型21a,21cや、内周側成形型21b,21dなどを有する。これらの成形型は、スロット収容部11やコイルエンド部14を成形する形状に製作されている。外周側成形型21aと内周側成形型21bの組は、径方向(矢印D5方向)に移動可能に構成され、一方がパンチに相当し、他方がダイに相当する。外周側成形型21cと内周側成形型21dの組もまた、径方向(矢印D5方向)に移動可能に構成され、一方がパンチに相当し、他方がダイに相当する。
外周側成形型21aおよび内周側成形型21bの組は、「スロット収容部成形部材」と「コイルエンド部成形部材」に相当する。同様に、外周側成形型21cおよび内周側成形型21dの組もまた、「スロット収容部成形部材」と「コイルエンド部成形部材」に相当する。外周側成形型21aおよび内周側成形型21bの組と、外周側成形型21cおよび内周側成形型21dの組は、成形する目的形状が異なるに過ぎない。
まず図10に示すように、外周側成形型21aと内周側成形型21bの間、外周側成形型21cと内周側成形型21dの間は、巻線10が入るだけの間隔が空けられる。間隔が空けられる状態で、巻線10を収容して巻き回す。図10では予め円形状に巻き回してから矢印D6に沿って収容する例を示すが、収容しながら巻き回してもよい。巻き回しの周回数は任意に設定してよい。1周未満でもよく、1周以上でもよい。
巻線10を収容した後は、外周側成形型21aと内周側成形型21bを相対的に狭めてプレスし、外周側成形型21cと内周側成形型21dを相対的に狭めてプレスすると、図11と図12に示すように成形される。このプレスによって、巻線10の径方向に凹凸形状が成形される(図12を参照)。この凹凸形状はコイルエンド部14に含まれる。
プレスした後は、外周側成形型21aおよび内周側成形型21bの組と、外周側成形型21cおよび内周側成形型21dの組をそれぞれ中心方向(内側に向かう径方向)に向かって移動させる。ただし図13に示すように、外周側成形型21aおよび内周側成形型21b、外周側成形型21cおよび内周側成形型21dよりも中心寄りに位置するように移動させる。図示しないが、外径方向(外側に向かう径方向)に移動させてもよく、中心方向と外径方向を組み合わせて移動させてもよい。
上述した成形型の移動量の相違によって、スロット収容部11とコイルエンド部14が成形される。成形後の巻線10を図14に示す。図14に示す巻線10は、1層(1周)分の成形例を示し、両端部は接続に用いられる端子部10tである。図示しないが、図10に示す巻線10を複数回巻き回す場合には、2層(2周)以上が成形される。本形態における現段階では、まだシフト部12やクランク部位13が成形されていない。
〔クランク部位成形工程とシフト部成形工程〕
本形態では、第2成形型22を用いて、クランク部位成形工程とシフト部成形工程を行う。クランク部位成形工程はクランク部位13を成形する工程であり、シフト部成形工程はシフト部12を成形する工程である。
図15に示す第2成形型22は、パンチ22aやダイ22bなどを有し、クランク部位13とシフト部12を成形する形状に製作されている。パンチ22aおよびダイ22bは、「クランク部位成形部材」と「シフト部成形部材」に相当する。
まず、第2成形型22の所定面(図15では上面)に図14の巻線10を置く。この状態でパンチ22aとダイ22bを相対的に狭めてプレスすると(矢印D7方向や矢印D8方向)、図16のようになる。プレス後にパンチ22aを外すと、図17に示すように巻線10にクランク部位13とシフト部12が成形される。こうして、スロット収容部11,シフト部12,コイルエンド部14などを有する巻線10が製造される。
〔巻線体の製造例〕
上述した巻線10を複数本用いて、巻線体を成形する例について図18〜図21を参照しながら説明する。本形態では、巻線10をU相として用いるU相巻線10U、巻線10をV相として用いるV相巻線10V、巻線10をW相として用いるW相巻線10Wを用いて巻線体10L(図21を参照)を製造する例について明する。なお図19と図20に示すピッチPは、所定のスロット数(1以上で任意に設定する)に対応する間隔である。本形態では分かり易くするために、ピッチPを「1」とする例について説明する。
図18に示すU相巻線10Uに対して、W相巻線10Wを重ねると図19に示すような状態になる。U相巻線10UとV相巻線10Vは、ピッチPだけずらす。図19に示すU相巻線10UおよびV相巻線10Vに対して、さらにW相巻線10Wを重ねると図20に示すような状態になる。
図20に示すように重ねた状態のまま、渦巻き状に複数層(2層以上で任意に設定;例えば4層や8層等)となるように巻き回すと、図21に示す巻線体10Lが製造される。この渦巻き状は、コイル部10Bによって層が段差状に変わってゆく形態である(図5,図7,図8を参照)。巻き回しは、加工機で行ってもよく、手作業で行ってもよい。U相巻線10U,V相巻線10V,W相巻線10Wは、それぞれ1本以上で任意に設定してよい。通常は同じ本数を設定するが、異なる本数を設定してもよい。
図21に示す巻線体10Lは、隣り合うスロット収容部11の相互間に空間が確保され、当該空間には後述するティース部30(図24,図25を参照)が入る。U相巻線10U,V相巻線10V,W相巻線10Wの各端部である端子部10tが一箇所にまとまるように設定するとよい。こうすれば、端子部10tどうしの接続や、端子部10tと外部機器(例えばECUや制御装置等)との接続が行い易くなる。また、巻線10を用いたΔ結線とY結線の変更も行い易い。
〔固定子(ステータ)の製造例〕
上述のようにして成形される巻線10や巻線体10Lを有する固定子40(図26を参照)の製造方法について、図22〜図26を参照しながら説明する。当該製造方法は、配置工程,巻回工程,成形固定工程などを有する。各工程は、特に明記しない限り、順不同で行ってよい。
配置工程は、第3成形型23に対して、センターピース60や、当該センターピース60の周縁に沿って一以上のティース部30などを配置する。センターピース60は支軸90(図28を参照)に固定するための部位であり、成形する材料を問わない。ティース部30は回転子80(図28を参照)との間で磁束を流す部位であり、複数の磁性鋼板(磁性薄板を含む)を積層する積層体で成形してもよく、単体で成形してもよい。
図22に示す第3成形型23は、一以上で所定数の収容部23aや、突起部23b,23cなどを有する。収容部23aは、ティース部30を配置して収容する部位である。収容部23aの数はティース部30の数と同じである。ティース部30の数(Sc)は、相数(Ph)と極数(Po)とを乗算した数以上(すなわちSc≧Ph×Po)で設定する。この設定によれば、相数に応じた回転子80(図27,図28を参照)の回転制御を行うことができる。突起部23bは必要に応じて設けられ、例えば配線用の穴として用いる。突起部23cは、センターピース60の軸穴63と同心軸上にあり、支軸90を通す貫通孔83(図27,図28を参照)になる。図23には、センターピース60やティース部30を収容部23aに配置した後の第3成形型23を示す。
巻回工程は、収容部23aに収容した複数のティース部30に対して巻線10の巻回(巻き回すこと)を行ったり、同じく複数のティース部30に対して図21に示すように製造された巻線体10Lを挿入したりする。ティース部30と巻線10の間にインシュレータ41を介在させてもよく、介在させなくてもよい。巻線10や巻線体10Lは、相数(例えば二相,三相,六相等)に応じた本数で巻き回す。図24と図25には、巻回した後の巻線体10L,ティース部30,センターピース60などを示す。ただし分かり易くするために、図24では第3成形型23の図示を省略している。同様にして、図25では第3成形型23やインシュレータ41の図示を省略している。
成形固定工程は、配置工程と巻回工程の後に行われる。当該成形固定工程は、溶融物を第3成形型23に入れて、巻線体10L,センターピース60,ティース部30を一体化して固定する。溶融物の材料は任意に設定してよいが、本形態では樹脂50を用いる。樹脂50が固形化した後に第3成形型23から外すと、図26に示す固定子40が製造される。固定子40は、固定子鉄心70,巻線体10L,インシュレータ41などを有する。固定子鉄心70は、センターピース60や複数のティース部30などを有する。センターピース60は、ピース本体61や、ピース本体61に設けた軸穴63などを有する。穴62は必要に応じて設けてよい。巻線10を巻き回す対象となるティース部30の面を覆う樹脂50は、インシュレータの役割をも担う。
〔回転子(ロータ)の構成例〕
回転子80(回転子80Aと回転子80B)の構成例について、図27を参照しながら説明する。なお、回転子80Aと回転子80Bは同等に構成してよいので、以下では回転子80Aを代表して説明する。
図27に示すように、回転子80Aは回転子鉄心82や複数の磁石81などを有する。回転子鉄心82は任意の形状で成形可能であるが、本形態では円板状(円盤状)に成形している。この回転子鉄心82は、支軸90(図28を参照)と同心軸上にあり、支軸90よりも径が大きい貫通孔83(軸孔)を有する。複数の磁石81は板状に成形された磁性体であり、図示するように外周の周縁に沿ってタイル状に配置して固定される。各磁石81の固定は、回転子鉄心82の周縁部に直接行ってもよく、当該周縁部の内周側に成形されたボス(図示せず)に対して行ってもよい。固定手段は任意であり、例えばボルトやネジ等の締結部材を用いる締結や、母材を溶かすことでハンダ付けやアーク溶接等を行う接合、接着剤を用いる接着などが該当する。隣り合う磁石81どうしを磁気的に分離するため、ギャップが設けられる。
〔回転電機と車輪の構成例〕
上述のように構成される固定子40を含む回転電機100と、当該回転電機100を備える車輪200の構成例を図28に示す。
図28の回転電機100は、図24に示す固定子40や、図27に示す回転子80(80A,80B)などを有する。固定子40と回転子80は、軸線方向AX(アキシャル方向)にギャップG2を介して対向する。ギャップG2の間隔は任意に設定してよいが、外力を受けて回転子80が変形してもティース部30と磁石81が接触しないような値を設定するのが望ましい。図示しないが、一の固定子40と一の回転子80で回転電機100を構成してもよい。また、径方向RY(ラジアル方向)にギャップを介して固定子(固定子40に相当する)と回転子(回転子80に相当する)を対向させて回転電機100を構成してもよい。
図28に示す車輪200は、上述した回転電機100のほかにホイールリム84などを有する。タイヤ110の有無は問わない。回転電機100を構成する支軸90は車軸に相当し、回転子80はホイールキャップを兼ねる。ホイールリム84は、図28に示すように一方または双方の回転子80と一体成形してもよく、別体に成形したうえで固定してもよい。回転子80と支軸90の間には、ベアリング91(91A,91B)が介在される。この構成によって、回転子80は支軸90に対して回転自在に支持される。
タイヤ110はホイールリム84に取り付けられ、図28の例ではチューブレスタイヤを示す。制御装置(例えばECU等)から伝達される制御信号に基づいて回転電機100が作動し、回転子80とともにタイヤ110が径方向RY(ラジアル方向)に沿って回転する。よって、車輪200を自動車(車輪数を問わない)の駆動輪として用いることができる。なお、制御装置は車輪200の内部に備えてもよく、車輪200の外部(例えば車両等)に備えてもよい。
巻線体10Lは高密度で巻き回すことができるので、ティース部30とホイールリム84の隙間が少なくても確実に巻き回すことができる。逆に言えば、同じ剛性で成形されるティース部30とホイールリム84の隙間を従来よりも狭めることができる。
車輪200が回転している時(例えば自動車の走行時)には、凹凸のある路面に接したり、障害物等に接触したりする場合がある。この場合において図28に示すように成形される回転子80(80A,80B)は、路面や障害物等から支軸90に向かう方向に外力を受ける。このような外力を受けても、回転子80Aは左方向に変形し、回転子80Bは右方向に変形する。このように外力を受けて回転子80A,80Bは非接触方向に変形するので、ティース部30と磁石81とが接触する事態を防止できる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、第1成形型21を用いてスロット収容部成形工程とコイルエンド部成形工程を行うことでスロット収容部11とコイルエンド部14を成形した後(図11〜図14を参照)、第2成形型22を用いてクランク部位成形工程とシフト部成形工程を行うことでクランク部位13とシフト部12を成形する構成とした(図15〜図17を参照)。この形態に代えて、クランク部位成形工程とシフト部成形工程を行うことでクランク部位13とシフト部12を成形した後、スロット収容部成形工程とコイルエンド部成形工程を行うことでスロット収容部11とコイルエンド部14を成形する構成としてもよい。この場合は、第1成形型21と第2成形型22とは異なる成形型を用いる。また、スロット収容部成形工程,コイルエンド部成形工程,クランク部位成形工程,シフト部成形工程について各工程に応じた成形型を用いて対応する部位を成形する構成としてもよい。この場合は、複数の部位を同時に成形してもよく、時間的に前後して成形してもよい。要するに、図1や図2等に示す巻線10を成形できればよい。成形するための型や順番が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、コイルエンド部14は径方向RYに対して1段の階段形状を成形する構成とした(図1や図2等を参照)。この形態に代えて、2段以上の階段形状を成形する構成としてもよい。階段形状の段数が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、スロット収容部11やシフト部12は直線状に成形する構成とした(図1や図2等を参照)。この形態に代えて、曲線状に成形してもよく、直線と曲線を組み合わせた合成形状に成形してもよい。形状が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、軸線方向AXからみるティース部30の側面形状は、外径側が広がり、内径側が狭くなるように成形する構成とした(図25を参照)。この形態に代えて、外径側と内径側が同じ幅となるようにティース部30を成形してもよい。その他、外径側が狭くなり、内径側が広がるように成形してもよい。ティース部30の側面形状が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、径方向RYからみるティース部30の側面形状は、四角形状で成形する構成とした(図26,図28を参照)。この形態に代えて、外径側が内径側よりも幅広となる台形状に成形してもよい。その他の形状(四角形状や台形状を除く多角形状、楕円形状を含む円形状、複数の形状を合成した合成形状など)で成形してもよい。ティース部30の側面形状が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、ティース部30は巻線10と接触し得る角部をインシュレータ41で覆う構成とした(図26,図28を参照)。この形態に代えて、巻線10と接触し得る一以上の角部を丸める構成としてもよく、角部を面取りする構成としてもよい。丸められた角部や面取りされた角部は、覆うインシュレータ41の強度を低くしてもよく、インシュレータ41で覆わなくてもよい。丸める角部や面取りする角部が増えるにつれて、インシュレータ41を薄くでき、巻線10を太くすることができる。したがって、巻線10の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
上述した実施の形態では、固定子鉄心70は、センターピース60とティース部30を樹脂50で一体成形する構成とした(図26を参照)。この形態に代えて、樹脂50以外の材料(例えばアルミニウムなどの金属や、ステンレスなどの合金等)で一体成形する構成としてもよい。センターピース60の外周縁にティース部30の一部(例えば積層体を構成する磁性鋼板等)または全部(単体)を成形してもよい。センターピース60とティース部30を別体で成形し、固定手段で両者を固定する構成としてもよい。いずれの構成にせよ、固定子鉄心70の構造が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、回転電機100を自動車の駆動輪である車輪200に適用した(図28を参照)。この形態に代えて、自動車以外の輸送機器(例えば自転車の駆動輪、機関車や電車の駆動輪、船舶のプロペラなど)に適用することもできる。対象となる輸送機器の相違に過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。
〔他の発明の態様〕
以上では発明の実施の形態について説明したが、当該実施の形態には特許請求の範囲に記載した発明の態様だけでなく他の発明の態様を含む。この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。
〔態様1〕
固定子鉄心(70)に設けられる複数のスロット(31)に対して巻き回される固定子巻線(10,10A,10B,10L)を製造する固定子巻線の製造装置(21,22)において、
前記スロットに収容されるスロット収容部(11)を成形するスロット収容部成形部材(21a,21b,21c,21d)と、
前記スロットに収容されずに前記固定子鉄心の端面から突出するコイルエンド部(14)を成形するコイルエンド部成形部材(21a,21b,21c,21d)と、
前記コイルエンド部に所定幅(La)でクランク状に曲げてクランク部位(13)を成形するクランク部位成形部材(22a,22b)と、
前記スロット収容部と前記コイルエンド部との境界部位に備えられ、前記所定幅以内でシフトさせるように曲げられるシフト部(12)を成形するシフト部成形部材(22a,22b)と、を有することを特徴とする固定子巻線の製造装置。
〔態様1の関連説明〕
態様1の構成によれば、シフト部成形部材(第2成形型22;パンチ22aおよびダイ22bに相当する)によって、スロット収容部11とコイルエンド部14との境界部位にシフト部12が成形される。当該シフト部12は所定幅La以内でシフトさせるように曲げ成形されるので、渦巻き状に重ねて巻くだけでよくなる。よってスロット31に固定子巻線10を巻き回したり、円筒状の巻線体10Lを成形してスロット31に収容したりするにあたって編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。従来の編み込んだ複数の固定子巻線10と同等の構造や精度(位置精度や整列精度)になるので、同等の性能(例えば磁束やトルク等)を得ることができる。
上述した実施の形態および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)固定子巻線10において、スロット31に収容されるスロット収容部11と、スロット31に収容されずに固定子鉄心70の端面から突出し、所定幅Laでクランク状に成形されるクランク部位13を備えるコイルエンド部14と、スロット収容部11とコイルエンド部14との境界部位に備えられ、所定幅La以内でシフトさせるように曲げ成形されるシフト部12とを有する構成とした(図1,図2,図26を参照)。この構成によれば、シフト部12は所定幅La以内でシフトさせるように曲げ成形されるので、渦巻き状に重ねて巻くだけでよくなる。よって従来のような編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。また、従来の編み込んだ固定子巻線と同等の構造や精度になるので、同等の性能を得ることができる。
(2)巻線10の一部をなすコイル部10Aのシフト部12は、クランク部位13の曲げ方向とは逆方向に曲げてシフトさせる構成とした(図3,図4を参照)。この構成によれば、コイルエンド部14の両端から延びる2つのスロット収容部11を同じ層で維持することができる。
(3)巻線10の一部をなすコイル部10Bのシフト部12は、層ごとにクランク部位13の曲げ方向と同じ方向に曲げてシフトさせる構成とした(図5,図6を参照)。この構成によれば、コイルエンド部14の両端から延びる2つのスロット収容部11を異なる層に変えることができる。
(4)固定子巻線10の製造方法において、スロット31に収容されるスロット収容部11を成形するスロット収容部成形工程と、スロット31に収容されずに固定子鉄心70の端面から突出するコイルエンド部14を成形するコイルエンド部成形工程と、コイルエンド部14に所定幅Laでクランク状に曲げてクランク部位13を成形するクランク部位成形工程と、スロット収容部11とコイルエンド部14との境界部位に備えられ、所定幅La以内でシフトさせるように曲げられるシフト部12を成形するシフト部成形工程とを有する構成とした(図11〜図13,図15〜図17を参照)。この構成によれば、シフト部成形工程によって、スロット収容部11とコイルエンド部14との境界部位にシフト部12が成形される。当該シフト部12は所定幅La以内でシフトさせるように曲げ成形されるので、渦巻き状に重ねて巻くだけでよくなる。よってスロット31に固定子巻線10を巻き回したり、円筒状の成形体を成形してスロット31に収容したりするにあたって編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。従来の編み込んだ複数の固定子巻線10と同等の構造や精度になるので、同等の性能を得ることができる。
(5)コイルエンド部成形工程は、第1成形型21に線材を1周以上巻き付けてプレスすることでコイルエンド部14を成形し、スロット収容部成形工程は、第1成形型21のうちで一部の第1成形型21を移動させることでスロット収容部11を成形する構成とした(図11〜図13を参照)。この構成によれば、第1成形型21を用いてコイルエンド部14とスロット収容部11を成形することができる。
(6)シフト部成形工程は、巻線10の一部をなすコイル部10Aのシフト部12について、第2成形型22を用いてクランク部位13の曲げ方向とは逆方向に曲げてシフトさせる構成とした(図3,図4,図15〜図17を参照)。この構成によれば、コイルエンド部14の両端から延びる2つのスロット収容部11が同じ層となるように成形することができる。
(7)シフト部成形工程は、巻線10の一部をなすコイル部10Bのシフト部12について、第2成形型22を用いてクランク部位13の曲げ方向と同じ方向に曲げてシフトさせる構成とした(図5,図6,図15〜図17を参照)。この構成によれば、コイルエンド部14の両端から延びる2つのスロット収容部11が異なる層となるように成形することができる。
(8)固定子40は、固定子巻線10を有し、複数の固定子巻線10は、所定のスロット31ごとにピッチをずらし、重ねながらスロット31に対して巻き回される構成とした(図18〜図20を参照)。この構成によれば、複数の固定子巻線10を所定のスロット31ごとにピッチをずらし、渦巻き状に重ねながらスロット31に対して巻き回したり、円筒状の成形体を成形してスロット31に収容したりするだけでよい。編み込みが不要になるので、従来よりも手間と時間を低減できる。従来の編み込んだ複数の固定子巻線10と同等の構造や精度になるので、同等の性能を得ることができる。
(9)回転電機100は、固定子40と、回転子80,80A,80Bとを有する構成とした(図28を参照)。この構成によれば、固定子40の製造に従来よりも手間と時間を低減できるので、回転電機100の製造も従来よりも手間と時間を低減できる。
(10)一の固定子40に対して軸線方向AX(アキシャル方向)にギャップGを挟んで複数の回転子80,80A,80Bを対向させた構成とした(図28を参照)。この構成によれば、固定子40の製造に従来よりも手間と時間を低減できるので、アキシャルギャップ型の回転電機100の製造も従来よりも手間と時間を低減できる。
(11)車輪200は、回転電機100を有する構成とした(図28を参照)。この構成によれば、固定子40の製造に従来よりも手間と時間を低減できるので、車輪200の製造も従来よりも手間と時間を低減できる。
10(10A,10B,10L) 固定子巻線
11 スロット収容部
12 シフト部
13 クランク部位
14 コイルエンド部
31 スロット
40 固定子
70 固定子鉄心
80(80A,80B) 回転子
100 回転電機
200 車輪
La 所定幅

Claims (9)

  1. 固定子鉄心(70)に設けられる複数のスロット(31)に対して巻き回される固定子巻線(10,10A,10B,10L)において、
    前記スロットに収容されるスロット収容部(11)と、
    前記スロットに収容されずに前記固定子鉄心(70)の端面から突出し、所定幅(La)でクランク状に曲げ成形されるクランク部位(13)を備えるコイルエンド部(14)と、
    前記スロット収容部と前記コイルエンド部の両端との境界部位にそれぞれ備えられ、前記所定幅以内でシフトさせるように曲げ成形されるシフト部(12)とを有し
    前記シフト部は、第1シフト部と、第2シフト部とを有し、
    前記第1シフト部は、前記クランク部位を挟んで前記コイルエンド部の両端に連なる前記スロット収容部が同じ層に収容されるとき、双方ともに前記クランク部位の曲げ方向とは逆方向に曲げてシフトされ、
    前記第2シフト部は、前記クランク部位を挟んで前記コイルエンド部の一端に連なる前記スロット収容部と他端に連なる前記スロット収容部とが異なる層に収容されるとき、双方ともに前記クランク部位の曲げ方向と同じ方向に曲げてシフトされていることを特徴とする固定子巻線。
  2. 前記シフト部は、前記所定幅の1/2のシフト幅(Lb,Lc)で曲げてシフトされていることを特徴とする請求項に記載の固定子巻線。
  3. 固定子鉄心(70)に設けられる複数のスロット(31)に対して巻き回される固定子巻線(10,10A,10B,10L)の製造方法において、
    前記スロットに収容されるスロット収容部(11)を成形するスロット収容部成形工程と、
    第1成形型(21)に線材を1周以上巻き付けてプレスすることで、前記スロットに収容されずに前記固定子鉄心の端面から突出するコイルエンド部(14)を成形するコイルエンド部成形工程と、
    前記コイルエンド部に所定幅(La)でクランク状に曲げてクランク部位(13)を成形するクランク部位成形工程と、
    前記スロット収容部と前記コイルエンド部との境界部位に備えられ、前記所定幅以内でシフトさせるように曲げられるシフト部(12)を成形するシフト部成形工程とを有し
    前記スロット収容部成形工程は、前記第1成形型のうちで一部の第1成形型を移動させることで前記スロット収容部を成形することを特徴とする固定子巻線の製造方法。
  4. 前記シフト部成形工程は、前記固定子巻線(10A)の前記シフト部について、第2成形型(22)により前記クランク部位の曲げ方向とは逆方向に曲げてシフトさせることを特徴とする請求項に記載の固定子巻線の製造方法。
  5. 前記シフト部成形工程は、前記固定子巻線(10B)の前記シフト部について、第2成形型(22)により前記クランク部位の曲げ方向と同じ方向に曲げてシフトさせることを特徴とする請求項3または4に記載の固定子巻線の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載の固定子巻線(10,10A,10B,10L)を有し、
    複数の前記固定子巻線は、所定の前記スロット(31)ごとにピッチ(P)をずらし、重ねながら前記スロットに対して巻き回されることを特徴とする固定子(40)。
  7. 請求項に記載の固定子(40)と、回転子(80,80A,80B)と、を有することを特徴とする回転電機(100)。
  8. 一の前記固定子に対して軸線方向(AX)にギャップ(G)を挟んで複数の前記回転子を対向させたことを特徴とする請求項に記載の回転電機。
  9. 請求項またはに記載の回転電機(100)を有することを特徴とする車輪(200)。
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