JP2015115771A - 受信装置、通信システム、回路装置、通信方法およびプログラム(高速通信における信号補償) - Google Patents

受信装置、通信システム、回路装置、通信方法およびプログラム(高速通信における信号補償) Download PDF

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Abstract

【課題】送信装置からシンボル系列を伝送する信号を受信して信号補償する受信装置、該受信装置を含む通信システム等を提供する。
【解決手段】シンボル系列を伝送する受信信号に対し補正を施すフィルタ部202と、フィルタ部202で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部204と、判定部204により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部216と、フィルタ部202へ入力される受信信号と、重み付け部216による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、フィルタ部202の補正パラメータを更新する更新部208とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、受信装置、通信システム、回路装置、通信方法およびプログラムに関し、より詳細には、送信装置からシンボル系列を伝送する信号を受信して信号補償する受信装置、該受信装置を含む通信システム、該受信装置を構成する回路装置、該受信装置が実行する通信方法、および該受信装置を実現するためのプログラムに関する。
近年、無線通信において、動画などのリッチコンテンツのリアルタイム送受信や、有線通信とのシームレスな接続を実現するために、高速化に対する要求が高まっている。このような高速大容量のデータ通信を実現するため、Gbpsを超えるデータレートの高速無線通信が実現可能とされるミリ波帯の搬送波を用いた広帯域無線通信技術に対し、期待が寄せられている。
ミリ波帯における通信の標準規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.15.3cやIEEE802.11adなどが規定されている。これらの標準規格においては、共通の変調・符号化方式として、シングルキャリア伝送が定義されている。シングルキャリア伝送においては、時間領域での復調・復号を要し、フィードバックフィルタが必要となる。周波数帯領域での復調・復号を行う方式も提案されているが、回路量、レイテンシおよび符号化のオーバヘッドのため難点がある。
無線通信において、信号品質の劣化を招く要因としては、いくつか考えられるが、ミリ波では、高い搬送波周波数および広帯域幅に起因して、位相雑音および直流オフセットが主要な要因として挙げられる。このような位相雑音および直流オフセットは、特に振幅多重変調を行う場合に顕著な特性の劣化を引き起こし、多値度が高くなるにつれて、より顕著となってくる。
上述したような位相雑音および直流オフセットを補償するために、パイロットワードないしトレーニングシーケンスと呼ばれる既知のパターンをフレームに埋め込み、位相雑音および直流オフセットを推定し、除去する技術が知られている。また、適応フィルタを用いて補償する技術も知られている。
例えば、特許文献1は、送受信で既知なパイロット信号を用いて受信信号からチャネル推定値を求め、局部発振器で発生する位相雑音を推定し、周波数領域等化前に、推定された位相雑音を除去する技術を開示している。また、特許文献1は、周波数領域等化後に時間領域において判定帰還形適応等化器を導入し、上記適応等化器のタップ係数を逐次最小2乗法により適応的に制御する構成を開示している。特許文献2は、特定の参照信号系列を必要とせず、多値QAM変調方式における受信信号波形の等化性能を向上させることを目的として、トランスバーサルフィルタ型適応等化器において、CMA(定包絡線基準アルゴリズム)によりタップ係数を算出し、また、タップ係数算出用アルゴリズムをCAMから最小平均二乗誤差アルゴリズムに切り替える構成を開示している。
特開2010−119070号公報 特開2002−280941号公報
上述した既知のパターンをフレーム中に埋め込む技術では、既知パターンの挿入によるオーバヘッドがあり、データ伝送効率が落ちてしまうため、このオーバヘッドを小さくする技術が望まれていた。また、適応フィルタを用いる技術では、フィードバック回路が必ず遅延を生じさせてしまうため、この遅延を小さくする技術が望まれていた。また、従来技術の適応フィルタでは、QAMなどの変調方式を用いる場合に、誤差評価関数における特有の極小値に陥り、適応的に最小値に達しない可能性があった。また、統計的な処理のためにブロック単位で処理を行うと、これも遅延の要因となった。また、通常の線形フィルタでは、直流オフセットを充分に補償することが難しかった。
本発明は、上記従来技術における不充分な点に鑑みてなされたものであり、本発明は、高速通信において、受信信号に含まれる位相雑音を好適に補償するとともに、オーバヘッドを生じさせる既知パターンのペイロードへの挿入を削減できる、受信装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、高速通信において、受信信号に含まれる位相雑音を好適に補償するとともに、オーバヘッドを生じさせる既知パターンのペイロードへの挿入を削減できる、受信装置を含む通信システム、該受信装置を構成する回路装置、受信装置が実行する通信方法および受信装置を実現するためのプログラムを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、下記特徴を有した受信装置を提供する。本受信装置は、シンボル系列を伝送する受信信号に対し補正を施すフィルタ部と、上記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部と、上記判定部により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部と、上記フィルタ部へ入力される受信信号と、上記重み付け部による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、上記フィルタ部の補正パラメータを更新する更新部とを含む。
さらに、本発明によれば、シンボル系列を伝送する信号が入力される入力部と、上記入力部に入力された信号に対し補正を施すフィルタ部と、上記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部と、上記判定部により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部と、上記フィルタ部へ入力される信号と、上記重み付け部による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、上記フィルタ部の補正パラメータを更新する更新部と、上記フィルタ部で補正された信号に基づき判定されたシンボル系列を出力する出力部とを含む。
また、本発明によれば、さらに、送信装置と通信する受信装置が実行する通信方法を提供することができる。本通信方法は、受信装置が、送信装置からの、シンボル系列を伝送する信号を受信するステップと、受信した信号をフィルタ部に入力するステップと、フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定するステップと、判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行うステップと、フィルタ部へ入力される信号と、重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、フィルタ部の補正パラメータを更新するステップとを含む。
本発明によれば、また、上記受信装置と、該受信装置と通信可能な送信装置とを含む通信システムを提供することができる。またさらに、本発明によれば、上記受信装置を実現するためのプログラムを提供することができる。
上記構成により、高速通信において、受信信号に含まれる位相雑音を好適に補償するとともに、オーバヘッドを生じさせる既知パターンのペイロードへの挿入を削減できる。
本発明の実施形態による無線通信システムを示す概略図。 本発明の実施形態による無線通信システムにおける無線通信装置の全体構成を示すブロック図。 本発明の実施形態による受信側ベースバンド部の受信回路における補償回路のブロック図。 本発明の実施形態による適応等化器のブロック図。 16QAMの場合に、位相回転に対する余裕度に基づいて設定される各シンボル判定領域の重み付けを例示する図。 16QAMの場合を例に、各シンボル判定領域の余裕度を説明する図。 (A)位相回転の回転角に対し各シンボル判定領域のシンボル・エラー・レートをプロットしたグラフ、並びに(B)重み付けを変えない場合および(C)図5に示した重み付けをした場合について、正しい信号点配置からの位相回転の回転角に対し誤差ベクトル振幅をプロットしたグラフ。 本発明の実施形態による位相補償器のブロック図。 本発明の実施形態による直流オフセット補償器のブロック図。 本発明の実施形態による無線通信装置が実行する受信処理における補償処理の全体フローを示すフローチャート。 16QAMを用いる場合に(A)適応等化器前、(B)適応等化器後、および(C)補償器後の各段階における受信ベースバンド信号の各サンプルの信号点を複素平面にプロットした散布図。 従来技術の等化器後、本発明の実施形態による適応等化器後および補償器後の各段階で計測されたBERをプロットしたグラフ。
以下、本発明について特定の実施形態をもって説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、受信装置、および受信装置を含む通信システムの一例として、それぞれ、無線通信装置110、および無線通信装置110を含む無線通信システム100を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態による無線通信システム100の概略図である。本実施形態による無線通信システム100は、無線通信装置110,180を含み構成される。無線通信装置110および無線通信装置180は、例えば数十GHz周波数帯の電磁波(ミリ波)を用いた、シングルキャリア伝送方式およびコヒーレント検波方式による無線通信を確立し、数Gbps以上のデータ通信速度を実現している。なお、上記無線通信装置110,180は、それぞれ、受信機および送信機の両方の立場で相手方とデータ通信をすることができるが、説明の便宜上、以下の説明では、無線通信装置110を受信側とし、無線通信装置180を送信側として説明する。
無線通信装置180は、送信するデータをフレームに乗せて、通信相手方の無線通信装置110に対しデータ送信する。図1の例示では、無線通信装置180には、ノート型パーソナル・コンピュータ102が接続されており、無線通信装置110には、ディスプレイ装置104が接続されている。このような例示の実施形態では、無線通信装置180は、ノート型パーソナル・コンピュータ102から入力される動画などのコンテンツ・データをフレームに乗せて、無線通信装置110に送信できる。ディスプレイ装置104は、無線通信装置110を介してコンテンツ・データを受信し、その画面上にコンテンツを表示させる。
図2は、本発明の実施形態による無線通信システム100における無線通信装置110,180の全体構成を示すブロック図である。図2に示す無線通信装置110は、アンテナ112と、アナログ処理を担当するRF(Radio Frequency)部114と、デジタル処理を担当するベースバンド部116と、アプリケーション・エンジン118とを含み構成される。無線通信装置180も同様に、アンテナ182、RF部184、ベースバンド部186およびアプリケーション・エンジン188を含む。
なお、図2においては、無線通信装置110側では、受信経路上のコンポーネントに符番が付されており、受信経路上に無いものには符番が付されず、点線で表されている点に留意されたい。無線通信装置180側も同様に、受信側とは反対に、送信経路上に無いものには符番が付されず、点線で表されている。
送信時には、アンテナ182は、RF部184から入力される電気信号を電磁波に変換し、電磁波を空間中に放射する。受信時には、アンテナ112は、伝播してきた電磁波を受けて電気信号に変換し、RF部114に電気信号を入力する。
RF部114,184は、搬送波である電磁波の無線周波数帯の信号を処理する回路ブロックである。RF部114,184は、受信回路126および送信回路196を含み構成される。受信回路126および送信回路196には、それぞれ、PLL(Phase Locked Loop)シンセサイザなどで構成された局部発振器128,198が接続されている。送信回路196は、局部発振器198が生成した搬送波信号に基づき、入力されるベースバンド信号をRF周波数帯の信号に変調する。受信回路126は、局部発振器128が再生した搬送波信号に基づき、入力されるRF周波数帯の信号をベースバンド信号に復調する。
ベースバンド部116,186は、変調前または復調後のベースバンド信号を処理する回路ブロックである。送信時には、ベースバンド部186は、アプリケーション188から入力される送信データ(ビット列)に基づいて、送信ベースバンド信号を生成し、RF部184に出力する。受信時には、ベースバンド部116は、RF部114で復調された受信ベースバンド信号に基づいて、受信データ(ビット列)を復元し、アプリケーション118に出力する。
ベースバンド部116,186は、より具体的には、それぞれ、プロトコル・スタック120,190と、受信回路122と、ADC(Analog to Digital Converter)124と、送信回路192と、DAC(Digital to Analog Converter)194とを含み構成される。プロトコル・スタック120,190は、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層などの階層的な通信プロトコル群の処理を担当する。
送信回路192は、プロトコル・スタック190から入力される送信データを、採用する変調方式に応じて変調し、送信ベースバンド信号を生成し、DAC194を介してRF部184の送信回路196に出力する。受信回路122は、RF部114の受信回路126で復調された受信ベースバンド信号を、ADC124を介して受信し、変調方式に応じて受信データを復元し、プロトコル・スタック120に出力する。
説明する実施形態では、特に限定されるものではないが、直角位相振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)方式が採用されており、2つの搬送波の振幅および位相を変調することによってデータが伝達される。これら2つの搬送波、つまり同相(I相)搬送波および直角位相(Q相)搬送波は、互いに直角位相関係となっており、互いに独立している。上記変調方式の採用に伴い、本実施形態においては、ベースバンド信号は、I相およびQ相の成分を有する。これらI相およびQ相の信号は、伝送データのシンボル系列を構成しており、これらの各時点の信号レベルにより、信号空間ダイアグラム(Constellation Diagram)上で各シンボルを表す信号点が指定される。
なお、採用する変調方式やシンボルに対する符号の割り当て方などは、無線通信システム100内で予め取り決められている。また、説明する実施形態では、好適に適用できる変調方式として、16QAMを一例として説明するが、その他にも、64QAMなどの他のMQAM(M-ary QAM)や、MPSK(M-ary Phase Shift Keying)などを好適に採用できる。
上述したように、無線通信装置110,180は、シングルキャリア伝送方式およびコヒーレント検波方式の無線通信を行うが、このとき、上述した受信回路126側および送信回路196側の局部発振器128,198において位相雑音が発生する可能性がある。また、送信側では、スクランブラなどにより事前に送信データのビットをランダム化する前処理が施されることが一般的であるが、確率的に発生する信号の偏りにより、データ依存の直流オフセットが発生する可能性がある。これらは、受信器側での復調および復号のエラーレートを悪化させる要因となる。また、データレートの高速化に伴い、上述した位相雑音や直流オフセットの影響も顕著となる。
そこで、本発明の実施形態による無線通信システム100では、信号空間ダイアグラム上でのシンボル信号点の位置(該当するシンボル判定領域)に因って、位相雑音を受けた場合の誤判定の起こり易さが異なる点に着目し、受信側でベースバンド信号を等化する適応等化器の更新ロジックにおいて、判定されるシンボル信号点の位置に応じて、パラメータ更新で用いる誤差を重み付け評価することを特徴としている。
さらに好ましい実施形態による無線通信システム100では、適応等化器の更新ループの外部に、位相雑音、直流オフセットまたはこれらの両方を補償する補償器を設けることができる。更新ループの外部に補償器を設けることにより、適応等化器のフィードバック遅延から補償器の処理遅延を分離し、適応等化器の位相雑音補償の応答性能の向上を図るとともに、適応等化器で追従しきれない高い周波数の位相雑音等を後段の補償器で補償する。以下、図3〜図10を参照しながら、受信側の無線通信装置110で実行される信号処理について詳細を説明する。
図3は、本発明の実施形態による受信側ベースバンド部116の受信回路122における補償回路のブロック図を示す。なお、図3は、本実施形態による位相補償およびオフセット補償に関連する中心的な構成を示すものであり、他の周辺要素の図示が省略されている点に留意されたい。また、上述したようにベースバンド信号は、I相成分およびQ相成分でシンボル系列を構成しているが、図3以降の図面では、複素シンボルを用い、受信ベースバンド信号のI相成分およびQ相成分をまとめて取扱うものとする。
図3に示すように、受信側ベースバンド部116の受信回路122は、補償回路として、適応等化器200と、位相補償器230と、直流オフセット補償器260とを含み構成され、デジタル領域において等化、位相雑音補償および直流オフセット補償を実現している。
適応等化器200には、図2に示したADC124I,124Qによりサンプリングされた受信ベースバンド信号が入力される。適応等化器200は、所定の適応アルゴリズムに従って補正パラメータを更新しながら、ベースバンド信号の入力を受けて、補正されたベースバンド信号を後段の補償器290に出力する。
本実施形態による補償器290は、位相補償器230と、直流オフセット補償器260とを含む。位相補償器230は、適応等化器200の後段に設けられ、適応等化器200で補正されたベースバンド信号の入力を受けて、位相補償を実施し、位相補償されたベースバンド信号を後段に出力する。図3に示す実施形態においては、直流オフセット補償器260は、位相補償器230に直列に接続されており、位相補償器230で位相補償されたベースバンド信号の入力を受けて、さらに、直流オフセット補償を実施し、直流オフセット補償されたベースバンド信号を後段に出力する。その後、補償されたベースバンド信号に基づいてシンボル判定が行われ、受信データが復元される。
本実施形態において、補償器290は、適応等化器200の更新ループの外側に設けられる。適応等化器200は、比較的遅い位相雑音成分の補償を担当し、位相補償器230および直流オフセット補償器260は、適応等化器200で追従しきれない高い周波数の位相雑音成分や直流オフセット成分の補償を担当している。
以下、図4〜図7を参照しながら、本発明の実施形態による適応等化器200について、より詳細に説明する。図4は、本発明の実施形態による適応等化器のブロック図を示す。図4に示す適応等化器200は、可変フィルタ部202と、シンボル判定部204と、誤差重み付け評価部206と、タップ係数更新部208とを含み構成される。なお、図4は、トレーニングシーケンスを用いない、判定指向型の適応等化器を例示している。
可変フィルタ部202は、設定される補正パラメータに基づき、入力される受信ベースバンド信号を時間領域で等化し、後段へ出力する。可変フィルタ部202は、より詳細には、それぞれ入力されるベースバンド信号に対し1サンプリング分の遅延を行うN個の遅延ブロック210−1〜210−Nと、それぞれ各サンプリング値に係数を乗算するN+1個の乗算器212−0〜212−Nと、各乗算結果を加算する加算器214とを含み、タップ付遅延ラインとして構成されている。可変フィルタ部202の補正パラメータは、乗算器212で乗算される各タップ係数である。
なお、説明する実施形態では、シンボル間隔(Symbol-Spaced)でサンプリングされたベースバンド信号が入力され、シンボル周期毎に、遅延ラインでの各値の重み付け総和を出力するものとするが、等化器の具体的な構成に限定されるものではない。他の実施形態では、整数倍または分数倍レートでオーバーサンプリングされたベースバンド信号が入力され、p(pは正の整数である。)個の出力サンプルを生成する前に、q(qは正の整数である。)個の入力サンプルを受信するような等化器として構成されてもよい。
シンボル判定部204は、可変フィルタ部202を通過し補正されたベースバンド信号からシンボルを判定する。シンボル判定は、I成分およびQ成分の判定境界によって複素平面上に画定されるシンボル判定領域いずれに信号点が位置するかを判定することにより行われる。シンボル判定結果から、補正されたベースバンド信号のシンボルの測定された信号点の位置と、シンボル判定値に基づく理想的な信号点の位置との差分として、誤差(誤差ベクトル)が求められる。
誤差重み付け評価部206は、判定されたシンボルの信号空間ダイアグラム上の信号点の位置に応じて、上記求められた誤差を重み付け評価し、評価結果をタップ係数更新部208に出力する。誤差重み付け評価部206は、より詳細には、可変フィルタ部202から出力される補正された信号の信号点と、補正された信号に基づき判定されたシンボルの理想的な信号点との誤差ベクトルを計算する減算器218と、評価の重み付けを行う重み付け部216と、重み付け部216で重み付けされた重み値を誤差ベクトルに乗算する乗算器220とを含み構成される。重み付け部216は、シンボル判定部204により判定されたシンボルの信号点の位置が、いずれのシンボル判定領域に該当するかに応じて、誤差に対する評価の重み値を決定する。
重み付け部216による評価の重み付けは、信号空間ダイアグラム内のシンボル判定領域各々に対し、位相回転に対する余裕度(あるいは位相雑音に対する耐性ということができる。)に応じた重み値を設定することによって行われる。
より具体的には、余裕度が小さく、位相雑音、つまり位相回転によって誤判定を生じ易いシンボル判定領域ほど重みが軽くなるように設定する。これは、判定指向においては、判定されたシンボルが正しいとは限らないためである。複素平面内の位相回転によって、隣接するシンボル判定領域にシンボルの信号点がはみ出してしまうと、誤ったシンボル判定が行われ、結果として、計算される誤差ベクトルも正しくなくなる。そこで、上記誤判定の確率が相対的に低いもっともらしい誤差ベクトルの評価の重みを重くし、上記誤判定の確率が相対的に高い誤差ベクトルの評価の重みを相対的に低くする。
タップ係数更新部208には、遅延ラインの各値を要素とした入力信号ベクトルと、誤差重み付け評価部206からの誤差の重み付け評価(誤差ベクトル×重み値)が入力される。タップ係数更新部208は、適応アルゴリズムによって、入力信号ベクトルと、誤差の重み付け評価とに基づいて、可変フィルタ部202の各タップ係数を更新する。
適応アルゴリズムとしては、特に限定されるものではないが、最小二乗平均(LMS:Least Mean Squares)アルゴリズム、符号付き最小二乗平均アルゴリズム、正規化最小二乗平均アルゴリズム、可変ステップサイズ最小二乗平均アルゴリズム、逐次最小二乗(RLS:Recursive Least Squares)アルゴリズム、定包絡線基準アルゴリズム(CMA:Constant Modulus Algorithm)およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
以下、図5〜図7を参照して、重み付け部216による評価の重み付けについて詳細を説明する。図5は、16QAMの場合に、位相回転に対する余裕度に基づいて設定される各シンボル判定領域の重み付けを例示する図である。
図5に示す重み付けでは、内側4つのシンボル判定領域の重みと比較して、外側四隅のシンボル判定領域の重みを軽くし、残り8つのシンボル判定領域の重みをさらに軽くするように設定されている。これは、内側の4つのシンボル判定領域の方が、他のシンボル判定領域よりも複素平面内の位相回転によって誤りを引き起こし難く、余裕度が大きいと考えられ、次いで、外側四隅のシンボル判定領域の方が、余裕度が大きいと考えられるためである。一例では、内側の4つのシンボル判定領域に対する誤差評価の重みが「1.0」とされ、四隅のシンボル判定領域に対する重みが「0.5」とされ、それ以外のシンボル判定領域に対する重みが「0」とされている。
図6は、16QAMの場合を例に各シンボル判定領域の余裕度を説明する図である。図6に示すように、16QAMの場合、位相空間ダイアグラム内には、16個のシンボル判定領域が存在する。図6中において、黒い円は、白色雑音による信号点の分布の広がりを表しており、また、傾けられた4×4の黒い円の配置は、信号点配置が所定の回転角で位相回転されていることを表している。図6に示す黒い円は、シンボル判定領域内に収まる程度の直径を有していることから、これは白色雑音よりも位相雑音が支配的である状況を意味している。白色雑音は、本質的にはガウス分布を有すると考えられるが、SNR(Signal to Noise Ratio)が高い場合は、近似的に、小さい直径の均質な確率分布を持つとみなしてもよい。
上記黒い円で表される各シンボルの信号点の分布を、複素平面の原点を中心に一定の回転角で位相回転したとき、各シンボル判定領域において、隣接する判定領域にあった黒い円がはみ出してきた面積Serrorと、元の判定領域にあった黒い円がはみ出さずに残った面積Scorrectとからシンボル・エラー・レートを概算できる。
図7(A)は、横軸を位相回転の回転角とし、縦軸に各シンボル判定領域について計算されたシンボル・エラー・レートをプロットしたグラフを示す。図7(A)に示すように、内側4つのシンボル判定領域(濃い灰色)は、25度前後まで位相回転しないとほとんど誤判定を生じさせず、最も余裕度が高いことが理解される。他のシンボル判定領域(白および薄い灰色)では、ともに10度前後から誤判定が起こり、急速にシンボル・エラー・レートを悪化させるが、四隅のシンボル判定領域(薄い灰色)の方が、比較的にエラーレートが低いことが理解される。
このように重み付け部216では、受信信号が小さな広がりを持つと仮定し、位相回転に対して、シンボル判定領域における誤判定の起こり易さをシンボル・エラー・レートとして余裕度を定量し、シンボル・エラー・レートが小さく余裕度が大きい判定領域の重み付けを重くしている。
なお、上述したシンボル・エラー・レートは、上述したように小さい直径の均質な確率分布を持つとみなして計算してもよいし、または、ガウス分布を有するとして計算してもよい。あるいは、近似的に、中心が回転して、ある判定領域についてその信号点の黒い円の外縁が隣接する判定領域に達するまでの角度、またはある判定領域について隣接する判定領域から黒い円がはみ出してくるまでの角度(許容幅)で、余裕度を比較して、重み付けを行ってもよい。なお、具体的な重み付けの値は、シンボル・エラー・レートや余裕幅に比例した関係を有するように設定されなくともよい。
図7(B)および図7(C)は、種々の雑音環境において、正しい信号点配置からの位相回転の回転角に対して、その位相回転が起こった場合の誤差ベクトル振幅(EVM:Error Vector Magnitude)をプロットしたグラフを示す。図7(B)は、重みを変えず全てのシンボル判定領域の重みを同一とした場合に算出される誤差ベクトル振幅を示し、図7(C)は、図5に示した重み付けを行った場合に算出される誤差ベクトル振幅を示す。誤差ベクトル振幅(EVM)は、複素平面上での正しい信号点の位置と測定された信号点との間のベクトルの大きさの違いを指標するものであり、平均基準信号電力、平均コンステレーション電力、またはピークコンステレーション電力などに従って正規化されている。
重み付けを行わなかった場合は、図7(B)に示すように、SNRが良い場合に、30度近辺に極小値が現れる。これは、判定指向では、位相回転によって信号点が隣接する判定領域にはみ出してしまうと、誤ったシンボルの信号点に基づいて誤差を評価してしまうため、本来正しくない隣の理想的な信号点の位置に近づくことにより、見かけ上、誤差が小さく評価されてしまうことに起因する。このような誤差評価関数における最小値ではない極小値の存在は、この極小値に向けたタップ係数の更新を引き起こし、本来の正しい位置へ適応的に導かれることが阻害される可能性を示唆する。
また、図7(B)では、SNRが低くなると、極小値は消失するが、依然として20度〜45度になだらかな勾配の領域が残される。適応アルゴリズムは、評価関数が改善される方向へパラメータを更新しているため、このような勾配がなだらか領域では、正しい改善方向を判定できない可能性がある。
これに対して、上述したシンボル判定領域に応じた重み付けを行った場合は、図7(C)に示すように、SNRが良い場合でも、重み付けを行わない場合に見られた20度〜45度付近の極小値が生じていない。また、評価関数の傾きも大きくなっており、信号点配置の正しい位置に収束し易くなっている。これは、信頼できるシンボル判定領域の誤差ベクトルを重く評価し、比較的誤判定を起こし易いシンボル判定領域の誤差ベクトルを軽く評価する上記重み付けの構成に基づくものである。
上述した重み付けを行うことにより、適応等化器200を適応的に正しい補正パラメータへ収束させやすくなる。なお、16QAMの場合は、4回回転対称性を有するため、正しい位置から90度位相回転した位置でEVMが極小値を示すことになる。このため、好ましくは、信号点配置の正しい位置からの位相回転角を変数として平均的な誤差を評価する評価関数が、正しい位置を中心とした90度(±45度)の範囲において正しい位置で唯一の極小値を有するように、重み付けが設定されるとよいと言える。より一般化すると、変調方式の信号点配置が有する回転対称性をn回として、正しい位置を中心とした360/n度の範囲において、正しい位置で唯一の極小値を有するように重み付けを設定することが好ましいと言える。
上述した重み付け方法を採用することにより、位相雑音による位相回転に対して誤りの少ないフィードバックができるとともに、評価関数が誤った位置で極小値を示さなくなり、補正パラメータが誤った点に収束してしまうことを防止することが可能となる。なお、上記重み付けにおいて、内側の4つのシンボル判定領域だけに重み値を与え、他の領域の重みをゼロにしてもよいが、更新頻度が落ちてしまうので、ある程度の重み値を与えることが好ましい。
また、上述した適応等化器200では、誤差ベクトルの重み付け評価に基づく更新ロジックにより、収束しやすくなるため、送受信されるフレームのペイロード(プリアンブル後のデータ部)中のトレーニングシーケンスを削減できる。しかしながら、フレームのデータ部において、その先頭部分や中間にトレーニングシーケンスを埋め込み、トレーニングシーケンスを用いて適応等化器200のトレーニングを行う態様を排除するものではない。さらに、タイミング同期および周波数同期で用いられるデータ部前のプリアンブルを用いて、適応等化器200のトレーニングを行ってもよい。さらに、図4に示す適応等化器200は、判定指向のシンボル間隔等化器を一例に示したが、特に限定されるものではなく、例えば、分数間隔等化器として構成してもよいし、フォアワードフィルタと、フィードバックフィルタとを含む判定帰還型等化器として構成してもよい。
以下、図8および図9を参照しながら、本実施形態において、更新ループの外側に設けられる補償器290(位相補償器230および直流オフセット補償器260)の詳細について説明する。位相補償器230および直流オフセット補償器260は、それぞれ、前段で補正されたベースバンド信号に対し、複数の補償パラメータ各々を用いて、並列に、複素平面上での幾何学的な操作(具体的には回転、平行移動)を試行し、得られた複数の試行シンボル系列から、誤差が最小となる補償パラメータのシンボル系列を選択し、後段にその信号を出力する補償器である。図8は、本発明の実施形態による位相補償器230のブロック図を示し、図9は、本発明の実施形態による直流オフセット補償器260のブロック図を示す。
まず、位相補償器230について説明すると、位相補償器230は、図8に示すように、複数の位相回転器232−1〜232−7と、各位相回転器232−1〜232−7に対応して設けられる複数の誤差評価部234−1〜234−7と、比較選択部236と、セレクタ238とを含み構成される。
位相回転器232各々には、当該位相補償器230に入力されるdシンボル分のベースバンド信号が並列化されて入力される。dは、データ幅であり、1以上の整数とすることができ、d=8なら8シンボル幅、d=16なら16シンボル幅を意味する。後段の誤差評価部234で平均的な評価を行う観点からは、コンステレーション中の全シンボル数に応じてある程度のシンボル幅を有することが好ましい。16QAMであれば、全16シンボル含まれるので、8シンボル幅や16シンボル幅としてよい。
また、図中、位相回転器232には、それぞれ、回転角のオフセット量{0,±iδ,±iδ,…,±iδ}が設定され、位相回転器232は、入力されたd個のシンボルそれぞれに対し、それぞれの設定されたオフセット量に応じて複素乗算し、複素平面内を所定回転角で位相回転したシンボル系列の信号を得る。なお、位相回転器232において、iは、虚数単位を表し、δ(j=1,2,…,m)は、回転角を表し、符号は、右回転および左回転を表す。また、試行されるレベル数は、2m+1(回転角0を含む。)となるが、レベル数やそれぞれのレベルに設定されるオフセットの刻み量は、特に限定されるものではなく、許容される回路規模と、求められる位相補償の精度とに応じて設定すればよい。
位相回転器232各々による補償結果は、誤差評価部234各々に入力される。誤差評価部234各々は、入力される補償結果(試行シンボル系列の信号)の誤差の評価値を計算する。誤差を評価する評価関数としては、例えば、誤差ベクトル振幅(EVM)を用いることができる。その場合は、誤差評価部234は、dシンボル分をブロックとして、誤差ベクトル振幅を計算する。評価結果は、比較選択部236に入力される。
比較選択部236は、各誤差評価部234から入力される評価結果を比較して、誤差ベクトル振幅が最小となるパスを出力するものとして選択する。比較選択部236から選択信号がセレクタ238に入力され、セレクタ238は、並列的に特定の回転角を位相回転させることによって得られる試行シンボル系列から、選択されたパスのシンボル系列の信号を後段に出力する。
なお、評価関数としては、上述したEVMの他、複数のシンボルについての誤差ベクトルの大きさの平均値、誤差ベクトルのI成分とQ成分との絶対値の和の平均値、複素平面上での正しいシンボル位置と測定されたシンボル位置との間の位相誤差の平均値、位相誤差および振幅誤差の和の平均値またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
続いて、図9を参照して、直流オフセット補償器260について説明すると、直流オフセット補償器260は、複数の平行移動器262−1〜262−7と、各平行移動器262−1〜262−7に対応して設けられる複数の誤差評価部264−1〜264−7と、比較選択部266と、セレクタ268とを含み構成される。
平行移動器262各々には、当該直流オフセット補償器260に入力されるdシンボル分のベースバンド信号が並列化されて入力される。図中、平行移動器262には、それぞれ、平行移動量のオフセット量{0,±δ,±δ,…,±δ}が設定され、平行移動器262は、入力されたdシンボルに対し、それぞれの設定されたオフセット量に応じて複素加減算を行い、複素平面内を所定移動量で平行移動したシンボル系列の信号を得る。
なお、平行移動器262において、δは、I成分についての平行移動器である場合は、実数であり、Q成分についての平行移動器である場合は、虚数である。また、試行されるレベル数は、2m+1となるが、レベル数やそれぞれのレベルに設定されるオフセットの刻み量は、特に限定されるものではなく、許容される回路規模と、求められる直流オフセット補償の精度とに応じて設定すればよい。
平行移動器262各々による補償結果は、誤差評価部264各々に入力され、誤差評価部264各々は、入力される直流オフセット補償の結果(試行シンボル系列の信号)の誤差の評価値を計算する。誤差評価関数としては、位相補償器230の場合と同様に、誤差ベクトル振幅(EVM)、複数のシンボルについての誤差ベクトルの大きさの平均値、誤差ベクトルのI成分とQ成分との絶対値の和の平均値、複素平面上での正しいシンボル位置と測定されたシンボル位置との間の位相誤差の平均値、位相誤差および振幅誤差の和の平均値またはこれらの組み合わせとすることができる。
比較選択部266は、各誤差評価部264から入力される評価結果を比較して、誤差評価値が最小となるパスを出力するものとして選択する。比較選択部266から選択信号がセレクタ268に入力され、セレクタ268は、並列的に特定の移動量で平行移動させることによって得られる試行シンボル系列から、選択されたパスのシンボル系列の信号を後段に出力する。
なお、説明する実施形態では、回路規模の観点から、I成分(実数成分)およびQ成分(虚数成分)各々に、2m+1のレベル数の直流オフセット補償器260が直列に接続されて、各成分独立に直流オフセット補償が行われる。しかしながら、他の実施形態では、δを複素数として、I成分およびQ成分まとめて所定レベル数(例えば各成分3レベルとして9レベル)の試行を行って、最小の誤差を有するパスを選択する態様としてもよい。
以下、図10を参照しながら、無線通信装置110が実行する通信方法について説明する。図10は、本実施形態による無線通信装置110が実行する受信処理における補償処理の全体フローを示すフローチャートである。図10中、左側のフローが、適応等化器200側で実行される処理に対応し、右側のフローが、補償器290側で実行される処理に対応する。
図10に示す適応等化器200側の処理は、ステップS100から開始され、ステップS101では、無線通信装置110は、適応等化器200で、ADC124を介してベースバンド信号を受信する。ステップS102では、無線通信装置110は、受信したベースバンド信号を適応等化器200前段の可変フィルタ部202に入力する。
ステップS103では、無線通信装置110は、可変フィルタ部202で等化されたベースバンド信号を適応等化器200の後段に出力する。ここで出力される信号は、典型的にはシンボル毎に後段の補償器290へ出力される。ステップS104では、無線通信装置110は、可変フィルタ部202で等化されたベースバンド信号から、シンボル判定部204でシンボル判定する。
ステップS105では、無線通信装置110は、重み付け部216により、判定されたシンボルの信号点が位置するシンボル判定領域に応じて、誤差評価の重み付け値を決定する。例えば、シンボル判定領域に対し重み値を対応付けるテーブルが事前に用意されており、判定されたシンボル判定領域をキーに該テーブルから重み値が取得される。ステップS106では、無線通信装置110は、減算器218により、等化された1シンボル分の信号の信号点と、判定されたシンボルの理想的な信号点との差分により誤差ベクトルを計算する。ステップS107では、無線通信装置110は、乗算器220により、決定された重み値を誤差ベクトルに乗算し、誤差を重み付け評価する。
ステップS108では、無線通信装置110は、更新アルゴリズムに従って、タップ係数更新部208により、遅延ラインの各値を要素とする入力信号ベクトルと、重み付け評価された誤差ベクトルとに基づきタップ係数を更新し、ステップS201へ処理をループさせる。図10の左側に示すステップS100〜ステップS108の処理は、典型的には、1シンボル分に対応するベースバンド信号毎に繰り返される。
図10の右側に示す補償器290側の処理は、ステップS200から開始され、ステップS201では、無線通信装置110は、位相補償器230で、ステップS103で示した適応等化器200から出力されたベースバンド信号を受信する。ステップS202では、無線通信装置110は、位相補償器230内の複数の位相回転器232により、複数の回転角を用いて、並列に、複素平面上でシンボル系列の位相回転を試行する。
ステップS203では、無線通信装置110は、複数の誤差評価部234により、位相回転によって得られた複数の試行シンボル系列を評価する。ステップS204では、無線通信装置110は、比較選択部236により、誤差評価部234各々での評価結果に基づき、誤差が最小となる回転角のシンボル系列に決定する。ここで決定されたシンボル系列の信号は、直流オフセット補償器260に入力される。
ステップS205では、無線通信装置110は、直流オフセット補償器260の複数の平行移動器262により、複数の移動量を用いて、並列に、複素平面上でシンボル系列の平行移動を試行する。ステップS206では、無線通信装置110は、複数の誤差評価部264により、平行移動によって得られた複数の試行シンボル系列を評価する。ステップS207では、無線通信装置110は、比較選択部266により、誤差評価部264各々評価結果に基づき、誤差が最小となる平行移動量のシンボル系列の信号に決定する。
ステップS208では、ステップS207で決定されたシンボル系列の信号を、直流オフセット補償器260の後段に出力する。以降、補償されたベースバンド信号に基づいてシンボル判定が行われ、データが復元されることになる。図10の右側に示すステップS200〜ステップS208の処理は、適応等化器200からのdシンボル分の出力に対応して、処理を繰り返すことができる。あるいは、他の実施形態では、適応等化器200からの各シンボルの出力に対応して、前後のdシンボル分の信号を用いて、処理を繰り返すことができる。
(実験例)
図3、図4、図8および図9で示した補償回路を、Xilinx社製のFPGA(Field Programmable Gate Array)上に実装し、ミリ波無線通信装置を構成した。搬送波としては60GHzの電磁波を用い、変調方式は、16QAMを採用した。LMSアルゴリズムを更新ロジックとし、更新ロジックにおける重み付けは、図5に示したものを用いた。位相補償器230は、7レベルとし、直流オフセット補償器260は、オフセット0を含めてI成分およびQ成分それぞれ、3レベルとした。実装されたミリ波無線通信装置を用いて、乱数発生器で発生させたビット列のデータをペイロードに乗せて、送信機から受信機へデータ伝送し、受信側で復調されるベースバンド信号を観測するとともに、その際のビット誤り率(BER:Bit Error Rate)を求めた。ペイロード前のプリアンブルは、トレーニングに用いたが、プリアンブル後のペイロード全域にわたり判定指向モードとした。
図11は、16QAMを用いる場合に各段階において観測された受信ベースバンド信号の各サンプルの信号点をIQ平面にプロットした散布図を示す。図11(A)は、適応等化器200で補正される前のベースバンド信号の信号点分布を示す。これに対して、図11(B)は、トレーニングシーケンスなしで送信され、図5に示す重み付けが設定された適応等化器を通過した後のベースバンド信号の信号点分布を示す。図11(C)は、さらに、位相補償器と、I成分およびQ成分の直流オフセット補償器とを通過した後のベースバンド信号の信号点分布を示す。
適応等化器を通す前では、図11(A)に示すように、信号点分布は、16QAMの信号点配置から顕著に逸脱したものとなった。これに対して、図5に示す重み付けを設定した適応等化器を通過させることにより、図11(B)に示すように、ペイロード中のトレーニングシーケンスなしでも、速い成分の位相雑音が残りながらも、図11(A)に比較して16QAMの信号点配置に近い形に補正がされていることが確認された。さらに、位相回転補償器および直流オフセット補償を通過させることにより、図11(C)に示すように、図11(A)に比べてはるかに16QAMの信号点配置に似た形となることが確認された。
図12は、従来技術の等化器を通過した後(×)、従来技術の等化器に代えて本実施形態による適応等化器200を通過した後(□)、さらに補償器290を通過した後(○)の各段階で計測されたBERをプロットしたグラフである。図12に示すように、重み付けを同一とした従来技術の等化器後のベースバンド信号に基づいてシンボル判定を行った場合、BERが9E−4程度であった。これに対して、上記適応等化器通過後のベースバンド信号に基づいてシンボル判定を行うと、3E−4に下がり、BERが改善されることが確認された。さらに、上記補償器を通過した後のベースバンド信号に基づいてシンボル判定を行うと、BERが、さらに1E−6まで下がり、3桁近くBERが改善されることが確認された。また、上記補償回路を実装したミリ波無線通信装置間のデータレートは、6Gbpsであった。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、高速通信において、受信信号に含まれる位相雑音を好適に補償するとともに、オーバヘッドを生じさせる既知パターンのペイロードへの挿入を削減できる、送信装置、受信装置、通信システム、回路装置、通信方法およびプログラムを提供することができる。
上述した実施形態による無線通信システムでは、受信側でベースバンド信号を等化する適応等化器の更新ロジックにおいて、信号空間ダイアグラム上でのシンボル信号点の位置に応じて、パラメータ更新で用いる誤差を重み付け評価している。信号空間ダイアグラム上でのシンボル信号点の位置が該当するシンボル判定領域に因って、位相雑音を受けた場合の誤判定の起こり易さが異なるところ、この構成により、位相雑音による位相回転に対して誤りの少ないフィードバックが可能となる。
特に、好ましい実施形態では、誤判定が比較的起こり難いシンボル判定領域で求められた比較的確からしい誤差が重く評価され、誤判定が比較的起こり易いシンボル判定領域で求められた比較的不確かな誤差ベクトルが軽く評価されように重み付けがなされている。このため、誤差の評価関数が、誤った位置で極小値を示さなくなり、補正パラメータが誤った点に収束してしまうことが防止される。
さらに好ましい実施形態による無線通信システムでは、適応等化器の更新ループの外部に補償器が設けられ、適応等化器のフィードバック遅延から、補償器の処理遅延が分離されている。適応等化器のフィードバックに補償器の遅延時間が含まれないので、適応等化器の位相雑音補償の応答性能が向上される。そして、比較的遅い位相雑音成分を担当する適応等化器で追従しきれない高い周波数の位相雑音や、データに依存する直流オフセットについては、後段の補償器で好適に追従して補償し、データ誤り率を改善できる。
また、上述した補償回路では、誤差の重み付け評価に基づく更新ロジックにより、収束しやすくなっている。このため、送受信されるフレームのペイロード中のトレーニングシーケンスを削減することができ、既知パターン挿入によるオーバヘッドが削減される。さらに、補償器で、速い成分の位相雑音および直流オフセットが好適に補償される。このため、好ましくは、送受信されるフレームのペイロード中のトレーニングシーケンスを不要にできる。さらに、デジタル回路で位相を充分に補償可能であるため、RF部に対する負担を軽減することができ、RF部の局部発振器に対する要求精度も緩和され、コストを削減できる。
なお、上述した実施形態では、適応等化器200、位相補償器230および直流オフセット補償器260を直列に接続するものとして説明した。しかしながら、通信チャネル特性において、遅い位相雑音が支配的な場合には、誤差ベクトルに重みをつけた適応等化器のみを用いる実施形態を採用してもよい。また、説明した実施形態では、位相補償器230と直流オフセット補償器260とは、位相補償器230が先に処理され、直流オフセット補償器260が後に処理されるように直列的に接続されている。しかしながら、位相雑音が少ない場合など、逆の接続になってもよい場合もある。さらに、上述した実施形態では、位相補償器230および直流オフセット補償器260(さらにはI成分とQ成分も)を別々の補償器で構成した。しかしながら、他の実施形態では、位相回転および平行移動の組み合わせを同時に演算し、その組み合わせの数だけ並列に配置し、各試行シンボル系列に対する評価関数を計算し、もっとも誤差の少ない系列を選ぶ実施形態としてもよい。
また、上述した実施形態では、ミリ波による無線通信を一例として説明したが、光有線通信など、シングルキャリア伝送方式およびコヒーレント検波方式を採用する高速通信全般に適用できる。
なお、上記機能部の一部または全部は、例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、あるいはASIC(特定用途向集積)として実装することができ、上記機能部をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog−HDLなどにより記述されたデータとして記録媒体により配布できる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
100…無線通信システム、102…ノート型パーソナル・コンピュータ、104…ディスプレイ装置、110,180…無線通信装置、112,182…アンテナ、114,184…RF部、116,186…ベースバンド部、118,188…アプリケーション・エンジン、120,190…プロトコル・スタック、122…受信回路、124…ADC、126…受信回路、128,198…局部発振器、192…送信回路、194…DAC、196…送信回路、200…適応等化器、202…可変フィルタ部、204…シンボル判定部、206…誤差重み付け評価部、208…タップ係数更新部、210…遅延ブロック、212…乗算器、214…加算器、216…重み付け部、218…減算器、220…乗算器、230…位相補償器、232…位相回転器、234,264…誤差評価部、236,266…比較選択部、238,268…セレクタ、260…直流オフセット補償器、262…平行移動器、290…補償器

Claims (17)

  1. シンボル系列を伝送する受信信号に対し補正を施すフィルタ部と、
    前記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部と、
    前記判定部により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部と、
    前記フィルタ部へ入力される受信信号と、前記重み付け部による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、前記フィルタ部の補正パラメータを更新する更新部と
    を含む受信装置。
  2. 前記誤差に対する評価の重み付けは、信号空間ダイアグラム内のシンボル判定領域各々に対し、位相回転に対する余裕度に応じた重み値を設定することによって行われる、請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記フィルタ部、前記判定部、前記重み付け部および前記更新部の更新ループの外部に設けられる補償器であって、前記フィルタ部で補正された信号に対し、複数の補償パラメータまたは複数の補償パラメータ・セット各々を用いて、並列に、複素平面上での幾何学的な操作を試行し、得られた複数の試行シンボル系列から、誤差評価に基づき出力シンボル系列を選択する、当該補償器をさらに含む、請求項1または2に記載の受信装置。
  4. 前記補償器は、位相補償器を含み、前記位相補償器は、
    複数の回転角各々を用いて、並列に、前記フィルタ部で補正された信号に対し複素平面での位相回転を試行する位相回転器、
    を含む、請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記補償器は、直流オフセット補償器を含み、前記直流オフセット補償器は、
    複数の平行移動量各々を用いて、並列に、前記フィルタ部で補正された信号に対し複素平面での平行移動を試行する平行移動器
    を含む、請求項3または4に記載の受信装置。
  6. 前記補償器は、
    回転角、平行移動量またはこれらの組み合わせに基づく試行結果各々を評価する評価部と、
    前記評価部の評価に基づき、誤差が最小化される回転角、平行移動量またはこれらの組み合わせを選択する選択比較部と
    をさらに含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の受信装置。
  7. 前記評価部は、複数のシンボルを用いて、誤差ベクトル振幅、誤差ベクトルの大きさの平均値、誤差ベクトルのI成分およびQ成分の絶対値の和の平均値、位相誤差の平均値、位相誤差および振幅誤差の絶対値の和の平均値、またはこれらの組み合わせを計算する、請求項6に記載の受信装置。
  8. 前記シンボル判定領域各々に対する重み値は、信号点配置の正しい位置からの位相回転角を変数として平均的な誤差を評価する評価関数が、前記信号点配置が有する回転対称性をn回として、前記正しい位置を中心とした360/n度の範囲において正しい位置で唯一の極小値を有するように設定される、請求項2に記載の受信装置。
  9. 前記受信装置は、シングルキャリア伝送の多値変調方式の信号を受信し、コヒーレント検波する受信装置であり、前記フィルタ部は、複数のタップフィルタを含み構成され、前記受信信号を時間領域で等化する適応等化器であり、前記フィルタ部の補正パラメータは、各タップフィルタのタップ係数であり、前記補正パラメータを更新する際の誤差評価は、前記補正された信号の誤差ベクトルに重み値を乗算したものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の受信装置。
  10. 送信装置と、受信装置とを含む通信システムであって、前記受信装置は、
    前記送信装置からの、シンボル系列を伝送する信号を受信する受信部と、
    前記受信部が受信した信号に対し補正を施すフィルタ部と、
    前記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部と、
    前記判定部により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部と、
    前記フィルタ部へ入力される信号と、前記重み付け部による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、前記フィルタ部の補正パラメータを更新する更新部と
    を含む、通信システム。
  11. 前記受信装置は、前記フィルタ部、前記判定部、前記重み付け部および前記更新部の更新ループの外部に設けられる補償器であって、前記フィルタ部で補正された信号に対し、複数の補償パラメータまたは複数の補償パラメータ・セット各々を用いて並列に、複素平面上での幾何学的な操作を試行し、得られた複数の試行シンボル系列から、誤差評価に基づき出力シンボル系列を選択する、当該補償器をさらに含む、請求項10に記載の通信システム。
  12. 前記送信装置は、フレームにおいて少なくともペイロードにわたってシンボル系列が未知であるフレームを送信することを特徴とする、請求項10または11に記載の通信システム。
  13. シンボル系列を伝送する信号が入力される入力部と、
    前記入力部に入力された信号に対し補正を施すフィルタ部と、
    前記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部と、
    前記判定部により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部と、
    前記フィルタ部へ入力される信号と、前記重み付け部による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、前記フィルタ部の補正パラメータを更新する更新部と、
    前記フィルタ部で補正された信号に基づき判定されたシンボル系列を出力する出力部と
    を含む回路装置。
  14. 前記フィルタ部、前記判定部、前記重み付け部および前記更新部の更新ループの外部に設けられた補償器であって、前記フィルタ部で補正された信号に対し、複数の補償パラメータまたは複数の補償パラメータ・セット各々を用いて、並列に、複素平面上での幾何学的な操作を試行し、得られた複数の試行シンボル系列から、誤差評価に基づき出力シンボル系列を選択する当該補償器をさらに含み、前記出力部は、選択された前記出力シンボル系列を出力する、請求項13に記載の回路装置。
  15. 送信装置と通信する受信装置が実行する通信方法であって、前記受信装置が、
    前記送信装置からの、シンボル系列を伝送する信号を受信するステップと、
    受信した信号をフィルタ部に入力するステップと、
    前記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定するステップと、
    判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行うステップと、
    前記フィルタ部へ入力される信号と、前記重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、前記フィルタ部の補正パラメータを更新するステップと
    を含む、通信方法。
  16. 前記判定するステップ、前記評価の重み付けを行うステップおよび前記更新するステップを含む更新ループの外側で、前記受信装置が、
    前記フィルタ部で補正された信号に対し、複数の補償パラメータまたは複数の補償パラメータ・セット各々を用いて、並列に、複素平面上での幾何学的な操作を試行するステップと、
    得られた複数の試行シンボル系列から、誤差評価に基づき出力シンボル系列を選択するステップと
    をさらに含む、請求項15に記載の通信方法。
  17. プログラマブル・デバイスを、
    シンボル系列を伝送する信号に対し補正を施すフィルタ部、
    前記フィルタ部で補正された信号に基づきシンボルを判定する判定部、
    前記判定部により判定されたシンボルの信号点の位置に応じて、誤差に対する評価の重み付けを行う重み付け部、および
    前記フィルタ部へ入力される信号と、前記重み付け部による重み付けに応じた誤差評価とに基づいて、前記フィルタ部の補正パラメータを更新する更新部
    として機能させるためのプログラム。
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