JP2015115337A - 炭化珪素半導体装置とその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さず、ウェル領域と電極のコンタクト抵抗が低い炭化珪素半導体装置、およびその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る炭化珪素半導体装置は、ウェル領域13の表層に選択的に形成された第2導電型のウェルコンタクト領域15と、ウェル領域13内の表層において第2導電型のウェルコンタクト領域15に隣接して形成され、エピタキシャル層12との間のウェル領域13の表面をチャネル領域と規定する第1導電型のソース領域14と、チャネル領域上に形成されたゲート酸化膜21と、ゲート酸化膜21上に形成されたゲート電極22と、隣接したソース領域14およびウェルコンタクト領域15に対し一体的に接触するソース電極24と、を備え、ウェルコンタクト領域15は、ソース電極24との接触面に凹部31,32を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、炭化珪素半導体装置とその製造方法に関する。
インバータ等のパワーエレクトロニクス機器の省エネルギー化を図るために、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipola Transistor:IGBT)や金属−酸化膜−半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)等の半導体スイッチング素子の損失を低減させる必要がある。
損失は、素子の導通損やスイッチング損失により決定されるため、これらを低減させるべく、炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ半導体材料を用いる開発が進められている。
パワーMOSFETやIGBTにおいて、n型領域とp型領域のオーミックコンタクトを同一電極材料で形成するプロセスは、微細化や生産性の観点から重要技術である。しかしSiC半導体の場合、当該プロセスにおいてp型領域と電極とのコンタクト抵抗が比較的大きくなることが分かっている。
SiC−MOSFETでは、スイッチング時にpウェル領域の電位を安定させるために、p型領域と電極とのコンタクト抵抗を低減させることが重要である。そこで、当該コンタクト抵抗の低減を目的とした技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の半導体装置では、p型半導体領域上にp型エピ層を選択エピタキシャル成長させることで、良好な結晶を得ることができると共に高濃度層を形成できる。これにより、電極とp型領域との障壁を薄くすることができ、コンタクト抵抗を低減できる。
特許第3707424号公報
しかし、特許文献1の半導体装置を製造するには追加の選択エピタキシャル成長プロセスが必要となり、製造コストが大幅に増大する。また、将来的には高性能化や小型化のために、素子の電流密度を向上させる技術が求められることが考えられ、そのためには素子の構造の微細化が必要となるところ、このような複雑なプロセスは素子の微細化には不利である。
本発明は上述の問題点に鑑み、追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さず、ウェル領域と電極のコンタクト抵抗が低い炭化珪素半導体装置、およびその製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る炭化珪素半導体装置は、第1導電型のSiC基板と、SiC基板上に形成された第1導電型のエピタキシャル層と、エピタキシャル層の表層に選択的に形成された第2導電型のウェル領域と、ウェル領域の表層に選択的に形成された第2導電型のウェルコンタクト領域と、ウェル領域の表層において第2導電型のウェルコンタクト領域に隣接して形成され、エピタキシャル層との間のウェル領域の表面をチャネル領域と規定する第1導電型の不純物領域と、チャネル領域上に形成されたゲート酸化膜と、ゲート酸化膜上に形成されたゲート電極と、隣接した不純物領域およびウェルコンタクト領域に対し一体的に接触する電極と、を備え、ウェルコンタクト領域は、電極との接触面に凹部を有する。
本発明に係る炭化珪素半導体装置は、第1導電型のSiC基板と、SiC基板上に形成された第1導電型のエピタキシャル層と、エピタキシャル層の表層に選択的に形成された第2導電型のウェル領域と、ウェル領域の表層に選択的に形成された第2導電型のウェルコンタクト領域と、ウェル領域の表層において第2導電型のウェルコンタクト領域に隣接して形成され、エピタキシャル層との間のウェル領域の表面をチャネル領域と規定する第1導電型の不純物領域と、チャネル領域上に形成されたゲート酸化膜と、ゲート酸化膜上に形成されたゲート電極と、隣接した不純物領域およびウェルコンタクト領域に対し一体的に接触する電極と、を備え、ウェルコンタクト領域は、電極との接触面に凹部を有する。従って、追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さず製造可能な構成で、かつウェル領域と電極のコンタクト抵抗が低い炭化珪素半導体装置となる。
実施の形態1に係るMOSFETの断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程の第1変形例を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程の第1変形例を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程の第2変形例を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程の第2変形例を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの製造工程の第2変形例を示す断面図である。 実施の形態2に係るMOSFETの断面図である。 実施の形態2に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るMOSFETの製造工程を示す断面図である。
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
図1は、実施の形態1に係る炭化珪素半導体装置であるnチャネル型のSiC−MOSFET101の断面図である。
SiC−MOSFET101は、n型のSiC基板11、n型のエピタキシャル層12、p型のウェル領域13、n型のソース領域14、p型のウェルコンタクト領域15、ゲート酸化膜21、ゲート電極22、層間絶縁膜23、ソース電極24、ドレイン電極25を備えている。
SiC基板11の第1主面上にエピタキシャル層12が形成され、第2主面上にドレイン電極25が形成される。
エピタキシャル層12の表層には、選択的に複数のウェル領域13が形成される。また、ウェル領域13の表層にはソース領域14およびウェルコンタクト領域15が形成される。ウェルコンタクト領域15は、ソース領域14とウェル領域13の電位を同一にすることで、スイッチング特性を安定させるために設けられる。
ソース領域14は、ウェル領域13の表層において、ウェルコンタクト領域15の周囲に形成される。ウェルコンタクト領域15の表面には凹部31が形成されている。言い換えれば、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされる。
ソース領域14およびウェルコンタクト領域15上にはソース電極24が形成される。従って、ソース電極24は、ソース領域14およびウェルコンタクト領域15と電気的に接触する。上述の通り、ウェルコンタクト領域15の表面には凹部31が形成されており、ソース電極24は凹部31においてウェルコンタクト領域15と接触する。このような構造によれば、凹部31がない場合に比べて、ソース電極24とウェルコンタクト領域15の接触面積が増加するため、コンタクト抵抗が低減する。
ソース領域14上の一部からウェル領域13上、さらにエピタキシャル層12上に亘って、ゲート酸化膜21を介してゲート電極22が形成される。ゲート電極22上には層間絶縁膜23が形成され、ゲート電極22をソース電極24と分離している。
<A−2.動作>
次に、SiC−MOSFET101の動作について説明する。
ゲート電極22に正の電圧を印加すると、ウェル領域13の表層に電流の経路であるチャネルが形成される。ソース領域14とエピタキシャル層12に挟まれた、ウェル領域13の表層がチャネル領域となる。この状態でドレイン電極に正の電圧を印加すると、ドレイン電極25からSiC基板11、エピタキシャル層12、ウェル領域13の表層(チャネル領域)、ソース領域14を経て、ソース電極24に電流が流れる。
一方、ゲート電極22から正の電圧を除去する、もしくはゲート電極22に負の電圧を印加すると、チャネルが除去される。これにより、ドレイン電極25に高電圧を印加しても、ドレイン−ソース間の電流を遮断することができる。このときウェルコンタクト領域15は、ウェル領域13の電位をソース電極24の電位と同一にして、安定したスイッチングの実現に寄与する。
SiCを半導体材料とした場合、同一電極材料を用いてp型領域(ウェルコンタクト領域15)およびn型領域(ソース領域14)のオーミックコンタクトを形成すると、p型領域のコンタクト抵抗率が大きくなることが分かっている。しかし、SiC−MOSFET101のウェルコンタクト領域15は、その表面に凹部31が形成されているため、凹部31の底面と側面により、3次元的にソース電極24と接触する。従って、凹部31が形成されない場合と比較して接触面積が大きくなる。そのため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24とのコンタクト抵抗が低減する。
また、ソース電極24からウェルコンタクト領域15、ウェル領域13、エピタキシャル層12、SiC基板11、ドレイン電極という経路でPNダイオードのように電流を流すことができ、ボディダイオードと呼ばれている。上述のようにウェルコンタクト領域15の表面に凹部31を形成することによって、ウェルコンタクト領域15のコンタクト抵抗が低減されることから、このボディダイオードの電圧降下を低減させることも可能である。
<A−3.製造工程>
図2〜5は、SiC−MOSFET101の製造工程を示す断面図である。以下、図2〜5に沿って、SiC−MOSFET101の製造工程を説明する。
まず、n型で低抵抗のSiC基板11を用意し、SiC基板11の第1主面上にn型のエピタキシャル層12をエピタキシャル成長させる(図2)。エピタキシャル層12において、n型の不純物濃度は例えば1×1013cm−3〜1×1018cm−3であり、厚さは4μm〜200μmとする。これらの値は、半導体装置に求められる耐圧に応じて適宜設定される。
次に、公知のリソグラフィ技術、イオン注入技術等を用いて、エピタキシャル層12の表層にp型のウェルコンタクト領域15を形成する(図3)。フォトリソグラフィによって加工されたレジスト又は酸化膜などをマスク41として、例えばAlイオンを注入し、ウェルコンタクト領域15を形成する。ウェルコンタクト領域15の深さは0.3μm〜1.0μm程度、不純物濃度は1×1017cm−3〜1×1021cm−3程度とする。また、ウェルコンタクト領域15を形成する際、基板温度は150℃以上であることが望ましい。イオン注入を行うと、図3に示すように、注入イオンの散乱によってマスク41の開口部端から断面図の横方向に数十〜数百nm離れた領域までウェルコンタクト領域15が形成される。あるいは、基板に対して斜めかつ複数の方向からイオン注入を行い、あるいは基板を回転させながら斜め方向からイオン注入を行うことによって、マスク41の開口部端から断面図の横方向に離れた領域までウェルコンタクト領域15を形成しても良い。
次に、公知のエッチング技術により、ウェルコンタクト領域15形成に用いたマスク41を介して、ウェルコンタクト領域15の表面に凹部31を形成する(図4)。凹部31の深さは、ウェルコンタクト領域の深さを超えないようにし、例えば50nm〜0.9μm程度とする。これにより、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされた形状となる。
ところで、半導体プロセスでは各マスクの位置をアライメントするための基準となるアライメントマーク(図示せず)を形成する必要がある。一般的に、SiCを用いた半導体プロセスでは高温のアニールプロセスが含まれるため、半導体表面をエッチング加工してアライメントマークが形成される。このアライメントマークの形成工程は、上述の凹部31の形成工程と同一に行うことができる。このような製造方法を採用することで製造工程数を削減することができ、コスト低減や歩留まり向上が実現する。
次に、公知のリソグラフィ技術、エッチング技術、イオン注入技術等を用いて、p型のウェル領域13およびn型のソース領域14を形成する(図5)。フォトリソグラフィによって加工されたレジスト又は酸化膜などをマスクとして、例えばNイオンを注入してソース領域14を、Alイオンを注入してウェル領域13を形成する。ウェル領域13は、例えば不純物濃度を1×1015cm−3〜1×1018cm−3程度、注入深さを0.3μm〜2.0μmとする。ソース領域14は、不純物濃度をウェル領域13の不純物濃度より大きく、例えば1×1017cm−3〜1×1021cm−3程度とし、底面がウェル領域13の底面を超えないように形成する。
次に、熱処理装置によって、Arガスなどの不活性ガス雰囲気中でアニールを行う。アニールは例えば1300℃〜1900℃の温度で、30秒〜1時間行う。このアニールによって、イオン注入されたN等のn型不純物およびAl等のp型不純物を活性化させる。
次に、ゲート酸化膜21およびゲート電極22の形成を行い、層間絶縁膜23の形成を行ってからソース電極24、およびドレイン電極25の形成を行うことで、図1に示すようなSiC−MOSFET101が完成する。ゲート酸化膜21は、例えば熱酸化法又は堆積法による工程と、それらの工程の後の窒素やアンモニア雰囲気中における熱処理工程によって形成する。
ゲート電極22は例えばポリシリコンをCVD法により堆積し、フォトリソグラフィにより加工されたレジストをマスクとしてエッチングを行って形成する。ポリシリコンには、燐や硼素のような不純物が含まれていてもよい。不純物が含まれることで低シート抵抗を実現することができる。
層間絶縁膜23は例えばCVD法等により堆積し、ゲート電極22とソース電極24を分離して取り出すため、ゲート電極22の少なくとも一部、ソース領域14、およびウェルコンタクト領域15を露出させるようにエッチングを行う。なおゲート電極22の配線は図示しないが、SiC−MOSFET101の外周部で露出させて、ソース電極24とゲート電極22を分離した形で同時に形成できるようにする。
その後、エッチングによって露出したソース領域14とウェルコンタクト領域15に対してソース電極24をオーミック接触させるために、例えば基板全面にNiを成膜し、600〜1000℃で熱処理を行うことでシリサイドを形成する(図示せず)。層間絶縁膜23に残留したNiはウェットエッチングで除去する。
このようなプロセスでは、n型領域(ソース領域14)とp型領域(ウェルコンタクト領域15)をソース電極24に対して同時にオーミック接触できるため、SiC−MOSFETの製造工程において有用である。しかし、p型領域(ウェルコンタクト領域15)のコンタクト抵抗率がn型領域(ソース領域14)に対して相対的に大きくなることが分かっている。その点、上述したように図1に示すSiC−MOSFET101では、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされるため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24との接触面積が大きくなる。従って、コンタクト抵抗を低減させることが可能である。
同様に、SiC基板11の裏面にもシリサイドを形成する。これによってSiC基板11とドレイン電極25との良好なオーミックコンタクトを実現することができる。
ゲート電極22を取り出す配線とソース電極24は、Al、Cu、Ti、Ni、Mo、W、Taやそれらの窒化物やそれらの積層膜やそれらの合金層からなる金属をスパッタリング法や蒸着法によって堆積し、パターニングを行うことで形成する。ドレイン電極25はTi、Ni、Ag、Auなどの金属膜をスパッタ法や蒸着法で形成する。
<A−4.製造工程の第1変形例>
図6,7はSiC−MOSFET101の製造工程の第1変形例を示す断面図である。第1変形例は、図3,4で示したウェルコンタクト領域15の形成工程を図6,7で示す工程に置き換えたものであり、エッチング工程(図6)の後にイオン注入工程(図7)を経る。以下、図6,7に沿って第1変形例におけるウェルコンタクト領域15の形成工程を説明する。
開口部がテーパー形状のマスク42を用いてエピタキシャル層12をエッチングし、凹部31を形成する(図6)。なお、テーパー形状のマスク42は、例えばシリコン酸化膜をマスク材とする場合、フッ化水素酸を用いたウェットエッチングにより形成することが可能である。その後、同一のマスク42を用いてイオン注入を行うと、凹部31の底面および側面に、ウェルコンタクト領域15がオーバーラップして形成される(図7)。
また、マスク42の開口部をテーパー形状とすることにより、マスク42の開口部端から断面図の横方向に離れた領域までイオンが注入される。従って、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされた形状を安定的に形成することが可能である。
なお、ウェルコンタクト領域15の製造工程として、イオン注入工程(図3)の後にエッチング工程(図4)を経る場合に、図3,4のマスク41をテーパー形状としても良く、同様の効果を奏する。
また、図7のイオン注入工程では、基板に対して斜めかつ複数の方向からイオン注入を行い、あるいは基板を回転させながら斜め方向からイオン注入を行っても良い。これにより、マスクがテーパー形状を有していない垂直もしくはそれに近い形状のマスクであっても、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされた形状を安定的に形成することができる。
<A−5.製造工程の第2変形例>
図8〜10はSiC−MOSFET101の製造工程の第2変形例を示す断面図である。第2変形例は、図3,4で示したウェルコンタクト領域15の形成工程を図8〜10で示す工程に置き換えたものである。以下、図8〜10に沿って第2変形例におけるウェルコンタクト領域15の形成工程を説明する。
マスク43,44からなる2層構造のマスクを用いて、エピタキシャル層12をエッチングし、凹部31を形成する(図8)。マスク43は、例えばシリコン酸化膜であり、イオン注入によるウェルコンタクト領域15の形成に用いられる。マスク44は、例えばレジストであり、マスク43をエッチングするために用いられる。
次に、例えばフッ化水素酸を用いたウェットエッチングによりマスク43をシュリンクさせる(図9)。マスク43にシリコン酸化膜、マスク44にレジストを用いると、図9に示すように、フッ化水素酸を用いたウェットエッチングによりマスク43は顕著に後退する。
その後、マスク44を除去し、マスク43を介してイオン注入を行うことによりウェルコンタクト領域15を形成する(図10)。こうして、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされた形状が形成される。
なお、第1変形例を第2変形例と組み合わせて、マスク43,44の開口をテーパー形状としても良い。これにより、マスク43,44の開口部端から断面図の横方向に離れた領域までイオンが注入されるため、凹部31の底面および側面にウェルコンタクト領域15がオーバーラップされた形状を安定的に形成することが可能である。
<A−6.効果>
実施の形態1に係るMOSFET101は、第1導電型のSiC基板11と、SiC基板11上に形成された第1導電型のエピタキシャル層12と、エピタキシャル層12の表層に選択的に形成された第2導電型のウェル領域13と、ウェル領域13の表層に選択的に形成された第2導電型のウェルコンタクト領域15と、ウェル領域13内の表層において第2導電型のウェルコンタクト領域15に隣接して形成され、エピタキシャル層12との間のウェル領域13の表面をチャネル領域と規定する第1導電型のソース領域14(不純物領域)と、チャネル領域上に形成されたゲート酸化膜21と、ゲート酸化膜21上に形成されたゲート電極22と、隣接したソース領域14およびウェルコンタクト領域15に対し一体的に接触するソース電極24(電極)と、を備え、ウェルコンタクト領域15は、ソース電極24との接触面に凹部31を有する。凹部31によりウェルコンタクト領域15とソース電極24の接触面積が大きくなるため、コンタクト抵抗が低減する。また、凹部31の形成には追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さないため、低コストに製造可能な構成である。
また、MOSFET101の製造方法は、(a)マスク41を用いてエピタキシャル層12にイオン注入を行い、ウェルコンタクト領域15を形成する工程と、(b)工程(a)の後、工程(a)と同一のマスク41を用いてウェルコンタクト領域15をエッチングし、その表面に凹部31を形成する工程と、を備える。以上の工程により製造されたMOSFET101は、ウェルコンタクト領域15の表面に凹部31が形成されるため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24の接触面積が大きくなる。よって、両者のコンタクト抵抗を小さくすることができる。また、凹部31の形成には追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さないため、低コストにMOSFET101を製造可能である。
あるいは、MOSFET101の製造方法は、(c)マスク42を用いてエピタキシャル層12をエッチングする工程と、(d)工程(c)の後、工程(c)と同一のマスク42を用いてエピタキシャル層12にイオン注入を行う工程と、を備える。以上の工程により製造されたMOSFET101は、ウェルコンタクト領域15の表面に凹部31が形成されるため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24の接触面積が大きくなる。よって、両者のコンタクト抵抗を小さくすることができる。また、凹部31の形成には追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さないため、低コストにMOSFET101を製造可能である。
また、工程(c)において、マスク42をテーパー形状を有するマスクとすれば、凹部31の側面の表層に、安定的にイオン注入を行ってウェルコンタクト領域15を形成することが可能である。
また、工程(c)において、注入面に対して斜め方向からのイオン注入、又は注入面を回転させながらイオン注入を行えば、たとえイオン注入に用いるマスクの開口が垂直であっても、凹部31の側面の表層に、安定的にイオン注入を行ってウェルコンタクト領域15を形成することが可能である。
あるいは、MOSFET101の製造方法は、(e)マスクを用いてエピタキシャル層をエッチングする工程と、(f)工程(e)の後、工程(e)で用いたマスクをエッチングによりシュリンクする工程と、(g)工程(f)でシュリンクしたマスクを用いてエピタキシャル層にイオン注入を行い、ウェルコンタクト領域を形成する工程と、を備える。以上の工程により製造されたMOSFET101は、ウェルコンタクト領域15の表面に凹部31が形成されるため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24の接触面積が大きくなる。よって、両者のコンタクト抵抗を小さくすることができる。また、凹部31の形成には追加の選択エピタキシャル成長プロセスを要さないため、低コストにMOSFET101を製造可能である。
<B.実施の形態2>
<B−1.構成>
図11は、実施の形態2に係る炭化珪素半導体装置であるnチャネル型のSiC−MOSFET102の構成を示す断面図である。SiC−MOSFET102は、ウェルコンタクト領域15の表面に、2段の階段状の凹部32が形成されている点が、SiC−MOSFET101の構成と異なる。なお、図11では凹部32の段数を2としているが、段数は複数である限り任意である。
実施の形態1のSiC−MOSFET101のウェルコンタクト領域15における凹部31では、その深さに比例して、ウェルコンタクト領域15とソース電極24の接触面積が大きくなる。しかし、凹部31の深さがウェルコンタクト領域15の深さに近い程度まで深くなると、凹部側面の深い部分の表層に不純物が十分注入されないことが懸念される。
そこで、実施の形態2では複数段差状の凹部32をウェルコンタクト領域15の表面に形成することにより、凹部31に比べて、さらにウェルコンタクト領域15とソース電極24との接触面積を大きくすることができる。従って、ウェルコンタクト領域15とソース電極24のコンタクト抵抗をさらに低減させることができる。また、凹部が複数段になることで、各段階の凹部深さが低減されるため、凹部側面の表層に、安定的に不純物を注入しやすくなる。
<B−2.製造工程>
図12〜16は、SiC−MOSFET102におけるウェルコンタクト領域15の形成工程を示す断面図である。以下、図12〜16に沿って、SiC−MOSFET102の製造方法を説明する。但し、ウェルコンタクト領域15の形成工程以外は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
実施の形態1の変形例3と同様に、マスク45,46からなる2層構造のマスクを用いてエピタキシャル層12をエッチングし、1段の凹部33を形成する(図12)。マスク45は、例えばシリコン酸化膜であり、イオン注入によるウェルコンタクト領域15の形成に用いられる。マスク46は、例えばレジストであり、マスク45をエッチングするために用いられる。
次に、例えばフッ化水素酸を用いたウェットエッチングによりマスク45をシュリンクさせる(図13)。マスク45にシリコン酸化膜、マスク46にレジストを用いると、図13に示すように、フッ化水素酸を用いたウェットエッチングによりマスク45は顕著に後退する。
その後、マスク46を除去し、マスク45を介してエッチングを行い2段目の凹部を形成する(図14)。こうして、2段の階段状の凹部32が形成される。
次に、例えばフッ化水素酸を用いてウェットエッチングでマスク45を再度シュリンクさせる(図15)。
最後に、マスク45を介してイオン注入によりウェルコンタクト領域15を形成する(図16)。こうして、2段階の凹部32を表面に有するウェルコンタクト領域15が形成される。言い換えれば、2段階の凹部32とその側面および底面の表層がウェルコンタクト領域15に含まれる形状となる。
その後は実施の形態1と同様のプロセスを経ることで、図11に示すSiC−MOSFET102が完成する。
なお、3段階以上の凹部を形成する場合は、上述したマスク45のシュリンク工程と、エピタキシャル層12のエッチングプロセスを複数回繰り返せば良い。
<B−3.効果>
実施の形態2のMOSFET102では、ウェルコンタクト領域15がソース電極24との接触面に有する凹部32を複数段の段差状としているため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24との接触面積をより大きくすることができる。従って、ウェルコンタクト領域15とソース電極24のコンタクト抵抗をさらに低減させることができる。また、凹部32が複数段になることで、各段階の凹部深さが低減されるため、凹部32側面の表層に、安定的に不純物を注入しやすくなる。
また、MOSFET102の製造方法では、(e)マスクを用いてエピタキシャル層をエッチングする工程と、(f)工程(e)の後、工程(e)で用いたマスクをエッチングによりシュリンクする工程と、を交互に複数回繰り返す。以上の工程により製造されたMOSFET102では、ウェルコンタクト領域15の表面が複数段の段差状の凹部32となるため、ウェルコンタクト領域15とソース電極24との接触面積をより大きくすることができる。従って、ウェルコンタクト領域15とソース電極24のコンタクト抵抗をさらに低減させることができる。また、凹部32が複数段になることで、各段階の凹部深さが低減されるため、凹部32側面の表層に、安定的に不純物を注入しやすくなる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
11 SiC基板、12 エピタキシャル層、13 ウェル領域、14 ソース領域、15 ウェルコンタクト領域、21 ゲート酸化膜、22 ゲート電極、23 層間絶縁膜、24 ソース電極、25 ドレイン電極、31〜33 凹部、41〜46 マスク、101,102 SiC−MOSFET。

Claims (8)

  1. 第1導電型のSiC基板と、
    前記SiC基板上に形成された第1導電型のエピタキシャル層と、
    前記エピタキシャル層の表層に選択的に形成された第2導電型のウェル領域と、
    前記ウェル領域の表層に選択的に形成された第2導電型のウェルコンタクト領域と、
    前記ウェル領域の表層において前記第2導電型のウェルコンタクト領域に隣接して形成され、前記エピタキシャル層との間の前記ウェル領域の表面をチャネル領域と規定する第1導電型の不純物領域と、
    前記チャネル領域上に形成されたゲート酸化膜と、
    前記ゲート酸化膜上に形成されたゲート電極と、
    隣接した前記不純物領域および前記ウェルコンタクト領域に対し一体的に接触する電極と、
    を備え、
    前記ウェルコンタクト領域は、前記電極との接触面に凹部を有する、
    炭化珪素半導体装置。
  2. 前記凹部は複数段の段差状である、
    請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
    (a)マスクを用いて前記エピタキシャル層にイオン注入を行い、前記ウェルコンタクト領域を形成する工程と、
    (b)前記工程(a)の後、前記工程(a)と同一のマスクを用いて前記ウェルコンタクト領域をエッチングし、その表面に前記凹部を形成する工程と、を備えた、
    炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
    (c)マスクを用いて前記エピタキシャル層をエッチングする工程と、
    (d)前記工程(c)の後、前記工程(c)と同一のマスクを用いて前記エピタキシャル層にイオン注入を行う工程と、を備える、
    炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記工程(c)は、テーパー形状を有するマスクを用いて前記ウェル領域をエッチングする工程である、
    請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記工程(d)は、注入面に対して斜め方向からのイオン注入、又は注入面を回転させながらイオン注入を行う工程である、
    請求項4又は5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
    (e)マスクを用いて前記エピタキシャル層をエッチングする工程と、
    (f)前記工程(e)の後、前記工程(e)で用いたマスクをエッチングによりシュリンクする工程と、
    (g)前記工程(f)でシュリンクしたマスクを用いて前記エピタキシャル層にイオン注入を行い、前記ウェルコンタクト領域を形成する工程と、を備える、
    炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記工程(e)と前記工程(f)を交互に複数回繰り返す、
    請求項7に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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