JP2015114919A - 透明導電性フィルム及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

透明導電性フィルム及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Naoki Sugiyama
直樹 杉山
鈴木 貴久
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Abstract

【課題】屈曲時の抵抗性及び環境耐久性に優れた透明導電性フィルムを提供する。
【解決手段】環状オレフィン系樹脂他を主成分とする基板上に積層され導電性ナノワイヤー及びマトリックスを含む導電層とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、透明導電性フィルム及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして透明なタッチパネルを取り付けることが主流となっている。このタッチパネルの方式としては、抵抗膜式、静電容量式等が挙げられる。特に、静電容量式のタッチパネルはマルチタッチが可能であり、モバイル機器等の用途に多く採用されている。この種の静電容量式のタッチパネルは、基板の表面及び裏面にそれぞれX座標及びY座標のパターンを形成した透明導電層が形成され、これが金属配線パターンを介して回路に接続される構造になっており、表面の透明導電層と裏面の透明導電層との間の電圧変化を検知できるようになっている。
透明導電層としては、可視光透過率が高く、かつ表面抵抗率の低いこと、抵抗値の面内均一性に優れること、環境特性に優れていることから、インジウム系酸化物(ITO)を主成分としたものが広く用いられている。しかし、ITOの原料であるインジウムは高価であり、安定供給に限界があること、薄膜作製に真空過程を必要とするために製造コストが高くなること、また、ITO膜は脆く、曲げ耐性に劣る、屈曲時の表面抵抗が高い等の不都合があることから、インジウム系酸化物に代わる導電層として、透明性及び導電性に優れる銀等の金属ナノワイヤーを含む透明導電材料から構成される導電層が提案されている(特表2009−505358号公報参照)。
一方、基板としては、加工性や取扱性に優れていることから、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等が広く用いられているが、基板にPETフィルム等から構成される基板を用いると、黒字を表示した際に反射光による白ぼけが観察されるなど視認性が低下するという不都合がある。このため、PETフィルムの代わりにセルロースアシレートフィルムを基板として用いることで、視認性の改善に加え、基板と金属ナノワイヤー等の透明導電材料から構成される導電層との密着性を向上させることが提案されている(特開2013−161404号公報参照)。
しかし、上記従来の基板上に金属ナノワイヤー等の透明導電材料から構成される導電層を有する透明導電性フィルムは、種々の温度、湿度環境下において、経時的に表面抵抗率が上昇するなど環境耐久性が不十分であるという不都合があり、これらの改善も望まれている。
特表2009−505358号公報 特開2013−161404号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、屈曲時の低抵抗性及び環境耐久性に優れると共に、全光線透過率、ヘイズ、基板と導電層との密着性及び抵抗値の面内均一性をバランスよく備える透明導電性フィルムの提供を目的とする。また、断線が無くマルチタッチが可能であると共に操作性及び視認性に優れる表示装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂を主成分とする基板と、この基板上に積層され導電性ナノワイヤー及びマトリックスを含む導電層とを備える透明導電性フィルムである。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
導電性ナノワイヤー、マトリックス及び溶媒を含む組成物を用い、環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂を主成分とする基板上に塗布する工程、及び上記塗布した組成物から上記溶媒を除去する工程を有する透明導電性フィルムの製造方法である。
また、上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、
当該透明導電性フィルムを含む表示装置である。
本発明の透明導電性フィルムは、屈曲時の低抵抗性及び環境耐久性に優れると共に、全光線透過率、ヘイズ、基板と導電層との密着性及び抵抗値の面内均一性をバランスよく備える。また、本発明の表示装置は、断線が無くマルチタッチが可能であると共に操作性及び視認性に優れる。
実施例において使用する第1のポリイミド粘着テープを示す模式的平面図である。 実施例において第1のポリイミド粘着テープを当該透明導電性フィルムに貼り付けた状態を示す模式的平面図である。 実施例で使用する第2のポリイミド粘着テープを示す模式的平面図である。 実施例において第2のポリイミド粘着テープを当該透明導電性フィルムに貼り付けた状態を示す模式的平面図である。 実施例において図2と図4の透明導電性フィルムを貼り合わせて得られる透明導電性フィルム積層体を示す模式的平面図である。
<透明導電性フィルム>
本発明の透明導電性フィルムは、基板とこの基板上に積層される導電層とを備える。さらに、当該透明導電性フィルムは、本願発明の性能を向上させるため、例えば保護層、反射防止層、防眩層、障壁層等のその他の層を備えてもよい。
[基板]
当該透明導電性フィルムに用いられる基板は、環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂を主成分とする。当該透明導電性フィルムは、上記特定の樹脂を主成分とする基板と上記特定の導電層とを備えることで、屈曲時の低抵抗性及び環境耐久性に優れると共に、全光線透過率、ヘイズ、基板と導電層との密着性及び抵抗値の面内均一性をバランスよく備える。ここで、主成分とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。上記基板における環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂の含有割合としては、80質量%以上が好ましい。上記基板は、さらに必要に応じて、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等のその他の樹脂を含有してもよい。
(環状オレフィン系樹脂)
上記環状オレフィン系樹脂としては、下記式(X)で表される単量体及び下記式(Y)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構造単位を含む樹脂が好ましい。すなわち、上記単量体から得られる樹脂及びこの樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。
Figure 2015114919
上記式(X)中、Rx1〜Rx4は、それぞれ独立して、下記(i)〜(viii)より選ばれる原子又は基である。k、m及びpは、それぞれ独立して、0以上の整数である。
(i)水素原子
(ii)ハロゲン原子
(iii)トリアルキルシリル基
(iv)酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を含む連結基を有し、置換基を有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基
(v)置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi)極性基(但し(iv)を除く)
(vii)Rx1とRx2又はRx3とRx4が、互いに結合して形成されたアルキリデン基を表し、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して、上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
(viii)Rx1とRx2又はRx3とRx4が、互いに結合して形成された単環若しくは多環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Rx2とRx3とが、互いに結合して形成された単環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
Figure 2015114919
上記式(Y)中、Ry1及びRy2は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Ry1とRy2とが、互いに結合して形成された単環若しくは多環の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。K及びPは、それぞれ独立して、0以上の整数である。
上記(ii)のハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
上記(iii)のトリアルキルシリル基としては、例えばアルキル基の炭素数が1〜12のトリアルキルシリル基等が挙げられ、アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基が好ましい。このようなトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。
上記(iv)における酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を有する連結基としては、例えばカルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホニル基(−SO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)、シロキサニル基(−OSi(R)−(Rはメチル、エチル等のアルキル基である))等が挙げられる。これらの中でも、カルボニルオキシ基(*−COO−)及びシロキサニル基(−OSi(R)−)が好ましい。ただし、*が式(X)の環に結合する。
上記(v)の置換基を有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基の炭化水素基としては、炭素数1〜15の炭化水素基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ビフェニル基、フェニルエチル基等の芳香族炭化水素基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が当該透明導電性フィルムの環境耐久性の点で好ましい。上記置換基としては、例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記(vi)の極性基としては、例えばヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニルオキシ基;シアノ基、アミノ基、アシル基、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記(vii)のアルキリデン基としては、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。
上記(viii)の単環若しくは多環の炭化水素基及び複素環基、並びに上記式(Y)においてRy1とRy2とが互いに結合して形成する単環若しくは多環の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及び複素環基としては、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロへプチレン基、シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基、シクロヘキセニレン基、フェニレン、ナフチレン等が挙げられる。
、m、p、k及びpとしては、0〜3の整数が好ましい。また、k+m+pとしては、0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、1がさらに好ましい。k+pとしては、0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。mが0であり、k+pが1である環状オレフィン系単量体を用いると、ガラス転移温度が高く、かつ機械的強度にも優れた樹脂が得られるため好ましい。
上記式(X)又は(Y)で表される環状オレフィン系単量体としては、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
なお、これら環状オレフィン系単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明に用いられる環状オレフィン系単量体の種類及び量は、得られる樹脂に求められる特性により適宜選択される。
これら環状オレフィン系単量体のうち、その分子内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる少なくとも1種を含む構造(以下「極性構造」ともいう。)を有する化合物を重合した樹脂が好ましく、上記式(X)におけるRx1及びRx3が、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基、好ましくは水素原子又はメチル基であり、かつRx2及びRx4のいずれか1つが極性構造を有する基であって、他が水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である化合物を重合した樹脂がより好ましい。また、Ry1又はRy2のいずれか1つが極性構造を有する基であって、他が水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である化合物を重合した樹脂は、吸水性(吸湿性)が低くさらに好ましい。さらに、上記極性構造を有する基が下記式(Z)で表わされる基である環状オレフィン系単量体は、得られる樹脂の耐熱性と吸水性(吸湿性)とのバランスを調整するのが容易であるため、好ましく用いられる。
−(CHCOOR …(Z
(式(Z)中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜15の炭化水素基である。zは、0〜10の整数である。)
上記式(Z)において、zの値が小さい基ほど得られる水素添加物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れるので、zとしては0〜3の整数が好ましく、zが0である単量体はその合成が容易である点でより好ましい。また、上記式(Z)におけるRとしては、炭素数が多いほど得られる重合体の水素添加物の吸水性(吸湿性)が低下する傾向があり、ガラス転移温度が低下する傾向もあるので、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基がより好ましい。
なお、上記式(X)において、上記式(Z)で表される基が結合した炭素原子に、炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が結合していると、耐熱性と吸水性(吸湿性)のバランスの良い化合物となる傾向にあるため好ましい。さらに、上記式(X)において、mが0であり、かつ、k+pが1である化合物は、反応性が高く、高収率で重合体が得られること、また、耐熱性が高い重合体水素添加物が得られること、さらに工業的に入手しやすいことから好適に用いられる。
上記環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィン系単量体とこの単量体と共重合可能な単量体とを本発明の効果を損なわない範囲で共重合させたものであってもよい。このような共重合可能な単量体としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン、1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエン等が挙げられる。これらの共重合可能な単量体は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記環状オレフィン系単量体の重合方法としては、単量体の重合が可能である限り特に制限されないが、例えば開環重合又は付加重合による重合方法等が挙げられる。
上記開環重合反応により得られる重合体は、その分子中にオレフィン性不飽和結合を有している。また、上記付加重合反応においても、重合体がその分子中にオレフィン性不飽和結合を有する場合がある。このように、重合体分子中にオレフィン性不飽和結合が存在すると、かかるオレフィン性不飽和結合が経時着色やゲル化等劣化の原因となる場合があるので、このオレフィン性不飽和結合を飽和結合に変換する水素添加反応を行うことが好ましい。
水素添加反応は、通常の方法、すなわちオレフィン性不飽和結合を有する重合体の溶液に公知の水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3気圧〜200気圧の水素ガスを0℃〜200℃、好ましくは20℃〜180℃で作用させることによって行うことができる。
水素添加重合体の水素添加率としては、500MHzのH−NMRで測定されるオレフィン性不飽和結合に水素が付加した割合が通常50%以上であり、70%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、98%以上が特に好ましく、99%以上が最も好ましい。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性に優れたものとなり、長期にわたって安定した特性を維持できる樹脂製基板となる。
(芳香族ポリエーテル樹脂)
上記芳香族ポリエーテル系樹脂としては、下記式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(1)」ともいう)及び下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(2)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、「構造単位(A)」ともいう。)を有する樹脂(以下、「樹脂(1)」ともいう)が好ましい。このような樹脂から得られる基板は、耐熱性及び力学的強度に優れるとともに、透明性、表面平滑性等に優れる。
Figure 2015114919
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。a〜dがそれぞれ2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
a、b、c及びdとしては、0又は1が好ましい。
上記炭素数1〜12の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜12の1価の炭化水素基、並びにこの炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1〜12の1価の有機基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の炭化水素基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状の炭化水素基がより好ましい。
上記直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3又は4の脂環式炭化水素基がより好ましい。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基等が挙げられる。この脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素原子でもよい。
上記炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。この芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素原子でもよい。
酸素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、例えば水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる有機基が挙げられる。これらの中でも、エーテル結合、カルボニル基又はエステル結合と炭化水素基とからなる総炭素数1〜12の有機基が好ましい。
エーテル結合を有する総炭素数1〜12の有機基としては、例えば炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、炭素数2〜12のアルキニルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1〜12のアルコキシアルキル基等が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、プロペニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシメチル基等が挙げられる。
また、カルボニル基を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数2〜12のアシル基等が挙げられ、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
エステル結合を有する総炭素数1〜12の有機基としては、例えば炭素数2〜12のアシルオキシ基等が挙げられ、具体的には、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
窒素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、例えば水素原子、炭素原子及び窒素原子からなる有機基が挙げられ、具体的には、シアノ基、イミダゾール基、トリアゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンズトリアゾール基等が挙げられる。
酸素原子及び窒素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、例えば、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子からなる有機基が挙げられ、具体的には、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズオキサジアゾール基等が挙げられる。
上記式(1)におけるR〜Rとしては、樹脂(1)の吸水(湿)性の点から炭素数1〜12の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
Figure 2015114919
上記式(2)中、R〜R及びa〜dは、上記式(1)と同義である。Yは、単結合、−SO−又は−CO−である。R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基又はニトロ基である。g及びhは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。g及びhがそれぞれ2以上の場合、複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。mは、0又は1である。但し、mが0の場合、Rはシアノ基ではない。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、上記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記構造単位(1)と上記構造単位(2)とのモル比(但し、両者(構造単位(1)+構造単位(2))の合計は100である。)としては、光学特性、耐熱性及び力学的特性の観点から、構造単位(1):構造単位(2)=50:50〜100:0が好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=70:30〜100:0がより好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=80:20〜100:0がさらに好ましい。なお、本明細書において、力学的特性とは、樹脂の引張強度、破断伸び及び引張弾性率の性質のことをいう。
また、上記樹脂(1)は、下記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(3)」ともいう)及び下記式(4)で表される構造単位(以下、「構造単位(4)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下「構造単位(B)」ともいう)をさらに有してもよい。上記樹脂(1)がこのような構造単位(B)を有することで、この樹脂(1)を含む基板の力学的特性を向上することができる。
[構造単位(3)]
構造単位(3)は下記式(3)で表される。
Figure 2015114919
上記式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。Zは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−COO−又は炭素数1〜12の2価の有機基である。e及びfは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。e及びfがそれぞれ2以上の場合、複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。nは、0又は1である。
上記炭素数1〜12の1価の有機基としては、上記式(1)において例示した炭素数1〜12の1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の2価の有機基としては、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基、並びに酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基等が挙げられる。
上記炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基;シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基等が挙げられる。
上記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基としては、例えば炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の2価のハロゲン化炭化水素基、炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基、炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状の2価のハロゲン化炭化水素基としては、例えばジフルオロメチレン基、ジクロロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、テトラクロロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、ヘキサクロロトリメチレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、ヘキサクロロイソプロピリデン基等が挙げられる。
上記炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基としては、例えば上記炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、例えば上記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基としては、水素原子及び炭素原子と、酸素原子及び/又は窒素原子とからなる有機基が挙げられ、エーテル結合、カルボニル基、エステル結合又はアミド結合と炭化水素基とを有する総炭素数1〜12の2価の有機基等が挙げられる。
酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基としては、例えば酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記式(3)におけるZとしては、単結合、−O−、−SO−、−CO−、炭素数1〜12の2価の有機基が好ましく、樹脂(1)の吸水(湿)性の点から炭素数1〜12の2価の炭化水素基、炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基がより好ましい。
[構造単位(4)]
構造単位(4)は下記式(4)で表される。
Figure 2015114919
上記式(4)中、R、R、Y、m、g及びhは、上記式(2)と同義である。R、R、Z、n、e及びfは、上記式(3)と同義である。但し、mが0の場合、Rはシアノ基ではない。
上記構造単位(A)と上記構造単位(B)とのモル比(但し、両者((A)+(B))の合計は100である。)としては、光学特性、耐熱性及び力学的特性の観点から(A):(B)=50:50〜100:0が好ましく、(A):(B)=70:30〜100:0がより好ましく、(A):(B)=80:20〜100:0がさらに好ましい。
上記樹脂(1)における上記構造単位(A)と上記構造単位(B)との合計含有割合としては、光学特性、耐熱性及び力学的特性の観点から、樹脂(1)の全構造単位中70モル%以上が好ましく、全構造単位中95モル%以上がより好ましい。
上記樹脂(1)は、例えば下記式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」ともいう。)及び下記式(7)で表される化合物(以下、「化合物(7)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む成分(以下、「(a)成分」ともいう)と、下記式(6)で表される化合物を含む成分(以下、「(b)成分」ともいう)とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2015114919
上記式(5)中、Xは、それぞれ独立して、ハロゲン原子である。
Xとしては、フッ素原子が好ましい。
Figure 2015114919
上記式(7)中、R、R、Y、m、g及びhは、上記式(2)と同義である。Xは、上記式(5)と同義である。但し、mが0の時、Rはシアノ基ではない。
Figure 2015114919
上記式(6)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基又はトリフルオロメチルスルホニル基である。R〜R及びa〜dは、上記式(1)と同義である。
としては、水素原子が好ましい。
上記化合物(5)としては、例えば2,6−ジフルオロベンゾニトリル(DFBN)、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル及びこれらの反応性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、反応性、経済性等の観点から、2,6−ジフルオロベンゾニトリル及び2,6−ジクロロベンゾニトリルが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(6)で表わされる化合物(以下「化合物(6)」ともいう。)としては、例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL)、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン及びこれらの反応性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記化合物(7)としては、例えば4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDS)、2,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,2’−ジフルオロベンゾフェノン、2,2’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン等が挙げられる。これらの中でも、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせてもよい。
化合物(5)及び化合物(7)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用割合としては、(a)成分100モル%中、80モル%〜100モル%が好ましく、90モル%〜100モル%がより好ましい。
化合物(6)の使用割合としては、(b)成分100モル%中、50モル%〜100モル%が好ましく、80モル%〜100モル%がより好ましく、90モル%〜100モル%がさらに好ましい。また、(b)成分は、必要に応じて下記式(8)で表わされる化合物を含むことが好ましい。
Figure 2015114919
上記式(8)中、R、R、Z、n、e及びfは、上記式(3)と同義である。Rは、上記式(6)と同義である。
上記式(8)で表される化合物としては、例えばヒドロキノン、レゾルシノール、2−フェニルヒドロキノン、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1’−ビ−2−ナフトール、1,1’−ビ−4−ナフトール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン及びこれらの反応性誘導体等が挙げられる。これらの中でも、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが好ましく、4,4’−ビフェノールがより好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせてもよい。
上記樹脂(1)の合成方法としては、例えば(b)成分を有機溶媒中でアルカリ金属化合物と反応させて、(b)成分(化合物(6)及び/又は化合物(8)等)のアルカリ金属塩を得た後に、得られたアルカリ金属塩と、(a)成分とを反応させることにより、合成することができる。なお、(b)成分とアルカリ金属化合物との反応を(a)成分の存在下で行うことで、(b)成分のアルカリ金属塩と(a)成分とを反応させてもよい。
上記アルカリ金属化合物としては、例えばリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルカリ金属化合物は、上記(b)成分中の全ての−O−Rに対し、アルカリ金属化合物中の金属原子の量が通常1〜3倍当量、好ましくは1.1〜2倍当量、より好ましくは1.2〜1.5倍当量となる量で使用される。
また、反応に使用する有機溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチルラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数が1〜4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数が1〜4)等が挙げられる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド等の誘電率の高い極性有機溶媒が好ましい。これらの有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、上記反応の際には、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の水と共沸する溶媒をさらに用いてもよい。
(a)成分と(b)成分の使用割合について、(a)成分と(b)成分との合計を100モル%とした場合に、(a)成分としては、45モル%以上55モル%以下が好ましく、50モル%以上52モル%以下がより好ましく、50モル%を超えて52モル%以下がさらに好ましい。(b)成分としては、45モル%以上55モル%以下が好ましく、48モル%以上50モル%以下がより好ましく、48モル%以上50モル%未満がさらに好ましい。
また、反応温度としては、60℃〜250℃が好ましく、80℃〜200℃がより好ましい。反応時間としては、15分〜100時間が好ましく、1時間〜24時間がより好ましい。
上記樹脂(1)のガラス転移温度(Tg)(示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分で測定)としては、230℃〜350℃が好ましく、240℃〜330℃がより好ましく、250℃〜300℃がさらに好ましい。
上記樹脂(1)のガラス転移温度は、例えばRigaku社の8230型DSC測定装置(昇温速度20℃/分)やエスアイアイ・ナノテクノロジーズ社の示差走査熱量計(DSC6200)(昇温速度20℃/分)等を用いて測定される。
上記樹脂(1)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)(TOSOH社のHLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα−M、展開溶剤:テトラヒドロフラン(以下「THF」ともいう。)で測定)としては、5,000〜500,000が好ましく、15,000〜400,000がより好ましく、30,000〜300,000がさらに好ましい。
上記樹脂(1)の熱重量分析法(TGA)で測定した熱分解温度としては、450℃以上が好ましく、475℃以上がより好ましく、490℃以上がさらに好ましい。
(導電層)
導電層は、導電性ナノワイヤー及びマトリックスを含む。また、導電層は、必要に応じて他の添加剤を含んでいてもよい。
[導電性ナノワイヤー]
導電性ナノワイヤーには、金属ナノワイヤー及び非金属ナノワイヤーが含まれる。非金属ナノワイヤーとしては、例えばカーボンナノチューブ、導電性高分子繊維等が挙げられる。
上記金属ナノワイヤーとは、形状が直線又は曲線の細い棒状で、材質が金属であるナノメートルサイズの微細な導電性物質である。上記金属ナノワイヤーは、高アスペクト比(例えば、10より高い)を有し、このアスペクト比(長さ:幅)としては、通常、10以上であり、50以上が好ましく、100以上がより好ましい。微細な導電性物質がワイヤー状であると、それらが互いに絡み合って網の目状となることで、少ない量の導電性物質であっても良好な電気伝導経路を形成することができ、導電層の抵抗値をより低下させることができる。
金属ナノワイヤーの少なくとも1つの断面寸法としては、通常、500nm以下であり、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
金属ナノワイヤーの材質としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの中でも、導電性の観点から銅、銀、白金、金が好ましく、銀がより好ましい。また、上記金属ナノワイヤーは、主成分としての銀と上記例示した材質(銀を除く)からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含むことが好ましい。ここで、主成分とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。上記金属ナノワイヤーが銀を主成分として含む場合の銀の含有割合としては、80質量%以上が好ましい。
金属ナノワイヤーは、当該技術分野で公知の方法で調製される。具体的には、銀ナノワイヤーは、ポリオール(例えば、エチレングリコール)及びポリビニルピロリドンの存在下で、銀塩(例えば、硝酸銀)の液相還元により合成することができる。均一サイズの銀ナノワイヤーの大量生産は、例えばXia,Y.et al.,Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745およびXia,Y.et al.,Nanoletters(2003)3(7)、955−960に記載の方法により調製することができる。
[マトリックス]
マトリックスとは、導電性ナノワイヤーが分散又は埋め込まれている固体材料である。マトリックスは、導電性ナノワイヤーの宿主であり、導電層の物理的形状を提供すると共に導電性ナノワイヤーを腐食、摩耗等から保護する。マトリックスとしては、通常、光学的に透明なものが用いられる。マトリックスの光透過性が、可視領域(400nm〜700nm)で少なくとも80%である場合、マトリックスは、光学的に透明であると考えられる。
上記マトリックスを構成する材料(以下、「マトリックス材料」ともいう)としては、高分子材料、無機材料等が挙げられる。
上記高分子材料としては、例えばアクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、含塩素樹脂、含フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフィド系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリフェニレンエーテル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系樹脂、セルロース系樹脂及びゴムが挙げられる。
上記無機材料としては、例えばシリカ、ムライト、アルミナ、SiC、MgO−Al−SiO、Al−SiO、MgO−Al−SiO−LiO、又はこれらの組み合わせのゾルゲルマトリクス材料等が挙げられる。
これらのうち、マトリックス材料としては、高分子材料が好ましく、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、含塩素樹脂、含フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフィド系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリフェニレンエーテル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系樹脂、セルロース系樹脂及びゴムから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
(他の添加剤)
導電層が含んでいてもよい他の添加剤としては、例えば界面活性剤、有機溶媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、劣化防止剤、pH調整剤、重合禁止剤、表面改質剤、脱泡剤、可塑剤、抗菌剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
(その他の層)
[保護層]
保護層は、導電層の表面を保護する層である。当該透明導電性フィルムは、上記導電層上に保護層を備えていてもよい。保護層は、通常柔軟性を有し、柔軟性を有する基板と同一材料から形成可能である。保護層を形成する材料としては、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン−架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン、ポリオレフィン等が挙げられる。これらの中でも、PET、PC、PMMA、TACが好ましい。
[反射防止層]
反射防止層は、透明導電性フィルムの反射面における反射損を低減する層である。従って、反射防止層は、透明導電性フィルムの外側に、又は層の間の接触面として位置することが好ましい。反射防止層を形成する材料としては、例えば米国特許番号第5,198,267号、5,225,244号、および7,033,729号に記載の材料等が挙げられる。
[防眩層]
防眩層は、透明導電性フィルムの不要な反射を低減する層である。防眩層は、反射を散乱する透明導電性フィルムの表面上に細かい粗さを提供すると考えられる。防眩層を形成する材料としては、例えばシロキサン、ポリスチレン/PMMA混合、ラッカー(例えば酢酸ブチル/ニトロセルロース/ワックス/アルキド樹脂)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリウレタン、ニトロセルロース、アクリレート等が挙げられる。
[障壁層]
障壁層は、ガス等の流体の透明導電性フィルムへの透過を低減又は防止する層である。腐食した導電性ナノワイヤーは、導電層の大幅な導電率低下、大幅な光透過性低下等をもたらす場合がある。障壁層は、大気の腐食性ガスが導電層に入り、マトリックス内の金属ナノワイヤーに接触しないように効果的に抑制することができる。障壁層を形成する材料としては、例えば米国特許出願第2004/0253463号、米国特許第5,560,998号及び4,927,689号、欧州特許第132,565号、日本国特許第57,061,025に記載の材料が挙げられる。さらに、保護層、反射防止層及び防眩層のいずれか又はいずれもが障壁層としての役割を果たしてもよい。
<透明導電性フィルムの製造方法>
本発明の透明導電性フィルムの製造方法は、
導電性ナノワイヤー、マトリックス及び溶媒を含む組成物(以下、「導電性ナノワイヤー組成物」ともいう)を用い、環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂を主成分とする基板上に塗布する工程(以下、「塗布工程」ともいう)、及び上記塗布した組成物から上記溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」ともいう)を有する。以下、各工程について説明する。
(塗布工程)
本工程では、導電性ナノワイヤー組成物を用い、基板上に塗布膜を形成する。
導電性ナノワイヤー組成物が含有する上記溶媒としては、導電性ナノワイヤー及びマトリックスを安定的に分散できる溶媒であれば、特に限定されないが、例えば水、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ポリビニルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらのうち、水、アルコール、ケトン、エステル及びエーテルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記導電性ナノワイヤー組成物を用いて基板上に塗布膜を形成するためには、上記導電性ナノワイヤー組成物を基板上に塗布し、乾燥することで基板上に均一な導電性の塗布膜を形成する。
塗布方法としては、例えばスプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート等の公知の塗布方法を用いることができる。
導電層の膜厚は薄すぎると導電体としての十分な導電性が達成出来なくなる傾向にあり、厚すぎるとヘイズ値の上昇、全光線透過率の低下等で透明性が損なわれる傾向にある。従って、導電層の膜厚としては、接触式の膜厚計で測定したときに平均膜厚として、通常10nm〜10μmであり、10nm〜500nmが好ましく、30nm〜300nmがより好ましく、50nm〜150nmがさらに好ましい。
基板の表面は、導電性ナノワイヤー組成物の塗布前に前処理されていてもよい。上記前処理によって、導電性ナノワイヤーの均一な塗布が可能となる、次の処理工程のために導電性ナノワイヤーを基板に固定することができる等の利点がある。上記前処理としては、例えばプラズマ処理、紫外オゾン処理又はコロナ放電等の前処理が挙げられる。
基材の厚みとしては、所望の用途に応じて適宜選択されるが、通常、1μm〜250μmであり、2μm〜150μmが好ましく、10μm〜125μmがより好ましい。
(溶媒除去工程)
本工程では、導電性ナノワイヤーの塗布後、溶媒を蒸発によって除去する。蒸発は、加熱によって促進可能である。結果として得られる膜は、電気的に導電性を付与するために後処理を必要としてもよい。上記後処理としては、加熱、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外オゾン処理、加圧等を伴う工程等が挙げられる。これらの中で、加圧及び加熱のいずれか又はいずれも行う工程、並びに加熱による熱硬化及び可視光線、紫外線等の光照射による光照射硬化を行う工程が好ましい。
<表示装置>
本発明の表示装置は、当該透明導電性フィルムを備えるため、断線が無くマルチタッチが可能であると共に操作性及び視認性に優れる。従って、当該表示装置は、タッチパネル、液晶ディスプレイ、フラットディスプレイ、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、カーナビ、タブレットPC、販売機器、ATM、FA機器等に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の「部」は、特に断りのない限り、質量を基準とする。
以下の方法に従い、各透明導電性フィルム、各タッチパネル及びこのタッチパネルを具備する各表示装置の物性を測定し評価した。
[全光線透過率及びヘイズ]
各透明導電性フィルムの全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を、ヘイズメーター「HM−150型(村上色材技術研究所製)」を用い、D65光源において測定した。
[表面抵抗率]
各透明導電性フィルムの表面抵抗率(Ω/□)を、低抵抗率計「ロレスタ−GP」(三菱化学製)を用いて測定した。
[導電層の密着性]
JIS K5400に記載の碁盤目セロハンテープ剥離試験に準拠して、100個の碁
盤目(1mm角)の残膜率(%)で導電層の密着性を評価した。
[抵抗値の面内均一性]
各透明導電性フィルム及び各タッチパネルの抵抗値の面内均一性(%)を以下に従って測定した。まず、対角7インチサイズに調製した試験片の短辺の対向する2辺に導電性ペースト「ECM−100(太陽インキ製造製)」を塗布し、120℃で30分間乾燥させることで平行な一対の電極を形成した。この一対の電極に対して一定電圧を掛けた状態で、試験片表面上の縦横10×10点について格子状に電位を測定した。表面抵抗率が面内で均一であると仮定した際の電位の計算値と実測値とのズレを下式により測定した。測定10×10点において上記電位のズレを求め、その絶対値の最大値を「抵抗値の面内均一性」とした。

電位のズレ(%)=[(電位実測値)−(電位計算値)]/(電位計算値)×100
[屈曲時の表面抵抗]
各透明導電性フィルムの屈曲時の表面抵抗(Ω)を以下に従って測定した。長さ110mm×幅10mmに調製した試験片を、曲率半径3mmの円柱状の絶縁体に導電層を外側にして、この円柱に対し半周分巻きつけ、フィルム両端よりそれぞれ5mmの点に一定電圧を印加し、そのときの電流値を測定した。屈曲時の表面抵抗は下記式より求めた。

屈曲時の表面抵抗(Ω)=印加電圧(V)/測定された電流値(A)
[環境耐久性]
各透明導電性フィルムの環境耐久性に関し、湿熱耐久性、乾熱耐久性、及び冷熱衝撃耐久性について以下に従ってそれぞれ試験を行った。
(湿熱耐久性)
試験片を温度85℃、相対湿度85%の環境下にて240時間保持する前後の表面抵抗率をそれぞれR及びRとし、R/Rで算出される抵抗率変化を「湿熱耐久性」とした。
(乾熱耐久性)
試験片を温度85℃の環境下にて240時間保持する前後の表面抵抗率をそれぞれR及びRとし、R/Rで算出される抵抗率変化を「乾熱耐久性」とした。
(冷熱衝撃耐久性)
試験片を温度85℃の環境下にて30分間保持した後、−40℃の環境下にて30分間保持する試験を1サイクルとして、合計100サイクルの試験をおこなった前後の各透明導電性フィルムの表面抵抗率をそれぞれR及びRとし、R/Rで算出される抵抗率変化を「冷熱衝撃耐久性」とした。なお、試験片が各試験温度へと移行させるのに要する時間を10秒以内として本試験を行った。
[タッチパネルを具備する表示装置の視認性]
タッチパネルを具備する以下の表示装置A及びBについて、液晶画面の電源をONにして、黒色を表示した際の視認性を以下に従って評価した。
◎:明瞭な黒一色の画面として観察された。
○:黒一色の画面として観察されたものの、わずかながら反射光による白ぼけも観察された。
×:黒以外の色が画面全体で観察された。
(表示装置A)
7インチサイズの液晶表示装置「QT−702(クイックサン製)」から、最前面の偏光板とガラス面の間にカッター刃を差し入れて、最前面の偏光板を引きはがした。偏光板を引きはがして、むき出しとなったガラス面に対して、イソプロピルアルコールを用いてガラス面に残った接着剤を拭き取り、清浄なガラス面を得た。この清浄となったガラス面に以下の実施例で得られたタッチパネルを光学透明接着剤である「#8146−2(住友スリーエム製)」を用いて貼り合わせた。さらに、先に引きはがした偏光板についてもイソプロピルアルコールを用いて、もともとの接着面に残った接着剤を拭き取り、清浄な偏光板を得た。光学透明接着剤である「#8146−2(住友スリーエム製)」を用いて、もともとガラスと接着されていた面と先に表示装置に貼り合せておいたタッチパネル面を接着させて表示装置Aを得た。
(表示装置B)
7インチサイズの液晶表示装置「QT−702(クイックサン製)」の表示面に光学透明接着剤である「#8146−2(住友スリーエム製)」を用いて、以下の実施例で得られたタッチパネルを接着させた。
[合成例1]導電性ナノワイヤーの合成
Cambrios Technologies Corporation米国仮出願第60/815,627号に記載されたポリオール方法により合成された銀ナノワイヤーを用いた。すなわちY.Sun、B.Gates、B.Mayers、&Y.Xia,“Crystallinesilvernanowiresbysoftsolutionprocessing”,Nanoletters,(2002),vol.2,No.2,165〜168頁に記載のポリオールを用いた処理に続いて、ポリビニルピロリドンの存在下において、硫酸銀を溶解させたエチレングリコールを加え、これを還元することによって合成された銀ナノワイヤーを用いた。
上記得られた銀ナノワイヤーを含む溶液を遠心分離機によって、12,000rpmで30分間の処理をおこなって、銀ナノワイヤーと上澄み液を分離した。この上澄み液を除いた後に、蒸留水を添加して、銀ナノワイヤーの固形分濃度が0.3質量%の分散液Aを得た。なお、分散液Aをガラス基板上にキャストして透過型電子顕微鏡「H−7500(日立製作所製)で観察したところ、短軸はおよそ30nm〜50nmであった。また光学顕微鏡ECLIPSE L300(ニコン製)で50倍観察したところ、長軸の長さはおよそ10μm〜30μmであった。
[合成例2]環状オレフィン系樹脂フィルム1の合成
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225質量部、ジシクロペンタジエン15質量部、1−ヘキセン18質量部及びトルエン750質量部を窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(濃度1.5モル/L)のトルエン溶液0.62質量部、並びにt−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7質量部を添加した。この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
上記得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C 0.48質量部を添加し、水素ガス圧100kg/cm、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下、「樹脂A」という。)を得た。
次いで、樹脂Aをトルエンに濃度30%になるように溶解し、井上金属工業社のINVEXラボコーターを用い、アクリル酸系で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ社の「ルミラーU94」)に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより樹脂Aからなるフィルムを剥離して、環状オレフィン系樹脂フィルム1を得た。環状オレフィン系樹脂フィルム1の構造式を下記式(1)に示す。
Figure 2015114919
上記式(1)における8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来するユニットとジシクロペンタジエンに由来するユニットはランダムに配置されている。後述する式(2)〜(4)においても各ユニットは同様にランダムに配置されている。
[合成例3]環状オレフィン系樹脂フィルム2の合成
合成例1で用いた8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225質量部と、ジシクロペンタジエン15質量部の代わりに、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン185質量部、ジシクロペンタジエン40質量部及びノルボルネン1質量部を加えた以外は、合成例1と同様に操作して、水素添加重合体(以下、「樹脂B」という)を得た。次いで、樹脂Bを用いた以外は合成例2と同様に操作して、環状オレフィン系樹脂フィルム2を得た。環状オレフィン系樹脂フィルム2の構造式を、下記式(2)に示す。
Figure 2015114919
[合成例4]ポリエーテル系樹脂フィルム1の合成
3Lの4口フラスコに(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル(以下「DFBN」ともいう)35.12g(0.253mol)、(B)成分:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下「BPFL」ともいう)87.60g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下「DMAc」ともいう)443g及びトルエン111gを添加した。続いて、4口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、Dean−Stark管及び冷却管を取り付けた。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をDean−Stark管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末である重合体(以下、「樹脂C」という)を得た(収量95.67g、収率95%)。その後、樹脂Cをシクロヘキサノンに濃度20%になるように溶解し、井上金属工業社のINVEXラボコーターを用い、アクリル酸系で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ社の「ルミラーU94」)に、乾燥後のフィルム厚みが50μmになるように塗布し、これを80℃で一次乾燥の後、130℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより樹脂Cからなるフィルムを剥離した後、この得られたフィルムを更に2個のA4サイズのアルミ枠にてフィルムが平面を維持できるよう挟み込んで更に300℃で三次乾燥を行い、ポリエーテル系樹脂フィルム1を得た。ポリエーテル系樹脂フィルム1の構造式を下記式(4)に示す。
Figure 2015114919
上記式(4)におけるnは、繰り返し単位数を表す。
[実施例1]導電性ナノワイヤー組成物の調製及び透明導電性フィルム(1)の作製
合成例1で得られた分散液A100質量部に対して、0.05質量%に調製したポリビニルピロリドン(日本触媒社の「K−30」)水溶液を200質量部加え、銀ナノワイヤーが均一な状態で分散されるまで攪拌した。その後、さらにサーフロン(AGCセイケミカル社の「S−242」)0.02質量部を添加し、攪拌することによりコート液Aを得た。一方、合成例2で得られた環状オレフィン系樹脂フィルム1(厚み100μm)に大気下で放電量0.3kW・min/mの条件にてコロナ処理を施した。このコロナ処理をおこなったフィルム面に対して、上記得られたコート液Aをワイヤーバー(No.14R.D.Specialties製)を用いて塗布した。この塗布フィルムを130℃のオーブンに2分間投入し、分散媒を乾燥させてコート液Aからなる導電層を有する透明導電性フィルム1を得た。
[実施例2〜4]透明導電性フィルム2〜4の作製
環状オレフィン系樹脂フィルム1の代わりに、表1に示す環状オレフィン系樹脂フィルム2、下記式(3)で表される市販の環状オレフィン系樹脂フィルム3(日本ゼオン社の「ZeonorFilm ZF−16」)及びポリエーテル系樹脂フィルム1をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に操作して、透明導電性フィルム2〜4を得た。
Figure 2015114919
[実施例5]透明導電性フィルム5の作製
環状オレフィン系樹脂フィルム1を180℃に加熱し、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の横方向の幅を一定に保ちながら縦方向に1.3倍に延伸した後、150℃の雰囲気下で約1分間この状態を保持しながら冷却し、更に室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、位相差フィルム1を得た。環状オレフィン系樹脂フィルム1の代わりに、上記得られた位相差フィルム1を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、透明導電性フィルム5を得た。
[実施例6]透明導電性フィルム6の作製
実施例1で得られた透明導電性フィルム1のコート液Aを塗布、乾燥させた表面に、さらにトリシクロデカンジメタノールジアクリレート100質量部、2−メチルー1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン2質量部、MEK10,000質量部からなるコート液Bをワイヤーバー(No.3 R.D.Specialties製)を塗布した。得られた塗布フィルムを80℃のオーブンに2分間投入し、溶媒を乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、コート液Bを塗布した表面に照度200mW/cmの高圧水銀ランプを3秒間照射し、コート液Bからなる保護層を有する透明導電性フィルム6を得た。
<評価>
実施例1〜6で得られた各透明導電性フィルムについて、[全光線透過率及びヘイズ]、[表面抵抗率]、[導電層の密着性]、[抵抗値の面内均一性]、[屈曲時の表面抵抗]、並びに[環境耐久性]を評価した。評価結果を表1に合わせて示す。
[実施例7〜12]断線の有無の評価
実施例1〜6で得られた各透明導電性フィルムから、それぞれ30mm×40mmサイズのフィルムを各2枚ずつ切り出した。この切り出したフィルムのいずれか一方について、導電性を有する表面に図1に示した形状を有するポリイミド粘着テープを30mmの辺に平行に、図2のように0.5mm間隔で7枚貼り付けた。また、切り出したもう一方のフィルムの導電性を有する表面に図3で示した形状を有するポリイミド粘着テープを40mmの辺に平行に、図4のように5枚貼り付けた。
上述のポリイミド粘着テープを貼り付けた透明導電性フィルムそれぞれを、混酸溶液であるITO−02(関東化学製)を蒸留水にて濃度18%に希釈した溶液に、室温で4分間浸漬した後、このフィルムを取り出し、続いて蒸留水で繰り返し3回洗浄した。洗浄後のフィルムからベンコット(旭化成せんい製)を用いて水分を除いた後、ポリイミド粘着テープをすべて剥離して、ダイヤモンド状の透明導電パターンを有する透明導電性フィルム1a〜6a、及び透明導電性フィルム1b〜6bを得た。ここで、図2の形状を有するポリイミド粘着テープを貼り付けた透明導電性フィルムから得られた透明導電性パターンを有するフィルムが、透明導電性フィルム1a〜6aであり、もう一方の図4の形状を有するポリイミド粘着テープを貼り付けた透明導電性フィルムから得られた透明導電性パターンを有するフィルムが、透明導電性フィルム1b〜6bである。上記透明導電性フィルム1a〜6aの図2のX1−X8、X2−X9、X3−X10、X4−X11、X5−X12、X6−X13、X7−X14間の接触抵抗をテスターにて測定したところ、いずれも断線は確認されなかった。同様にして透明導電性フィルム1b〜6bについても図4のY1−Y6、Y2−Y7、Y3−Y8、Y4−Y9、Y5−Y10の間の接触抵抗をテスターにて測定したところ、いずれも断線は確認されなかった。
[実施例13〜18]タッチパネルの作製、並びにタッチパネルの操作性及びマルチタッチ対応評価
実施例7〜12で得られた透明導電性フィルム1a〜6aと透明導電性フィルム1b〜6bとをそれぞれ図5のように、ダイヤモンド状の透明導電パターンが重ならないように、光学透明接着剤「#8146−2(住友スリーエム製)」を用いて貼り合せて透明導電性フィルム積層体1〜6を得た。得られた各透明導電性フィルム積層体をそれぞれ用いて投影型静電容量方式のタッチパネル1〜6を作製した。指で触れて操作したところ、いずれのタッチパネルも応答速度が速く、検出感度に優れること、さらに2点以上をタッチして操作したところ、同様に良好な結果が得られ、マルチタッチにも対応できることが確認できた。
[実施例19〜24]表示装置の作製及び表示装置の視認性評価
実施例13〜18で得られた各タッチパネルを用いて、上記の表示装置A及び表示装置Bを作製し、上述の視認性評価をおこなった。評価結果を表1に合わせて示す。
Figure 2015114919
[比較例1]
環状オレフィン系樹脂フィルム1の代わりに、トリアセチルセルロースフィルム「KC8UX(厚み80μm、コニカミノルタオプト製)」を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、透明導電性フィルム7を得た。得られた透明導電性フィルム7についての評価結果を表2に示す。耐熱試験後の抵抗値変化R/Rが2.5と高かったことから、湿熱耐久性に劣ることが示唆された。
[比較例2]
環状オレフィン系樹脂フィルム1の代わりに、ポリエチレンテレフタラートフィルム「コスモシャインインA4300(厚み100μm、東洋紡製)」を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、透明導電性フィルム8を得た。得られた透明導電性フィルム8についての評価結果を表2に合わせて示す。
[比較例3]
環状オレフィン系樹脂フィルム1に巻き取り式スパッタ装置(アルバック製)を用いて、以下の条件にて厚さ25nmのITO膜を形成した。その後、オーブンを用いて、大気下において150℃で90分間加熱し、透明導電性フィルム9を得た。得られた透明導電性フィルム9についての評価結果を表2に合わせて示す。屈曲時の表面抵抗が12(kΩ)と高かったことから、フィルムハンドリング時におけるフィルム屈曲による抵抗値の上昇が示唆された。
電源出力密度:4.4W/cm
ターゲット組成:In/SnO=90/10(質量比)
アルゴン/酸素流量比:100/2
製膜室圧力:1×10−2Pa
ライン速度:1.6m/min
[比較例4〜6]
上記の比較例1〜3で得られた透明導電性フィルム7〜9を用いた以外は、実施例7〜12と同様に操作して、透明導電性フィルム7a〜9a、及び透明導電性フィルム7b〜9bを得た。実施例7〜12と同様に操作して、断線の有無を確認したが、いずも断線は確認されなかった。
[比較例7〜9]
上記の比較例4〜6で得られた透明導電性フィルム7a〜9a、及び透明導電性フィルム7b〜9bを用いた以外は、実施例13〜18と同様に操作して、透明導電性フィルム積層体7〜9を得た。得られた各透明導電性フィルム積層体をそれぞれ用いて、投影型静電容量方式のタッチパネル7〜9を作製した。指で触れて操作したところ、いずれのタッチパネルも応答速度が速く、検出感度に優れること、さらに2点以上をタッチして操作したところ、同様に良好な結果が得られ、マルチタッチにも対応できることが確認できた。
[比較例10〜12]
比較例7〜9で得られた各タッチパネルを用いて、上記の表示装置A及び表示装置Bを作製し、上述の実施例19〜24と同様にして視認性評価をおこなった。評価結果を表2に合わせて示す。
特に比較例11にて作製した表示装置A8において、視認性の低下が確認された。
Figure 2015114919
本発明の透明導電性フィルムは、屈曲時の低抵抗性及び環境耐久性に優れると共に、全光線透過率、ヘイズ、基板と導電層との密着性及び抵抗値の面内均一性をバランスよく備える。また、本発明の表示装置は、断線が無くマルチタッチが可能であると共に操作性及び視認性に優れる。
1 第1のポリイミド粘着テープ
2 第2のポリイミド粘着テープ
3 透明導電性フィルム
4 第1のポリイミド粘着テープ
5 透明導電性フィルム
6 第2のポリイミド粘着テープ
7 透明導電性フィルム積層体
8 導電パターン
9 導電パターン

Claims (18)

  1. 環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂を主成分とする基板と、
    この基板上に積層され導電性ナノワイヤー及びマトリックスを含む導電層と
    を備える透明導電性フィルム。
  2. 上記環状オレフィン系樹脂が、下記式(X)で表される単量体及び下記式(Y)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を含む請求項1に記載の透明導電性フィルム。
    Figure 2015114919
    (式(X)中、Rx1〜Rx4は、それぞれ独立して、下記(i)〜(viii)より選ばれる原子又は基である。k、m及びpは、それぞれ独立して、0以上の整数である。)
    (i)水素原子
    (ii)ハロゲン原子
    (iii)トリアルキルシリル基
    (iv)酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を含む連結基を有し、置換基を有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基
    (v)置換基を有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基
    (vi)極性基(但し(iv)を除く)
    (vii)Rx1とRx2又はRx3とRx4が、互いに結合して形成されたアルキリデン基を表し、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して、上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
    (viii)Rx1とRx2又はRx3とRx4が、互いに結合して形成された単環若しくは多環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Rx2とRx3とが、互いに結合して形成された単環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
    Figure 2015114919
    (式(Y)中、Ry1及びRy2は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Ry1とRy2とが、互いに結合して形成された単環若しくは多環の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。K及びPは、それぞれ独立して、0以上の整数である。)
  3. 上記芳香族ポリエーテル系樹脂が、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の透明導電性フィルム。
    Figure 2015114919
    (式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。a〜dがそれぞれ2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2015114919
    (式(2)中、R〜R及びa〜dは、上記式(1)と同義である。Yは、単結合、−SO−又は−CO−である。R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基又はニトロ基である。g及びhは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。g及びhがそれぞれ2以上の場合、複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。mは、0又は1である。但し、mが0の場合、Rはシアノ基ではない。)
  4. 上記芳香族ポリエーテル系樹脂が、さらに下記式(3)で表される構造単位及び下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項3に記載の透明導電性フィルム。
    Figure 2015114919
    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。Zは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−COO−又は炭素数1〜12の2価の有機基である。e及びfは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。e及びfがそれぞれ2以上の場合、複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。nは、0又は1である。)
    Figure 2015114919
    (式(4)中、R、R、Y、m、g及びhは、上記式(2)と同義である。R、R、Z、n、e及びfは、上記式(3)と同義である。)
  5. 上記導電性ナノワイヤーの主成分が銀である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  6. 上記導電層が基板上に所定のパターン状に積層されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  7. 上記マトリックスが光学的に透明である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  8. 上記マトリックスが、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、含塩素樹脂、含フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフィド系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリフェニレンエーテル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系樹脂、セルロース系樹脂及びゴムから選ばれる少なくとも1種から構成される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  9. 上記マトリックスが無機材料から構成される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  10. 1以上の保護層、反射防止層、防眩層又は障壁層をさらに備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  11. 上記導電層が複数の上記導電性ナノワイヤーを含み、その複数のナノワイヤーの少なくとも一部が互いに交差して導電網が形成されており、かつその交差した部分の少なくとも一部が互いに加圧により圧着されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  12. 導電性ナノワイヤー、マトリックス及び溶媒を含む組成物を用い、環状オレフィン系樹脂又は芳香族ポリエーテル系樹脂を主成分とする基板上に塗布する工程、及び
    上記塗布した組成物から上記溶媒を除去する工程
    を有する透明導電性フィルムの製造方法。
  13. 上記溶媒が、水、アルコール、ケトン、エステル及びエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項12に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  14. 上記導電性ナノワイヤーの素材が銀である請求項12又は請求項13に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  15. 上記塗布工程の後に、
    加圧及び加熱のいずれか又はいずれも行う工程
    をさらに有する請求項12、請求項13又は請求項14に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  16. 上記塗布工程の後に、
    光照射又は加熱により、硬化させる工程
    をさらに有する請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  17. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムを含む表示装置。
  18. 上記表示装置が、タッチパネル、液晶ディスプレイ又はフラットパネルディスプレイである請求項17に記載の表示装置。
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