JP2013091217A - 透明導電フィルムおよびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】ITO膜と引き回し配線との密着性に優れた透明導電フィルムを提供する。信頼性の高いタッチパネルを提供する。
【解決手段】透明導電膜(II)4と直接接続する金属配線(III)5を有するフィルムであって、前記金属配線(III)5が、金属配線5中の金属全体を100重量%としたとき、Niを30重量%以上、80重量%未満、Cuを20〜50重量%含む透明導電フィルム1。前記透明導電膜(II)4が結晶性ITOにより形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】透明導電膜(II)4と直接接続する金属配線(III)5を有するフィルムであって、前記金属配線(III)5が、金属配線5中の金属全体を100重量%としたとき、Niを30重量%以上、80重量%未満、Cuを20〜50重量%含む透明導電フィルム1。前記透明導電膜(II)4が結晶性ITOにより形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明導電フィルムおよびタッチパネルに関するものであり、特に、透明導電膜と直接接続する金膜配線を有するタッチパネルに関するものである。
画像表示装置の前面に配置された、画像表示装置と一体型の入力スイッチとして用いられるタッチパネルは、その使い勝手のよさから、銀行のATMや券売機、カーナビ、PDA、コピー機の操作画面など幅広く使用されている。その入力ポイントの検出方式には、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式、超音波表面弾性波方式、圧電式等が挙げられる。
上記タッチパネルを製造するプロセスにおいて、透明導電膜と制御回路を接続するための引き回し配線は、一般に、銀ペーストなどの導電性ペーストや導電性インクを、インクジェットやその他の印刷方法で印刷することにより形成される。しかし、純銀または銀合金からなる配線は、ガラスや樹脂等との密着性が悪く、また、外部装置との接続部分において基板上で凝集することにより、電気抵抗の増加や断線等による不良を招く、といった問題がある。
銀ペーストによる引き回し配線の信頼性を向上させた技術として、特許文献1には、配線の一部をメッキまたは金属箔で形成する方法が開示されている。しかし、該方法では、メッキまたは金属箔で形成された配線と外部装置との接続部分に銀ペーストを使用することに変わりないため、配線と外部装置の接続部分の強度をより高めることが難しい。
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、断線や経時的な電気抵抗の増加が起こり難く、透明導電膜との電気伝導性を確保できて該透明導電膜と直接接続させることのできる引き回し配線を有する、信頼性の高いタッチパネルを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、引き回し配線に下記に記載の金属を使用することにより、透明導電膜と引き回し配線の密着性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]透明導電膜(II)と直接接続する金属配線(III)を有するフィルムであって、前記金属配線(III)が、金属配線中の金属全体を100重量%としたとき、Niを30重量%以上、80重量%未満、Cuを20〜50重量%を含むことを特徴とする透明導電フィルム。
[2]前記金属配線(III)が、さらにTiを1〜10重量%含むことを特徴とする前記[1]に記載の透明導電フィルム。
[3]前記透明導電膜(II)が結晶性ITOにより形成されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の透明導電フィルム。
[4]前記透明導電膜(II)が透明基材からなるフィルム(I)上に形成されてなることを特徴とする前記[1]〜[3]に記載の透明導電フィルム。
[5]前記フィルム(I)が透明樹脂であることを特徴とする前記[4]に記載の透明導電フィルム。
[6]前記フィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂もしくは芳香族ポリエーテル系樹脂を含むことを特徴とする前記[5]に記載の透明導電フィルム。
[7]前記[1]〜[6]に記載の透明導電フィルムを有するタッチパネル。
[2]前記金属配線(III)が、さらにTiを1〜10重量%含むことを特徴とする前記[1]に記載の透明導電フィルム。
[3]前記透明導電膜(II)が結晶性ITOにより形成されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の透明導電フィルム。
[4]前記透明導電膜(II)が透明基材からなるフィルム(I)上に形成されてなることを特徴とする前記[1]〜[3]に記載の透明導電フィルム。
[5]前記フィルム(I)が透明樹脂であることを特徴とする前記[4]に記載の透明導電フィルム。
[6]前記フィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂もしくは芳香族ポリエーテル系樹脂を含むことを特徴とする前記[5]に記載の透明導電フィルム。
[7]前記[1]〜[6]に記載の透明導電フィルムを有するタッチパネル。
本発明によれば、タッチパネルの引き回し配線が規定の金属膜からなり、透明導電膜と上記配線を直接接続させることができるため、信頼性の高いタッチパネルを提供することができる。また、規定の金属膜をスパッタリングで形成し、フォトリソグラフィー、エッチングを施す工程を採用することで、微細な加工を施すことができる。更に、タッチパネルの製造プロセスで用いられる現像液やレジスト剥離液に対する耐性も高めることができる。更には、透明導電膜(II)と金属配線との間に、電気伝導性を確保するための介在層を形成する必要がないため、プロセスを増やすことなく簡易なプロセスでタッチパネルを製造することができる。
上述した通り、タッチパネルにおいて、引き回し配線の材料に導電性ペーストを用いた場合、透明導電膜と導電性ペースト膜の接触界面に、剥がれが生じ、上記界面の電気伝導性が損なわれるといった問題が生じる。そこで本発明では、この様な問題点を改善すべく、規定の金属材料に着目し、その成分組成について検討することとした。
本発明者らは、低電気抵抗を示すと共に、透明導電膜との電気伝導性を確保し且つ密着性のよい引き回し配線として、一定量のNiおよびCuを含む金属配線(III)からなるものとすればよいことがわかった。
以下、フィルム(I)、透明導電膜(II)、金属配線(III)について説明する。
以下、フィルム(I)、透明導電膜(II)、金属配線(III)について説明する。
<金属配線(III)>
タッチパネルにおける引き回し配線を、上記一定量のNiおよび/またはCuを含む金属配線(III)からなるものとした場合に、透明導電膜との電気伝導性を確保できる理由は、十分解明されたわけではないが、金属配線(III)に含有される金属全体を100重量%としたとき、Niの含有率は通常30重量%以上、80重量%未満、好ましくは50重量%以上、70重量%未満、より好ましくは55重量%以上、70重量%未満とし、Cuの含有量は通常20〜50重量%、好ましくは30〜40重量%、より好ましくは35〜40重量%とすると、低抵抗で透明導電膜(II)に対して剥がれにくい金属配線(III)を形成することができる。
金属配線(III)はさらに他の金属を含んでもよく、例えばTi、Au、Ag、Al、Pdなどが挙げられるが、特にTiを含むと密着性が向上し、その含有率は、金属配線(III)に含有される金属全体を100重量%としたとき、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜6重量%である。
金属配線(III)の厚みは通常100〜250nmであり、120〜200nmが好ましく、140〜190nmであることがより好ましい。
金属配線(III)は後述する透明導電膜(II)上にスパッタリングをすることで金属膜を形成し、該膜をエッチングなどの処理により配線化することができる。
タッチパネルにおける引き回し配線を、上記一定量のNiおよび/またはCuを含む金属配線(III)からなるものとした場合に、透明導電膜との電気伝導性を確保できる理由は、十分解明されたわけではないが、金属配線(III)に含有される金属全体を100重量%としたとき、Niの含有率は通常30重量%以上、80重量%未満、好ましくは50重量%以上、70重量%未満、より好ましくは55重量%以上、70重量%未満とし、Cuの含有量は通常20〜50重量%、好ましくは30〜40重量%、より好ましくは35〜40重量%とすると、低抵抗で透明導電膜(II)に対して剥がれにくい金属配線(III)を形成することができる。
金属配線(III)はさらに他の金属を含んでもよく、例えばTi、Au、Ag、Al、Pdなどが挙げられるが、特にTiを含むと密着性が向上し、その含有率は、金属配線(III)に含有される金属全体を100重量%としたとき、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜6重量%である。
金属配線(III)の厚みは通常100〜250nmであり、120〜200nmが好ましく、140〜190nmであることがより好ましい。
金属配線(III)は後述する透明導電膜(II)上にスパッタリングをすることで金属膜を形成し、該膜をエッチングなどの処理により配線化することができる。
<透明導電膜(II)>
透明導電膜(II)は可視光(波長380〜780nm)にて80%以上の透過率を有し、且つ5×10−4Ω・cm以下の抵抗率を有していれば材質は特にこだわらないが、特に結晶性ITO(酸化インジウムスズ)が好ましい。
また透明導電膜(II)の厚みは通常10〜50nmであり、10〜40nmが好ましく、15〜30nmがより好ましい。
透明導電膜(II)は後述するフィルム(I)上にスパッタリングをすることで得られる。
透明導電膜(II)は可視光(波長380〜780nm)にて80%以上の透過率を有し、且つ5×10−4Ω・cm以下の抵抗率を有していれば材質は特にこだわらないが、特に結晶性ITO(酸化インジウムスズ)が好ましい。
また透明導電膜(II)の厚みは通常10〜50nmであり、10〜40nmが好ましく、15〜30nmがより好ましい。
透明導電膜(II)は後述するフィルム(I)上にスパッタリングをすることで得られる。
<フィルム(I)>
フィルム(I)は可視光(波長380〜780nm)にて85%以上の透過率を有していれば材質は特にこだわらないが、透明樹脂であることが好ましい。
透明樹脂は、特に環状オレフィン系樹脂または芳香族ポリエーテル系樹脂であることが好ましい。
フィルム(I)は可視光(波長380〜780nm)にて85%以上の透過率を有していれば材質は特にこだわらないが、透明樹脂であることが好ましい。
透明樹脂は、特に環状オレフィン系樹脂または芳香族ポリエーテル系樹脂であることが好ましい。
{環状オレフィン系樹脂}
前記環状オレフィン系樹脂としては、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体から得られる樹脂が好ましい。
前記環状オレフィン系樹脂としては、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体から得られる樹脂が好ましい。
式(X0)中、Rx1〜Rx4は、それぞれ独立に下記(i')〜(viii')より選ばれる原子または基を表し、kx、mxおよびpxは、それぞれ独立に、0または正の整数を表す。
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi')極性基(但し(iv')を除く)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表すか、Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。
式(Y0)中、Ry1およびRy2は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表すか、下記(ix')を表し、kyおよびpyは、それぞれ独立に0または正の整数を表す。
(ix')Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す。
{芳香族ポリエーテル系樹脂}
前記芳香族ポリエーテル系樹脂は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することが好ましい。
前記芳香族ポリエーテル系樹脂は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することが好ましい。
式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。
式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
また、前記芳香族ポリエーテル系樹脂は、さらに下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することが好ましい。
尚、本発明に用いることができる透明樹脂の市販品としては、以下の市販品等を挙げることができる。環状オレフィン系樹脂の市販品としては、たとえば、JSR株式会社製アートン、日本ゼオン株式会社製ゼオノア、三井化学株式会社製APEL、ポリプラスチックス株式会社製TOPASなどを挙げることができる。ポリエーテルサルホン樹脂の市販品として、住友化学株式会社製スミカエクセルPESなどを挙げることができる。
フィルム(I)の厚みは、通常30〜200μm、好ましくは30〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。
フィルム(I)の厚みは、通常30〜200μm、好ましくは30〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。
また、フィルム(I)に透明導電膜(II)を形成する前に、傷付き防止のため、ハードコート層を形成しても良い。ハードコート層には、シリコン系などの無機系樹脂、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの有機系樹脂、または有機無機ハイブリッド樹脂などを用いることができる。また、それら樹脂を硬化する方法としては、光硬化、熱硬化などが挙げられる。ハードコート層の厚みは通常0.1〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、より好ましくは1〜5μmである。
[ITOフィルムの製膜]
アクリル系樹脂であるJSR製オプスターZ7501をプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)により固形分濃度40%に希釈し、環状オレフィン系樹脂を含むJSR製アートンフィルム(膜厚100μm)上にコーターを用いて塗布し、オーブンで80℃・3分乾燥後、高圧水銀ランプにより300mJ/cm2のUVを照射して膜厚2μmのハードコート層が形成されたフィルム(1)を得た。
前記フィルム(1)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、真空排気を行いながらアルゴンガスおよび酸素ガス流入下で、ターゲットとしてIn2O3/SnO2=95/5(重量比)の酸化物混合体を用いたスパッタリングにより膜厚25nmの透明導電膜が形成されたITOフィルム(2)を得た。
アクリル系樹脂であるJSR製オプスターZ7501をプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)により固形分濃度40%に希釈し、環状オレフィン系樹脂を含むJSR製アートンフィルム(膜厚100μm)上にコーターを用いて塗布し、オーブンで80℃・3分乾燥後、高圧水銀ランプにより300mJ/cm2のUVを照射して膜厚2μmのハードコート層が形成されたフィルム(1)を得た。
前記フィルム(1)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、真空排気を行いながらアルゴンガスおよび酸素ガス流入下で、ターゲットとしてIn2O3/SnO2=95/5(重量比)の酸化物混合体を用いたスパッタリングにより膜厚25nmの透明導電膜が形成されたITOフィルム(2)を得た。
[実施例1]
ITOフィルム(2)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、アルゴンガス流入下で、ターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比62:35:3)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、その上にターゲットとしてCuを用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ130nm積層し、さらにその上にターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比62:35:3)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、大気中に取り出した後、大気下で140℃・90分アニール処理を実施してフィルム1を得た。得られたフィルム1に対して、積層した金属膜とITOフィルムの密着性評価を実施したところ、碁盤目剥離試験でJIS−K5600の分類1に相当する良好な密着性が得られた。
ITOフィルム(2)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、アルゴンガス流入下で、ターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比62:35:3)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、その上にターゲットとしてCuを用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ130nm積層し、さらにその上にターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比62:35:3)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、大気中に取り出した後、大気下で140℃・90分アニール処理を実施してフィルム1を得た。得られたフィルム1に対して、積層した金属膜とITOフィルムの密着性評価を実施したところ、碁盤目剥離試験でJIS−K5600の分類1に相当する良好な密着性が得られた。
[実施例2]
ITOフィルム(2)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、アルゴンガス流入下で、ターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比59:35:6)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、その上にターゲットとしてCuを用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ130nm積層し、さらにその上にターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比59:35:6)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、大気中に取り出した後、大気下で140℃・90分アニール処理を実施してフィルム2を得た。得られたフィルム2に対して、積層した金属膜とITOフィルムの密着性評価を実施したところ、碁盤目剥離試験でJIS−K5600の分類1に相当する良好な密着性が得られた。
ITOフィルム(2)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、アルゴンガス流入下で、ターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比59:35:6)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、その上にターゲットとしてCuを用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ130nm積層し、さらにその上にターゲットとしてNi/Cu/Ti合金(重量比59:35:6)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、大気中に取り出した後、大気下で140℃・90分アニール処理を実施してフィルム2を得た。得られたフィルム2に対して、積層した金属膜とITOフィルムの密着性評価を実施したところ、碁盤目剥離試験でJIS−K5600の分類1に相当する良好な密着性が得られた。
[比較例1]
ITOフィルム(2)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、アルゴンガス流入下で、ターゲットとしてNi/Cu合金(重量比80:20)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、その上にターゲットとしてCuを用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ130nm積層し、さらにその上にターゲットとしてNi/Cu合金(重量比80:20)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、大気中に取り出した後、大気下で140℃・90分アニール処理を実施してフィルム3を得た。得られたフィルム3に対して、積層した金属膜とITOフィルムの密着性評価を実施したところ、碁盤目剥離試験でJIS−K5600の分類5に相当する非常に悪い結果となった。
ITOフィルム(2)をスパッタリング装置(アルバック製、型番:SPW−030)内に配置し、アルゴンガス流入下で、ターゲットとしてNi/Cu合金(重量比80:20)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、その上にターゲットとしてCuを用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ130nm積層し、さらにその上にターゲットとしてNi/Cu合金(重量比80:20)を用いたスパッタリングにより金属膜を厚さ20nm積層し、大気中に取り出した後、大気下で140℃・90分アニール処理を実施してフィルム3を得た。得られたフィルム3に対して、積層した金属膜とITOフィルムの密着性評価を実施したところ、碁盤目剥離試験でJIS−K5600の分類5に相当する非常に悪い結果となった。
本発明の透明導電フィルムは、画像表示装置と一体型の入力スイッチとして用いることができる。
さらに、銀行のATMや券売機、カーナビ、PDA、コピー機の操作画面用のタッチパネルなどとしても好適に用いることができる。
1:透明導電フィルム
2:透明基材
3:ハードコート層
4:透明導電膜(ITO膜)
5:金属配線
2:透明基材
3:ハードコート層
4:透明導電膜(ITO膜)
5:金属配線
Claims (7)
- 透明導電膜(II)と直接接続する金属配線(III)を有するフィルムであって、前記金属配線(III)が、金属配線中の金属全体を100重量%としたとき、Niを30重量%以上、80重量%未満、Cuを20〜50重量%含むことを特徴とする透明導電フィルム。
- 前記金属配線(III)が、さらにTiを1〜10重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の透明導電フィルム。
- 前記透明導電膜(II)が結晶性ITOにより形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明導電フィルム。
- 前記透明導電膜(II)が透明基材からなるフィルム(I)上に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3に記載の透明導電フィルム。
- 前記フィルム(I)が透明樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の透明導電フィルム。
- 前記フィルム(I)は、環状オレフィン系樹脂もしくは芳香族ポリエーテル系樹脂を含むことを特徴とする請求項4〜5に記載の透明導電フィルム。
- 請求項1〜6に記載の透明導電フィルムを有するタッチパネル。
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---|---|---|---|---|
JP2013210987A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-10-10 | Sekisui Nano Coat Technology Co Ltd | 金属層付き導電性フィルム、その製造方法及びそれを含有するタッチパネル |
JP2015114919A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | Jsr株式会社 | 透明導電性フィルム及びその製造方法、並びに表示装置 |
JP5904289B2 (ja) * | 2013-10-21 | 2016-04-13 | 東洋紡株式会社 | ニッケル銅合金薄膜積層フィルム |
-
2011
- 2011-10-25 JP JP2011234084A patent/JP2013091217A/ja active Pending
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